JP2004045231A - 三次元測定機、三次元測定機の校正方法及び該方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

三次元測定機、三次元測定機の校正方法及び該方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、プローブ誤差が分離された3個の直角度誤差を決定でき、また直角度誤差を求める演算処理をより単純化できる三次元測定機、三次元測定機の校正方法及び該方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法によれば、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定し、測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出することに特徴がある。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は三次元測定機、三次元測定機の校正方法及び該方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、詳細には例えばレンズ等の光学素子、特に非球面の形状を測定するときの3軸における座標軸直角度誤差の校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非球面レンズ等の形状を測定するための代表的な方法は、X軸ステージとY軸ステージ及びZ軸ステージを有する3軸直交ステージにプローブを設け、プローブと対向する位置に被測定物を固定し、3軸直交ステージを駆動してプローブにより被測定物表面を走査する。なお、走査方法としては、倣い動作方式と、一点毎にアプローチ動作と退避動作を繰り返すpoint to point方式がある。そして、走査中のプローブの位置を、レーザ測長器等を用いて逐次測定することによって被測定物の表面の形状を座標点列データとして取得する。
【0003】
ここで、プローブについて説明すると、プローブは接触式と非接触式の2種類に大別できる。先ず、接触式プローブについて説明すると、接触式プローブの構成を示す図12において接触式の光プローブ100は、ハウジング101に対してバネ102によりスラスト方向に弾性支持された接触子103を有し、外部から吸気ポート104を通して多孔質材料105に吸気することによって接触子103の静圧空気案内を構成している。接触子103の被測定面108に接触する側の先端には真球106が固定され、反対側の端面に対向した位置に変位計107が設けられている。そして、ハウジング101を固定した3軸直交ステージ(不図示)を駆動して、接触子103の先端の真球106を被測定面108に押し付けると、バネ102が変形して変位計107の出力が変化する。そこで、3軸直交ステージを駆動して変位計107の出力が一定になるように制御しながら被測定面108を走査すると同時に、レーザ測長器等を用いて走査中のプローブ100の位置を逐次測定して被測定面108の形状を測定する。また、走査中における変位計107のわずかな出力変動分をレーザ測長器等の出力に加算することによって、被測定面108における凹凸に対するプローブ100の追従誤差を補正することができ、より高精度な測定を行うことができる。
【0004】
次に、非接触式プローブの代表例としては、光プローブが使用されている。非接触式プローブの構成を示す図13において非接触式の光プローブ200は、光源201から射出された光を、ハーフミラー202を経てレンズ203に送り、レンズ203により被測定面205に数μm前後の微小スポットで集光する。被測定面205で反射した光を、再びレンズ203とハーフミラー202を通し、フォーカス検出系204に導く。フォーカス検出系204には、例えば光ディスクドライブのピックアップと同様の光学系が用いられ、被測定面205との距離に応じた電気信号が出力される。この光プローブ200を取り付けた3軸直交ステージを駆動して、光プローブ200を被測定面205に近づけて出力信号を捉え、出力信号が一定になるように3軸直交ステージを制御しながら被測定面205を走査し、走査中の光プローブ200の位置を、レーザ測長器等を用いて逐次測定して被測定物の形状を測定する。
【0005】
このような接触式あるいは非接触式のプローブを用いて被測定面を走査して形状を測定する場合、測定座標系のX、Y、Zの3軸の直角度が測定精度に影響し、無視できない程度の測定誤差を生じ得ることが知られている。例えば、図14に示すように3軸の座標軸直角度誤差α、β、γを定義するとき、直角度誤差を含まない理想の直交座標系(X0、Y0、Z0)における任意の点Pの座標(pX0、pY0、pZ0)は、直角度誤差含む現実の座標系(X、Y、Z)では(pX、pY、pZ)に写像され、(pX0、pY0、pZ0)と(pX、pY、pZ)の間には下記の(1)式の関係が成り立つ。
【0006】
【数1】
Figure 2004045231
(1)
【0007】
ただし、(is、js、ks)はs方向の単位ベクトルを示し、Qは理想的な直交座標系から現実の座標系への座標変換行列である。このとき、理想の座標系における、原点から距離Rの点Pの集合、すなわち半径Rの球面は、現実の座標系(X、Y、Z)においては、下記の(2)式の内積で表される曲面となる。
【0008】
【数2】
Figure 2004045231
【0009】
この(2)式を陽関数で表すと、α<<1、β<<1、γ<<1を考慮して下記の(2’)式を得る。
【0010】
【数3】
Figure 2004045231
(2’)
【0011】
この(2’)式は、(1)式の座標変換行列Qによって、理想の座標系における球面が、現実の座標系では楕円面に写像されることを表している。つまり、測定座標系の直角度が狂っていると、球面が楕円面として測定されてしまう。したがって、実際の三次元測定機の運用では、予め行う校正によってα、β、γを求めておき、現実の座標系で測定される座標(pX、pY、pZ)に対して、逆変換Q−1を行うことで測定データを補正する。
【0012】
このようなプローブを用いた形状測定法では、上記直角度誤差の他にもプローブ誤差が発生する。このプローブ誤差が、所望の測定精度に対して無視できない場合には、補正が必要となるので、プローブ誤差を測定する必要がある。ここでいうプローブ誤差とは、プローブが原因で発生する、被測定面の法線方向に依存した系統誤差を指す。具体的には、接触式プローブの場合であればプローブ先端球の真球度誤差、光学式変位計を被接触プローブとして用いる場合であれば、光学式変位計の光軸に対する各種光学素子配置の非対称性や光学素子がもつ各種収差等がプローブ誤差となる。通常、プローブ誤差と上記直角度誤差は実際の測定データの中に混在しているので、直角度誤差を正確に決定するには、何らかのデータ処理でプローブ誤差を分離する必要がある。
【0013】
そこで、プローブ誤差と直角度誤差とを分離して校正する従来例として、特許第2,892,826号明細書(以下従来例1と称す)に記載される方法を例にとって説明する。この従来例の方法は、▲1▼曲率半径の絶対値が等しく十分な真球度が保証された凹凸の基準球面を用意し、▲2▼特公平7−69158号公報に開示される方法で測定機座標原点を決定し、▲3▼決定された測定機座標においてそれぞれの測定データの理想球面からの形状偏差Zd(凸)及びZd(凹)を計算し、▲4▼座標軸の直角度誤差による測定誤差Esを、
【0014】
Es=(Zd(凸)+Zd(凹))/2    (3)
【0015】
を用いて計算し、▲5▼この(3)式によって算出したEsを、直角度誤差α、βをパラメータとする式 α^2・R/2+α・Y、及び、β^2・R/2+β・X、で近似することによってα、βを決定し、▲6▼プローブ誤差による測定誤差Epについては、下記の(4)式を用いて決定する、というものである。
【0016】
Ep=(Zd(凸)−Zd(凹))/2    (4)
【0017】
ここで、直角度誤差αはX軸回りの回転、すなわちY軸とZ軸の直角度誤差を表し、βはY軸回りの回転、すなわちX軸とZ軸の直角度誤差を表す。
【0018】
また、特開平11−83450号(以下従来例2と称す)に記載される方法について説明する。この従来例2の方法は、曲率半径の符号が同一で絶対値が異なる二つの基準球面R1、R2を用意し、▲2▼二つの基準球面R1、R2の実測データの理想球面に対する形状偏差Zd(R1)およびZd(R2)を求め、▲3▼座標軸の直角度誤差による測定誤差Esとプローブ誤差による測定誤差Epを、
【0019】
