JP2004037560A - 現像装置 - Google Patents
現像装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004037560A JP2004037560A JP2002190930A JP2002190930A JP2004037560A JP 2004037560 A JP2004037560 A JP 2004037560A JP 2002190930 A JP2002190930 A JP 2002190930A JP 2002190930 A JP2002190930 A JP 2002190930A JP 2004037560 A JP2004037560 A JP 2004037560A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- developer
- elastic member
- bearing
- developing device
- groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
Abstract
【課題】トナーあるいは現像剤の軸受けへの侵入を確実に防止する。
【解決手段】上下のハウジング61、62間に形成される空間内で回転することによって空間内の現像剤を攪拌、搬送する機能を担っている回転翼が形成された搬送棒4、5の一端の回転軸が軸受け41、51により回転自在に支持され、軸受けと回転軸の間には弾性部材42、52を密封した現像装置であって、弾性部材には、回転軸をシールする弾性密封リップ部48を形成すると共に、弾性密封リップ部と搬送棒の回転翼との間に緩衝板44を備えた。
【選択図】 図3
【解決手段】上下のハウジング61、62間に形成される空間内で回転することによって空間内の現像剤を攪拌、搬送する機能を担っている回転翼が形成された搬送棒4、5の一端の回転軸が軸受け41、51により回転自在に支持され、軸受けと回転軸の間には弾性部材42、52を密封した現像装置であって、弾性部材には、回転軸をシールする弾性密封リップ部48を形成すると共に、弾性密封リップ部と搬送棒の回転翼との間に緩衝板44を備えた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置(電子写真装置)に適用される現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真装置の現像装置には、トナーあるいはトナーとキャリアとから構成される現像剤を攪拌したり任意の位置に搬送する手段が設けられており、これらの攪拌、搬送手段は軸受けによって現像装置の容器に回転自在に取り付けられている。
【0003】
この軸受けには、回転軸と当接摺動する弾性密封材や、回転軸のラジアル方向に当接摺動する弾性当接部材(ゴムシール)等が用いられ、トナーあるいは現像剤をシーリングしていた(例えば、特開2000−250309号公報、特開2001−228708号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の軸受けでは、現像装置の使用を重ねると、トナーあるいは現像剤が現像装置内で攪拌、搬送を繰り返すうちにその圧力で弾性部材が軸受けから離脱し、そこからトナーあるいは現像剤が漏れ出す場合もあった。
【0005】
さらに、弾性部材が軸受けから離脱しないまでも、軸受け内で空回りすると軸受けの弾性部材保持面に徐々にトナーあるいは現像剤が侵入し、トナーあるいは現像剤が摺擦され、そのエネルギーで溶融固着し、これら溶融固着したトナーあるいは現像剤の凝集体が現像装置内に攪拌、搬送され画像異常となる場合もあった。
【0006】
特に、現像処理速度が速い高速機においては、トナーあるいは現像剤が現像装置内で高速に攪拌、搬送され、トナーあるいは現像剤を循環する圧力が高くなるため、この傾向が顕著に現れる。
【0007】
この不具合に対して、軸受けの弾性部材保持圧を高めるために、この保持面に接着剤を塗布する技術もあるが、接着剤の塗布量調整が難しく、塗布量が多くなったり、塗布時に接着剤の糸引きが発生したりすると、接着剤が回転軸と接触するリップ面に付着して、その個所よりトナーが漏れるという不具合があった。さらに、環境面を考えると接着剤を使用する場合、リサイクルし難くなる欠点もあった。
【0008】
また、弾性部材の保持圧を上げる別の技術として、弾性部材の中に金属環を配設してこの金属環の剛性を利用して弾性部材保持圧を高め、トナーあるいは現像剤の侵入を防ぐ技術もある。特に、高速機用に保持圧を高くしたい場合は弾性部材の外側を取り囲むように金属環を配設するが、この技術では金属環の剛性が逆に次のような不具合を発生したりもする。
【0009】
つまり、金属環に剛性があるがために軸受けと金属環との圧入代を非常に精度高く維持しなければならず、樹脂材料で形成された軸受けの材料特性等の季節変動要因による、微妙な寸法変動により保持圧が低下したり、逆に軸受けに亀裂が生じたりあるいは割れが生じたりして、そこからトナーが漏れるという不具合が発生する場合もあった。さらに、近年画像品質の向上を狙ってトナーあるいは現像剤の小粒径化が進んでおり、益々軸受けに起因するこれら不良発生が増えてきている。
