JP2004041325A - 電気かみそりの外刃及び電気かみそり - Google Patents

電気かみそりの外刃及び電気かみそり Download PDF

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Abstract

【課題】肌にそって滑らかに移動させることが可能な電気かみそりの外刃及び電気かみそりを提供する。
【解決手段】多数の髭導入孔が穿孔された金属薄板が湾曲形状に形成された湾曲部34の内面に内刃が摺接する往復動式の電気かみそりの外刃12において、湾曲部34に囲まれて形成された空間部の両端側を覆って、切断髭が外部に排出されることを防止する遮蔽部36が、金属薄板により湾曲部34と一体に形成されている。
【選択図】     図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気かみそりの外刃及び電気かみそりに関する。
【0002】
【従来の技術】
往復動式の電気かみそりは、電気かみそりの本体ケースに内蔵された駆動機構により本体ケースの上方で往復動する内刃と、内刃を覆うように電気かみそりの支持枠体に取り付けられた外刃とが摺接することにより髭等を切断する装置である。この電気かみそりは、外刃を肌に直接当てて使用するものであるため、従来から外刃の肌当たりを良くする改良が種々なされている。
【0003】
図8は、往復動式の電気かみそりの従来の外刃の構成を示す斜視図である。図示するように、従来の外刃100は、略全面に髭導入孔(図示しない)が設けられた略矩形状の金属薄板から成る。そして、この金属薄板は、断面が略逆U字状となるように曲げられ、電気かみそりの本体ケースの上端に設けられた支持枠体に取り付けられる。従来の外刃100を支持枠体に取り付けた状態を図9に示す。
【0004】
図9に示すように、従来の往復動式の電気かみそり102においての外刃100は、外刃100の湾曲した端部により形成される開口部100a(図8参照)を塞ぐように支持枠体104に装着されている。すなわち、側面形状において、支持枠体104が外刃の開口部100aよりも大きく形成されている。これにより、外刃100の端部で肌を傷つけないようにガードすることができ、且つ外刃の開口部100aから切断髭がこぼれることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電気かみそり102の外刃の頂部100bを肌に当て、肌に沿って移動させて髭を剃る際に、外刃の肌当たりが悪いという場合があった。すなわち、外刃は、側面形状が外刃の開口部100aよりも大きく形成された支持枠体104に装着されていることから、外刃100を肌に沿って移動させると、外刃の頂部100bよりも上方に位置する支持枠体の頂部104aが肌に当たってしまい、外刃100を肌に沿って滑らかに移動させることが困難であった。
【0006】
また、電気かみそりの外刃は、フォイル状の金属薄板を湾曲させて形成された端部の開口を支持枠体により覆って使用するものが主流であり、外刃の性能の向上と共に斬新なデザインに設計することが行われてこなかった。
【0007】
そこで、本発明は、これらの課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の外刃形状とは異なる形状に成形し、肌にそって滑らかに移動させることが可能な往復動式の電気かみそりの外刃及びそれを用いた往復動式の電気かみそりを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
多数の髭導入孔が穿孔された金属薄板が湾曲形状に形成された湾曲部の内面に内刃が摺接する往復動式の電気かみそりの外刃において、前記湾曲部に囲まれて形成された空間部の両端側を覆って、切断髭が外部に排出されることを防止する遮蔽部が、前記金属薄板により湾曲部と一体に形成されていることを特徴とする。なお、ここでいう遮蔽部は、湾曲部に囲まれて形成された空間部の両端側を完全に密封したものだけでなく、切断髭がこぼれない程度に孔が設けられたものであってもよい。
【0009】
