JP2004044479A - 風力発電用風車 - Google Patents
風力発電用風車 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004044479A JP2004044479A JP2002202874A JP2002202874A JP2004044479A JP 2004044479 A JP2004044479 A JP 2004044479A JP 2002202874 A JP2002202874 A JP 2002202874A JP 2002202874 A JP2002202874 A JP 2002202874A JP 2004044479 A JP2004044479 A JP 2004044479A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blade member
- wind
- rotating shaft
- power generation
- wind turbine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/70—Wind energy
- Y02E10/74—Wind turbines with rotation axis perpendicular to the wind direction
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Wind Motors (AREA)
Abstract
【課題】少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風力発電用風車の動力に変換することにより、風力発電用風車の製造に係るコストを低減する。
【解決手段】回転シャフト1は、略鉛直の軸心1aの周りに回転可能であり、3ないし5枚の羽根部材2は、断面弧形の形状を有するとともに軸心1aに対して風を受ける面が概ね平行になるように取り付けられており、羽根部材2の弦2aの長さLは、軸心1aの中心から羽根部材2の最外点2bまでの距離である風力発電用風車10の外半径Rの0.7ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、羽根部材2の枚数に応じた値に設定され、羽根部材2の弦2aの延長線が、隣の羽根部材2に当たるように配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】回転シャフト1は、略鉛直の軸心1aの周りに回転可能であり、3ないし5枚の羽根部材2は、断面弧形の形状を有するとともに軸心1aに対して風を受ける面が概ね平行になるように取り付けられており、羽根部材2の弦2aの長さLは、軸心1aの中心から羽根部材2の最外点2bまでの距離である風力発電用風車10の外半径Rの0.7ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、羽根部材2の枚数に応じた値に設定され、羽根部材2の弦2aの延長線が、隣の羽根部材2に当たるように配置されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風を受ける羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、風を受ける羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車としては、プロペラ形が主流となっていた。
【0003】
このプロペラ形の風車は、回転シャフトが、略水平の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において回転シャフトの軸心に対して放射状になるように回転シャフトに取り付けられていた。
【0004】
ところが、このプロペラ型の風車は、年間平均風速が約6m/秒以上の風況の良好な場所に適したシステムであり、例えば都市部などで年間平均風速が約1.5〜2m/秒という場所では、発電に必要な動力を得ることができないだけでなく、羽根部材の回転を開始させることも困難であった。
【0005】
そこで、低風速でも発電可能な風力発電用風車として、羽根部材の風を受ける総面積を大きくした竪型の風力発電用風車が、種々開発されている。
【0006】
この竪型の風力発電用風車は、回転シャフトが、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、羽根部材の風を受ける面が、回転シャフトの軸心に対して概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の竪型の風力発電用風車では、低風速の風に対して十分な発電量を得るために、羽根部材の枚数をできるだけ多くした形状のものが一般的であった。このため、羽根部材の製作と取り付けなど、製造工程を複雑化させて、製造に係るコストを増大させるという問題があった。
【0008】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することにより、風車の製造に係るコストを低減することができる風力発電用風車を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、風を受ける3枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、3°ないし27°であり、羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車である(請求項1)。
【0010】
本発明によれば、3枚という少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができる。
【0011】
また、本発明の別の態様は、風を受ける4枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、6°ないし41°であり、羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車である(請求項2)。
【0012】
本発明によれば、4枚という少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができる。
【0013】
本発明の別の態様は、風を受ける5枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、9°ないし45°であり、羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車である(請求項3)。
【0014】
本発明によれば、5枚という少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができる。
【0015】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、弦から羽根部材の最深部までの深さHと上記弦の長さLとの比を羽根部材の湾曲度H/Lとすると、この羽根部材の湾曲度H/Lが0.15ないし0.3であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の風力発電用風車である(請求項4)。
【0016】
この態様によれば、回転している羽根部材と羽根部材に当たる風との相互作用が風車の効率に対して最適な条件となるので、さらに効率良く風のエネルギーを風車の動力に変換することができる。
【0017】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、回転シャフトから放射状に拡がる取付け部材を介して回転シャフトに取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の風力発電用風車である(請求項5)。
【0018】
