JP2004045733A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DMD素子を用いた投射型表示装置において、ジャギーの発生なく映像の台形歪みを良好に補正し、かつ、小型の投射型表示装置にも容易に適用可能な台形歪みの補正手段を実現すること。
【解決手段】DMD素子を使用した投射型表示装置において、DMD素子を搭載したDMD素子搭載基盤の角度を、可変設定可能な角度調整手段を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】DMD素子を使用した投射型表示装置において、DMD素子を搭載したDMD素子搭載基盤の角度を、可変設定可能な角度調整手段を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はDMD(Digital Micromirror Device)素子を使用した投射型表示装置に係り、特に、投射した映像の台形歪みを補正するようにした投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投射型表示装置からスクリーン等に映像を投射する一般的な状況を、図7に示す。図7において、1は投射型表示装置、2はスクリーン、3は投射型表示装置からの投射光、4は、スクリーン2上に投射された投射型表示装置からの映像である。
【0003】
図7に示すように、投射型表示装置1を水平に設置した場合、通常、投射型表示装置1よりもスクリーン2が上方にきたときに映像4が歪みなく映るように若干のオフセットをつけ、投射型表示装置1の光学系を設計する。
【0004】
しかし、図8に示すように、スクリーン2が設計のオフセットよりも更に上方の場合には、投射型表示装置1を上方に傾けて投映することになり、スクリーン2上に投影された映像4は台形に歪む。
【0005】
これを補正するため、従来のモデルでは、図9に示すように、投射する映像信号を図8の映像4とは逆の台形の映像に加工し、これを投射することで、図10に示すように台形歪みを補正し、見た目の品位を改善してきた。
【0006】
また、投映レンズを上下方向に平行移動することで、映像の台形歪みを抑えながら、投映する映像を上下方向にシフトさせるレンズシフト機能と呼ばれる技術が、従来使用されてきた。
【0007】
さらに最近は、上下方向に加え左右方向の設置自由度を上げるために、左右方向のレンズシフト機能や映像信号の補正が行なわれてきている。
【0008】
なおまた、特表2000−508089号公報には、透過型パネルを光路に対して傾斜させることで、キーストーンの歪みを正すようにした技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、映像信号で台形歪みを補正すると、ジャギーと呼ばれる症状が発生する。これは例えば、1ラインの縦線を表示している時に上下方向の映像信号の台形歪みを補正すると、画面の中央近辺に1ラインと1ラインのつなぎ目が現われるという現象である。このつなぎ目を目立たなくするために、映像信号を補間するアンチエリアシング技術があるが、補正量が増すに従いこのつなぎ目が増えていき、ある程度の補正量以上では品質の低下が著しいため、文字なども読みずらく使用に耐えない。また、1ライン間隔の線の表示時に、モアレ縞が発生してしまうという問題もある。
【0010】
また、レンズシフト機能により映像をシフトさせる場合には、投映レンズの可動範囲が装置の大きさで制約を受け、大きなシフト量を得ることができず、通常±0.5画面分程度にとどまる。さらに、その対応のためにはレンズマウントを大型化する必要があり、製品の大型化につながるため、携帯性が優先される小型の製品には搭載が見送られている。
【0011】
また、前記した特表2000−508089号公報に開示された技術では、その構成上、透過型パネルの回転軸を透過型パネルのセンターに置く必要があり、かつ、透過型パネルの前後にフレネルレンズを必要とする。このため、透過型パネルに僅かな角度をつけただけで、パネルの透過光軸はレンズの入射光軸を外れてしまい、画面にその映像を映すためには角度が制限される。これは、特表2000−508089号公報の請求項で、透過型パネルの投映時の角度を90度前後と表記していることからも明らかである。台形補正の効果は、透過型パネルの回転角度で決まるため、特表2000−508089号公報に開示された技術では、ほとんど台形補正の効果を出すことが実際にはできない。
