JP2004042025A - 電解イオン水の生成方法及びそのための装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解槽1は陽イオン交換膜3により陽極室5と陰極室7とに仕切られている。また、炭酸ナトリウムタンク15には緩衝作用のある塩類である炭酸ナトリウムの水溶液が貯留されており、この炭酸ナトリウム水溶液は循環ポンプ17により陽極室5に供給される一方で、オーバーフローした炭酸ナトリウム水溶液は、戻し配管19を通じて再び炭酸ナトリウムタンク15に戻される。陰極室7には、流量調整弁23を介して外部より原水が供給される。そして、供給された原水は、電気分解の後、アルカリイオン水として出口配管25より吐出される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電解イオン水の生成方法及びそのための装置に係わり、特に酸性水の生成の少ない電解イオン水の生成方法及びそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解イオン水生成装置の一つにアルカリイオン水生成器がある。このアルカリイオン水生成器は、昨今、飲用に限らず洗浄等のさまざまな用途に使用されている。アルカリイオン水生成器は、水道水等の原水を陽極室と陰極室に分岐して供給し、電気分解を実施している。
【0003】
そして、陽極室には酸性水が生成され、陰極室にはアルカリイオン水が副次的に生成される。一般的には、アルカリイオン水の生成を効率良く行うため、酸性水の生成水量がアルカリイオン水(pH8〜13)の生成水量に対し、1/2から1/5程度生成されるように設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のアルカリイオン水生成器では、生成された酸性水は、アストリンゼント効果等があり有効使用することも可能であるが、ほとんどの場合は排水として排出されている。
【0005】
このため、酸性水の排水を低減することがアルカリイオン水生成器の課題の一つとなっていた。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、酸性水の生成の少ない電解イオン水の生成方法及びそのための装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため本発明(請求項1)は、電解イオン水の生成方法であって、陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室と、該陽極室と前記陰極室とを仕切る陽イオン交換膜とを備えてなる電解イオン水生成装置の前記陽極室に緩衝作用のある塩類を添加して原水の電気分解を行うことを特徴とする。
【0007】
添加する塩類に緩衝作用のある塩類を使用すれば、発生したH+イオンが反応し、イオンのまま存在しづらくなる。
特に、隔膜として陽イオン交換膜を使用した場合には、H+イオンの陰極への移動は制限されやすい。このため、陰極水のpHには影響を与えない。
【0008】
また、本発明(請求項2)は、前記塩類が炭酸アルカリであることを特徴とする。
【0009】
緩衝作用のある塩類としては、炭酸塩が好ましく、特には炭酸アルカリが好ましい。
【0010】
更に、本発明(請求項3)は、前記塩類として炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水溶液で供給することを特徴とする。
【0011】
塩類として炭酸ナトリウムを用いた場合には、発生したH+は炭酸イオンと反応し、陰イオンである炭酸水素イオンとなる。陽イオン交換膜は、陰イオンを通さない。従って、陰極室側に陰イオンが移動することはなく、陰極水のpHには影響を与えない。また更にH+イオンが発生した場合でも、炭酸イオンは二酸化炭素として気中に放出される。このため、陰極水のpHには影響を与えない。従って、炭酸ナトリウムはその他の緩衝作用のある塩類に比べ、溶解度が高く、高濃度で使用できる。また、炭酸ナトリウムは入手しやすい等の利点もある。
一方、塩類として炭酸カリウムを用いた場合には水温による溶解度の変動が小さいため、生成過程の電解水の濃度が高い場合であっても、炭酸カリウムが結晶として析出しないよう運転条件を制御する必要がない。従って、このような制御を行わないで運転できるという利点がある。
【0012】