この好ましい態様によれば、回転シャフトに働く羽根部材の荷重と風力とが偏心することがないので、安定した状態で回転シャフトを回転させることができる。
【0019】
本発明の好ましい態様は、上記取付け部材は円盤状の形状をなしていることを特徴とする請求項5記載の風力発電用風車である(請求項6)。
【0020】
この好ましい態様によれば、取付け部材の回転に際して空気の抵抗が少ないので、風車の効率が良い。
【0021】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、過度の風に対する抵抗を減ずる方向に取付け部材に対して弾性的に変位可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項6のいずれかに記載の風力発電用風車である(請求項7)。
【0022】
この好ましい態様によれば、羽根部材に過度の風が働いた時に、羽根部材が取付け部材に対して弾性的に変位するので、羽根部材と取付け部材と回転シャフトとに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車とすることができる。
【0023】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、羽根部材に過度の風が働いた時に、回転シャフトの軸心に平行に設けられた回動軸の周りに回動して、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、大きくなる方向に取付け部材に対して弾性的に変位するように取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の風力発電用風車である(請求項8)。
【0024】
この好ましい態様によれば、羽根部材に過度の風が働いた時に、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、大きくなり、風が風車の外部に通り抜けるので、羽根部材と取付け部材と回転シャフトとに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の構成を示す斜視図であり、図2は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の構成を示す構造図であり、(a)は、風力発電用風車10の上面図、(b)は、風力発電用風車10の側面図である。また、図3は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の寸法諸元を示す概念図である。また、図4は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の弾性部材6の構成を示す斜視図である。
【0026】
図1、図2を参照して、図示の本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10は、いわゆる竪型の風力発電用風車であり、風を受ける3枚ないし5枚の羽根部材2と羽根部材2を支持する回転シャフト1とを備え、羽根部材2は、回転シャフト1に働く羽根部材2の荷重と風力とが偏心することがないように、また、羽根部材2が安定した状態で回転シャフト1を回転させることができるようにするために、回転シャフト1から放射状に拡がる取付け部材3を介して回転シャフト1に取り付けられている。(図においては、例として3枚の羽根部材2が取り付けられている場合の構造を示す)。
【0027】
上記回転シャフト1は、羽根部材2を支持するために設けられた金属製の円柱状棒部材であり、回転シャフト1の下方にある図略の発電機の駆動機構に設けられた軸受けに支持され、略鉛直の方向に設定された軸心1aの周りに回転可能になっている。そして、風を受けた羽根部材2がこの回転シャフト1を介して図略の発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動して発電を行うように構成されている。
【0028】
上記羽根部材2は、軽量金属の板を弧状に湾曲させた部材であり、風を受けて回転シャフト1を軸心1aの周りに回転させるために回転シャフト1に直交する平面において断面弧形の形状を有している。この断面弧形の形状は、図3にも示すように、弦2aから羽根部材2の最深部2cまでの深さHと弦2aの長さLとの比を羽根部材2の湾曲度H/Lとすると、本実施形態においては、湾曲度H/Lが0.15ないし0.3になるように設定されている。このように、羽根部材2を断面弧形の形状にすることにより、羽根部材2に風を取り込み易い構成になっている。
【0029】
また、この羽根部材2は、回転シャフト1に対して風を受ける面が概ね平行になるように取付け部材3を介して回転シャフト1に取り付けられることにより、羽根部材2一枚あたりの風を受ける面積を大きくすることができるようになっている。
【0030】
さらに、本実施形態においては、次に述べる羽根部材2の条件を追加することにより、3枚ないし5枚まで羽根部材2の数を低減することが可能となる。
【0031】
図3を参照して、3枚ないし5枚という少ない枚数の羽根部材2で、風のエネルギーを効率良く風力発電用風車10の動力に変換することができる条件として、羽根部材2の弧形断面の弦2aの長さLは、軸心1aから羽根部材2の最外点2bまでの距離である風力発電用風車10の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍になるように設定されており、この羽根部材2の弦2aの延長線は、隣の羽根部材2に当たるように配置される。
【0032】
また、軸心と羽根部材2の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材2の傾角θは、羽根部材2が3枚の場合は、3°ないし27°になるように設定される(この傾角θは、羽根部材2が4枚の場合は、6°ないし41°になるように設定され、羽根部材2が5枚の場合は、9°ないし45°になるように設定される)。
【0033】
このように、本実施形態の羽根部材2の構造によると、3枚ないし5枚という少ない枚数の羽根部材2でありながら、風を受ける面積を比較的大きくすることができ、かつ羽根部材2の弦2aの延長線が、隣の羽根部材2に当たるように配置され、羽根部材の傾角θの条件が最適化されているので、一の羽根部材2に当たった風がさらに、隣接する羽根部材に送られて、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができるようになっている。
【0034】
再び、図1、図2を参照して、上記取付け部材3は、空気の抵抗を少なくして、風力発電用風車10の効率を良くするために、軽量金属の板材を円盤状の形状に形成したものが採用され、3枚の羽根部材2それぞれの上端と下端とに一枚ずつ設けられている。
【0035】
これら2枚の取付け部材3は、3枚の羽根部材2を取り付けた状態で、回転シャフト1に中心が挿通されるようにして、一方が回転シャフト1の上端にねじ1b(図2)で固定されている。また、他方は回転シャフト1の途中部にピン1c(図2(b))で固定されている。
【0036】
また、2枚の取付け部材3の間には、軽量金属製の棒部材からなるステー4が、3本等方向に配置され、それぞれ上端と下端とがねじ4aで取付け部材3に固定されている。これにより、風力発電用風車10は、全体としてドラム状の形状を呈している。
【0037】
2枚の取付け部材3の間には、また、回転シャフト1の軸心1aに平行に金属製の棒部材からなる回動軸5が設けられ、この回動軸5が羽根部材2の外側部を曲折して管状に形成した管部2d(図3)を挿通するようにして、取付け部材3にねじ5aで固定されている。
【0038】
図2(b)を参照して、この回動軸5の上端と下端とには、また、コイルスプリングからなる弾性部材6が羽根部材2と取付け部材3との間に設けられている。これにより、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2が、この回動軸5の周りに回動して、羽根部材2の傾角、すなわち軸心1aの中心と羽根部材2の最外点2bとを結ぶ線分と弦2aとのなす角度θ(図3参照)が大きくなる方向に弾性的に変位することができるようになっている。
