JP2004047309A - El素子用封止板、及び該封止板多面取り用マザーガラス基板 - Google Patents

El素子用封止板、及び該封止板多面取り用マザーガラス基板 Download PDF

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Abstract

【課題】EL素子内部への水分や酸素の侵入を効果的に防止してEL素子の長寿命化を図ることができるEL素子用封止板、及び該封止板多面取り用マザーガラス基板を提供する。
【解決手段】EL素子100は、ボトムエミッション構造をとり、板状の透明な無アルカリガラス製の基板10と、基板10の上に形成された有機EL積層体20と、この有機EL積層体20を覆うように形成された封止板30とから成る。封止板30は、例えばウェットエッチング法により板状の透明な無アルカリガラス製のガラス素板から形成され、周辺部に周辺突状部31を規定すべく中央部が凹状に加工されている。周辺突状部31の先端は、基板10に接着層40を介して基板10に接着される。周辺突状部31の頂面の凹凸の最大値が10μm未満である。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子用封止板、及び該封止板多面取り用マザーガラス基板に関し、特に、基板上に積層されたEL積層体を覆うように中央部が凹状に加工されたEL素子用封止板、及び該封止板多面取り用マザーガラス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
EL素子は、一般的には、表面にEL積層膜が形成された基板と、基板上に形成されたEL積層膜を覆うように、頂面が接着剤を介して基板に接着される周辺突状部を周辺部に規定すべく中央部が凹状に加工されたEL素子用封止板とから構成される。基板と封止板とは、基板と周辺突状部の間の封止部分に配された接着剤から成る接着層を介して接着される。
【0003】
この封止板の材料としては、金属、ガラス、又は樹脂等が用いられる。これらのうち封止板が金属から成る場合は、基板に形成された引出し電極部分の電気的絶縁性の保持を目的として、基板と周辺突状部の間の封止部分に配される接着剤に絶縁性のスペーサーを混ぜる必要があるため、基板と周辺突状部との隙間がスペーサーの分だけ大きくなってしまい、この部分から外部の水分が侵入する可能性が高くなる。また、発光層からの光を封止板側から取出すトップエミッション構造では、封止板に透明性が要求されるため、金属から成る封止板は使用できない。
【0004】
従って、EL素子がトップエミッション構造を採る場合は、封止板は絶縁性と透明性を有するプラスチック又はガラスが用いられる。しかし、プラスチックは、それ自体が有する吸水性のために封止板の材料として用いられることは少ないのに対して、ガラスは絶縁性、透明性、及び耐水性に優れているため封止板の材料としてよく用いられる。
【0005】
ガラス製の封止板の加工方法としては、ガラス素板自体を曲げて加工するプレス法(図3)や、ガラス素板の中央部を取り除くサンドブラスト法(図4)がある。
【0006】
図3に示すように、プレス法で加工された封止板30は、焼付き防止のために微小な凹凸を持たせた型を用いるため、この凹凸が周辺突状部31の頂面に転写されて平坦度が低くなり、基板10と周辺突状部31の間の封止部分に配された接着層40から水分や酸素が侵入し易くなる。また、図4に示すように、サンドブラスト法で加工された封止板30は、中央凹部の表面にサンドブラスト法特有の微小なクラック60を多く発生するため、封止板30を基板10に接着すべく、基板10と周辺突状部31の間の封止部分に配された接着層40に圧力を印加すると封止板30が破壊する場合がある。
【0007】
封止板30の加工方法としては、上記プレス法やサンドブラスト法以外に、エッチング法があり、この方法によれば、周辺突状部31の頂面の平坦度が高く、また、中央凹部の表面に微小なクラックが発生しないので、基板10と封止板30の接着のために圧力をかけても封止部分において均一な接着を行うことできる。
【0008】
また、封止板30が耐水性に優れるガラスから成る場合でも、基板10と周辺突状部31との間の封止部分への接着剤の塗布量が少ないと封止部分から外部の水分や酸素が侵入してEL積層膜自体にダメージを与え、EL素子の寿命が極端に短くなる。そのため、封止部分へ塗布する接着剤の量は厳密に制御されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周辺突状部31の頂面の凹凸にバラツキがあると、その凹部分に接着剤が滞留し易くなるのに加えて、周辺突状部31の頂面の面積、即ち接着剤を塗布する面積が大きいと、接着層40の厚さを均一に形成するのが困難となる。
