JP2004042830A - ゴム材と流体とのシミュレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム材の表面に形成される1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部が流体に与える影響を解析する。
【解決手段】表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部及び/又は凹部を有するゴム材を数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定するステップS1、数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデルを設定するステップS2、及び前記ゴム材モデルと前記流体モデルとを接触させ少なくとも流体モデルの変形計算を時間増分dtで行うシミュレーションステップS5からS9を含むとともに、前記時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大としたことを特徴とするゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【選択図】 図2
【解決手段】表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部及び/又は凹部を有するゴム材を数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定するステップS1、数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデルを設定するステップS2、及び前記ゴム材モデルと前記流体モデルとを接触させ少なくとも流体モデルの変形計算を時間増分dtで行うシミュレーションステップS5からS9を含むとともに、前記時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大としたことを特徴とするゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム材の表面に形成される1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部が流体に与える影響を解析でき、ひいてはタイヤなどの性能向上に役立つゴム材と流体とのシミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
タイヤを例に挙げると、トレッドゴムと路面とが接触する場合、それらの間に水などの液体が介在すると摩擦抵抗が低下してスリップが発生し易くなる。かかるスリップを抑制するには、路面とタイヤ表面をなすゴムとの間に液体を介在させないこと、つまりゴム表面と路面との排水性を向上させることが効果的である。一方例えば氷路や雨天時では、路面上に存在している水膜の大部分は、タイヤの表面に形成された溝を含むトレッドパターンによって排水されるが、それでもゴムと路面との間には薄い水膜が残っており、ウエットμに影響を及ぼしている。溝を除いたゴム表面での排水性を向上するためには、ゴム材料の配合を改善する方法のみならず、ゴム表面に形成される1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部ないし凹部の幾何学的形状(例えば凸部の高さ、密度など)をコントロールする方法などがある。
【0003】
ところで、近年ではコンピュータを用いた数値解析法により、タイヤと流体との相互作用をシミュレーションし、タイヤの耐ハイドロプレーニング性能などを予測することが提案されている。しかしながら、これらのシミュレーションは、タイヤのトレッドパターンを形成する溝と流体との相互作用の究明を主眼としており、ゴム材表面の微細な凸部等については全く考慮されていない。また、上述のようなゴム表面に形成されるミクロンオーダの凸部ないし凹部については、通常のシミュレーションの条件設定などをそのまま適用すると膨大な計算時間を必要とするため実用的ではない。
【0004】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部及び/又は凹部を有するゴム材を、前記凸部や凹部を含めて数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定するステップ、数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデルを設定するステップ、及び前記ゴム材モデルと前記流体モデルとを接触させ少なくとも流体モデルの変形計算を微小な時間増分dtで行うシミュレーションステップを含むとともに、前記時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大とすることを基本として、ゴム材の表面の微細な凸部等が流体に与える影響を比較的短時間で計算でき、ひいてはタイヤなどの開発に役立つゴム材と流体とのシミュレーション方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部及び/又は凹部を有するゴム材を数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定するステップ、数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデルを設定するステップ、及び前記ゴム材モデルと前記流体モデルとを接触させ少なくとも流体モデルの変形計算を時間増分dtで行うシミュレーションステップを含むとともに、前記時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大としたことを特徴とするゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0006】
また請求項2記載の発明は、前記流体モデルの応力波伝達速度に、理論値cT よりも小さい仮想応力波伝達速度cs を設定し、この仮想応力波伝達速度cs に基づいて前記時間増分dt(=Lmin /cs )を計算することを特徴とする請求項1記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0007】
また請求項3記載の発明は、前記時間増分dtと、前記理論時間増分dtT との比(dt/dtT )が1×102 〜1×108 であることを特徴とする請求項2記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0008】
また請求項4記載の発明は、前記シミュレーションステップは、前記流体モデルから小さな解析領域を設定し、この解析領域に周期境界条件を与えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。このコンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとから構成されている。本体1aには、図示していないが、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの大容量記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスクのドライブ1a1、1a2などの記憶装置を適宜具えている。そして、前記大容量記憶装置には後述するシミュレーション方法を実行するための処理手順(プログラム)が記憶されている。
