JP2004043889A - 高炉への微粉炭の安定吹込み方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下部に微粉炭の流動空間24と、 流動空間24に連通した気体搬送管25とを備え、内部を気体で加圧可能な複数の吹込みタンク12〜15を切り替えながら、気体搬送管25を介して微粉炭を搬送し、この微粉炭を羽口16に配置したブロー管17から炉内に吹込む高炉への微粉炭の吹込み方法において、複数の吹込みタンク12〜15のうち、微粉炭吹込み中の吹込みタンク12内の微粉炭残量が、この吹込みタンク12の微粉炭吹込み量に対して6〜12%の範囲の所定値になった時点で、羽口16からの微粉炭の吹込みを微粉炭吹込み中の吹込みタンク12から他の吹込みタンク13に切り替える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉に装入するコークスの一部として微粉炭を使用し、この微粉炭の吹込みを行う高炉操業で、羽口から炉内に吹込む微粉炭の吹込み量の変動を小さくして安定した吹込みを行う高炉への微粉炭の安定吹込み方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高炉では、コークスの一部代替として羽口から微粉炭を吹込み、溶銑の製造コストの低減が行われている。
この微粉炭の吹込みは、微粉炭が燃焼性が高いため、窒素ガスやアルゴンガス等の搬送気体を用いて吹込みタンクから気体搬送し、この気体搬送された微粉炭を羽口内に配置したブローパイプから炉内に吹込む方法が採用されている。
羽口から吹込む微粉炭の量が少ない場合は、ブローパイプから炉内に吹込まれる微粉炭量の変動も小さいが、吹込み量が130kg/溶銑トン以上のように多量に微粉炭を吹込む操業が行われると、微粉炭の吹込み量の変動が大きくなり、炉内に与える熱量が変動する。
このとき、高炉の羽口から供給する熱風や酸素、他の燃料である微粉炭などに起因した炉内熱量の変動は、羽口先端のフレーム温度を変化させ、炉下部への熱量の供給不足を招いたり、吹込まれた微粉炭の十分な燃焼を行うことができずに、アッシュ分や未燃焼の炭素が装入物の粒子間に付着して凝固層(鳥の巣)が形成され易くなり、操業の不安定化の要因となる。
【0003】
この対策として、特開平6−336602号公報には、下部タンク(吹込みタンク)の重量変化の検出値から、羽口への吹込み量の目標値となる微粉炭の搬送量を算出し、この算出された微粉炭の搬送量になるように吹込みタンクの内圧をフィードバック制御して微粉炭の吹込みを行う方法が記載されている。なお、この方法は更に、吹込みタンク内の微粉炭の量が減少した際、微粉炭を上部タンクから吹込みタンクに供給しながら、この吹込みタンクの内圧と羽口への供給圧との差が一定となるようにして微粉炭を連続して安定供給している。
また、特開平8−283805号公報には、予め微粉炭吹込み量一定条件下での吹込みタンク内の微粉炭重量に対する吹込みタンク内圧の関係を求め、微粉炭重量に対する吹込みタンク内圧の関係から吹込みタンク内圧を設定して微粉炭の吹込み量を一定にする方法が記載されている。
また、特開平9−324206号公報には、吹込みタンクの上部に加圧窒素配管を設け、更に、吹込みタンクの最下端に微粉炭の流動化ノズルと、その上方に吹込みタンク内を加圧する窒素配管を備え、吹込みタンク内の微粉炭の量が所定量以上の場合、流動化ノズルの上方に備えた窒素配管から窒素ガスを吹込んで加圧しながら微粉炭を気体搬送して羽口に吹込み、一方、吹込みタンク内の微粉炭量が所定量より少ない場合、吹込みタンクの上部の加圧窒素配管から窒素ガスを吹込んで加圧しながら流動化ノズルに窒素ガスを送給し、微粉炭を流動化して羽口に吹込むことにより、常に一定量の微粉炭を吹込む方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−336602号公報に記載された方法では、吹込みタンクの重量変化を検出して、この値に基づいて羽口への吹込み量の目標値となる微粉炭の搬送量を決定し、この値を満たすように吹込みタンクの内圧をフィードバック制御して微粉炭の吹込みを行うので、以下の問題がある。
