JP2004043818A - 中空成形体用のエチレン系重合体 - Google Patents

中空成形体用のエチレン系重合体 Download PDF

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古 城  真 一
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Abstract

 【解決手段】MW /Mn およびMz /MW の値が小さく、長鎖分岐の割合が少なく、かつ、メルトテンションおよびスウェル比が高いエチレン系重合体およびその製造方法。
 チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物を含む固体状チタン触媒成分と、有機金属化合物触媒成分とからなるエチレン重合用触媒の存在下にエチレンを重合するエチレン系重合体の製造方法。
 【効果】成形性に優れ、かつ剛性および耐衝撃性に優れた成形体が得られるとともに、外観不良がない成形体が得られる。
【選択図】図1


Description

 本発明は、エチレン系重合体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、メルトテンションおよびスウェル比が高く、分子量分布が狭く、かつ、長鎖分岐が少ないエチレン系重合体およびその製造方法に関するものである。
 従来からエチレン系重合体は、中空成形体、押出成形体、フィルム、シートなどの素材として広く用いられている。このようなエチレン系重合体は、用途に応じて求められる特性が異なり、また成形方法に応じて求められる特性も異なってくる。たとえば、高速でインフレーションフィルムを成形する際のバブルのゆれやちぎれを防ぐため、または、中空成形時やシート成形時のドローダウンを防ぐためには、メルトテンション(溶融張力)が大きいエチレン系重合体を選択する必要がある。また、ボトルを中空成形により製造する際のピンチオフ形状をよくするため、または、中空成形体の肉厚分布を狭くするためには、スウェル比が大きいエチレン系重合体を選択する必要がある。
 ところでMgCl2 担持型Ti系触媒に代表されるチーグラー・ナッタ型触媒により製造されたエチレン系重合体は、長鎖分岐がほとんど存在せず剛性、耐衝撃強度に優れているが、Cr系フィリップス型触媒により製造されたエチレン系重合体に比べて成形性に劣る。一方、高圧法により製造されたエチレン系重合体およびCr系フィリップス型触媒により製造されたエチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ型触媒により製造されたエチレン系重合体に比べメルトテンションおよびスウェル比が高く、成形性に優れているが、長鎖分岐が存在するため剛性、耐衝撃強度に劣る。
 このような現状のもとチーグラー・ナッタ型触媒により製造され、成形性などに優れたエチレン系重合体について種々検討されている。
 たとえば特開昭55−12735号公報(特許文献1)には、チーグラー・ナッタ型触媒により製造されたエチレン系重合体に、高圧法により製造されたエチレン系重合体がブレンドされてなるエチレン系重合体が記載されている。また、特開昭60−36546号公報(特許文献2)には、チーグラー・ナッタ型触媒により製造されたエチレン系重合体に、Cr系フィリップス型触媒により製造されたエチレン系重合体がブレンドされてなるエチレン系重合体が記載されている。しかしながら、これらのエチレン系重合体は成形性が向上するものの、重合体中の長鎖分岐の割合が増えるため、チーグラー・ナッタ型触媒により製造されたエチレン系重合体が本来有している優れた剛性および耐衝撃強度が低下している。
 また、特開昭59−89341号公報(特許文献3)などには、チーグラー・ナッタ型触媒により製造されたエチレン系重合体をラジカル発生剤の存在下に変性してなるエチレン系重合体が記載され、特開昭59−164347号公報(特許文献4)などには、チーグラー・ナッタ型触媒により製造されたエチレン系重合体をマレイン酸を用いて変性してなるエチレン系重合体が記載されている。しかしながら、この場合も成形性が向上するものの、重合体中の長鎖分岐の割合が増えるため剛性および耐衝撃強度が低下している。
 さらに、特開昭57−158204号公報(特許文献5)、特開昭60−106806号公報(特許文献6)などには、特定の触媒を用いて得られた、長鎖分岐の割合が少なくかつ成形性に優れたエチレン系重合体が記載されている。しかしこのエチレン系重合体は、MW /Mn およびMz /MW の値が大きく、平均分子量よりも著しく大きな分子量の重
合体が含まれている。この平均分子量よりも著しく大きな分子量の重合体は、フィッシュアイなどの成形体の外観不良の原因となる場合が多い。
 さらにまた、特開昭61−130314号公報(特許文献7)には多段階の重合工程で重合することにより得られた成形性に優れたエチレン系重合体が記載されている。このエチレン系重合体は、分子量分布が広く、このため平均分子量よりも著しく大きな分子量のエチレン系重合体が含まれており、フィッシュアイなどの成形体の外観不良が発生する。
 このようにチーグラー・ナッタ型触媒により製造され、成形性に優れるとともに、機械的強度に優れ、外観不良が少ない成形体が得られるようなエチレン系重合体について検討されているが未だ見出されていない。
 本発明者らは、このような従来技術に鑑みチーグラー・ナッタ型触媒により製造され、成形性に優れるとともに、機械的強度に優れ、外観不良が少ない成形体が得られるようなエチレン系重合体について検討した結果、密度およびメルトフローレートが特定の範囲にあり、メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが特定の関係にあり、分子量分布MW /Mn の値、分子量分布Mz /MW の値、長鎖分岐の割合を示す指標であるg* の値、およびスウェル比がそれぞれ特定の範囲にあるエチレン系重合体は、成形性に優れるとともに、機械的強度に優れ、外観不良が少ない成形体が得られることを見出した。そして、このようなエチレン系重合体は、特定の触媒を用いることにより製造しうることを見出して本発明を完成するに至った。
特開昭55−12735号公報 特開昭60−36546号公報 特開昭59−89341号公報 特開昭59−164347号公報 特開昭57−158204号公報 特開昭60−106806号公報 特開昭61−130314号公報
 本発明は、このような現状に鑑みなされたものであり、成形性に優れるとともに、剛性および耐衝撃性に優れ、かつ、外観不良がない成形体が得られるようなエチレン系重合体およびその製造方法を提供することを目的としている。
 本発明に係るエチレン系重合体は、
(i)密度が0.90〜0.98g/cm3 の範囲にあり、
(ii)190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレートが0.001〜3000g/10分の範囲にあり、
(iii)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが、
 式 log MT≧−0.4log MFR+0.75 で示される関係を満たし、
(iv)分子量分布MW /Mn の値が2〜9の範囲にあり、
(v)分子量分布Mz /MW の値が2〜5の範囲にあり、
(vi)長鎖分岐の割合を示す指標であるg* の値が0.90〜1.00の範囲にあり、
(vii)スウェル比が1.20〜1.35の範囲にある
 ことを特徴としている。
 本発明のエチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ型触媒、たとえば
[I](a)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物、
   (b)複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物、
   (c)液状状態のチタン化合物、および必要に応じて
   (d)析出化剤
(ただし成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)の少なくとも1成分はハロゲン含有化合物を含む)
を接触させて得られ、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび上記複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物を含む固体状チタン触媒成分と、
[II]周期律表第I族〜第III 族から選ばれる金属を含む有機金属化合物触媒成分とを含むエチレン重合用触媒により製造することができる。
 このようなエチレン系重合体は、成形性に優れ、得られた成形体は剛性および耐衝撃強度に優れ、しかもフィッシュアイなどの外観不良の発生がない。
 本発明に係るエチレン系重合体の製造方法は、
[I](a)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物、
   (b)複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物、
   (c)液状状態のチタン化合物、および必要に応じて
   (d)析出化剤
(ただし成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)の少なくとも1成分はハロゲン含有化合物を含む)
を接触させて得られ、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび上記複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物を含む固体状チタン触媒成分と、
[II]周期律表第I族〜第III 族から選ばれる金属を含む有機金属化合物触媒成分とを含むエチレン重合用触媒の存在下に、エチレンを単独重合させるか、または、エチレンとエチレン以外のオレフィンとを共重合させることを特徴としている。
 本発明のエチレン重合体の製造方法によれば、前記(i)〜(vii)を満たすエチレン
系重合体を製造することができる。
 なお、上記のような固体状チタン触媒成分[I]と、有機金属化合物触媒成分[II]とからなるオレフィン重合用触媒は、特開平4−218507号公報に記載されている。しかしながら、このオレフィン重合用触媒は、主に炭素数3以上のα-オレフィンを主成分
とする重合体または共重合体を製造するために用いられている。したがって、このようなオレフィン重合用触媒を用いてエチレンを重合した際に、成形性、剛性および耐衝撃強度に優れ、しかもフィッシュアイなどの外観不良の発生がないエチレン系重合体が得られることは、従来全く知られていなかった。
 本発明に係るエチレン系重合体は、密度およびメルトフローレート(MFR)が特定の範囲にあり、メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが特定の関係を満たし、MW /Mn の値、Mz /MW の値、g* の値、スウェル比がそれぞれ特定の範囲にあるので、成形性に優れるとともに、剛性および耐衝撃強度に優れ、かつフィッシュアイなどの外観不良がない成形体が得られる。
 本発明に係るエチレン系重合体の製造方法は、前記のような特性を有するエチレン系重合体を優れた重合活性で製造することができる。
 以下、本発明に係るエチレン系重合体およびその製造方法について具体的に説明する。
 なお、本明細書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
 本発明に係るエチレン系重合体は、エチレンの単独重合体、エチレンとオレフィンとのランダム共重合体、またはエチレンとオレフィンとのブロック共重合体である。
 エチレンとオレフィンとの共重合体では、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル -1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-
ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位を10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量で含有していてもよい。
 さらにスチレン、アリルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、ビニルシクロヘキサンなどの脂環族ビニル化合物、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2
- ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル-1,4,5,8- ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,
8a- オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィン、6-メチル1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-
ブチル-1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エ
チル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、7-メチル-
1,6-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、イソプレン、ブタジエンなどのジエン
類などの共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和結合を多く有する化合物から誘導される構成単位を10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量で含有していてもよい。
 本発明に係るエチレン系重合体は、密度が0.90〜0.98g/cm3 、好ましくは0.92〜0.98g/cm3 、さらに好ましくは0.94〜0.98g/cm3 の範囲にある。
 密度は、下記のように測定する。すなわち、後述するメルトフローレート測定後の試料(長さ5〜6cmのストランド)を120℃の恒温油槽に入れ1時間保つ。1時間保った後、油槽に水を少しずつ流し込み、1時間で120℃から室温まで直線的に冷却する。次に、試料を23℃の室内に1時間放置した後、該試料から2個の小片(試験片)を切り取り、切り取った試験片をメタノールで濡らした後、密度勾配管の中に静かに入れる。15分後の試験片の位置を密度勾配管の目盛りから読み取り、試験片2個の平均値を求める。そしてこの平均値を、標準フロートを用いて作成した密度と密度勾配管の目盛りの較正曲線により密度に換算する。なお、標準フロートは、直径1〜2mmのガラス毛細管の一端を封じ、この封じた端にニクロム線を仮に融着させ、封じた端から2mm程離れた所で封じ切り、これをニクロム線で支持し、熱して膨らませた直径3〜5mmの球状のガラスである。また、密度勾配管中の液は、JIS K1501に規定された試薬1級のメタノールと、JIS K8371に規定された試薬1級の酢酸ナトリウムを用いて調製された酢酸ナトリウム水溶液とを混合したものである。
 本発明に係るエチレン系重合体は、メルトフローレートが0.001〜3000g/10分、好ましくは0.005〜1000g/10分、より好ましくは0.01〜100g/10分、さらに好ましくは0.02〜10g/10分の範囲にある。
 メルトフローレートは、下記のように測定する。すなわち、JIS K7210に準じて製作されたテスター産業(株)製自動MFR測定計に、JIS K7210に規定する寸法を満たすオリフィスを取付け、バレル(試料を入れる部分)を190℃に昇温し、保持する。バレルに試料4gを入れ、ピストンを装着し、気泡抜きを行い、6分間予熱する。予熱後、2160gの荷重を加えて試料を押出し、10分間当たりに押し出される試料の重量を算出しメルトフローレートとする。
 本発明に係るエチレン系重合体は、メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが、
 式 log MT≧−0.4log MFR+0.75
 好ましくは、
 式 log MT≧−0.4log MFR+0.78
 より好ましくは、
 式 log MT≧−0.4log MFR+0.80
で示される関係を満たしている。
 メルトフローレートが上記のような範囲にあり、かつメルトテンションとメルトフローレートとが上記式で示される関係を満たすエチレン系重合体は、成形性に優れている。たとえば、高速でインフレーションフィルムを成形する際にバブルのゆれやちぎれが発生しにくく、また、中空成形時やシート成形時にドローダウンが発生しにくい。
 メルトテンションは、溶融させたエチレン系重合体を一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定される。すなわち、東洋精機製作所製、MT測定機を用い、樹脂温度190℃、押し出し速度15mm/分、巻取り速度10〜20m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で行った。
 本発明に係るエチレン系重合体は、重量平均分子量(MW )と数平均分子量(Mn )との比で表される分子量分布MW /Mn の値が2〜9、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜7の範囲にあり、Z平均分子量(Mz )と重量平均分子量(MW )との比で表される分子量分布Mz /MW の値が2〜5、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3〜4の範囲にある。
 MW /Mn の値およびMz /MW の値が上記のような範囲にあるエチレン系重合体は、分子量分布が狭く、かつ平均分子量よりも著しく大きな分子量の重合体の含有率が低いので、フィッシュアイなどの成形体の外観不良が発生しない。
 MW /Mn およびMz /MW は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記のように測定する。
 [装置]
 ミリポアー社製 ALC/GPC 150C型
 [測定条件]
   カラム:GMH−HT6(7.5mmID×60cm)東ソー製
   移動相:o-Dichlorobenzene (ODCB)
 カラム温度:138℃
   流 量:1.0ml/分
  試料濃度:30mg/20ml
  溶解温度:140℃
   流入量:500ml
   検出器:示差屈折計
 [MW /Mn およびMz /MW の算出]
 GPC溶出曲線のi番目の区分に対する溶出時間Rti、溶出量Hi 、分子量Mi 、高分子数Niは、下記の関係にある。
(ただし、P(1)、P(2)、P(3)およびP(4)は、標準試料ポリスチレン(MW /Mn =1.1)を、前記条件でGPC測定して得た溶出量対分子量を表す検量線より計算して得たものである。)
 求めたMi およびHi の値から、それぞれ下記式によりによりMn 、MW およびMz を算出してMW /Mn およびMz /MW を求めた。
 Mn =ΣHi /Σ(Hi /Mi
 MW =ΣHi i /ΣHi
 Mz =ΣHi i 2 /ΣHi i
(Pollock,D.,and Kratz,F.F.,GPC Sixth international Seminar(1968)、および「サイ
ズ排除クロマトグラフィー」森定雄著、p51〜p56、1991年12月1日発行(共立出版)参照)
 本発明に係るエチレン系重合体は、長鎖分岐の割合を示す指標であるg* の値が0.90〜1.00、好ましくは0.92〜1.00、より好ましくは0.95〜1.00の範囲にある。
 g* の値が上記のような範囲にあるエチレン系重合体は、重合体中の長鎖分岐の割合が少ないため、得られる成形体は剛性および耐衝撃強度に優れる。
 g* の値は、GPCを用いて下記のように求める。すなわち、
 前記と同様の測定条件でMi およびHi の値を求め、
により算出し、これを文献(Pollock,D.,and Kratz,F.F.,GPC Sixth international Semi
nar(1968) )に従って、デカリン溶媒中での値([η]GPC )に補正した。また、各試料について135℃デカリン溶媒中の極限粘度([η]obs )を測定した。
 以上のようにして得られた値より、下記式を用いてg* を算出した。
 g* =[η]obs /[η]GPC
 本発明に係るエチレン系重合体は、スウェル比(SR)が1.20〜1.35、好まし
くは1.25〜1.34の範囲にある。
 スウェル比が上記のような範囲にあるエチレン系重合体は、成形性に優れる。たとえば、ボトルを中空成形により製造する際には、ピンチオフ形状がよくなるため、強度に優れるボトルが製造できる。また中空成形体の肉厚分布を狭くすることができるので、目付量を低減できるとともに、同一の目付量では座屈強度を強くすることができる。
 スウェル比は、下記のように測定する。すなわち、東洋精機製作所製 キャピログラフ−IBにノズル径(D0 )=3.0mmφ、長さ(L)=3mmのノズルを取り付け、バレル(試料を入れる部分)を190℃に昇温し、保持する。バレルに試料約10gを入れ、ピストンを装着し、気泡抜きを行い、6分間予熱する。予熱後、0.25、0.5、1、2.5、5、10、25sec-1の各ずり速度で試料を押出し、ノズル出口より15mm下方のストランド径(Di )をレーザー光線により測定する。このようにして測定したストランド径(Di )とノズル径(D0 )との比(SRi =Di /D0 )を求める。
 半対数方眼紙に各ずり速度に対するSRi をプロットし得られた曲線より、ずり速度9.98sec-1のときの値を読み取りスウェル比とする。
 本発明に係るエチレン系重合体は、メルトテンションおよびスウェル比が高く、分子量分布が狭く、かつ長鎖分岐が少ない。このようなエチレン系重合体は、従来存在しなかった。
 本発明に係るエチレン系重合体は、上述のような物性を有しているので、成形性に優れ、かつ得られた成形体は剛性および耐衝撃性に優れ、外観不良を発生しない。このようなエチレン系重合体は、中空成形体、押出成形体などの各種成形体の素材として好適に用いられる。
 本発明のエチレン系重合体を中空成形体の素材として用いる場合は、特に、
 密度が0.94〜0.97g/cm3 の範囲にあり、
 190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレートが0.01〜10g/10分の範囲にあり、
 メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが、
 式 log MT≧−0.4log MFR+0.75 で示される関係を満たし、
 分子量分布MW /Mn の値が3〜8の範囲にあり、
 分子量分布Mz /MW の値が2.5〜4.5の範囲にあり、
 g* の値が0.95〜1.00の範囲にあり、
 スウェル比が1.25〜1.34の範囲にあることが好ましい。
 また、押出成形体の素材として用いる場合は、特に、
 密度が0.94〜0.97g/cm3 の範囲にあり、
 190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレートが0.01〜10g/10分の範囲にあり、
 メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが、
 式 log MT≧−0.4log MFR+0.75 で示される関係を満たし、
 分子量分布MW /Mn の値が3〜8の範囲にあり、
 分子量分布Mz /MW の値が2.5〜4.5の範囲にあり、
 g* の値が0.92〜1.00の範囲にあり、
 スウェル比が1.25〜1.34の範囲にあることが好ましい。
 このような本発明に係るエチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ型触媒、たとえば
[I](a)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物、