【0010】
図2には、本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例が示されており、以下順に説明する。先ず本実施形態では、表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部を有するゴム材を、前記凸部を含めて数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定する(ステップS1)。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取り扱い可能なことを意味し、本例では有限要素法を採用する。
【0011】
図3は、ゴム材モデル2の一例を3次元上に視覚化して示す斜視図、図4はその部分拡大図、図5は同部分平面図を示す。本実施形態では、ゴム材として、スタッドレスタイヤのトレッドゴムの接地面を含む一部分をモデル化したものを例示している。ゴム材モデル2は、本例では有限個の小さな要素2a、2b、2c…に分割してモデル化されることにより、前記コンピュータ装置1にて取り扱い可能な数値データを構成する。例えば各要素2a、2b、2c…を特定する要素番号、節点座標値、要素形状などが記憶される。また例えばゴム材モデル2は、モデル化の対象となったゴム部分の材料特性、例えば密度、ヤング率、減衰係数などに応じた材料特性が定義される。特に限定はされないが、ゴム材モデル2ついては、3次元要素、とりわけ4ないし6面体ソリッド要素が好ましく、本実施形態では6面体要素を主体的に使用している。なお本例では、ゴム材モデル2を変形可能としているが、例えば変形不能な剛要素を用いることによって剛体モデルとすることもできる。
【0012】
またゴム材モデル2は、路面と接地しうる接地面CP側に複数個の微細な凸部2Aが形成されたものを例示している。凸部2Aは、図3ないし図5に示すように、本例では平面視が略正方形状をなすとともに、表面が平面を継ぎ合わせた多面体形状によって滑らかな凸状をなしている。また凸部2Aは、ゴム材モデル2の外周部に設けた平坦面部2Bからの最大高さが1μm以上かつ1mmであって、現実のゴムの表面粗さに応じて設定される。このような凸部2Aは、その幾何学的な形状、配置パターン、配置密度などを調節することによって該ゴム材モデル2の接地面CPの少なくとも一部を、トレッドゴムの接地面の表面粗さに近似させることができる。これにより、トレッドゴムの接地面のミクロの状態をゴム材モデル2に擬似的に表現することができる。
【0013】
この凸部2Aの配置形状は、評価しようとするゴム材の表面形状に応じて種々選択される。特に限定はされないが、本実施形態では、図5に示すように、同一形状をなす凸部2Aを接地面CPに沿うX方向に複数個密に並べて凸部列R1を形成するとともに、この凸部列R1をX方向と直角なY方向に複数列並べたものを示す。また凸部列R1をY方向に並べる際には、X方向に位相差δを設けている。このようなゴム材モデル2は、一つの凸部2Aを連続して複写することにより形成しうるため、モデル化作業の短縮化に役立つ。また本例の凸部2Aは、一辺の長さAが30〜80μm程度、高さが約25μmで設定されている。凸部2Aの配設密度も特に限定されず、解析対象となるゴム材の表面粗さに応じて設定しうる。
【0014】
上述のように、微細な凹凸形状は、本来3次元形状測定装置などの測定結果から、そのままモデル化することが望ましいが、細かい凹凸を数多く含んでしまう欠点がある。従って、例えば、より簡素化するために、図5に例示する如く、凸部2Aの頂点を正三角形に近づけて連続配置ないし、正三角形として配置することができる(この例では凸部2Aを密に配置しているが、適宜隙間を設けて配置しても良い。)。この方法では凹凸部が均一化でき、モデル化を容易としうる。
【0015】
次に本実施形態では、ゴム材モデル2と同様に数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデル3を設定する(ステップS2)。本例の流体モデル3は、図6に示すように、上面をなす上面部3aと、この上面部3aと平行かつ底面をなす底面部3bと、この上面部3aと底面部3bとの間を前面で継ぐ前面部3cと、上面部3aと底面部3bとの間を後面で継ぐ後面部3dと、左右の側面部3e、3eとで囲まれる3次元の6面体をなし内部に空間を有する。この空間は格子状の3次元のメッシュによって、小さな立方体の要素3e1、3e2…に区分される。各要素は、数値解析が可能な要素を用いている。本例では、有限体積法を採用する。また各要素の番号や各節点座標などが前記シミュレーション装置1の記憶手段に記憶される。本例では、流体モデル3の中央部の要素を小さく、周辺部の要素を大きくモデル化しているが、要素の分割方法は必要に応じて種々選択できる。
【0016】
流体モデル3の前記空間の内部には、流体(図示省略)が定義される。該流体は、流体モデル3が形成する空間内部の全部又は少なくとも一部を満たすことができる。流体モデル3に満たされる流体の厚さh(図7に示す)は、シミュレーションの条件に沿うよう水膜の厚さに応じて定めることができ、本例では15μmに設定している。また本実施形態では、水膜とゴム材表面との間の排水性を解析するため、この流体には水が使用される。また流体モデル3の底面部3bは、図7に示すように、平面剛要素Bの上に移動不能に固定される。
【0017】
また本実施形態では、図7(A)、(B)に示すように、ゴム材モデル2の凸部2Aを設けた接地面CPを前記平面剛要素Bに接触させるとともに、流体モデル3の内部の流体(グレー色にて示す)を一定の速度で流すことによってシミュレーションを行うものを例示する。そして、ゴム材モデル2との平面剛要素Bとの間に介在している流体の流れなどを解析する。このようなシミュレーションを行うために、ゴム材モデル2と流体モデル3とには、必要な境界条件が設定される(ステップS3)。
【0018】
設定される境界条件としては、ゴム材モデル2が平面剛要素Bを押しつける荷重F、流体モデル3の内部に満たされる流体の厚さh、流体が流れる速度v、圧力、又は密度などの1以上を含む。また流体モデル3には、流体に関する流出入に関する境界条件が設定される。本実施形態では、流体モデル3の前面部3cを流体が連続して速度vで流入する流入部Iとし、この前面部3cと向き合う後面部3dを流体が排出される流出部Oとして定義している。ゴム材モデル2は、この流入部Iと流出部Oとの間に置かれる。また、前記以外の流体モデル3の各外面については、流体を取り囲む壁として定義される。なお、流体の流出入に関する条件は、必要に応じて変更でき、例えば流体モデル3の側面部3e、3eを流出部としても良い。
【0019】
次に本実施形態では、シミュレーションの変形計算を行う時間増分dtを設定する(ステップS4)。一般にシミュレーションでは、物体に荷重が作用した瞬間を時刻0(ゼロ)として、この時刻0からスタートしてある時間増分dtごとに時間を区切って各時刻での変形状態が計算される。計算方法には、陰解法と陽解法とがある。流体とゴム材との接触シミュレーションのように動的かつ比較的高速な非線形挙動のシミュレーションを取り扱う場合には、通常、陽解法が用いられ、本発明でも陽解法が採用される。
