JP2004042197A - 作業台 - Google Patents
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Abstract
【課題】多くの種類のワークに対して使用可能で、汎用性に優れ、かつ簡単な操作でバリ取り作業等の作業を確実に行うことができ、作業性能及び安全性の向上を図ることが可能な作業台を提供する。
【解決手段】被加工物Wのバリ取り作業等を行うための作業台である。基台1と、基台1に対して略水平な回転軸2廻りに回動自在に支持された架台3と、架台3に設けられた被加工物Wの取付手段5と、基台1と架台3との間に架設された伸縮型の回転ブレーキ手段6とを有する。基台1と架台3との回転位置を止定する位置決め手段18を設ける。回転ブレーキ手段6は、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成り、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46は、回転軸2を間にして略V字状に配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】被加工物Wのバリ取り作業等を行うための作業台である。基台1と、基台1に対して略水平な回転軸2廻りに回動自在に支持された架台3と、架台3に設けられた被加工物Wの取付手段5と、基台1と架台3との間に架設された伸縮型の回転ブレーキ手段6とを有する。基台1と架台3との回転位置を止定する位置決め手段18を設ける。回転ブレーキ手段6は、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成り、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46は、回転軸2を間にして略V字状に配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、作業台に関し、特に被加工物のバリ取り作業等を行うための作業台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の機械加工品を製造する場合、機械加工後においては各製品(被加工物)にいわゆる「カエリ」や「バリ」が生じるので、被加工物のバリ取り作業等を行う必要があった。そして、バリ取り作業を行うバリ取り装置の従来例としては、例えば、特開平5−208353号公報に記載のものがある。
【0003】
このバリ取り装置は、ワーク取付台上においてワーク(被加工物)を位置決めピンを介して位置決めし、この状態でブラシ等を回転させてバリ取り作業を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、上記バリ取り装置は、特定のワークに対する専用機であって汎用性に乏しいものであった。そのため、従来から、多くの種類のワークに対して使用可能で、汎用性に優れ、しかもバリ取り操作等を簡単に行うことができるバリ取り装置が求められていた。
【0005】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、多くの種類のワークに対して使用可能で、汎用性に優れ、かつ簡単な操作でバリ取り作業等の作業を確実に行うことができ、作業性能及び安全性の向上を図ることが可能な作業台を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで請求項1の作業台は、被加工物Wのバリ取り作業等を行うための作業台であって、基台1と、この基台1に対して略水平な回転軸2廻りに回動自在に支持された架台3と、この架台3に設けられた被加工物の取付手段5と、上記基台1と架台3との間に架設された伸縮型の回転ブレーキ手段6とを有することを特徴としている。
【0007】
請求項1の作業台では、架台3に設けられた取付手段5にて被加工物Wを取付けることができ、しかも、この架台3は略水平な回転軸2廻りに回動自在として基台1に支持される。このため、被加工物Wを架台に取付けた状態において、この架台3を回動させることによって、被加工物Wの姿勢を変更(調整)することができ、作業能率の向上を図ることができる。さらに、種々の被加工物Wの種々の部位におけるバリ取り作業が可能となって、汎用性に優れ、しかも高精度にバリ取りを行うことができ、高品質の製品(機械加工品)を提供することができる。また、回転ブレーキ手段6にて、架台を回動(回転)にブレーキ力を付与することができて、回動速度を調整でき、安定した姿勢変更が可能となり、作業能率の向上を一層図ることが可能となる。
【0008】
請求項2の作業台は、上記基台1と架台3とを特定の相対回転位置で止定する位置決め手段18を設けたことを特徴としている。
【0009】
上記請求項2の作業台では、上記基台1と架台3とを特定の相対回転位置で止定する位置決め手段18を設けたので、被加工物 Wの姿勢を安定して維持することができ、安全にかつ確実にバリ取り作業を行うことができる。
【0010】
請求項3の作業台は、上記回転ブレーキ手段6は、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成り、上記一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46は、上記回転軸2を間にして略V字状に配置されていることを特徴としている。
【0011】
上記請求項3の作業台では、回転ブレーキ手段6は一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成るので、簡単な構造でしかも低コストにて回転ブレーキ手段6を構成することができると共に、上記架台3を安定して回転(回動)させることができる。また、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46が上記回転軸2を間にして略V字状に配置されているので、回転ブレーキ手段6として小スペース化を達成できる。これにより、作業台全体としてコンパクト化を図ることができ、設置スペース(設置面積)を小さくすることができると共に、作業者の作業性の向上を達成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の作業台の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの発明の作業台の正面図を示し、図2はその拡大側面図を示している。この作業台は、被加工物Wのバリ取り作業等を行うためのものであって、基台1と、この基台1に対して略水平な回転軸2廻りに回動自在に支持された架台3と、この架台3に設けられた被加工物Wの取付手段5と、上記基台1と架台3との間に架設された伸縮型の回転ブレーキ手段6とを有する。
