JP2004039432A - 真空バルブ及び遮断器 - Google Patents

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Abstract

【課題】接点の破損や消耗が少なく、長期間安定して高い遮断性能を発揮できる、信頼度の高い真空バルブ及び当該真空バルブを備えた遮断器の提供。
【解決手段】固定接点及び可動接点の接離方向に縦磁界を発生させるよう接点の背面側に複数個のコイル部を分割配置したコイル電極を有する真空バルブにおいて、固定接点側及び可動側の一方又は双方のコイル電極を構成する複数のコイル部のうち、前記真空バルブの固定接点側及び可動接点側に接続される固定側及び可動側接続導体に流れる電流によって生ずる電磁力の作用を受けて、接点のより多くのアーク電流が流れる側の部位に接続されるコイル部を、当該コイル部が所属するコイル電極の他のコイル部よりも円周方向に長い特定コイル部とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空バルブ及び当該真空バルブを備えた遮断器に関し、詳しくは、真空バルブのコイル電極の構造に関する。
ここで、コイル電極とは、主電極としての固定接点及び可動接点の接離方向に縦磁界を発生させるよう、当該両接点の背面側に、接点の外周縁に沿った円周方に向けて複数の弧状のコイル部が分割配置されてなる電極をいう。又、固定接点側のコイル電極を固定コイル電極、可動接点側のコイル電極を可動コイル電極、主電極の固定接点とそのコイル電極を含めて固定電極、主電極の可動接点とそのコイル電極を含めて可動電極という。
【0002】
【従来の技術】
従来のコイル電極の一例として、特公平2−30132号公報に記載されたコイル電極を図6及び図7に基づいて説明する。図6は固定電極の斜視図、図7は固定電極及び可動電極の縦断面図である。
尚、図6において、図示されていない可動電極は図示されている固定電極と実質的に同じ構成であって、図7のように固定電極に対して倒立して相対に配置されるものであるから、図6中の()で示す符号によって相応する可動電極の構成部位を示す。
【0003】
以下、図6において、固定電極を中心にして説明し、可動電極の相当する構成部位は括弧書にて示す。
同図において、図示の固定電極10(可動電極20)は、主電極としての円板状の固定接点11(可動接点21)及び当該固定接点11(可動接点21)の面と交差する方向の磁界、即ち、固定接点11と可動接点21との接離方向(図7の上下方向)に縦磁界を発生させる固定コイル電極12(可動コイル電極22)と、固定接点11(可動接点21)及び固定コイル電極12(可動コイル電極22)が取りつけられた固定電極棒13(可動電極棒23)とで構成されている。
【0004】
固定コイル電極12(可動コイル電極22)は、固定電極棒13(可動電極棒23)の先端に形成された取付部13a(取付部23a)が挿入される孔12b(孔22b)を有するリング部12a(22a)と、当該リング部12a(22a)の外周縁を巡る円周上を4等配した各位置に、各々リング部12a(22a)に基端部が連接されて先端部が放射状に延出した4本のアーム部16(26)と、当該アーム部16(26)の先端部に一方端(以下、基端という)が連接され他方端(以下、先端という)が固定接点11(可動接点21)の背面側の外周縁側に沿った円周方向に向けて分割配置された磁界発生コイルとしての4つの弧状のコイル部14(コイル部24)とで構成されている。
【0005】
各コイル部14(コイル部24)の先端側の固定接点11(可動接点21)の背面と対向する側には、当該固定接点11(可動接点21)の背面に接するよう、適当長さ延出させて厚く形成された接続部15(25)が設けられている。
又、固定電極棒13(可動電極棒23)の取付部13a(取付部23a)は、固定コイル電極12(可動コイル電極22)に形成されているリング部12a(22a)の孔12b(孔22b)に挿入されて組み付けられた状態にて、固定電極棒13(可動電極棒23)とリング部12a(22a)とがろう付け接合される。
【0006】
図7において、固定接点11及び固定コイル電極12で構成された固定電極10と、可動接点21及び可動コイル電極22で構成された可動電極20とは、固定接点11と可動接点21とが適当間隔を隔てて接離自在に対向して配置される。
【0007】
次に、前記真空バルブが配置された遮断器を図8に基づいて説明する。図は遮断器の構成を示す概念図である。