【0012】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ジャギーの発生なく映像の台形歪みを良好に補正し、かつ、小型の投射型表示装置にも容易に適用可能な台形歪みの補正手段を実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はした目的を達成するため、DMD素子を使用した投射型表示装置において、DMD素子を搭載したDMD素子搭載基盤の角度を、可変設定可能な角度調整手段を設けた、構成をとる。例えば望ましくは、DMD素子搭載基盤を略円盤状のギア上に固定して、このギアに歯車連結された調整ダイヤルなどのマニュアル操作手段によって、DMD素子搭載基盤の角度調整を行うように、構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0015】
図1〜図6は本発明の一実施形態に係り、図1は、投射型表示装置の一例としての1チップDMDプロジェクターの内部構成を示す図、図2は、1チップDMDプロジェクターの上面図、図3は、1チップDMDプロジェクターの側面から見た内部の要部構成図である。
【0016】
図1〜図3において、5はDMD素子、6は投射レンズ、7は光源としてのランプ、8はカラーホイール、9、10はレンズ、11は調整ダイアル、12はDMD素子を駆動するためのDMD駆動回路基板、13は略円盤状のギヤ、14は1チップDMDプロジェクターのケースである。
【0017】
本実施形態では、略円盤状のギヤ13は、ケース14の底面に対して略垂直に配置されると共に、適宜の軸支手段によって回転可能に保持されている。そして、このギヤ13の回転中心を外した位置に、DMD素子5を搭載したDMD駆動回路基板12が垂直に取り付けられており、DMD駆動回路基板12上のDMD素子5が、ギヤ13の回転中心を外した位置に位置づけられるようにしている。また、略円盤状の調整ダイヤル11は、ケース14の底面に対して垂直に配置されると共に、適宜の軸支手段によって回転可能に保持されており、その一部がケース14の上面から露出して、マニュアル操作によって回転させることが可能となっている。この調整ダイヤル11に設けたギヤ部が、略円盤状のギヤ13のギヤ部と噛み合っており(歯車結合されており)、調整ダイヤル11を回転させることによってギヤ13が回転し、これによって、ギヤ13に搭載されたDMD駆動回路基板12、すなわちDMD素子5がその起立姿勢を可変調整できるようになっている。
【0018】
図1に示す構成において、光源であるランプ7からの光はレンズ9により集光され、円盤式のカラーホイール8にて、時分割式でRGBの3色に分離される。その後、レンズ10により平行光に戻され、DMD素子5が投射する映像内容に依存した反射をすることで、投射レンズ6から映像が投射され、これがスクリーン2上で結像して、所望の映像が認識されることとなる。
【0019】
本実施形態では、例えば、投射型表示装置1よりもスクリーン2が上方にある場合は、図4に示すように、調整ダイヤル11によりDMD素子5の角度を変更することで、反射光の角度を上に変化させ、投射レンズ6からの投射光角度を上に変化させるようになっている。
【0020】
ところで、DMD素子を用いた一般的な投射型表示装置では、スクリーン2に結像する映像は、投射レンズ6によって、DMD素子5の映像とは反転したものになっている。DMD素子5の反射光の角度を上に変化させるように、調整ダイヤル11によってDMD素子5を回転させることで、投射レンズ6とDMD素子5の上辺の距離は遠くなり、投射レンズ6とDMD素子5の下辺の距離は近くなる。したがって、図5に示すように、DMD素子5の傾きとスクリーン2の傾きを同じにしたとき、スクリーン2上に表示される映像はDMD素子5の映像と反転しているため、スクリーン2の上辺側が狭くなり、下辺側が広くなる。その結果、図6に示すように、スクリーン2が傾いていない場合においては、光学的に台形歪みを補正できることとなる。
【0021】
なお、図では説明の簡略化のため、投射レンズ6を1ユニットとして扱い、光路も簡略化しているが、通常、投射レンズ6は複数枚のレンズで構成され、その構成は、ズーム機能やフォーカス機能の有無、その他の光学補正のためのレンズなど、製品によってそれぞれ異なる。本発明では、かような投射レンズ6の構成を限定するものではない。
【0022】
また、上述した実施形態以外のレンズ構成や、光学プリズムを用いる光学構造も有り得るが、本発明では、その光学系を図例に限定するものではない。
【0023】
また、上述した実施形態では、調整ダイヤル11、ギア13を回転可能としているが、実際には、DMD素子5の回転角度に制限をつけるため、1/10円周程度のみにギア部を設け、それ以上は可動しないなどの機構的な細工が必要になるが、可動制限範囲は、投射レンズ6の光学特性や、投射レンズ6とDMD素子5との距離により変化する。本発明では、かような調整ダイヤル11、ギア13の回転構造を限定するものではない。なおまた、調整ダイヤル以外にも、回転レバーなどをマニュアル調整手段とすることも可能である。
【0024】
また、上述した実施形態では、調整ダイヤル11などのマニュアル操作手段によってDMD素子5を回動させることを例示したが、本発明ではDMD素子5の動かし方をマニュアル操作に限定するものではなく、例えば、他に操作パネルを用意し、そのパネルの入力に応じて電動モーターで動かすようにしてもよい。