Es=(R1・Zd(R1)−R2・Zd(R2))/(R1−2)    (7)
Ep=(R1・Zd(R2)−R2・Zd(R1)/(R1−R2)    (8)
を用いて計算する、というものである。
【0020】
また、特開2000−74662号(以下従来例3と称す)に記載される方法について説明する。この従来例3の方法は、▲1▼真球度が保証された一つの基準球面を測定し、▲2▼(2’)式のX、Y、Zにそれぞれ(X−Xs)、(Y−Ys)、(Z−Zs)を代入した式をモデル式として、実測データとの差を最小化する最適化問題としてα、β、γ、Xs、Ys、Zsを求める。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例1によれば、直角度誤差のうちαとβについては決定できるが、Z軸回りの回転、すなわちX軸とY軸の直角度誤差γを決定できない点にある。すなわち3個ある直角度誤差のうち2個しか決定できない。この理由を以下に説明する。
【0022】
基準凸面測定における直角度誤差Esを、α、β、γによる誤差であるEα(凸)、Eβ(凸)、Eγ(凸)とに分けて表現し、またプローブ誤差をEp(凸)と表す。同様に、基準凹面測定における直角度誤差α、β、γによる誤差をEα(凹)、Eβ(凹)、Eγ(凹)、プローブ誤差をEp(凹)と表す。このとき理想球面からの形状偏差Zd(凸)及びZd(凹)は、下記の(5)式、(6)式でそれぞれ表される。
【0023】
Zd(凸)=Eα(凸)+Eβ(凸)+Eγ(凸)+Ep(凸)   (5)
Zd(凹)=Eα(凹)+Eβ(凹)+Eγ(凹)+Ep(凹)   (6)
【0024】
そして、基準凹凸面の曲率半径の絶対値が等しいこと、及び、プローブ誤差が被測定面の法線方向に依存した系統誤差であることを考慮すると、Ep(凹)=Ep(凸)π=Epπとなる。ここでEpπは、Ep(凸)をZ軸回りにπRad、すなわち180度回転するデータ操作を表す。また、従来例1に記載されているように、Eα(凹)=Eα(凸)=Eα、Eβ(凹)=Eβ(凸)=Eβが成り立つ。更に、後述する図6を使って説明するように、Eγ(凹)=−Eγ(凸)=−Eγが成り立つ。これらの関係を上記(5)式、(6)式に代入すると次の(5’)式、(6’)式がそれぞれ得られる。
【0025】
Zd(凸)=Eα+Eβ+Eγ+Ep    (5’)
Zd(凹)=Eα+Eβ−Eγ+Epπ   (6’)
【0026】
これらの(5’)式、(6’)式を上記(3)式に代入すると、下記の(3’)式が得られる。
【0027】
Es=Eα+Eβ+(Ep+Epπ)/2   (3’)
【0028】
この(3’)式から、γ成分であるEγは相殺されて消えてしまうので原理的にγを決定できないことがわかる。また、α、βについてもEp=−Epπが成り立つ特殊なケースにおいてしか正しく求められないことがわかる。よって、上記従来例1によれば、3個の直角度誤差のうち2個しか決定できない。すなわち、Z軸回りの回転、すなわちX軸とY軸の直角度誤差γについては原理的に決定できない。
【0029】
また、上記従来例2には、(7)式のEsから直角度誤差をどのようにして求めるかについての記述がない。更に、プローブ誤差の影響で、直角度誤差の推定値に誤差が混入する。
【0030】
更に、上記従来例3によれば、プローブ誤差を分離できないことであり、プローブ誤差の大きさ如何では、直角度誤差の推定値α、β、γに無視できないほどの誤差を生じてしまうという問題がある。
【0031】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、プローブ誤差が分離された3個の直角度誤差を決定でき、また直角度誤差を求める演算処理をより単純化できる三次元測定機、三次元測定機の校正方法及び該方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する事を目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する、本発明の三次元測定機の校正方法によれば、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定し、測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出することに特徴がある。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0033】
また、N個の基準測定物の各形状データに対して、楕円の方程式に近似して3×N個の直角度誤差を求め、3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を検出することにより、プローブ誤差が分離された3個の直角度誤差を求めることができる。
【0034】
更に、基準測定物の形状データを真の基準測定物の形状に近づける座標変換行列を求め、N個の座標変換行列の行列要素から3×N個の直角度誤差を求め、3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を検出することにより、直角度誤差を求める演算処理をより単純化できる。
【0035】
また、基準測定物の形状データと真の表面形状との形状偏差を計算し、N個の形状偏差データから3個の直角度誤差を検出することにより、直角度誤差を求める演算処理をより単純化できる。
【0036】
更に、基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行うことや、形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行うことにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる。
【0037】
また、2個の基準測定物を用いることや、基準測定物として曲率半径が異なる基準球を用いることが好ましい。
【0038】
更に、曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球を用いることにより、曲率半径の絶対値が異なる場合と比較して演算処理を大幅に単純化できる。
【0039】
また、三次元測定機の座標測定手段の座標測定方向をX、Y、Zとするとき、基準測定物の中心を通り、かつX方向及びY方向と非平行をなす、少なくとも2ラインの測定データを用いることにより、必要最小限のデータを使って直角度誤差あるいはプローブ誤差を決定するので、校正作業の手間や時間を節約できる。
【0040】
更に、別の発明としての、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機は、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状データを記憶する基準測定物形状データ記憶部と、N個の基準測定物の形状データに基づいて、三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出するための演算部とを有することに特徴がある。よって、よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0041】
また、演算部は、基準測定物の形状データと、楕円の方程式との形状偏差を求める演算手段と、収束判定手段と、直角度誤差の数値を改良する改良手段と、N個の基準測定物の形状データを使って求めた3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0042】
更に、演算部は、直角度誤差を補正する座標変換を基準測定物の形状データに対して行う演算手段と、座標変換後の基準測定物の形状データと真の表面形状の形状偏差を求める演算手段と、収束判定手段と、直角度誤差の数値を改良する改良手段と、N個の前記基準測定物の形状データを使って求めた3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0043】
また、演算部は、N個の基準測定物の形状データと、それぞれの真の表面形状との形状偏差を求める演算手段と、N個の形状偏差データから直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0044】
更に、基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う演算手段を有することや、形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う演算手段を有することにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる。
