JP2004039912A - コンデンサ製造用シート材及びそのシート材の製造方法並びに前記シート材を用いたコンデンサ - Google Patents

コンデンサ製造用シート材及びそのシート材の製造方法並びに前記シート材を用いたコンデンサ Download PDF

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福井 清
Kazumi Naito
内藤 一美
Hiroyuki Kawabata
川畑 博之
Ichizo Tsukuda
佃 市三
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Abstract

【課題】個々のコンデンサ素子の製作後に、個別に陽極端子部材を接合する作業をなくすことができるとともに、全体容積を小型にでき、かつ陽極引き出し部における電気的特性が良好なコンデンサを製造するためのコンデンサ製造用シート材を提供し、さらにはそのシート材の製造方法並びに前記シート材を用いたコンデンサ並びにコンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】複数個のコンデンサ20を製造するためのコンデンサ製造用シート材1である。弁作用金属シート2の少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜3が形成され、1つ又は2つ以上の金属層4が前記弁作用金属シート2と金属的に接合されている。金属層4は、誘電体酸化皮膜が除去された状態で弁作用金属シートに直接接合されていても良いし、誘電体酸化皮膜の上から接合されていても良い。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば固体電解コンデンサ等の製造に用いられるコンデンサ製造用シート材及びそのシート材の製造方法、前記シート材を用いたコンデンサ並びにコンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気機器のデジタル化に伴って、コンデンサも小型で大容量かつ高周波領域でのインピーダンスの低いものが要求されてきている。とりわけ、パーソナルコンピュータや携帯電話等の通信機器では、搭載されるCPUの演算速度の増大に伴い、高周波領域での使用においてインピーダンス(Z)、等価直列抵抗(ESR)の低減が求められている。
【0003】
従来、これらコンピュータや通信機器には、小型化の要求の高まりから、容積の低減を目的として、プラスチックコンデンサ、マイカコンデンサ、積層セラミックコンデンサが広く用いられていた。
【0004】
しかし、このようなプラスチックコンデンサ、マイカコンデンサ、積層セラミックコンデンサは、概してESR値が大きい上、静電容量の増大にも限界があった。
【0005】
そこで、最近では、プラスチックコンデンサ、マイカコンデンサ、積層セラミックコンデンサに代わり、Z値やESR値が小さく静電容量も大きなコンデンサとして、アルミニウム等の弁作用金属表面に誘電体酸化皮膜を形成し、該誘電体酸化皮膜上に導電性高分子膜を形成して固体電解質とする構造の固体電解コンデンサが用いられている。
【0006】
このような固体電解コンデンサの製造方法として、特に陽極端子の形成に関して、個々のコンデンサを製作後に、各コンデンサの陽極引き出し部に、銀ペースト等の導電性部材を介して端子部材を接合し、この接合された端子にリードフレームを接合することが行われている。また、端子部材をなくすために、陽極引き出し部とリードフレームとを、局部的に超音波を与えながらはんだ付により接合することも行われている(例えば特開平8−130163号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、個々のコンデンサ素子の製作後に、個別に銀ペースト等の導電性部材を介して端子部材を接合するのは、作業が煩雑となるのみならず、銀ペーストやはんだの塊により全体の容積が嵩張る傾向にあり、また陽極引き出し部における電気的特性が低下し、コンデンサのESR値が大きくなってコンデンサの特性を阻害する傾向にあるという欠点があった。
【0008】
この発明は、このような欠点を解消するためになされたものであって、個々のコンデンサ素子の製作後に、個別に陽極端子部材を接合する作業をなくすことができるとともに、全体容積を小型にでき、かつ陽極引き出し部における電気的特性が良好なコンデンサを製造するためのコンデンサ製造用シート材を提供し、さらにはそのシート材の製造方法並びに前記シート材を用いたコンデンサ並びにコンデンサの製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の一つは、複数個のコンデンサを製造するためのコンデンサ製造用シート材であって、弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜が形成されるとともに、1つ又は2つ以上の金属層が前記弁作用金属シートと金属的に接合されていることを特徴とするコンデンサ製造用シート材にある。
【0010】
このコンデンサ製造用シート材では、少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属シートに、予め、1つ又は2つ以上の金属層が前記弁作用金属シートと金属的に接合されているから、この弁作用金属シートを用いて複数個のコンデンサを製作したときに、前記金属層を陽極端子部材として用いることができる。従って、個々のコンデンサに対して、電極引き出し部に端子部材を銀ペーストやはんだ付等で個別に接合する必要はなくなる。しかも、複数のコンデンサを製作する前のシートの状態で金属層を接合するから、金属層を弁作用金属シートと密着一体化した状態に均一に接合でき、銀ペーストやはんだの塊が陽極引き出し部と端子部材との間に介在して、コンデンサの全体の小型化を妨げたり、接合部分の電気的特性が低下してコンデンサのESR値が大きくなるというような不都合を抑制できる。