【0010】
従って、基板10と周辺突状部31との間の封止部分へ塗布する接着剤の量のみを厳密に制御しても、封止部分への一定の厚さの接着層40の形成が困難となり、接着層40の一定の厚さを満たない部分から外部の水分や酸素が侵入して、EL素子の寿命が短くなるという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、EL素子内部への水分や酸素の侵入を効果的に防止してEL素子の長寿命化を図ることができるEL素子用封止板、及び該封止板多面取り用マザーガラス基板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1記載のEL素子用封止板は、基板上に積層されたEL積層体を覆うように、頂面が接着剤を介して前記基板に接着される周辺突状部を規定すべく中央部が凹状に加工されたガラス製のEL素子用封止板において、前記周辺突状部の頂面の凹凸の最大値が10μm未満であることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載のEL素子用封止板は、請求項1記載のEL素子用封止板において、前記中央部がエッチング法を用いて凹状に加工されたことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載のEL素子用封止板は、請求項2記載のEL素子用封止板において、前記エッチング法はウェットエッチング法であることを特徴とする。
【0015】
上述の目的を達成するために、請求項4記載の封止板多面取り用マザーガラス基板は、前記1乃至3のいずれか1項に記載のEL素子用封止板がほぼマトリックス状に形成されたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、基板上に積層されたEL積層体を覆うように、頂面が接着剤を介して前記基板に接着される周辺突状部を周辺部に規定すべく中央部が凹状に加工されたガラス製のEL素子用封止板において、前記周辺突状部の頂面の凹凸の最大値が10μm未満であると、封止板の基板の封止部分の接着層の厚さを均一にして、EL素子内部への水分や酸素の侵入を効果的に防止してEL素子の長寿命化を図ることができることを見出した。
【0017】
本発明は、上記研究の結果に基づいてなされたものである。
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るEL素子用封止板を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るEL素子用封止板を備えるEL素子の断面図である。
【0020】
図1において、EL素子100は、ボトムエミッション構造をとり、大きさ7.0cm角、厚さ1.0mmの板状の透明な無アルカリガラス製の基板10と、基板10の上に形成された有機EL積層体20と、この有機EL積層体20を覆うように形成された封止板30とから成る。
【0021】
封止板30は、例えばウェットエッチング法により大きさ5.0cm角、厚さ0.70mmの板状の透明な無アルカリガラス(例えばNA−35:エヌエッチ・テクノグラス株式会社製)製のガラス素板から形成され、凹部32の周辺部に幅2.0mmの周辺突状部31を規定すべく中央部が凹状に加工され、凹部2底部の厚さが0.4mmである。基板10と周辺突状部31とは、基板10と周辺突状部31の頂部との間に形成された封止部分に配された、例えば紫外線硬化型エポキシ樹脂製の接着剤から成る接着層40を介して接着される。
【0022】
封止板30の基板10への接着は、まず、周辺突状部31に接着剤を一定量塗布した後、封止板30を基板10上に載置し、次に、封止部分に980N/m(100kg/m)程度の力が印加されるように封止板30を基板10に押圧しつつ接着剤に紫外線を照射することにより行う。
【0023】
封止板30の凹部32の底部表面33には、水分を吸着させるためにモレキュラー・シーヴス(ユニオンカーバイド社製)の粉末50が塗布されている。なお、モレキュラー・シーヴスの粉末50の塗布時及び封止板30の基板10への接着時には、水分や酸素の影響をなくすために乾燥雰囲気や減圧下で行うのが好ましい。
【0024】
有機EL積層体20は、基板10上にITO膜から成る高さ300nmの透明導電膜21が形成され、該透明導電膜21の上面には後述する発光層を含む有機EL積層膜22が積層され、有機EL積層膜22の側面にはMg−Ag合金製の高さ300nmの背面電極23が形成され、さらにITO膜から成る高さ300nmの引出し電極24が背面電極23に接続されて構成されている。
【0025】
