JP2004043868A - 薄膜形成用スパッタリングターゲット材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Agを主体とし、希土類元素を0.02〜2原子%含有するAg合金系スパッタリングターゲットであって、Agを主体とする基地中に、希土類元素とAgを主体とする化合物相が分散した金属組織を有し、前記金属組織において、長径1μm以上の前記化合物相を含まない領域の最大内接円径が150μmを越えないAg合金系スパッタリングターゲット材である。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ(以下、LCDという)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)、フィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDという)、エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)、電子ペーパー等に利用される電気泳動型ディスプレイ等の平面表示装置(フラットパネルデスプレイ、以下FPDという)に加え、各種半導体デバイス、薄膜センサー、磁気ヘッド等の薄膜電子部品において、低い電気抵抗あるいは高い光学反射率に加えて、耐食性、耐熱性、密着性、パタニング性を要求される電子部品用薄膜デバイスに用いられるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板上に薄膜デバイスを作成するLCD、PDP、有機ELディスプレイ等のFPD、薄膜センサ−、セラミック基板上に素子を形成する磁気ヘッド等に用いる電気配線膜、電極等には、従来から耐食性、耐熱性、基板との密着性に優れる金属である純Cr膜、純Ta膜、純Ti膜等の純金属膜またはそれらの合金膜が用いられている。
近年、上記のような薄膜デバイス用金属膜では、低抵抗な金属膜が要求されている。特に、FPDの分野においては、大型化、高精細化、高速応答が可能な薄膜トランジスタ(TFT)方式が広く採用されているが、その配線膜には信号遅延を防止するために低抵抗化の要求がある。たとえば、ノートパソコン等に用いられる12インチ以上の大型カラーLCDに用いられる配線では比抵抗を30μΩcm以下に、さらに大型の15インチのデスクトップパソコン用には10μΩcm以下、今後の液晶テレビやより高精細が要求される携帯情報端末等ではさらなる低抵抗な金属膜が要求されている。
【0003】
このため、これらの配線膜には耐食性や密着性に優れたCrやTaその合金から、より低抵抗のMo、Wの合金膜、現在はさらに低抵抗であるAlにTi、Ta、Ndなどを添加したAl合金膜が用いられている。
【0004】
特にAl−Nd合金は耐食性、耐熱性、密着性に優れ、薄膜デバイスを製造する際の加熱工程時の応力緩和に伴う原子移動であるヒロックの発生も少なく、さらに室温の基板上に成膜した状態では比抵抗は15μΩcmと高いものの、250℃以上の加熱処理等を行なうことにより5μΩcm程度に低減することが可能であり優れた特性を兼ね備えた金属膜であることが知られている。
【0005】
加えて、Al合金により形成した金属膜は可視光域の反射率が非常に高い特徴を有する。そのため、FPDの代表であるLCDにおいて、近年外光を効率よく利用しバックライトを基本的に使用しない反射型液晶ディスプレイや、さらに透過型と反射型を組み合わせた半透過型液晶ディスプレイ等が開発されているが、このような反射型ディスプレイに用いる反射膜にも多く用いられてきた。
【0006】
しかしながら、Al合金膜であっても、今後の大型ディスプレイ、携帯機器用ディスプレイ等で要求されるさらなる高精細化、動画に対応した高速応答性の向上を実現する為には十分とは言えない。加えて、既述のようにAl合金により低抵抗な配線膜を得るには加熱処理が必要であり、樹脂基板や樹脂フィルム等を用いた場合に十分な加熱処理を行なえないため、低い電気抵抗を得難いという欠点も有している。また、加熱処理を行っても得られる比抵抗は4μΩcm程度である。このため、Al合金に替えてさらに低抵抗であるAgの適用が検討されている。