【0011】
なお、この明細書において、「シート」の語は「箔」を含む概念で用いている。
【0012】
前記金属層は、弁作用金属シートと金属的に接合されていれば、誘電体酸化皮膜が除去された状態で弁作用金属シートに直接接合されていても良いし、誘電体酸化皮膜の上から接合されていてもよい。
【0013】
また、前記弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウムのいずれかまたはその合金を挙げることができる。
【0014】
また、前記弁作用金属シートは表面にエッチング細孔を有するものであるのが、拡面率の増大によるコンデンサとしての静電容量の増大に寄与する点で望ましい。また、前記弁作用金属シートが焼結体からなる場合にも、表面に多数の微細凹凸を形成し得て、エッチング細孔の場合と同様に、拡面率の増大によるコンデンサとしての静電容量の増大に寄与する。
【0015】
また、前記弁作用金属シートの表面の誘電体酸化皮膜は、前記弁作用金属の酸化物であるのが、誘電体酸化皮膜の形成を簡単に行いうる点で望ましい。
【0016】
また、金属層が前記弁作用金属シートよりも低抵抗率である場合には、金属層が介在することによる電気的特性の低下を防止できる。
【0017】
また、前記金属層の厚みが前記誘電体酸化皮膜の厚みよりも薄いものである場合には、コンデンサのより一層の薄型化を達成できる。
【0018】
金属層の材質は特に限定されることはないが、銅又は銅合金からなるものが経済的な観点から推奨される。
【0019】
また、コンデンサ製造用シート材は、誘電体酸化皮膜を形成されたシート材の静電容量が1000μF・V/cm以上であるのが、より高静電容量を有するコンデンサとなし得る点で望ましい。
【0020】
また、この発明の他の一つは、複数個のコンデンサを製造するためのコンデンサ製造用シート材の製造方法であって、弁作用金属シートをエッチングする工程と、エッチング後の弁作用金属シートを化成皮膜処理して弁作用金属シートの表面に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、誘電体酸化皮膜の形成後、前記弁作用金属シートよりも低抵抗率の1つ又は2つ以上の金属層を前記弁作用金属シートと金属的に接合する工程と、を含むことを特徴とするコンデンサ製造用シート材の製造方法にある。
【0021】
このコンデンサ製造用シート材の製造方法では、端子部材として利用できる金属層を予め有するコンデンサを製造するのに好適なシート材が提供される。
【0022】
前記コンデンサ製造用シート材の製造方法において、誘電体酸化皮膜の形成後金属層の接合前に、誘電体酸化皮膜の一部を除去して弁作用金属シートを露出させ、この露出した弁作用金属シートに前記金属層を直接接合しても良い。誘電体酸化皮膜の存在しない状態で金属層が弁作用金属シートに確実に接合される。しかも誘電体酸化皮膜が存在しないため、金属層部分のシート材の厚みがさらに薄くなり、コンデンサがより一層小型化する。この場合、前記金属層の接合は、例えば超音波接合または溶射によって行えば良く、簡単に接合できる。
【0023】
また、前記金属層を、誘電体酸化皮膜の上から接合しても良い。この場合には、誘電体酸化皮膜の除去工程が不要となる。この場合の前記金属層の接合は、例えばスポット溶接により行えば良い。
【0024】
また、この発明のさらに他の一つは、弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜が形成されるとともに、前記弁作用金属シートと電気的導通状態に金属層が設けられているシート材が、前記金属層を含んで切断されることによりコンデンサ素材が形成され、このコンデンサ素材に、前記金属層を回避して固体電解質層が形成されていることを特徴とするコンデンサにある。
【0025】
このコンデンサでは、陽極引き出し部に予め金属層が接合されているから、この金属層を陽極端子部材として用いることができ、改めて陽極端子部材を接合する必要はなくなる。
【0026】
前記コンデンサにおいて、前記固体電解質層の電導度が10−2S・cm−1以上の無機半導体又は有機半導体である場合には、固体電解質層においても良好な電気的特性が確保される。
【0027】
また、前記金属層がコンデンサ取付用基板の配線部に直接接続される場合には、リードフレームを介することなく直接に金属層とコンデンサ取付用基板の配線部とが接続され、コンデンサの全体の小型化ひいては電子回路全体の小型化に資するものとなる。
【0028】
この発明のさらに他の一つは、弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、前記弁作用金属シートと金属的接合状態に金属層を設ける工程と、前記金属層を設けた弁作用金属シートを、前記金属層を含んで切断することによりコンデンサ素材を形成する工程と、前記コンデンサ素材に、前記金属層を回避して固体電解質層を形成する工程と、を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法にある。
【0029】
