JP2004039956A - プリント回路板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な方法で、従来のものと同等の特性を有し、より細線化された回路を有するプリント回路板を提供する。
【解決手段】本発明は、電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするプリント回路板の製造方法であり、インクジェットプリンターを用いて電気配線回路を印刷した後、50〜200℃に加熱することが好ましい。また、前記導電性微粒子が、微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子であり、この導電性微粒子の平均粒径が0.05〜50μmであることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明は、電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするプリント回路板の製造方法であり、インクジェットプリンターを用いて電気配線回路を印刷した後、50〜200℃に加熱することが好ましい。また、前記導電性微粒子が、微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子であり、この導電性微粒子の平均粒径が0.05〜50μmであることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント回路板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
部品実装のための穴あけ工程の前までのプリント回路板の製造方法は、▲1▼プリント回路用基板として銅張積層板の作製、▲2▼フォトマスクの作成、▲3▼レジストの塗布、▲4▼パターン焼付け・現像、▲5▼エッチングという非常に長い複雑な工程で製造される。ここで前記▲1▼〜▲5▼の工程は、実際の作業においては、それぞれいくつかの操作からなる。この方法は、現在のプリント回路基板の製造方法の基本的な流れであり、プリント回路基板が開発されて以来、殆ど変化していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のプリント回路板の製造方法を基本的に変更するもので、代表的なものとして以下 の項目の課題を解決しようとするものである。
(1)銅箔を用いない基板を使用するので、回路基板(積層板)を製造する際の工程を短縮することができる。
(2)回路として残す部分以外の無駄な銅が生じない。
(3)エッチングの際に発生する大量の廃液を無くする。
(4)インクジェットプリンターの仕様に応じた自由自在なパターン形状の回路板を製造する。
(5)工程数及び所要時間を大幅に削減する。即ち配線設計図が出来れば直ちに回路印刷を行うことができる。
(6)従来法は大量・少品種生産には適しているが、少量・多品種生産には不向きである。本発明の方法は複雑な工程が必要としないため、大量・少品種生産はもちろん少数・多品種にも対応できる。 (7)製造コストを大幅に低減できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明(1)〜(6)により達成できる。
(1)電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするプリント回路板の製造方法。
(2)前記(1)において、インクジェットプリンターを用いて電気配線回路を印刷した後、50〜200℃に加熱することを特徴とするプリント回路板の製造方法。
(3)導電性微粒子が、微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子である前記(1)又は(2)に記載のプリント回路板の製造方法。
(4)導電性微粒子の平均粒径が0.05〜50μmである前記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
(5)導電性微粒子を含有するインクが、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれた1種以上を含有するものである前記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
(6)印刷される電気配線回路の幅が10〜100μmである前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプリント回路板の製造方法について説明する。
本発明のプリント回路板の製造方法は、電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするものである。これにより、上述した種々の課題を解決することができる。
本発明において、基板への接着特性や回路の特性を向上させるために、基板やインクの種類によっては、インクジェットプリンターで回路を印刷した後、加熱工程を必要とする。この場合、加熱温度は50〜200℃が好ましい。この温度範囲であると、基板特性を損なうことなく、回路インクと基板との接着性を向上させることができる。これより低温では長い加熱時間を要し、これより高温では基板特性を損なう場合がある。
【0006】