【0013】
基台1は、床面7に載置固定される基板8と、この基板8から鉛直方向に立設される縦枠9とを備え、この縦枠9の上部に上記回転軸2が水平方向に沿って配設されている。縦枠9は、前面壁9aと、後面9bと、前後面壁9a、9bを連結するウェブ部9cとからなる。前後面壁9a、9bには、回転軸2が挿通される貫孔(図示省略)が設けられると共に、回転軸2を回転自在に支持する軸受部材10、11が付設されている。なお、縦枠9のウェブ部9cの上端には、図2に示すように、U字状の切欠部12が形成され、この切欠部12を介して回転軸2が縦枠9の前後面壁9a、9bに挿通される。
【0014】
架台3は、断面矩形状の中空枠体13と、この中空枠体13の下面13aの長手方向中央部から垂下される垂下部14と、中空枠体13の上面13bに付設されるガイドレール16とを備える。そして、垂下部14に上記回転軸2が挿入され、回転軸2の軸心廻りの回転(回動)にともなってこの架台3はこの軸心廻りに回転(回動)する。また、この架台3の回動は位置決め手段18(図1においてはその図示を省略している)にて規制される。
【0015】
位置決め手段18は、図2と図3に示すように、前面壁9a側に設けられ、周方向に沿って所定ピッチで配置される複数の割り出し孔19・・を有する割り出し部材20と、上記回転軸2と一体に回転する回転板21と、そのピン部23aが割り出し孔19に差し込まれる止定部材23とを備える。すなわち、割り出し部材20は、上記割り出し孔19・・が貫設された割り出し板25と、この割り出し板25を前面壁9aに取付ける一対の側板26、26とからなる。また、回転板21は割り出し部材20から突出した回転軸2の突出端部にその軸心部が固定される。この場合、回転板21に軸心孔を設け、この軸心孔に回転軸2の突出端部を嵌合させている。
【0016】
そして、止定部材23は、基部23bと、この基部23bから突設される上記ピン部23aとを有し、ピン部23aが回転板21に設けられた貫通孔27を介して割り出し孔19に差し込まれる。このため、割り出し孔19が設けられた割り出し板25は基台1に固定されているので、ピン部23aが割り出し孔19に差し込まれた状態では、回転板21と割り出し部材20とが一体状となり、回転軸2は回転することができず、上記基台1に対する架台3の回転位置を止定することができる。そして、架台3は差し込まれる割り出し孔19に対応した傾斜角度に維持されることになる。このため、この位置決め手段18にて、基台1と架台3とを特定の相対回転位置で止定することができる。なお、止定状態を解除するには、止定部材23のピン部23aを差し込まれている割り出し孔19から抜けばよい。
【0017】
次に、取付手段5は、図1と図2に示すように、回転センター30、31を有する一対の拘束体28、29を備え、回転センター30、31にて被加工物Wが挟持される。すなわち、一方の拘束体28は、架台3の一端側に取付けられ、上記回転センター30と、センター支持部32と、このセンター支持部32を架台3に固定する基板33とを備える。そして、センター支持部32の基部には調整用ハンドル34が設けられ、この調整用ハンドル34を回すことによって、回転センター30をその軸心方向に沿って移動させて、回転センター30の位置調整を行うことができる。なお、調整用ハンドル34は、円盤体34aと、この円盤体34aから突設される把持部34bとからなる。
【0018】
また、他方の拘束体29は、上記回転センター31と、センター支持部35と、そのガイド溝17が上記ガイドレール16に嵌合してこのガイドレール16に沿って架台3の長手方向にスライドするスライド体36と、このスライド体36に上記センター支持部35を取付けるための取付体37とを備える。さらに、スライド体36には、ガイド枠38が付設され、このガイド枠38には一対のガイドローラ39、39が付設されている。すなわち、ガイド枠38は、上壁38aと、前壁38bと、後壁38cとからなり、前壁38bと後壁38cとで架台3を挟むように、上壁38aがスライド体36に固着されている。そして、前後壁38b、38cの内面下端にガイドローラ39、39が取付けられる。このガイドローラ39、39が架台3の下面13aを転動する。
【0019】
このように、上記拘束体29は、ガイドレール16及びガイドローラ39、39にガイドされて矢印A方向に架台3の長手方向に沿ってスライドする。この際、調整用ハンドル40を操作することによって、図示省略のロック機構にてそのスライドが規制されてロック状態となったり、そのロック状態が解除されてスライド可能状態となったりする。
【0020】
次に、回転ブレーキ手段6は、図1と図2とに示すように一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成る。この場合、各ブレーキ部材45、46は、シリンダ本体45a、46aと、シリンダ本体45a、46aに対して伸縮するロッド45b、46bとを有するガススプリングから構成される。ここで、ガススプリングとは、密閉されたシリンダ内に高圧ガス(例えば、窒素ガス:不燃性)を封入し、このガスの反力をバネとして利用(使用)するものである。すなわち、ロッド45b、46bにその軸心方向の外力が作用することによって、封入された高圧ガス内でピストン52(図2参照)がシリンダ本体45a、46aの軸心方向に沿って摺動するものであって、このピストン52には、ロッド側の室と反ロッド側の室とを連通するオリフィス等の連通路が形成されている。このため、ガススプリングからなる各ブレーキ部材45、46は、そのロッド45b、46bにその軸心方向に沿ってシリンダ本体45a、46a側への荷重(押圧力)が作用した場合、ピストン52が基端側に押圧され、この反ロッド側の室のガスが連通路を介して次第にロッド側の室に入っていく。すなわち、この場合、その弾性力にてその荷重を受けつつロッド45b、46bがシリンダ本体45a、46aへ緩やかに侵入して行く。また、逆に、ロッド45b、46bにその軸心方向に沿って反シリンダ本体側への荷重(押圧力)が作用した場合、ピストン52が先端側に押圧され、このロッド側の室のガスが連通路を介して次第に反ロッド側の室に入っていく。すなわち、この場合、その弾性力にてその荷重を受けつつロッド45b、46bがシリンダ本体45a、46aから緩やかに突出して行く。