このコンデンサの製造方法では、弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜を形成した後、この弁作用金属シートと金属的接合状態に金属層を設けた弁作用金属シートを、前記金属層を含んで切断することによりコンデンサ素材を形成し、前記金属層を回避して固体電解質層を形成するから、コンデンサ素材の段階では既に金属層が形成された状態となっている。従って、この金属層を陽極端子部材として用いることで、コンデンサを構成した後に個別に陽極端子を接合するのに較べて、接合作業が容易になるし、確実に接合を行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態に係るコンデンサ製造用シート材の正面図、図2は同じく断面図である。
【0031】
図1において、1は長方形状のコンデンサ製造用シート材、2は同じく長方形状の弁作用金属シート、3は前記弁作用金属シートの表裏両面に形成された誘電体酸化皮膜、4は2個の金属層である。
【0032】
前記弁作用金属シート2は弁作用金属からなる。弁作用金属としては、好適なものとしてアルミニウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウムのいずれか又はその合金からなるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、弁作用金属シート2の表面には、望ましくは多数のエッチング細孔による微細凹凸が形成されているのがよい。また、弁作用金属シート2を焼結体により形成することにより、表面に多数の微細凹凸を有するものとしても良い。このように、弁作用金属シート2の表面に、多数の微細凹凸を形成しておくことにより、拡面率が増大し、ひいてはコンデンサの静電容量を増大することができる。
【0033】
前記誘電体酸化皮膜3は、前記弁作用金属シート2を構成する弁作用金属の酸化物からなり、弁作用金属シート2を陽極酸化処理等の化成皮膜処理を施すことにより形成されている。なお、誘電体酸化皮膜3は弁作用金属シート2の表裏いずれか一方のみに形成されたものであっても良い。
【0034】
前記金属層4はそれぞれ、弁作用金属シート2の各長辺の近くの位置において長辺に沿って帯状に形成されている。この金属層4は、コンデンサの陽極端子部材としても機能しうるものであるため、弁作用金属シート2との電気的導通状態を確保すべく弁作用金属シート2に金属的に一体接合されている。また、金属層4によるコンデンサの電気的特性を低下させないようにするため、金属層4を構成する金属は弁作用金属シート2よりも低抵抗率であるのが望ましい。金属層4を構成する具体的な金属材料は、弁作用金属シート2に応じて銅、ニッケル等適宜選択できるが、コスト面を考慮すると銅(Cu)又はその合金を好適に用いることができる。
【0035】
また、金属層4の厚みは、弁作用金属シート2の厚みや誘電体酸化皮膜3の厚みよりも薄いものであるのが、コンデンサ製造用シート材ひいてはコンデンサの全体厚さを薄くできる上で望ましい。
【0036】
前記金属層4は、図2(a)に示すように、弁作用金属シート2の表面の誘電体酸化皮膜3の一部を存在させることなく弁作用金属シート2の地肌が露出した状態にして、前記露出した弁作用金属シート2に直接に接合されても良い。この場合、誘電体酸化皮膜3の一部が存在することなく弁作用金属シート2の地肌が露出した状態とするための方法は、誘電体酸化皮膜3をグラインダー等の機械的手段により爾後的に除去する方法でも良いし、あるいは陽極酸化処理等による誘電体酸化皮膜3の形成時に、金属層4の接合予定部位を予めマスキングして誘電体酸化皮膜3の成長を強制的に阻害しても良い。あるいは、図2(b)に示すように、金属層4を誘電体酸化皮膜3の上から接合しても良い。これらの点については後述する。
【0037】
次に、図1及び図2に示したコンデンサ製造用シート材1の好適な製造方法について詳細に説明する。
【0038】
まず、弁作用金属からなるシート(箔を含む)2を用意する。このシート2を電気化学的あるいは化学的にエッチングして、表面にエッチング細孔からなる多数の微細凹凸を形成する。エッチングの条件は特に限定されることはない。電気化学的エッチングの場合、交流、直流いずれのエッチングでも良い。あるいは、シートを焼結体により形成して、表面に微細凹凸を有するものとしても良い。
【0039】
次いで、例えば陽極酸化処理等の化成皮膜処理を実施することにより、弁作用金属シート2の表面に誘電体酸化皮膜3を被覆形成する。弁作用金属シート2がアルミニウム箔からなる場合、誘電体酸化皮膜3を被覆形成する陽極酸化処理は、例えばアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で行えばよい。
【0040】
誘電体酸化皮膜3を形成したシート材1の静電容量は、1000μF・V/cm以上であるのが、最終的なコンデンサの静電容量を高くできる点で望ましい。
【0041】
誘電体酸化皮膜3の形成後、弁作用金属シート2の片面において、1個又は2個以上の帯状の金属層4を弁作用金属シート2と金属的に接合する。接合は、図2(a)のように、誘電体酸化皮膜3の一部をグラインダー等で機械的に除去して弁作用金属シート2の表面を露出させた後、露出した弁作用金属シート2に直接接合しても良い。あるいはまた、図2(b)に示すように誘電体酸化皮膜3の上から接合しても良い。前者の場合、露出した弁作用金属シート2に金属層形成用の箔ないしシート状の金属材を超音波接合しても良いし、あるいは金属層形成用金属を、露出した弁作用金属シート2に溶射することにより金属層を接合しても良い。
【0042】
