JP2004039934A - 回路部品実装体およびその製造方法 - Google Patents

回路部品実装体およびその製造方法 Download PDF

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小松 慎五
Seiichi Nakatani
中谷 誠一
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菅谷 康博
Toshiyuki Asahi
朝日 俊行
Eiji Kawamoto
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Abstract

【課題】信頼性の高い回路部品実装体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の面105aと第2の面105bを有し、第1の面105aに配線パターン106aが形成された配線基板107と、回路部品本体部100c、101cに端子電極100a、101aが形成された回路部品100、101とフィルム状の接合部材103と、接合部材103の内部に配置された導体部104とを含み、配線基板107と回路部品100、101とが接合部材103を介して接合され、配線パターン106aと端子電極100a、101aとが導体部104を介して電気的に接続されていることを特徴とする回路部品実装体。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器、特に、携帯用に便利な小型、軽量かつ高機能を有する小型電子機器に用いられる回路部品実装体、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板へ回路部品を実装する従来の方法の一例は以下の通りである。まず、表面に配線パターンを備えたプリント配線基板と、表面に端子電極を備えた回路部品を準備する。次に、プリント配線基板の配線パターン上に半田ペーストをスクリーン印刷し、配線パターン上に半田ペーストを介して回路部品の端子電極を配置する。次に、プリント配線基板をリフローして半田ペーストを溶融し、その後、溶融した半田ペーストを硬化させる。
【0003】
回路部品実装体に対して複数回のリフローを行う場合、例えば、プリント配線基板の他の面にも回路部品を実装する場合には、再リフローを行うことにより先に実装された回路部品がプリント配線基板から剥離したり、実装位置のずれが生じることがある。このため、先に実装された回路部品とプリント配線基板とを接着剤により接着することが行われる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した方法で回路部品をプリント配線基板に実装する場合には、下記の問題点があった。配線パターン上へ半田ペーストを塗布する際に、プリント配線基板表面の凹凸が大きいと、半田ペーストの印刷が難しい。このため、回路部品の実装性にばらつきが生じるおそれがあった。また、印刷されるパターンの精細化が進むと、印刷機や印刷に使用されるマスクの精度が十分でないために、半田ペーストの塗布量の制御が難しく、塗布量のばらつきが大きくなるという問題があった。したがって、このような場合にも、回路部品の実装性にばらつきが生じるおそれがあった。
【0005】
また、回路部品の小型化にともない回路部品の端子電極間の距離が短くなると、溶融した半田ペーストがプリント配線基板と回路部品との隙間に流れ込んで、配線が短絡するという問題があった。また、複数回のリフローを行う場合、例えば、プリント配線基板の一方の面だけでなく他方の面にも回路部品を実装する場合や、回路部品を内蔵した構造の回路部品実装体(例えば、特開平11−220262号公報に記載)を作製する場合にも、先に半田付けされた部分において半田ペーストの再溶融が起こり、配線が短絡するという問題があった。
【0006】
上記した短絡の問題に対し、回路部品とプリント配線基板との隙間に封止材を注入し、リフローに際して半田が所定の箇所から溶け出すことを防止する方法がある。しかしながら、封止材を注入しても回路部品とプリント配線基板との間の空隙を完全に埋めることができない場合もあり、短絡を完全に防止することは困難であった。また、複数個の回路部品を実装する場合、封止材の注入を回路部品のそれぞれについて行うことは極めて煩雑であった。また、封止材の注入に際して、封止材が回路部品の周囲へ流出するため、回路部品を実装するために必要な面積が増し、プリント配線基板へ回路部品を高密度に実装することの妨げとなっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の回路部品実装体は、第1の面と第2の面を有し、前記第1の面に配線パターンが形成された配線基板と、
回路部品本体部に端子電極が形成された回路部品と、
フィルム状の接合部材と、
前記接合部材の内部に配置された導体部とを含み、
前記配線基板と前記回路部品とが前記接合部材を介して接合され、前記配線パターンと前記端子電極とが前記導体部を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の回路部品実装体の製造方法は、
(a)第1の面と第2の面を有し、前記第1の面に配線パターンが形成された配線基板と、
未硬化状態の熱硬化性樹脂を含み、導電性材料が充填された貫通孔を有するフィルムと、
回路部品本体部に端子電極が形成された回路部品とを準備し、
前記配線パターンと前記端子電極とが前記導電性材料を介して接続するように、前記配線基板の前記第1の面側に、前記フィルムおよび前記回路部品をこの順に重ねて積層体を形成する工程と、
(b)前記積層体を加熱することにより、前記熱硬化性樹脂を硬化させて、前記回路部品と前記配線基板とを前記フィルムを介して接合する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の回路部品実装体は、回路部品が、フィルム状の接合部材を介して配線基板に実装されている。このため、例えば配線基板表面の凹凸が大きい場合でも、フィルム状の接合部材が凹凸を緩和するので、回路部品の実装性が良い。また、本発明の回路部品実装体では、端子電極と配線パターンとを電気的に接続する導体部が、接合部材の内部に配置されている。このため、導体部が、例えば半田で形成されている場合、配線パターンと回路部品との間に半田が流れ出るおそれが低減され、配線の短絡が抑制される。したがって、信頼性の高い回路部品実装体を提供できる。
【0010】