【0007】
また、Agは反射率においてもAlよりも優れる。近年、液晶ディスプレイには低消費電力と表示品質向上のため、反射膜にはペーパーホワイトと呼ばれる高い反射と可視光域でフラットな反射特性が求められており、反射膜の用途においても反射率に優れるAgの適用が検討されている。
さらに、DVD等の光記録ディスクにおいては高記録密度化に伴い高出力で、特定波長の短波長光源を用いるために、局部的にディスクの温度が上がるためにAlより融点の高いAgの反射膜が用いられ始めている。
【0008】
現在、LCD、PDPに代表されるFPDの大画面化に伴い、それに用いられる基板サイズは大型化し、その基板にスパッタリングにより、金属膜を形成するためのターゲット材にも大型化が要求されている。例えば、生産性に優れる基板搬送式のインライン方式の装置では長尺のターゲットが要求されている。また、高精細なLCDを製造するために、高品位の膜を安定に形成できる基板を静止させて成膜する枚葉式のスパッタリング装置では、基板サイズより一回り大きなタ−ゲット材が要求されている。
【0009】
従来は必要なターゲット材サイズに対して2分割や3分割の大きさで製造したタ−ゲット材を貼り合わせて用いていたが、継ぎ目からのパーティクルと呼ばれる異物の発生を抑制し、安定に歩留まり良く金属膜を形成するために、一体物のターゲット材が要求されている。
【0010】
一般的にAg系スパッタリングターゲット材は、Ag合金を溶解し鋳型に流し込んでインゴットを製造し、塑性加工により所定の厚みにし、その後、機械加工を行って製造している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにAgにより形成した金属膜は、反射膜、比抵抗ともAlやAl合金より良好な特性を有するものの、基板に対する密着性が低く、さらに耐熱性、耐食性が低いという欠点を有する。
例えば、AgをFPDの配線膜あるいは反射膜として用いた場合、基板であるガラスやSiウェハ−、樹脂基板、樹脂フィルム、耐食性の高い金属箔、例えばステンレス箔等に対して膜の密着性が低く、成膜後のFPDを製造するプロセス中に剥がれが生じるという問題を生じる。
【0012】
また、ディスプレイの製造時の加熱工程時に基板の材質や加熱雰囲気によっては膜が凝集し、膜表面の平滑性が低下する。さらに、膜の連続性が失われることによる大幅な反射率の低下、電気抵抗の増大を生じることがある。また、耐食性が低いことに起因して、基板上に成膜した後、1日程度大気に放置しただけで変色し、黄色味を帯びた反射特性となる。さらに、ディスプレイの製造時に使用する薬液により腐食され、大幅に反射率の低下、電気抵抗の上昇を招いてしまう問題があった。
【0013】
上記の問題を解決するために、Agに対して添加元素を加えて膜特性を改善するため、特開平8−260135、特開平9−324264号公報、特開2001―192752号公報においてAgにCu、Au、Pd等を添加したAg合金系ターゲット材を用いる方法等がしめされているが、いずれも膜特性である低抵抗、高反射率、密着性、耐食性、耐熱性の全てを満足できるAg合金膜を得ることは出来ていない。
【0014】
また、現在主流であるFPDで代表である基板サイズは550x650mm以上であり、この基板に金属膜を形成するための枚葉式スパッタ装置用のターゲット材には700×800mm程度以上、0.5m2程度以上のスパッタ平面積を有する大型のターゲット材を一体で製造する必要がある。この大型基板に均一な膜特性を有するAg合金膜を安定に形成するためには、スパッタリングターゲット材そのものの組成や組織の均一性が非常に重要である。また、生産性向上のために大投入電力時に異常放電や、スプラッシュと呼ばれる異常飛沫の発生抑制しスパッタリングの安定性を確保するため欠陥のないスパッタリングターゲット材が必要である。
【0015】
しかし、上述したAg合金膜を用いる表示装置やスパッタリングターゲット材は、添加元素による膜特性の改善に重点が置かれて検討されているために、Ag合金膜を製造する上で重要なスパッタリングターゲット材についてはほとんど考慮されていない。特にFPD用の大面積の基板上で均一な膜特性を得るための大型のタ−ゲット材を製造する技術についてはなにも考慮されていない状況にある。