更に、本発明(請求項4)は、陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室と、陽極室と陰極室とを仕切る隔膜とを備えた電解イオン水生成装置であって、前記隔膜が陽イオン交換膜であり、緩衝作用のある塩類の水溶液を貯留する貯留槽と、該塩類の水溶液を陽極室に供給する手段を有することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明(請求項5)は、陽極室から排出される酸性水を、緩衝作用のある塩類の水溶液を貯留する貯留槽に戻す手段を有する。
【0014】
酸性水の流量が減少可能な結果、塩類循環型にて構成できる。
【0015】
更に、本発明(請求項6)は、陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室と、陽極室と陰極室とを仕切る隔膜とを備えた電解イオン水生成装置であって、前記隔膜が陽イオン交換膜であり、陽極室に緩衝作用のある塩類が貯留され、緩衝作用のある塩類を外部から陽極室に供給する手段を有しないことを特徴とする。
【0016】
酸性水の流量が減少可能な結果、塩類貯留型にて構成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の第1実施形態であるアルカリイオン水生成器10の構成図を図1に示す。アルカリイオン水生成器10は塩類循環型である。図1において、電解槽1は陽イオン交換膜3により陽極室5と陰極室7とに仕切られている。
【0018】
陽極室5には陽極板9が配設され、一方、陰極室7には陰極板11が配設されており、陽極板9と陰極板11とは直流電源13に接続されている。また、炭酸ナトリウムタンク15には塩類である炭酸ナトリウム水溶液が貯留されており、この炭酸ナトリウム水溶液は循環ポンプ17により陽極室5に供給される一方で、オーバーフローした炭酸ナトリウム水溶液は、戻し配管19を通じて再び炭酸ナトリウムタンク15に戻されるようになっている。炭酸ナトリウムタンク15の上部には、電気分解の際に発生する酸素ガスを外部に排気するためのガス抜き管21が配設されている。
【0019】
陰極室7には、流量調整弁23を介して外部より原水が供給されるようになっている。そして、供給された原水は、電気分解の後、アルカリイオン水として出口配管25より吐出されるようになっている。
【0020】
次に、本発明の第1実施形態の動作を説明する。
図1において、アルカリイオン水生成器の酸性水の流量を絞ると、アルカリイオン水のpHが上昇しづらくなる。
【0021】
アルカリイオン水のpHが上昇するメカニズムは以下の通りである。
▲1▼ 電解槽1に直流電流をかけると、陽極板9ではH+、陰極板11ではOH−が同量ずつ発生する。
▲2▼ ▲1▼により、陽極板9の近傍では陽イオン(H+)、陰極板11の近傍では陰イオン(OH−)のみが増加する。
▲3▼ 電気的なバランス(中性)をとるために、陽イオンと陰イオンとは等量でなければならない。このため、陽極板9の近傍には陰イオンが、陰極板11の近傍には陽イオンが移動し、電気的なバランスがとられる。
▲4▼ この際、陽イオンとしてH+、陰イオンとしてOH−が、それぞれ全量移動したとすれば、発生したH+、もしくはOH−は中和され、各電極近傍でもpH的な中性が保たれる。実際には、原水に含まれる陽イオン(Na+、Ca2+、Mg2+等)、もしくは陰イオン(Cl−、SO4 2−、HCO3 −等)が、優先的に移動する。このため、電極板近傍にそれぞれH+、OH−が残り、陽極水のpHが低下し、陰極水のpHが上昇する。
【0022】
よって、陽極液中に含まれるNa+、Ca2+、Mg2+等の陽イオンの絶対量が不足し、陽極で発生したH+イオンの陰極室7への移動が大きくなると、陰極で発生したOH−イオンは移動してきたH+イオンと反応し消費してしまい、陰極室7のpHが上昇しづらくなる。この点、適正な陽極室5の流量では、H+の代わりにNa+、Ca2+、Mg2+等の陽イオンが移動するため、この消費は制限されている。
【0023】
つまり、生成されるアルカリイオン水のpHに影響を与えるのは、原水の陽極流量そのものよりも、原水流量の減少により、付随して減少するNa+、Ca2+、Mg2+等、陽イオンの絶対量の減少であると考えられる。
【0024】
この問題を解決するための方法として、本発明においては、陽極室5に塩類を添加する。
陽極室5に塩類を添加すれば、塩類に含まれるNa+、Ca2+等の陽イオンがH+イオンの代わりに陰極室7に移動するため、H+イオンの陰極室7への移動を制限できる。
【0025】