【0010】
本発明は、トナーあるいは現像剤の軸受けへの侵入を確実に防止し、弾性部材の軸受けからの脱落を防止することによって耐久性を向上させ、且つトナー漏れ等のユーザーメンテナンス性を損なう不具合を解消し、メンテナンス性を良好にすることが可能な現像装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上下のハウジング間に形成される空間内で回転することによって空間内の現像剤を攪拌、搬送する機能を担っている回転翼が形成された搬送棒の一端の回転軸が軸受けにより回転自在に支持され、軸受けと回転軸の間には弾性部材を密封した現像装置であって、弾性部材には、回転軸をシールする弾性密封リップ部を形成すると共に、弾性密封リップ部と搬送棒の回転翼との間に緩衝板を備えた現像装置を最も主要な特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、弾性部材には、現像剤を収容する溝部を形成すると共に、その内側に金属環が配置されている現像装置を主要な特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の現像装置において、溝部は、その幅が0.1mm以上1mm以下に形成されている現像装置を主要な特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の現像装置において、溝部の深さが弾性部材の厚みに対してその半分以上である現像装置を主要な特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、弾性部材はゴムエラストマーで形成されており、且つ弾性部材の硬さが70以上(JIS A)である現像装置を主要な特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は現像装置の軸受けへのトナーあるいは現像剤の侵入を確実に防止すると共に現像装置からのトナー、あるいは現像剤の漏れ出しを確実に防止するものであって、トナーあるいは現像剤が現像装置容器内を攪拌、搬送する圧力を直接軸受けのリップ面に受けないようにした構成と、一部に溝を設けるようにした弾性部材とを組み合わせた構成とするものである。なお、特許請求の範囲では、トナー、現像剤を含めて現像剤と称する。
【0017】
以下に本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は本発明に関わる現像ユニット(現像装置)の正面断面図、図2はその平断面図、図3はその軸受け断面図、図4は図3に示す軸受けにおいて現像剤をシールしている状態を示す模式図である。
【0018】
図1において現像ユニット6は感光体ドラム1に対向して配置され、感光体ドラム1との間でトナーを移送して画像領域を形成している。現像ユニット6はハウジング下61とハウジング上62から構成されており、ハウジング61、62内には現像剤供給用の磁気ローラ2、現像剤攪拌、搬送用の搬送棒4、5、トナー供給ユニット7等が設けられている。
【0019】
この搬送棒4、5は通常樹脂で作られており、補強部材として金属部材45が一部用いられている。磁気ローラ2は感光体ドラム1に対して0.1mm〜1mmの間隔を持って配置され、ベヤリング21等によりハウジング61、62に回転自在に取り付けられている。また、磁気ローラ2に対向して現像剤スクラバー3が設けられており現像剤量を規制して磁気ローラ2上に現像剤8の薄層を形成している。
【0020】
搬送棒4、5は現像剤8を攪拌、搬送するものであり、軸受け41、51で回転自在にハウジング61、62に取り付けられている。なお、これら磁気ローラ2、搬送棒4、5へはそれぞれギヤ26、46、56を通して駆動力が伝えられる。この軸受け41、51は潤滑性の高いポリアセタール樹脂等で作られている。
【0021】
さらに、ハウジング61、62は仕切壁63により搬送棒4を配置した現像剤攪拌、搬送空間と、搬送棒5を配置した現像剤攪拌、搬送空間とに隔てられている。両空間は仕切壁63の両端を切り欠いており、この部分を通して現像剤8は両空間を搬送されている。なお、現像剤8は図2の矢印方向に攪拌、搬送される。
【0022】
この両空間を攪拌、搬送されている現像剤8は二成分現像剤であって、トナーは搬送棒5上に設けられたトナー供給ユニット7より供給されており、トナーセンサー(図示せず)の信号を受けて自動的に搬送棒5にトナーを供給している。なお、本現像ユニット6はキャリアを含まない一成分現像剤を収容するユニットであってもよい。
【0023】
搬送棒4により攪拌、搬送された現像剤8は現像剤スクラバー3により磁気ローラ2上に薄層現像穂を形成し、感光対ドラム1上に潜像として現像される。潜像に使われなかった現像剤8は再度、搬送棒4に戻され、図2の矢印方向に攪拌、搬送され、消費されたトナー相当量がトナー供給ユニット7より排出され搬送棒5により攪拌、搬送される。