【0016】
本発明の目的は、電子デバイスに要求される膜特性である低い電気抵抗と高い反射率、耐熱性、耐食性、そして基板への密着性を兼ね備えたAg合金膜を安定的、かつ均一に形成するための薄膜形成用スパッタリングターゲット材及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、Agに希土類元素を添加したAg合金系スパッタリングターゲット材の金属組織を制御することで、本来Agの持つ低い電気抵抗と高い反射率を大きく損なうことなく耐熱性、密着性を向上したAg合金膜を安定に形成できることを見いだし、本発明に到達した。
【0018】
すなわち、本発明はAgを主体とし、希土類元素を0.02〜2原子%含有するAg合金系スパッタリングターゲットであって、Agを主体とする基地中に、希土類元素とAgを主体とする化合物相が分散した金属組織を有し、前記金属組織において、長径1μm以上の前記化合物相を含まない領域の最大内接円径が150μmを越えないAg合金系スパッタリングターゲット材である。
【0019】
さらには、前記金属組織において、Agを主体とする基地が再結晶組織であり、その平均結晶粒径が150μm以下であるAg合金系スパッタリングターゲット材である。
【0020】
また、本発明のスパッタリングターゲット材はAgを主体とし、希土類元素の他に、さらに或いは(Cu、Au、Ni、Pd、Pt、Ru、Al、Si、Mn、Zr)の群から選択される1種類以上の元素を2原子%以下含有することで、さらに膜特性の改善を図ったものである。
【0021】
また、この上述のスパッタリングターゲット材は、Agを主体とし、希土類元素を0.01〜2原子%、或いは更に(Cu、Au、Ni、Pd、Pt、Ru、Al、Si、Mn、Zr)の群から選択される1種類以上の元素を2原子%以下含有する合金溶湯を急冷凝固処理した鋼塊を、60%以上の加工率により塑性加工し、500〜700℃の温度で熱処理を施すことにより得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明において、最大の特徴の一つは、Agを主体とする基地中に、希土類元素とAgを主体とする化合物相が分散した金属組織を有するAg合金系ターゲット材を実現したことである。すなわち、前記化合物相は、Agを主体とする基地中に、長径1μm以上の前記化合物相を含まない領域の最大内接円径が150μmを超えない程度に分散することが望ましいのである。
【0023】
それは、長径1μm以上の希土類元素とAgを主体とする前期化合物相を含まないAgの基地領域の最大内接円径が150μmを越えると、組成的な偏在域が大きくなり、スパッタされた膜の組成分布のばらつきが無視できなくなるためである。特に大型のFPD製造時に要求される大面積の基板内、基板毎での種々の膜特性の均一性のみならず、Ag合金膜をエッチング加工することで得られる薄膜パターンの寸法精度の均一性低下に影響を与える。このため、長径1μm以上の希土類元素とAgを主体とする前期化合物相を含まないAgの基地領域の最大内接円径は150μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下とすることが望ましい。
【0024】
なお、本発明のAgを主体とする基地の定義は、長径1μm以上の希土類元素とAgを主体とする化合物を含まない領域であり、Agに固溶する添加元素を含みAgの結晶構造を維持している領域とした。それは、一般に組織を観察する際に用いる光学顕微鏡では、Agを主体とする基地に1μm未満の前記化合物が存在していても、同定しにくいためである。
【0025】
また、Agを主体とする基地の平均結晶粒径は細かいほど好ましい。それは、結晶粒が大きいとターゲット材使用時に消費されてターゲット上に現れるエロージョン部表面の凹凸が大きくなり、形成されるAg合金膜厚の均一性の低下、大投入電力時のマイクロアークと呼ばれる異常放電の誘発頻度の増加とそれに伴うスプラッシュ(異常飛沫)の発生等の問題を引き起こすためである。このため、Agを主体とする基地の結晶粒径は、最低でも150μm以下、好ましくは100μm以下、さらに50μm以下とすることが望ましい。また、Agを主体とする基地の結晶組織は、熱処理を実施して、塑性加工の結果導入された格子歪みを開放した再結晶組織とすることが望ましい。