即ち、吹込みタンクの重量が減少してくると、吹込みタンク内の微粉炭が過剰に攪拌され、搬送気体中の微粉炭濃度が低下、即ち固気比が低下する。この固気比の低下は、微粉炭の吹込み量の低下を招くため、吹込み量を高めるためには窒素ガス流量が増加することになる。
従って、固気比の低下と窒素ガス流量の増加とが相乗した悪循環を生じ、高炉の操業が不安定になる。
また、微粉炭の気体搬送は圧力制御で行われるため、微粉炭の全体の吹込み量が130kg/溶銑トン以上になると、加圧流量が増加し、排出される窒素ガス量も大きくなって過剰の窒素ガスが必要になり、加圧や搬送に使用する窒素ガスの消費原単位が高くなるので経済的でない。一方、吹込みタンク内の微粉炭の量が減少し、同時に微粉炭を上部タンクから吹込みタンクに供給しながら吹込みを行う場合は、吹込みタンクの内圧と羽口への供給圧との差が一定となるように調整しても、吹込みタンク内の微粉炭が過剰に攪拌されて搬送時における固気比が低下し、微粉炭の吹込み量の低下を招くので、羽口から吹込まれる微粉炭の吹込み量が変動(ハンチング現象)する。
そして、炉内の熱量が変動するため、羽口先端のフレーム温度が変化し、炉下部への熱量の供給不足を招いたり、吹込まれた微粉炭の十分な燃焼を行うことができずにアッシュ分や未燃焼の炭素が装入物の粒子間に付着して凝固層が形成され易くなり、操業の不安定化の要因となる等の問題もある。
【0005】
また、特開平8−283805号公報に記載された方法では、予め微粉炭の吹込み量が一定となる吹込みタンク内圧を求めておき、微粉炭重量に対する吹込みタンク内圧の関係から吹込みタンク内圧を設定して微粉炭の吹込み量を一定にするため、吹込みタンク内の微粉炭残量が少なくなると、前記した特開平6−336602号公報に記載された方法と同様に吹込みタンクの内の微粉炭が過剰に攪拌されて固気比が低下し、微粉炭の吹込み量の低下を招くので、羽口から吹込まれる微粉炭の吹込み量が変動する。
しかも、吹込み量を高めるために窒素ガス流量が増加するので、固気比の低下と窒素ガス流量の増加とが相乗した悪循環を生じる。
【0006】
特開平9−324206号公報に記載された方法では、吹込みタンク内の微粉炭量が所定量より少ない場合、吹込みタンクの上部の加圧窒素配管から窒素ガスを吹込んで加圧しながら吹込みタンクの最下端に設けた微粉炭の流動化ノズルに窒素ガスを送給し微粉炭を流動化して羽口に吹込むため、流動化ノズルから吹込まれた窒素ガスが吹込みタンク内の微粉炭を流動させる際、流動中の微粉炭の中を加圧窒素配管から吹込まれた窒素ガスが直接流入して更にこの微粉炭を流動させるため、気体搬送される微粉炭の固気比が大幅に変動し、加圧用の窒素ガスの使用量も増加する。
しかも、吹込みタンク内の微粉炭残量が少なくなると、前記した特開平6−336602号公報に記載された方法と同様の問題が生じるという欠点もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、搬送される微粉炭の固気比の低下と過剰な搬送気体の使用を防止し、しかも、羽口からの微粉炭の吹込み量を安定させ、高炉の炉内に付与する熱量の変動を抑制して操業を安定させる高炉への微粉炭の安定吹込み方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法は、下部に微粉炭の流動空間と、 流動空間に連通した気体搬送管とを備え、内部を気体で加圧可能な複数の吹込みタンクを切り替えながら、気体搬送管を介して微粉炭を搬送し、この微粉炭を羽口に配置したブロー管から炉内に吹込む高炉への微粉炭の吹込み方法において、複数の吹込みタンクのうち、微粉炭吹込み中の吹込みタンク内の微粉炭残量が、この吹込みタンクの微粉炭吹込み量に対して6〜12%の範囲の所定値になった時点で、羽口からの微粉炭の吹込みを微粉炭吹込み中の吹込みタンクから他の吹込みタンクに切り替える。これにより、吹込みタンク内の微粉炭重量が減少した際に、吹込みタンク内の微粉炭の過剰な攪拌を抑制すると共に、微粉炭を搬送する搬送気体中の微粉炭濃度の低下、即ち搬送する微粉炭の固気比の低下を抑制できる。