【0039】
ここで、取り付け部材3には、ストッパー7がねじ7aで取り付けられており、ストッパー7と当接する位置で羽根部材2の通常位置が設定される。一方、羽根部材2は、前述のステー4に当接する位置まで、弾性的に変位する。
【0040】
この弾性部材6は、図4を参照して、羽根部材2の上端と下端との一部2eを曲折して弾性部材6の一端6aが羽根部材2に固定されている。また、弾性部材6の他端6bは図略の金具もしくは、溶接等により、取付け部材3に固定されている。その結果、羽根部材2は、弾性部材6の両端が開くように回動軸5の周りに回動した場合、弾性的に回動するようになっている。
【0041】
このように、本実施形態においては、羽根部材2に過度の風が働いた時に、風に対する抵抗を減ずる方向に取付け部材3に対して弾性的に変位するように羽根部材2を取付け部材3に取り付けることにより、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減じて、経済的な風車とすることができるように構成されている。
【0042】
次に図4〜図5を参照して、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の作用について説明する。
【0043】
図5は、風力発電用風車10の寸法諸元が発電量に与える影響の実験結果を示すグラフであり、(a)は、羽根部材2の枚数Nが3枚の場合の実験結果を、(b)は、羽根部材2の枚数Nが4枚の場合の実験結果を、(c)は、羽根部材2の枚数Nが5枚の場合の実験結果を、それぞれ示している。
【0044】
なお、この実験は、送風機により羽根部材2に一定風量で風を送りつつ、発電量に対応する値である羽根部材2の回転速度を測定したものである。
【0045】
それぞれのグラフにおいて、横軸の数値は、羽根部材2の位置を示すものであり、図3に示すように、軸心1aから弦2aに下した垂線の長さをhとし、軸心1aから羽根部材2の最外点までの距離を風力発電用風車10の外半径Rとしてh/Rで表したものである。
【0046】
また、縦軸の数値は、風力発電用風車10の発電量の大小を示すものであり、測定された羽根部材2の回転速度を、それぞれの実験結果における最大値に対する比(以後回転速度比Srと称す)で表したものである。
【0047】
そして、これらの実験結果は、いずれも、羽根部材2の弧形断面の弦2aの長さLが、風力発電用風車10の外半径Rの0.8倍、1.0倍、1.2倍の各条件で測定されている(0.8倍に係る測定結果は、LがRの0.7倍ないし0.9倍の範囲の代表値として記載しており、1.0倍に係る測定結果は、LがRの0.9倍ないし1.1倍の範囲の代表値として記載しており、また、1.2倍に係る測定結果は、LがRの1.1倍ないし1.3倍の範囲の代表値として記載している)。
【0048】
これらのデータから、h/Rが0.2あたりから0.4あたりまでの範囲内に回転速度比Srの最大値が存在し、h/Rがこの最大の位置から遠ざかるにつれて、回転速度比Srが減少することがわかる。
【0049】
なお、h/Rが小さくなるにつれて回転速度比Srが減少するのは、隣の羽根部材2に送られる風量が少なくなることによる効率低下のためと推測され、また、h/Rが大きくなった時に回転速度比Srが減少するのは、風が羽根部材から逃げやすくなり、有効に当たらなくなるからと推測される。
【0050】
また、羽根部材2の弦2aの長さLが、風力発電用風車10の外半径Rの0.8倍よりも小さくなる場合は、羽根部材の風を受ける面積が減少して、効率が低下するために、回転速度比Srは減少する。また、1.2倍よりも大となる場合も、羽根部材2の回転に係る抵抗が増加するために、回転速度比Srは減少する。
【0051】
そして、図5(a)のデータによると、羽根部材2の枚数Nが3枚の場合、回転速度比Srが0.7以上になる範囲は、羽根部材2の位置h/Rが、図示のように0.05ないし0.5の範囲になっている。
【0052】
これは、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θが、3°ないし30°の範囲を示している。
【0053】
また、図5(b)のデータによると、羽根部材2の枚数Nが4枚の場合、回転速度比Srが0.7以上になる範囲は、羽根部材2の位置h/Rが、図示のように0.10ないし0.65の範囲になっている。
【0054】
これは、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θが、6°ないし41°の範囲を示している。
【0055】
そして、図5(c)のデータによると、羽根部材2の枚数Nが5枚の場合、回転速度比Srが0.7以上になる範囲は、羽根部材2の位置h/Rが、図示のように0.15ないし0.70の範囲になっている。
【0056】
これは、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θが、9°ないし45°の範囲を示している。
【0057】
これより、羽根部材2の弧形断面の弦2aの長さLは、軸心1aから羽根部材2の最外点2bまでの距離である風力発電用風車10の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍の条件において、h/Rあるいはθの値が羽根部材2の枚数Nに応じた上記範囲になるように、羽根部材2の位置を設定することにより、風力発電用風車10の回転速度比Srが高い回転速度で運転できることがわかる。
【0058】
次に図6を参照して、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の弾性部材6の作用について説明する。
【0059】
図6は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の羽根部材2の回動を示す概念図である。図6(a)は、回動する前の羽根部材2の位置を示している。また、図6(b)は、回動した後の羽根部材2の位置を示している。
【0060】
図6(a)を参照して、羽根部材2は、弾性部材6により、ストッパー7に当接する位置にあり、風速が設計範囲内の場合、羽根部材2は、この状態で通常使用される。この時、風Wは、羽根部材の湾曲面に沿って中心寄りに流れ、一つの羽根部材を通り過ぎた後は、隣の羽根部材に当たるようになるため、効率が良くなる。
【0061】
次に、図6(b)を参照して、羽根部材2に過度の風が働いた時、羽根部材2は、回動軸5の周りに回動して、弾性的に変位する。そして、ステー4に当接する位置で全開状態となる。この時、風Wは、弾性的に変位した羽根部材2の湾曲面の側方を流れ、一つの羽根部材2を通り過ぎた後は、隣の羽根部材2に当たることなく、風力発電用風車10の外部に通り抜けるため、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減じて、経済的な風力発電用風車10とすることができる。
【0062】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、3枚ないし5枚という少ない枚数の羽根部材2で、風のエネルギーを効率良く風力発電用風車10の動力に変換することができる。
【0063】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、回転している羽根部材2と羽根部材2に当たる風との相互作用が風力発電用風車10の効率に対して最適な条件となるので、さらに効率良く風のエネルギーを風力発電用風車10の動力に変換することができる。
【0064】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、回転シャフト1に働く羽根部材2の荷重と風力とが偏心することがないので、安定した状態で回転シャフト1を回転させることができる。