【0026】
また、上記のターゲット材組織を得るための製造方法として、急冷凝固した鋼塊とは、例えば、所定の組成となるように調整した原料を坩堝中に入れ、炉内を真空に引いた後Ar雰囲気で誘導加熱溶解した後に、金属製、例えばFe製の鋳型中に注湯し、3分以内に内部まで凝固させた鋼塊をいう。急冷凝固するためには、鋳型の形状を鋼塊のどの位置も鋳型壁面から鋼塊内部までの距離が長くても50mm以下とし鋳型からの抜熱効果を促進する方法や、水冷した鋳型に溶湯を注湯する方法、注湯後に速やかに水冷する方法、ガスを吹き付けて冷却する方法等、さまざまな方法を用いることが可能である。つまり、鋼塊を毎分200℃以上の速度で冷却することを急冷凝固と定義できる。
急冷凝固により、Agの基地中に晶出する希土類元素とAgを主体とする化合物が偏析等を起こすことなく、組成が均一で化合物が微細に分散した組織を有する鋼塊を得ることができる。また、希土類元素とAgの化合物はデンドライト状になる場合があるが、その際でもデンドライト組織が粗大に成長しない微細な化合物とすることが可能となる。ただし、この鋼塊状態では、Agを主体とする基地は結晶粒径のばらつきが大きく、鉱塊内部では結晶粒径が150μm以上と大きくなる場合がある。
【0027】
さらに、この鋼塊を鍛造、圧延等の塑性加工を施し熱処理を行った後に、大型のターゲットが採取できる所定の大きさの板状にし、機械加工によりターゲット材に仕上げる。この際、塑性加工時の塑性加工率を60%以上とし、その後500〜700℃で熱処理することで、希土類元素とAgを主体とする化合物層の分散を促進するとともに微細な結晶粒を有する再結晶組織のターゲットを得ることが可能となる。
【0028】
塑性加工率を60%以上とするのは、十分な加工歪みを導入するためと、前期化合物相を分散させるためである。塑性加工率が60%以下では、Ag合金素材に十分な加工歪を導入することができず、熱処理を行っても均一かつ微細な再結晶組織が得られないためである。
上記のように60%以上の塑性加工率の条件を満たす方法で加工した板状素材を加熱温度500〜700℃で熱処理を施すことで、格子歪みを解放し、再結晶組織化させることで、Agを主体とする基地の平均結晶粒径を150μm以下と微細で、かつ長径1μm以上の前記化合物相を含まないAgの基地領域の最大内接円径が150μmを越えないAg合金系スパッタリングターゲット材を得ることが可能となる。ここで、熱処理温度を500〜700℃とするのは、500℃以下では十分な再結晶が起こらず加工歪の残留した不均一な組織となり、700℃を越えると結晶粒が成長して粗大なものとなるためである。
【0029】
塑性加工を行う前に、急冷凝固したAg合金鋼塊を500℃以上700℃以下の温度で加熱することが望ましい。加熱処理することにより、急冷凝固により鋼塊に内包した歪みを除去し、化合物相の分散促進と組織の均一な鋼塊とすることにより、塑性加工時の割れや亀裂の発生を抑制することが可能となる。また、組成加工時の温度は200℃以下の冷間加工とすることで、その後の熱処理により微細組織を得ることが可能となる場合がある。ただし、冷間加工では組成によっては割れや亀裂を生ずる場合があるため、500℃〜700℃の温度に加熱した後に塑性加工を行う熱間加工とすることで割れや亀裂を抑制し、安定にタ−ゲットを製造できる。さらに、塑性加工前の鋼塊の熱処理と塑性加工前の加熱を兼ねることで工程を短縮することも可能である。このように塑性加工時の温度は、所定のタ−ゲットサイズを製造するために、安定した塑性加工を行うために設定する事が必要であるが、均一で微細な組織を得るためには上述の60%以上の塑性加工率とその後の500℃〜700℃の熱処理を行うことが望ましい。
【0030】
スパッタリング法ではターゲット材とほぼ同組成の膜が形成できるため、本発明の組織を有する薄膜形成用スパッタリングターゲットを用いることで、以下に述べる優れた特性を有するAg合金膜を安定に形成することが可能となる。