次に、導電性微粒子を含有するインクについて説明する。
インクに含有される導電性微粒子は、導電性の金属単体、金属酸化物、あるいは、これらのものと樹脂等との複合物など、導電性を有するものであれば、特に限定されない。
本発明において好ましい実施形態の一つが、核となる微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子を使用することにある。この微粒子は、無数の針状突起が互いに絡み合うことにより粒子間においても良好な電気伝導性を有する。本発明は、かかる複合微粒子を含有するインクで有機基板上に直接回路を印刷することによりプリント回路板を作製するものである。
【0007】
このような複合微粒子は、例えば、以下のようにして作製することができる。即ち、核となる微小球状樹脂を得るための反応原料としての2種以上の物質の溶液と金属含有液とを、必要により加熱しつつ、攪拌混合することにより得ることができる。具体例を挙げると、無水テトラカルボン酸と芳香族ジアミンの各溶液と第2鉄塩水溶液とを、常温下で、超音波振動を与えながら混合することにより、核がポリアミド酸であり、表面に鉄を含有する無数の針状突起を有する複合微粒子が得られる。さらに、これを加熱処理することにより、核であるポリアミド酸がポリイミドに変化する。
【0008】
前記導電性微粒子の核となる樹脂は、特に限定されず、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等がある。突起成分である金属あるいは金属化合物は導電性の高いものが好ましい。銀、銅、金、アルミニウム、鉄、ニッケル、イリジウム、タングステン等の金属およびその酸化物などの化合物が好ましいものであるが、これらに限定されるものではない。
【0009】
本発明において、導電性微粒子の粒径は、インクジェットプリンターのノズル径以下であればよく、印刷後の導電特性や回路幅などを考慮して最適な粒径を選択すればよい。従って粒径は特に限定するものではないが、好ましくは平均粒径が0.05〜50μmである。かかる範囲内であると、回路幅100μm以下の細線の回路も精度よく作成することができる。0.05μm未満のものは、導電性微粒子の作製が困難であり、50μmを越える場合は、本発明の目的の一つである細線回路の作成が容易でなくなる。
【0010】
インクジェット方式に使用されるインクは大別すると3種類ある。水性インク、油性インク及びソリッドインクであり、いずれのタイプも使用できるが、メディア(被印刷物、即ち基板)に十分密着または接着するものでなければならない。インクに含有される結合剤としては、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などが好ましく使用されるが、メディアの種類に応じたインクの種類・配合を選択する必要がある。従って、フェノール樹脂基板に対してはフェノール樹脂を主体にしてブチラール樹脂を併用した配合とする、エポキシ樹脂基板に対してはエポキシ樹脂を主体にしてフェノール樹脂等を併用した配合とする、などによって本発明の目的(基板に対する接着性)を達成することが出来る。インクの成分として、この他に一般的に使用される粘着付与剤、硬化剤、各種助剤なども使用できる。 但し一般的インクジェットプリンター用インクに使用する着色剤は必ずしも使用しなくてもいよい。
【0011】
本発明において、電気絶縁性基板としては、硬質の基板として銅張積層板の電気絶縁基板部であるフェノール樹脂積層板、エポキシ樹脂積層板をはじめ現在市場で使用されている全ての基板に適応できる。一方、軟質の基板としてフレキシブル回路基板の原料であるポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムも使用できる。
【0012】
印刷する回路幅は、現在生産されているいかなる寸法にも対応できる。その中でも本発明は、回路幅が狭くかつより複雑な回路ほど優れた生産性を発揮する。現在の最小回路幅は25μm程度であるが、将来さらに回路幅が狭くなることは容易に推測される。従って、本発明の方法は、10〜100μmの回路幅のプリント配線板にも好適に適用されるが、これら数値に制約されず、より細線のものにも適用可能である。
【0013】
【実施例】
(実施例)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの各アセトン溶液(いずれも0.002モル、50ml)を混合し、次いで、39%塩化第2鉄水溶液(100ml)を加え、室温で、超音波を与えながら10分間攪拌混合した。得られた析出物を水洗し、アセトンで洗浄し、200℃で乾燥して複合微粒子を得た。この微粒子は、核であるポリイミド樹脂の表面に鉄を含有する無数の針状突起を有した導電性微粒子で、平均粒径1.0μmであった。
【0014】
この導電性微粒子5重量部、フェノール樹脂系接着剤PR−53089(住友ベークライト(株)製)4重量部、エチレングリコール1重量部、キシレン5重量部、メタノール5重量部を十分混合してインクジェットプリンター用導電性インクを調合した。
基板として幅1100×長さ500mmの紙基材フェノール樹脂積層板PL−1250(アートライト工業(株)製)を用いた。最小線幅25μm、最小回路間幅50μmの回路をコンピューターにて作画し、先に調合した導電性インクをローランドディジー(株)製インクジェットプリンターHiFiJETPRO FJ500niにセットし前記基板に印刷した。30分間風乾した後、150℃の乾燥機で10分間加熱処理してプリント回路板を得た。