【0065】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、取付け部材3の回転に際して空気の抵抗が少ないので、風力発電用風車10の効率が良い。
【0066】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2が取付け部材3に対して弾性的に変位するので、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車とすることができる。
【0067】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2の傾角すなわち軸心1aの中心と羽根部材2の最外点2bとを結ぶ線分と弦2aとのなす角度θが大きくなり、風が風力発電用風車10の外部に通り抜けるので、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車10とすることができる。
【0068】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0069】
例えば、回転シャフト1は、必ずしも金属製の円柱状棒部材に限定されない。羽根部材2を支持するために設けられたものであり、回転シャフト1の下方にある発電機の駆動機構に回転運動を伝達して、発電機を駆動して発電を行うことができるものであれば、材質、形状等、種々の設計変更が可能である。
【0070】
羽根部材2も、必ずしも図示のような軽量金属の板を弧状に湾曲させたものに限定されない。回転シャフト1に直交する平面において断面弧形の形状を有し、湾曲度H/Lが0.15ないし0.3になるように設定されて風を取り込み易い形状になっているものであれば、例えば、木製の翼状の部材でも採用可能であるなど、材質、形状に関して種々の設計変更が可能である。
【0071】
また、取付け部材3は、必ずしも円盤状である必要はなく、長方形の板材や棒状の部材で羽根部材2を一つ一つ回転シャフト1に取り付ける形式のものでもよいなど、回転シャフト1に働く羽根部材2の荷重と風力とが偏心することがないようにするために、回転シャフト1から放射状に拡がるものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0072】
また、取付け部材3と回転シャフト1との取り付け態様やステー4も必ずしも図示の形状に限定されず、風力発電用風車10の全体の形状も必ずしもドラム状の形状に限定されない。
【0073】
弾性部材6やストッパー7も必ずしも図示の形状に限定されず、羽根部材2と取付け部材3との間に設けられ、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2が、この回動軸5の周りに回動して、羽根部材2の傾角すなわち軸心1aの中心と羽根部材2の最外点2bとを結ぶ線分と弦2aとのなす角度θが大きくなる方向に弾性的に変位することができるようになっていれば、種々の設計変更が可能である。
【0074】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風力発電用風車の動力に変換できるので、風力発電用風車の製造に係るコストを低減することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の構成を示す構造図であり、(a)は、風力発電用風車の上面図、(b)は、風力発電用風車の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の寸法諸元を示す概念図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の弾性部材の構成を示す斜視図である。
【図5】風力発電用風車の寸法諸元が発電量に与える影響の実験結果を示すグラフであり、(a)は、羽根部材の枚数が3枚の場合の実験結果を、(b)は、羽根部材の枚数が4枚の場合の実験結果を、(c)は、羽根部材の枚数が5枚の場合の実験結果を、それぞれ示している。
【図6】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の羽根部材の回動を示す概念図であり、(a)は、回動する前の羽根部材の位置を示している。また、(b)は、回動した後の羽根部材の位置を示している。
【符号の説明】
1 回転シャフト
1a 軸心
2 羽根部材
2a 弦
2b 最外点
2c 最深部
3 取付け部材
10 風力発電用風車
R 外半径
W 風
θ 傾角
【発明の属する技術分野】
本発明は、風を受ける羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、風を受ける羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車としては、プロペラ形が主流となっていた。
【0003】
このプロペラ形の風車は、回転シャフトが、略水平の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において回転シャフトの軸心に対して放射状になるように回転シャフトに取り付けられていた。
【0004】
ところが、このプロペラ型の風車は、年間平均風速が約6m/秒以上の風況の良好な場所に適したシステムであり、例えば都市部などで年間平均風速が約1.5〜2m/秒という場所では、発電に必要な動力を得ることができないだけでなく、羽根部材の回転を開始させることも困難であった。
【0005】
そこで、低風速でも発電可能な風力発電用風車として、羽根部材の風を受ける総面積を大きくした竪型の風力発電用風車が、種々開発されている。
【0006】
この竪型の風力発電用風車は、回転シャフトが、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、羽根部材の風を受ける面が、回転シャフトの軸心に対して概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の竪型の風力発電用風車では、低風速の風に対して十分な発電量を得るために、羽根部材の枚数をできるだけ多くした形状のものが一般的であった。このため、羽根部材の製作と取り付けなど、製造工程を複雑化させて、製造に係るコストを増大させるという問題があった。
【0008】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することにより、風車の製造に係るコストを低減することができる風力発電用風車を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、風を受ける3枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、3°ないし27°であり、羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車である(請求項1)。
【0010】
本発明によれば、3枚という少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができる。
【0011】
また、本発明の別の態様は、風を受ける4枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、6°ないし41°であり、羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車である(請求項2)。
【0012】
本発明によれば、4枚という少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができる。
【0013】
本発明の別の態様は、風を受ける5枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、9°ないし45°であり、羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車である(請求項3)。