【0020】
陽解法は、陰解法のような収束計算を行わないため、解の精度としては陰解法にやや劣る部分がある。しかし、変形計算を行う上述の時間増分dtをごく小さく設定することによって解の精度低下を防止できる。前記時間増分dtは、通常、クーラン(Courant )条件を満たすように設定される。クーラン条件とは、解析結果の振動を防ぎ解を安定させる安定条件の一つである。すなわち、クーラン条件は、図8に例示するように、例えば要素e1に外力Pが作用した場合、この外力Fが要素e1を伝播して隣接した要素e2に伝わるまでの時間よりも時間増分dtを小さくして振動を減衰させるものである。
【0021】
クーラン条件に基づいた変形計算時の時間増分(以下、このような時間増分を「理論時間増分dtT 」と言う)は、通常は下記式(1)を満たす値に設定される。
dtT ≦S×Lmin /cT …(1)
ここで、Lmin はモデルを構成する要素のうち最小の要素の代表的な長さ、cT は構造物中を伝播する応力波伝達速度の理論値、Sは安全率で0よりも大かつ1以下の値で、通常、0.8〜0.9程度に定められる。一般にタイヤの流体シミュレーションでは、上記式(1)で得られる理論時間増分は0.1〜5μsec 程度に設定される。
【0022】
ところが、本発明のゴム材モデル2は、ミクロンオーダの凸部2Aを有しているため、前記要素の代表的な長さLmin が非常に小さく、上記式(1)から得られる理論時間増分dtT もこれに応じて非常に小さくなる。これは、一連の変形をこのような微小時間刻みで計算しなければならないことを意味し、大型の高速コンピュータを用いた場合でも、シミュレーション全体の計算を終えるには膨大な時間を必要とし、現実的なゴム材料の開発には適さない。
【0023】
そこで、本発明では時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大きな値に設定し、変形の見かけの速度を早め計算時間の膨大化を防止する。一方、単に時間増分dtを大きく設定しただけでは、計算時間の短縮化には役立つが、応力波伝達速度に理論値をそのまま用いると一刻みの時間増分の間に応力波が複数の要素に伝達されてしまい計算結果が振動し易くなる。従って、本実施形態ではゴム材モデル2及び流体モデル3の応力波伝達速度に、それらの理論値cT よりも小さい仮想応力波伝達速度cs を用いる。具体的には、理論時間増分dtT よりも大きな値に設定された時間増分dtと仮想応力波伝達速度cs とが下記式(2)を満たすように設定する。
dt≦S×Lmin /cs …(2)
式(2)において、Lmin は各モデルを構成する要素の中で最小の要素の代表的な長さ、cs は前記仮想応力波伝達速度、Sは前記安全率である。
【0024】
一般に、ゴム材モデル2、流体モデル3の応力波伝達速度cの理論値は、3次元では夫々下記式(3)により、また2次元の場合には下記式(4)によってそれぞれ計算しうる。
c=√{(K+4G/3)/ρ} …(3)
c=√(K/ρ) …(4)
ただし、Kは体積弾性率、Gはせん断弾性率、ρは密度である。
【0025】
そして、前記仮想応力波伝達速度cs を、例えば上記式(3)又は(4)で計算される応力波伝達速度cの理論値の1×10−8倍〜1×10−1倍程度、より好ましくは10−4〜10−1倍程度とすることで、時間増分dtをより実用的な値に設定することができる。
【0026】
また仮想応力波伝達速度cs を応力波伝達速度cの理論値よりも小さくするためには、これらに合わせて、体積弾性率Kやせん断弾性率Gを小さくするか、及び/又は密度ρを大きくすることが好ましい。例えばゴム材モデル2及び/又は流体モデル3の体積弾性率Kを理論値の1×10−3〜1×10−1倍とすることが望ましい。またゴム材モデル2のせん断弾性率Gを理論値の1×10−4〜1×10−1倍とすることが望ましい。
【0027】
さらに、ゴム材モデル2及び/又は流体の密度ρを理論値の10〜10000倍、より好ましくは10〜1000倍、さらに好ましくは10〜100倍とすることが望ましい。具体的には、ゴム材モデル2又は流体モデル3の小さい方の時間増分dtを理論時間増分dtT の102 〜108 倍、ないしは10−4〜10−1μsec 、より好ましくは10−3〜10−1μsec 、さらに好ましくは10−2〜10−1μsec とするのが望ましい。
【0028】
次に本実施形態では、ゴム材モデル2と流体モデル3とを接触させそれぞれの変形計算を前記ステップで定めた時間増分dt毎に行うシミュレーションを行う(ステップS5、S6)。
【0029】
図9には、ゴム材モデル2の変形計算の具体的な処理手順の一例を示す。ゴム材モデル2の変形計算は、先ず前記ステップS4で設定された時間増分dt後の変形計算を行う(ステップS51)。変形計算には本例では有限要素法が用いられ、下記式(5)で示される運動方程式が用いられる。またこのような計算は、前記コンピュータ装置1によって処理される。
【数1】
【0030】
次に本実施形態では、変形計算後の最小の要素の長さLaと、該計算前の最小の要素の長さLbとの比(La/La)に基づいて前記時間増分dtを修正する(ステップS52)。これは、変形により要素がさらに小さくなったような場合、これまでの時間増分dtでは式(2)を満たすことができない場合がある。このため、本例では、要素の変形状況に合わせて、その都度最適な時間増分dtを計算するステップを含め、より正確なゴム材モデル2の変形計算を可能としている。これは精度の高いシミュレーション結果を得るのに役立つ。なお時間増分dtの修正は、例えば、現在の時間増分dtに前記比(La/Lb)を乗じることによって行うことができる。
【0031】
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS53)、経過していない場合には、ステップS51に戻り、修正された時間増分dtを加算して再度計算を行う。所定の時間が経過している場合(ステップS53でY)、ゴム材モデル2の変形計算を終えステップS7に戻る。
【0032】
図10には、流体モデル3の変形(流動)計算の具体的な処理手順の一例を示す。本例では、先ずゴム材モデル2の接地面CPを流体が出入り不能な壁として認識する(ステップS61)。そして、時間増分dt毎に流体モデル3の各要素について変形計算を行う(ステップS62)。変形計算には本例ではオイラー方程式、すなわち下記式(6)〜(8)に示される質量保存式、運動量保存式、エネルギ保存式が用いられる。
【0033】
【数2】
【0034】
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS63)、経過していない場合には、ステップS62に戻り、時間増分dtを付加して再度計算を行う。所定の時間が経過しているときには(ステップS63でY)、流体モデル3の変形計算を終え、ステップS7に戻る。
【0035】