ここで、本発明に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法において、微粉炭吹込み中の吹込みタンクの微粉炭吹込み量の増加に伴って、所定値を範囲内で徐々に増加させることが好ましい。これにより、各微粉炭吹込み量に応じた吹込みタンク内の微粉炭残量に基づき、吹込みタンクの切替えを行うことができるので、吹込みタンク内の微粉炭の流動状態を正常にでき、搬送する微粉炭の固気比を高めることができる。
【0008】
本発明に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法において、微粉炭吹込み中の吹込みタンクから他の吹込みタンクへの微粉炭の吹込みの切り替えを下式の領域で行うことが好ましい。
Y≧aX2 +bX+c
ここで、Yは(微粉炭吹込み中の吹込みタンク内の微粉炭残量)/(微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量)、Xは(微粉炭吹込み量)/(微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量)、a、bはそれぞれ関係式の係数、cは定数である。
このように、微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量に対する微粉炭吹込み中の吹込みタンク内の微粉炭残量を求めることで、吹込みタンクの容量に応じて、吹込みタンク内の微粉炭の攪拌とその流動を良好な状態で行うことができる。また、微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量に対する微粉炭の吹込み量を求めることで、吹込みタンクの容量及び微粉炭の吹込み量に応じて、安定した微粉炭の吹込みを行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法を適用する微粉炭吹込み設備の説明図、図2は同微粉炭吹込み設備に使用する吹込みタンクの説明図、図3は本発明の一実施の形態に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法を適用した場合の微粉炭残量と微粉炭吹込み量との関係を示す説明図、図4は同方法を適用した場合の最大微粉炭重量に対する微粉炭残量と最大微粉炭重量に対する微粉炭吹込み量との関係を示す説明図である。
【0010】
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法を適用する微粉炭吹込み設備10は、粉砕した微粉炭を一旦貯蔵する貯蔵タンク11と、この貯蔵タンク11の微粉炭がそれぞれ供給される複数(本実施の形態では4個)の吹込みタンク12〜15とを有し、この吹込みタンク12〜15内の微粉炭を羽口16に配置したブロー管17から高炉18の炉内に吹込むものである。以下、詳しく説明する。
【0011】
図1、図2に示すように、貯蔵タンク11は、例えば容積が320m3 のものであり、200meshアンダーの粒径のものが60〜80質量%程度含まれた微粉炭(石炭を粉砕したもの)を、160トン程度貯蔵できるものである。
この貯蔵タンク11の下方には、供給配管19を介して吹込みタンク12〜15がそれぞれ設けられ、貯蔵タンク11からの微粉炭を、重力により各吹込みタンク12〜15内にそれぞれ供給できる構成となっている。なお、各吹込みタンク12〜15の上方部分の供給配管19には、それぞれバルブ(図示しない)が設けられ、このバルブの開閉を制御部(図示しない)によって行うことで、貯蔵タンク11から各吹込みタンク12〜15にそれぞれ微粉炭が供給できるようになっている。
【0012】
ここで、各吹込みタンク12〜15は実質的に同じものであるため、以下吹込みタンク12についてのみ説明する。