前記回路部品が一対の端子電極を有しており、前記一対の端子電極のそれぞれに接続された前記導体部の間において、前記回路部品と前記配線基板との間が前記接合部材により充填されていることが好ましい。回路部品と配線基板とを接合部材を介して隙間なく接合するので、導体部が、例えば半田で形成されている場合、短絡の抑制についての信頼性が向上する。また、回路部品と配線基板とが強固に接合されるので、導体部が、例えば導電性樹脂組成物で形成されている場合でも、断線が生じるおそれが低減され、電気接続の信頼性が向上する。
【0011】
前記回路部品本体部の側面の一部が、前記接合部材に接合されていることが好ましい。回路部品と配線基板とを接合部材を介してより強固に接合できるからである。また、回路部品を低背に実装することができるので、薄型化された回路部品実装体を提供できる。
【0012】
前記回路部品実装体が複数の回路部品を含み、前記複数の回路部品と前記配線基板とが1枚の前記接合部材を介して接合されていることが好ましい。簡易な方法により複数の回路部品が実装された回路部品実装体を提供できる。
【0013】
前記接合部材の、配線基板側の面と回路部品側の面との間の厚みが30〜400μmであることが好ましい。30μmより薄いと接合部材となるフィルムの作製が難しく、400μmより厚いと回路部品実装体の厚みが厚くなるからである。
【0014】
前記接合部材が、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含むことが好ましい。接合部材の放熱性を高めることができるからである。
【0015】
前記導体部が、半田または導電性樹脂組成物であることが好ましい。
【0016】
前記導電性樹脂組成物が、金属フィラーと熱硬化性樹脂とを含むことが好ましい。配線パターンと端子電極とを低抵抗で電気接続することができるからである。
【0017】
前記回路部品を埋設する被覆部材をさらに含むことが好ましい。回路部品実装体の機械的強度が向上し、取り扱いが容易となるからである。また、被覆部材の内部に配線パターンを形成したり、被覆部材の接合部材側の面の反対面に配線パターンを形成する等すれば、より高集積化された回路部品実装体を実現できる。
【0018】
前記被覆部材が、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含むことが好ましい。被覆部材の放熱性を高めることができるからである。
【0019】
また、本発明の回路部品実装体の製造方法によれば、回路部品を、未硬化状態のフィルムを介して配線基板に実装するので、例えば、配線基板表面の凹凸が大きい場合でも、回路部品を配線基板に容易にかつ良好に実装することができる。また、本発明の回路部品実装体の製造方法では、フィルムの貫通孔に充填された導電性材料を介して、端子電極と配線パターンとを電気的に接続する。このため、回路部品と配線パターンとの間に半田が流れ出るおそれが低減され、配線の短絡を抑制することができる。
【0020】
また、従来、半田を配線パターン上に印刷して回路部品を実装した場合、半田の再溶融による短絡の発生を防止する目的で、回路部品と配線基板との間に封止材を注入することが行われていた。上記した封止材を注入する工程は、実装された回路部品の一つ一つに対して行わなければならず、同一面上に実装される回路部品の数が増えれば封止材を注入する工程も増え、非常に煩雑であった。また、封止材の注入に際して、封止材が回路部品の周囲へ流出するため、回路部品を実装するために必要な面積が増し、配線基板へ回路部品を高密度に実装することの妨げとなっていた。
【0021】
本発明の回路部品実装体の製造方法では、上記したとおり、配線の短絡が抑制された回路部品実装体を提供することができる。このため、上記した封止材を注入する工程を省略することができる。また、端子電極と配線パターンとを電気的に接続するために必要な量の導電性材料が充填されたフィルムを用意することは比較的容易である。したがって、複数の回路部品が高密度に実装された、信頼性の高い回路部品実装体を容易に製造することができる。このように、本発明の回路部品実装体の製造方法では、複数の回路部品と配線基板とを1枚のフィルムを介して接合することができる。
【0022】
前記工程(b)において、前記積層体を加熱するとともに加圧することが好ましい。配線基板と回路部品との間に隙間が形成されるおそれを低減するとともに、配線基板と回路部品とをフィルムを介してより強固に接合することができるからである。また、フィルムの貫通孔に充填された導電性材料が、金属フィラーと熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂組成物である場合には、積層体を加熱するとともに加圧することによって、導電性樹脂組成物中の金属フィラー同士がより密に接触する。したがって、信頼性の高い電気接続がなされた回路部品実装体を提供することができる。また、積層体を加熱するとともに加圧することによって、回路部品本体部の側面の一部を接合部材に接合すれば、配線基板と回路部品とがフィルムを介してさらに強固に接合されるとともに、回路部品が低背に実装される。したがって、薄型化された信頼性の高い回路部品実装体を提供することができる。
【0023】
前記回路部品実装体の製造方法が、
(c)未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料を、前記回路部品を覆うように配置する工程をさらに含むことが好ましい。機械的強度が向上し、取り扱いが容易な回路部品実装体を提供することができる。
【0024】
以下に、本発明における好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1に示すように、回路部品実装体1は、配線基板107と、回路部品100、101と、接合部材103と、導体部104とを含んでいる。配線基板107は、絶縁層105と、配線パターン106a、106bと、インナービア105cとを含んでいる。配線パターン106a、106bは、絶縁層105の第1の面105a、第2の面105bに形成されており、絶縁層105の内部を貫通するインナービア105cによって電気的に接続されている。回路部品100、101と配線基板107とが1枚の接合部材103を介して接合されている。また、配線パターン106aと回路部品100、101の端子電極100a、101aとが、接合部材103の内部に配置された導体部104を介して電気的に接続されている。
【0026】
回路部品実装体1は、回路部品100、101が、フィルム状の接合部材103を介して配線基板107に実装されている。このため、例えば、配線基板表面の凹凸が大きい場合でも、フィルム状の接合部材103が配線基板表面の凹凸を緩和するので、回路部品100、101の実装性が良い。
【0027】