【0014】
本発明によれば、5枚という少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができる。
【0015】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、弦から羽根部材の最深部までの深さHと上記弦の長さLとの比を羽根部材の湾曲度H/Lとすると、この羽根部材の湾曲度H/Lが0.15ないし0.3であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の風力発電用風車である(請求項4)。
【0016】
この態様によれば、回転している羽根部材と羽根部材に当たる風との相互作用が風車の効率に対して最適な条件となるので、さらに効率良く風のエネルギーを風車の動力に変換することができる。
【0017】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、回転シャフトから放射状に拡がる取付け部材を介して回転シャフトに取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の風力発電用風車である(請求項5)。
【0018】
この好ましい態様によれば、回転シャフトに働く羽根部材の荷重と風力とが偏心することがないので、安定した状態で回転シャフトを回転させることができる。
【0019】
本発明の好ましい態様は、上記取付け部材は円盤状の形状をなしていることを特徴とする請求項5記載の風力発電用風車である(請求項6)。
【0020】
この好ましい態様によれば、取付け部材の回転に際して空気の抵抗が少ないので、風車の効率が良い。
【0021】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、過度の風に対する抵抗を減ずる方向に取付け部材に対して弾性的に変位可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項6のいずれかに記載の風力発電用風車である(請求項7)。
【0022】
この好ましい態様によれば、羽根部材に過度の風が働いた時に、羽根部材が取付け部材に対して弾性的に変位するので、羽根部材と取付け部材と回転シャフトとに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車とすることができる。
【0023】
本発明の好ましい態様は、上記羽根部材は、羽根部材に過度の風が働いた時に、回転シャフトの軸心に平行に設けられた回動軸の周りに回動して、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、大きくなる方向に取付け部材に対して弾性的に変位するように取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の風力発電用風車である(請求項8)。
【0024】
この好ましい態様によれば、羽根部材に過度の風が働いた時に、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、大きくなり、風が風車の外部に通り抜けるので、羽根部材と取付け部材と回転シャフトとに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の構成を示す斜視図であり、図2は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の構成を示す構造図であり、(a)は、風力発電用風車10の上面図、(b)は、風力発電用風車10の側面図である。また、図3は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の寸法諸元を示す概念図である。また、図4は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の弾性部材6の構成を示す斜視図である。
【0026】
図1、図2を参照して、図示の本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10は、いわゆる竪型の風力発電用風車であり、風を受ける3枚ないし5枚の羽根部材2と羽根部材2を支持する回転シャフト1とを備え、羽根部材2は、回転シャフト1に働く羽根部材2の荷重と風力とが偏心することがないように、また、羽根部材2が安定した状態で回転シャフト1を回転させることができるようにするために、回転シャフト1から放射状に拡がる取付け部材3を介して回転シャフト1に取り付けられている。(図においては、例として3枚の羽根部材2が取り付けられている場合の構造を示す)。
【0027】
上記回転シャフト1は、羽根部材2を支持するために設けられた金属製の円柱状棒部材であり、回転シャフト1の下方にある図略の発電機の駆動機構に設けられた軸受けに支持され、略鉛直の方向に設定された軸心1aの周りに回転可能になっている。そして、風を受けた羽根部材2がこの回転シャフト1を介して図略の発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動して発電を行うように構成されている。
【0028】
上記羽根部材2は、軽量金属の板を弧状に湾曲させた部材であり、風を受けて回転シャフト1を軸心1aの周りに回転させるために回転シャフト1に直交する平面において断面弧形の形状を有している。この断面弧形の形状は、図3にも示すように、弦2aから羽根部材2の最深部2cまでの深さHと弦2aの長さLとの比を羽根部材2の湾曲度H/Lとすると、本実施形態においては、湾曲度H/Lが0.15ないし0.3になるように設定されている。このように、羽根部材2を断面弧形の形状にすることにより、羽根部材2に風を取り込み易い構成になっている。
【0029】
また、この羽根部材2は、回転シャフト1に対して風を受ける面が概ね平行になるように取付け部材3を介して回転シャフト1に取り付けられることにより、羽根部材2一枚あたりの風を受ける面積を大きくすることができるようになっている。
【0030】
さらに、本実施形態においては、次に述べる羽根部材2の条件を追加することにより、3枚ないし5枚まで羽根部材2の数を低減することが可能となる。
【0031】
図3を参照して、3枚ないし5枚という少ない枚数の羽根部材2で、風のエネルギーを効率良く風力発電用風車10の動力に変換することができる条件として、羽根部材2の弧形断面の弦2aの長さLは、軸心1aから羽根部材2の最外点2bまでの距離である風力発電用風車10の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍になるように設定されており、この羽根部材2の弦2aの延長線は、隣の羽根部材2に当たるように配置される。
【0032】
また、軸心と羽根部材2の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材2の傾角θは、羽根部材2が3枚の場合は、3°ないし27°になるように設定される(この傾角θは、羽根部材2が4枚の場合は、6°ないし41°になるように設定され、羽根部材2が5枚の場合は、9°ないし45°になるように設定される)。
【0033】
このように、本実施形態の羽根部材2の構造によると、3枚ないし5枚という少ない枚数の羽根部材2でありながら、風を受ける面積を比較的大きくすることができ、かつ羽根部材2の弦2aの延長線が、隣の羽根部材2に当たるように配置され、羽根部材の傾角θの条件が最適化されているので、一の羽根部材2に当たった風がさらに、隣接する羽根部材に送られて、風のエネルギーを効率良く風車の動力に変換することができるようになっている。
【0034】
再び、図1、図2を参照して、上記取付け部材3は、空気の抵抗を少なくして、風力発電用風車10の効率を良くするために、軽量金属の板材を円盤状の形状に形成したものが採用され、3枚の羽根部材2それぞれの上端と下端とに一枚ずつ設けられている。