有機EL積層膜22は、透明導電膜21側から順に、トリフェニルジアミンから成る高さ70nmの正孔輸送層、次いでキノリノールアルミ錯体から成る高さ70nmの発光層が配されて構成されている。さらには、背面電極23と発光層との間に、さらにトリアゾールやオキサジアゾールから成る透明な電子輸送層が配されて構成されていてもよい。
【0026】
上記ウェットエッチング法で用いられるエッチング液は、フッ化水素酸5〜50質量%に、硫酸、塩酸、硝酸、及びリン酸から成る無機酸の群から選択された少なくとも1つの酸を適量含有させることが好ましい。これにより、エッチング力を大きくすることができる。なお、これら無機酸の群から選択される強酸は、単体でも2種類以上の混合物でもよい。
【0027】
また、上記エッチング液は、カルボン酸類、ジカルボン酸類、アミン類、及びアミノ酸類からなる群から選択された1種又は2種以上の有機の酸や塩基の類を適量含有することが好ましい。また、上記エッチング液に界面活性剤を適宜添加してもよく、添加される界面活性剤を適宜変更してもよい。
【0028】
上述したようなエッチング液の成分とその濃度は、エッチング液の温度、並びにエッチングされるガラスの組成及び種類等によって適宜変更される。また、エッチング処理を施す際に、エッチングされるガラスを揺動させたり、弱い出力の超音波を付与したりすることも有効である。これにより、エッチング液を均一な溶液にすることができる。さらに、エッチング処理を施しているときに、エッチング液から取出して一旦水、又は硫酸、塩酸、硝酸、及びリン酸から成る無機酸の群から選択された少なくとも1つの酸、又はカルボン酸類、ジカルボン酸類、アミン類、及びアミノ酸類から成る群から選択された1種又は2種以上の有機酸や塩基の類に浸漬することも有効である。これにより、エッチング処理を均一に施すことができる。
【0029】
上記実施の形態では、ガラス素板に凹部32を形成する方法として、ウェットエッチング法を用いているが、ドライエッチング法でもよく、ドライエッチング法とウェットエッチング法とを併用してもよい。
【0030】
ウェットエッチング法では、エッチング液の成分とエッチング温度とを選択することによりバッチ処理を行うことができ、もって封止板30の生産性を向上させることができる。これに対して、ドライエッチング法では、エッチング処理を精密に行うことができるものの、バッチ処理を行うことができず、枚葉処理を余儀なくされるので、封止板30の生産性が低い。
【0031】
また、封止板30は、無アルカリガラスのガラス素板を用いたが、EL素子100の構成によっては、低アルカリガラスを用いてもよいし、ソーダライムガラス又は石英ガラス等を用いてもよい。
【0032】
封止板30の凹部32底部の厚さは、0.3〜1.1mmが好ましい。厚さが、0.3mm未満では封止板30の凹部32底部の強度は小さすぎ、1.1mmで封止板30の強度は十分大きい。
【0033】
本実施の形態によれば、周辺突状部31の頂面の凹凸の最大値が10μm未満であるので、基板10と周辺突状部31の間の封止部分における接着層40の厚さを均一にして、EL素子100内部への水分や酸素の侵入を効果的に防いでEL素子100の長寿命化を図ることができる。
【0034】
本実施の形態では、有機EL積層膜22はパッシブ構造をとるものであったが、アクティブ構造をとるものであってもよい。また、本実施の形態では、有機EL素子100はボトムエミッション構造をとるものとしたが、トップエミッション構造をとるものであってもよい。
【0035】
また、有機EL積層膜22は正孔輸送層と発光層からなるものを用いたが、正孔輸送層、発光層、及びトリアゾールやオキサジアゾールからなる電子輸送層からなるものを用いてもよい。
【0036】
さらに、EL積層膜は、有機EL積層膜22に代えて、無機EL積層膜であってもよい。この場合、透明導電膜側から順に、絶縁層、発光層、絶縁層からなるものや、電子障壁層、発光層、電流制限層からなるものが用いられる。
【0037】
図1のEL素子100に用いられる封止板30は、上記のように枚葉処理による作製に加えて、下記図2の封止板多面取り用マザーガラス基板から切り出すことができる。
【0038】
図2は、図1のEL素子100に用いられる封止板30がほぼマトリックス状に形成された封止板多面取り用マザーガラス基板の平面図である。
【0039】
図2において、縦30cm、横40cmの封止板多面取り用マザーガラス基板200は、5×6のマトリックス状に形成された封止板30を有する。
【0040】
ガラス素板に封止板30を5×6のマトリックス状に形成する方法としては、ウェットエッチング法を含むエッチング法よりガラス素板の所定部分を凹状に取り除く方法がある。使用されるガラス素板は、その取り扱い上厚さ0.5mm以上、EL素子100の薄型化の観点から1.1mm以下のものが好適に用いられる。