図2に示すように、吹込みタンク12の形状は、中央部から上方へかけては略円筒状となっており、中央部から下方へかけては徐々に縮径した形状となっている。この吹込みタンク12の上部には、吹込みタンク12内のガスを排気するための排圧親弁20と排圧子弁21とを備えた排圧手段22が設けられている。一方、吹込みタンク12の下部には、多数の孔を有する多孔板23が設けられており、この多孔板23の上方に微粉炭の流動空間24が形成されている。また、この多孔板23の中央部には、流動空間24に連通し、吹込みタンク12内の微粉炭を下流側へ搬送するための気体搬送管25が、高さ方向に多孔板23から突出して備えられている。なお、吹込みタンク12の下方の気体搬送管25には、前記した制御部によって開閉制御されるバルブが設けられ、吹込みタンク12内の微粉炭の搬送開始及び搬送停止が行われる。
【0013】
また、吹込みタンク12の下側周囲(胴部)には配管26が接続され、この配管26を介して吹込みタンク12内に気体の一例である窒素ガスが供給される。そして、多孔板23より下方の吹込みタンク12には、多孔板23の上方の微粉炭をアジテーション(攪拌、流動)させるための窒素ガスを供給可能とする配管27が接続されている。
これにより、配管27から窒素ガスを供給して、吹込みタンク12内の微粉炭をアジテーションさせ、微粉炭の圧密、固化、堆積等を抑制、更には防止を行いながら、吹込みタンク12内に配管26から窒素ガスを供給して吹込みタンク12内部を加圧できる。
【0014】
各配管26、27に供給される窒素ガスは、圧縮窒素を造り出す窒素コンプレッサー(図示しない)によって製造され、配管26、27にそれぞれ設けられたバルブ28、29で供給量が調節された後、吹込みタンク12に供給される。なお、バルブ28、29の制御は、前記した制御部によって行われる。
また、この窒素ガスは、吹込みタンク12に設けられた気体搬送管25にも供給され、吹込みタンク12から下流側へ搬送される微粉炭の搬送気体としても使用される。
これにより、貯蔵タンク11から吹込みタンク12へ供給配管19を介して微粉炭が供給され、吹込みタンク12内に適当量の微粉炭が供給された時点で、制御部によりバルブ29を僅かに開状態とし、配管27から窒素ガスを供給(通常のアジテーションに供給する流量の15%程度)して、吹込みタンク12内の微粉炭をアジテーションさせ、微粉炭の圧密、固化、堆積等を抑制、更には防止する。なお、配管27からの窒素ガスの供給により、吹込みタンク12内が加圧されないように、吹込みタンク12に設けられた排圧手段22や排気弁によって、吹込みタンク12内に供給された窒素ガスを吹込みタンク12内から排気する。
【0015】
吹込みタンク12内に微粉炭が供給された後は、窒素ガスを配管26を介して吹込みタンク12内へ供給し、吹込みタンク12内を所定の圧力(例えば、0.7〜1.3MPa)まで加圧する。なお、吹込みタンク12の加圧中も、配管27から吹込みタンク12内への窒素ガスの供給は継続され、吹込みタンク12内に供給された微粉炭の圧密、固化、堆積等を抑制、更には防止している。
そして、吹込みタンク12の下方へ窒素ガスを所定の流量(例えば、圧力が0.7〜1.3MPaで15〜30m3 /h)で供給することで、吹込みタンク12内の多孔板23の上方にある微粉炭を現状よりも更にアジテーション(流動)させ、微粉炭を気体搬送管25の供給口30に窒素ガスと共に送り込み、気体搬送管25に送られた微粉炭を、気体搬送管25へ供給された窒素ガスによって更に下流側へ搬送する。
【0016】
図1に示すように、気体搬送管25を介して搬送される微粉炭は、窒素ガスと共にディストリビューター31へ搬送される。このディストリビューター31は、略円筒状の容器32を備え、この容器32の周囲に複数(この実施の形態では36本)の分配管33が等角度で、しかも高さ方向に略同じ高さに設けられている。この各分配管33の下流側端部に設けられたブロー管17は、高炉18の周囲に略等角度に設けられた羽口16にそれぞれ備えられている。なお、各分配管33には、バルブ34がそれぞれ設けられている。
これにより、各分配管33に設けられたバルブ34を開閉することで、ディストリビューター31へ送られた微粉炭は、各分配管33に略同量ずつ送られ、ブロー管17を介して高炉18の炉内へ送り込まれる。