なお、本発明の薄膜形成用スパッタリングターゲットにおいて、Agに添加する希土類元素はSc,Y、ランタノイドでなる3A属元素であり、例えばLa、Sm、Tb、Dy等であり、これらの元素を適量加えることにより、電気抵抗の増加、反射率の低下を抑制しながら、密着性の向上、特に耐熱性を改善している。スパッタリングにより薄膜を形成した場合、非平衡状態で添加元素等は固溶することが知られている。希土類元素はAgと化合物を形成しやすいため、非平衡状態で存在してもAgの粒子の移動を抑制する効果により結晶粒の成長を抑制する。このため、微細な結晶粒を生成し、膜応力の抑制による密着性の改善、加熱工程での原子の移動に伴う結晶粒の異常成長や凝集が抑制され、耐熱性が向上する。これらの元素の添加量は0.02〜2原子%が望ましい。それは、0.02%以下では添加による上述の膜特性の改善効果がほとんどなく2%を越えると反射率の低下、比抵抗の増加が大きくなり、Agの膜特性の利点を維持できなくなるからである。さらに望ましくは0.1〜0.5原子%である。
【0031】
さらに、添加元素しては(Cu、Au、Ni、Pd、Pt、Ru、Al、Si、Mn、Zr)の群から選択される1種類以上の元素を2原子%以下含有しても良い。これにより、さらなる耐食性の改善に効果がある。これらの元素を添加することによる膜特性の改善効果の要因は明確ではないが、次のように推測される。これらの元素は、Agに対して固溶するか分離する元素であり、かつ希土類元素と化合物を形成する元素である。このため非平衡状態で形成されることの多いスパッタリング薄膜においては、強制的にAgの中に固溶されるか、希土類元素とAgとの複合化合物を形成すると推測できる。そのため、これらの元素を加えると希土類元素との複合添加効果により、原子の拡散を遅らせたり、粒界へ析出することにより結晶粒の成長を抑制し、膜表面の凹凸の低減やボイドの発生も抑制され、微細かつ平滑な表面形態と緻密性有したAg合金膜となると考えられる。このためにAg合金の膜特性に望まれる比抵抗の増加と反射率の低下も抑制しながら、耐食性の改善に効果がある。これらの改善効果は0.1%以上含有することで確認でき、2原子%を越えると比抵抗の上昇、反射率の低下が顕著となり、Agを主成分に用いるメリットが失われる。
【0032】
また、希土類元素とこれら元素の添加総和量は0.2〜1%とすることで、4μΩcm以下の低い電気抵抗値、96%以上の高い反射率、高密着性、高耐熱性等の優れた特性を有するAg合金膜を大面積の基板上に、均一かつ安定的に得ることが可能な薄膜形成用スパッタリングターゲットとなるものである。
【0033】
さらに(Cu、Au、Ni、Pd、Pt、Ru、Al、Si、Mn、Zr)の群から選択される元素としてはAuもしくはCuがさらに好ましい。AuとCuはAgと同属元素であり、電子状態的に近いため、添加した際の電気抵抗の上昇や反射率の低下が非常に少ないためである。特にAuは2原子%まで含有しても、反射率がほとんど低下しない。このため、希土類元素と複合添加する元素としてはAuが最も望ましい。また、これらの元素を2種以上含有しても、同様の複合添加効果が得られる。例えばAgに希土類元素とAuとRuの両方を含有した場合、CuとPtを含有した場合等でも、耐熱性の向上効果が得られる。
【0034】
さらに耐食性を改善するために、Ti、Cr、Mo、V、Nb、Ta等を1.0at%以下含有することも可能である。これらの元素による耐食性向上の効果は明確ではないが、これらの元素はAgと固溶しづらく、膜表面等に拡散してAgの表面を覆うことで薬液等に対する耐食性を向上させていると考えられる。ただし、これらの元素は添加すると電気抵抗の増大や反射率の低下が大きいため、Agの持つ優れた特性を維持するには1.0at%以下、さらに好ましくは0.5at%以下含有することが望ましい。
【0035】
なお、本発明のAg合金系スパッタリングターゲット材は、上述した希土類元素、(Cu、Au、Ni、Pd、Pt、Ru、Al、Si、Mn、Zr)および(Ti、Cr、Mo、V、Nb、Ta等)以外の成分元素は実質的にAgであるが、本発明の作用を損なわない範囲で、ガス成分である酸素、窒素、炭素やアルカリ金属であるNa、K等や遷移金属であるFe、Co等の不可避的不純物を含んでもよい。