また、誘電体酸化皮膜3の上から金属層4を接合する場合には、誘電体酸化皮膜3の上に配置された金属層形成用の箔ないしシート状の金属材を高い抑え圧で抑え込み、極狭い間隔で大電流スポット溶接あるいはシーム溶接等を実行することにより、誘電体酸化皮膜3を透過して前記金属材を弁作用金属シート2に接合する。
【0043】
いずれの接合方法も、コンデンサ素子への切断前の面積的に大きなシート材に対して実行すればよいから、弁作用金属シート2と金属層4との十分な金属的接合を確保することができ、ESR値の増大をもたらす電気抵抗の不均一が回避される。
【0044】
なお、弁作用金属シート2と金属層との接合方法は、上記のものに限定されることはない。
【0045】
次に、上記により金属層4を接合したコンデンサ製造用シート材1を、前記金属層4を一部に含んだ状態に打ち抜くことにより、コンデンサ素材を形成する。この実施形態では、図4(a)に示すように、T字形に打ち抜くものとし、金属層4はT字形コンデンサ素材5における幅広の頭部5aからI形の基部5bにかけての部位に存在している。T字形に打ち抜くことにより、図3に示すようにシート材1からの取り合い効率が良くなり、材料の無駄が少なくなる。また、幅広の頭部5aの存在により以後のハンドリングが容易となる。
【0046】
その後、図4(b)に示すように、前記コンデンサ素材5における金属層4と誘電体酸化皮膜3との境界部分の全周にリング状に、金属層4と後述の固体電解質層とを絶縁するための絶縁性塗膜6を被覆形成した後、絶縁性塗膜6よりも金属層4側の部分を、導電性塗膜7の被覆形成によってマスキングする。前記絶縁性塗膜6及び導電性塗膜7の形成は、ロールコーター、リバースコーターまたはスクリーン印刷等の印刷による方法が量産性の面で好ましい。
【0047】
次いで、上記コンデンサ素材5における前記絶縁性塗膜6よりも基部5b側の部分を、アジピン酸アンモニウム等の水溶液中で再度陽極酸化処理することにより、図4(c)のように、打ち抜きによって弁作用金属シート2の断面部に生じた誘電体酸化皮膜の未形成部分に誘電体酸化皮膜3aを形成し、あるいは誘電体酸化皮膜3の上にさらに誘電体酸化皮膜3aを形成して、誘電体酸化皮膜3の修復を行う。
【0048】
次に、図5(a)のように、誘電体酸化皮膜3aの表面に、固体電解質層8として、例えば電解重合により導電性ポリピロール膜を形成する。この電解重合による導電性ポリピロール膜の形成は、例えば、金属層4の表面に形成した前記導電性塗膜7の一部を陽極として、支持電解質0.01〜2mol/l及びピロールモノマー0.01〜5mol/lを含む電解液中で電解重合を行うことにより実行される。
【0049】
前記電解重合に用いられる支持電解質のアニオンとしては、ヘキサフロロリン(PF )、ヘキサフロロヒ素(AsF )、ヘキサフロロアンチモン(SbF )、テトラフロロホウ素(BF )、過塩素酸等のハロゲン化物イオン、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲンイオン、メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等のアルキルスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のベンゼンモノもしくはジスルホン酸イオン、2−ナフ夕レンスルホン酸、1,7−ナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸基を1〜4個置換したナフタレンスルホン酸のアルキル置換もしくは無置換イオン、アルキルビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のビフェニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等の高分子スルホン酸イオン、アンソラキノンスルフォン酸、ビスサルチレートホウ素、ビスカテコレートホウ素等のホウ素化合物イオン、PMO1240等のへテロポリ酸イオンであり、好ましくはスルホン酸イオンである。また、カチオンとしては、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等の4級アンモニウムイオンである。化合物としては、LiPF、LiAsF、LiBF、KI、NaPF、NaC1O、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム、1,7−ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、n−オクタデシルナフタレンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、ビスサルチレートホウ素テトラメチルアンモニウム等があげられる。
【0050】
次いで、端子部材やリードフレームとの電気的接触をよくする等のために、図5(b)のように、前記導電性ポリピロール膜の表面に、陰極層9を形成する。
【0051】
陰極層9は、例えば、導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フイルムの形成等により形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ベースト、アルミニウムペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等が好ましいが、これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合、混合してもよく、または別々の層として重ねてもよい。導電ペーストを適用した後、空気中に放置するか、または加熱して固化せしめる。メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、アルミニウムメッキ等があげられる。また蒸着金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、銀等があげられる。