図において、30は遮断器、31は台車、32は前面を覆うフェースプレート、33は操作機構、34は絶縁フレーム、35は絶縁フレーム34内に保持された真空バルブ、36は固定接点11の固定電極棒13(図7参照)に接続された固定側接続導体、37は可動接点21の可動電極棒23(図7参照)に接続された可撓性の導体であり、38は当該導体37に接続されて絶縁フレーム34から突出して配設された端子導体である。以下、この可撓性の導体37と端子導体38とを含めて可動側接続導体(37、38)という。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図6及び図8において、固定接点11側、即ち固定電極棒13に接続された固定側接続導体36、及び可動接点21側即ち可動電極棒23に接続された可動側接続導体(37、38)には、電流遮断時、真空バルブ35の固定接点11と可動接点21との間にアークが発弧すると、電流(アーク電流)が流れて電磁力が発生する。
この電磁力は、前記アークをその発弧した位置から電磁力が作用する方向に向けて駆動し、移動させる。例えば、図8の矢印に示すように、発弧した位置から操作機構33方向(図において左方向)に向けて移動させる。
【0009】
このアークの移動によって、電流の大部分は、例えば図6及び図7において、電磁力が作用する方向に最も近い位置にある接続部15(25)を経て当該接続部15(25)のコイル部14(24)を流れる。即ち、電流は、コイル電極12(22)を構成する各コイル部14(24)に均等には流れない。
このため、より多くの電流(大部分の電流)が流れるコイル部14(24)で発生する磁界が他のコイル部14(24)で発生する磁界よりも強くなる。
他方、アークは、縦磁界強度がある値以上に強い領域に広がる特性があるため、より多くの電流が流れるコイル部14(24)の円周方向に延在する領域(延在領域)に沿って拡散する。
【0010】
しかし、従来のコイル電極12(22)では、複数のコイル部、図示の例では4つのコイル部14(24)が、単に等しい長さで分割配置されているだけのため、結果として、均等分割されたうちの一つのコイル部14(24)の延在領域に沿った比較敵狭い面積にアークが集中して、主電極(接点11、21)の局部的過熱による破損や消耗が大きくなったり、過熱によって遮断性能が低下するという問題があった。
【0011】
本発明は、前記問題を解消し、接点の広い範囲にアークを拡散させて、破損や消耗が少なく、長期間安定して高い遮断性能を発揮できる、信頼度の高い真空バルブ及び当該真空バルブを備えた遮断器の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空バルブは、主電極としての固定接点及び可動接点の接離方向に縦磁界を発生させるよう、前記両接点の背面側に各々当該接点の外周縁に沿った円周方向に向けて複数個のコイル部を分割配置したコイル電極を有する真空バルブにおいて、
前記固定接点側及び可動接点側の一方又は双方のコイル電極を構成する複数のコイル部のうち、前記真空バルブの固定接点側及び可動接点側に接続される固定側及び可動側接続導体に流れる電流によって生ずる電磁力の作用を受けて、接点のより多くのアーク電流が流れる側の部位に接続されるコイル部を、当該コイル部が所属するコイル電極の他のコイル部よりも円周方向に長い特定コイル部としたことを内容とする。
【0013】
又、本発明の真空バルブは、特定コイル部を、当該コイル電極において円周方向に隣り合う2つのコイル部としたことを内容とする。
【0014】
又、本発明の真空バルブは、2つの特定コイル部を同じ長さとしたことを内容とする。
【0015】
又、本発明の真空バルブは、コイル電極を、少なくとも1つの特定コイル部を含む3つ又は4つのコイル部で構成したことを内容とする。
【0016】
又、本発明の真空バルブは、固定接点側と可動接点側の双方のコイル電極の特定コイル部を、接離方向において互いに相対する位置にあって、同方向にアーク電流が流れるよう配設されたことを内容とする。
【0017】
又、本発明の遮断器は、真空バルブの固定接点側に接続される固定側接続導体及び可動接点側に接続される可動側接続導体に流れるアーク電流の電磁力によって、特定コイル部に他のコイル部より多くのアーク電流が流れるよう本発明の真空バルブの何れかを配設したことを内容とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1乃至図3に基づいて、本発明の実施の形態1に係る真空バルブを説明する。図1は固定電極の分解斜視図、図2は固定コイル電極の斜視図、図3は固定コイル電極の平面図である。
尚、図6乃至図8で説明した従来の構成部位と同一又は相当部分には同一の符号を付してある。又、図1乃至図3に図示されていない可動電極若しくは可動コイル電極は固定電極若しくは固定コイル電極と実質的に同じであるので、図中の()内の符号にて相当部位を示す。
【0019】