【0025】
また、上述した実施形態では、ギア13の中心軸からDMD素子5の表面にオフセットをつけているが、このオフセット量は、投射レンズ6の光学特性、投射レンズ6とDMD素子5との距離によりその最適量が変化する。本発明では、かようなオフセット量を限定するものではない。
【0026】
なおまた、調整ダイヤルおよびギヤ13を、ケース14の底面に対して略平行に配置するようになせば、左右方向の台形補正を行うことが可能となる。
【0027】
さらにまた、DMD素子5を回動させるための回転軸を1軸だけでなく2軸にすることで、上下方向の台形補正だけでなく、左右方向の台形補正もあわせて行うことが可能となる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、DMD素子を使用した投射型表示装置において、DMD素子の反射角度をユーザーが適宜に調整することによって、投射した映像の台形歪みを良好に補正することが可能となり、映像信号で台形歪みを補正する場合のようにジャギーが発生する虞もない。また、DMD素子の角度を可変するという簡易な台形歪み補正手段であるので、投射型表示装置が大型化することがなく、以って、小型の投射型表示装置にも容易に適用可能となる。また、マニュアル操作で台形歪みを補正するように構成すれば、別途の駆動源なども必要とせず、簡易で安価な構成とすることができる。また、ギヤの配置を例えば投射型表示装置のケース底面に対して垂直または平行に配置することで、投影方向に対し上下の歪補正や、投影方向に対し左右の歪補正が可能となる。また、DMD素子をギヤの回転中心からオフセットさせることで、補正可能角度を広げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置(1チップDMDプロジェクター)の内部構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置の上面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置の側面から見た内部の要部構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置における、調整ダイヤルによる調整の様子などを示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置における投射映像の例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置における投射映像の例を示す説明図である。
【図7】従来の投射型表示装置における一般的な映像を示す説明図である。
【図8】従来の投射型表示装置における、スクリーンが上方の場合の映像を示す説明図である。
【図9】従来の投射型表示装置における、台形歪み補正のための映像信号の加工の様子を示す説明図である。
【図10】図9のように加工された映像信号を投射したときの映像を示す説明図である。
【符号の説明】
1 投射型表示装置
2 スクリーン
3 投射光
4 スクリーン上に投射された映像
5 DMD素子
6 投射レンズ
7 ランプ
8 カラーホイール
9 レンズ
10 レンズ
11 調整ダイヤル
12 DMD駆動回路基板
13 ギア
14 ケース
【発明の属する技術分野】
本発明はDMD(Digital Micromirror Device)素子を使用した投射型表示装置に係り、特に、投射した映像の台形歪みを補正するようにした投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投射型表示装置からスクリーン等に映像を投射する一般的な状況を、図7に示す。図7において、1は投射型表示装置、2はスクリーン、3は投射型表示装置からの投射光、4は、スクリーン2上に投射された投射型表示装置からの映像である。
【0003】
図7に示すように、投射型表示装置1を水平に設置した場合、通常、投射型表示装置1よりもスクリーン2が上方にきたときに映像4が歪みなく映るように若干のオフセットをつけ、投射型表示装置1の光学系を設計する。
【0004】
しかし、図8に示すように、スクリーン2が設計のオフセットよりも更に上方の場合には、投射型表示装置1を上方に傾けて投映することになり、スクリーン2上に投影された映像4は台形に歪む。
【0005】
これを補正するため、従来のモデルでは、図9に示すように、投射する映像信号を図8の映像4とは逆の台形の映像に加工し、これを投射することで、図10に示すように台形歪みを補正し、見た目の品位を改善してきた。
【0006】
また、投映レンズを上下方向に平行移動することで、映像の台形歪みを抑えながら、投映する映像を上下方向にシフトさせるレンズシフト機能と呼ばれる技術が、従来使用されてきた。
【0007】