【0052】
具体的には、固体電解質層8上に例えばカーボンペースト、銀ペーストを積層する。
【0053】
次に、必要であれば図5(b)のように、陰極層9の上に銀ペースト等により陰極側引き出し部10を形成しても良い。この陰極側引き出し部10を介して陰極端子部材が接続され、あるいはリードフレームが接続される。なお、陰極側引き出し部10は、金属層4と同じ側の面に設けても良いし、反対側の面に設けても良い。
【0054】
次に、必要であれば、金属層4側の表面にも陽極側引き出し部11を局部的に設けたのち、矢印で示す切断位置にて、T形のコンデンサ素材5の頭部5aの両端部を切断し、さらに要すれば頭部の一部を長さ方向に切断してI形のコンデンサ20を形成する。切断は、カッター等の機械的手段やYAGレーザー等の熱的手段を用いて行えば良い。
【0055】
そして、前記陰極側引き出し部10に陰極端子部材あるいはリードフレームを接続するとともに、陽極側引き出し部11にもリードフレームを接続するか、あるいはリードフレームを用いることなく直接にコンデンサ取り付け基板の配線部に接続する。このように、金属層4とコンデンサ取付用基板の配線部とを直接に接続することにより、コンデンサの全体の小型化ひいては電子回路全体の小型化に資するものとなる。また、陰極側引き出し部10あるいは陽極側引き出し部11において、銀ペースト等を介することなく基板や金ワイヤー等と直接金属接合しても良い。この場合には、銀ペースト等を介さないから、さらなる小型化が図れるとともに、基板や金ワイヤー等との接続部における電気抵抗の増大を抑制できる。
【0056】
なお、必要に応じてコンデンサをエポキシ樹脂のような材料で封止してもよいし、また各種用途に用いるために、コンデンサを、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属性の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフイルムなどの外装材により外装しても良い。
【0057】
ところで、上記実施形態では固体電解質層8として、導電性ポリピロール膜を形成したが、前記固体電解質層は格別限定されるものではなく、例えば、有機半導体及び無機半導体から選ばれた少なくとも1種の材料(化合物)を使用できる。
【0058】
有機半導体の具体例としては、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、あるいは下記一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を含む導電性高分子が挙げられる。
【0059】
【化1】
Figure 2004039912
【0060】
式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1乃至10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、アルコキシ基あるいはアルキルエステル基、またはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF基、フエニル基及び置換フエニル基からなる群から選ばれた一価基を表わす。RとR及びRとRの炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子と共に少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖には、カルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意の位置に含んでもよい。Xは酸素、硫黄または窒素原子を表し、RはXが窒素原子の時のみ存在して、独立して水素または炭素数1乃至10の直鎖上もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基を表す。
【0061】
さらに、前記一般式(1)または一般式(2)のR〜Rは、好ましくは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1乃至6の直鎖上もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基またはアルコキシ基を表し、RとR及びRとRは互いに結合して環状になっていてもよい。
【0062】
さらに、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む導電性高分子は、好ましくは下記一般式(3)で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子が挙げられる。
【0063】
【化2】
Figure 2004039912
【0064】
式中、R及びRは、各々独立して水素原子、炭素数1乃至6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素元素を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表わす。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフエニレン構造のものが含まれる。