図1において、固定電極10(可動電極20)は、主電極としての円板状の固定接点11(可動接点21)と、当該固定接点11(可動接点21)の背面側に、当該固定接点11と図示されていない可動接点(21)との接離方向に縦磁界を発生するように配設された固定コイル電極12(可動コイル電極22)と、ステンレス鋼等の高抵抗材で形成され、前記固定接点11(可動接点21)と固定コイル電極12(可動コイル電極22)とを機械的に支持する支持材17(支持材27)と、前記固定接点11(可動接点21)と共に固定コイル電極12(可動コイル電極22)が取り付けられる固定電極棒13(可動電極棒23)とで構成されている。固定電極棒13及び可動電極棒23には、真空バルブ35の外部から固定側接続導体36及び可動側接続導体37、38が接続される(図8)。
尚、固定接点11(可動接点21)は銀系合金や銅系合金等で形成されることが好ましい。
【0020】
固定コイル電極12(可動コイル電極22)は、リング部12a(22a)と、当該リング部12a(22a)の外縁を巡る円周上を不均等に3分割した位置に、各々延在するように配置された磁界発生コイルとしての3つの弧状のコイル部、即ち第1コイル部14a(24a)、第2コイル部14b(24b)、第3コイル部14c(24c)で構成されている。以下、第1コイル部14a(24a)、第2コイル部14b(24b)、第3コイル部14c(24c)を総称して単にコイル部14(24)ともいう。
【0021】
コイル部14(24)は、コイルの長さが異なり、不均等に分割して配置されている。図示のとおり、コイル電極12(22)を構成する3つのコイル部のうち、第1コイル部14a(24a)が、他の第2及び第3コイル部14b、14c(24b、24c)に比べてより長く、最長のコイル部として形成されている。以下、このように、コイル電極を構成する複数のコイル部のうち、他に比べてより長いコイル部を特定コイル部という。
【0022】
各コイル部14(24)は、各々後述のアーム部16a、16b、16c(26a、26b、26c)を介して、一方端(基端)が前記リング部12a(22a)に連接されている。以下、アーム部16a、16b、16c(26a、26b、26c)を総称してアーム部16(26)ともいう。各アーム部16(26)は、リング部12a(22a)から放射状に延出され、その延出先端がコイル部14(24)の前記基端に連接されている。
【0023】
又、各コイル部14(24)の他方端(先端)側には、固定接点11(可動接点21)の背面と対向する側の一部分を適当長さ延出して当該固定接点11(可動接点21)と接する接続部15a、15b、15c(25a、25b、25c)が設けられている。以下、接続部15a、15b、15c(25a、25b、25c)を総称して接続部15(25)ともいう。各接続部15(25)は固定接点11(可動接点21)の背面側にろう付け固定される。
このように、主電極としての固定接点11と可動接点21との背面側には、各々、両接点11、21の接離方向を軸とした円周上に、コイル長が不均等に分割されて弧状に配設された複数の磁界発生コイルとしてのコイル部14(24)によって固定コイル電極12と可動コイル電極22とが構成されている。
【0024】
この実施の形態では、以上のように、前記固定接点側のコイル電極即ち固定コイル電極12と可動接点側のコイル電極即ち可動コイル電極22との双方を、各々のコイル電極12、22を構成する3つのコイル部14(24)のうち、より多くのアーク電流が流れる側に位置させる一つのコイル部14a、(24a)を、他の2つのコイル部14b、14c(24b、24c)よりも円周方向に長く形成して、他に比べてより長い、最長の特定コイル部としている。
【0025】
この最長の特定コイル部14a(24a)に、他のコイル部14b、14c、(24b、26c)に比べて、より多くのアーク電流が流れるように、即ち、当該真空バルブの固定接点側及び可動接点側に接続される接続導体、即ち固定側接続導体36及び可動側接続導体37、38との関係において、アーク発弧時に当該固定側及び可動側接続導体36、37、38に流れる電流の電磁力がアークに作用する方向に、特定コイル部14a(24a)の接続部15(25)が位置するように配設させることによって、当該特定コイル部14a、(24a)の磁界強度が他のコイル部14b、14c(24b、24c)で発生する磁界よりも強くなるだけでなく、この強磁界領域が当該特定コイル部14a、(24a)の長さに相応する延在領域に沿って、接点面積上に延在することとなるので、アークの拡散面積を従来に比べて、より拡大させることができる。
【0026】
従って、接点11(21)における局所的加熱による破損や消耗を大幅に低減させることができ、遮断寿命回数を増大させることができる。
又、アークの拡散により安定した遮断を実現させることができる。