例えば、ガス成分の酸素、炭素、窒素は各々50ppm以下、アルカリ金属のNa、Kは10ppm以下、Fe、Coは100ppm以下等であり、ガス成分を除いた純度として99.9%以上であれば良い。
【0036】
本発明の薄膜形成用スパッタリングターゲット材を用いることで、安定した低い比抵抗や高い反射率を有するAg合金膜得ることができる。そのために、望ましいAg合金膜の膜厚としては、100〜300nmとすることが好ましい。100nm未満であると比抵抗が増加する場合があるとともに、例えば平面表示装置に用いた場合に光が透過するために、反射率が低下する場合がある。一方、膜厚が300nmを超えると、比抵抗、反射率は大きく変化しないが、膜応力により、基板より膜が剥がれ易くなるとともに、膜を形成する際に時間が掛かり、生産性が低下する場合がある。
また、半透過膜やガラスの反射特性改善等のコ−ティング膜として用いる場合、膜厚は10〜60nm程度が好ましい。この膜厚範囲であれば、膜厚により数10%の透過率と反射率を兼ね備えた膜を得ることが可能となる。
【0037】
本発明の薄膜形成用スパッタリングターゲット材を用いてAg合金膜を形成する際に用いる基板として、ガラス基板、Siウェハーを用いることが好適ではあるが、スパッタリングで薄膜を形成できるものであればよく、例えば樹脂基板、金属基板、その他樹脂箔、金属箔等でもよい。
【0038】
また、通常Agのような面心立方晶(fcc)の金属では無配向時は(111)面の回折線がもっとも強く、この面は結晶最密面である。配向度は以下のように求めることができる。
(X線回折線強度比による(220)面の結晶配向度算出式)
主解析線である(111)、(200)、(220)、(211)の4つの面を選定し、(220)面の結晶配向度を次式から求めた。
(220)面の結晶配向度=(I(220)×100)/(I(111)+I(200)+I(220)+I(311))
I(111)=Ie(111)/Is(111)
I(200)=Ie(200)/Is(200)
I(220)=Ie(220)/Is(220)
I(311)=Ie(311)/Is(311)
なお、Ieは試料をCo−kα線源を用いて、電圧40kVの条件で測定した際のX線回折強度比、IsはJISのASTMカードで記載の無配向時の強度比である。また、おのおのの強度比は回折ヒ゜ーク(111)を100とした比である。このため、無配向時の(220)面の結晶配向度は25%となる。
【0039】
今回のAg合金系ターゲット材においては(220)面に配向していることが望ましい。それは、一般にスパッタリングにおいてはターゲット材のスパッタリング面に対して垂直方向に結晶最密面を向けることでスパッタ粒子がもっとも効率良く放出できると考えられているが、今回のような大型のターゲット材を用いてスパッタ膜を形成する場合には、均一な膜厚分布を得るために、最密面である(111)面よりも(220)面に配向していることでより膜厚分布が改善されるためである。この理由は定かではないがスパッタ粒子がより広い角度で放出されるためと推測される。また、Agはスパッタリング率が金属の中で最も早く、スパッタ速度をあげると膜表面の凹凸が大きくなり、抵抗値、反射率が低下する場合がある。このため、スパッタ粒子の放出が高い(111)面配向より、スパッタ粒子の放出がより遅くなる(220)面配向のターゲット材とすることで高い膜特性を安定に形成することが可能となると考えられる。そして、Ag合金系ターゲット材において(220)面の結晶配向度は40%以上となることが望ましい。
【0040】
【実施例】
(実施例1)
薄膜電子部品用Ag合金膜の目標組成と実質的に同一となるように70kgの原料を真空溶解法で組成を調整し、種々のサイズのインゴットケ−スに鋳造してインゴットを作成した。インゴットを冷却後、塑性加工率、その際の素材温度、塑性加工後の熱処理温度等を変化させ、620x780x12t(mm)の板状に伸ばした素材を作製し、その後、機械加工により560x700x10t(mm)の大型のAg合金ターゲット材を作製した。
【0041】