また、回路部品実装体1は、端子電極100a、101aと配線パターン106aとを電気的に接続する導体部104が、接合部材103の内部に配置されている。このため、導体部104が、例えば、半田で形成されている場合、回路部品100、101と配線基板107との間に半田が流れ出るおそれが低減され、配線の短絡が抑制されている。
【0028】
さらに、回路部品実装体1では、回路部品100、101が、それぞれ一対の端子電極100a、101aを有しており、一対の端子電極のそれぞれに接続された導体部104の間において、回路部品100、101と配線基板107との間が接合部材103により充填されている。すなわち、回路部品100、101と配線基板107とが接合部材103を介して隙間なく接合されている。このため、導体部104が、例えば、半田で形成されている場合、回路部品と配線基板との間に半田が流れ出る隙間がないので、より確実に配線の短絡が抑制される。また、回路部品100、101と配線基板107とが接合部材を介して強固に接合されるので、導体部104が、例えば導電性樹脂組成物で形成されている場合でも、断線が生じるおそれが低減される。
【0029】
接合部材103は、電気絶縁性を保てるものであればよく、例えば、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む混合物から形成できる。混合物は、さらに、低粘化のための溶剤、分散剤、着色剤、カップリング剤、離型剤を含んでいてもよい。特に、無機フィラーを含むことが好ましい。無機フィラーを混合することによって、接合部材103の放熱性を高めることができるからである。
【0030】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはイソシアネート樹脂などを用いることができる。特に、電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。また、これら単体で用いても複数の種類の樹脂を混合してもよい。
【0031】
無機フィラーとしては、例えば、Al、SiO、MgO、AlN、BNおよびこれらの混合物などを用いることができる。特に、放熱性の良いAl
が好ましい。
【0032】
また、無機フィラーの種類、粒径を適宜選択し、無機フィラーの添加量を制御して、接合部材103の熱膨張係数を調節することにより、温度変化による応力の発生によって断線が生じることを防止することができる。無機フィラーの添加量は未硬化状態の混合物全体の10〜90重量%が好ましい。10重量%より少ないと十分な調節効果が得られず、90重量%より多いと接合部材103となるフィルムの取り扱いが困難となるからである。
【0033】
また、接合部材103の、配線基板側の面と回路部品側の面との間の厚みは、30〜400μmであることが好ましい。30μmより薄いと接合部材103となるフィルムの作製が難しく、400μmより厚いと回路部品実装体の厚みが厚くなるからである。
【0034】
導体部104は、導電性材料、例えば、半田または導電性樹脂組成物などからなる。半田は、例えば、Pb、Cu、Zn、Sn、AgおよびInからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を主成分として含むものを用いることができる。導電性樹脂組成物は、特に、金属フィラーと熱硬化性樹脂とを含んでいることが好ましい。配線パターンと端子電極とを低抵抗で電気接続することができるからである。
【0035】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはイソシアネート樹脂を用いることができるが、特に、電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。
【0036】
金属フィラーとしては、例えば、金、銀、銅およびニッケルからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を用いることができる。特に、導電性が高い銀が好ましい。また、金属フィラーの機械的強度、コストの点から銅が好ましい。金属フィラーの添加量は未硬化状態の導電性樹脂組成物全体の80〜95重量%が好ましい。特に好ましくは、88〜92重量%である。高い導電性が得られ、印刷などの方法により導体部を形成することが容易だからである。
【0037】
また、導体部104の形状は特に限定されないが、例えば、円柱形状であることが好ましい。バンチャー、レーザー等による加工が容易だからである。また、その外径は、回路部品の端子電極の大きさや、信頼性の高い電気接続が得られるアスペクト比を考慮すると、50〜200μmであることが好ましい。
【0038】
絶縁層105は、電気絶縁性を保てるものであればよく、例えば、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む混合物から形成できるが、ガラス繊維を含むことが好ましい。この混合物は、さらに、低粘化のための溶剤、分散剤、着色剤、カップリング剤、離型剤を含んでいてもよい。
【0039】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはイソシアネート樹脂などを用いることができる。特に、電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。
【0040】
絶縁層105は、特に、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含んでいることが好ましい。無機フィラーを含むことによって、配線基板の放熱性を高めることができるからである。無機フィラーの種類、粒径を適宜選択し、無機フィラーの添加量を制御して、絶縁層105の熱膨張係数を調節することにより、温度変化による応力の発生によって断線が生じることを防止することができる。無機フィラーの添加量は未硬化状態の混合物全体の10〜90重量%が好ましい。10重量%より少ないと十分な調節効果が得られず、90重量%より多いと絶縁層105の取り扱いが困難となるからである。
【0041】
インナービア105cは、導電性材料、例えば、半田または導電性樹脂組成物などからなる。特に、導電性樹脂組成物が、金属フィラーと熱硬化性樹脂とを含むことが好ましい。配線パターン106aと配線パターン106bとを低抵抗で電気接続することができるからである。
【0042】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはイソシアネート樹脂を用いることができるが、特に、電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。