【0045】
また、2個の基準測定物を備えたことや、基準測定物として曲率半径が異なる基準球面を備えたことは、三次元測定機において好ましい。
【0046】
更に、基準測定物として曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球面を備えたことにより、曲率半径の絶対値が異なる場合と比較して演算処理を大幅に単純化できる。
【0047】
また、別の発明として、コンピュータにより、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定する機能と、測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出する機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納されていることに特徴がある。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0048】
また、別の発明としての三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、直角度誤差をパラメータとするモデル式から擬似データを生成する第1の機能と、基準測定物の形状データと擬似データとの形状偏差を算出する第2の機能と、収束判定する第3の機能と、直角度誤差の数値を改良する第4の機能と、収束判定が完了するまで、第1の機能から第4の機能を繰り返す第5の機能と、N個の基準測定物の形状データに対して求まる3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を算出する第6の機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムが格納されている。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0049】
更に、別の発明としての三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、基準測定物の形状データに対して、直角度誤差を補正する座標変換を行う第1の機能と、座標変換後の基準測定物の形状データと真の基準測定物の形状との形状偏差を算出する第2の機能と、収束判定する第3の機能と、直角度誤差の数値を改良する第4の機能と、収束判定が完了するまで、第1の機能から第4の機能を繰り返す第5の機能と、N個の基準測定物の形状データに対して求まる3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を求める第6の機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムが格納されている。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0050】
また、別の発明としての三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、基準測定物の形状データと真の基準測定物形状との形状偏差を演算させる第1の機能と、N個の形状偏差データから直角度誤差を演算させる第2の機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムが格納されている。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0051】
更に、基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う機能や、形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う機能を有することにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0052】
また、2個の基準測定物の形状データを処理することにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0053】
更に、曲率半径が異なる基準球データを処理することが好ましい。
【0054】
また、曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球データを処理することにより、曲率半径の絶対値が異なる場合と比較して演算処理を大幅に単純化できる三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
本発明の三次元測定機の校正方法は、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定し、測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出する。
【0056】
【実施例】
はじめに、本発明の実施例について説明する前に、理想球面に対する楕円面の形状偏差の特性について説明する。
図1は一定の直角度誤差における曲率半径別の形状偏差の特性を示す図である。同図において、左の列は直角度誤差α=10[μRad]、中央の列はβ=10[μRad]、右の列はγ=10[μRad]、そして、上段から順に、R=−20mm(凸面)、R=−10mm(凸面)、R=+10mm(凹面)、R=+20mm(凹面)とし、いずれも中心角で±45度の範囲を図示してある。また、形状偏差の大きさの指標としてRMS値を各特性毎に示してある。図1からわかることは、第一に、直角度誤差に起因する形状偏差は、測定する対象物の曲率半径に比例して増大する、ということである。第二に、直角度誤差α、β、γに起因する形状偏差をEα、Eβ、Eγと表し、凸球面の形状偏差Eα(凸)、Eβ(凸)、Eγ(凸)と、凹球面の形状偏差Eα(凹)、Eβ(凹)、Eγ(凹)を比べると、下記の(9)式、(10)式、(11)式が成り立つことがわかる。
【0057】
α(凸)=Eα(凹)=Eα     (9)
β(凸)=Eβ(凹)=Eβ     (10)
γ(凸)=−Eγ(凹)      (11)
【0058】
第三に、Z軸回りの回転操作に対しては、下記の(12)式、(13)式、(14)式が成り立つことがわかる。
【0059】
α π=−Eα         (12)
β π=−Eβ         (13)
γ π= Eγ         (14)
【0060】
但し、Eα π、Eβ π、Eγ πは、Z軸回りにπRad、すなわち180度回転するデータ操作を表す。
【0061】
図2は直角度誤差別の形状偏差の変化を示す特性図である。同図の特性図では、曲率半径を−20mm(凸面)に固定し、直角度誤差を変えたときの形状偏差の変化を、RMS値の変化として示した。また、対象範囲は中心角で±45度範囲とした。この図2から、形状偏差は直角度誤差に比例すること、そして直角度誤差γに起因する形状偏差は直角度誤差α、βに起因する形状偏差の約4倍大きいことがわかる。
【0062】
以上のことから、曲率半径Rの理想球面に対する、直角度誤差に起因した形状偏差Esは下記の(15)式で表すことができる。
【0063】
Es=R(α・Eα+β・Eβ+γ・Eγ)  (15)
【0064】
Rの単位をmm、直角度誤差α、β、γの単位をμRadとすると、(15)式におけるEα、Eβ、Eγは、R=1mmの理想球面を1μRadの直角度誤差をもつ座標系で測定したときの形状偏差を表している。
【0065】
以上のことに基づいて本発明の実施例について以下に説明する。
はじめに、曲率半径が異なる2個の基準球を用いる第1の実施例について説明し、既知形状で互いに相似形状を有する3個以上の基準測定物を用いる第2の実施例に説明する。
【0066】
先ず、曲率半径が異なる2個の基準球として、曲率半径の絶対値がR1、R2の理想凸球面を考える。直角度誤差α、β、γは形状偏差Es(R1)、Es(R2)を生じさせ、そこにさらにプローブ誤差Epが重畳する。プローブ誤差を含む形状偏差をZd(R1)、Zd(R2)で表すと、プローブ誤差Epは被測定面の曲率半径によらず一定であることを考慮して、下記の(16)式、(17)式を得る。
【0067】
Figure 2004045231
【0068】