なお、高炉18の羽口16には、熱風支管35が設けられ、熱風管36からの熱風を熱風支管35を介して高炉18の炉内へ供給できる構成となっている。
また、各分配管33にそれぞれ設けられた各バルブ34の開閉制御は、前記した制御部によって行われている。
【0017】
次に、本発明の一実施の形態に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法について説明する。
ここで、吹込みタンク12は、吹込みタンク12内の微粉炭の充填(充填)、吹込みタンク12内の加圧(加圧)、加圧状態での微粉炭の吹込み待機(待機)、羽口16からの微粉炭の吹込み(吹込)、及び吹込みタンク12内の窒素ガスの排気(排圧)という1サイクルを繰返し行う。更に詳しく説明すると、充填とは、貯蔵タンク11に一旦貯蔵された粉砕された微粉炭を吹込みタンク12に送給しながら、配管27から窒素ガスを供給し吹込みタンク12内の微粉炭をアジテーションすることを、加圧とは、充填時における吹込みタンク12内の微粉炭のアジテーションを継続しながら、吹込みタンク12内に窒素ガスを前記した所定の圧力になるまで供給することを、待機とは、加圧時における吹込みタンク12内の微粉炭のアジテーションを継続しながら、微粉炭を高炉18の炉内へ供給可能な状態で待機していることを、吹込とは、吹込みタンク12内を加圧しながら吹込みタンク12内の微粉炭を更にアジテーションし、 この微粉炭を羽口16から高炉18の炉内へ吹込むことを、排圧とは、吹込みタンク12内へ貯蔵タンク11から微粉炭を供給する前に、吹込みタンク12内の窒素ガスを排圧手段22により排気することをそれぞれ意味する。ここで、充填及び待機時における吹込みタンク12内に供給された余剰窒素ガスは、前記したように、吹込みタンク12に設けられた排圧手段22や排気弁によって、吹込みタンク12内から排気され、吹込みタンク12内の圧力を目的の圧力に設定できる。
なお、吹込みタンク13〜15についても、上記した吹込みタンク12と同様の操作が行われる。
【0018】
羽口16からの微粉炭の吹込みが吹込みタンク12で行われている場合、この吹込みタンク12に設けられた重量センサーにより、吹込みタンク12内の微粉炭残量が、この吹込みタンク12の微粉炭吹込み量(単位時間当り)に対して6〜12%の範囲の所定値になったことが検知された時点で、微粉炭の吹込を吹込みタンク12から他の吹込みタンクである吹込みタンク13〜15のいずれか1個の吹込みタンクに、前記した制御部によって切替える。なお、切替えられる吹込みタンクは、待機状態となったものである。なお、吹込みタンク13〜15にも重量センサーが設けられている。
ここで、吹込みタンク内の微粉炭残量が吹込み量に対して6%未満になると、吹込みタンク内の微粉炭に過剰攪拌が生じ、搬送する微粉炭の固気比が低下して、搬送する微粉炭量(絶対量)が変動する。一方、吹込みタンク内の微粉炭残量が吹込み量に対して12%を超えると、吹込みタンク内の微粉炭残量が多い状態で吹込みタンクの切り替えが行われるので、吹込みタンクの切替え頻度が増加し、吹込み不安定域が増加する。しかも、吹込み量が多くなると、吹込みタンクの基数が増加したり、吹込みタンク容量が大きくなる等の問題がある。
従って、吹込みタンク内の微粉炭に過剰攪拌を生じさせることなく、しかも良好な状態で吹込みタンクの切替えを行うには、吹込みタンク内の微粉炭残量が吹込み量に対して6.5〜11.5%、更には7〜11.5%とすることが好ましい。
【0019】
【実施例】
本発明に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法を適用し、試験を行った結果について説明する。
なお、微粉炭吹込中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量(M:最大微粉炭重量)は17トンである。