【0035】
これら2枚の取付け部材3は、3枚の羽根部材2を取り付けた状態で、回転シャフト1に中心が挿通されるようにして、一方が回転シャフト1の上端にねじ1b(図2)で固定されている。また、他方は回転シャフト1の途中部にピン1c(図2(b))で固定されている。
【0036】
また、2枚の取付け部材3の間には、軽量金属製の棒部材からなるステー4が、3本等方向に配置され、それぞれ上端と下端とがねじ4aで取付け部材3に固定されている。これにより、風力発電用風車10は、全体としてドラム状の形状を呈している。
【0037】
2枚の取付け部材3の間には、また、回転シャフト1の軸心1aに平行に金属製の棒部材からなる回動軸5が設けられ、この回動軸5が羽根部材2の外側部を曲折して管状に形成した管部2d(図3)を挿通するようにして、取付け部材3にねじ5aで固定されている。
【0038】
図2(b)を参照して、この回動軸5の上端と下端とには、また、コイルスプリングからなる弾性部材6が羽根部材2と取付け部材3との間に設けられている。これにより、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2が、この回動軸5の周りに回動して、羽根部材2の傾角、すなわち軸心1aの中心と羽根部材2の最外点2bとを結ぶ線分と弦2aとのなす角度θ(図3参照)が大きくなる方向に弾性的に変位することができるようになっている。
【0039】
ここで、取り付け部材3には、ストッパー7がねじ7aで取り付けられており、ストッパー7と当接する位置で羽根部材2の通常位置が設定される。一方、羽根部材2は、前述のステー4に当接する位置まで、弾性的に変位する。
【0040】
この弾性部材6は、図4を参照して、羽根部材2の上端と下端との一部2eを曲折して弾性部材6の一端6aが羽根部材2に固定されている。また、弾性部材6の他端6bは図略の金具もしくは、溶接等により、取付け部材3に固定されている。その結果、羽根部材2は、弾性部材6の両端が開くように回動軸5の周りに回動した場合、弾性的に回動するようになっている。
【0041】
このように、本実施形態においては、羽根部材2に過度の風が働いた時に、風に対する抵抗を減ずる方向に取付け部材3に対して弾性的に変位するように羽根部材2を取付け部材3に取り付けることにより、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減じて、経済的な風車とすることができるように構成されている。
【0042】
次に図4〜図5を参照して、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の作用について説明する。
【0043】
図5は、風力発電用風車10の寸法諸元が発電量に与える影響の実験結果を示すグラフであり、(a)は、羽根部材2の枚数Nが3枚の場合の実験結果を、(b)は、羽根部材2の枚数Nが4枚の場合の実験結果を、(c)は、羽根部材2の枚数Nが5枚の場合の実験結果を、それぞれ示している。
【0044】
なお、この実験は、送風機により羽根部材2に一定風量で風を送りつつ、発電量に対応する値である羽根部材2の回転速度を測定したものである。
【0045】
それぞれのグラフにおいて、横軸の数値は、羽根部材2の位置を示すものであり、図3に示すように、軸心1aから弦2aに下した垂線の長さをhとし、軸心1aから羽根部材2の最外点までの距離を風力発電用風車10の外半径Rとしてh/Rで表したものである。
【0046】
また、縦軸の数値は、風力発電用風車10の発電量の大小を示すものであり、測定された羽根部材2の回転速度を、それぞれの実験結果における最大値に対する比(以後回転速度比Srと称す)で表したものである。
【0047】
そして、これらの実験結果は、いずれも、羽根部材2の弧形断面の弦2aの長さLが、風力発電用風車10の外半径Rの0.8倍、1.0倍、1.2倍の各条件で測定されている(0.8倍に係る測定結果は、LがRの0.7倍ないし0.9倍の範囲の代表値として記載しており、1.0倍に係る測定結果は、LがRの0.9倍ないし1.1倍の範囲の代表値として記載しており、また、1.2倍に係る測定結果は、LがRの1.1倍ないし1.3倍の範囲の代表値として記載している)。
【0048】
これらのデータから、h/Rが0.2あたりから0.4あたりまでの範囲内に回転速度比Srの最大値が存在し、h/Rがこの最大の位置から遠ざかるにつれて、回転速度比Srが減少することがわかる。
【0049】
なお、h/Rが小さくなるにつれて回転速度比Srが減少するのは、隣の羽根部材2に送られる風量が少なくなることによる効率低下のためと推測され、また、h/Rが大きくなった時に回転速度比Srが減少するのは、風が羽根部材から逃げやすくなり、有効に当たらなくなるからと推測される。
【0050】
また、羽根部材2の弦2aの長さLが、風力発電用風車10の外半径Rの0.8倍よりも小さくなる場合は、羽根部材の風を受ける面積が減少して、効率が低下するために、回転速度比Srは減少する。また、1.2倍よりも大となる場合も、羽根部材2の回転に係る抵抗が増加するために、回転速度比Srは減少する。
【0051】
そして、図5(a)のデータによると、羽根部材2の枚数Nが3枚の場合、回転速度比Srが0.7以上になる範囲は、羽根部材2の位置h/Rが、図示のように0.05ないし0.5の範囲になっている。
【0052】
これは、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θが、3°ないし30°の範囲を示している。
【0053】
また、図5(b)のデータによると、羽根部材2の枚数Nが4枚の場合、回転速度比Srが0.7以上になる範囲は、羽根部材2の位置h/Rが、図示のように0.10ないし0.65の範囲になっている。
【0054】
これは、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θが、6°ないし41°の範囲を示している。
【0055】
そして、図5(c)のデータによると、羽根部材2の枚数Nが5枚の場合、回転速度比Srが0.7以上になる範囲は、羽根部材2の位置h/Rが、図示のように0.15ないし0.70の範囲になっている。
【0056】
これは、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θが、9°ないし45°の範囲を示している。
【0057】
これより、羽根部材2の弧形断面の弦2aの長さLは、軸心1aから羽根部材2の最外点2bまでの距離である風力発電用風車10の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍の条件において、h/Rあるいはθの値が羽根部材2の枚数Nに応じた上記範囲になるように、羽根部材2の位置を設定することにより、風力発電用風車10の回転速度比Srが高い回転速度で運転できることがわかる。
【0058】
次に図6を参照して、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の弾性部材6の作用について説明する。
【0059】
図6は本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10の羽根部材2の回動を示す概念図である。図6(a)は、回動する前の羽根部材2の位置を示している。また、図6(b)は、回動した後の羽根部材2の位置を示している。
【0060】
図6(a)を参照して、羽根部材2は、弾性部材6により、ストッパー7に当接する位置にあり、風速が設計範囲内の場合、羽根部材2は、この状態で通常使用される。この時、風Wは、羽根部材の湾曲面に沿って中心寄りに流れ、一つの羽根部材を通り過ぎた後は、隣の羽根部材に当たるようになるため、効率が良くなる。
【0061】