また、前記湾曲部との境界部を含む遮蔽部の少なくとも一部分の板厚が、前記湾曲部の板厚よりも厚く形成されていることを特徴とする。なお、本発明でいう境界部は、湾曲部と遮蔽部との境目の線状のみを示すのではなく、湾曲部と遮蔽部との境目で曲面形状に形成された所定幅のエリアのことを示しているものである。これにより、外刃が変形しにくい。
また、湾曲部と遮蔽部との境界部に孔が設けられていることを特徴とする。これにより、曲げ加工により外刃を形成する際、曲げを容易に行なうことができる。
また、前記往復動式の電気かみそりの外刃と、前記外刃を脱着可能に支持する支持枠体と、前記外刃の内面に摺接して往復動する内刃と、前記内刃を往復動させる駆動手段が内蔵され、上端に前記支持枠体が取り付けられている本体ケースとで構成されていることを特徴とする。
また、前記外刃の湾曲面の頂部が、前記支持枠体の頂部より上方に位置するように支持されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面とともに詳細に説明する。
先ず、本実施形態の往復動式の電気かみそりの全体構成についてその概要を図1を用いて説明する。
往復動式の電気かみそり10は、金属薄板に多数の髭導入孔が穿孔された外刃12と、この外刃12を湾曲状に支持する支持枠体14と、外刃12の内面に往復動して摺接する内刃16と、電池18や電動モータ20等が内蔵され、表面にオン・オフスイッチ22が取り付けられた本体ケース24と、電動モータ20の出力軸26に連結し、電動モータ20の回転運動を往復運動に変換して内刃16に伝達する駆動機構28とから構成されている。
【0011】
上記駆動機構28の構成について図2により説明する。本実施形態の駆動機構28は、振動子50と、振動子50の上面に設けられ、内刃16が連結される連結部材52と、振動子50の下面に設けられたシャフト54と電動モータ20の出力軸26に取り付けられた偏心ピン56とを連結するリンク材58とで構成され、出力軸26の回転運動をリンク材58を介して振動子50の往復直線運動に変換している。なお、本発明に係る往復動式の電気かみそりにおいては、駆動機構を上記構成に限定するものではなく、往復動させる機構を備えていればどのような構成であってもよい。
【0012】
次に、本発明の特徴点である外刃12の詳細な構成について図3及び図4を用いて説明する。
図3は本発明に係る外刃の一実施形態の構成を示す斜視図である。本実施形態の外刃12は、多数の髭導入孔が穿孔された金属薄板を湾曲形状に形成した湾曲部34と、湾曲部34に囲まれて形成された空間部の両端側に設けられ、切断髭が外部に排出されることを防止する遮蔽部36とで構成されている。
【0013】
図3に示す外刃12の湾曲部34は、ニッケル、ステンレス等の略矩形状の金属薄板が断面逆U字状となるように形成されたものである。この外刃12の湾曲部34には、髭等が好適に導入される程度の大きさに形成された髭導入孔(図示しない)が略全面にわたって設けられている。そして、各髭導入孔どうしを仕切るリブには刃面が形成されている。
【0014】
湾曲部34に囲まれて形成された空間部の両端側には、この空間部の両端側を塞ぐ遮蔽部36が設けられている。本実施形態においては、遮蔽部36は略半円形状に形成されている。そして、この遮蔽部36と上記湾曲部34とは、平板状の金属薄板を押し出して成形する絞り加工により一体に形成されており、一体に形成された外刃12の湾曲部34と遮蔽部36との境界部37は、曲面状に設けられている。
【0015】
本実施形態の外刃12を往復動式の電気かみそりに取り付けた際の状態図を図4に示す。
図4(a)に示すように、外刃12は、本体ケース24の上端に取り付けられた支持枠対14に、外刃12の遮断部36が支持枠体14の内壁面に当接するように装着されている。この支持枠体14に装着された外刃12は、側面形状において、支持枠体14の周端よりも外方に外刃12の外面が位置するように支持されている。なお、この支持枠体14への外刃12の取り付けは、図4(b)に示すように、外刃12の湾曲部34の下端部に設けられた樹脂等から成る係止部材40を、支持枠体14の内側に設けられた受け部材(図示しない)に係合させることによって行っている。
【0016】