【0041】
この方法では、まず、無アルカリガラス(例えばNA−35等)製のガラス素板に、露出部を5×6のマトリックス状に形成すべく幅が2.5mmのテープ状のレジストによりマスキング処理し、このマスキング処理されたガラス素板を、上述のエッチング液中に10〜180分間程度浸漬して、ガラス素板から突状部101を残して凹状に取り除いて凹部102を形成するものである。このガラス素板を純水で十分洗浄した後にレジストを剥離する。
【0042】
このようにガラス素板の所定部分をウェットエッチング法により凹状に取り除くので、封止板30の凹部32の底部表面を確実に平坦にすることができ、外部圧力に対して封止板30の強度を増大させることができる。
【0043】
次いで、上記のように5×6のマトリックス状に凹部102が形成された封止板多面取り用マザーガラス基板200を、凹部102を規定する突状部101の部位で切断する。これにより、例えば後述する図2のEL素子100に用いられる封止板30を30(5×6)個取得することができる。
【0044】
上記実施の形態では、ガラス素板に凹部102を形成する方法として、ウェットエッチング法を用いているが、ドライエッチング法でもよく、ドライエッチング法とウェットエッチング法とを併用してもよい。
【0045】
封止板多面取り用マザーガラス基板200は、封止板30の配列をマトリックス状としたが、多面取りに適した配列であればマトリックス状以外のものであってもよい。
【0046】
また、レジストの幅は、2.5mmに限定されることはなく、取得された封止板30の周辺突状部31の幅が当該周辺突状部31の厚さ以上であればよく、封止板30の取りしろとして確保すべく1cm程度であってもよい。
【0047】
図2の封止板多面取り用マザーガラス基板200によれば、切断分離により各封止板30を取得することができ、切断時に外部圧力に対して強度を増大させ、且つ枚葉処理を行うことをなくして封止板30の生産性を向上させることができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0049】
本発明者は、ガラス素板から、夫々、ウェットエッチング法(実施例1)、プレス法(比較例1)、サンドブラスト法(比較例2)により、中央部に凹部を規定すべく周辺部に周辺突状部を備える封止板の実験片(実施例1及び比較例1〜2)を以下のように作製した(表1)。
【0050】
【表1】
Figure 2004047309
【0051】
まず、20質量%フッ化水素酸、1質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合液から成るエッチング液を調製し、大きさ5.0cm角、厚さ0.70mmの大きさの無アルカリガラス(NA−35)から成るガラス素板の外面、周辺面、及び周辺突状部を覆う耐酸性テープでマスキング処理を施し、このガラス素板を25℃に保った上記エッチング液中に60分間浸積して、エッチング液中から取り出し、純水で充分洗浄した後に耐酸性テープを剥離することにより、深さ300μmの凹部と幅2.5mmの周辺突状部とをガラス素板に形成し、封止板の実験片を取得した。
【0052】
これらの取得した封止板の実験片から、周辺突状部の頂面の凹凸の最大値が10μm未満のものを実施例1とした。
【0053】
次いで、厚さ0.50mmのNA−35のガラス基板を作業温度付近に加熱しながらカーボン製の鋳型で押圧し、このNA−35のガラス基板に深さ300μmの凹部と幅2.0mmの周辺突状部とを形成して、封止板の実験片を取得し、これらを比較例1とした。カーボン製の鋳型として、焼付き防止のために微小な凹凸を持たせたものを用いたので、比較例1の封止板の実験片には、カーボン製の鋳型の微小な凹凸が中央凹部に限らず周辺突状部の頂面にも転写され、周辺突状部の頂面の凹凸の最大値が10μmを越えていた。
【0054】
さらに、厚さ0.70mmのNA−35のガラス基板にサンドブラスト処理を施して、このNA−35のガラス基板に深さ300μmの凹部と幅2.0mmの周辺突状部とを形成して、封止板の実験片を取得し、これらを比較例2とした。比較例2の封止板の実験片には、中央凹部にサンドブラスト法特有の微小なクラック等が生じていたが、周辺突状部の頂面の凹凸の最大値は、NA−35のガラス基板の凹凸が維持されており、必ずしも10μm未満ではなかった。
【0055】
次いで、実施例1及び比較例1〜2の封止板の実験片の周辺突状部に、夫々、紫外線硬化型のエポキシ樹脂製の接着剤を適量塗布し、ガラス基板と封止板の実験片との両側からガラス基板と周辺突状部の間に形成された封止部分に対して980N/m(100kg/m)程度の力を加えつつ接着剤に紫外線を照射することにより、ガラス基板と周辺突状部の間の封止部分に接着層を形成して、有機EL素子を作製した。