【0021】
一方のブレーキ部材45は、そのシリンダ本体45aの基端枢支部47が基台1の後面壁9bの下部の枢支用ブロック48に枢着され、ロッド45bの先端枢支部49が、上記回転軸2に付設される揺動アーム50の先端に枢着される。また、他方のブレーキ部材46は、そのシリンダ本体46aの基端枢支部51が、基台1の後面壁9bの下部の枢支用ブロック48に枢着され、ロッド46bの先端枢支部53が上記回転軸2に付設される揺動アーム54の先端に枢着される。
これによって、ブレーキ部材45、46が上記回転軸2を間にして略V字状に配置される。すなわち、正面視において、つまり図1において一方のブレーキ部材45のシリンダ本体45aの基端枢支部47が基台1のウェブ9cよりも左側に位置し、他方のブレーキ部材46のシリンダ本体46aの基端枢支部51が基台1のウェブ9cよりも右側に位置し、架台3が水平状態において、一方のブレーキ部材45のロッド45bの先端枢支部49がシリンダ本体46aの基端枢支部47よりも左側に位置し、他方のブレーキ部材46のロッド46bの先端枢支部53が基端枢支部51よりも右側に位置している。
【0022】
従って、この図1に示す状態から背面図である図4に示すように、架台3を矢印B方向に回動させれば、この回動にともなって、揺動アーム50、54が回転軸2の軸心廻りに揺動する。そのため、一方のブレーキ部材45のロッド45bが延びると共に、他方のブレーキ部材46のロッド46bが縮むことによって、架台3の回動を許容するが、この一対のブレーキ部材45、46にて架台3の回動に対して適度のブレーキ力を付与して、矢印B方向の回動の速度を調整することができる。また、逆に、背面図である図5に示すように、架台3を矢印C方向に回動させれば、この回動にともなって、揺動アーム50、54が回転軸2の軸心廻りに揺動する。そのため、一方のブレーキ部材45のロッド45bが縮むと共に、他方のブレーキ部材46のロッド46bが延びることによって、架台3の回動を許容する。この際も、この一対のブレーキ部材45、46にて架台3の回動に対して適度のブレーキ力を付与して、矢印C方向の回動の速度を調整することができる。なお、ブレーキ部材45、46のロッド45b、46bの伸縮量によって、架台3の傾斜角度α(図4参照)を調整することができ、架台3の回動範囲を調整することができる。このため、一方の拘束体28には調整用ハンドル34が設けられているので、図5に示すように、この調整用ハンドル34が床面7に接触しないように設定することができる。
【0023】
次に、上記のように構成された作業台を使用してバリ取り作業を行う方法を説明する。この際、被加工物(ワーク)Wとしては軸部材とし、まず、架台3を水平状態に維持する。この水平状態においても、位置決め手段18にて架台3の揺動(回動)を規制する。すなわち、止定部材23のピン23aを回転板21の貫通孔27を介して割り出し孔19に差し込んで回転板21、延いては回転軸2の回転を規制する。そして、他方の拘束体29を一方の拘束体28から離れる方向にスライドさせて、各拘束体28、29のセンター30、31間の寸法を被加工物Wの長さ寸法よりも大きくしておき、この状態で被加工物Wをセンター30、31間に介在させる。次に、他方の拘束体29を被加工物W側に移動させ、各センター30、31を被加工物Wの各端面のセンター孔に遊嵌状に装着して、この拘束体29をその位置でロックする。その後、一方の拘束体28の調整用ハンドル34を操作して、センター30を前進させて、各センター30、31を各センター孔に嵌合させて、このセンター30、31にて被加工物Wを挟持状に保持する。
【0024】
そしてこの状態、つまり図1のように、架台3を水平状態に維持したまま、この被加工物Wのカエリ取りやバリ取りを行う。その後、位置決め手段18による位置決め状態を解除して、バリ取り位置に応じて、架台3を回転軸2廻りに回動させる。この際、作業者が直接架台3に回動力を付与することになる。これによって、架台3を任意の角度に傾斜させることができ、被加工物Wの姿勢を調整することができる。そして、姿勢が決定すれば、位置決め手段18にて架台3を止定する。すなわち、止定部材23のピン23aを回転板21の貫通孔27を介して割り出し孔19に差し込んで止定する。次に、この姿勢が保持(維持)された状態で、被加工物Wのカエリ取りやバリ取りを行う。そして、バリ取り作業が終了すれば、架台3を水平状に戻して、この装置からこの被加工物Wを取り外せばよい。
【0025】
このように、上記作業台によれば、種々の長さの被加工物Wを装着してバリ取り作業等を行うことができる。しかも架台3を回動させることによって、被加工物Wの姿勢を変更することができ、作業し易い状態においてバリ取り作業等を行うことができる。すなわち、種々の被加工物Wの種々の部位におけるバリ取り作業が可能となって、汎用性に優れ、しかも高精度にバリ取りを行うことができ、高品質の製品(機械加工品)を提供することができる。さらに、被加工物Wが短寸であって重心位置が回転軸2に対してずれてアンバランスな回動となるおそれがあっても、回転ブレーキ手段6にて回動速度を調整することができてバランス良く架台3を回動させることができる。しかも、バリ取り作業中等においては、位置決め手段18にて架台3の位置が維持されて、被加工物Wの姿勢が作業しやすい状態に維持され、作業能率及び安全性の向上を図ることができる。また、回転ブレーキ手段6は、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成り、上記一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46は、上記回転軸2を間にして略V字状に配置されているので、回転ブレーキ手段6として小スペース化を達成できる。これにより、作業台全体としてコンパクト化を図ることができ、設置スペース(設置面積)を小さくすることができると共に、作業者の作業性の向上を達成できる。