このため、酸性水の流量を極端に減少させることができ、究極的には本実施形態のような循環型または後述するような貯留型としてもアルカリイオン水pHは維持できる。但し、かかる観点から、酸性水の流量を所定量流すことの可能な塩類流水型でも構成可能なことは勿論である。塩類流水型については後述する。
【0026】
また、上記のように陽極室5のみに塩類を添加し、陽極室5と陰極室7の塩類濃度が極端に異なる条件で電解を行う場合、隔膜として一般的な中性膜、もしくは多孔膜を使用すると、拡散もしくは水移動によって塩類が陰極側に移動し、多量の塩類が必要となってしまう。
【0027】
そこで、かかる拡散等を防ぐため、本発明においては、隔膜として、中性膜の代わりに陽イオン交換膜3を使用する。陽イオン交換膜3には、耐酸化性を有するものを用いることが望ましく、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるもの等のフッ素樹脂系のものを用いることが望ましい。
【0028】
また、陽イオン交換膜3は、耐酸化性膜と積層して用いることが望ましく、耐酸化性膜には、4弗化エチレン樹脂(PTFE)、ポリ弗化ビニリデン、三弗化エチレン等のフッ素樹脂からなる膜を用いることが望ましい。また、上記フッ素樹脂の中でもPTFEが耐酸化性等の面でより優れており望ましい。
【0029】
更に、これらの強度、ハンドリング等を勘案すると、陽イオン交換膜は、更に補強材と積層して用いることが望ましい。補強材としてはポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂からなる織布または不織布等を使用することが望ましい。イオン交換樹脂、耐酸化性膜、補強材は上記に限定されず他の素材も使用できる。
【0030】
なお、補強材の厚さは20〜200μmの範囲が好ましく、耐酸化性膜の厚さは10〜100μmの範囲が望ましく、陽イオン交換膜の厚さは2〜15μmの範囲であることが望ましい。
このように、陽イオン交換膜3を使用することにより、少ない電流量で所定のpHのアルカリイオン水を得ることができる。
【0031】
次に、塩類として、緩衝作用のない塩類を使用した場合について説明する。このような緩衝作用のない塩類を使用した場合には、発生した水素イオンがそのまま陽極液中に残存する。
硫酸ナトリウムを例にとると陽極室5の反応は、化1のようになる
【0032】
【化1】
2Na++SO4 2−+2H+→2Na++SO4 2−+2H+
【0033】
硫酸は大部分が解離するため、液中には水素イオンのまま残存する。
このため、循環していくと徐々に濃度が上昇していき、これが陰極室7に移動して水酸化物イオンを消費してしまい陰極液のpHが発現しづらくなる問題があった。
これに対し添加する塩類に酢酸塩等の緩衝作用のある塩類を使用すれば、発生したH+イオンが反応し、イオンのまま存在しづらくなる。
【0034】
特に、本発明においては、隔膜として陽イオン交換膜3を使用するため、(陽イオン交換膜3は陽イオンしか通さないため)、H+イオンの陰極室への移動は制限されやすい。酢酸ナトリウムを例にとると反応式は化2のようになる。
【0035】
【化2】
CH3COONa+H+→CH3COOH+Na+
【0036】
この反応式のように、発生したH+は酢酸イオンと反応し、酢酸となる。酢酸は陽イオンではないので、陽イオン交換膜3を通過できない。このため、陰極室で生成するアルカリイオン水のpHには影響を与えない。
また、塩類に炭酸ナトリウムを使用した場合の反応式は化3のようになる。
【0037】
【化3】
CO3 2−+H+→HCO3 −
【0038】
この反応式のように、発生したH+は炭酸イオンと反応し、陰イオンである炭酸水素イオンとなる。陽イオン交換膜3は、陰イオンを通さない。従って、陰極室7側に陰イオンが移動することはなく、陰極水のpHには影響を与えない。
また更にH+イオンが発生した場合でも、
【0039】
【化4】
HCO3 −+H+→H2O+CO2↑
という形になり、炭酸イオンは二酸化炭素として気相中に放出される。このため、陰極水のpHには影響を与えない。
【0040】
なお、炭酸ナトリウムはその他の緩衝作用のある塩類に比べ、溶解度が高く、高濃度で使用できる。このため、循環容量(または貯留容量)を低減できるという利点がある。また、炭酸ナトリウムは入手しやすい等の利点もある。
【0041】
その他、緩衝作用のある塩類としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0042】