尚、図示の例では、コイル電極12(22)の磁界発生コイルを3つの長さの異なるコイル部14(24)に不均等に分割しているが、これに限らず、2つ或いは3つ以上に不均等に分割してもよい(図示せず)。又、より長い特定コイル部に対する他のコイル部は短かければよく、他のコイル部同士の長さは同等であってもよい。又、分割配置される特定コイル部14a、(24a)と他のコイル部14b、14c(24b、24c)との長さの違いも、図示された長さの割合に限定されず、適宜異ならせてもよい。
【0027】
しかし、この実施の形態のようにコイル電極12(22)を3分割以上とすることによって、2分割にした場合に比べて、電流通電時に発生する発熱を抑制することができる。
又、電極棒13(23)に組み付けた際のバランスが安定するため、組み付けられた状態でろう付けのために運搬される際や、真空炉内でろう付けされながら移動する際等に生じる振動に対して安定性が良くなり、組み付けられた状態のままでの精度の高いろう付けを行うことができる。
尚、3分割以上とはいっても、分割数が多くなり過ぎると、コイル部の1本当りに流れる電流が大幅に減少するため、発生する磁界強度が弱まってしまう。従って、分割数は3つ又は4つが適当であり、この実施の形態のように3分割とするのが最適である。
【0028】
又、特定コイル部14a(24a)の長さは、長い方が良いが、コイル部14(24)が配設される円周の50%を上限とするのが好ましい。これ以上に長くすると、組み付けの時の安定性が悪くなって、倒れたり傾き易くなるし、これを防ぐために特殊な治工具等が必要となって却って、組み付け作業が煩雑となってしまう。
【0029】
尚、この実施の形態では、最長の特定コイル部14a(24a)を固定側コイル電極12と可動コイル電極22との双方のコイル電極に設けて、接離方向に相対させた構成で説明したが、本発明はこの構成に限らず、接離方向に相対させないように双方のコイル電極12、22を構成してもよいし(図示せず)、何れか一方側のコイル電極だけに構成してもよい(図示せず)。
【0030】
実施の形態2.
実施の形態2は、固定接点側又は可動接点側のコイル電極12(22)の何れか一方のコイル電極(12又は22)における当該電極12(22)を隣り合う2つのコイル部14a、14a(24a、24a)を特定コイル部として構成したものである。これを図4に基づいて説明する。図4は2つの隣り合うコイル部が特定コイル部とされた固定コイル電極の平面図である。尚、図4において、図1乃至図3、図6乃至図8と同一の符合は実質的に同一の内容である。
【0031】
図4において、コイル電極12が配置される円周上に、長さが短い1本のコイル部14c(24c)と、これよりは長さが長く且つ同等の長さで、円周上において隣り合う2本のコイル部が特定コイル部14a、14a(24a、24a)とされている。
この場合、2つの特定コイル部14a、14a(24a、24a)の接続部15a、15a(25a、25a)は、何れも、固定側及び可動側接続導体36、37、38に流れる電流の電磁力の作用で、より多くのアーク電流が流れる側の接点11、21の部位、若しくは当該部位にできるだけ近い部位に位置するよう配設する。
【0032】
このように、長さが短い1本のコイル部14c(24c)に対して、長さがより長く且つ同等長さの2本の特定コイル部14a、14a(24a、24a)を配置することによって、当該コイル電極12(22)の円周面において、直径方向の線を中心にして左右の構成をバランスのよい、対称な構成とすることができる。
このように左右のバランスがとれたコイル電極12(22)を、電極棒13(23)に組みつけると、組み付けられたコイル電極12(22)が、前記実施の形態1のように左右がアンバランスのコイル電極12(22)に比べて、より安定性がよくなるため、固定接点11の浮きや傾き等が生じにくくなって、組み付け作業が容易となるだけでなく、ろう付けするための運搬やろう付けする真空炉内での移動等による振動等に対してもより安定性が増し、品質的に安定した高精度の真空バルブが得られる。
【0033】
又、この実施の形態では、上記実施の形態1での説明と同様に、2本の特定コイル部14a(24a)に、より多くの電流が流れると、1本の特定コイル部14a(24a)を有する実施の形態1の場合よりも、更に、アークの拡散面積を拡大することができるので、接点11、21における局所的加熱による破損や消耗を更に低減させることができ、遮断寿命回数も更に増大させることができる。
又、アークの拡散により更に安定した遮断を実現させることができる。
尚、この実施の形態では、固定コイル電極12と可動コイル電極側24とを同様の構成とする例で説明したが、何れか一方のコイル電極に構成してもよい(図示せず)。
【0034】
実施の形態3.