次に、図6(b)を参照して、羽根部材2に過度の風が働いた時、羽根部材2は、回動軸5の周りに回動して、弾性的に変位する。そして、ステー4に当接する位置で全開状態となる。この時、風Wは、弾性的に変位した羽根部材2の湾曲面の側方を流れ、一つの羽根部材2を通り過ぎた後は、隣の羽根部材2に当たることなく、風力発電用風車10の外部に通り抜けるため、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減じて、経済的な風力発電用風車10とすることができる。
【0062】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、3枚ないし5枚という少ない枚数の羽根部材2で、風のエネルギーを効率良く風力発電用風車10の動力に変換することができる。
【0063】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、回転している羽根部材2と羽根部材2に当たる風との相互作用が風力発電用風車10の効率に対して最適な条件となるので、さらに効率良く風のエネルギーを風力発電用風車10の動力に変換することができる。
【0064】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、回転シャフト1に働く羽根部材2の荷重と風力とが偏心することがないので、安定した状態で回転シャフト1を回転させることができる。
【0065】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、取付け部材3の回転に際して空気の抵抗が少ないので、風力発電用風車10の効率が良い。
【0066】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2が取付け部材3に対して弾性的に変位するので、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車とすることができる。
【0067】
また、本発明の実施の形態に係る風力発電用風車10によれば、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2の傾角すなわち軸心1aの中心と羽根部材2の最外点2bとを結ぶ線分と弦2aとのなす角度θが大きくなり、風が風力発電用風車10の外部に通り抜けるので、羽根部材2と取付け部材3と回転シャフト1とに対する設計負荷を減ずることができる結果、経済的な風力発電用風車10とすることができる。
【0068】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0069】
例えば、回転シャフト1は、必ずしも金属製の円柱状棒部材に限定されない。羽根部材2を支持するために設けられたものであり、回転シャフト1の下方にある発電機の駆動機構に回転運動を伝達して、発電機を駆動して発電を行うことができるものであれば、材質、形状等、種々の設計変更が可能である。
【0070】
羽根部材2も、必ずしも図示のような軽量金属の板を弧状に湾曲させたものに限定されない。回転シャフト1に直交する平面において断面弧形の形状を有し、湾曲度H/Lが0.15ないし0.3になるように設定されて風を取り込み易い形状になっているものであれば、例えば、木製の翼状の部材でも採用可能であるなど、材質、形状に関して種々の設計変更が可能である。
【0071】
また、取付け部材3は、必ずしも円盤状である必要はなく、長方形の板材や棒状の部材で羽根部材2を一つ一つ回転シャフト1に取り付ける形式のものでもよいなど、回転シャフト1に働く羽根部材2の荷重と風力とが偏心することがないようにするために、回転シャフト1から放射状に拡がるものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0072】
また、取付け部材3と回転シャフト1との取り付け態様やステー4も必ずしも図示の形状に限定されず、風力発電用風車10の全体の形状も必ずしもドラム状の形状に限定されない。
【0073】
弾性部材6やストッパー7も必ずしも図示の形状に限定されず、羽根部材2と取付け部材3との間に設けられ、羽根部材2に過度の風が働いた時に、羽根部材2が、この回動軸5の周りに回動して、羽根部材2の傾角すなわち軸心1aの中心と羽根部材2の最外点2bとを結ぶ線分と弦2aとのなす角度θが大きくなる方向に弾性的に変位することができるようになっていれば、種々の設計変更が可能である。
【0074】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少ない枚数の羽根部材で、風のエネルギーを効率良く風力発電用風車の動力に変換できるので、風力発電用風車の製造に係るコストを低減することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の構成を示す構造図であり、(a)は、風力発電用風車の上面図、(b)は、風力発電用風車の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の寸法諸元を示す概念図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の弾性部材の構成を示す斜視図である。
【図5】風力発電用風車の寸法諸元が発電量に与える影響の実験結果を示すグラフであり、(a)は、羽根部材の枚数が3枚の場合の実験結果を、(b)は、羽根部材の枚数が4枚の場合の実験結果を、(c)は、羽根部材の枚数が5枚の場合の実験結果を、それぞれ示している。
【図6】本発明の実施の形態に係る風力発電用風車の羽根部材の回動を示す概念図であり、(a)は、回動する前の羽根部材の位置を示している。また、(b)は、回動した後の羽根部材の位置を示している。
【符号の説明】
1 回転シャフト
1a 軸心
2 羽根部材
2a 弦
2b 最外点
2c 最深部
3 取付け部材
10 風力発電用風車
R 外半径
W 風
θ 傾角
Claims (8)
- 風を受ける3枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、
上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、
上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、
上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、
軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、3°ないし27°であり、
羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車。 - 風を受ける4枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、
上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、
上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、
上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、
軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、6°ないし41°であり、
羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車。 - 風を受ける5枚の羽根部材と、この羽根部材を支持する回転シャフトとを備え、羽根部材が回転シャフトを介して発電機の駆動機構に回転運動を伝達することにより、発電機を駆動する風力発電用風車であって、
上記回転シャフトは、略鉛直の方向に設定された軸心の周りに回転可能なものであり、
上記羽根部材は、回転シャフトに直交する平面において断面弧形の形状を有するとともに回転シャフトに対して風を受ける面が概ね平行になるように回転シャフトに取り付けられており、