【0056】
このようにして作製した有機EL素子を駆動電流10mA/cmで連続駆動を行って輝度の半減寿命を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0057】
表1から以下のことが分かった。
【0058】
実施例1
実施例1では、基板と周辺突状部の間の封止部分の全領域で、接着層の厚さが均一であり、輝度の半減寿命は5000時間と非常に長寿命であった。
【0059】
また、初期の駆動電圧は8Vは駆動時間の増加とともに輝度が低下し、輝度を維持するために駆動電圧を上昇させる必要があったが、初期の駆動電圧を12Vまで上昇させるだけで輝度を維持することができた。
【0060】
比較例1
比較例1では、周辺突状部の頂面に転写されたカーボン製の鋳型の微小な凹凸のため、基板と周辺突状部の間の封止部分に接着層を均一に形成することができず、半減寿命は2000時間と短寿命となった。また、初期の駆動電圧は、実施例1と同様に8Vであったものの、輝度を維持するためには初期の駆動電圧を25V以上まで上昇させる必要があった。
【0061】
比較例2
比較例2では、サンドブラストで生じた細かいクラックのため、接着層の形成時の押圧で実験片が割れてしまい、有機EL素子を作製することができなかった。
【0062】
そこで、接着層の形成時に490N/m(50kg/m)程度の力を加えて有機EL素子を作製した(図3)。しかし、この条件では接着層を封止部分に均一に形成することができず、輝度の半減寿命は2500時間と短寿命となった。また、初期の駆動電圧は実施例1と同様に8Vであったものの、輝度を維持するためには初期の駆動電圧を、25V以上まで上昇させる必要があった。
【0063】
本実施例によれば、周辺突状部の頂面の凹凸の最大値が10μm未満であると、基板と周辺突状部の間の封止部分における接着層の厚さを均一にして、EL素子内部への水分や酸素の侵入を効果的に防いでEL素子の長寿命化を図ることができることが分かった。
【0064】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載のEL素子用封止板によれば、周辺突状部の頂面の凹凸の最大値が10μm未満であるので、基板と周辺突状部の間の封止部分における接着層の厚さを均一にして、EL素子内部への水分や酸素の侵入を効果的に防いでEL素子の長寿命化を図ることができる。
【0065】
請求項2記載のEL素子用封止板によれば、中央部がエッチング法を用いて凹状に加工されるので、中央凹部の底面を平滑に加工することができる。
【0066】
請求項3記載のEL素子用封止板によれば、エッチング法はウェットエッチング法であるので、中央凹部の底面をより平滑に加工することができる。
【0067】
請求項4記載の封止板多面取り用マザーガラス基板によれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガラス製EL素子用封止板がほぼマトリックス状に形成されたので、EL素子用封止板の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るEL素子用封止板を備えるEL素子の断面図である。
【図2】図1のEL素子100に用いられる封止板30がほぼマトリックス状に形成された封止板多面取り用マザーガラス基板の平面図である。
【図3】プレス法を用いて加工されたEL素子用封止板を備えるEL素子の断面図である。
【図4】サンドブラスト法を用いて加工されたEL素子用封止板を備えるEL素子の断面図である。
【符号の説明】
10 基板
20 有機EL積層体
30 封止板
40 接着層
50 モレキュラー・シーヴスの粉末
100 EL素子

Claims (4)

  1. 基板上に積層されたEL積層体を覆うように、頂面が接着剤を介して前記基板に接着される周辺突状部を周辺部に規定すべく中央部が凹状に加工されたガラス製のEL素子用封止板において、前記周辺突状部の頂面の凹凸の最大値が10μm未満であることを特徴とするEL素子用封止板。
  2. 前記中央部がエッチング法を用いて凹状に加工されたことを特徴とする請求項1記載のEL素子用封止板。
  3. 前記エッチング法はウェットエッチング法であることを特徴とする請求項2記載のEL素子用封止板。
  4. 前記1乃至3のいずれか1項に記載のEL素子用封止板がほぼマトリックス状に形成されたことを特徴とする封止板多面取り用マザーガラス基板。
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