実施の形態3は、上記実施の形態2のコイル電極の構成を、固定コイル電極12及び可動コイル電極22の双方に設け、しかも、固定コイル電極12の2つの特定コイル部14a、14aを通る電流の向きと、可動コイル電極22の2つの特定コイル部24、24を通る電流の向きとを同方向に並行に流れるよう構成したものである。これを図5に示す分解斜視図に基づいて説明する。
【0035】
図5に示す固定コイル電極12及び可動コイル電極22の構成は、実施の形態2で説明したコイル電極を一対相対に用いて、その一方を固定コイル電極12、他方を可動コイル電極22として配設したものである。この場合、固定コイル電極12の2つのコイル部14a、14aの接続部15a、15a、と、可動コイル電極22の2つのコイル部24a、24aの接続部25a、25aとは、接離方向において互いに重なり合わないで、2つの特定コイル部(14a及び14aと24a及び24a)が互いに対向した位置となる。
【0036】
このような構成のコイル電極12(22)の組合せにおけるアークの移動を、従来例で示した、図8の遮断器30を例にして説明する。
先に説明したように、図8において、固定電極棒13に接続された固定側接続導体36と可動電極棒23に接続された可撓性の導体37及び端子導体38(可動側接続導体)を流れる電流の電磁力が、遮断器30の操作機構33方向に作用するが、この電磁力は電流遮断時に発生するアークを発弧位置から電磁力が作用する方向(図の矢印方向)に移動する。
【0037】
図5において、より多くの電流(電流の大部分)は、固定側及び可動側のコイル電極12、22の電磁力方向に最も近い位置側にある接点11、21の部位と当該コイル電極12、22の接続部15a、25aとに流れる。即ち、この電流はコイル電極12、22を各々構成する3つのコイル部(14a、14b、14c)、(24a、24b、24c)に均等には分流しない。
【0038】
このため、この特定コイル部14a、14a、24a、24aで発生する磁界が他のコイル部14c、24cで発生する磁界よりも強くなる。
しかも、より多くの電流が流れる最長の2つの特定コイル部14a、14a、24a、24aが固定コイル電極12と可動コイル電極22とで、電流が同一方向に平行に流れるよう配置されているので、より均一で強い磁界が得られる。
アークは、縦磁界強度がある値以上ないと広がらない特性があるが、この場合、電流の大部分が流れ、磁界強度が強い固定接点側及び可動接点側の各々の2つの特定コイル部14及び14aと24a及び24aの長い延在領域に沿って広く拡散することになる。
【0039】
このように、コイル電極を構成する複数のコイル部14a、14a、24a、24aを周方向に不均等に分割し、他のコイル部14c、24cよりも長く形成した特定コイル部14a、14a、24a、24aに、より多くの電流が流れるように真空バルブ35を配置することによって、アークの接点11、21における拡散面積を、従来に比べて、より大きく拡大させることができるので、
接点11、21の広い範囲にアークを拡散させて、破損や消耗を少なくし、長期間安定して高い遮断性能を発揮させることができる、信頼度の高い真空バルブ及び当該真空バルブを備えた遮断器を提供できる。
【0040】
又、この実施の形態3も、実施の形態1と同様に、最長の特定コイル部14a、24aを固定側コイル電極12と可動コイル電極22との双方のコイル電極に設けて、接離方向に相対させた構成で説明したが、この構成に限らず、接離方向に相対させないよう双方のコイル電極に構成してもよい。この場合も、相応の作用効果を発揮することができる。
【0041】
尚、この実施の形態1乃至3では、コイル電極の形状を従来のコイル電極と類似した形状のもので説明したが、コイル電極の形状は図示の形状に限られない。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、接点の広い範囲にアークを拡散させることができるので、接点の破損や消耗が少なく、しかも、長期間安定して高い遮断性能を発揮させることのできる信頼度の高い真空バルブを提供することができる。
【0043】