   (b)複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物、
   (c)液状状態のチタン化合物、および必要に応じて
   (d)析出化剤
 (ただし成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)の少なくとも1成分はハロゲン含有化合物を含む)
を接触させて得られ、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび上記複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物を含む固体状チタン触媒成分と、
[II]周期律表第I族〜第III 族から選ばれる金属を含む有機金属化合物触媒成分とを含むエチレン重合用触媒の存在下にエチレンを単独重合させるか、エチレンとオレフィンとを共重合させることにより製造することができる。
 前記固体状チタン触媒成分[I]の調製に用いられる還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物(a)は、液体のマグネシウム化合物、液体のマグネシウム化合物をマグネシウム化合物可溶化能を有する溶媒に溶解したマグネシウム化合物の溶液、または固体のマグネシウム化合物をマグネシウム化合物可溶化能を有する溶媒に溶解したマグネシウム化合物の溶液である。
 このような還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物(a)は、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導されたものであってもよい。具体的には、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムのようなアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムのようなアリーロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、オクトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムのようなアリーロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなマグネシウムのカルボン酸塩、炭酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムなどの無機酸塩などを挙げることができるが、該マグネシウム化合物は他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。さらにこれらの化合物の2種以上の混合物であってもよい。これらの中では、ハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムが好ましい。また、該還元能を有しないマグネシウム化合物は、他の物質から誘導されたものであってもよい。
 本発明において、このようなマグネシウム化合物が、固体である場合には、これをマグネシウム化合物可溶化能を有する溶媒に溶解し、液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)として用いる。また、マグネシウム化合物が液体である場合そのまま液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)として用いることができるが、これをマグネシウム化合物可溶化能を有する溶媒に溶解して用いることができる。
 このようなマグネシウム化合物可溶化能を有する溶媒としては、たとえばチタン酸エステルを用いることができる他、アルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸および金属酸エステル(チタン酸エステルを除く)などの電子供与体(g)を用いることができ、これら化合物は単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。
 チタン酸エステルとしては、オルトチタン酸メチル、オルトチタン酸エチル、オルトチタン酸n-プロピル、オルトチタン酸i-プロピル、オルトチタン酸n-ブチル、オルトチタン酸i-ブチル、オルトチタン酸n-アミル、オルトチタン酸2-エチルヘキシル、オルトチタン酸n-オクチル、オルトチタン酸フェニルおよびオルトチタン酸シクロヘキシルなどのオル
トチタン酸エステル;
 ポリチタン酸メチル、ポリチタン酸エチル、ポリチタン酸n-プロピル、ポリチタン酸i-
プロピル、ポリチタン酸n-ブチル、ポリチタン酸i-ブチル、ポリチタン酸n-アミル、ポリチタン酸2-エチルヘキシル、ポリチタン酸n-オクチル、ポリチタン酸フェニルおよびポリチタン酸シクロヘキシルなどのポリチタン酸エステル類を挙げることができる。
 アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルカルビトール、2-メチルペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、テトラデシルアルコール、ウンデセノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール;シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの脂環族アルコール;ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、イソプロピルベンジルアルコール、α-メチルベンジルアルコール、α,α-ジメチルベンジルアルコールな
どの芳香族アルコール;n-ブチルセロソルブ、1-ブトキシ-2-プロパノールなどのアルコ
キシ基を含んだ脂肪族アルコールなどを挙げることができる。
 アルデヒドとしては、カプリックアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、カプリルアルデヒド、ウンデシリックアルデヒドなどの炭素数7以上のアルデヒド類を挙げることができる。
 アミンとしては、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ウンデシルアミン、2-エチルヘキシルアミンなどの炭素数6以上のアミン類などを挙げることができる。
 カルボン酸としては、カプリル酸、2-エチルヘキサノイック酸、ウンデシレニック酸、ウンデカノイック酸、ノニリック酸、オクタノイック酸などの炭素数7以上の有機カルボン酸類を挙げることができる。
 金属酸エステルとしては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシドなどのジルコニウムテトラアルコキシド類などを挙げることができる。
 これらチタン酸エステルおよび電子供与体(g)は、不活性溶媒とともに用いることができ、このような不活性溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
 シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;
 ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
 エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
 このようなマグネシウム化合物可溶化能を有する溶媒にマグネシウム化合物を溶解して得られた液状物中、マグネシウム化合物は、該溶媒に対して0.1〜20モル/リットル、好ましくは、0.5〜5モル/リットルの量で含有されてる。
 固体状チタン触媒成分[I]の調製では、上記したような液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)に加えて複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物(b)が用いられる。
 固体状チタン触媒成分[I]に含有される複数の原子を介して存在する2個以上のエー
テル結合を有する化合物(b)は、この成分[I]に含有されるチタンの0.80倍モル以上5.0倍モル以下、好ましくは0.85倍モル以上4.0倍モル以下、より好ましくは0.90倍モル以上3.0倍モル以下であることが望ましい。
 固体状チタン触媒成分[I]の調製に用いられる複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物(b)(以下「ジエーテル化合物(b)」ということがある。)としては、これらエーテル結合間に存在する原子が、炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン、ホウ素、硫黄あるいはこれらから選択される2種以上である化合物などを挙げることができ、このうちエーテル結合間の原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、二個以上のエーテル結合間に存在する原子に複数の炭素原子が含まれた化合物が好ましい。
 このようなジエーテル化合物(b)としては、たとえば以下の式、
(式中、nは2≦n≦10の整数であり、R1 〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基を示し、任意のR1 〜R26、好ましくはR1 〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中には炭素以外の原子が含まれていてもよい。)
で示されるエーテル化合物を挙げることができる。
 上記のようなジエーテル化合物(b)として具体的には、
2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-クミル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(2-フェニルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(ジフェニルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(1-ナフチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(1-デカヒドロナフチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-(p-t-ブチルフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジエチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-プロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-エチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジフェニル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジブトキシプロパン、
2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジ-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジ-t-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジネオペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-フェニル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-シクロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,3-ジフェニル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,2-ジベンジル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン、