【0026】
次に図6と図7は他の実施形態を示し、この場合、他方の拘束体29を矢印A方向にスライドさせるための往復動機構Kを備えている。この往復動機構Kは、架台3内に挿通されるねじ部材56と、このねじ部材56に螺合するナット部材57とを備える。すなわち、センター31のセンター支持部35を支持する取付体37が、横枠58と、この横枠58から立設される縦枠59とを有し、横枠58に上記ナット部材57が連設されている。また、架台3の上面13bには一対のガイドレール16、16が設けられ、このガイドレール16、16が取付体37のガイド溝17、17にスライド自在に嵌合している。
【0027】
そして、ねじ部材56は、その一端部が架台3の一端壁(この場合、一方の拘束体28の基板33)から突出し、その突出部に操作用ハンドル60が付設され、その他端部(図示省略)が架台3の他端壁に回転自在に支持されている。なお、操作用ハンドル60はその軸心部にねじ部材56が連結される円盤体61と、この円盤体61から突設される把持軸62とからなる。
【0028】
このため、操作用ハンドル60を操作、つまり把持軸62を握って、円盤体61をその軸心廻りに回転させれば、ナット部材57がねじ部材56に対して螺進退してこの他方の拘束体29が架台3の長手方向に沿って往復動する。なお、他の構成は、図1の作業台と同様であるので、同一部材を同一の符合を付してその説明を省略する。また、この図6と図7においては、回転ブレーキ手段の図示を省略しているが、もちろん図1等に示す回転ブレーキ手段6と同一のブレーキ手段が付設される。
【0029】
従って、この往復動機構Kを備えた作業台であっても、往復動機構Kを介して、他方の拘束体29を架台3の長手方向に沿って、矢印A方向にスライドさせることができ、種々の長さ寸法の被加工物Wを挟持することができる。しかも、被加工物Wの姿勢を変更することができ、作業し易い状態においてバリ取り作業等を行うことができる。さらに、被加工物Wが短寸であって重心が回転軸2に対してずれている場合にも、回転ブレーキ手段6にてバランス良く架台3を回動させることができる。しかも、バリ取り作業中等においては、位置決め手段18にて架台3の位置が維持され、作業性に優れる。作業台全体としてコンパクト化を図ることができ、設置スペース(設置面積)を小さくすることができると共に、作業者の作業性の向上を達成できる。さらに、被加工物Wをこの作業台にセットする(取付ける)場合、操作用ハンドル60を操作することによって、他方の拘束体29を移動させればよいので、簡単かつ確実にセットすることができる。
【0030】
以上にこの発明の作業台の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、被加工物Wとして軸部材以外の平板状体、角形状体等であってもよい。このため、取付手段5としてセンター30、31を使用したものに限るものではなく、拘束体28、29は、それぞれがチャック機構を備えたものであってもよく、一方がセンターを備え、他方がチャック機構を備えたものであってもよい。さらに、被加工物Wの大きさ(長さ)に合わせるために、上記実施形態では、拘束体29側をスライドさせていたが、両方の拘束体28、29をスライドさせて、被加工物Wの重心位置が回転軸2の上方位置に配置されるように構成してもよい。さらに回転ブレーキ手段6として、架台3の回動の際にブレーキ力を付与して、回動の速度を調整することができるものであれば、ガススプリング以外の円筒型ブレーキや流量制御型シリンダ等を使用してもよい。また、位置決め手段18として、割り出し孔19の数の増減は任意であり、割り出し孔19の数が少なければ止定可能な位置が少なくなり、割り出し孔19の数が多ければ止定可能な位置が多くなる。すなわち、架台3の固定位置(止定位置)として、図1、図4、及び図5に示すものに限らない。さらに、架台3として、上記回転軸2と直交する軸心廻りに回動が可能なもの(つまり、架台3が水平面内を回動するもの)等であってもよい。また、架台3を回動させる際には、回転軸2を回転(回動)させればよいので、この回転軸2に回転操作用のハンドルを設けてもよい。さらに、上記実施形態では、基台1としてI形鋼形状の縦枠9を使用したが、もちろんこれ以外の箱型断面等の種々の形状のものを使用することができる。なお、作業台としては、バリ取り作業以外の各種の作業(例えば、被加工物Wへの各種の加工作業や製品検査等)を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の作業台の実施形態を示す正面図である。
【図2】上記作業台の拡大側面図である
【図3】上記作業台の位置決め手段を示す拡大正面図である。
【図4】上記作業台の架台を回動させた状態の背面図である。
【図5】上記作業台の架台を回動させた他の状態の背面図である。
【図6】上記作業台の他の実施形態を示す要部正面図である。
【図7】上記作業台の他の実施形態を示す要部拡大一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 基台
2 回転軸
3 架台
5 取付手段
6 回転ブレーキ手段
18 位置決め手段
45 シリンダ型ブレーキ部材
46 シリンダ型ブレーキ部材
W 被加工物
【発明の属する技術分野】
この発明は、作業台に関し、特に被加工物のバリ取り作業等を行うための作業台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の機械加工品を製造する場合、機械加工後においては各製品(被加工物)にいわゆる「カエリ」や「バリ」が生じるので、被加工物のバリ取り作業等を行う必要があった。そして、バリ取り作業を行うバリ取り装置の従来例としては、例えば、特開平5−208353号公報に記載のものがある。
【0003】