【0024】
ここで、図3に示すようにこの現像剤8の循環過程において搬送棒4の回転翼により発生した現像剤8の攪拌、搬送圧力を一度、緩衝板44で受け、直接現像剤8の高い圧力を、軸受け41内に収容されている弾性部材42の弾性密封リップ部48(図4)に伝えないようにしている。また、この緩衝板44の径は弾性部材42に設けられた溝部47間の距離(径)よりも小さいことが重要である。
【0025】
しかし、弾性密封リップ部48に直接高い圧力が伝わっていなくとも、現像剤8は数μm〜十数μmの大きさのトナーと数十μmの大きさのキャリアから構成される微粒子であり、廻り込んできた現像剤8が圧縮凝集されないように緩衝板44と弾性密封リップ部48との間は数mm程度の間隙を設ける方が好ましい。なお、弾性部材42は軸受け41に圧入装着されており、圧入代を十分取っても弾性部材42の弾性力、溝形状による空乏層により軸受け41に高い圧力がかからず、軸受け41に損傷を与える心配はない。
【0026】
次に、図4に示すように搬送棒4の回転翼により発生した現像剤の攪拌、搬送圧力により現像剤8は弾性部材42に設けた溝47に入り込み、順次入り込んだ現像剤が圧縮凝集され、弾性部材42は金属環43の剛性に圧される形で軸受け41の方向へ膨らみ、軸受け41に対する弾性部材42の保持力が増し、弾性当接部材42と軸受け41との保持面への現像剤侵入を防止する。また、保持力が増すことにより弾性部材42の脱落を防止することができる。
【0027】
ここで、この溝部47の溝幅は小さ過ぎても現像剤8が入り込まなかったり、弾性当接部材42の保持圧を十分上げることができず、逆に溝幅が大き過ぎると現像剤8の圧縮凝集が十分に行なわれず、また弾性部材42そのものの剛性も失われるために十分な保持圧が得られない。これらの観点から、溝部47の溝幅は0.1〜1mmが好ましい。なお、この溝部47は搬送棒4の金属部材45に対して、円周上に配置されていても、放射状に間欠的に配置されていてもよい。
【0028】
また、溝部47の溝深さに対しても浅いと十分な保持圧が得られず、弾性部材42の厚みに対して半分以上の深さを形成することが必要である。さらに、この弾性部材42としてはニトリルゴム、フッ素ゴム等のゴムシール部材が一般的に用いられており、この弾性部材42の硬さがある一定以上でないと軸受け41に対する弾性部材42の保持圧が維持できず、70以上の硬さ(JIS A)であることが好ましい。
【0029】
図5は、溝部47がなく、金属環43と弾性密封リップ部48のみ設けた軸受け41の一例を示す断面図である。図6は、溝部47がなく、金属環43と弾性密封リップ部48のみ設けた軸受けの他の例を示す断面図である。
【0030】
また、本発明の実施形態は感光体1を現像ユニット6に組込んだ画像形成ユニットであってもよい。その場合も本発明の対象部分は現像装置である。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であり、弾性部材42、弾性密封リップ部48、溝部47の形状を変えたり、溝部47を回転軸に対して間欠的に配置しても、溝幅を不連続に変化させても効果は維持できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、数μmレベルの微粒子である現像剤が軸受けと弾性部材との摺動面に侵入するのを防ぐことができる。また軸受けに損傷を与えることなく、弾性部材の軸受けからの脱落を防止し、搬送棒の回転ムラ、回転トルク増大を防止することができる。さらに現像剤の凝集体発生を防ぎ、現像異常画像を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる現像ユニット(現像装置)の正面断面図である。
【図2】その平断面図である。
【図3】その軸受け断面図である。
【図4】図3に示す軸受けにおいて現像剤をシールしている状態を示す模式図である。
【図5】溝部がなく、金属環と弾性密封リップ部のみ設けた軸受けの一例を示す断面図である。
【図6】溝部がなく、金属環と弾性密封リップ部のみ設けた軸受けの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 磁気ローラ
3 現像剤スクラバー
4、5 搬送棒
6 現像ユニット
7 トナー供給ユニット
8 現像剤
26、46、56 ギヤ
41、51 軸受け
42、52 弾性部材
43 金属環
44 緩衝板
47 溝部
48 弾性密封リップ部
61 ハウジング下
62 ハウジング上
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置(電子写真装置)に適用される現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真装置の現像装置には、トナーあるいはトナーとキャリアとから構成される現像剤を攪拌したり任意の位置に搬送する手段が設けられており、これらの攪拌、搬送手段は軸受けによって現像装置の容器に回転自在に取り付けられている。