図2のステップS5ないしS9から明らかなように、本実施形態では、ゴム材モデル2の変形計算と流体モデル3の変形計算とが別個に行われ、ゴム材モデル2の変形計算で得られた接地面CPの形状を流体モデル3の流動計算時の境界条件として与えられる(ステップS9)とともに、流体モデル3の変形計算で得られた流体の圧力、形状、速度をゴム材モデル2の変形計算時の境界条件として与えられる(ステップS8)。流体からの反力が大きくなると、ゴム材モデル2が流体によって押し上げられたり、あるいはゴム表面が変形するなど流体モデル3とゴム材モデル2との間の境界条件が刻々と変化し計算が非常に煩雑となる。本例では上述のようにゴム材モデル2と流体モデル3とをそれぞれ別々に独立させて計算し、それらの計算が終了した後にお互いに必要なデータを受け渡すことによって構造部(ゴム材モデル2)と流体部(流体モデル3)とを擬似的に接触させて連成し比較的短時間で計算を行うことを可能とする。なおこのような連成は、同時刻におけるゴム材モデル2、流体モデル3の状態で行われる。
【0036】
このため、流体モデル3には、ゴム材モデル2の新たな接地面CPの位置、形状が与えられ、他方、ゴム材モデル2については、流体モデル3から受ける反力等によってその変形が再現される。そして、このような計算を繰り返すことによって、ゴム材モデル2の凸部2Aによる流体モデル3への影響などを考慮に入れてゴム材モデル2、流体モデル3の時々刻々と変化する変形状態を連成させて計算できる。なおこれらの連成処理などはコンピュータにより行われ、その計算手順は例えば一般に知られている有限要素法解析プログラムなどを用いて自動計算しうる。
【0037】
またステップS7では、計算終了となる予め指定した時間が経過したかを判断し、ステップS7でYと判断された場合、計算結果を出力し(ステップS10)、処理を終える。なおステップS7での計算を終える時間は、実行するシミュレーションに応じ安定した計算結果が得られるよう種々定めることができる。
【0038】
計算結果の出力には種々の情報を含むことができる。例えば、流体の流れ(流線)、流体の抵抗力、ゴム材モデル2を押し上げる力、流速、排水水量又はゴム材モデル2の変形量の1以上を挙げることができる。なお出力する評価値は、これらの値に限定されず、必要に応じて種々のものを出力しかつこれを評価することができる(ステップS11)。
【0039】
図11には、流体の流れを可視化した水流図を示している。流線が存在しているところは、水が流れていることを意味し、排水が可能であることが分かる。水が流れない部分では、ミクロレベルのハイドロプレーニング現象が発生していると推測することができる。従って、このような部分を形成している凸部形状では、雨天時や氷上でのタイヤの走行パフォーマンスの低下をもたらしやすいことが予測できる。
【0040】
そして、これらの出力結果から、好ましいミクロンオーダの接地面CPが予測できれば、このような接地面CPの表面粗さに適合するよう、例えばタイヤ成形金型の成形面を表面処理することが望ましい。表面処理としては、例えばショットブラストの砥粒の外径、衝突速度、加工時間、圧力などを種々制御することによって行うことができる。
【0041】
次に、本発明の他の実施形態を示す。
この実施形態のシミュレーションステップは、前記流体モデル3の流体に周期境界条件を与えるものが示される。殆ど無限に近いような大きな系をコンピュータで解析するのは計算時間が膨大となる。一方、小さな有限系では、計算時間の短縮化は可能であるが、系の境界の影響を無視することができない。そこで、小さな有限系の一方の境界は、その系の他方(反対側)の境界と連続しているものと考え、このようにして小さな有限系を用いることにより、擬似的に無限に大きな系を扱うことができるようにするものが周期境界条件である。
【0042】
例えば図12の下段に示すように、ゴム材モデル2の接地面CPから微小な解析領域として矩形領域の基本セルΔAを抽出する。そして、図13に2次元的に示すように、この基本セルΔAのまわりに該基本セルΔAを複写して作成した仮想のダミーセルVSを設定する。そして、基本セルΔAの各境界は、ダミーセルVSと繋がっており、解析領域である基本セルΔAの一方の境界f1から流体が流出すると、この流出した流体と同じ条件(同じ方向、同じ速度)で該基本セルΔAの他方の境界f2を通って基本セルΔAに流体が流入するように条件付けされる。このような周期境界条件に設定によって、非常に小さな解析対象であっても、境界の影響を減じ、大きな系を取り擬似的に扱うことができる。
【0043】
次に本発明のシミュレーションを行った結果の一例を示す。
実施例1、実施例2、従来例のシミュレーションステップの初期の時間増分などは表1のように設定した。そして、ゴム材モデル2を固定し流体に速度を与えてゴム材モデルが受ける流体からの反力を計算するシミュレーションを行った。流体の速度は0〜30km/Hまで徐々に上昇させた。
テストの結果などを表1、図14に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
テストの結果、実施例1、2は、計算時間を大幅に短縮化していることが確認できる。また図14の流体の反力においても、ほぼ従来例と同じ傾向を示しており、計算精度においても実用上耐えうるものであることが確認できる。
【0046】
上記実施形態ではゴム材モデル2を固定して流体を所定の速度で流す態様を例示したが、これとは逆に流体モデル3の流体を静止させておき、ゴム材モデル2を流体に押し付けたり、さらには所定の速度を与えてゴム材モデル2を移動させても良い。また上記実施形態では、ゴム材モデル2の接地面に凸部2Aだけを有するものを示したが、深さが1μm以上かつ1mm未満の微細な凹部でも良く、また双方を設けることもできる。また、上記実施形態ではゴム材モデル2と流体モデル3との各時間増分dtを理論時間増分dtよりも大としているが、流体モデル3の時間増分dtだけ大きくしても良く、好適には理論時間増分dtT が小さい方のモデルの時間増分を大きくするのが良い。
【0047】
【発明の効果】
上述したように、本発明のシミュレーション方法にあっては、ゴム材の表面に形成される1μm以上かつ1mm未満の微細な凹凸が流体に与える影響を解析でき、ひいてはタイヤなどの性能向上に役立つ。また時間増分dtを大きく設定しているため、ミクロンオーダの解析でも計算時間の膨大化を防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置の構成図である。
【図2】本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態のゴム材モデルの斜視図である。
【図4】その部分拡大図である。
【図5】その部分拡大平面図である。
【図6】流体モデルの一例を示す斜視図である。
【図7】(A)、(B)は、ゴム材モデルと流体モデルとの接触の一例を示す側面図である。
【図8】クーラン条件を説明する要素の斜視図である。
【図9】ゴム材モデルの変形計算の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】流体モデルの流動計算の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】流体の流れを可視化した水流図である。
【図12】周期境界条件を説明する斜視図である。
【図13】周期境界条件を説明する平面図である。