【0015】
得られたプリント回路板の特性について、測定方法及びその結果を以下に示す。
・ 体積抵抗率
上記導電性インクを用いた作成した回路幅2mm、厚み30μm、回路長さ100mmの回路について、体積抵抗率を測定したところ、4mΩ−cmであった。
▲2▼ 印刷回路のピール強度
JISC 6481に準じて行った。測定結果は、1.2kg/cmであった。
▲3▼ 半田耐熱性
JISC 6481に準じて測定し、煮沸2時間の吸湿処理を行った後260℃の半田槽に120秒浸漬した後の外観異常の有無を調べたところ、異常は認められなかった。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするプリント回路板の製造方法であり、特に、導電性微粒子として、微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子を用いることにより、従来の方法に比較して、(1)積層板を製造する際の工程を短縮することができる、(2)回路として残す部分以外の無駄な銅が生じない、(3)エッチングの際に発生する大量の廃液が無くなる、(4)インクジェットプリンターの仕様に応じた自由自在なパターン形状の回路板を製造することができる、(5)配線設計図が出来れば直ちに回路印刷を行うことができる、(6)複雑な工程が必要としないため、大量・少品種生産はもちろん少数・多品種にも対応できる、(7)製造コストを大幅に低減できる、などの効果を有している。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント回路板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
部品実装のための穴あけ工程の前までのプリント回路板の製造方法は、▲1▼プリント回路用基板として銅張積層板の作製、▲2▼フォトマスクの作成、▲3▼レジストの塗布、▲4▼パターン焼付け・現像、▲5▼エッチングという非常に長い複雑な工程で製造される。ここで前記▲1▼〜▲5▼の工程は、実際の作業においては、それぞれいくつかの操作からなる。この方法は、現在のプリント回路基板の製造方法の基本的な流れであり、プリント回路基板が開発されて以来、殆ど変化していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のプリント回路板の製造方法を基本的に変更するもので、代表的なものとして以下 の項目の課題を解決しようとするものである。
(1)銅箔を用いない基板を使用するので、回路基板(積層板)を製造する際の工程を短縮することができる。
(2)回路として残す部分以外の無駄な銅が生じない。
(3)エッチングの際に発生する大量の廃液を無くする。
(4)インクジェットプリンターの仕様に応じた自由自在なパターン形状の回路板を製造する。
(5)工程数及び所要時間を大幅に削減する。即ち配線設計図が出来れば直ちに回路印刷を行うことができる。
(6)従来法は大量・少品種生産には適しているが、少量・多品種生産には不向きである。本発明の方法は複雑な工程が必要としないため、大量・少品種生産はもちろん少数・多品種にも対応できる。 (7)製造コストを大幅に低減できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明(1)〜(6)により達成できる。
(1)電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするプリント回路板の製造方法。
(2)前記(1)において、インクジェットプリンターを用いて電気配線回路を印刷した後、50〜200℃に加熱することを特徴とするプリント回路板の製造方法。
(3)導電性微粒子が、微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子である前記(1)又は(2)に記載のプリント回路板の製造方法。
(4)導電性微粒子の平均粒径が0.05〜50μmである前記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
(5)導電性微粒子を含有するインクが、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれた1種以上を含有するものである前記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
(6)印刷される電気配線回路の幅が10〜100μmである前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプリント回路板の製造方法について説明する。
本発明のプリント回路板の製造方法は、電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするものである。これにより、上述した種々の課題を解決することができる。