【0003】
この軸受けには、回転軸と当接摺動する弾性密封材や、回転軸のラジアル方向に当接摺動する弾性当接部材(ゴムシール)等が用いられ、トナーあるいは現像剤をシーリングしていた(例えば、特開2000−250309号公報、特開2001−228708号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の軸受けでは、現像装置の使用を重ねると、トナーあるいは現像剤が現像装置内で攪拌、搬送を繰り返すうちにその圧力で弾性部材が軸受けから離脱し、そこからトナーあるいは現像剤が漏れ出す場合もあった。
【0005】
さらに、弾性部材が軸受けから離脱しないまでも、軸受け内で空回りすると軸受けの弾性部材保持面に徐々にトナーあるいは現像剤が侵入し、トナーあるいは現像剤が摺擦され、そのエネルギーで溶融固着し、これら溶融固着したトナーあるいは現像剤の凝集体が現像装置内に攪拌、搬送され画像異常となる場合もあった。
【0006】
特に、現像処理速度が速い高速機においては、トナーあるいは現像剤が現像装置内で高速に攪拌、搬送され、トナーあるいは現像剤を循環する圧力が高くなるため、この傾向が顕著に現れる。
【0007】
この不具合に対して、軸受けの弾性部材保持圧を高めるために、この保持面に接着剤を塗布する技術もあるが、接着剤の塗布量調整が難しく、塗布量が多くなったり、塗布時に接着剤の糸引きが発生したりすると、接着剤が回転軸と接触するリップ面に付着して、その個所よりトナーが漏れるという不具合があった。さらに、環境面を考えると接着剤を使用する場合、リサイクルし難くなる欠点もあった。
【0008】
また、弾性部材の保持圧を上げる別の技術として、弾性部材の中に金属環を配設してこの金属環の剛性を利用して弾性部材保持圧を高め、トナーあるいは現像剤の侵入を防ぐ技術もある。特に、高速機用に保持圧を高くしたい場合は弾性部材の外側を取り囲むように金属環を配設するが、この技術では金属環の剛性が逆に次のような不具合を発生したりもする。
【0009】
つまり、金属環に剛性があるがために軸受けと金属環との圧入代を非常に精度高く維持しなければならず、樹脂材料で形成された軸受けの材料特性等の季節変動要因による、微妙な寸法変動により保持圧が低下したり、逆に軸受けに亀裂が生じたりあるいは割れが生じたりして、そこからトナーが漏れるという不具合が発生する場合もあった。さらに、近年画像品質の向上を狙ってトナーあるいは現像剤の小粒径化が進んでおり、益々軸受けに起因するこれら不良発生が増えてきている。
【0010】
本発明は、トナーあるいは現像剤の軸受けへの侵入を確実に防止し、弾性部材の軸受けからの脱落を防止することによって耐久性を向上させ、且つトナー漏れ等のユーザーメンテナンス性を損なう不具合を解消し、メンテナンス性を良好にすることが可能な現像装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上下のハウジング間に形成される空間内で回転することによって空間内の現像剤を攪拌、搬送する機能を担っている回転翼が形成された搬送棒の一端の回転軸が軸受けにより回転自在に支持され、軸受けと回転軸の間には弾性部材を密封した現像装置であって、弾性部材には、回転軸をシールする弾性密封リップ部を形成すると共に、弾性密封リップ部と搬送棒の回転翼との間に緩衝板を備えた現像装置を最も主要な特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、弾性部材には、現像剤を収容する溝部を形成すると共に、その内側に金属環が配置されている現像装置を主要な特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の現像装置において、溝部は、その幅が0.1mm以上1mm以下に形成されている現像装置を主要な特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の現像装置において、溝部の深さが弾性部材の厚みに対してその半分以上である現像装置を主要な特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、弾性部材はゴムエラストマーで形成されており、且つ弾性部材の硬さが70以上(JIS A)である現像装置を主要な特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は現像装置の軸受けへのトナーあるいは現像剤の侵入を確実に防止すると共に現像装置からのトナー、あるいは現像剤の漏れ出しを確実に防止するものであって、トナーあるいは現像剤が現像装置容器内を攪拌、搬送する圧力を直接軸受けのリップ面に受けないようにした構成と、一部に溝を設けるようにした弾性部材とを組み合わせた構成とするものである。なお、特許請求の範囲では、トナー、現像剤を含めて現像剤と称する。