【0065】
このような化学構造を含む導電性高分子は、荷電されており、ドーパントがドープされる。ドーパントには公知のドーパントが制限なく使用できる。
【0066】
無機半導体の具体例としては、二酸化鉛または二酸化マンガンを主成分とする無機半導体、四三酸化鉄からなる無機半導体などが挙げられる。このような半導体は単独でも、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0067】
一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を含む重合体としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフエニレン、ポリフエニレンサルファイド、ポリチオフエン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体などが挙げられる。中でもポリピロール、ポりチオフエン及びこれらの置換誘導体(例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフエン)等)が好ましい。
【0068】
上記有機半導体及び無機半導体として、電導度10−2S・cm−1〜10S・cm−1の範囲のものを使用すると、作製したコンデンサのインピーダンス値がより小さくなり高周波での容量をさらに一層大きくすることができる。
【0069】
【実施例】
(実施例1)
弁作用金属シート2として純度99.9%以上のアルミニウム箔(箔厚100μm、縦270mm×横180mm)を用意した。このアルミニウム箔の両面に、30μm厚のエッチング層を形成した後、アジピン酸アンモニウム水溶液中にて電圧22Vで化成処理し、アルミニウム箔2の両面に誘電体酸化皮膜3を形成した。
【0070】
次いで、前記アルミニウム箔の片面の誘電体酸化皮膜3を、幅5mmの回転砥石を有するグラインダーで帯状に除去し、アルミニウム箔を露出させた。
【0071】
次に、前記アルミニウム箔の地肌露出部分に厚さ50μmの帯状の金属層4としての無酸素銅(C1020)の箔を配置し、超音波接合によりアルミニウム箔と無酸素銅箔とを金属的に接合することにより、コンデンサ製造用シート材1を製作した。超音波接合は、周波数40kHz、圧力0.39MPa(4kgf/cm)、接合時間0.4秒の条件にて行った。
【0072】
次に、前記コンデンサ製造用シート材1を、図4に示すような形態でT形に打ち抜いてコンデンサ素材5とした後、無酸素銅箔とこれに隣接する誘電体酸化皮膜との境界部分において、コンデンサ素材5の基部5b側の外周に沿って絶縁性塗膜6を形成するとともに、無酸素銅4の表面に導電性塗膜7を被覆形成した。
【0073】
次に、コンデンサ素材5の絶縁性塗膜6から基部5b側の部位を、アジピン酸アンモニウム水溶液中で、電圧22Vにて陽極酸化処理し、既に被覆されていた誘電体酸化皮膜の修復を行った。
【0074】
次に、ピロールモノマー0.4mol/l、アンソラキノンスルホン酸ナトリウム0.4mol/l及び30%エチルアルコール水溶液を入れたステンレス容器中に浸漬し、無酸素銅箔に塗布した前記導電性塗膜7の端部の一部を電源に接続して陽極とし、ステンレス容器を陰極として、定電流電解重合(0.3mA/ピン、90分)を行い、電解重合による固体電解質層8としてのポリピロール膜を形成した。
【0075】
次に、該ポリピロール膜8上にカーボンペースト及び銀ペーストを塗布し、陰極層9を形成した後、YAGレーザーを用いて、図5(b)に矢示した切断位置にて切断した。続いて、陰極層9側の表面に銀ペーストを接合して陰極側引き出し部10とするとともに、無酸素銅層の表面側にも銀ペーストを接合して陽極側引き出し部11とした。
【0076】
次いで、前記各引き出し部に直径50μmの金ワイヤーを接続して、陰陽両極を引き出し、さらに全体をエポキシ樹脂でモールドして、定格10V、定格静電容量10μFの固体電解コンデンサを得た。
【0077】
得られた固体電解コンデンサの初期特性を調べたところ、周波数120Hzでの静電容量が10.5μF、周波数120Hzでの損失角の正接(tanδ)が0.68%、周波数100kHzでの等価直列抵抗(ESR)が52mΩ、電圧10Vでの漏れ電流は0.03μA以下であった。
(実施例2)
金属層としての無酸素銅箔の接合を、誘電体酸化皮膜の上からスポット溶接により行った以外は、実施例1と同様にして定格10V、定格静電容量10μFの固体電解コンデンサを得た。なお、スポット溶接の条件は、溶接電流1000A、加圧力0.49MPa(5kgf/cm)とした。
【0078】
得られた固体電解コンデンサの初期特性は、周波数120Hzでの静電容量が10.5μF、周波数120Hzでの損失角の正接(tanδ)が0.67%、周波数100kHzでの等価直列抵抗(ESR)が50mΩ、電圧10Vでの漏れ電流は0.03μA以下であった。
(比較例1)
実施例と同じアルミニウム箔を用い、このアルミニウム箔の一部をマスキングした状態で、アジピン酸アンモニウム水溶液中において、電圧35Vで化成処理して、アルミニウム箔の一部表面を除く両面に誘電体酸化皮膜を形成した。
【0079】
その後の処理は、アルミニウム箔の誘電体酸化皮膜未形成部分を実施例1の無酸素銅箔の位置に対応させて、誘電体酸化皮膜未形成のまま処理された点を除き、実施例1と同様にして、ポリピロール膜上に陰極層9を形成したコンデンサ素子5を形成した。その後、YAGレーザーを用いて、図5(b)に矢示した切断位置にて切断した。続いて、陰極層側の表面に銀ペーストを接合して陰極側引き出し部とするとともに、アルミニウム箔の誘電体酸化皮膜未形成部分(実施例1の銅箔存在部分)に、成分がPb(58質量%)、Sn(37質量%)、Zn(3質量%)を主成分とするはんだ(融点190℃)を用い、無酸素銅からなる接続端子を接続して陽極側引き出し部とした。