2,2-ビス(p-メチルフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,3-ビス(p-クロロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,3-ビス(p-フルオロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,5-ジフェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、
2,4-ジイソプロピル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソブチル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシペンタン、
3-メトキシメチルテトラヒドロフラン、
3-メトキシメチルジオキサン、
1,2-ジイソブトキシプロパン、
1,2-ジイソブトキシエタン、
1,3-ジイソアミロキシエタン、
1,3-ジイソアミロキシプロパン、
1,3-ジイソネオペンチロキシエタン、
1,3-ジネオペンチロキシプロパン、
2,2-テトラメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ペンタメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ヘキサメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、
1,2-ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、
2,8-ジオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,7-ジオキサビシクロ[3,3,1]ノナン、
3,7-ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン、
3,3-ジイソブチル-1,5-オキソノナン、
6,6-ジイソブチルジオキシヘプタン、
1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、
1,1-ビス(ジメトキシメチル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(メトキシメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、
2-メチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-イソプロピル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、
2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、
トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、
メチルフェニルビス(メトキシメチル)シラン、
ジフェニルビス(メトキシメチル)シラン、
メチルシクロヘキシルビス(メトキシメチル)シラン、
ジ-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、
シクロヘキシル-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、
i-プロピル-t-ブチルビス(メトキシメチル)シランなどを例示することができる。
 このうち、1,3-ジエーテル類が好ましく、特に、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプ
ロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパ
ンが好ましい。
 固体状チタン触媒成分[I]の調製に用いられる液状状態のチタン化合物(c)としては、たとえば
 Ti(OR)g4-g
(式中、Rは炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、gは0≦g<4である)
で示される4価のハロゲン含有チタン化合物を挙げることができる。
 より具体的には、
 TiCl4、TiBr4、TiI4 などのテトラハロゲン化チタン;
 Ti(OCH3)Cl3
 Ti(OC25)Cl3
 Ti(On-C49)Cl3
 Ti(OC25)Br3
 Ti(OisoC49)Br3 などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
 Ti(OCH32Cl2
 Ti(OC252Cl2
 Ti(On-C492Cl2
 Ti(OC252Br2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
 Ti(OCH33Cl、
 Ti(OC253Cl、
 Ti(On-C493Cl、
 Ti(OC253Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
 Ti(OCH34
 Ti(OC254
 Ti(On-C494
 Ti(Oiso-C494
 Ti(O-2- エチルヘキシル)4 などのテトラアルコキシチタンなどを挙げることができる。
 これらの中で好ましいものは、テトラハロゲン化チタンであり、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いてもよく、混合物の形で用いてもよい。あるいは炭化水素、ハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
 固体状チタン触媒成分[I]の調製に必要に応じて用いられる(d)析出化剤としては、たとえばケイ素化合物を挙げることができる。
 このようなケイ素化合物としては、一般式
 SiXnq 4-n
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rq は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基を示し、nは1〜4の実数である。)
で表されるハロゲン含有ケイ素化合物、および
(式中、RSは炭化水素基であり、pは1以上の整数である。)
で表されるケイ素系高分子化合物を例示することができる。
 上記一般式SiXnq 4-n で示されるハロゲン含有ケイ素化合物として具体的には、
 一般式SiX4 (上記式中、n=4)で示されるテトラハロシラン、たとえば、テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラヨードシラン、テトラフルオロシラン、トリクロルブロムシラン、トリクロルヨードシラン、トリクロルフルオルシラン、ジクロルジブロムシラン、ジクロルジヨードシラン、ジクロルジフルオルシラン、クロルトリブロムシラン、クロルトリヨードシラン、クロルトリフルオルシラン、ブロムトリヨードシラン、ブロムトリフルオルシラン、ジブロムジヨードシラン、ジブロムジフルオルシラン、トリブロムヨードシラン、トリブロムフルオルシラン、ヨードトリフルオルシラン、ジヨードジフルオルシラン、トリヨードフルオルシランを例示でき、これらの中でも、テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、トリクロルブロムシラン、ジクロルジブロムシラン、クロルトリブロムシランが好ましく、最適なものはテトラクロルシランである。
 一般式SiX3q(上記式中n=3)で示される化合物、たとえばメチルトリクロルシラン、エチルトリクロルシラン、n-およびi-プロピルトリクロルシラン、n-、i-、sec-およびtert-ブチルトリクロルシラン、n-およびi-アミルトリクロルシラン、n-ヘキシルト
リクロルシラン、n-ヘプチルトリクロルシラン、n-オクチルトリクロルシラン、n-ドデシルトリクロルシラン、n-テトラデシルトリクロルシラン、n-ヘキサデシルトリクロルシランなどの炭素原子数16個までの飽和アルキル基を含むアルキルトリクロルシラン;
 ビニルトリクロルシラン、イソブテニルトリクロルシランなどの炭素原子数1から4個の不飽和アルキル基を含む不飽和アルキルトリクロルシラン;
 クロルメチルトリクロルシラン、ジクロルメチルトリクロルシラン、トリクロルメチルトリクロルシラン、(2-クロルエチル)トリクロルシラン、(1,2-ジブロムエチル)トリクロルシラン、トリフルオルメチルトリクロルシラン、(ビニル-1-クロル)トリクロル
シランなどの飽和または不飽和ハロアルキルトリクロルシラン;
 シクロプロピルトリクロルシラン、シクロペンチルトリクロルシラン、シクロヘキセニルトリクロルシラン、3-シクロヘキセニルトリクロルシランなどの飽和または不飽和のシクロアルキルトリクロルシラン;
 フェニルトリクロルシラン、2-、3-および4-トリルトリクロルシラン、ベンジルトリクロルシランなどのアリールまたはアラルキルトリクロルシラン;
 メチルジフルオルクロルシラン、メチルフルオルジクロルシラン、エチルジフルオルクロルシラン、エチルフルオルジクロルシラン、n-およびi-プロピルジフルオルクロルシラン、n-ブチルジフルオルクロルシラン、n-ブチルフルオルジクロルシラン、フェニルジフルオルクロルシラン、メチルジクロルブロムシラン、エチルジクロルブロムシラン、メチルジクロルヨードシラン、(トリフルオルメチル)ジフルオルブロムシランなどのアルキル、アリールまたはハロアルキル混在トリハロシランなど:
 一般式SiX2q 2(上記式中、n=2)で示されるジアルキルジハロシラン、たとえ
ばジメチルジクロルシラン、ジエチルジクロルシラン、ジ-n- およびジ-i-プロピルジク
ロルシラン、ジ-n- 、ジ-i- 、ジ-sec- およびジ-tert-ブチルジクロルシラン、ジ-n- およびジ-i-アミルジクロルシラン、ジ-n-ヘキシルジクロルシラン、ジ-n-ヘプチルジクロ
ルシラン、ジ-n-オクチルジクロルシラン;
 ジシクロアルキルジハロシラン、たとえばジシクロペンチルジクロルシラン、ジシクロヘキシルジクロルシラン、ジシクロヘキシルジブロムシラン、ジシクロヘキシルジヨードシラン、ジシクロヘキシルジフルオルシラン;
 ジアリールまたはジアラルキルジハロシラン、たとえばジフェニルジクロルシラン、ジ-2- 、ジ-3- またはジ-4- トリルジクロルシラン、ジベンジルジクロルシランなど:
 一般式SiXRq 3(上記式中、n=1)で示されるトリアルキルハロシラン、たとえばトリメチルクロルシラン、トリエチルクロルシラン、トリ(n-およびi-プロピル)クロルシラン、トリ(n-およびi-ブチル)クロルシラン、トリ(n-ヘキシル)クロルシラン、トリ(n-ヘプチル)クロルシラン、トリ(n-オクチル)クロルシラン、ジメチル(エチル)クロルシラン、メチル(ジエチル)クロルシラン;
 トリアリールまたはトリアラルキルハロシラン、たとえばトリフェニルクロルシラン、トリ(2-、3-または4-トリル)クロルシラン、トリベンジルクロルシランなどが挙げられる。
 これらの中でも、テトラクロルシラン、Rq がメチル、エチルおよびフェニルのモノクロルシラン、ジクロルシランおよびトリクロルシランが好ましい。
 また、ケイ素系高分子化合物としては、メチルヒドロポリシロキサン、エチルヒドロポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、シクロヘキシルヒドロポリシロキサンなどを例示することができる。これらの化合物は、単独または混合して用いることもできる。これら化合物の中では、特にテトラクロルシラン、メチルヒドロポリシロキサンが好ましい。ケイ素系高分子化合物の重合度について、特に制限はないが、実用上、その粘度が10センチストークスから100センチストークス程度のものが好ましい。また末端構造は、触媒性能に大きな影響を及ぼすものではないが、不活性基で封鎖されていることが望ましい。