上記羽根部材の弧形断面の弦の長さLは、軸心から羽根部材の最外点までの距離である風車の外半径Rの0.7倍ないし1.3倍であり、
軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、9°ないし45°であり、
羽根部材の弦の延長線が、隣の羽根部材に当たるように配置されていることを特徴とする風力発電用風車。 - 上記羽根部材は、弦から羽根部材の最深部までの深さHと上記弦の長さLとの比を羽根部材の湾曲度H/Lとすると、この羽根部材の湾曲度H/Lが0.15ないし0.3であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の風力発電用風車。
- 上記羽根部材は、回転シャフトから放射状に拡がる取付け部材を介して回転シャフトに取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の風力発電用風車。
- 上記取付け部材は円盤状の形状をなしていることを特徴とする請求項5記載の風力発電用風車。
- 上記羽根部材は、過度の風に対する抵抗を減ずる方向に取付け部材に対して弾性的に変位可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項6のいずれかに記載の風力発電用風車。
- 上記羽根部材は、羽根部材に過度の風が働いた時に、回転シャフトの軸心に平行に設けられた回動軸の周りに回動して、軸心と羽根部材の最外点とを結ぶ線分と弦とのなす角度である羽根部材の傾角θは、大きくなる方向に取付け部材に対して弾性的に変位するように取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の風力発電用風車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202874A JP2004044479A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 風力発電用風車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202874A JP2004044479A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 風力発電用風車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044479A true JP2004044479A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31708940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002202874A Pending JP2004044479A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 風力発電用風車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004044479A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2442540A (en) * | 2006-10-02 | 2008-04-09 | Christopher John Ralp Strevens | Simple vertical-axis wind turbine |
WO2010147301A2 (ko) * | 2009-06-18 | 2010-12-23 | 하모니테크주식회사 | 수직축 풍력발전기 |
CN101984253A (zh) * | 2010-03-29 | 2011-03-09 | 侯书奇 | 垂直轴风力发动机的鱼脊线叶板升力风轮 |
CN103443452A (zh) * | 2010-09-22 | 2013-12-11 | 萨风能源有限公司 | 用于转化风能的系统 |
-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002202874A patent/JP2004044479A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2442540A (en) * | 2006-10-02 | 2008-04-09 | Christopher John Ralp Strevens | Simple vertical-axis wind turbine |
WO2010147301A2 (ko) * | 2009-06-18 | 2010-12-23 | 하모니테크주식회사 | 수직축 풍력발전기 |
WO2010147301A3 (ko) * | 2009-06-18 | 2011-02-17 | 하모니테크주식회사 | 수직축 풍력발전기 |
CN101984253A (zh) * | 2010-03-29 | 2011-03-09 | 侯书奇 | 垂直轴风力发动机的鱼脊线叶板升力风轮 |
CN103443452A (zh) * | 2010-09-22 | 2013-12-11 | 萨风能源有限公司 | 用于转化风能的系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7399162B2 (en) | Wind turbine | |
US8258645B2 (en) | Wind turbine with sail extensions | |
US6179563B1 (en) | Wind-powered drive shaft | |
JPS6212395B2 (ja) | ||
US8137052B1 (en) | Wind turbine generator | |
JP2004197643A (ja) | 垂直軸型風車装置 | |
US20160237989A1 (en) | Vertical axis wind turbines and related methods of braking | |
JP2008520894A (ja) | 縦軸型タービン装置 | |
JP2003049761A (ja) | 支軸及び風力発電装置 | |
JP2004044479A (ja) | 風力発電用風車 | |
WO2008053282A1 (en) | Windturbine | |
JP2005528558A (ja) | 多方向風力発電機 | |
JP3842254B2 (ja) | 風力発電装置における風車構造 | |
JP2007247516A (ja) | 風力発電装置 | |
US20050286996A1 (en) | Wind-guiding device for windmill generator | |
JP2508099B2 (ja) | 風力発電装置 | |
JP2005291185A (ja) | 風力発電装置 | |
JP4293835B2 (ja) | ピンホイール風車を用いた風力発電装置 | |
JP2005240632A (ja) | 風力発電装置用の風車 | |
JP2005083224A (ja) | 垂直軸型風車 | |
JP2008255977A (ja) | 風力発電装置 | |
JP2014145293A (ja) | 風車 | |
JP4658882B2 (ja) | 原動力伝達装置 | |
JP2004068801A (ja) | 風車 | |
JPH01366A (ja) | 風力発電装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050624 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071218 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090203 |