【0043】
金属フィラーとしては、例えば、金、銀、銅、またはニッケルなどを用いることができる。特に、導電性が高い銀が好ましい。また、機械的強度、コストの点から銅が好ましい。
【0044】
配線パターン106a、106bは、電気導電性を有する物質、例えば、銅箔や導電性樹脂組成物などからなる。配線パターンとして銅箔を用いる場合は、例えば、電解メッキにより作製された厚さ18μm〜35μm程度の銅箔が使用できる。配線パターン106a、106bは、例えば、上記した銅箔を絶縁層105に接合し、加工することによって形成される。
【0045】
回路部品100、101は、例えば、能動部品と受動部品とを含んでいてもよい。能動部品としては、例えば、トランジスタ、IC、LSIなどの半導体素子が用いられる。半導体素子はベアチップであってもよい。受動部品としては、チップ抵抗器、チップコンデンサまたはチップインダクタなどが用いられる。尚、受動部品101はなくてもよい。
【0046】
(実施の形態2)
図2に示すように、回路部品実装体2は、回路部品200、201の回路部品本体部200b、201bの側面200c、201cの一部が接合部材203に接合されていること以外は実施の形態1と同様である。図2において、207は配線基板、204は導体部、200a、201aは回路部品の端子電極である。配線基板207は、第1の面205aおよび第2の面205bを有する絶縁層205と、インナービア205cと、配線パターン206a、206bとを含んでいる。
【0047】
回路部品実装体2は、回路部品200、201の一部が接合部材203に押し込まれ、回路部品本体部200b、201bの側面200c、201cの一部が接合部材203に接合されているので、回路部品200、201と配線基板207とが接合部材203を介してより強固に接合される。また、回路部品の底面が接合部材の内部に配置されているため、回路部品実装体2は回路部品実装体1よりも薄型化されている。
【0048】
(実施の形態3)
図3に示すように、回路部品実装体3は、被覆部材308によって回路部品300、301が埋設されていること以外は実施の形態1と同様である。図3において、307は配線基板、304は導体部、303は接合部材、300a、301aは回路部品の端子電極、300b、301bは回路部品本体部である。配線基板307は、第1の面305aおよび第2の面305bを有する絶縁層305と、インナービア305cと、配線パターン306a、306aとを含んでいる。
【0049】
回路部品実装体3は、回路部品300、301が被覆部材308によって埋設されているので、機械的強度が向上しており、取り扱いが容易である。また、被覆部材308の内部や、被覆部材308の接合部材側の面の反対面に配線パターンを形成する等すれば、より高集積化された回路部品実装体を実現できる。
【0050】
被覆部材308は、電気絶縁性を保てるものであればよく、例えば、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料から形成できるが、特に、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるものが好ましい。無機フィラーを混合することによって、接合部材の放熱性を高めることができる。無機フィラーの添加量は未硬化状態の混合物全体の10〜90重量%が好ましい。10重量%より少ないと十分な調節効果が得られず、90重量%より多いと被覆部材308となるシート状物の取り扱いが困難となるからである。さらに、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む混合物を低粘化するための溶剤や、分散剤、着色剤、カップリング剤、離型剤などを含んでいてもよい。
【0051】
無機フィラーとしては、例えば、Al、SiO、MgO、AlN、BN、およびこれらの混合物などを用いることができる。
【0052】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはイソシアネート樹脂などを用いることができる。特に、電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。また、これら単体で用いても、複数の種類の樹脂を混合してもよい。また、それぞれ違った樹脂を含む複数の層を積層してもよい。
【0053】
図4に、回路部品408が実装されたマザー配線基板409に、図4に示した回路部品実装体3を二次実装した様子を示している。回路部品408は、例えば、パッケージ形式がBGAのICである。回路部品実装体3は、端子電極300a、301aと配線パターン306aとを電気的に接続する導体部304が、接合部材303の内部に配置されている。さらに、回路部品300、301が、それぞれ一対の端子電極300a、301aを有しており、一対の端子電極のそれぞれに接続された導体部304の間において、回路部品300、301と前記配線基板307との間が接合部材303により充填されている。すなわち、回路部品300、301と配線基板307との間に隙間がない。このため、導体部304が半田からなる場合に、回路部品408が実装されたマザー配線基板409に回路部品実装体3を二次実装するに際して、導体部304の半田が再溶融しても、半田が流れ出す隙間がないため、配線の短絡が確実に抑制されている。
【0054】
(実施の形態4)
この実施の形態4では、図1に示した回路部品実装体1の製造方法の一例を説明する。図5(a)〜(e)および図6(a)〜(e)は、回路部品実装体1の製造工程の一例を示す工程別の断面図である。
【0055】
まず、図5(a)〜(c)に示すように、配線基板107と、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含み、導電性材料60cが充填された貫通孔60bを有するフィルム60と、回路部品本体部100b、101bに端子電極100a、101aが形成された回路部品100、101とを準備し、図5(d)に示すように、配線パターン106aと端子電極100a、101aとが導電性材料60cを介して接続するように、配線基板107の第1の面105a側に、フィルム60および回路部品100、101をこの順に重ねて積層体110を形成する。
【0056】
配線基板107は、例えば、下記のように作製されたものを準備する。
【0057】
まず、図6(a)に示すように、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工してシート状とし、所定の位置に貫通孔50aが形成されたシート状絶縁物50を形成する。貫通孔50aは、例えば、レーザー、ドリルなどを用いて形成することができる。また、貫通孔50aは、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物をシート状絶縁物50に成形する際に同時に形成してもよい。