【0017】
以下に本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は本発明に関わる現像ユニット(現像装置)の正面断面図、図2はその平断面図、図3はその軸受け断面図、図4は図3に示す軸受けにおいて現像剤をシールしている状態を示す模式図である。
【0018】
図1において現像ユニット6は感光体ドラム1に対向して配置され、感光体ドラム1との間でトナーを移送して画像領域を形成している。現像ユニット6はハウジング下61とハウジング上62から構成されており、ハウジング61、62内には現像剤供給用の磁気ローラ2、現像剤攪拌、搬送用の搬送棒4、5、トナー供給ユニット7等が設けられている。
【0019】
この搬送棒4、5は通常樹脂で作られており、補強部材として金属部材45が一部用いられている。磁気ローラ2は感光体ドラム1に対して0.1mm〜1mmの間隔を持って配置され、ベヤリング21等によりハウジング61、62に回転自在に取り付けられている。また、磁気ローラ2に対向して現像剤スクラバー3が設けられており現像剤量を規制して磁気ローラ2上に現像剤8の薄層を形成している。
【0020】
搬送棒4、5は現像剤8を攪拌、搬送するものであり、軸受け41、51で回転自在にハウジング61、62に取り付けられている。なお、これら磁気ローラ2、搬送棒4、5へはそれぞれギヤ26、46、56を通して駆動力が伝えられる。この軸受け41、51は潤滑性の高いポリアセタール樹脂等で作られている。
【0021】
さらに、ハウジング61、62は仕切壁63により搬送棒4を配置した現像剤攪拌、搬送空間と、搬送棒5を配置した現像剤攪拌、搬送空間とに隔てられている。両空間は仕切壁63の両端を切り欠いており、この部分を通して現像剤8は両空間を搬送されている。なお、現像剤8は図2の矢印方向に攪拌、搬送される。
【0022】
この両空間を攪拌、搬送されている現像剤8は二成分現像剤であって、トナーは搬送棒5上に設けられたトナー供給ユニット7より供給されており、トナーセンサー(図示せず)の信号を受けて自動的に搬送棒5にトナーを供給している。なお、本現像ユニット6はキャリアを含まない一成分現像剤を収容するユニットであってもよい。
【0023】
搬送棒4により攪拌、搬送された現像剤8は現像剤スクラバー3により磁気ローラ2上に薄層現像穂を形成し、感光対ドラム1上に潜像として現像される。潜像に使われなかった現像剤8は再度、搬送棒4に戻され、図2の矢印方向に攪拌、搬送され、消費されたトナー相当量がトナー供給ユニット7より排出され搬送棒5により攪拌、搬送される。
【0024】
ここで、図3に示すようにこの現像剤8の循環過程において搬送棒4の回転翼により発生した現像剤8の攪拌、搬送圧力を一度、緩衝板44で受け、直接現像剤8の高い圧力を、軸受け41内に収容されている弾性部材42の弾性密封リップ部48(図4)に伝えないようにしている。また、この緩衝板44の径は弾性部材42に設けられた溝部47間の距離(径)よりも小さいことが重要である。
【0025】
しかし、弾性密封リップ部48に直接高い圧力が伝わっていなくとも、現像剤8は数μm〜十数μmの大きさのトナーと数十μmの大きさのキャリアから構成される微粒子であり、廻り込んできた現像剤8が圧縮凝集されないように緩衝板44と弾性密封リップ部48との間は数mm程度の間隙を設ける方が好ましい。なお、弾性部材42は軸受け41に圧入装着されており、圧入代を十分取っても弾性部材42の弾性力、溝形状による空乏層により軸受け41に高い圧力がかからず、軸受け41に損傷を与える心配はない。
【0026】
次に、図4に示すように搬送棒4の回転翼により発生した現像剤の攪拌、搬送圧力により現像剤8は弾性部材42に設けた溝47に入り込み、順次入り込んだ現像剤が圧縮凝集され、弾性部材42は金属環43の剛性に圧される形で軸受け41の方向へ膨らみ、軸受け41に対する弾性部材42の保持力が増し、弾性当接部材42と軸受け41との保持面への現像剤侵入を防止する。また、保持力が増すことにより弾性部材42の脱落を防止することができる。
【0027】
ここで、この溝部47の溝幅は小さ過ぎても現像剤8が入り込まなかったり、弾性当接部材42の保持圧を十分上げることができず、逆に溝幅が大き過ぎると現像剤8の圧縮凝集が十分に行なわれず、また弾性部材42そのものの剛性も失われるために十分な保持圧が得られない。これらの観点から、溝部47の溝幅は0.1〜1mmが好ましい。なお、この溝部47は搬送棒4の金属部材45に対して、円周上に配置されていても、放射状に間欠的に配置されていてもよい。
【0028】
また、溝部47の溝深さに対しても浅いと十分な保持圧が得られず、弾性部材42の厚みに対して半分以上の深さを形成することが必要である。さらに、この弾性部材42としてはニトリルゴム、フッ素ゴム等のゴムシール部材が一般的に用いられており、この弾性部材42の硬さがある一定以上でないと軸受け41に対する弾性部材42の保持圧が維持できず、70以上の硬さ(JIS A)であることが好ましい。