【図14】シミュレーションの結果を示す流速と流体の反力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ゴム材モデル
2A 凸部
3 流体モデル
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム材の表面に形成される1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部が流体に与える影響を解析でき、ひいてはタイヤなどの性能向上に役立つゴム材と流体とのシミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
タイヤを例に挙げると、トレッドゴムと路面とが接触する場合、それらの間に水などの液体が介在すると摩擦抵抗が低下してスリップが発生し易くなる。かかるスリップを抑制するには、路面とタイヤ表面をなすゴムとの間に液体を介在させないこと、つまりゴム表面と路面との排水性を向上させることが効果的である。一方例えば氷路や雨天時では、路面上に存在している水膜の大部分は、タイヤの表面に形成された溝を含むトレッドパターンによって排水されるが、それでもゴムと路面との間には薄い水膜が残っており、ウエットμに影響を及ぼしている。溝を除いたゴム表面での排水性を向上するためには、ゴム材料の配合を改善する方法のみならず、ゴム表面に形成される1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部ないし凹部の幾何学的形状(例えば凸部の高さ、密度など)をコントロールする方法などがある。
【0003】
ところで、近年ではコンピュータを用いた数値解析法により、タイヤと流体との相互作用をシミュレーションし、タイヤの耐ハイドロプレーニング性能などを予測することが提案されている。しかしながら、これらのシミュレーションは、タイヤのトレッドパターンを形成する溝と流体との相互作用の究明を主眼としており、ゴム材表面の微細な凸部等については全く考慮されていない。また、上述のようなゴム表面に形成されるミクロンオーダの凸部ないし凹部については、通常のシミュレーションの条件設定などをそのまま適用すると膨大な計算時間を必要とするため実用的ではない。
【0004】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部及び/又は凹部を有するゴム材を、前記凸部や凹部を含めて数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定するステップ、数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデルを設定するステップ、及び前記ゴム材モデルと前記流体モデルとを接触させ少なくとも流体モデルの変形計算を微小な時間増分dtで行うシミュレーションステップを含むとともに、前記時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大とすることを基本として、ゴム材の表面の微細な凸部等が流体に与える影響を比較的短時間で計算でき、ひいてはタイヤなどの開発に役立つゴム材と流体とのシミュレーション方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部及び/又は凹部を有するゴム材を数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定するステップ、数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデルを設定するステップ、及び前記ゴム材モデルと前記流体モデルとを接触させ少なくとも流体モデルの変形計算を時間増分dtで行うシミュレーションステップを含むとともに、前記時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大としたことを特徴とするゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0006】
また請求項2記載の発明は、前記流体モデルの応力波伝達速度に、理論値cT よりも小さい仮想応力波伝達速度cs を設定し、この仮想応力波伝達速度cs に基づいて前記時間増分dt(=Lmin /cs )を計算することを特徴とする請求項1記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0007】
また請求項3記載の発明は、前記時間増分dtと、前記理論時間増分dtT との比(dt/dtT )が1×102 〜1×108 であることを特徴とする請求項2記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0008】
また請求項4記載の発明は、前記シミュレーションステップは、前記流体モデルから小さな解析領域を設定し、この解析領域に周期境界条件を与えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。このコンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとから構成されている。本体1aには、図示していないが、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの大容量記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスクのドライブ1a1、1a2などの記憶装置を適宜具えている。そして、前記大容量記憶装置には後述するシミュレーション方法を実行するための処理手順(プログラム)が記憶されている。
【0010】
図2には、本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例が示されており、以下順に説明する。先ず本実施形態では、表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部を有するゴム材を、前記凸部を含めて数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定する(ステップS1)。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取り扱い可能なことを意味し、本例では有限要素法を採用する。
【0011】
図3は、ゴム材モデル2の一例を3次元上に視覚化して示す斜視図、図4はその部分拡大図、図5は同部分平面図を示す。本実施形態では、ゴム材として、スタッドレスタイヤのトレッドゴムの接地面を含む一部分をモデル化したものを例示している。ゴム材モデル2は、本例では有限個の小さな要素2a、2b、2c…に分割してモデル化されることにより、前記コンピュータ装置1にて取り扱い可能な数値データを構成する。例えば各要素2a、2b、2c…を特定する要素番号、節点座標値、要素形状などが記憶される。また例えばゴム材モデル2は、モデル化の対象となったゴム部分の材料特性、例えば密度、ヤング率、減衰係数などに応じた材料特性が定義される。特に限定はされないが、ゴム材モデル2ついては、3次元要素、とりわけ4ないし6面体ソリッド要素が好ましく、本実施形態では6面体要素を主体的に使用している。なお本例では、ゴム材モデル2を変形可能としているが、例えば変形不能な剛要素を用いることによって剛体モデルとすることもできる。