【0058】
次に、図6(b)に示すように、貫通孔50aに導電性材料、例えば、金属フィラーおよび熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂組成物51を充填する。
【0059】
次に図6(c)に示すように、シート状体絶縁物物50の表裏面に金属箔52a、52bを重ね合わせ、これら積層物を加熱することにより、シート状絶縁物50および導電性樹脂組成物51の熱硬化性樹脂が硬化されて一体となり、図6(d)に示すように、シート状絶縁物50が絶縁層105となり、導電性樹脂組成物51がインナービア105cとなる。その後、図6(e)に示すように金属箔を加工して、配線パターン106a、106bを形成する。
【0060】
また、フィルム60は、例えば、下記のようにして作製されたものを準備する。まず、図5(b)に示すように、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料をフィルム状物60aに加工し、そのフィルム状物60aの貫通孔60bに導電性材料60cを充填してフィルム60を形成する。導電性材料60cは、例えば、半田、または金属フィラーおよび熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂組成物である。貫通孔60bは、図6(a)を用いて説明した工程と同様にレーザー、ドリルなどを用いて形成することができるし、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料をフィルム状物60aに成形する際に同時に形成することもできる。
【0061】
次に、図5(d)に示した積層体110を加熱するとともに加圧して、フィルム60の熱硬化性樹脂を硬化させ、回路部品100、101と配線基板107とをフィルム60を介して接合する。図5(e)に示すように、フィルム60は接合部材103となる。また、導電性材料60cが熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂組成物である場合は、その熱硬化性樹脂を硬化させることにより、導電性材料60cが導体部104となる。導電性材料60cが半田である場合は、半田を溶融させ、その後、溶融した半田が硬化することによって、導電性材料60cが導体部104となる。
【0062】
配線パターン上に印刷された半田ペーストや導電性樹脂組成物によって回路部品を配線基板上に実装する従来の方法では、例えば、配線基板表面の凹凸が大きい場合、半田ペーストや導電性樹脂組成物の印刷が難しい。このため、回路部品の実装性にばらつきが生じるおそれがあった。本実施の形態の回路部品実装体の製造方法によれば、回路部品100、101を、未硬化状態のフィルム60を介して配線基板107に実装するので、配線基板表面の凹凸が大きい場合でも、フィルム60が配線基板表面の凹凸を緩和するので、回路部品の実装性がよい。また、回路部品100、101の端子電極100a、101aと配線パターン106aとを電気的に接続するために必要な量の導電性材料60cが充填されたフィルム60を用意することは比較的容易である。したがって、上記したおそれは解消され、信頼性の高い回路部品実装体を容易に製造することができる。
【0063】
また、配線パターン上に印刷された半田ペーストや導電性樹脂組成物によって回路部品を配線基板上に接合する従来の方法では、パターンが精細である場合、すなわち、回路部品の実装密度が高い場合にも半田ペーストや導電性樹脂組成物の印刷が難しく、回路部品の実装性にばらつきが生じるおそれがあった。本実施の形態の回路部品実装体の製造方法によれば、精細なパターンと対応する位置に導電性材料60cが充填された貫通孔60bを有するフィルム60を準備することは比較的容易である。したがって、回路部品が高密度に実装された回路部品実装体を容易に製造することができる。
【0064】
また、本実施の形態の回路部品実装体の製造方法では、導電性材料60cが充填された貫通孔60bを有するフィルム60を用いて、回路部品100、101と配線基板107とを接合する。このため、導電性材料60cが、例えば、半田である場合、半田が回路部品100、101と配線基板107との間に流れ出るおそれが低減される。したがって、配線の短絡が抑制された、信頼性の高い回路部品実装体を提供することができる。
【0065】
また、本実施の形態の回路部品実装体の製造方法では、図5(e)に示すように、回路部品100、101が一対の端子電極100a、101aを有しており、一対の端子電極のそれぞれに接続された導体部104の間において、回路部品100、101と配線基板107との間を接合部材103により充填している。すなわち、回路部品100、101と配線基板107とを接合部材104を介して隙間なく接合している。このため、導体部104が、例えば半田で形成されている場合、半田が流れ出る隙間が無いので、短絡の抑制について、さらに信頼性を高めることができる。また、回路部品100、101と配線基板107とが接合部材104を介して強固に接合されるため、配線基板107の他の面に回路部品を実装する場合に、先に実装された回路部品が剥離したり、実装位置のずれが生じるなどのおそれが低減される。したがって、従来、半田を配線パターン上に印刷して回路部品を実装した場合に、実装された回路部品と配線基板とを接着剤により接着することが行われていたが、そのような接着工程も省略できる。
【0066】
また、従来、半田ペーストの再溶融による短絡の発生を防止したり、回路部品と配線基板の接合部分を補強する目的で、回路部品と配線基板との間や、端子電極と配線パターンの接合部分の周囲に、封止材を注入することが行われていた。上記した封止材を注入する工程は、実装された回路部品の一つ一つに対して行わなければならず、同一面上に実装される回路部品の数が増えれば封止材を注入する工程も増え、非常に煩雑であった。本実施の形態の回路部品実装体の製造方法によれば、回路部品100、101と配線基板107とをフィルム60を介して隙間なく接合するので、上記した封止材を注入する工程が不要であり、複数の回路部品を、1枚のフィルムを介して配線基板に容易に実装することができる。
【0067】