 析出化剤(d)の他の例としては、後述する有機金属化合物[II]を例示することができる。
 このような析出化剤(d)は、他の成分が析出化剤としての機能を有する場合は用いなくてもよい。
 固体状チタン触媒成分[I]の調製では、上記したような液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)、ジエーテル化合物(b)、液状状態のチタン化合物(c)および必要に応じて用いられる析出化剤(d)が用いられるが、これら化合物以外に、更に他の担体化合物、ハロゲン含有化合物、および前記ジエーテル化合物(b)以外の電子供与体などを用い、これら化合物を接触させてもよい。
 このような担体化合物としては、Al23、SiO2、B23、MgO、CaO、Ti
2、ZnO、ZnO2、SnO2、BaO、ThOなどの金属酸化物、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂などが用いられる。この中でAl23、SiO2、スチレン-
ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。
 またハロゲン含有化合物としては、前記のハロゲン含有ケイ素化合物に加えて、2-クロルエタノール、1-クロル-2-プロパノール、3-クロル-1-プロパノール、1-クロル-2-メチ
ル-2-プロパノール、4-クロル-1-ブタノール、5-クロル-1-ペンタノール、6-クロル-1-ヘキサノール、3-クロル-1,2-プロパンジオール、2-クロルシクロヘキサノール、4-クロル
ベンズヒドロール、(m,o,p)-クロルベンジルアルコール、4-クロルカテコール、4-クロル-(m,o)-クレゾール、6-クロル-(m,o)-クレゾール、4-クロル-3,5-ジメチルフェノール、
クロルハイドロキノン、2-ベンジル-4-クロルフェノール、4-クロル-1-ナフトール、(m,o
,p)-クロルフェノール、p-クロル-α-メチルベンジルアルコール、2-クロル-4-フェニル
フェノール、6-クロルチモール、4-クロルレゾルシン、2-ブロムエタノール、3-ブロム-1
-プロパノール、1-ブロム-2-プロパノール、1-ブロム-2-ブタノール、2-ブロム-p-クレゾール、1-ブロム-2-ナフトール、6-ブロム-2-ナフトール、(m,o,p)-ブロムフェノール、4-
ブロムレゾルシン、(m,o,p)-フロロフェノール、p-イオドフェノール:2,2-ジクロルエタノール、2,3-ジクロル-1-プロパノール、1,3-ジクロル-2-プロパノール、3-クロル-1-(
α-クロルメチル)-1-プロパノール、2,3-ジブロム-1-プロパノール、1,3-ジブロム-2-プロパノール、2,4-ジブロムフェノール、2,4-ジブロム-1-ナフトール:2,2,2-トリクロル
エタノール、1,1,1-トリクロル-2-プロパノール、β,β,β-トリクロル-tert-ブタノール、2,3,4-トリクロルフェノール、2,4,5-トリクロルフェノール、2,4,6-トリクロルフェノール、2,4,6-トリブロムフェノール、2,3,5-トリブロム-2-ヒドロキシトルエン、2,3,5-
トリブロム-4-ヒドロキシトルエン、2,2,2-トリフルオロエタノール、α,α,α-トリフルオロ-m-クレゾール、2,4,6-トリイオドフェノール:2,3,4,6-テトラクロルフェノール、
テトラクロルハイドロキノン、テトラクロルビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール、2,3,5,6-テトラフルオロフェノール
、テトラフルオロレゾルシンなどのハロゲン含有アルコール類などを例示することができる。
 また、ハロゲン含有化合物の他の例としては、
 元素状態におけるハロゲン:たとえば塩素、臭素、ヨード、
 ハロゲン化水素:たとえば塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素、
 ハロアルカン:たとえば四塩化炭素、クロロホルム、二塩化エタン、四塩化エタン、塩化メチレン、トリクレン、塩化メチル、塩化エチル、塩化-n-ブチル、塩化-n-オクチル、
 非金属のオキシハロゲン化物:たとえば塩化スルフリル、塩化チオニル、塩化ニトロシル、オキシ塩化リン、ホスゲン、
 非金属のハロゲン化物:たとえば三塩化リン、五塩化リン、
 金属およびアンモニウムのハロゲン化物:たとえば塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、などを挙げることができる。
 固体状チタン触媒成分[I]の調製に用いられるジエーテル化合物(b)以外の電子供与体(e)としては、有機酸エステル、有機酸ハライド、有機酸無水物、エーテル、ケトン、アルデヒド、第三アミン、亜リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸アミド、カルボン酸アミド、ニトリルなどを例示でき、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケトン類;
 アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類;
 ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2〜18の有機酸エステル類;
 アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライド類;
 メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類;
 酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類;
 トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどの第三アミン類;
 アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルなどのニトリル類などを例示することができ、これらの内では芳香族カルボン酸エステルが好ましい。これら化合物は、単独または2種以上併用することができる。
 またさらに、有機酸エステルとしては、多価カルボン酸エステルを特に好ましい例として挙げることができ、このような多価カルボン酸エステルとしては、下記一般式、
(式中、R1 は置換または非置換の炭化水素基、R2 、R5 、R6 は水素または置換または非置換の炭化水素基を示し、R3 、R4 は、水素あるいは置換または非置換の炭化水素基であって、好ましくはその少なくとも一方は置換または非置換の炭化水素基を示す。R3 とR4 は互いに連結して環状構造を形成していてもよい。炭化水素基R1 〜R6 が置換されている場合の置換基は、N、O、Sなどの異原子を含み、たとえばC−O−C、COOR、COOH、OH、SO3H、−C−N−C−、NH2 などの基を有する)で表され
る骨格を有する化合物を例示できる。
 このような多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、α-メチルグルタル酸ジイソブチル、メチルマロ
ン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロン酸ジエチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチル、β-メチルグルタル酸ジイソプロピ
ル、エチルコハク酸ジアリル、フマル酸ジ-2-エチルヘキシル、イタコン酸ジエチル、シ
トラコン酸ジオクチルなどの脂肪族ポリカルボン酸エステル、1,2-シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、1,2-シクロヘキサンカルボン酸ジイソブチル、テトラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック酸ジエチルのような脂環族ポリカルボン酸エステル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸モノイソブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジn-プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn-ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-ヘプチル、フタル酸ジ-2-エチル
ヘキシル、フタル酸ジn-オクチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボン酸エステル、3,4-フランジカルボン酸エステルなどの異節環ポリカルボン酸エステルなどを好ましい例として挙げることができる。
 また、多価カルボン酸エステルの他の例としては、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジn-ブチル、セバシン酸ジn-オクチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシルなどの長鎖ジカルボン酸のエステルなどを挙げるこ
とができる。これら化合物の中では、カルボン酸エステルを用いることが好ましく、特に多価カルボン酸エステル、とりわけフタル酸エステル類を用いることが好ましい。
 これら電子供与体(e)は、必ずしも出発物質として使用する必要はなく、固体状チタン触媒成分[I]の調製の過程で生成させることもできる。
 固体状チタン触媒成分[I]は、上記したような液状状態の還元能を有しないマグネシ
ウム化合物(a)、ジエーテル化合物(b)、液状状態のチタン化合物(c)および必要に応じて上記したような析出化剤(d)と、さらに担体化合物、電子供与体(e)およびハロゲン含有化合物を用いこれらを接触させて調製される。ただし、マグネシウム化合物(a)、ジエーテル化合物(b)、液状状態のチタン化合物(c)および析出化剤(d)のうち少なくとも1成分はハロゲン含有化合物を含んでいる。
 このような固体状チタン触媒成分[I]の調製方法としては、特に制限はないが、たとえば、
(1)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)と液状状態のチタン化合物(c)をジエーテル化合物(b)の存在下で反応させる方法、
(2)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)と液状状態のチタン化合物(c)を上記ジエーテル化合物(b)および電子供与体(e)の存在下で反応させる方法、
(3)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)を析出化剤(d)と接触させた後、得られた析出物をジエーテル化合物(b)と、液状状態のチタン化合物(c)と、必要に応じて電子供与体(e)と反応さる方法、
(4)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)を析出化剤(d)と接触させた後に、得られた析出物をハロゲン含有化合物と、ジエーテル化合物(b)と、液状状態のチタン化合物(c)と、必要に応じて電子供与体(e)と反応させる方法、
(5)(1)、(2)、(3)、(4)で得られた反応生成物に液状状態のチタン化合物(c)をさらに反応させる方法、
(6)(1)、(2)、(3)、(4)で得られた反応生成物にジエーテル化合物(b)、液状状態のチタン化合物(c)をさらに反応させる方法、
(7)(1)〜(6)で得られた反応生成物にジエーテル化合物(b)をさらに反応させる方法、
などを例示することができる。
 このような方法によって、固体状チタン触媒成分[I]を製造する際、成分(a)、(b)、(c)および(d)の使用量については、その種類、接触条件、接触順序などによって異なるが、液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)1モルに対し、ジエーテル化合物(b)は、約0.01モル〜約5モル、特に好ましくは約0.1モル〜約1モルの量で用いられ、液状状態のチタン化合物(c)は、0.1モル〜1000モル、特に好ましくは1モル〜200モルの量で用いられる。また、析出化剤(d)は、固体成生物を形成させるに充分な量であればよいが、液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物(a)1モルに対し、0.1モル〜1000モル、特に好ましくは1モル〜約200モルの量で用いられる。