上述のAg合金タ−ゲット材から試料を切り取り、鏡面研磨後、光学顕微鏡で100倍に拡大してミクロ組織を観察して写真を撮影し、10視野の写真での化合物相を含まない領域の最大内接円径の平均値およびAgを主体とする基地の結晶粒径を測定して平均結晶粒径を求めた。それぞれの試料の製造条件、化合物相を含まない領域の最大内接円径の平均値および平均結晶粒径を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
さらに、試料No.1〜8の各Ag合金ターゲット材を用いてAr圧力0.5Pa、投入電力15kwの条件で、360×470mmのガラス基板上に膜厚200nmのAg合金膜をスパッタリングにより形成した。ガラス基板上に形成したAg合金膜についてスポット径8mmで、100箇所の反射率を測定し、その反射率の標準偏差を平均値で割った数値でそのばらつきを評価した。次に基板上に東京応化製OFPR−800レジストを形成して、フォトマスクを用いて紫外線でレジストを露光後、東京応化製の有機アルカリ現像液NMD−3で現像し、幅30μmの短冊状のレジストパターンを作製した。その後、リン酸、硝酸、酢酸の混合液でエッチングし、洗浄した後レジストを除去し、Ag合金配線を作製した。そのAg合金配線の100箇所の抵抗値を4端子法で測定し、その抵抗値の標準偏差を平均値で割った数値でそのばらつきを評価した。
【0044】
また、試料No.1〜8の各Ag合金タ−ゲット材をミクロ組織で観察した化合物相を含まない領域の最大内接円径の平均値と該Ag合金ターゲット材をスパッタリングにより基板上に形成したAg合金膜の反射率ばらつき、抵抗値ばらつきの関係を求めた散布図をそれぞれ図1、図2に示す。図1および図2によると、種々の組成のAg合金ターゲット材において化合物相を含まない最大内接円径が大きくなると、基板内での抵抗値、反射率のばらつきが増加している。FPD配線で要求される配線膜の抵抗値ばらつき5%以下を得るためには、Ag合金ターゲット材の化合物相を含まない領域の最大内接円径が150μm以下が望ましく、さらに3%以下にするには、化合物相を含まない領域の最大内接円径を50μm以下とすることが望ましい事がわかる。また、Ag合金膜の反射率ばらつきは、抵抗値ばらつきより小さいが3%以下の反射率ばらつきを得るにはAg合金タ−ゲット材の化合物相を含まない領域の最大内接円径を150μm以下にすることが望ましい事がわかる。
【0045】
また、試料No.1〜8の各Ag合金ターゲット材のビッカ−ス硬さ、上述の式によってX線回線折強度比から評価した(220)面の結晶配向度を表2に、ICP(誘導プラズマ発光分析)による不純物分析、赤外吸光法によるガス成分分析の結果を表3に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
表3から分かるように、本発明例であるAg合金ターゲット材に関しては、不純物元素の含有量が低く、特にスパッタリング時の膜特性に大きく影響を及ぼすガス成分であるC、N、Oの含有量も低い。このため良好な膜特性が得られていると考えられる。
【0049】
試料No.8のAg合金ターゲット材は、(220)面の結晶配向度は50%であるが、(220)面の強度比は(111)面との比では2以下であり、それほど強い結晶配向ではない。また、無配向時すなわちランダム配向時の強度比は(111)/(220)で4.0、(200)/(220)で1.6、(311)/(220)は1.04であるが、試料No.8のAg合金ターゲット材の単なる回折線強度比は(111)/(220)で0.6、(200)/(220)で0.3、(311)/(220)は0.3であり、(220)面に結晶配向している。
【0050】
本願発明のAg合金タ−ゲット材試料No.8を観察したミクロ組織写真を図3に示す。組成分析を行ったところ化合物はAgとSmを主体とする化合物であり、図3では黒色で示されている部分である。基地は実質的にAgであり、わずかにCuが検出された。この基地は図3では灰色で示されている部分である。
【0051】
(実施例2)