【0080】
次いで、前記各引き出し部に直径50μmの金ワイヤーを接続し、さらに全体をエポキシ樹脂でモールドして、定格10V、定格静電容量10μFの固体電解コンデンサを得た。
【0081】
得られた固体電解コンデンサの容積は、接続端子をはんだを介して接続した分実施例1のものよりも大きくなった。また初期特性は、周波数120Hzでの静電容量が10.4μF、周波数120Hzでの損失角の正接(tanδ)が0.72%、周波数100kHzでの等価直列抵抗(ESR)が103mΩ、電圧10Vでの漏れ電流は0.03μA以下であり、ESR値が実施例1及び2のものよりも大きかった。
【0082】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、該発明に係る弁作用金属シートを用いて複数個のコンデンサを製作したときに、前記金属層を陽極端子部材として用いることができる。従って、個々のコンデンサに対して、電極引き出し部に端子部材を銀ペーストやはんだ付等で個別に接合する必要はなくなる。しかも、複数のコンデンサを製作する前のシートの状態で金属層を接合するから、金属層を弁作用金属シートと均一に密着一体化した状態に接合でき、銀ペーストやはんだの塊が陽極引き出し部と端子部材との間に介在して、コンデンサの全体の小型化を妨げたり、接合部分の電気抵抗が増加してコンデンサのESR値が大きくなるというような不都合を抑制できる。
【0083】
請求項2に係る発明によれば、誘電体酸化皮膜が除去された状態で金属層が弁作用金属シートに直接接合されているから、誘電体酸化皮膜の存在しない状態で金属層が弁作用金属シートに均一かつ確実に接合されており、電気的特性がさらに良好になるとともに、誘電体酸化皮膜が存在しないため、金属層部分のシート材の厚みがさらに薄くなり、コンデンサがより一層小型化する。
【0084】
請求項3に係る発明によれば、金属層が誘電体酸化皮膜の上から接合されているから、誘電体酸化皮膜の除去が不要となる。
【0085】
請求項4に係る発明によれば、弁作用金属がアルミニウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウムのいずれかまたはその合金であるから、より性能的に優れたコンデンサの提供が可能となる。
【0086】
請求項5及び6に係る発明によれば、拡面率の増大によるコンデンサとしての静電容量の増大に寄与することができる。
【0087】
請求項7に係る発明によれば、誘電体酸化皮膜の形成を簡単に行うことができる。
【0088】
請求項8に係る発明によれば、金属層が弁作用金属シートよりも低抵抗率であるから、金属層が介在することによる電気抵抗の増加を防止できる。
【0089】
請求項9に係る発明によれば、金属層の厚みが誘電体酸化皮膜の厚みよりも薄いものであるから、コンデンサのより一層の薄型化を達成できる。
【0090】
請求項10に係る発明によれば、コスト安価にして性能の良いコンデンサ製造用シート材となし得る。
【0091】
請求項11に係る発明によれば、誘電体酸化皮膜を形成されたシート材の静電容量が1000μF・V/cm以上であるから、より高静電容量を有するコンデンサとなし得る。
【0092】
請求項12に係る発明によれば、端子部材として利用できる金属層を予め有するコンデンサを製造するのに好適なシート材を提供することができる。
【0093】
請求項13に係る発明によれば、誘電体酸化皮膜の存在しない状態で金属層を弁作用金属シートに均一かつ確実に接合することができる。
【0094】
請求項14に係る発明によれば、前記金属層の接合を容易に行うことができる。
【0095】
請求項15に係る発明によれば、誘電体酸化皮膜の除去工程が不要となしうる。
【0096】
請求項16に係る発明によれば、前記金属層の接合を誘電体酸化皮膜の上から容易に行うことができる。
【0097】
請求項17に係る発明によれば、陽極引き出し部に予め金属層が接合されているから、この金属層を陽極端子部材として用いることができ、改めて陽極端子部材を接合する必要はなくなる。
【0098】
請求項18に係る発明によれば、固体電解質層においても良好な電気的特性を確保することができる。
【0099】
請求項19に係る発明によれば、金属層がコンデンサ取付用基板の配線部に直接接続されている場合には、リードフレームを介することなく直接に金属層とコンデンサ取付用基板の配線部とを接続でき、コンデンサの全体の小型化ひいては電子回路全体の小型化に資することができる。
【0100】
請求項20に係る発明によれば、弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜を形成した後、この弁作用金属シートと電気的導通状態に金属層を設けた弁作用金属シートを、前記金属層を含んで切断することにより、前記金属層を陽極引き出し部とするから、コンデンサ素材の段階では既に金属層が形成された状態となっており、従って、この金属層を陽極端子部材として用いることで、コンデンサを構成した後に個別に陽極端子を接合するのに較べて、接合作業が容易になるし、確実に接合を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るコンデンサ製造用シート材の平面図である。