【0012】
またゴム材モデル2は、路面と接地しうる接地面CP側に複数個の微細な凸部2Aが形成されたものを例示している。凸部2Aは、図3ないし図5に示すように、本例では平面視が略正方形状をなすとともに、表面が平面を継ぎ合わせた多面体形状によって滑らかな凸状をなしている。また凸部2Aは、ゴム材モデル2の外周部に設けた平坦面部2Bからの最大高さが1μm以上かつ1mmであって、現実のゴムの表面粗さに応じて設定される。このような凸部2Aは、その幾何学的な形状、配置パターン、配置密度などを調節することによって該ゴム材モデル2の接地面CPの少なくとも一部を、トレッドゴムの接地面の表面粗さに近似させることができる。これにより、トレッドゴムの接地面のミクロの状態をゴム材モデル2に擬似的に表現することができる。
【0013】
この凸部2Aの配置形状は、評価しようとするゴム材の表面形状に応じて種々選択される。特に限定はされないが、本実施形態では、図5に示すように、同一形状をなす凸部2Aを接地面CPに沿うX方向に複数個密に並べて凸部列R1を形成するとともに、この凸部列R1をX方向と直角なY方向に複数列並べたものを示す。また凸部列R1をY方向に並べる際には、X方向に位相差δを設けている。このようなゴム材モデル2は、一つの凸部2Aを連続して複写することにより形成しうるため、モデル化作業の短縮化に役立つ。また本例の凸部2Aは、一辺の長さAが30〜80μm程度、高さが約25μmで設定されている。凸部2Aの配設密度も特に限定されず、解析対象となるゴム材の表面粗さに応じて設定しうる。
【0014】
上述のように、微細な凹凸形状は、本来3次元形状測定装置などの測定結果から、そのままモデル化することが望ましいが、細かい凹凸を数多く含んでしまう欠点がある。従って、例えば、より簡素化するために、図5に例示する如く、凸部2Aの頂点を正三角形に近づけて連続配置ないし、正三角形として配置することができる(この例では凸部2Aを密に配置しているが、適宜隙間を設けて配置しても良い。)。この方法では凹凸部が均一化でき、モデル化を容易としうる。
【0015】
次に本実施形態では、ゴム材モデル2と同様に数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデル3を設定する(ステップS2)。本例の流体モデル3は、図6に示すように、上面をなす上面部3aと、この上面部3aと平行かつ底面をなす底面部3bと、この上面部3aと底面部3bとの間を前面で継ぐ前面部3cと、上面部3aと底面部3bとの間を後面で継ぐ後面部3dと、左右の側面部3e、3eとで囲まれる3次元の6面体をなし内部に空間を有する。この空間は格子状の3次元のメッシュによって、小さな立方体の要素3e1、3e2…に区分される。各要素は、数値解析が可能な要素を用いている。本例では、有限体積法を採用する。また各要素の番号や各節点座標などが前記シミュレーション装置1の記憶手段に記憶される。本例では、流体モデル3の中央部の要素を小さく、周辺部の要素を大きくモデル化しているが、要素の分割方法は必要に応じて種々選択できる。
【0016】
流体モデル3の前記空間の内部には、流体(図示省略)が定義される。該流体は、流体モデル3が形成する空間内部の全部又は少なくとも一部を満たすことができる。流体モデル3に満たされる流体の厚さh(図7に示す)は、シミュレーションの条件に沿うよう水膜の厚さに応じて定めることができ、本例では15μmに設定している。また本実施形態では、水膜とゴム材表面との間の排水性を解析するため、この流体には水が使用される。また流体モデル3の底面部3bは、図7に示すように、平面剛要素Bの上に移動不能に固定される。
【0017】
また本実施形態では、図7(A)、(B)に示すように、ゴム材モデル2の凸部2Aを設けた接地面CPを前記平面剛要素Bに接触させるとともに、流体モデル3の内部の流体(グレー色にて示す)を一定の速度で流すことによってシミュレーションを行うものを例示する。そして、ゴム材モデル2との平面剛要素Bとの間に介在している流体の流れなどを解析する。このようなシミュレーションを行うために、ゴム材モデル2と流体モデル3とには、必要な境界条件が設定される(ステップS3)。
【0018】
設定される境界条件としては、ゴム材モデル2が平面剛要素Bを押しつける荷重F、流体モデル3の内部に満たされる流体の厚さh、流体が流れる速度v、圧力、又は密度などの1以上を含む。また流体モデル3には、流体に関する流出入に関する境界条件が設定される。本実施形態では、流体モデル3の前面部3cを流体が連続して速度vで流入する流入部Iとし、この前面部3cと向き合う後面部3dを流体が排出される流出部Oとして定義している。ゴム材モデル2は、この流入部Iと流出部Oとの間に置かれる。また、前記以外の流体モデル3の各外面については、流体を取り囲む壁として定義される。なお、流体の流出入に関する条件は、必要に応じて変更でき、例えば流体モデル3の側面部3e、3eを流出部としても良い。
【0019】
次に本実施形態では、シミュレーションの変形計算を行う時間増分dtを設定する(ステップS4)。一般にシミュレーションでは、物体に荷重が作用した瞬間を時刻0(ゼロ)として、この時刻0からスタートしてある時間増分dtごとに時間を区切って各時刻での変形状態が計算される。計算方法には、陰解法と陽解法とがある。流体とゴム材との接触シミュレーションのように動的かつ比較的高速な非線形挙動のシミュレーションを取り扱う場合には、通常、陽解法が用いられ、本発明でも陽解法が採用される。
【0020】
陽解法は、陰解法のような収束計算を行わないため、解の精度としては陰解法にやや劣る部分がある。しかし、変形計算を行う上述の時間増分dtをごく小さく設定することによって解の精度低下を防止できる。前記時間増分dtは、通常、クーラン(Courant )条件を満たすように設定される。クーラン条件とは、解析結果の振動を防ぎ解を安定させる安定条件の一つである。すなわち、クーラン条件は、図8に例示するように、例えば要素e1に外力Pが作用した場合、この外力Fが要素e1を伝播して隣接した要素e2に伝わるまでの時間よりも時間増分dtを小さくして振動を減衰させるものである。
【0021】
クーラン条件に基づいた変形計算時の時間増分(以下、このような時間増分を「理論時間増分dtT 」と言う)は、通常は下記式(1)を満たす値に設定される。
dtT ≦S×Lmin /cT …(1)
ここで、Lmin はモデルを構成する要素のうち最小の要素の代表的な長さ、cT は構造物中を伝播する応力波伝達速度の理論値、Sは安全率で0よりも大かつ1以下の値で、通常、0.8〜0.9程度に定められる。一般にタイヤの流体シミュレーションでは、上記式(1)で得られる理論時間増分は0.1〜5μsec 程度に設定される。
【0022】
ところが、本発明のゴム材モデル2は、ミクロンオーダの凸部2Aを有しているため、前記要素の代表的な長さLmin が非常に小さく、上記式(1)から得られる理論時間増分dtT もこれに応じて非常に小さくなる。これは、一連の変形をこのような微小時間刻みで計算しなければならないことを意味し、大型の高速コンピュータを用いた場合でも、シミュレーション全体の計算を終えるには膨大な時間を必要とし、現実的なゴム材料の開発には適さない。