このバリ取り装置は、ワーク取付台上においてワーク(被加工物)を位置決めピンを介して位置決めし、この状態でブラシ等を回転させてバリ取り作業を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、上記バリ取り装置は、特定のワークに対する専用機であって汎用性に乏しいものであった。そのため、従来から、多くの種類のワークに対して使用可能で、汎用性に優れ、しかもバリ取り操作等を簡単に行うことができるバリ取り装置が求められていた。
【0005】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、多くの種類のワークに対して使用可能で、汎用性に優れ、かつ簡単な操作でバリ取り作業等の作業を確実に行うことができ、作業性能及び安全性の向上を図ることが可能な作業台を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで請求項1の作業台は、被加工物Wのバリ取り作業等を行うための作業台であって、基台1と、この基台1に対して略水平な回転軸2廻りに回動自在に支持された架台3と、この架台3に設けられた被加工物の取付手段5と、上記基台1と架台3との間に架設された伸縮型の回転ブレーキ手段6とを有することを特徴としている。
【0007】
請求項1の作業台では、架台3に設けられた取付手段5にて被加工物Wを取付けることができ、しかも、この架台3は略水平な回転軸2廻りに回動自在として基台1に支持される。このため、被加工物Wを架台に取付けた状態において、この架台3を回動させることによって、被加工物Wの姿勢を変更(調整)することができ、作業能率の向上を図ることができる。さらに、種々の被加工物Wの種々の部位におけるバリ取り作業が可能となって、汎用性に優れ、しかも高精度にバリ取りを行うことができ、高品質の製品(機械加工品)を提供することができる。また、回転ブレーキ手段6にて、架台を回動(回転)にブレーキ力を付与することができて、回動速度を調整でき、安定した姿勢変更が可能となり、作業能率の向上を一層図ることが可能となる。
【0008】
請求項2の作業台は、上記基台1と架台3とを特定の相対回転位置で止定する位置決め手段18を設けたことを特徴としている。
【0009】
上記請求項2の作業台では、上記基台1と架台3とを特定の相対回転位置で止定する位置決め手段18を設けたので、被加工物 Wの姿勢を安定して維持することができ、安全にかつ確実にバリ取り作業を行うことができる。
【0010】
請求項3の作業台は、上記回転ブレーキ手段6は、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成り、上記一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46は、上記回転軸2を間にして略V字状に配置されていることを特徴としている。
【0011】
上記請求項3の作業台では、回転ブレーキ手段6は一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成るので、簡単な構造でしかも低コストにて回転ブレーキ手段6を構成することができると共に、上記架台3を安定して回転(回動)させることができる。また、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46が上記回転軸2を間にして略V字状に配置されているので、回転ブレーキ手段6として小スペース化を達成できる。これにより、作業台全体としてコンパクト化を図ることができ、設置スペース(設置面積)を小さくすることができると共に、作業者の作業性の向上を達成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の作業台の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの発明の作業台の正面図を示し、図2はその拡大側面図を示している。この作業台は、被加工物Wのバリ取り作業等を行うためのものであって、基台1と、この基台1に対して略水平な回転軸2廻りに回動自在に支持された架台3と、この架台3に設けられた被加工物Wの取付手段5と、上記基台1と架台3との間に架設された伸縮型の回転ブレーキ手段6とを有する。
【0013】
基台1は、床面7に載置固定される基板8と、この基板8から鉛直方向に立設される縦枠9とを備え、この縦枠9の上部に上記回転軸2が水平方向に沿って配設されている。縦枠9は、前面壁9aと、後面9bと、前後面壁9a、9bを連結するウェブ部9cとからなる。前後面壁9a、9bには、回転軸2が挿通される貫孔(図示省略)が設けられると共に、回転軸2を回転自在に支持する軸受部材10、11が付設されている。なお、縦枠9のウェブ部9cの上端には、図2に示すように、U字状の切欠部12が形成され、この切欠部12を介して回転軸2が縦枠9の前後面壁9a、9bに挿通される。
【0014】
架台3は、断面矩形状の中空枠体13と、この中空枠体13の下面13aの長手方向中央部から垂下される垂下部14と、中空枠体13の上面13bに付設されるガイドレール16とを備える。そして、垂下部14に上記回転軸2が挿入され、回転軸2の軸心廻りの回転(回動)にともなってこの架台3はこの軸心廻りに回転(回動)する。また、この架台3の回動は位置決め手段18(図1においてはその図示を省略している)にて規制される。
【0015】
位置決め手段18は、図2と図3に示すように、前面壁9a側に設けられ、周方向に沿って所定ピッチで配置される複数の割り出し孔19・・を有する割り出し部材20と、上記回転軸2と一体に回転する回転板21と、そのピン部23aが割り出し孔19に差し込まれる止定部材23とを備える。すなわち、割り出し部材20は、上記割り出し孔19・・が貫設された割り出し板25と、この割り出し板25を前面壁9aに取付ける一対の側板26、26とからなる。また、回転板21は割り出し部材20から突出した回転軸2の突出端部にその軸心部が固定される。この場合、回転板21に軸心孔を設け、この軸心孔に回転軸2の突出端部を嵌合させている。
【0016】