薄膜電子部品用Ag合金膜の目標組成と実質的に同一となるように7kgの重量を真空溶解法で組成を調整し、種々のサイズのインゴットケ−スに鋳造してインゴットを作成した。インゴットを冷却後、塑性加工率、その際の素材温度、塑性加工後の熱処理温度等を変化させ、180x350x9.5t(mm)の板状に伸ばした素材を作製し、その後、機械加工によりφ150x8t(mm)のAg合金ターゲット材を作製した。
【0052】
作製したAg合金タ−ゲット材から試料を切りだし、鏡面研磨後、酸で表面腐食を行い光学顕微鏡で100倍に拡大してミクロ組織を観察し、10視野の写真での化合物相を含まない領域の最大内接円径の平均値とAgを主体とする基地の結晶粒径を測定して平均結晶粒径を求めた。それぞれの試料の製造条件、化合物相を含まない領域の最大内接円径の平均値および平均結晶粒径を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
また、その作製したターゲット材を用いてAr圧力0.3Pa、投入電力8kwの条件で、ガラス基板上に膜厚200nmのAg合金膜をスパッタリングにより形成し、その際の時間当たりの異常放電回数を測定した。図4に各Ag合金タ−ゲット材の平均結晶粒径と該Ag合金ターゲット材をスパッタリングした時の異常放電の時間当たりの関係を示す。
【0055】
図4から、平均結晶粒径が150μmを越えると急激に異常放電回数が増加する事がわかる。より異常放電回数を抑制するには100μm以下、さらに異常放電を発生させないためには50μm以下にすることが望ましいことがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明であれば、電子デバイスに要求される高い膜特性である低い電気抵抗と高い反射率、耐熱性、耐食性、そして基板への密着性を兼ね備えたAg合金膜を安定に形成できる薄膜形成用スパッタリングターゲット材を得ることが可能である。このため、高品位かつ大型の平面表示装置等の製造に有用であり、産業上の利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のAg合金系スパッタリングターゲット材の金属組織において化合物相を含まない領域の最大内接円径とそのターゲット材で形成したAg合金膜の反射率ばらつきの関係を示すグラフである。
【図2】実施例1のAg合金系スパッタリングターゲット材の金属組織において化合物相を含まない領域の最大内接円径とそのターゲット材で形成したAg合金膜の抵抗値ばらつきの関係を示すグラフである。
【図3】実施例1の試料No.8のAg合金系スパッタリングターゲット材の金属ミクロ組織を示す写真である。
【図4】実施例2のAg合金系スパッタリングターゲット材の平均結晶粒径とそのターゲット材をスパッタリングしたときの異常放電回数の関係を示すグラフである。
Claims (4)
- Agを主体とし、希土類元素を0.02〜2原子%含有するAg合金系スパッタリングターゲットであって、Agを主体とする基地中に、希土類元素とAgを主体とする化合物相が分散した金属組織を有し、前記金属組織において、長径1μm以上の前記化合物相を含まない領域の最大内接円径が150μmを越えないものであることを特徴とするAg合金系スパッタリングターゲット材。
- 前記金属組織において、Agを主体とする基地が再結晶組織であり、その平均結晶粒径が150μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のAg合金系スパッタリングターゲット材。
- (Cu、Au、Ni、Pd、Pt、Ru、Al、Si、Mn、Zr)の群から選択される1種類以上の元素を2原子%以下含有することを特徴とする請求項1および2に記載のAg合金系スパッタリングターゲット材。
- Agを主体とし、希土類元素を0.02〜2原子%、或いは更に(Cu、Au、Ni、Pd、Pt、Ru、Al、Si、Mn、Zr)の群から選択される1種類以上の元素を2原子%以下含有する合金溶湯を急冷凝固処理した鋼塊を、60%以上の加工率により塑性加工し、500〜700℃の温度で熱処理を施した後、機械加工により所定の形状にすることを特徴とするAg合金系スパッタリングターゲットの製造方法。
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