 これらの成分(a)、(b)、(c)および(d)を接触させる際の温度は、通常−70℃〜200℃、好ましくは10℃〜150℃である。
 このようにして得られる固体状チタン触媒成分[I]は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンと、ジエーテル化合物(b)とを含有している。
 また、固体状チタン触媒成分[I]において、ハロゲン/チタン(原子比)は、2〜100、好ましくは4〜90であり、前記ジエーテル化合物(b)/チタン(モル比)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10であり、マグネシウム/チタン(原子比)は、2〜100、好ましくは4〜50であることが望ましい。
 本発明に係るエチレン系重合体の製造に用いられるエチレン重合用触媒は、このようにして得られた固体状チタン触媒成分[I]と、周期律表第I族〜第III 族から選ばれる金
属を含む有機金属化合物触媒成分[II]とを含んでいる。
 図1に、本発明に係るエチレン系重合体の製造に用いられるエチレン重合用触媒の調製工程の説明図を示す。
 有機金属化合物触媒成分[II]としては、たとえば有機アルミニウム化合物、I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、II族金属の有機金属化合物などを用いることができる。
 有機アルミニウム化合物としては、たとえば
 Ra nAlX3-n
(式中、Ra は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜3である)
で示される有機アルミニウム化合物を例示することができる。
 上記式において、Ra は炭素数1〜12の炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
 このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には以下のような化合物が用いられる。
 トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
 イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;
 ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
 メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
 メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;
 ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド。
 また有機アルミニウム化合物として、
 Ra nAlY3-n
(式中Ra は上記と同様であり、Yは−ORb 基、−OSi Rc 3 基、−OAlRd 2 基、−NRe 2 基、−SiRf 3 基または−N( Rg) AlRh 2 基であり、nは1〜2であり、
b 、Rc 、Rd およびRh はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Re は水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、Rf およびRg はメチル基、エチル基などである)
で示される化合物を用いることもできる。
 このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が用い
られる。
(i)式 Ra nAl(ORb3-n で表される化合物、たとえば、
 ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど、
(ii)式 Ra nAl(OSiRc 33-n で表される化合物、たとえば、
 Et2Al(OSiMe3
 (iso-Bu)2Al(OSiMe3
 (iso-Bu)2Al(OSiEt3)など、
(iii)式 Ra nAl(OAlRd 23-n で表される化合物、たとえば、
 Et2AlOAlEt2
 (iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 など、
(iv)式 Ra nAl(NRe 23-n で表される化合物、たとえば、
 Me2AlNEt2
 Et2AlNHMe
 Me2AlNHEt
 Et2AlN(Me3Si)2
 (iso-Bu)2AlN(Me3Si)2 など、
(v)式 Ra nAl(SiRf 33-n で表される化合物、たとえば、
 (iso-Bu)2AlSiMe3など、
(vi)式 Ra nAl(N(Rg)AlRh 23-n で表される化合物、たとえば、
 Et2AlN(Me)AlEt
 (iso-Bu)2AlN(Et )Al(iso-Bu)2 など。
 上記のような有機アルミニウム化合物として、Ra 3Al、Ra nAl(ORb3-n 、Ra
nAl(OAlRd 23-n で表わされる有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げる
ことができる。
 I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物としては、一般式
1AlRj 4
(式中、M1 はLi、NaまたはKを示し、Rjは炭素数1〜15の炭化水素基を示す)
で表される化合物を例示でき、具体的には、LiAl(C254、LiAl(C7154 などを挙げることができる。
 II族金属の有機金属化合物としては、一般式
kl2
(式中、Rk 、Rl は炭素数1〜15の炭化水素基またはハロゲン原子を示し、互いに同一でも異なっていてもよいが、いずれもハロゲンである場合は除く。M2はMg、Znま
たはCdを示す)で表される化合物を例示でき、具体的には、ジエチル亜鉛、ジエチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどを挙げることができる。
 これらの化合物は、単独または2種以上混合して用いることもできる。
 また、エチレン重合用触媒は、有機金属化合物触媒成分[II]と共に、必要に応じて上記ジエーテル化合物(b)、電子供与体(f)を含有していてもよい。このような電子供与体(f)としては、前述した電子供与体(e)および有機ケイ素化合物を用いることができる。これらの内では、ジエーテル化合物(b)および有機ケイ素化合物が好ましい。
 このような有機ケイ素化合物としては、下記一般式で表される有機ケイ素化合物を挙げ
ることができる。
 RnSi(OR')4-n
(式中、RおよびR'は炭化水素基を示し、0<n<4である)
 上記のような一般式で示される有機ケイ素化合物としては、具体的には、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-
ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ-クロル
プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、iso-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルト
リエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2-ノルボルナントリメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-
ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシ(allyloxy)シラン、ビニルトリス(β-メトキシエト
キシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン;
 シクロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、2,
3-ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン;
 ジシクロペンチルジメトキシシラン、ビス(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン;
 トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランが用いられる。
 このうちエチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビスp-
トリルジメトキシシラン、p-トリルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシランなどが好ましく用いられる。
 また、これら有機ケイ素化合物以外に用いることができる電子供与体(f)としては、
前記以外の窒素含有化合物、燐含有化合物、酸素含有化合物などを挙げることができる。
 このような窒素含有化合物としては、具体的には、以下に示すような化合物を用いることができる。
 などの2,6-置換ピペリジン類:
 などの2,5-置換ピペリジン類:
 N,N,N',N'-テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラエチルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類:
 1,3-ジベンジルイミダゾリジン、1,3-ジベンジル-2-フェニルイミダゾリジンなどの置
換イミダゾリジン類など。
 燐含有化合物としては、具体的には、以下に示すような亜リン酸エステル類を用いることができる。
 トリエチルホスファイト、トリn-プロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリn-ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn-ブチルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類など。
 また、酸素含有化合物としては、以下に示すような化合物を用いることができる。
 などの2,6-置換テトラヒドロピラン類:
 などの2,5-置換テトラヒドロピラン類など。
 本発明に係るエチレン系重合体の製造方法は、前記エチレン重合用触媒の存在下にエチレンを単独重合させるか、またはエチレンとオレフィンとを共重合させることにより製造する。
 重合においてエチレンとともに使用することができるオレフィンとしては、炭素数が3〜20のα-オレフィン、たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-
メチル-1- ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどを挙げることができる。
 エチレンの重合においては、これらのオレフィンを単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。さらにスチレン、アリルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、ビニル
シクロヘキサンなどの脂環族ビニル化合物、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2- ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル-1,4,5,8- ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a- オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィン、6-メチル1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-
オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-
ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、6-メチル-1,6-デカ
ジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、イソプレン、ブタジエンなどのジエン類などの共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和結合を多く有する化合物を重合原料として用いることもできる。
 エチレン系重合体の重合は、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。
 重合が液相重合の反応形態を採る場合、反応溶媒としては、不活性炭化水素を用いることができ、反応温度において液状のオレフィンを用いることもできる。
 この際用いられる不活性炭化水素としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
 シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;
 ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
 エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。これらの不活性炭化水素のうちでは特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
 重合においては、固体状チタン触媒成分[I]は、重合容積1リットル当りTi原子に換算して、通常は約0.001〜0.5ミリモル、好ましくは約0.005〜0.1ミリモルの量で用いられる。また、有機金属化合物触媒成分[II]は、重合系中の予備重合触媒成分中のチタン原子1モルに対し、金属原子が、通常約1〜2000モル、好ましくは約5〜500モルとなるような量で用いられる。
 本重合時に、水素を用いれば、得られる重合体の分子量を調節することができ、メルトフローレートの大きい重合体が得られる。
 重合温度は、通常、約20〜200℃、好ましくは約50〜150℃に、圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2 に設定される。重合は
、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。
 このようにして得られたエチレン系重合体は、エチレン単独重合体、エチレン・オレフィンランダム共重合体、エチレン・オレフィンブロック共重合体のいずれであってもよい。
 以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
 [固体状チタン触媒成分(A)の調製]
 無水塩化マグネシウム95.2g、デカン442mlおよび2-エチルヘキシルアルコール390.6gを130℃で2時間加熱して均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸21.3gを添加し、さらに、130℃にて1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸をこ
の均一溶液に溶解させた。このようにして得られた均一溶液75mlを−20℃に保持した四塩化チタン200ml中に1時間にわたって全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて100℃に昇温し、100℃に達したところで2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン4.06gを添加し、これより2時間同温度にて攪拌下保持した。2時間後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を275mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、110℃で2時間加熱した。その後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃デカンおよび室温ヘキサンにて洗浄中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分(A)の組成は、チタン 2.1重量%、マグネシウム 18.0重量%、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン 11.8重量%、2-エチルヘキソキシ基 0.2重量%、塩素 60重量%であった。
 [重合]
 内容積2リットルのオートクレーブに、精製ヘキサン1リットルを装入し、60℃、エチレン雰囲気にてトリエチルアルミニウム1ミリモルおよび固体状チタン触媒成分(A)をチタン原子換算で0.02ミリモル装入した。
 次に75℃まで昇温し、水素をゲージ圧力で1kg/cm2 導入した。続いてエチレンでゲージ圧力8kg/cm2 まで加圧し、1時間の間この圧力を保持するようにエチレンを供給し続けた。この間温度は80℃に保持した。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、得られた白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)150gに対して3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシトルエン300mg及びステアリン酸カルシウム150mgを添加して、サーモプラスチック社製20mmφ押出機を使用して、200℃でペレット化し、メルトテンション(MT)、メルトフローレート(MFR)、スウェル比(SR)、分子量分布MW /Mn 、Mz /MW の値、g* の値および密度を、明細書中に示した方法で測定した。結果を表1に示す。
 [重合]
 充分に窒素置換された触媒瓶にデカン20ml、トリエチルアルミニウム5ミリモルおよび固体状チタン触媒成分(A)をチタン原子換算で0.1ミリモルを装入し、室温で5分間攪拌しデカンスラリー(B)を得た。
 内容積2リットルのオートクレーブに、窒素雰囲気下にて精製ヘキサン1リットルを装入し、エチレン雰囲気に変更して60℃まで昇温し、前記デカンスラリー(B)を4ml(チタン原子換算で0.02ミリモル)装入した。
 次に75℃まで昇温し、水素をゲージ圧力で1kg/cm2 導入した。続いてエチレンでゲージ圧力8kg/cm2 まで加圧し、1時間の間この圧力を保持するようにエチレンを供給し続けた。この間温度は80℃に保持した。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、得られた白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表1に示す。
 [重合]
 充分に窒素置換された触媒瓶にデカン20ml、トリエチルアルミニウム5ミリモルおよび固体状チタン触媒成分(A)をチタン原子換算で0.1ミリモルを装入し、室温で15分間攪拌しデカンスラリー(C)を得た。
 内容積2リットルのオートクレーブに、窒素雰囲気下にて精製ヘキサン1リットルを装入し、エチレン雰囲気に変更して60℃まで昇温し、前記デカンスラリー(C)を4ml(チタン原子換算で0.02ミリモル)装入した。
 次に75℃まで昇温し、水素をゲージ圧力で1kg/cm2 導入した。続いてエチレンでゲージ圧力8kg/cm2 まで加圧し、1時間の間この圧力を保持するようにエチレンを供給し続けた。この間温度は80℃に保持した。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、得られた白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表1に示す。
 [重合]
 充分に窒素置換された触媒瓶にデカン20ml、トリエチルアルミニウム5ミリモルおよび固体状チタン触媒成分(A)をチタン原子換算で0.1ミリモルを装入し、室温で30分間攪拌しデカンスラリー(D)を得た。
 内容積2リットルのオートクレーブに、窒素雰囲気下にて精製ヘキサン1リットルを装入し、エチレン雰囲気に変更して60℃まで昇温し、前記デカンスラリー(D)を4ml(チタン原子換算で0.02ミリモル)装入した。
 次に75℃まで昇温し、水素をゲージ圧力で1kg/cm2 導入した。続いてエチレンでゲージ圧力8kg/cm2 まで加圧し、1時間の間この圧力を保持するようにエチレンを供給し続けた。この間温度は80℃に保持した。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、得られた白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表1に示す。
 [重合]
水素をゲージ圧力3kg/cm2 で導入したこと以外は実施例1と同様にしてエチレンの重合を行った。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、得られた白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定し
た。結果を表1に示す。
 [重合]
 充分に窒素置換された内容積2リットルのオートクレーブに精製ヘキサン850mlを装入し、室温でエチレン置換を行った後、60℃に昇温し、トリエチルアルミニウム1.25ミリモル、固体状チタン触媒成分(A)をチタン原子換算で0.025ミリモル、および、4-メチル-1-ペンテン 150mlを装入した後、オートクレーブを密閉した。水素で1.2kg/cm2 まで加圧した後、エチレンを加えて全圧を4kg/cm2 として、2時間の間、この圧力を維持するようにエチレンを供給し続けた。
 重合終了後、スラリーをオートクレーブの内温55℃で取り出し、速やかにフィルターで濾過し、重合により生成した白色粉末を液相部より分離した。
 得られた白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥したした後、乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表1に示す。
 〔比較例1〕
 [固体状チタン触媒成分(A-1)の調製]
 無水塩化マグネシウム95.2g、デカン442mlおよび2-エチルヘキシルアルコール390.6gを130℃で2時間加熱して均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸21.3gを添加し、さらに、130℃にて1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸をこの均一溶液に溶解させた。このようにして得られた均一溶液75mlを−20℃に保持した四塩化チタン200ml中に1時間にわたって全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート5.22gを添加し、これより2時間同温度にて攪拌下保持した。2時間後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を275mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃で2時間加熱した。その後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃デカンおよび室温ヘキサンにて洗浄中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分(A-1)の組成は、チタン 2.4重量%、マグネシウム 19.0重量%、ジイソブチルフタレート 12.4重量%、塩素 60重量%であり、2-エチルヘキソキシル基は検出されなかった。