そして、止定部材23は、基部23bと、この基部23bから突設される上記ピン部23aとを有し、ピン部23aが回転板21に設けられた貫通孔27を介して割り出し孔19に差し込まれる。このため、割り出し孔19が設けられた割り出し板25は基台1に固定されているので、ピン部23aが割り出し孔19に差し込まれた状態では、回転板21と割り出し部材20とが一体状となり、回転軸2は回転することができず、上記基台1に対する架台3の回転位置を止定することができる。そして、架台3は差し込まれる割り出し孔19に対応した傾斜角度に維持されることになる。このため、この位置決め手段18にて、基台1と架台3とを特定の相対回転位置で止定することができる。なお、止定状態を解除するには、止定部材23のピン部23aを差し込まれている割り出し孔19から抜けばよい。
【0017】
次に、取付手段5は、図1と図2に示すように、回転センター30、31を有する一対の拘束体28、29を備え、回転センター30、31にて被加工物Wが挟持される。すなわち、一方の拘束体28は、架台3の一端側に取付けられ、上記回転センター30と、センター支持部32と、このセンター支持部32を架台3に固定する基板33とを備える。そして、センター支持部32の基部には調整用ハンドル34が設けられ、この調整用ハンドル34を回すことによって、回転センター30をその軸心方向に沿って移動させて、回転センター30の位置調整を行うことができる。なお、調整用ハンドル34は、円盤体34aと、この円盤体34aから突設される把持部34bとからなる。
【0018】
また、他方の拘束体29は、上記回転センター31と、センター支持部35と、そのガイド溝17が上記ガイドレール16に嵌合してこのガイドレール16に沿って架台3の長手方向にスライドするスライド体36と、このスライド体36に上記センター支持部35を取付けるための取付体37とを備える。さらに、スライド体36には、ガイド枠38が付設され、このガイド枠38には一対のガイドローラ39、39が付設されている。すなわち、ガイド枠38は、上壁38aと、前壁38bと、後壁38cとからなり、前壁38bと後壁38cとで架台3を挟むように、上壁38aがスライド体36に固着されている。そして、前後壁38b、38cの内面下端にガイドローラ39、39が取付けられる。このガイドローラ39、39が架台3の下面13aを転動する。
【0019】
このように、上記拘束体29は、ガイドレール16及びガイドローラ39、39にガイドされて矢印A方向に架台3の長手方向に沿ってスライドする。この際、調整用ハンドル40を操作することによって、図示省略のロック機構にてそのスライドが規制されてロック状態となったり、そのロック状態が解除されてスライド可能状態となったりする。
【0020】
次に、回転ブレーキ手段6は、図1と図2とに示すように一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成る。この場合、各ブレーキ部材45、46は、シリンダ本体45a、46aと、シリンダ本体45a、46aに対して伸縮するロッド45b、46bとを有するガススプリングから構成される。ここで、ガススプリングとは、密閉されたシリンダ内に高圧ガス(例えば、窒素ガス:不燃性)を封入し、このガスの反力をバネとして利用(使用)するものである。すなわち、ロッド45b、46bにその軸心方向の外力が作用することによって、封入された高圧ガス内でピストン52(図2参照)がシリンダ本体45a、46aの軸心方向に沿って摺動するものであって、このピストン52には、ロッド側の室と反ロッド側の室とを連通するオリフィス等の連通路が形成されている。このため、ガススプリングからなる各ブレーキ部材45、46は、そのロッド45b、46bにその軸心方向に沿ってシリンダ本体45a、46a側への荷重(押圧力)が作用した場合、ピストン52が基端側に押圧され、この反ロッド側の室のガスが連通路を介して次第にロッド側の室に入っていく。すなわち、この場合、その弾性力にてその荷重を受けつつロッド45b、46bがシリンダ本体45a、46aへ緩やかに侵入して行く。また、逆に、ロッド45b、46bにその軸心方向に沿って反シリンダ本体側への荷重(押圧力)が作用した場合、ピストン52が先端側に押圧され、このロッド側の室のガスが連通路を介して次第に反ロッド側の室に入っていく。すなわち、この場合、その弾性力にてその荷重を受けつつロッド45b、46bがシリンダ本体45a、46aから緩やかに突出して行く。
【0021】
一方のブレーキ部材45は、そのシリンダ本体45aの基端枢支部47が基台1の後面壁9bの下部の枢支用ブロック48に枢着され、ロッド45bの先端枢支部49が、上記回転軸2に付設される揺動アーム50の先端に枢着される。また、他方のブレーキ部材46は、そのシリンダ本体46aの基端枢支部51が、基台1の後面壁9bの下部の枢支用ブロック48に枢着され、ロッド46bの先端枢支部53が上記回転軸2に付設される揺動アーム54の先端に枢着される。
これによって、ブレーキ部材45、46が上記回転軸2を間にして略V字状に配置される。すなわち、正面視において、つまり図1において一方のブレーキ部材45のシリンダ本体45aの基端枢支部47が基台1のウェブ9cよりも左側に位置し、他方のブレーキ部材46のシリンダ本体46aの基端枢支部51が基台1のウェブ9cよりも右側に位置し、架台3が水平状態において、一方のブレーキ部材45のロッド45bの先端枢支部49がシリンダ本体46aの基端枢支部47よりも左側に位置し、他方のブレーキ部材46のロッド46bの先端枢支部53が基端枢支部51よりも右側に位置している。
【0022】
従って、この図1に示す状態から背面図である図4に示すように、架台3を矢印B方向に回動させれば、この回動にともなって、揺動アーム50、54が回転軸2の軸心廻りに揺動する。そのため、一方のブレーキ部材45のロッド45bが延びると共に、他方のブレーキ部材46のロッド46bが縮むことによって、架台3の回動を許容するが、この一対のブレーキ部材45、46にて架台3の回動に対して適度のブレーキ力を付与して、矢印B方向の回動の速度を調整することができる。また、逆に、背面図である図5に示すように、架台3を矢印C方向に回動させれば、この回動にともなって、揺動アーム50、54が回転軸2の軸心廻りに揺動する。そのため、一方のブレーキ部材45のロッド45bが縮むと共に、他方のブレーキ部材46のロッド46bが延びることによって、架台3の回動を許容する。この際も、この一対のブレーキ部材45、46にて架台3の回動に対して適度のブレーキ力を付与して、矢印C方向の回動の速度を調整することができる。なお、ブレーキ部材45、46のロッド45b、46bの伸縮量によって、架台3の傾斜角度α(図4参照)を調整することができ、架台3の回動範囲を調整することができる。このため、一方の拘束体28には調整用ハンドル34が設けられているので、図5に示すように、この調整用ハンドル34が床面7に接触しないように設定することができる。