また、本実施の形態の回路部品実装体の製造方法によれば、図5(d)に示した積層体110を、加熱するとともに加圧している。このため、配線基板107と回路部品100、101との間に隙間をなくして、より強固に接合することができる。また、導電性材料60cが、金属フィラーと熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂組成物である場合には、積層体110を加熱するとともに加圧することによって、導電性樹脂組成物中の金属フィラー同士がより密に接触するので、電気接続の信頼性を高めることができる。
【0068】
また、本実施の形態の回路部品実装体の製造方法においては、図5(d)に示した積層体110の回路部品100、101と配線基板107とを、フィルム60を介して接合する工程が、少なくとも以下の工程を含んでいることが好ましい。
【0069】
まず、図5(d)に示した積層体110を、フィルム60の熱硬化性樹脂が硬化しない温度にまで加熱し加圧することにより、フィルム60の熱硬化性樹脂が硬化していない状態で、回路部品100、101と配線基板107とをフィルム60を介して仮接着する。
【0070】
その後に、積層体110を、フィルム60の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上に加熱して、フィルム60の熱硬化性樹脂を硬化させる。
【0071】
上記したとおり、積層体110を、フィルム60の熱硬化性樹脂が硬化しない温度にまで加熱して仮接着を行い、その後、フィルム60の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上の温度に加熱してフィルム60の熱硬化性樹脂を硬化させると、回路部品100、101とフィルム60との間、フィルム60と配線基板107との間に気泡が混入するおそれが低減され、積層体110を一の温度で加熱して、回路部品100、101と配線基板107とをフィルム60を介して接合する場合よりも、回路部品100、101と配線基板107との間に隙間が生じるおそれを低減することができる。
【0072】
尚、積層体110を加熱するとともに加圧することによって、回路部品本体部の側面の一部を接合部材103に接合させれば、図2に示した実施の形態2の回路部品実装体2を製造することができる。
【0073】
(実施の形態5)
この実施の形態5では、図3に示した回路部品実装体3の製造方法の一例を説明する。図7(a)〜(h)は、回路部品実装体3の製造工程の一例を示す断面図である。
【0074】
まず、図7(a)〜(c)に示すように、配線基板307と、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含み、導電性材料60cが充填された貫通孔60bを有するフィルム60と、回路部品300、301とを準備する。配線基板307、フィルム60および回路部品300、301はいずれも実施の形態4と同様のものを用いている。次に、図7(d)に示すように、配線パターン306aと回路部品300、301の端子電極300a、301aとが導電性材料60cを介して接続するように、配線基板307の第1の面側305aに、フィルム60および回路部品300、301をこの順に重ねて積層体310を形成する。
【0075】
次に、図7(d)に示した積層体310を加熱し加圧し、フィルム60の熱硬化性樹脂を硬化させて、回路部品300、301と配線基板307とをフィルム60を介して接合する。図7(e)に示すように、フィルム60は接合部材303となる。また、導電性材料60cが熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂組成物である場合は、その熱硬化性樹脂を硬化させることにより、導電性材料60cが導体部304となる。導電性材料60cが半田である場合は、半田を溶融させ、その後、溶融した半田が硬化することによって、導電性材料60cが導体部304となる。
【0076】
次に、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料を、回路部品を覆うように配置する。まず、図7(f)に示すように、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料からシート状物70を形成する。次に、図7(g)に示すように、シート状物70を回路部品300、301に重ね、積層体310とシート状物70とからなる積層物を加熱し加圧して、シート状物70内に回路部品300、301を埋入させる。
【0077】
次に、シート状物70の熱硬化性樹脂を硬化させると、図7(h)に示すように、シート状物70が被覆部材308となる。
【0078】
本実施の形態の回路部品実装体の製造方法によれば、回路部品を樹脂によって封止するので、機械的強度が向上し、取り扱いが容易な回路部品実装体を提供することができる。
【0079】
また、上記した未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料を、回路部品を覆うように配置する工程は、積層体310を形成した後、フィルム60の熱硬化性樹脂を硬化させる前に行うことが好ましい。
【0080】
この場合、まず、図7(d)に示した積層体310を、フィルム60の熱硬化性樹脂が硬化しない温度にまで加熱して、配線基板307と回路部品300、301とをフィルム60を介して仮接着する。
【0081】
次に、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含むシート状物70を回路部品300、301に重ね、積層体310とシート状物70とからなる積層物を、シート状物70の熱硬化性樹脂が硬化しない温度にまで加熱し加圧して、シート状物70を回路部品300、301を覆うように配置する。
【0082】
次に、積層体310とシート状物70とからなる積層物を、フィルム60およびシート状物70の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上に加熱して、フィルム60およびシート状物70の熱硬化性樹脂を硬化させる。
【0083】
このように、回路部品300、301と配線基板307とをフィルム60を介して仮接着し、シート状物70を回路部品300、301を覆うように配置した後、フィルム60およびシート状物70の熱硬化性樹脂を硬化させると、回路部品300、301とフィルム60との間、フィルム60と配線基板307との間に気泡が混入するおそれが低減されるので、配線基板307と回路部品300、301との間に隙間が生じるおそれを低減することができ、信頼性の高い回路部品実装体を提供することができる。
【0084】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0085】
(実施例1)