ここで、微粉炭吹込み中の吹込みタンクの各微粉炭吹込み量(B:微粉炭吹込み量)と、そのときに微粉炭を安定に吹込むことが可能であった吹込みタンク内の微粉炭残量(R:微粉炭残量)、即ち安定吹込み下限重量とを表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表1の結果から、吹込みタンクからの微粉炭吹込み量が30(トン/時間)の場合、安定吹込み可能な微粉炭残量は2トンであり、微粉炭吹込み量に対する微粉炭残量は6.7%となる。また、微粉炭吹込み量が70(トン/時間)の場合、安定吹込み可能な微粉炭残量は8トンであり、微粉炭吹込み量に対する微粉炭残量は11.4%となる。
即ち、図3に示すように、微粉炭吹込み量を30〜70(トン/時間)の範囲で変化させた場合、この微粉炭吹込み量の増加に伴って、切替えを行う所定値を前記した6〜12%の範囲内で徐々に増加(この実施の形態では、二次関数の一部に沿って増加)させることで、微粉炭を安定に吹込むことができることが分かる。
また、最大微粉炭重量の影響、即ち吹込みタンクの容量を考慮しなくていいように、最大微粉炭重量に対する微粉炭吹込み量及び微粉炭残量を、それぞれX(=B/M)及びY(=R/M)として求めた結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
表2の結果から、図4に示すように、XとYとの間には、二次関数の関係式が成立ち、微粉炭吹込み中の吹込みタンクから他の吹込みタンクへの微粉炭の吹込みの切り替えは、下式の領域で行えばよいことが分かる。
Y≧aX2 +bX+c
ここで、a、bはそれぞれ関係式の係数、cは定数である。
なお、この関係式のa、b、cの決定は、上記した関係式を用いた以下の式で行う。
Y=aX2 +bX+c
この式のX及びYに、表2のデータのうちの3点をそれぞれ代入することで、a=0.0039、b=−0.243、c=5.8609という値が得られる。
また、得られたX及びYの複数のデータをこの式に代入し、各データとの相関性が高くなるようにa、b、cを決定することで、より信頼性を高めた値を得ることも可能である。
従って、得られたa、b、cの各数値を前記した関係式に代入することで、最大微粉炭重量の変化、即ち吹込みタンクの容量に対応して、微粉炭を安定して吹込むことができる微粉炭残量を容易に求めることができる。
【0024】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の高炉への微粉炭の安定吹込み方法を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、吹込みタンクを4個設置した場合について説明したが、吹込みタンクの微粉炭吹込みを切替えることが可能な個数、即ち吹込みタンクを2個又は3個、更には5個以上設置した場合についても本発明は適用できる。
【0025】
また、前記実施の形態においては、Y≧aX2 +bX+cの関係式の係数a、b、及び定数cは前記した各数値に限定されるものでなく、実績値から得られるX、Yの値をもとにそれぞれ求めることが可能である。
そして、前記実施の形態においては、微粉炭の吹込み量を単位時間当りで算出した場合について説明したが、単位分当りで算出し、この数値を前記した関係式に代入し、各係数の決定を行うことも勿論可能である。
更に、前記実施の形態においては、微粉炭の搬送に使用する気体として窒素ガスを用いた場合について説明したが、他のガスとして不活性ガス、例えばアルゴンを使用することも、また、窒素ガス及び不活性ガスの双方を同時に使用することも可能である。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の高炉への微粉炭の安定吹込み方法においては、吹込みタンク内の微粉炭重量が減少した際に、吹込みタンク内の微粉炭の過剰な攪拌を抑制すると共に、微粉炭を搬送する搬送気体中の微粉炭濃度の低下、即ち搬送する微粉炭の固気比の低下を抑制できる。従って、微粉炭の搬送気体が増加することによる搬送気体の過剰な使用を防止し、羽口からの微粉炭の吹込み量を安定させることができるので、高炉の炉内に付与する熱量の変動を抑制して操業を安定させることができる。