【0023】
次に、上記のように構成された作業台を使用してバリ取り作業を行う方法を説明する。この際、被加工物(ワーク)Wとしては軸部材とし、まず、架台3を水平状態に維持する。この水平状態においても、位置決め手段18にて架台3の揺動(回動)を規制する。すなわち、止定部材23のピン23aを回転板21の貫通孔27を介して割り出し孔19に差し込んで回転板21、延いては回転軸2の回転を規制する。そして、他方の拘束体29を一方の拘束体28から離れる方向にスライドさせて、各拘束体28、29のセンター30、31間の寸法を被加工物Wの長さ寸法よりも大きくしておき、この状態で被加工物Wをセンター30、31間に介在させる。次に、他方の拘束体29を被加工物W側に移動させ、各センター30、31を被加工物Wの各端面のセンター孔に遊嵌状に装着して、この拘束体29をその位置でロックする。その後、一方の拘束体28の調整用ハンドル34を操作して、センター30を前進させて、各センター30、31を各センター孔に嵌合させて、このセンター30、31にて被加工物Wを挟持状に保持する。
【0024】
そしてこの状態、つまり図1のように、架台3を水平状態に維持したまま、この被加工物Wのカエリ取りやバリ取りを行う。その後、位置決め手段18による位置決め状態を解除して、バリ取り位置に応じて、架台3を回転軸2廻りに回動させる。この際、作業者が直接架台3に回動力を付与することになる。これによって、架台3を任意の角度に傾斜させることができ、被加工物Wの姿勢を調整することができる。そして、姿勢が決定すれば、位置決め手段18にて架台3を止定する。すなわち、止定部材23のピン23aを回転板21の貫通孔27を介して割り出し孔19に差し込んで止定する。次に、この姿勢が保持(維持)された状態で、被加工物Wのカエリ取りやバリ取りを行う。そして、バリ取り作業が終了すれば、架台3を水平状に戻して、この装置からこの被加工物Wを取り外せばよい。
【0025】
このように、上記作業台によれば、種々の長さの被加工物Wを装着してバリ取り作業等を行うことができる。しかも架台3を回動させることによって、被加工物Wの姿勢を変更することができ、作業し易い状態においてバリ取り作業等を行うことができる。すなわち、種々の被加工物Wの種々の部位におけるバリ取り作業が可能となって、汎用性に優れ、しかも高精度にバリ取りを行うことができ、高品質の製品(機械加工品)を提供することができる。さらに、被加工物Wが短寸であって重心位置が回転軸2に対してずれてアンバランスな回動となるおそれがあっても、回転ブレーキ手段6にて回動速度を調整することができてバランス良く架台3を回動させることができる。しかも、バリ取り作業中等においては、位置決め手段18にて架台3の位置が維持されて、被加工物Wの姿勢が作業しやすい状態に維持され、作業能率及び安全性の向上を図ることができる。また、回転ブレーキ手段6は、一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46から成り、上記一対のシリンダ型ブレーキ部材45、46は、上記回転軸2を間にして略V字状に配置されているので、回転ブレーキ手段6として小スペース化を達成できる。これにより、作業台全体としてコンパクト化を図ることができ、設置スペース(設置面積)を小さくすることができると共に、作業者の作業性の向上を達成できる。
【0026】
次に図6と図7は他の実施形態を示し、この場合、他方の拘束体29を矢印A方向にスライドさせるための往復動機構Kを備えている。この往復動機構Kは、架台3内に挿通されるねじ部材56と、このねじ部材56に螺合するナット部材57とを備える。すなわち、センター31のセンター支持部35を支持する取付体37が、横枠58と、この横枠58から立設される縦枠59とを有し、横枠58に上記ナット部材57が連設されている。また、架台3の上面13bには一対のガイドレール16、16が設けられ、このガイドレール16、16が取付体37のガイド溝17、17にスライド自在に嵌合している。
【0027】
そして、ねじ部材56は、その一端部が架台3の一端壁(この場合、一方の拘束体28の基板33)から突出し、その突出部に操作用ハンドル60が付設され、その他端部(図示省略)が架台3の他端壁に回転自在に支持されている。なお、操作用ハンドル60はその軸心部にねじ部材56が連結される円盤体61と、この円盤体61から突設される把持軸62とからなる。
【0028】
このため、操作用ハンドル60を操作、つまり把持軸62を握って、円盤体61をその軸心廻りに回転させれば、ナット部材57がねじ部材56に対して螺進退してこの他方の拘束体29が架台3の長手方向に沿って往復動する。なお、他の構成は、図1の作業台と同様であるので、同一部材を同一の符合を付してその説明を省略する。また、この図6と図7においては、回転ブレーキ手段の図示を省略しているが、もちろん図1等に示す回転ブレーキ手段6と同一のブレーキ手段が付設される。
【0029】
従って、この往復動機構Kを備えた作業台であっても、往復動機構Kを介して、他方の拘束体29を架台3の長手方向に沿って、矢印A方向にスライドさせることができ、種々の長さ寸法の被加工物Wを挟持することができる。しかも、被加工物Wの姿勢を変更することができ、作業し易い状態においてバリ取り作業等を行うことができる。さらに、被加工物Wが短寸であって重心が回転軸2に対してずれている場合にも、回転ブレーキ手段6にてバランス良く架台3を回動させることができる。しかも、バリ取り作業中等においては、位置決め手段18にて架台3の位置が維持され、作業性に優れる。作業台全体としてコンパクト化を図ることができ、設置スペース(設置面積)を小さくすることができると共に、作業者の作業性の向上を達成できる。さらに、被加工物Wをこの作業台にセットする(取付ける)場合、操作用ハンドル60を操作することによって、他方の拘束体29を移動させればよいので、簡単かつ確実にセットすることができる。