実施例1では、実施の形態1で説明した回路部品実装体1について具体的に説明する。尚、実施例1において、配線基板に実装される回路部品は1つである。
【0086】
まず、回路部品実装体1を作製するために用いたフィルム60(図5(b)参照)について説明する。まず、下記に示す配合組成の混合物を用意する。
Al(昭和電工(株)製、AS−40、平均粒径12μm)80重量%、液状熱硬化エポキシ樹脂(日本レック(株)製、EF−450)19.5重量%、カーボンブラック(東洋カーボン(株)製)0.2重量%、カップリング剤(味の素(株)製、チタネート系:46B)0.3重量%。
【0087】
上記した混合物に、粘度調整用溶剤としてメチルエチルケトン溶剤を、上記した混合物のスラリー粘度が約20Pa・sになるまで添加した。そして、これらにアルミナの玉石を加え、ポット中で48時間、回転速度500rpmの条件で回転混合し、フィルム状物60a(図5(b)参照)の原料となるスラリーを調整した。その後、スラリーをドクターブレード法にて造膜し、その後乾燥して、厚み60μmのフィルム状物60aを得た。上記したフィルム状物60aを所定の大きさに切断し、炭酸ガスレーザーを用いて直径200μmのビアホールを形成した。そのビアホールに、導電性接着剤60c(図5(b)参照)(ナミックス(株)製、ユニメックXH9626)を充填して、フィルム60を得た。
【0088】
次に、配線基板(松下電子部品(株)製、FR−4)上に、フィルム60、角型チップ固定抵抗器(松下電子部品(株)製、 ERJ12Y、4.5mm×3.2mm)の順で、角型チップ固定抵抗器の端子電極と配線基板の配線パターンとをフィルム60の貫通孔60bに充填された導電性材料60cを介して電気的に接続するように位置あわせして重ね、熱プレス機によって温度180℃、圧力1MPaの条件で3分間加熱し加圧することで、配線基板107と角型チップ固定抵抗器をフィルム60を介して接合し、回路部品実装体1を得た。
【0089】
(比較例1)
配線基板(松下電子部品(株)製、FR−4)上に、導電性接着剤(ナミックス(株)製、ユニメックXH9626)を印刷機により配線パターン上に塗布し、角型チップ固定抵抗器(松下電子部品(株)社製、 ERJ12Y、4.5mm×3.2mm)を配線基板上に位置あわせして配置した後、180℃で30分間加熱して導電性接着剤を硬化させ、回路部品実装体を得た。
【0090】
実施例1および比較例1で得られた回路部品実装体について、熱衝撃試験を下記の方法にしたがって行った。その結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
Figure 2004039934
【0092】
[熱衝撃試験] 回路部品実装体を、−55℃の雰囲気中に3分間放置し、続いて125℃の雰囲気中に3分間放置するという1サイクルの操作を、0回、100回、200回、500回、1000回、1500回行った後、接続抵抗を測定した。
【0093】
表1に示すように、実施例1は比較例1にくらべて接続抵抗の変化が少なく、良好な電気接続がなされていることが分かる。
【0094】
(実施例2)
実施例2では、実施の形態3で説明した回路部品実装体3について具体的に説明する。尚、実施例1において、配線基板に実装される回路部品は1つである。
【0095】
本実施例では、実施例1と同様にして作製したフィルム状物60aの貫通孔60bに半田ペースト(千住金属工業(株)製、ソルダーペーストOZ63−221CM5−40−10)を充填して、フィルム60を用意した(図7(b)参照)。
【0096】
次に、配線基板(松下電子部品(株)製、FR−4)上に、フィルム60、角型チップ固定抵抗器(松下電子部品(株)製、 ERJ12Y、4.5mm×3.2mm)の順で位置あわせして重ね、熱プレス機によってプレス温度180℃、圧力1MPaの条件で3分間、加熱し加圧することで、配線基板と角型チップ固定抵抗器をフィルム60を介して接合した。次に、240℃(最高温度)、10秒間の条件でリフローを行い、半田を溶融させ、その後、溶融した半田を硬化させた。
【0097】
次に、被覆部材となるシート状物70(図7(c)参照)を作製するために、下記に示す配合組成の混合物を用意した。Al(昭和電工(株)製、AS−40、粒径12μm)90重量%、液状熱硬化エポキシ樹脂(日本レック(株)製、EF−450)9.5重量%、カーボンブラック(東洋カーボン(株)製)0.2重量%、カップリング剤(味の素(株)製、チタネート系:46B)0.3重量%。
【0098】
上記した組成の混合物に、粘度調整用溶剤としてメチルエチルケトン溶剤を、前記混合物のスラリー粘度が約20Pa・sになるまで添加した。そして、これらにアルミナの玉石を加え、ポット中で48時間、速度500rpmの条件で回転混合し、シート状物70の原料となるスラリーを調整した。その後、スラリーをドクターブレード法にて造膜し、その後乾燥してシートを得た。このシートを5枚重ね、厚み400μmのシート状物70を得た。
【0099】
次に、シート状物70を、先に配線基板上に実装された角型チップ固定抵抗器に重ね、熱プレス機によって、温度180℃、圧力4.5×10−2Paの条件で、90分間加熱し加圧して、シート状物70に角型チップ固定抵抗器をシート状物70に埋入させ、シート状物70を硬化させて、回路部品実装体3を得た。
【0100】
(比較例2)
配線基板(松下電子部品(株)製、FR−4)に、半田ペースト(千住金属工業(株)製、ソルダーペーストOZ63−221CM5−40−10)を印刷機により塗布し、角型チップ固定抵抗器(松下電子部品(株)製、 ERJ12Y、4.5mm×3.2mm)を配線基板上に位置あわせして重ねた後、最高温度240℃、10秒間加熱して半田ペーストを溶融し、その後硬化させた。次に、実施例2で作製したシート状物70を角型チップ固定抵抗器に重ね、熱プレス機によってプレス温度180℃、圧力4.5×10−2Paの条件で、90分間加熱し加圧して、角型チップ固定抵抗器をシート状物70に埋入させ、シート状物70を硬化させて、回路部品実装体を得た。
【0101】
実施例2および比較例2で得られた回路部品実装体について、電気接続性試験を下記の方法にしたがって行った。
【0102】
[電気接続性試験] 回路部品実装体を、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に168時間放置し、240℃(最高温度)、10秒間の条件でリフローを行った後、電気接続の短絡の発生数を調べた。
【0103】