本発明において、基板への接着特性や回路の特性を向上させるために、基板やインクの種類によっては、インクジェットプリンターで回路を印刷した後、加熱工程を必要とする。この場合、加熱温度は50〜200℃が好ましい。この温度範囲であると、基板特性を損なうことなく、回路インクと基板との接着性を向上させることができる。これより低温では長い加熱時間を要し、これより高温では基板特性を損なう場合がある。
【0006】
次に、導電性微粒子を含有するインクについて説明する。
インクに含有される導電性微粒子は、導電性の金属単体、金属酸化物、あるいは、これらのものと樹脂等との複合物など、導電性を有するものであれば、特に限定されない。
本発明において好ましい実施形態の一つが、核となる微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子を使用することにある。この微粒子は、無数の針状突起が互いに絡み合うことにより粒子間においても良好な電気伝導性を有する。本発明は、かかる複合微粒子を含有するインクで有機基板上に直接回路を印刷することによりプリント回路板を作製するものである。
【0007】
このような複合微粒子は、例えば、以下のようにして作製することができる。即ち、核となる微小球状樹脂を得るための反応原料としての2種以上の物質の溶液と金属含有液とを、必要により加熱しつつ、攪拌混合することにより得ることができる。具体例を挙げると、無水テトラカルボン酸と芳香族ジアミンの各溶液と第2鉄塩水溶液とを、常温下で、超音波振動を与えながら混合することにより、核がポリアミド酸であり、表面に鉄を含有する無数の針状突起を有する複合微粒子が得られる。さらに、これを加熱処理することにより、核であるポリアミド酸がポリイミドに変化する。
【0008】
前記導電性微粒子の核となる樹脂は、特に限定されず、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等がある。突起成分である金属あるいは金属化合物は導電性の高いものが好ましい。銀、銅、金、アルミニウム、鉄、ニッケル、イリジウム、タングステン等の金属およびその酸化物などの化合物が好ましいものであるが、これらに限定されるものではない。
【0009】
本発明において、導電性微粒子の粒径は、インクジェットプリンターのノズル径以下であればよく、印刷後の導電特性や回路幅などを考慮して最適な粒径を選択すればよい。従って粒径は特に限定するものではないが、好ましくは平均粒径が0.05〜50μmである。かかる範囲内であると、回路幅100μm以下の細線の回路も精度よく作成することができる。0.05μm未満のものは、導電性微粒子の作製が困難であり、50μmを越える場合は、本発明の目的の一つである細線回路の作成が容易でなくなる。
【0010】
インクジェット方式に使用されるインクは大別すると3種類ある。水性インク、油性インク及びソリッドインクであり、いずれのタイプも使用できるが、メディア(被印刷物、即ち基板)に十分密着または接着するものでなければならない。インクに含有される結合剤としては、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などが好ましく使用されるが、メディアの種類に応じたインクの種類・配合を選択する必要がある。従って、フェノール樹脂基板に対してはフェノール樹脂を主体にしてブチラール樹脂を併用した配合とする、エポキシ樹脂基板に対してはエポキシ樹脂を主体にしてフェノール樹脂等を併用した配合とする、などによって本発明の目的(基板に対する接着性)を達成することが出来る。インクの成分として、この他に一般的に使用される粘着付与剤、硬化剤、各種助剤なども使用できる。 但し一般的インクジェットプリンター用インクに使用する着色剤は必ずしも使用しなくてもいよい。
【0011】
本発明において、電気絶縁性基板としては、硬質の基板として銅張積層板の電気絶縁基板部であるフェノール樹脂積層板、エポキシ樹脂積層板をはじめ現在市場で使用されている全ての基板に適応できる。一方、軟質の基板としてフレキシブル回路基板の原料であるポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムも使用できる。
【0012】
印刷する回路幅は、現在生産されているいかなる寸法にも対応できる。その中でも本発明は、回路幅が狭くかつより複雑な回路ほど優れた生産性を発揮する。現在の最小回路幅は25μm程度であるが、将来さらに回路幅が狭くなることは容易に推測される。従って、本発明の方法は、10〜100μmの回路幅のプリント配線板にも好適に適用されるが、これら数値に制約されず、より細線のものにも適用可能である。
【0013】
【実施例】
(実施例)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの各アセトン溶液(いずれも0.002モル、50ml)を混合し、次いで、39%塩化第2鉄水溶液(100ml)を加え、室温で、超音波を与えながら10分間攪拌混合した。得られた析出物を水洗し、アセトンで洗浄し、200℃で乾燥して複合微粒子を得た。この微粒子は、核であるポリイミド樹脂の表面に鉄を含有する無数の針状突起を有した導電性微粒子で、平均粒径1.0μmであった。
【0014】
この導電性微粒子5重量部、フェノール樹脂系接着剤PR−53089(住友ベークライト(株)製)4重量部、エチレングリコール1重量部、キシレン5重量部、メタノール5重量部を十分混合してインクジェットプリンター用導電性インクを調合した。