この(16)式におけるα1、β1、γ1や、(17)式におけるα2、β2、γ2は、上述した従来例3と同様の推定演算で決定できる。すなわち、上記(2’)式のX、Y、Zにそれぞれ(X−Xs)、(Y−Ys)、(Z−Zs)を代入した式をモデル式とし、実測データとの差を最小化する最適化問題を解くことで、α1、β1、γ1や、α2、β2、γ2を決定する。α1=α+Δα/R1、α2=α+Δα/R2であるから、この2個の式からΔαを消去して、下記の(18)式を得る。この(18)式よりプローブ誤差の影響を含まない直角度誤差αが得られる。同様に、下記の(19)式、(20)式より、プローブ誤差の影響を含まない直角度誤差β、γが得られる。
【0069】
α=(R1α1−R2α2)/(R1−R2)   (18)
β=(R1β1−R2β2)/(R1−R2)   (19)
γ=(R1γ1−R2γ2)/(R1−R2)   (20)
【0070】
次に、曲率半径が異なる2個の基準球として、R1が凸面、R2が凹面の場合を考える。ただし、曲率半径の符号は考慮せず絶対値で取り扱うことにする。凹面測定の場合のプローブ誤差は、凸面測定の場合に対して、Z軸回りに180度回転するから、α2=α−Δα/R2となり、よって下記の(18’)式が得られる。同様に、β2=β−Δβ/R2、γ2=γ−Δγ/R2より、下記の(19’)式、(20’)式が得られる。
【0071】
α=(R1α1+R2α2)/(R1+R2)   (18’)
β=(R1β1+R2β2)/(R1+R2)   (19’)
γ=(R1γ1+R2γ2)/(R1+R2)   (20’)
【0072】
(18)式、(19)式、(20)式と、(18’)式、(19’)式、(20’)式を見比べればわかるように、曲率半径の符号を考慮すれは、基準球面の凹凸に関わらず、(18)式、(19)式、(20)式が成り立つことがわかる。
【0073】
また、(18)式、(19)式、(20)式から、直角度誤差α、β、γを決定した後、それを(16)式又は(17)式に代入することによって、プローブ誤差Epを正確に求めることも可能である。例えば、(16)式を使うとすれば、プローブ誤差Epは下記の(21)式より得られる。
【0074】
Figure 2004045231
【0075】
求めたプローブ誤差は、補正データとして記憶装置に記憶しておき、任意の測定対象の測定データに対するプローブ誤差の補正に利用できる。
【0076】
次に、曲率半径の異なる3個の基準球面を用いる第2の実施例について説明する。3個の基準球面を使えば、求めたい直角度誤差の真値αに対して、プローブ誤差の影響を含む3個の直角度誤差α1、α2、α3が得られる。
【0077】
α1=α+Δα/R1        (22)
α2=α+Δα/R2        (23)
α3=α+Δα/R3        (24)
【0078】
これらの(22)式、(23)式、(24)式は、下記の(25)式のように表現できる。
【0079】
【数4】
Figure 2004045231
【0080】
この(25)式から、α及びΔαは、最小自乗法を使って下記の(26)式より求めることができる。
【0081】
【数5】
Figure 2004045231
【0082】
但し「−1」は逆行列、「T」は転置行列を表す。β、γについても同様に求めることができる。また、4個以上の基準球面を用いる場合も、同様の方法で3個の直角度誤差α、β、γを求めることができる。
【0083】
更に、基準球面の代わりに、互いに相似形状を有する複数の基準測定物を使っても直角度誤差を求めることが可能である。互いに相似形状という条件によって、基準測定物の大きさによらずプローブ誤差は一定となり、上記(16)式、(17)式が成り立つからである。
【0084】
α1、β1、γ1、及びα2、β2、γ2の求め方の部分だけである。第2の実施例の場合は、基準球の実測データをモデル式である楕円の方程式に近似することにより直角度誤差を求めたが、以下説明する第3の実施例では、これとは逆の操作をすることで直角度誤差を求める。
【0085】
(1)式の座標変換行列Qは、理想の座標系における球面を、現実の座標系における楕円面に変換する行列であったから、逆行列Q は、楕円面を球面に変換する行列となる。したがって、基準球の実測データにQ の変換を施し、変換後のデータが球面になるように、行列要素に含まれるα、β、γを改良すれば、直角度誤差の最尤推定値が得られる。なお、形状既知であれば、基準測定物が球面以外の場合にも同様の方法が適用できることは言うまでも無い。
【0086】
ここでは、基準測定物の実測データから理想形状を差し引いた「形状偏差データを」を求め、形状偏差データを使って3個の直角度誤差を決定する方法について説明する。
【0087】
先ず基準測定物として、曲率半径がR1、R2の2個の理想凸球面を考える。各々の測定データのX、Y、Z座標を、各々の曲率半径で除算して曲率半径1mmの測定データにnormalizeする。これは、後で各々の座標データどうしを加減算するので、その前準備としてスケールを合わせておく必要があるからである。normalizeしたデータの形状偏差(すなわちR=1mmの理想球面からの形状偏差)は、(16)式、(17)式より、下記の(16’)式、(17’)式で与えられる。
【0088】
Figure 2004045231
【0089】
この(16’)式、(17’)式の連立方程式を解いてEsが求まる。Esは、R=1mmの球面において直角度誤差のみに起因する形状偏差であるから、EsにR=1mmの理想球面データを加算すれば、楕円面データが得られる。そして、上述した実施例で説明した方法を適用することによって直角度誤差α、β、γを決定できる。
【0090】
次に、基準測定物として、曲率半径R1の凸面、R2の凹面を使う場合を考えてみる。ただし、曲率半径の符号は考慮せず絶対値で取り扱うことにする。凹面測定の場合のプローブ誤差は、凸面測定の場合に対して、Z軸回りに180度回転すること、および形状ゆがみの特性、そして上記(9)式〜(14)式を考慮して、下記の(16”)式及び(17”)式を得る。
【0091】
Figure 2004045231
【0092】
そして、この(17”)式をZ軸回りに180度回転して、下記の(17’’’)式を得る。
【0093】
Figure 2004045231
【0094】
(16”)式と(17’’’)式の連立方程式を解いてEsが求まる。Esは、R=1mmの球面において直角度誤差のみに起因する形状偏差であるから、EsにR=1mmの理想球面データを加算すれば、楕円面データが得られる。そして、第1の実施例や第2の実施例で説明した方法を適用することによって直角度誤差α、β、γを決定できる。
【0095】
なお、凹凸基準球の一方を180度回転させるデータ操作は、上記説明では、形状偏差データに対して行ったが、形状偏差データを求める前の基準球形状データそのものを回転させても構わない。
【0096】
次に、より一般化して、互いに相似形状を有し、球面でない3個の基準測定物、R1’、R2’、R3’を用いる場合について説明する。但し、R1’、R2’、R3’は、各々の基準測定物の大きさに比例するスケールファクタを表す。この場合、(16’)式や(17’)式に相当する式は、以下のように表される。
【0097】
Figure 2004045231
【0098】
ここで、直角度誤差に起因する誤差EsやEpは、基準測定物が球面である場合とは、プロファイルが異なるので「’」を付けたEs’やEp’で区別して表した。上記(27)式、(28)式、(29)式は、下記の(30)式のように表現できる。
【0099】
【数6】
Figure 2004045231
【0100】
(30)式から、Es’及びEp’は、最小自乗法を使って下記の(31)式より求めることができる。
【0101】
【数7】
Figure 2004045231
【0102】
この(31)式から求まるEs’にスケールファクタR’=1の理想形状データを加算したデータに対して、第1の実施例で説明した方法を適用することによって直角度誤差α、β、γを決定できる。
【0103】
また、曲率半径の絶対値が等しい凹凸基準球を用いると、これまでに説明した直角度誤差を求める方法がより単純化できる。
【0104】
更に、第1の実施例と第2の実施例で説明した直角度誤差の求め方は、(18)式、(19)式、(20)式を使ったが、曲率半径の絶対値が等しい凹凸基準球を用いる場合には、α=(α1+α2)/2、β=(β1+β2)/2、γ=(γ1+γ2)/2、のように単純になる。
【0105】
また、第3の実施例に曲率半径の絶対値が等しい凹凸基準球を用いると、Es=(Zd(R1)−Zd(R2)π)/2のように単純になる。
【0106】