【図2】図1のシート材のII−II線断面図である。
【図3】コンデンサ製造用シート材をコンデンサ素材に打ち抜く前の状態を示す平面図である。
【図4】コンデンサの製造工程を説明するための図である。
【図5】図4に続くコンデンサの製造工程を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・・・・コンデンサ製造用シート材
2・・・・・・弁作用金属シート
3・・・・・・誘電体酸化皮膜
4・・・・・・金属層
5・・・・・・コンデンサ素材
8・・・・・・固体電解質層
20・・・・・コンデンサ

Claims (20)

  1. 複数個のコンデンサを製造するためのコンデンサ製造用シート材であって、弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜が形成されるとともに、1つ又は2つ以上の金属層が前記弁作用金属シートと金属的に接合されていることを特徴とするコンデンサ製造用シート材。
  2. 前記誘電体酸化皮膜が除去された状態で、前記金属層が弁作用金属シートに直接接合されている請求項1に記載のコンデンサ製造用シート材。
  3. 前記誘電体酸化皮膜の上から前記金属層が接合されている請求項1に記載のコンデンサ製造用シート材。
  4. 前記弁作用金属がアルミニウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウムのいずれかまたはその合金である請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  5. 前記弁作用金属シートは表面にエッチング細孔を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  6. 前記弁作用金属シートは焼結体からなる請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  7. 前記誘電体酸化皮膜が前記弁作用金属の酸化物である請求項1〜6のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  8. 前記金属層が前記弁作用金属シートよりも低抵抗率である請求項1〜7のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  9. 前記金属層の厚みが前記誘電体酸化皮膜の厚みよりも薄いものである請求項1〜8のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  10. 前記金属層が銅又は銅合金からなる請求項1〜9のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  11. 誘電体酸化皮膜を形成されたシート材の静電容量が1000μF・V/cm以上である請求項1〜10のいずれかに記載のコンデンサ製造用シート材。
  12. 複数個のコンデンサを製造するためのコンデンサ製造用シート材の製造方法であって、
    弁作用金属シートをエッチングする工程と、
    エッチング後の弁作用金属シートを化成皮膜処理して弁作用金属シートの表面に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、
    誘電体酸化皮膜の形成後、前記弁作用金属シートよりも低抵抗率の1つ又は2つ以上の金属層を前記弁作用金属シートと金属的に接合する工程と、
    を含むことを特徴とするコンデンサ製造用シート材の製造方法。
  13. 前記誘電体酸化皮膜の形成後金属層の接合前に、誘電体酸化皮膜の一部を除去して弁作用金属シートを露出させ、この露出した弁作用金属シートに前記金属層を直接接合する請求項12に記載のコンデンサ製造用シート材の製造方法。
  14. 前記金属層の接合を超音波接合または溶射によって行う請求項13に記載のコンデンサ製造用シート材の製造方法。
  15. 前記金属層を前記誘電体酸化皮膜の上から接合する請求項12に記載のコンデンサ製造用シート材の製造方法。
  16. 前記金属層の接合をスポット溶接により行う請求項15に記載のコンデンサ製造用シート材の製造方法。
  17. 弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜が形成されるとともに、前記弁作用金属シートと金属的接合状態に金属層が設けられているシート材が、前記金属層を含んで切断されることによりコンデンサ素材が形成され、このコンデンサ素材に、固体電解質層が前記金属層から絶縁されて形成されていることを特徴とするコンデンサ。
  18. 前記固体電解質層の電導度が10−2S・cm−1以上の無機半導体又は有機半導体である請求項17に記載のコンデンサ。
  19. 前記金属層がコンデンサ取付用基板の配線部に直接接続される請求項17又は18に記載のコンデンサ。
  20. 弁作用金属シートの少なくとも一方の表面に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、
    前記弁作用金属シートと金属的接合状態に金属層を設ける工程と、
    前記金属層を設けた弁作用金属シートを、前記金属層を含んで切断することによりコンデンサ素材を形成する工程と、
    前記コンデンサ素材に、前記金属層から絶縁されて固体電解質層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
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