このように外刃12を側面形状において支持枠体14よりも外方に位置するように設けられるのは、外刃12に遮蔽部36を設けたことによるものであり、これによって切断髭がこぼれる心配がない。また、湾曲部34と遮蔽部36との境界部37を曲面形状に形成していることから、境界部37が剥き出しになっても肌を傷つける心配はない。そして、これにより外刃12を肌に沿って移動させた際においても、支持枠体14が肌に当たることがなくスムーズに動かすことができる。
なお、本発明に係る往復動式の電気かみそりにおいては、少なくとも外刃12の頂部13が支持枠体14の頂部14aよりも上方に位置するように取り付けられていれば本発明の効果を奏するものである。
【0017】
本発明の外刃は、図4(a)に示すような設置方法に限定されるものではなく、図5に示すように、外刃12が支持枠体14を覆うように取り付けることも可能である。この場合、外刃の遮蔽部36が支持枠体14の外壁面を覆う曲面形状に形成され、外刃12を支持枠体14に被せるように設置されている。そして、この外刃12と支持枠体14とは、支持枠体14の外壁面に設けられた突起42と、外刃12の孔(図示しない)とを嵌め合わせて取り付けを行っている。しかし、取り付け方法はこれに限定されるものではなく、外刃12が支持枠体14に好適に取り付けられるのであればどのような方法であってもよい。
そして、本発明においては、このように外刃12を支持枠体14を覆うように取り付けることが可能であることから、従来とは異なるデザインの電気かみそりをつくることが可能となる。
【0018】
なお、本発明の外刃12は、湾曲部34との境界部37を含む遮蔽部36の少なくとも一部分の板厚が、湾曲部34の板厚よりも厚く形成されていることが望ましい。
例えば、境界部37を含む遮蔽部36の全体の板厚を厚くし、肌に当てた際にかかる力により外刃が変形するのを防ぐことができる。また、境界部37のみの板厚を厚く設けることでもよい。このように、外刃12の境界部37を含む遮蔽部36を補強することにより、外刃12の変形を防ぐことができる。なお、補強する他の手段としては、遮蔽部36の内側に補強部材を取り付けることも可能である。
【0019】
本発明の外刃は、図3に示す形状に限定されるものではなく、図6に示すような形状に形成された外刃であってもよい。
例えば、図6(a)に示すように、湾曲部34aの長手方向の両端側に形成される開口部に、開口部の上半部を覆う形状の遮蔽部36aを湾曲部34aと一体に形成した外刃12aであってもよい。また、図6(b)に示すように、遮蔽部36bを、湾曲部34bの湾曲した端辺に沿って略逆U字状に形成した外刃12bであってもよい。
更には、図6(c)に示すように、断面略逆U字状に設けられた湾曲部34cの湾曲した端部を傾斜した状態に切り欠き、この切り欠いた端部で形成される空間に遮蔽部36cを設けた外刃12cを形成してもよい。また、図6(d)に示すように、湾曲部34dを長手方向に湾曲させ、両端部に遮蔽部36dを設けた外刃12dとしてもよい。これにより、従来使用されている往復動式電気かみそりの形状に限定されない斬新な形状の電気かみそりをつくることが可能となる。
【0020】
また、図7に示す外刃12eにおいては、湾曲部34eと遮蔽部36eとの境界部37eに、湾曲部34eと遮蔽部36eとの連結方向を長手とする長孔38が複数設けられている。この長孔38は、髭が導入されない大きさに形成され、境界部37eに沿って一列に並べられて設けられている。これにより、外刃12eを曲げ加工によって形成する際、境界部37eに沿って曲げやすくすることができる。また、外刃の見掛けを良くすることもできる。
なお、外刃の境界部に設ける孔は、上記の長孔に限定されるものではなく、例えば点孔であってもよい。また、孔の配置位置や数においても限定するものではなく、列に配置されていなくてもよいし、また孔の数が単数であってもよい。
【0021】
本発明の外刃の製造方法においても、上述した絞り加工や曲げ加工に限定するものではない。例えば、母型の表面にニッケルめっき等の厚めっきを行い、この厚めっきを母型から剥離し成形する電鋳加工によって製造することも可能である。この電鋳加工において外刃を形成することによって、強固で、薄く精度のよい外刃を形成することができる。