次に、直角度誤差を求めるために必要な必要最小限のデータについて考える。図1の中央の列のグラフからわかるように、原点(この場合凸基準球の頂点、又は凹基準球のボトムの点が原点である)を通り、X軸に平行経路で取得された測定データは、直角度誤差βに対する感度だけを有する。逆の言い方をすると、原点を通りX軸に平行経路で取得された測定データからは直角度誤差αや直角度誤差γを求めることができない。同様に、図1の左の列のグラフからわかるように、原点を通り、Y軸に平行経路で取得された測定データは、直角度誤差αに対する感度だけを有する。したがって、ともに原点を通り、X軸及びY軸に平行経路で取得されたデータからは、直角度誤差αと直角度誤差βしか求めることができず、直角度誤差γを決定できない。
【0107】
そこで、直角度誤差α、β、γを決定するには、原点を通らない測定経路か、あるいは原点を通り、X軸及びY軸に非平行経路で測定データを取得する必要がある。原点を通り、X軸及びY軸に対して45度±40度の角度範囲で2本の測定経路を設定すれば、直角度誤差α、β、γの決定が可能である。更に、直角度誤差α、βに起因する形状偏差は、直角度誤差γに起因する形状偏差の4分の1しかないことを考慮すると、望ましくは、X軸及びY軸に対して45度よりは小さい角度、例えば20度程度の角度をなす2本の直交経路で測定データを取得するのがよい。
【0108】
直角度誤差は定期校正を行う必要があり、三次元測定機の機能の一つとして、自動校正機能を備えているのが望ましい。つまり、曲率半径が異なる2個の基準球の測定データを記憶し、そのデータから直角度誤差を自動で計算する機能を三次元測定機の機能の一つとして備える。
【0109】
図3は別の発明の第1の実施例に係る三次元測定機における校正回路の構成を示すブロック図であり、図4は本実施例の三次元測定機における校正回路の動作を示すフローチャートである。両図を用いて本実施例の三次元測定機における校正回路の動作について説明する。
【0110】
先ず、図3の直角度誤差初期値設定手段31により直角度誤差の初期値、α0、β0、γ0を設定する(ステップS101)。初期値の値は、あとの演算時間をより短く、また局所最適解に陥りにくくするために、できるだけ真のα、β、γに近い値を設定する。例えば、前回校正したときの直角度誤差α、β、γの値を初期値にするとよい。そして、基準球データが一時記憶された図3の基準球データ記憶手段32から基準球データを読み込む(ステップS102)。また、図3の楕円面データ生成手段33により楕円面データを生成する(ステップS103)。具体的には、上記(2’)式のX、Y、Zにそれぞれ(X−Xs)、(Y−Ys)、(Z−Zs)を代入した式から楕円面データを生成する。次に、図3の差分算出手段34により基準球の実測データと楕円面データの差をとり、差の2乗和を演算する(ステップS104)。図3の収束判定手段35により最適解とみなしてよいかどうか判定するために、例えば前回計算した2乗和の値と、最後に計算した2乗和の値の差が十分小さいかどうかみて収束判定を行う(ステップS105)。収束判定が棄却されれば、図3のパラメータ改良手段36によりα、β、γ、Xs、Ys、Zs等のパラメータ改良を行い、ステップS103に戻る(ステップS105;NO、ステップS106)。また、収束判定された場合には、2個の基準球データに対して一連の演算処理を終えたかどうか判定する(ステップS105;YES、ステップS107)。一連の演算処理が終わっていないならば、ステップS102に戻る(ステップS107;NO)。一連の演算処理が終了されていれば、第一の基準球データから求めた第一の直角度誤差と、第二の基準球データから求めた第二の直角度誤差を使い、(18)式、(19)式、(20)式等に対応した演算を行うことによって、図3の直角度誤差算出手段37により最終的な直角度誤差の値を計算する(ステップS107;YES、ステップS108)。次に、図3のプローブ誤差算出手段38により算出された直角度誤差の数値を(16)式又は(17式)に代入して、プローブ誤差Epを求め、求めた直角度誤差及びプローブ誤差の情報を図3の記憶手段39に記憶させる(ステップS109,S110)。
【0111】
図5は別の発明の第2の実施例に係る三次元測定機における校正回路の構成を示すブロック図であり、図6は本実施例の三次元測定機における校正回路の動作を示すフローチャートである。両図を用いて本実施例の三次元測定機における校正回路の動作について説明する。
【0112】
先ず、図5の直角度誤差初期値設定手段51により直角度誤差の初期値、α0、β0、γ0を設定する(ステップS201)。初期値の値は、あとの演算時間をより短く、また局所最適解に陥りにくくするために、できるだけ真の直角度誤差α、β、γに近い値を設定する。例えば、前回校正したときの直角度誤差α、β、γの値を初期値にするとよい。そして、基準球データが一時記憶された図5の基準球データ記憶手段52から基準球データを読み込む(ステップS202)。次に、読み込んだ基準球データに対して、図5の座標変換手段53により(1)式の座標変換行列Qの逆行列Q による座標変換を施す(ステップS203)。そして、図5の差分算出手段54により座標変換後の基準球データと理想球面データとの差をとり、差の2乗和を演算する(ステップS204)。図5の収束判定手段55により最適解とみなしてよいかどうか判定するために、例えば前回計算した2乗和の値と、最後に計算した2乗和の値の差が十分小さいかどうかみて収束判定を行う(ステップS205)。収束判定が棄却されれば、図5のパラメータ改良手段56によりα、β、γ、Xs、Ys、Zs等のパラメータ改良を行い、ステップS203に戻る(ステップS205;NO、ステップS206)。また、収束判定された場合には、2個の基準球データに対して一連の演算処理を終えたかどうか判定する(ステップS205;YES、ステップS207)。一連の演算処理が終わっていないならば、ステップS202に戻る(ステップS207;NO)。一連の演算処理が終了されていれば、第一の基準球データから求めた第一の直角度誤差と、第二の基準球データから求めた第二の直角度誤差を使い、(18)式、(19)式、(20)式等に対応した演算を行うことによって、図5の直角度誤差算出手段57により最終的な直角度誤差の値を計算する(ステップS207;YES、ステップS208)。次に、図5のプローブ誤差算出手段58により算出された直角度誤差の数値を(16)式又は(17式)に代入して、プローブ誤差Epを求め、求めた直角度誤差及びプローブ誤差の情報を図5の記憶手段59に記憶させる(ステップS209,S210)。
【0113】
図7は別の発明の第3の実施例に係る三次元測定機における校正回路の構成を示すブロック図であり、図8は本実施例の三次元測定機における校正回路の動作を示すフローチャートである。両図を用いて本実施例の三次元測定機における校正回路の動作について説明する。
【0114】
先ず、図7の直角度誤差初期値設定手段71により理想球面の並進移動量の初期値、Xs0、Ys0、Zs0を設定する(ステップS301)。次に、基準球データが記憶された図7の基準球データ記憶手段72から基準球データを読み込む(ステップS302)。基準球データが凹面か凸面かを判定し、凹面であればZ軸回りに図7の座標変換手段73により180度回転させる座標変換を行う(ステップS303)。凹面は回転させずに凸面を回転させるようにしても構わない。そして、図7の球面データ生成手段74によりX、Y、Z方向に、それぞれXs、Ys、Zsだけ並進移動させた理想球面データを生成する(ステップS304)。図7の差分算出手段75により基準球の実測データと理想球面データとの差をとり、差の2乗和を演算する(ステップS305)。図7の収束判定手段76により最適解とみなしてよいかどうか判定するための収束判定を行う(ステップS306)。収束判定が棄却されれば、図7のパラメータ改良手段77によりXs、Ys、Zsのパラメータ改良を行い、ステップS304に戻る(ステップS306;NO、ステップS307)。また、収束判定された場合には、2個の基準球データに対して一連の演算処理を終えたかどうか判定する(ステップS308)。一連の演算処理を終えていないならば、ステップS302に戻る(ステップS308;NO)。一連の演算処理が終了されていれば、第一の基準球データから求めた第一の形状偏差データと、第二の基準球データから求めた第二の形状偏差データを使い、(22)式や(23)式に対応した演算を行うことによって、図7のプローブ誤差算出手段79によりプローブ誤差を求める(ステップS308;YES、ステップS309)。さらに、図7の直角度誤差算出手段78によりこれを利用して直角度誤差の値を計算する(ステップS310)。最後に、求めた直角度誤差及びプローブ誤差の情報を図7の記憶手段80に記憶させる(ステップS311)。
【0115】