実施例2および比較例2のそれぞれ50個について、上記した電気接続性試験を行ったところ、実施例2は50個すべてについて短絡は無かった。比較例2については38個が短絡していた。実施例2は半田の再溶融に伴う電気接続の短絡がなく、良好な電気接続がなされていることがわかる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の回路部品実装体によれば、信頼性の高い回路部品実装体を提供できる。また、本発明の回路部品実装体の製造方法によれば、信頼性の高い回路部品実装体を容易に製造することがことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における回路部品実装体の一例を示す断面図
【図2】本発明における回路部品実装体の一例を示す断面図
【図3】本発明における回路部品実装体の一例を示す断面図
【図4】図3に示した回路部品実装体を二次実装した状態を示す断面図
【図5】本発明における回路部品実装体の製造方法の一例を示す工程別の断面図
【図6】本発明における回路部品実装体の製造方法に用いる配線基板の製造方法の一例を示す工程別の断面図
【図7】本発明における回路部品実装体の製造方法の一例を示す工程別の断面図
【符号の説明】
1            回路部実装体
100        回路部品
100a      端子電極
100b      回路部品本体部
101        回路部品
101a      端子電極
101b      回路部品本体部
103        接合部材
104        導体部
105        絶縁層
105a      第1の面
105b      第2の面
105c      インナービア
106a      配線パターン
106b      配線パターン
107        配線基板
110        積層体
2            回路部実装体
200        回路部品
200a      端子電極
200b      回路部品本体部
200c      回路部品本体部の側面
201        回路部品
201a      端子電極
201b      回路部品本体部
201c      回路部品本体部の側面
203        接合部材
204        導体部
205        絶縁層
205a      第1の面
205b      第2の面
205c      インナービア
206a      配線パターン
206b      配線パターン
207        配線基板
3            回路部実装体
300        回路部品
300b      回路部品本体部
301        回路部品
301b      回路部品本体部
303        接合部材
304        導体部
305        絶縁層
305a      第1の面
305b      第2の面
305c      インナービア
306a      配線パターン
306b      配線パターン
307        配線基板
308        被覆部材
310        積層体
408        回路部品
409        マザー基板
50          シート状絶縁物
50a        貫通孔
51          導電性樹脂組成物
52a        金属箔
52b        金属箔
60          フィルム
60a        フィルム状物
60b        貫通孔
60c        導電性材料
70          シート状物

Claims (13)

  1. 第1の面と第2の面を有し、前記第1の面に配線パターンが形成された配線基板と、
    回路部品本体部に端子電極が形成された回路部品と、
    フィルム状の接合部材と、
    前記接合部材の内部に配置された導体部とを含み、
    前記配線基板と前記回路部品とが前記接合部材を介して接合され、前記配線パターンと前記端子電極とが前記導体部を介して電気的に接続されていることを特徴とする回路部品実装体。
  2. 前記回路部品が一対の端子電極を有しており、前記一対の端子電極のそれぞれに接続された前記導体部の間において、前記回路部品と前記配線基板との間が前記接合部材により充填された請求項1に記載の回路部品実装体。
  3. 前記回路部品本体部の側面の一部が、前記接合部材に接合された請求項2に記載の回路部品実装体。
  4. 前記回路部品実装体が複数の回路部品を含み、前記複数の回路部品と前記配線基板とが1枚の前記接合部材を介して接合された請求項1〜3のいずれかの項に記載の回路部品実装体。
  5. 前記接合部材の、配線基板側の面と回路部品側の面との間の厚みが30〜400μmである請求項1に記載の回路部品実装体。
  6. 前記接合部材が、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む請求項1に記載の回路部品実装体。
  7. 前記導体部が、半田または導電性樹脂組成物である請求項1に記載の回路部品実装体。
  8. 前記導電性樹脂組成物が、金属フィラーと熱硬化性樹脂とを含む請求項7に記載の回路部品実装体。
  9. 前記回路部品を埋設する被覆部材をさらに含む請求項1〜8のいずれかの項に記載の回路部品実装体。
  10. 前記被覆部材が、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む請求項9に記載の回路部品実装体。
  11. (a)第1の面と第2の面を有し、前記第1の面に配線パターンが形成された配線基板と、
    未硬化状態の熱硬化性樹脂を含み、導電性材料が充填された貫通孔を有するフィルムと、
    回路部品本体部に端子電極が形成された回路部品とを準備し、
    前記配線パターンと前記端子電極とが前記導電性材料を介して接続するように、前記配線基板の前記第1の面側に、前記フィルムおよび前記回路部品をこの順に重ねて積層体を形成する工程と、
    (b)前記積層体を加熱することにより、前記熱硬化性樹脂を硬化させて、前記回路部品と前記配線基板とを前記フィルムを介して接合する工程と、
    を含むことを特徴とする回路部品実装体の製造方法。
  12. 前記工程(b)において、前記積層体を加熱するとともに加圧する請求項11に記載の回路部品実装体の製造方法。
  13. 前記回路部品実装体の製造方法が、
    (c)未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む材料を、前記回路部品を覆うように配置する工程をさらに含む、請求項11または12に記載の回路部品実装体の製造方法。
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