なかでも緩衝作用のある塩類としては、炭酸塩が好ましく、特には炭酸アルカリが好ましい。しかし、炭酸ナトリウムは水温による溶解度の変動が比較的大きいため、使用する温度及び電解水の生成過程の濃度によっては、炭酸ナトリウムが結晶として析出しないよう運転条件を制御する必要がある。これに対し炭酸カリウムは水温による溶解度の変動が小さいため、生成過程の電解水の濃度が高い場合であっても、上記塩類として炭酸カリウムを用いた場合は、上記制御を行わないで運転できるという利点がある。
【0043】
なお、本発明において、塩類は水溶液で供給することが好ましい。この水溶液における塩類の濃度は、塩類の種類にもよるが、1〜10質量%であるのが好ましい。
【0044】
【実施例】
表1に示す通り、塩類が緩衝作用を持つか否か、及び隔膜として陽イオン交換膜を使用するか否かに従い4例を実施した。例2は実施例であり、例1、例3及び例4は比較例である。
【0045】
【表1】
【0046】
上記結果より得られた陰極水(アルカリイオン水)のpHの高い順に順位をつけると、▲1▼例2▲2▼例4▲3▼例1▲4▼例3という順位になる。即ち、陰極水のpHが一番発現しやすいのは、塩類として緩衝作用を持つ炭酸ナトリウムを使用し、膜として陽イオン交換膜を適用した場合である。
【0047】
例1は、例2と同じように膜として陽イオン交換膜を適用した場合であるが、例4よりも発現pHが低い結果となってしまっている。
この理由は以下のように考えられる。
陽極液の炭酸ナトリウム(塩類濃度10g/L)はpH11.5である。そして、この炭酸ナトリウムは以下の反応により加水分解して、アルカリ性となる。
【0048】
【化5】
Na2CO3+H2O→NaHCO3+Na++OH−
【0049】
例4の電解前陰極水のpHが若干高めなのは、炭酸ナトリウムの膜からの拡散が若干あるためと推測される。
また、例4の電解後陰極水のpHが例3(硫酸ナトリウムを使用した系)より高いのは、膜を経由して水移動等により陽極室5の炭酸ナトリウムが陰極室7に移動したことも原因の一つであると推測される。この推測の根拠として陽極室5の炭酸ナトリウム濃度が減少していることがあげられる。
【0050】
このまま電解を続けると早い段階で陽極室5の塩濃度が低下し、例3及び例4の陰極室7のpHが低下することが予想される。よって、長期間安定した水質を得るためには、中性膜を使用した例4の条件よりも、陽イオン交換膜を適用した例1の条件のほうが望ましいといえる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態であるアルカリイオン水生成器30の構成図を図2に示す。アルカリイオン水生成器30は塩類流水型である。なお、図1と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
【0052】
図2において、電解槽1は陽イオン交換膜3により陽極室5と陰極室7とに仕切られている。陽極室5には配管20が接続されており、この配管20に配設された流量調整弁22を介して外部より原水が供給されるようになっている。そして、供給された原水は、電気分解の後、酸性水として出口配管24より吐出されるようになっている。
【0053】
また、炭酸ナトリウムタンク15には塩類である炭酸ナトリウム水溶液が貯留されており、この炭酸ナトリウム水溶液は添加ポンプ16により配管20に供給され、原水に混入された後陽極室5に送られるようになっている。
【0054】
陰極室7には配管24が接続されており、この配管24に配設された流量調整弁23を介して外部より原水が供給されるようになっている。そして、供給された原水は、電気分解の後、アルカリイオン水として出口配管25より吐出されるようになっている。
【0055】
かかる構成において、陽極室5への炭酸ナトリウム水溶液の添加により、本発明の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本発明の第3実施形態であるアルカリイオン水生成器40の構成図を図3に示す。アルカリイオン水生成器40は塩類貯留型である。なお、図1と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
【0057】
図3において、電解槽1は陽イオン交換膜3により陽極室45と陰極室7とに仕切られている。但し、本発明の第1実施形態、第2実施形態の陽極室5と異なり、陽極室45の容量は炭酸ナトリウム水溶液の十分な貯留を可能とするため大きくなっている。
【0058】