図9は別の発明の三次元測定機の構成を示すブロック図である。図10は本発明の三次元測定機の概略構成を示す図である。図9に示すように、三次元測定機は、3軸直交ステージ91、形状測定用プローブ92、座標測定手段93、制御・演算部94及び出力部95を有する。3軸直交ステージ91は、図10の(c)に示すような、X軸ステージ111とY軸ステージ112及びZ軸ステージ113を有し、その上に接触式又は非接触式の形状測定用プローブ92が取り付けられている。形状測定用プローブ92と対向する位置には被測定物が固定される。図10に示すように、測定機の校正時に用いる曲率半径の異なる基準球面114、115を固定した校正用治具116が、位置決めピン117,118を介して三次元測定機に固定されている。形状測定用プローブ92は基準球面114,115の表面を図9の3軸直交ステージ91の駆動によりならい走査、もしくはpoint to pointで動作する。また、図9における座標測定手段93は、図10には図示していないが、例えばレーザ干渉測長器からなり、図10において、X軸ステージとY軸ステージの移動方向に対して30度の角度をなすように設置された基準ミラー119,120を基準としてプローブ先端との距離(図10中、破線矢印)が逐次測定される。更に、図9の制御・演算部94は切換部96、システム制御部97、校正データ演算部98及び測定データ補正部99を有する。切換部96は座標測定手段93から入力される座標データの出力先を処理モードに応じて校正データ演算部98か、または測定データ補正部99に切り換える。校正データ演算部98は、上述したように、曲率半径の異なる2個の基準球の測定データを基に、座標軸の直角度誤差(図10の場合には、3枚の基準ミラー、すなわち基準ミラー119,120と、不図示のZ座標測定用基準ミラー間の直角度に相当する)を演算し、またプローブ誤差を演算して、それらの情報を記憶する。測定データ補正部99は、校正データ演算部98で求められ、記憶された直角度誤差やプローブ誤差の情報を利用して、基準球以外の被測定物の測定データに対して補正を行う。出力部95は測定データ補正部99で直角度誤差補正及びプローブ誤差補正を行った被測定物の形状データに対して、レーザ測長光学系の30度傾き成分を補正するための座標変換を行った後、表示装置や記憶装置等に出力する。そして、図9のシステム制御部97は、2個の基準球の設置位置を記憶する記憶手段を備え、基準球の設置位置情報に基づいて、基準球の形状を自動測定させる。図10の基準球114,115を固定した校正用治具116は、位置決めピン117,118で位置決めされるので、基準球の設置位置を予め教示しておけばあとは自動測定が可能となる。
【0116】
なお、レーザ干渉測長器用基準ミラーが30度傾いて配置される理由は、上述したように、全ての直角度誤差を求めるために必要な必要最小限のデータは、最も望ましくは、原点を通り、X軸及びY軸に対して30度の角度をなす2本の直交経路で測定データを取得するのがよいのであって、レーザ干渉測長器の測定座標系を、三次元測定機の装置座標系に対して30度傾けて配置しておけば、三次元測定機からみればXY座標に平行にプローブを駆動すればよいことになり、斜め30度の直線補間動作を行わずに済む。もちろん、レーザ干渉測長器用基準ミラーの法線方向が三次元測定機のX軸、Y軸と非平行であればよく、実際には45度±40度程度の範囲で非平行であればよいのであって、必ずしも30度に限定されるものではない。
【0117】
次に、図11は本発明のシステム構成を示すブロック図である。つまり、同図は上記実施例における三次元測定機の校正方法によるソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ等から構築されるハードウェアを示すものである。同図において、三次元測定機の校正システムはインターフェース(以下I/Fと略す)81、CPU82、ROM83、RAM84、表示装置85、ハードディスク86、キーボード87及びCD−ROMドライブ88を含んで構成されている。また、汎用の処理装置を用意し、CD−ROM89などの読取可能な記憶媒体には、本発明の三次元測定機の校正方法を実行するプログラムが記憶されている。更に、I/F81を介して外部装置から制御信号が入力され、キーボード87によって操作者による指令又は自動的に本発明のプログラムが起動される。そして、CPU82は当該プログラムに従って上述の三次元測定機の校正方法に伴う校正制御処理を施し、その処理結果をRAM84やハードディスク86等の記憶装置に格納し、必要により表示装置85などに出力する。以上のように、本発明の三次元測定機の校正方法を実行するプログラムが記憶した媒体を用いることにより、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0118】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する、本発明の三次元測定機の校正方法によれば、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定し、測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出することに特徴がある。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0120】
また、N個の基準測定物の各形状データに対して、楕円の方程式に近似して3×N個の直角度誤差を求め、3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を検出することにより、プローブ誤差が分離された3個の直角度誤差を求めることができる。
【0121】
更に、基準測定物の形状データを真の基準測定物の形状に近づける座標変換行列を求め、N個の座標変換行列の行列要素から3×N個の直角度誤差を求め、3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を検出することにより、直角度誤差を求める演算処理をより単純化できる。
【0122】
また、基準測定物の形状データと真の表面形状との形状偏差を計算し、N個の形状偏差データから3個の直角度誤差を検出することにより、直角度誤差を求める演算処理をより単純化できる。
【0123】
更に、基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行うことや、形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行うことにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる。
【0124】
また、2個の基準測定物を用いることや、基準測定物として曲率半径が異なる基準球を用いることが好ましい。
【0125】
更に、曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球を用いることにより、曲率半径の絶対値が異なる場合と比較して演算処理を大幅に単純化できる。
【0126】
また、三次元測定機の座標測定手段の座標測定方向をX、Y、Zとするとき、基準測定物の中心を通り、かつX方向及びY方向と非平行をなす、少なくとも2ラインの測定データを用いることにより、必要最小限のデータを使って直角度誤差あるいはプローブ誤差を決定するので、校正作業の手間や時間を節約できる。
【0127】
更に、別の発明としての、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機は、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状データを記憶する基準測定物形状データ記憶部と、N個の基準測定物の形状データに基づいて、三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出するための演算部とを有することに特徴がある。よって、よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0128】
また、演算部は、基準測定物の形状データと、楕円の方程式との形状偏差を求める演算手段と、収束判定手段と、直角度誤差の数値を改良する改良手段と、N個の基準測定物の形状データを使って求めた3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0129】