【0023】
そこで、本発明では時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大きな値に設定し、変形の見かけの速度を早め計算時間の膨大化を防止する。一方、単に時間増分dtを大きく設定しただけでは、計算時間の短縮化には役立つが、応力波伝達速度に理論値をそのまま用いると一刻みの時間増分の間に応力波が複数の要素に伝達されてしまい計算結果が振動し易くなる。従って、本実施形態ではゴム材モデル2及び流体モデル3の応力波伝達速度に、それらの理論値cT よりも小さい仮想応力波伝達速度cs を用いる。具体的には、理論時間増分dtT よりも大きな値に設定された時間増分dtと仮想応力波伝達速度cs とが下記式(2)を満たすように設定する。
dt≦S×Lmin /cs …(2)
式(2)において、Lmin は各モデルを構成する要素の中で最小の要素の代表的な長さ、cs は前記仮想応力波伝達速度、Sは前記安全率である。
【0024】
一般に、ゴム材モデル2、流体モデル3の応力波伝達速度cの理論値は、3次元では夫々下記式(3)により、また2次元の場合には下記式(4)によってそれぞれ計算しうる。
c=√{(K+4G/3)/ρ} …(3)
c=√(K/ρ) …(4)
ただし、Kは体積弾性率、Gはせん断弾性率、ρは密度である。
【0025】
そして、前記仮想応力波伝達速度cs を、例えば上記式(3)又は(4)で計算される応力波伝達速度cの理論値の1×10−8倍〜1×10−1倍程度、より好ましくは10−4〜10−1倍程度とすることで、時間増分dtをより実用的な値に設定することができる。
【0026】
また仮想応力波伝達速度cs を応力波伝達速度cの理論値よりも小さくするためには、これらに合わせて、体積弾性率Kやせん断弾性率Gを小さくするか、及び/又は密度ρを大きくすることが好ましい。例えばゴム材モデル2及び/又は流体モデル3の体積弾性率Kを理論値の1×10−3〜1×10−1倍とすることが望ましい。またゴム材モデル2のせん断弾性率Gを理論値の1×10−4〜1×10−1倍とすることが望ましい。
【0027】
さらに、ゴム材モデル2及び/又は流体の密度ρを理論値の10〜10000倍、より好ましくは10〜1000倍、さらに好ましくは10〜100倍とすることが望ましい。具体的には、ゴム材モデル2又は流体モデル3の小さい方の時間増分dtを理論時間増分dtT の102 〜108 倍、ないしは10−4〜10−1μsec 、より好ましくは10−3〜10−1μsec 、さらに好ましくは10−2〜10−1μsec とするのが望ましい。
【0028】
次に本実施形態では、ゴム材モデル2と流体モデル3とを接触させそれぞれの変形計算を前記ステップで定めた時間増分dt毎に行うシミュレーションを行う(ステップS5、S6)。
【0029】
図9には、ゴム材モデル2の変形計算の具体的な処理手順の一例を示す。ゴム材モデル2の変形計算は、先ず前記ステップS4で設定された時間増分dt後の変形計算を行う(ステップS51)。変形計算には本例では有限要素法が用いられ、下記式(5)で示される運動方程式が用いられる。またこのような計算は、前記コンピュータ装置1によって処理される。
【数1】
【0030】
次に本実施形態では、変形計算後の最小の要素の長さLaと、該計算前の最小の要素の長さLbとの比(La/La)に基づいて前記時間増分dtを修正する(ステップS52)。これは、変形により要素がさらに小さくなったような場合、これまでの時間増分dtでは式(2)を満たすことができない場合がある。このため、本例では、要素の変形状況に合わせて、その都度最適な時間増分dtを計算するステップを含め、より正確なゴム材モデル2の変形計算を可能としている。これは精度の高いシミュレーション結果を得るのに役立つ。なお時間増分dtの修正は、例えば、現在の時間増分dtに前記比(La/Lb)を乗じることによって行うことができる。
【0031】
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS53)、経過していない場合には、ステップS51に戻り、修正された時間増分dtを加算して再度計算を行う。所定の時間が経過している場合(ステップS53でY)、ゴム材モデル2の変形計算を終えステップS7に戻る。
【0032】
図10には、流体モデル3の変形(流動)計算の具体的な処理手順の一例を示す。本例では、先ずゴム材モデル2の接地面CPを流体が出入り不能な壁として認識する(ステップS61)。そして、時間増分dt毎に流体モデル3の各要素について変形計算を行う(ステップS62)。変形計算には本例ではオイラー方程式、すなわち下記式(6)〜(8)に示される質量保存式、運動量保存式、エネルギ保存式が用いられる。
【0033】
【数2】
【0034】
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS63)、経過していない場合には、ステップS62に戻り、時間増分dtを付加して再度計算を行う。所定の時間が経過しているときには(ステップS63でY)、流体モデル3の変形計算を終え、ステップS7に戻る。
【0035】
図2のステップS5ないしS9から明らかなように、本実施形態では、ゴム材モデル2の変形計算と流体モデル3の変形計算とが別個に行われ、ゴム材モデル2の変形計算で得られた接地面CPの形状を流体モデル3の流動計算時の境界条件として与えられる(ステップS9)とともに、流体モデル3の変形計算で得られた流体の圧力、形状、速度をゴム材モデル2の変形計算時の境界条件として与えられる(ステップS8)。流体からの反力が大きくなると、ゴム材モデル2が流体によって押し上げられたり、あるいはゴム表面が変形するなど流体モデル3とゴム材モデル2との間の境界条件が刻々と変化し計算が非常に煩雑となる。本例では上述のようにゴム材モデル2と流体モデル3とをそれぞれ別々に独立させて計算し、それらの計算が終了した後にお互いに必要なデータを受け渡すことによって構造部(ゴム材モデル2)と流体部(流体モデル3)とを擬似的に接触させて連成し比較的短時間で計算を行うことを可能とする。なおこのような連成は、同時刻におけるゴム材モデル2、流体モデル3の状態で行われる。
【0036】
このため、流体モデル3には、ゴム材モデル2の新たな接地面CPの位置、形状が与えられ、他方、ゴム材モデル2については、流体モデル3から受ける反力等によってその変形が再現される。そして、このような計算を繰り返すことによって、ゴム材モデル2の凸部2Aによる流体モデル3への影響などを考慮に入れてゴム材モデル2、流体モデル3の時々刻々と変化する変形状態を連成させて計算できる。なおこれらの連成処理などはコンピュータにより行われ、その計算手順は例えば一般に知られている有限要素法解析プログラムなどを用いて自動計算しうる。
【0037】
またステップS7では、計算終了となる予め指定した時間が経過したかを判断し、ステップS7でYと判断された場合、計算結果を出力し(ステップS10)、処理を終える。なおステップS7での計算を終える時間は、実行するシミュレーションに応じ安定した計算結果が得られるよう種々定めることができる。
【0038】