 [重合]
 充分に窒素置換された触媒瓶にデカン20ml、トリエチルアルミニウム5ミリモルおよび固体状チタン触媒成分(A-1)をチタン原子換算で0.1ミリモルを装入し、室温で5分間攪拌しデカンスラリー(B-1)を得た。
 内容積2リットルのオートクレーブに、窒素雰囲気下にて精製ヘキサン1リットルを装入し、エチレン雰囲気に変更して60℃まで昇温し、前記デカンスラリー(B-1)を4ml(チタン原子換算で0.02ミリモル)装入した。
 次に75℃まで昇温し、水素をゲージ圧力で1kg/cm2 導入した。続いてエチレンでゲージ圧力8kg/cm2 まで加圧し、1時間の間この圧力を保持するようにエチレンを供給し続けた。この間温度は80℃に保持した。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、この白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定し
た。結果を表1に示す。
 〔比較例2〕
 [固体状チタン触媒成分(A-2)の調製]
 無水塩化マグネシウム0.75モルを1リットルのデカン中に懸濁させ、2.25モルの2-エチルヘキサノールを加え、攪拌しながら昇温し、120℃で2時間加熱して無色透明な均一溶液を得た。この溶液は室温まで放冷しても無色透明の均一溶液のままであった。
 内容積1リットルのガラス製フラスコに窒素雰囲気下でデカン400ml、四塩化チタン400ミリモル(440ml)を入れ、0℃まで冷却した。次に、上記の無色透明の均一溶液をマグネシウム原子に換算して100ミリモルを滴下ロートより20分にわたって滴下した。滴下直後から発泡をともない黄色の懸濁液となった。滴下後、4℃/分の速度で昇温し、80℃にて1時間攪拌し続けた。1時間後、窒素雰囲気下、ガラスフィルターにて、固体部と液相部を分離し、2リットルのデカンで固体部を洗浄した。固体部を再び900mlのデカンで懸濁し、120℃で1時間30分の加熱処理を行った。以上の操作で固体状チタン触媒成分(A-2)を得た。
 固体状チタン触媒成分(A-2)の組成は、チタン 8.1重量%、塩素 55.0重量%、マグネシウム 17.0重量%、2-エチルヘキソキシ基 0.04重量%であった。
 [重合]
 内容積2リットルのオートクレーブに、窒素雰囲気下にて精製ヘキサン1リットルを装入し、50℃まで昇温した。次にトリイソブチルアルミニウム1.0ミリモル、上記の固体状チタン触媒成分(A-2)をチタン原子に換算して0.0 2ミリモルを加え、密封した後、水素をゲージ圧力で4kg/cm2 導入した。続いてエチレンでゲージ圧力8kg/cm2 まで加圧し、2時間の間この圧力を保持するようにエチレンを供給し続けた。この間温度は80℃に保持した。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、この白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表1に示す。
 〔比較例3〕
 [固体状チタン触媒成分(A-3)の調製]
 塩化マグネシウム19.1gをデカン88.4ml中に懸濁した後、2-エチルヘキサノール78.1gを系内に添加した後、135℃まで昇温し、4時間の間135℃に維持しながら攪拌し、無色透明な均一溶液を得た。次に、以上の操作で得られた溶液を100℃まで降温し、100℃でテトラエトキシシラン9.58gを添加し、100℃で1時間攪拌することにより塩化マグネシウム含有デカン溶液を得た。400mlフラスコ中に四塩化チタン200mlを装入後−20℃まで降温した後、上記の塩化マグネシウム含有デカン溶液50ml(塩化マグネシウム濃度1モル/リットル)を2時間で滴下した。系を徐々に昇温し、90℃で2時間攪拌した後熱濾過し、90℃のデカンで洗浄し、さらに室温のデカンで固体部を充分洗浄して固体状チタン触媒成分(A-3)を得た。
 固体状チタン触媒成分(A-3)の組成は、チタン 10.7重量%、塩素 57重量%、マグネシウム 12.0重量%、2-エチルヘキソキシ基 8.4重量%であった。
 500mlのフラスコに400mlのデカンを装入し、固体状チタン触媒成分(A-3)を3.59g添加した後、平均組成がAl(O-i-C37)Cl2 のアルミニウム化合物
(デカン溶液1モル/リットル)を20ml添加し、さらにイソプロパノール0.15mlを添加した。系内を昇温し、150℃で3時間攪拌した後、固体部を熱濾過で採取し、130℃のデカンで洗浄した後、室温のデカンで充分に洗浄し、固体状チタン触媒成分(A-4)を得た。
 固体状チタン触媒成分(A-4)の組成は、チタン 4.1重量%、マグネシウム 11重量%、塩素 49重量%、アルミニウム 12.9重量%、イソプロポキシ基 0.2重量%であった。
 [重合]
 内容積2リットルのオートクレーブに、窒素雰囲気下にて精製ヘキサン1リットルを装入し、50℃まで昇温した。次にトリイソブチルアルミニウム1.0ミリモル、上記の固体状チタン触媒成分(A-4)をチタン原子に換算して0.02ミリモルを加え、密封した後、水素をゲージ圧力で4kg/cm2導入した。続いてエチレンでゲージ圧力8kg/
cm2 まで加圧し、2時間の間この圧力を保持するようにエチレンを供給し続けた。この間温度は80℃に保持した。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、この白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表1に示す。
 〔比較例4〕
 [固体状触媒成分(A-5)の調製]
 内容積3リットルのオートクレーブを充分窒素置換した後、精製灯油1.5リットル、無水塩化マグネシウム75g、エタノール109gおよびエマゾール320(花王アトラス社製、ソルビタンジステアレート)を10g入れ、系を攪拌下に昇温し、125℃にて600rpmで20分間攪拌した。系内圧を窒素にて10kg/cm2-Gとし、オートクレーブに直結され125℃に保温された内径3mmのSUS(ステンレススチール)製チューブのコックを開き、あらかじめ−15℃に冷却された精製灯油3リットルを張り込んである5リットルガラスフラスコ(攪拌機付き)に移液した。移液量は1リットルであり、所要時間は約20秒であった。生成固体を濾過により採取し、ヘキサンで充分洗浄した。
 上記固体12gをデカン200mlでスラリーとし、0℃に冷却、この温度に保ちジエチルアルミニウムクロリド125ミリモルを30分にわたって滴下した。滴下終了後室温で1時間、さらに90℃に昇温し、この温度で3時間保った。この操作により塩化マグネシウム上に有機アルミニウムが一部固定される。このスラリーを静置して上澄み液を除去し、デカンにて再びスラリーとした。この操作を2度行った後、デカン200mlを加え、このスラリーを攪拌下0℃に保ち、これにデカン10mlで希釈したバナジルトリクロリド5ミリモルと四塩化チタン5ミリモルの混合物を15分にわたり滴下した。滴下終了後、80℃に昇温しこの温度で1時間保った。その後、濾過により固体生成物を採取し、洗浄液中に遊離のバナジウムおよびチタンが検出されなくなるまでデカンで洗浄し、固体状触媒成分(A-5)を得た。
 [重合]
 内容積2リットルのオートクレーブに精製デカン1リットル、トリイソブチルアルミニ
ウム2.0ミリモル、固体状触媒成分(A-5)をチタンとバナジウムの合計の金属原子換算で0.01ミリモル装入した。温度を40℃とした後、エチレンガスを導入して全圧を8kg/cm2-Gとして1分間重合を行った(第1段階)。その後、エチレンガスを一旦脱圧した後、水素ガスを導入し、1kg/cm2-Gまで加圧した。続いて70℃に昇温し、再びエチレンガスを導入して全圧を8kg/cm2-Gとして重合を再開始した。その後、全圧が8kg/cm2-Gを保つようにエチレンを供給し続けて80℃で80分間重合を行った。
 重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離し、得られた白色粉末を80℃で10時間減圧乾燥した。
 乾燥後の白色粉末(エチレン系重合体)について、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表1に示す。
 表1から明らかなように、本発明のエチレン系重合体は、前記(i)〜(vii)を満た
している。すなわち、密度が高く、メルトテンションとメルトフローレートとが特定の関係にあり、メルトテンションおよびスウェル比が高く、分子量分布(MW /Mn 、Mz /MW )が狭く、g* の値が1に近い。このようなエチレン系重合体からは、成形性に優れるとともに、剛性、耐衝撃強度などの機械的強度に優れ、外観不良が少ない成形体が得られる。
本発明に係るエチレン系重合体の製造に用いられるエチレン重合用触媒の調整工程を示す説明図である。

Claims (3)

  1. (i)密度が0.90〜0.98g/cm3 の範囲にあり、
    (ii)190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレートが0.001〜3000g/10分の範囲にあり、
    (iii)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが、
     式 log MT≧−0.4log MFR+0.75 で示される関係を満たし、
    (iv)分子量分布MW /Mn の値が2〜9の範囲にあり、
    (v)分子量分布Mz /MW の値が2〜5の範囲にあり、
    (vi)長鎖分岐の割合を示す指標であるg* の値が0.90〜1.00の範囲にあり、
    (vii)スウェル比が1.20〜1.35の範囲にある
    ことを特徴とする中空成形体用のエチレン系重合体。
  2.  チーグラー・ナッタ型触媒により製造された請求項1に記載の中空成形体用のエチレン系重合体。
  3. [I](a)液状状態の還元能を有しないマグネシウム化合物、
       (b)複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物、
       (c)液状状態のチタン化合物、および必要に応じて
       (d)析出化剤
    (ただし成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)の少なくとも1成分はハロゲン含有化合物を含む)
    を接触させて得られ、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび上記複数の原子を介して存在する二個以上のエーテル結合を有する化合物を含む固体状チタン触媒成分と、
    [II]周期律表第I族〜第III 族から選ばれる金属を含む有機金属化合物触媒成分とを含むエチレン重合用触媒により製造された請求項1に記載の中空成形体用のエチレン系重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009506163A (ja) * 2005-08-24 2009-02-12 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド ポリオレフィン組成物、それから作製された物品、ならびにそれらを調製するための方法
JP2010276128A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Sumitomo Chemical Co Ltd チューブ
JP2011006675A (ja) * 2009-05-29 2011-01-13 Sumitomo Chemical Co Ltd エチレン−α−オレフィン共重合体及び成形体
JP2015124362A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 株式会社プライムポリマー 熱可塑性樹脂組成物製シート

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