更に、演算部は、直角度誤差を補正する座標変換を基準測定物の形状データに対して行う演算手段と、座標変換後の基準測定物の形状データと真の表面形状の形状偏差を求める演算手段と、収束判定手段と、直角度誤差の数値を改良する改良手段と、N個の前記基準測定物の形状データを使って求めた3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0130】
また、演算部は、N個の基準測定物の形状データと、それぞれの真の表面形状との形状偏差を求める演算手段と、N個の形状偏差データから直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する。よって、プローブ誤差の影響を排除でき、プローブ誤差がある場合でも3個の直角度誤差α,β,γを精度良く求めることができる。
【0131】
更に、基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う演算手段を有することや、形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う演算手段を有することにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる。
【0132】
また、2個の基準測定物を備えたことや、基準測定物として曲率半径が異なる基準球面を備えたことは、三次元測定機において好ましい。
【0133】
更に、基準測定物として曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球面を備えたことにより、曲率半径の絶対値が異なる場合と比較して演算処理を大幅に単純化できる。
【0134】
また、別の発明として、コンピュータにより、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定する機能と、測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出する機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納されていることに特徴がある。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0135】
また、別の発明としての三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、直角度誤差をパラメータとするモデル式から擬似データを生成する第1の機能と、基準測定物の形状データと擬似データとの形状偏差を算出する第2の機能と、収束判定する第3の機能と、直角度誤差の数値を改良する第4の機能と、収束判定が完了するまで、第1の機能から第4の機能を繰り返す第5の機能と、N個の基準測定物の形状データに対して求まる3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を算出する第6の機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムが格納されている。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0136】
更に、別の発明としての三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、基準測定物の形状データに対して、直角度誤差を補正する座標変換を行う第1の機能と、座標変換後の基準測定物の形状データと真の基準測定物の形状との形状偏差を算出する第2の機能と、収束判定する第3の機能と、直角度誤差の数値を改良する第4の機能と、収束判定が完了するまで、第1の機能から第4の機能を繰り返す第5の機能と、N個の基準測定物の形状データに対して求まる3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を求める第6の機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムが格納されている。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0137】
また、別の発明としての三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、基準測定物の形状データと真の基準測定物形状との形状偏差を演算させる第1の機能と、N個の形状偏差データから直角度誤差を演算させる第2の機能とを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムが格納されている。よって、既存のシステムを変えることなく、三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0138】
更に、基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う機能や、形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う機能を有することにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0139】
また、2個の基準測定物の形状データを処理することにより、直角度誤差とプローブ誤差の分離が可能となる三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【0140】
更に、曲率半径が異なる基準球データを処理することが好ましい。
【0141】
また、曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球データを処理することにより、曲率半径の絶対値が異なる場合と比較して演算処理を大幅に単純化できる三次元測定機の校正システムを汎用的に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一定の直角度誤差における曲率半径別の形状偏差の特性を示す図である。
【図2】直角度誤差別の形状偏差の変化を示す特性図である。
【図3】別の発明の第1の実施例に係る三次元測定機における校正回路の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施例の三次元測定機における校正回路の動作を示すフローチャートである。
【図5】別の発明の第2の実施例に係る三次元測定機における校正回路の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施例の三次元測定機における校正回路の動作を示すフローチャートである。
【図7】別の発明の第3の実施例に係る三次元測定機における校正回路の構成を示すブロック図である。
【図8】第3の実施例の三次元測定機における校正回路の動作を示すフローチャートである。
【図9】別の発明の三次元測定機の構成を示すブロック図である。
【図10】別の発明の三次元測定機の概略構成を示す図である。
【図11】本発明のシステム構成を示すブロック図である。
【図12】接触式プローブの構成を示す概略図である。
【図13】非接触式プローブの構成を示す概略図である。
【図14】3軸の座標軸直角度誤差を説明する図である。
【符号の説明】
31,51,71;直角度誤差初期値設定手段、32,52,72;基準球データ記憶手段、33;楕円面データ生成手段、34,54,75;差分算出手段、35,55,76;収束判定手段、36,56,77;パラメータ改良手段、37,57,78;直角度誤差算出手段、38,58,79;プローブ誤差算出手段、39,59,80;記憶手段、53,73;座標変換手段、74;球面データ生成手段、91;3軸直交ステージ、92;形状測定用プローブ、93;座標測定手段、94;制御・演算部、95;出力部、96;切換部、97;システム制御部、98;校正データ演算部、99;測定データ補正部、100,200;光プローブ。

Claims (28)

  1. 被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法において、
    真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定し、
    測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出することを特徴とする三次元測定機の校正方法。
  2. N個の前記基準測定物の各形状データに対して、楕円の方程式に近似して3×N個の直角度誤差を求め、3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を検出する請求項1記載の三次元測定機の校正方法。