計算結果の出力には種々の情報を含むことができる。例えば、流体の流れ(流線)、流体の抵抗力、ゴム材モデル2を押し上げる力、流速、排水水量又はゴム材モデル2の変形量の1以上を挙げることができる。なお出力する評価値は、これらの値に限定されず、必要に応じて種々のものを出力しかつこれを評価することができる(ステップS11)。
【0039】
図11には、流体の流れを可視化した水流図を示している。流線が存在しているところは、水が流れていることを意味し、排水が可能であることが分かる。水が流れない部分では、ミクロレベルのハイドロプレーニング現象が発生していると推測することができる。従って、このような部分を形成している凸部形状では、雨天時や氷上でのタイヤの走行パフォーマンスの低下をもたらしやすいことが予測できる。
【0040】
そして、これらの出力結果から、好ましいミクロンオーダの接地面CPが予測できれば、このような接地面CPの表面粗さに適合するよう、例えばタイヤ成形金型の成形面を表面処理することが望ましい。表面処理としては、例えばショットブラストの砥粒の外径、衝突速度、加工時間、圧力などを種々制御することによって行うことができる。
【0041】
次に、本発明の他の実施形態を示す。
この実施形態のシミュレーションステップは、前記流体モデル3の流体に周期境界条件を与えるものが示される。殆ど無限に近いような大きな系をコンピュータで解析するのは計算時間が膨大となる。一方、小さな有限系では、計算時間の短縮化は可能であるが、系の境界の影響を無視することができない。そこで、小さな有限系の一方の境界は、その系の他方(反対側)の境界と連続しているものと考え、このようにして小さな有限系を用いることにより、擬似的に無限に大きな系を扱うことができるようにするものが周期境界条件である。
【0042】
例えば図12の下段に示すように、ゴム材モデル2の接地面CPから微小な解析領域として矩形領域の基本セルΔAを抽出する。そして、図13に2次元的に示すように、この基本セルΔAのまわりに該基本セルΔAを複写して作成した仮想のダミーセルVSを設定する。そして、基本セルΔAの各境界は、ダミーセルVSと繋がっており、解析領域である基本セルΔAの一方の境界f1から流体が流出すると、この流出した流体と同じ条件(同じ方向、同じ速度)で該基本セルΔAの他方の境界f2を通って基本セルΔAに流体が流入するように条件付けされる。このような周期境界条件に設定によって、非常に小さな解析対象であっても、境界の影響を減じ、大きな系を取り擬似的に扱うことができる。
【0043】
次に本発明のシミュレーションを行った結果の一例を示す。
実施例1、実施例2、従来例のシミュレーションステップの初期の時間増分などは表1のように設定した。そして、ゴム材モデル2を固定し流体に速度を与えてゴム材モデルが受ける流体からの反力を計算するシミュレーションを行った。流体の速度は0〜30km/Hまで徐々に上昇させた。
テストの結果などを表1、図14に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
テストの結果、実施例1、2は、計算時間を大幅に短縮化していることが確認できる。また図14の流体の反力においても、ほぼ従来例と同じ傾向を示しており、計算精度においても実用上耐えうるものであることが確認できる。
【0046】
上記実施形態ではゴム材モデル2を固定して流体を所定の速度で流す態様を例示したが、これとは逆に流体モデル3の流体を静止させておき、ゴム材モデル2を流体に押し付けたり、さらには所定の速度を与えてゴム材モデル2を移動させても良い。また上記実施形態では、ゴム材モデル2の接地面に凸部2Aだけを有するものを示したが、深さが1μm以上かつ1mm未満の微細な凹部でも良く、また双方を設けることもできる。また、上記実施形態ではゴム材モデル2と流体モデル3との各時間増分dtを理論時間増分dtよりも大としているが、流体モデル3の時間増分dtだけ大きくしても良く、好適には理論時間増分dtT が小さい方のモデルの時間増分を大きくするのが良い。
【0047】
【発明の効果】
上述したように、本発明のシミュレーション方法にあっては、ゴム材の表面に形成される1μm以上かつ1mm未満の微細な凹凸が流体に与える影響を解析でき、ひいてはタイヤなどの性能向上に役立つ。また時間増分dtを大きく設定しているため、ミクロンオーダの解析でも計算時間の膨大化を防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置の構成図である。
【図2】本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態のゴム材モデルの斜視図である。
【図4】その部分拡大図である。
【図5】その部分拡大平面図である。
【図6】流体モデルの一例を示す斜視図である。
【図7】(A)、(B)は、ゴム材モデルと流体モデルとの接触の一例を示す側面図である。
【図8】クーラン条件を説明する要素の斜視図である。
【図9】ゴム材モデルの変形計算の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】流体モデルの流動計算の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】流体の流れを可視化した水流図である。
【図12】周期境界条件を説明する斜視図である。
【図13】周期境界条件を説明する平面図である。
【図14】シミュレーションの結果を示す流速と流体の反力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ゴム材モデル
2A 凸部
3 流体モデル
Claims (4)
- 表面に1μm以上かつ1mm未満の微細な凸部及び/又は凹部を有するゴム材を数値解析が可能な要素でモデル化したゴム材モデルを設定するステップ、
数値解析が可能な要素を用いて流体をモデル化した流体モデルを設定するステップ、及び
前記ゴム材モデルと前記流体モデルとを接触させ少なくとも流体モデルの変形計算を時間増分dtで行うシミュレーションステップを含むとともに、
前記時間増分dtを、応力波伝達速度の理論値cT と最小の要素の長さLmin との比で得られる理論時間増分dtT (=Lmin /cT )よりも大としたことを特徴とするゴム材と流体とのシミュレーション方法。 - 前記流体モデルの応力波伝達速度に、理論値cT よりも小さい仮想応力波伝達速度cs を設定し、
この仮想応力波伝達速度cs に基づいて前記時間増分dt(=Lmin /cs )を計算することを特徴とする請求項1記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法。 - 前記時間増分dtと、前記理論時間増分dtT との比(dt/dtT )が1×102 〜1×108 であることを特徴とする請求項2記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法。
- 前記シミュレーションステップは、前記流体モデルから小さな解析領域を設定し、この解析領域に周期境界条件を与えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴム材と流体とのシミュレーション方法。
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