さらに、本実施形態においては、遮蔽部36を曲面形状に設けているが、本発明の遮蔽部においてはこれに限定されず、例えば、平面状等に設けることも可能である。また、湾曲部34においても、断面略逆U字状に限定するものではなく、例えば、略コ字状であってもよい。また、外刃に設けられる髭導入孔の形状においては、好適に使用できるものであればどのようなものでもよい。
【0022】
なお、本発明の外刃を取り付けた本発明の往復動式の電気かみそりは、上述した形状に限定されるものではなく、例えば、外刃が支持枠体に回動可能に軸止されて取り付けられた、いわゆる首振りの電気かみそりであってもよい。また、外刃の頂辺が略平行となるように並べた2連式の電気かみそりに本発明の外刃を用いていもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明による電気かみそりの外刃によれば、上述したように、湾曲部に囲まれて形成される空間部の両端側に遮蔽部を設けることによって、側面形状において外刃の外面が支持枠体の周端よりも外方に位置するように取り付けることができることから、外刃を肌に沿わせて移動させた際に外刃の外面のみが肌に当たり、電気かみそりを滑らかに移動させることができる。
また、側面形状において外刃の外面が支持枠体よりも外方に位置して取り付けられても、遮蔽部により切断髭が外部に排出されることを防止でき、好適に電気かみそりを使用することができる等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る往復動式の電気かみそりの一実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す往復動式の電気かみそりの部分構造を示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明に係る往復動式の電気かみそりの外刃の一実施形態の構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示す往復動式の電気かみそりの外刃を支持枠体に取り付けた状態を示す部分図及び取り付けの際の外刃の構成を示す斜視図である。
【図5】図3に示す往復動式の電気かみそりの外刃を支持枠体に取り付けた状態の別の実施形態を示す部分図である。
【図6】本発明にかかる往復動式の電気かみそりの外刃の他の実施形態の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明にかかる往復動式の電気かみそりの外刃の他の実施形態の構成を示す斜視図である。
【図8】従来の往復動式の電気かみそりの外刃を示す斜視図である。
【図9】図8に示す往復動式の電気かみそりの外刃を支持枠体に取り付けた状態を示す部分図である。
【符号の説明】
10 往復動式の電気かみそり
12 外刃
14 支持枠体
16 内刃
24 本体ケース
34 湾曲部
36 遮蔽部
37 境界部

Claims (5)

  1. 多数の髭導入孔が穿孔された金属薄板が湾曲形状に形成された湾曲部の内面に内刃が摺接する往復動式の電気かみそりの外刃において、
    前記湾曲部に囲まれて形成された空間部の両端側を覆って、切断髭が外部に排出されることを防止する遮蔽部が、前記金属薄板により湾曲部と一体に形成されていることを特徴とする電気かみそりの外刃。
  2. 前記湾曲部との境界部を含む遮蔽部の少なくとも一部分の板厚が、前記湾曲部の板厚よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気かみそりの外刃。
  3. 湾曲部と遮蔽部との境界部に孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気かみそりの外刃。
  4. 請求項1、2又は3記載の電気かみそりの外刃と、
    前記外刃を脱着可能に支持する支持枠体と、
    前記外刃の内面に摺接して往復動する内刃と、
    前記内刃を往復動させる駆動手段が内蔵され、上端に前記支持枠体が取り付けられている本体ケースとで構成される電気かみそり。
  5. 前記外刃の湾曲面の頂部が、前記支持枠体の頂部より上方に位置するように支持されていることを特徴とする請求項4記載の電気かみそり。
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