さらに最近は、上下方向に加え左右方向の設置自由度を上げるために、左右方向のレンズシフト機能や映像信号の補正が行なわれてきている。
【0008】
なおまた、特表2000−508089号公報には、透過型パネルを光路に対して傾斜させることで、キーストーンの歪みを正すようにした技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、映像信号で台形歪みを補正すると、ジャギーと呼ばれる症状が発生する。これは例えば、1ラインの縦線を表示している時に上下方向の映像信号の台形歪みを補正すると、画面の中央近辺に1ラインと1ラインのつなぎ目が現われるという現象である。このつなぎ目を目立たなくするために、映像信号を補間するアンチエリアシング技術があるが、補正量が増すに従いこのつなぎ目が増えていき、ある程度の補正量以上では品質の低下が著しいため、文字なども読みずらく使用に耐えない。また、1ライン間隔の線の表示時に、モアレ縞が発生してしまうという問題もある。
【0010】
また、レンズシフト機能により映像をシフトさせる場合には、投映レンズの可動範囲が装置の大きさで制約を受け、大きなシフト量を得ることができず、通常±0.5画面分程度にとどまる。さらに、その対応のためにはレンズマウントを大型化する必要があり、製品の大型化につながるため、携帯性が優先される小型の製品には搭載が見送られている。
【0011】
また、前記した特表2000−508089号公報に開示された技術では、その構成上、透過型パネルの回転軸を透過型パネルのセンターに置く必要があり、かつ、透過型パネルの前後にフレネルレンズを必要とする。このため、透過型パネルに僅かな角度をつけただけで、パネルの透過光軸はレンズの入射光軸を外れてしまい、画面にその映像を映すためには角度が制限される。これは、特表2000−508089号公報の請求項で、透過型パネルの投映時の角度を90度前後と表記していることからも明らかである。台形補正の効果は、透過型パネルの回転角度で決まるため、特表2000−508089号公報に開示された技術では、ほとんど台形補正の効果を出すことが実際にはできない。
【0012】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ジャギーの発生なく映像の台形歪みを良好に補正し、かつ、小型の投射型表示装置にも容易に適用可能な台形歪みの補正手段を実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はした目的を達成するため、DMD素子を使用した投射型表示装置において、DMD素子を搭載したDMD素子搭載基盤の角度を、可変設定可能な角度調整手段を設けた、構成をとる。例えば望ましくは、DMD素子搭載基盤を略円盤状のギア上に固定して、このギアに歯車連結された調整ダイヤルなどのマニュアル操作手段によって、DMD素子搭載基盤の角度調整を行うように、構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0015】
図1〜図6は本発明の一実施形態に係り、図1は、投射型表示装置の一例としての1チップDMDプロジェクターの内部構成を示す図、図2は、1チップDMDプロジェクターの上面図、図3は、1チップDMDプロジェクターの側面から見た内部の要部構成図である。
【0016】
図1〜図3において、5はDMD素子、6は投射レンズ、7は光源としてのランプ、8はカラーホイール、9、10はレンズ、11は調整ダイアル、12はDMD素子を駆動するためのDMD駆動回路基板、13は略円盤状のギヤ、14は1チップDMDプロジェクターのケースである。
【0017】
本実施形態では、略円盤状のギヤ13は、ケース14の底面に対して略垂直に配置されると共に、適宜の軸支手段によって回転可能に保持されている。そして、このギヤ13の回転中心を外した位置に、DMD素子5を搭載したDMD駆動回路基板12が垂直に取り付けられており、DMD駆動回路基板12上のDMD素子5が、ギヤ13の回転中心を外した位置に位置づけられるようにしている。また、略円盤状の調整ダイヤル11は、ケース14の底面に対して垂直に配置されると共に、適宜の軸支手段によって回転可能に保持されており、その一部がケース14の上面から露出して、マニュアル操作によって回転させることが可能となっている。この調整ダイヤル11に設けたギヤ部が、略円盤状のギヤ13のギヤ部と噛み合っており(歯車結合されており)、調整ダイヤル11を回転させることによってギヤ13が回転し、これによって、ギヤ13に搭載されたDMD駆動回路基板12、すなわちDMD素子5がその起立姿勢を可変調整できるようになっている。
【0018】
図1に示す構成において、光源であるランプ7からの光はレンズ9により集光され、円盤式のカラーホイール8にて、時分割式でRGBの3色に分離される。その後、レンズ10により平行光に戻され、DMD素子5が投射する映像内容に依存した反射をすることで、投射レンズ6から映像が投射され、これがスクリーン2上で結像して、所望の映像が認識されることとなる。