又、本発明によれば、コイル電極を構成するコイル部として、より長さが長い2つの特定コイル部を設けたので、コイル電極を電極棒へ組み付けた際のバランスが安定して、へろう付け前の運搬や真空炉内の移動による振動に対して組み付け状態の安定性が増し、接点の浮きや傾きが生じ難くなるので、組み付け状態のままでろう付けでき、品質的に安定な真空バルブを提供することができる。
【0044】
又、本発明によれば、固定接点側及び可動接点側のコイル電極の相対する特定コイル部によって、当該特定コイル部の延在領域に強い縦磁界を発生させることができるので、当該特定コイル部の比較的広い延在領域にてアークを速やかに拡散させることができる。
【0045】
又、本発明によれば、真空バルブの固定電極棒と可動電極棒の端部に接続される固定側及び可動側接続導体を流れる電流により生じる電磁力によって、コイル電極を構成するより長いコイル部の接点との接続部に、より多くの電流が流れるように本発明の真空バルブを配置することで、従来のようにコイル部が単に均等分割されたコイル電極よりも接点におけるアークの拡散面積を拡大できるので、接点の破損や消耗が少なく、しかも、長期間安定して高い遮断性能を発揮できる信頼度の高い遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の固定電極の分解斜視図である。
【図2】実施の形態1の固定コイル電極の斜視図である。
【図3】実施の形態1の固定コイル電極の平面図である。
【図4】実施の形態2の固定コイル電極の平面図である。
【図5】実施の形態3の固定及び可動コイル電極の斜視図である。
【図6】従来の固定電極の斜視図である。
【図7】従来の固定及び可動電極の縦断面図である。
【図8】従来の真空バルブを備えた遮断器の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
11 固定接点、14 コイル部、14a 第1コイル部(特定コイル部)、14b 第2コイル部、14c 第3コイル部、15a、15b、15c 接続部、21 可動接点、24 コイル部、24a 第1コイル部(特定コイル部)、24b 第2コイル部、24c 第3コイル部、25a、25b、25c 接続部、35 真空バルブ、36 固定側接続導体、37 可撓性の導体(可動側接続導体)、38 端子導体(可動側接続導体)。

Claims (6)

  1. 主電極としての固定接点及び可動接点の接離方向に縦磁界を発生させるよう、前記両接点の背面側に各々当該接点の外周縁に沿った円周方向に向けて複数個のコイル部を分割配置したコイル電極を有する真空バルブにおいて、
    前記固定接点側及び可動接点側の一方又は双方のコイル電極を構成する複数のコイル部のうち、前記真空バルブの固定接点側及び可動接点側に接続される固定側及び可動側接続導体に流れる電流によって生ずる電磁力の作用を受けて、接点のより多くのアーク電流が流れる側の部位に接続されるコイル部を、当該コイル部が所属するコイル電極の他のコイル部よりも円周方向に長い特定コイル部としたことを特徴とする真空バルブ。
  2. 特定コイル部は、当該コイル電極において円周方向に隣り合う2つのコイル部としたことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
  3. 2つの特定コイル部は同じ長さとしたことを特徴とする請求項2に記載の真空バルブ。
  4. コイル電極は少なくとも1つの特定コイル部を含む3つ又は4つのコイル部で構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の真空バルブ。
  5. 固定接点側と可動接点側のコイル電極の特定コイル部は、接離方向において互いに相対する位置にあって、同方向にアーク電流が流れるよう配設されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の真空バルブ。
  6. 真空バルブの固定接点側に接続される固定側接続導体及び可動接点側に接続される可動側接続導体に流れるアーク電流の電磁力によって、特定コイル部に他のコイル部より多くのアーク電流が流れるよう請求項1乃至請求項5の何れかに記載の真空バルブを配設したことを特徴とする遮断器。
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