このように、塩類貯留型であっても本発明の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、陽極室45の容積及び陽極液の濃度は次式より算出可能である。
【0059】
陽極室の容積(L)=電解電流(A)×360(秒/時間)×陽極液交換頻度(時間)×(陽イオン移動率/96500)×陽極液陽イオンの電気当量(当量/L)×陽極液交換時の陽イオン利用率
【0060】
但し、陽イオン移動率は、次式のように、陽極から陰極へ移動した全ての陽イオンの電気当量と、陽極から陰極へ移動した添加塩の陽イオン電気当量比率である。
【0061】
陽イオン移動率=陽極から陰極へ移動する陽イオンの電気当量/陽極から陰極へ移動した全ての陽イオンの電気当量
【0062】
また、陽極液交換時の陽イオン利用率は、次式のように、使用前の陽極液添加塩の陽イオン濃度と、陽極液交換時の陽イオン濃度の電気当量比である。
【0063】
陽極液交換時の陽イオン利用率=陽極液交換時の添加塩の陽イオンの電気当量/電解開始時の添加塩の陽イオンの電気当量
【0064】
ここに、たとえば、60g/LのNa2CO3を使用し、電解電流10Aで電解を行うとする。陽極液交換時の陽イオン利用率を0.8、陽極液交換頻度100時間、とした場合の陽極室45の容積は、陽極液陽イオンの電気当量が60/(23×2+12+16×3)×2=1.1当量/L、この濃度での陽イオン移動率は、ほぼ1であるので、陽極室容積(L)=10(A)×360(秒/時間)×100(時間)×1/ (96500×1.1(eq/L)×0.8)で算出でき、結果は約4.2Lとなる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、陽極室と陰極室との間に陽イオン交換膜を配設したので、陽極室で生成した反応物や陰イオンは陰極室に移動できない。このため、アルカリイオン水のpHを高く維持できる。
【0066】
また、陽極室に塩類を添加するよう構成したので、塩類に含まれる陽イオンがH+イオンの代わりに陰極室に移動し、H+イオンの陰極室への移動を制限できる。このため、酸性水の流量を極端に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるアルカリイオン水生成器の構成図
【図2】本発明の第2実施形態であるアルカリイオン水生成器の構成図
【図3】本発明の第3実施形態であるアルカリイオン水生成器の構成図
【符号の説明】
1 電解槽
3 陽イオン交換膜
5、45 陽極室
7 陰極室
9 陽極板
10、30、40 アルカリイオン水生成器
11 陰極板
13 直流電源
15 炭酸ナトリウムタンク
16 添加ポンプ
17 循環ポンプ
19、20、24 配管
22、23 流量調整弁
24、25 出口配管
Claims (6)
- 陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室と、該陽極室と前記陰極室とを仕切る陽イオン交換膜とを備えてなる電解イオン水生成装置の前記陽極室に緩衝作用のある塩類を添加して原水の電気分解を行うことを特徴とする電解イオン水の生成方法。
- 前記塩類が炭酸アルカリである請求項1記載の電解イオン水の生成方法。
- 前記塩類として炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水溶液で供給することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電解イオン水の生成方法。
- 陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室と、陽極室と陰極室とを仕切る隔膜とを備えた電解イオン水生成装置であって、前記隔膜が陽イオン交換膜であり、緩衝作用のある塩類の水溶液を貯留する貯留槽と、該塩類の水溶液を陽極室に供給する手段を有することを特徴とする電解イオン水生成装置。
- 陽極室から排出される酸性水を、緩衝作用のある塩類の水溶液を貯留する貯留槽に戻す手段を有する請求項4記載の電解イオン水生成装置。
- 陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室と、陽極室と陰極室とを仕切る隔膜とを備えた電解イオン水生成装置であって、前記隔膜が陽イオン交換膜であり、陽極室に緩衝作用のある塩類が貯留され、緩衝作用のある塩類を外部から陽極室に供給する手段を有しないことを特徴とする電解イオン水生成装置。
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