基板として幅1100×長さ500mmの紙基材フェノール樹脂積層板PL−1250(アートライト工業(株)製)を用いた。最小線幅25μm、最小回路間幅50μmの回路をコンピューターにて作画し、先に調合した導電性インクをローランドディジー(株)製インクジェットプリンターHiFiJETPRO FJ500niにセットし前記基板に印刷した。30分間風乾した後、150℃の乾燥機で10分間加熱処理してプリント回路板を得た。
【0015】
得られたプリント回路板の特性について、測定方法及びその結果を以下に示す。
・ 体積抵抗率
上記導電性インクを用いた作成した回路幅2mm、厚み30μm、回路長さ100mmの回路について、体積抵抗率を測定したところ、4mΩ−cmであった。
▲2▼ 印刷回路のピール強度
JISC 6481に準じて行った。測定結果は、1.2kg/cmであった。
▲3▼ 半田耐熱性
JISC 6481に準じて測定し、煮沸2時間の吸湿処理を行った後260℃の半田槽に120秒浸漬した後の外観異常の有無を調べたところ、異常は認められなかった。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするプリント回路板の製造方法であり、特に、導電性微粒子として、微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子を用いることにより、従来の方法に比較して、(1)積層板を製造する際の工程を短縮することができる、(2)回路として残す部分以外の無駄な銅が生じない、(3)エッチングの際に発生する大量の廃液が無くなる、(4)インクジェットプリンターの仕様に応じた自由自在なパターン形状の回路板を製造することができる、(5)配線設計図が出来れば直ちに回路印刷を行うことができる、(6)複雑な工程が必要としないため、大量・少品種生産はもちろん少数・多品種にも対応できる、(7)製造コストを大幅に低減できる、などの効果を有している。
Claims (6)
- 電気絶縁性基板に、導電性微粒子を含有するインクによりインクジェットプリンターを用いて、電気配線回路を印刷することを特徴とするプリント回路板の製造方法。
- 請求項1記載のプリント回路板の製造方法において、インクジェットプリンターを用いて電気配線回路を印刷した後、50〜200℃に加熱することを特徴とするプリント回路板の製造方法。
- 導電性微粒子が、微小球状樹脂の周囲に金属およびまたは金属化合物からなる導電性物質が無数の針状突起として存在する複合微粒子である請求項1又は2に記載のプリント回路板の製造方法。
- 導電性微粒子の平均粒径が0.05〜50μmである請求項1ないし3のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
- 導電性微粒子を含有するインクが、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれた1種以上を含有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
- 印刷される電気配線回路の幅が10〜100μmである請求項1ないし5のいずれかに記載のプリント回路板の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002196974A JP2004039956A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | プリント回路板の製造方法 |
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JP2002196974A JP2004039956A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | プリント回路板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004039956A true JP2004039956A (ja) | 2004-02-05 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100691708B1 (ko) | 2004-06-08 | 2007-03-09 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 회로 소자의 제조 방법, 전자 소자의 제조 방법, 회로기판, 전자 기기, 및 전기 광학 장치 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002196974A patent/JP2004039956A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100691708B1 (ko) | 2004-06-08 | 2007-03-09 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 회로 소자의 제조 방법, 전자 소자의 제조 방법, 회로기판, 전자 기기, 및 전기 광학 장치 |
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