【0019】
本実施形態では、例えば、投射型表示装置1よりもスクリーン2が上方にある場合は、図4に示すように、調整ダイヤル11によりDMD素子5の角度を変更することで、反射光の角度を上に変化させ、投射レンズ6からの投射光角度を上に変化させるようになっている。
【0020】
ところで、DMD素子を用いた一般的な投射型表示装置では、スクリーン2に結像する映像は、投射レンズ6によって、DMD素子5の映像とは反転したものになっている。DMD素子5の反射光の角度を上に変化させるように、調整ダイヤル11によってDMD素子5を回転させることで、投射レンズ6とDMD素子5の上辺の距離は遠くなり、投射レンズ6とDMD素子5の下辺の距離は近くなる。したがって、図5に示すように、DMD素子5の傾きとスクリーン2の傾きを同じにしたとき、スクリーン2上に表示される映像はDMD素子5の映像と反転しているため、スクリーン2の上辺側が狭くなり、下辺側が広くなる。その結果、図6に示すように、スクリーン2が傾いていない場合においては、光学的に台形歪みを補正できることとなる。
【0021】
なお、図では説明の簡略化のため、投射レンズ6を1ユニットとして扱い、光路も簡略化しているが、通常、投射レンズ6は複数枚のレンズで構成され、その構成は、ズーム機能やフォーカス機能の有無、その他の光学補正のためのレンズなど、製品によってそれぞれ異なる。本発明では、かような投射レンズ6の構成を限定するものではない。
【0022】
また、上述した実施形態以外のレンズ構成や、光学プリズムを用いる光学構造も有り得るが、本発明では、その光学系を図例に限定するものではない。
【0023】
また、上述した実施形態では、調整ダイヤル11、ギア13を回転可能としているが、実際には、DMD素子5の回転角度に制限をつけるため、1/10円周程度のみにギア部を設け、それ以上は可動しないなどの機構的な細工が必要になるが、可動制限範囲は、投射レンズ6の光学特性や、投射レンズ6とDMD素子5との距離により変化する。本発明では、かような調整ダイヤル11、ギア13の回転構造を限定するものではない。なおまた、調整ダイヤル以外にも、回転レバーなどをマニュアル調整手段とすることも可能である。
【0024】
また、上述した実施形態では、調整ダイヤル11などのマニュアル操作手段によってDMD素子5を回動させることを例示したが、本発明ではDMD素子5の動かし方をマニュアル操作に限定するものではなく、例えば、他に操作パネルを用意し、そのパネルの入力に応じて電動モーターで動かすようにしてもよい。
【0025】
また、上述した実施形態では、ギア13の中心軸からDMD素子5の表面にオフセットをつけているが、このオフセット量は、投射レンズ6の光学特性、投射レンズ6とDMD素子5との距離によりその最適量が変化する。本発明では、かようなオフセット量を限定するものではない。
【0026】
なおまた、調整ダイヤルおよびギヤ13を、ケース14の底面に対して略平行に配置するようになせば、左右方向の台形補正を行うことが可能となる。
【0027】
さらにまた、DMD素子5を回動させるための回転軸を1軸だけでなく2軸にすることで、上下方向の台形補正だけでなく、左右方向の台形補正もあわせて行うことが可能となる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、DMD素子を使用した投射型表示装置において、DMD素子の反射角度をユーザーが適宜に調整することによって、投射した映像の台形歪みを良好に補正することが可能となり、映像信号で台形歪みを補正する場合のようにジャギーが発生する虞もない。また、DMD素子の角度を可変するという簡易な台形歪み補正手段であるので、投射型表示装置が大型化することがなく、以って、小型の投射型表示装置にも容易に適用可能となる。また、マニュアル操作で台形歪みを補正するように構成すれば、別途の駆動源なども必要とせず、簡易で安価な構成とすることができる。また、ギヤの配置を例えば投射型表示装置のケース底面に対して垂直または平行に配置することで、投影方向に対し上下の歪補正や、投影方向に対し左右の歪補正が可能となる。また、DMD素子をギヤの回転中心からオフセットさせることで、補正可能角度を広げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置(1チップDMDプロジェクター)の内部構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置の上面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置の側面から見た内部の要部構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置における、調整ダイヤルによる調整の様子などを示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置における投射映像の例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置における投射映像の例を示す説明図である。