特に、請求項2記載の高炉への微粉炭の安定吹込み方法においては、各微粉炭吹込み量に応じた吹込みタンク内の微粉炭残量に基づき、吹込みタンクの切替えを行うことができるので、吹込みタンク内の微粉炭の流動状態を正常にでき、搬送する微粉炭の固気比を高めることができる。従って、微粉炭の吹込み量が増加しても安定した微粉炭の多量吹込みを行うことができる。
請求項3記載の高炉への微粉炭の安定吹込み方法においては、微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量に対する微粉炭吹込み中の吹込みタンク内の微粉炭残量を求めることで、吹込みタンクの容量に応じて、吹込みタンク内の微粉炭の攪拌とその流動を良好な状態で行うことができる。また、微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量に対する微粉炭の吹込み量を求めることで、吹込みタンクの容量及び微粉炭の吹込み量に応じて、安定した微粉炭の吹込みを行うことができる。従って、吹込みタンクの容量に影響されることなく、羽口からの微粉炭の吹込み量を安定させ、高炉の炉内に付与する熱量の変動を抑制して操業を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法を適用する微粉炭吹込み設備の説明図である。
【図2】同微粉炭吹込み設備に使用する吹込みタンクの説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る高炉への微粉炭の安定吹込み方法を適用した場合の微粉炭残量と微粉炭吹込み量との関係を示す説明図である。
【図4】同方法を適用した場合の最大微粉炭重量に対する微粉炭残量と最大微粉炭重量に対する微粉炭吹込み量との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10:微粉炭吹込み設備、11:貯蔵タンク、12〜15:吹込みタンク、16:羽口、17:ブロー管、18:高炉、19:供給配管、20:排圧親弁、21:排圧子弁、22:排圧手段、23:多孔板、24:流動空間、25:気体搬送管、26、27:配管、28、29:バルブ、30:供給口、31:ディストリビューター、32:容器、33:分配管、34:バルブ、35:熱風支管、36:熱風管
Claims (3)
- 下部に微粉炭の流動空間と、 該流動空間に連通した気体搬送管とを備え、内部を気体で加圧可能な複数の吹込みタンクを切り替えながら、前記気体搬送管を介して微粉炭を搬送し、この微粉炭を羽口に配置したブロー管から炉内に吹込む高炉への微粉炭の吹込み方法において、
前記複数の吹込みタンクのうち、微粉炭吹込み中の吹込みタンク内の微粉炭残量が、この吹込みタンクの微粉炭吹込み量に対して6〜12%の範囲の所定値になった時点で、前記羽口からの微粉炭の吹込みを前記微粉炭吹込み中の吹込みタンクから他の吹込みタンクに切り替えることを特徴とする高炉への微粉炭の安定吹込み方法。 - 請求項1記載の高炉への微粉炭の安定吹込み方法において、前記微粉炭吹込み中の吹込みタンクの微粉炭吹込み量の増加に伴って、前記所定値を前記範囲内で徐々に増加させることを特徴とする高炉への微粉炭の安定吹込み方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の高炉への微粉炭の安定吹込み方法において、前記微粉炭吹込み中の吹込みタンクから前記他の吹込みタンクへの微粉炭の吹込みの切り替えを下式の領域で行うことを特徴とする高炉への微粉炭の安定吹込み方法。
Y≧aX2 +bX+c
ここで、Yは(微粉炭吹込み中の吹込みタンク内の微粉炭残量)/(微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量)、Xは(微粉炭吹込み量)/(微粉炭吹込み中の吹込みタンク内に充填可能な最大微粉炭重量)、a、bはそれぞれ関係式の係数、cは定数である。
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