【0030】
以上にこの発明の作業台の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、被加工物Wとして軸部材以外の平板状体、角形状体等であってもよい。このため、取付手段5としてセンター30、31を使用したものに限るものではなく、拘束体28、29は、それぞれがチャック機構を備えたものであってもよく、一方がセンターを備え、他方がチャック機構を備えたものであってもよい。さらに、被加工物Wの大きさ(長さ)に合わせるために、上記実施形態では、拘束体29側をスライドさせていたが、両方の拘束体28、29をスライドさせて、被加工物Wの重心位置が回転軸2の上方位置に配置されるように構成してもよい。さらに回転ブレーキ手段6として、架台3の回動の際にブレーキ力を付与して、回動の速度を調整することができるものであれば、ガススプリング以外の円筒型ブレーキや流量制御型シリンダ等を使用してもよい。また、位置決め手段18として、割り出し孔19の数の増減は任意であり、割り出し孔19の数が少なければ止定可能な位置が少なくなり、割り出し孔19の数が多ければ止定可能な位置が多くなる。すなわち、架台3の固定位置(止定位置)として、図1、図4、及び図5に示すものに限らない。さらに、架台3として、上記回転軸2と直交する軸心廻りに回動が可能なもの(つまり、架台3が水平面内を回動するもの)等であってもよい。また、架台3を回動させる際には、回転軸2を回転(回動)させればよいので、この回転軸2に回転操作用のハンドルを設けてもよい。さらに、上記実施形態では、基台1としてI形鋼形状の縦枠9を使用したが、もちろんこれ以外の箱型断面等の種々の形状のものを使用することができる。なお、作業台としては、バリ取り作業以外の各種の作業(例えば、被加工物Wへの各種の加工作業や製品検査等)を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の作業台の実施形態を示す正面図である。
【図2】上記作業台の拡大側面図である
【図3】上記作業台の位置決め手段を示す拡大正面図である。
【図4】上記作業台の架台を回動させた状態の背面図である。
【図5】上記作業台の架台を回動させた他の状態の背面図である。
【図6】上記作業台の他の実施形態を示す要部正面図である。
【図7】上記作業台の他の実施形態を示す要部拡大一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 基台
2 回転軸
3 架台
5 取付手段
6 回転ブレーキ手段
18 位置決め手段
45 シリンダ型ブレーキ部材
46 シリンダ型ブレーキ部材
W 被加工物
Claims (3)
- 被加工物(W)のバリ取り作業等を行うための作業台であって、
基台(1)と、
この基台(1)に対して略水平な回転軸(2)廻りに回動自在に支持された架台(3)と、
この架台(3)に設けられた被加工物の取付手段(5)と、
上記基台(1)と架台(3)との間に架設された伸縮型の回転ブレーキ手段(6)とを有することを特徴とする作業台。 - 上記基台(1)と架台(3)とを特定の相対回転位置で止定する位置決め手段(18)を設けたことを特徴とする請求項1の作業台。
- 上記回転ブレーキ手段(6)は、一対のシリンダ型ブレーキ部材(45)(46)から成り、上記一対のシリンダ型ブレーキ部材(45)(46)は、上記回転軸(2)を間にして略V字状に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2の作業台。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203475A JP2004042197A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 作業台 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002203475A JP2004042197A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 作業台 |
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---|---|
JP2004042197A true JP2004042197A (ja) | 2004-02-12 |
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ID=31709331
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002203475A Pending JP2004042197A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 作業台 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004042197A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015030348A (ja) * | 2013-08-01 | 2015-02-16 | 三菱重工業株式会社 | 支持治具およびそれを用いた航空機の組立方法 |
CN109648337A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-04-19 | 东莞市中帆新材料科技有限公司 | 汽车刹车片加工装置 |
CN114683226A (zh) * | 2022-03-29 | 2022-07-01 | 苏州矽行半导体技术有限公司 | 一种盘刹机构及晶圆载台 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203475A patent/JP2004042197A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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