  3. 前記基準測定物の形状データを真の基準測定物の形状に近づける座標変換行列を求め、N個の座標変換行列の行列要素から3×N個の直角度誤差を求め、3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を検出する請求項1記載の三次元測定機の校正方法。
  4. 前記基準測定物の形状データと真の表面形状との形状偏差を計算し、N個の形状偏差データから3個の直角度誤差を検出する請求項1記載の三次元測定機の校正方法。
  5. 前記基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う請求項4記載の三次元測定機の校正方法。
  6. 前記形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う請求項4記載の三次元測定機の校正方法。
  7. 2個の基準測定物を用いる請求項1〜6のいずれかに記載の三次元測定機の校正方法。
  8. 前記基準測定物として曲率半径が異なる基準球を用いる請求項1〜7のいずれかに記載の三次元測定機の校正方法。
  9. 曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球を用いる請求項1〜8のいずれかに記載の三次元測定機の校正方法。
  10. 三次元測定機の座標測定手段の座標測定方向をX、Y、Zとするとき、前記基準測定物の中心を通り、かつX方向及びY方向と非平行をなす、少なくとも2ラインの測定データを用いる請求項1〜9のいずれかに記載の三次元測定機の校正方法。
  11. 被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機において、
    真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状データを記憶する基準測定物形状データ記憶部と、
    N個の基準測定物の形状データに基づいて、三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出するための演算部と
    を有することを特徴とする三次元測定機。
  12. 前記演算部は、前記基準測定物の形状データと、楕円の方程式との形状偏差を求める演算手段と、収束判定手段と、直角度誤差の数値を改良する改良手段と、N個の前記基準測定物の形状データを使って求めた3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する請求項11記載の三次元測定機。
  13. 前記演算部は、直角度誤差を補正する座標変換を前記基準測定物の形状データに対して行う演算手段と、座標変換後の前記基準測定物の形状データと真の表面形状の形状偏差を求める演算手段と、収束判定手段と、直角度誤差の数値を改良する改良手段と、N個の前記基準測定物の形状データを使って求めた3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する請求項11記載の三次元測定機。
  14. 前記演算部は、N個の前記基準測定物の形状データと、それぞれの真の表面形状との形状偏差を求める演算手段と、N個の形状偏差データから直角度誤差を演算する直角度誤差演算手段とを有する請求項11記載の三次元測定機。
  15. 前記基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う演算手段を有する請求項14記載の三次元測定機。
  16. 前記形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う演算手段を有する請求項14記載の三次元測定機。
  17. 2個の基準測定物を備えた請求項11〜16のいずれかに記載の三次元測定機。
  18. 前記基準測定物として曲率半径が異なる基準球面を備えた請求項11〜17のいずれかに記載の三次元測定機。
  19. 前記基準測定物として曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球面を備えた請求項11〜18のいずれかに記載の三次元測定機。
  20. コンピュータにより、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、
    真の表面形状が既知で、かつ互いに相似形状を有するN個(Nは正の整数)の基準測定物の形状を測定する機能と、
    測定されたN個の基準測定物の形状データに基づいて三次元直交座標軸の3個の直角度誤差を検出する機能と
    を有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  21. コンピュータにより、N個(Nは正の整数)の基準測定物の形状データを処理して、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、
    直角度誤差をパラメータとするモデル式から擬似データを生成する第1の機能と、
    前記基準測定物の形状データと前記擬似データとの形状偏差を算出する第2の機能と、
    収束判定する第3の機能と、
    直角度誤差の数値を改良する第4の機能と、
    収束判定が完了するまで、第1の機能から第4の機能を繰り返す第5の機能と、
    N個の基準測定物の形状データに対して求まる3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を算出する第6の機能と
    を有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  22. コンピュータにより、N個(Nは正の整数)の基準測定物の形状データを処理して、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、
    前記基準測定物の形状データに対して、直角度誤差を補正する座標変換を行う第1の機能と、
    座標変換後の前記基準測定物の形状データと真の基準測定物の形状との形状偏差を算出する第2の機能と、
    収束判定する第3の機能と、
    直角度誤差の数値を改良する第4の機能と、
    収束判定が完了するまで、第1の機能から第4の機能を繰り返す第5の機能と、
    N個の前記基準測定物の形状データに対して求まる3×N個の直角度誤差から3個の直角度誤差を求める第6の機能と
    を有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  23. コンピュータにより、N個(Nは正の整数)の基準測定物の形状データを処理して、被測定面のZ方向の位置を検知するためのプローブを有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、
    基準測定物の形状データと真の基準測定物形状との形状偏差を演算させる第1の機能と、
    N個の形状偏差データから直角度誤差を演算させる第2の機能と
    を有する三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  24. 前記基準測定物の形状データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う機能を有する、請求項23記載の三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  25. 形状偏差データをZ軸回りに180度回転させる座標変換を行う機能を有する、請求項23記載の三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  26. 2個の前記基準測定物の形状データを処理する請求項20〜25のいずれかに記載の三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  27. 曲率半径が異なる基準球データを処理する請求項20〜26のいずれかに記載の三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  28. 曲率半径の絶対値が等しく、符号が異なる2個の基準球データを処理する請求項20〜27のいずれかに記載の三次元測定機の校正方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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