【図7】従来の投射型表示装置における一般的な映像を示す説明図である。
【図8】従来の投射型表示装置における、スクリーンが上方の場合の映像を示す説明図である。
【図9】従来の投射型表示装置における、台形歪み補正のための映像信号の加工の様子を示す説明図である。
【図10】図9のように加工された映像信号を投射したときの映像を示す説明図である。
【符号の説明】
1 投射型表示装置
2 スクリーン
3 投射光
4 スクリーン上に投射された映像
5 DMD素子
6 投射レンズ
7 ランプ
8 カラーホイール
9 レンズ
10 レンズ
11 調整ダイヤル
12 DMD駆動回路基板
13 ギア
14 ケース
Claims (5)
- DMD(Digital Micromirror Device)素子を使用した投射型表示装置において、
DMD素子搭載基盤と、該DMD素子搭載基盤の角度を可変設定可能な角度調整手段とを有することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1記載において、
前記DMD素子搭載基盤は略円盤状のギア上に固定され、該ギアに歯車連結されたマニュアル操作手段によって、前記DMD素子搭載基盤の角度調整を行うようにしたことを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項2記載において、
前記略円盤状ギアは、投射型表示装置のケースの底面に対して略垂直に配置されたことを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項2記載において、
前記略円盤状ギアは、投射型表示装置のケースの底面に対して略平行に配置されたことを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項2乃至4の何れか1項に記載において、
前記DMD素子搭載基盤上のDMD素子は、前記ギヤの回転中心位置を外した位置に配置されることを特徴とする投射型表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202832A JP2004045733A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 投射型表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202832A JP2004045733A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 投射型表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004045733A true JP2004045733A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31708913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002202832A Pending JP2004045733A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 投射型表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004045733A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007007660A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Olympus Corp | レーザ加工装置 |
USRE42270E1 (en) | 2002-04-24 | 2011-04-05 | Sanyo Electronic Co., Ltd. | Lens shift mechanism and projection type video display |
US10670949B2 (en) | 2017-09-29 | 2020-06-02 | Seiko Epson Corporation | Projector with attitude adjustment apparatus |
-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002202832A patent/JP2004045733A/ja active Pending
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