【0029】
図5は、溝部47がなく、金属環43と弾性密封リップ部48のみ設けた軸受け41の一例を示す断面図である。図6は、溝部47がなく、金属環43と弾性密封リップ部48のみ設けた軸受けの他の例を示す断面図である。
【0030】
また、本発明の実施形態は感光体1を現像ユニット6に組込んだ画像形成ユニットであってもよい。その場合も本発明の対象部分は現像装置である。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であり、弾性部材42、弾性密封リップ部48、溝部47の形状を変えたり、溝部47を回転軸に対して間欠的に配置しても、溝幅を不連続に変化させても効果は維持できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、数μmレベルの微粒子である現像剤が軸受けと弾性部材との摺動面に侵入するのを防ぐことができる。また軸受けに損傷を与えることなく、弾性部材の軸受けからの脱落を防止し、搬送棒の回転ムラ、回転トルク増大を防止することができる。さらに現像剤の凝集体発生を防ぎ、現像異常画像を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる現像ユニット(現像装置)の正面断面図である。
【図2】その平断面図である。
【図3】その軸受け断面図である。
【図4】図3に示す軸受けにおいて現像剤をシールしている状態を示す模式図である。
【図5】溝部がなく、金属環と弾性密封リップ部のみ設けた軸受けの一例を示す断面図である。
【図6】溝部がなく、金属環と弾性密封リップ部のみ設けた軸受けの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 磁気ローラ
3 現像剤スクラバー
4、5 搬送棒
6 現像ユニット
7 トナー供給ユニット
8 現像剤
26、46、56 ギヤ
41、51 軸受け
42、52 弾性部材
43 金属環
44 緩衝板
47 溝部
48 弾性密封リップ部
61 ハウジング下
62 ハウジング上
Claims (5)
- 上下のハウジング間に形成される空間内で回転することによって空間内の現像剤を攪拌、搬送する機能を担っている回転翼が形成された搬送棒の一端の回転軸が軸受けにより回転自在に支持され、軸受けと回転軸の間には弾性部材を密封した現像装置であって、弾性部材には、回転軸をシールする弾性密封リップ部を形成すると共に、弾性密封リップ部と搬送棒の回転翼との間に緩衝板を備えたことを特徴とする現像装置。
- 請求項1記載の現像装置において、弾性部材には、現像剤を収容する溝部を形成すると共に、その内側に金属環が配置されていることを特徴とする現像装置。
- 請求項2記載の現像装置において、溝部は、その幅が0.1mm以上1mm以下に形成されていることを特徴とする現像装置。
- 請求項2記載の現像装置において、溝部の深さが弾性部材の厚みに対してその半分以上であることを特徴とする現像装置。
- 請求項1記載の現像装置において、弾性部材はゴムエラストマーで形成されており、且つ弾性部材の硬さが70以上(JIS A)であることを特徴とする現像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002190930A JP2004037560A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 現像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002190930A JP2004037560A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 現像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004037560A true JP2004037560A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31700705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002190930A Pending JP2004037560A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 現像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004037560A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100351539C (zh) * | 2004-04-12 | 2007-11-28 | 日立工机株式会社 | 电动工具和装配于其中的齿轮单元 |
CN100354543C (zh) * | 2004-04-20 | 2007-12-12 | 三电有限公司 | 动力传递装置 |
JP2011215251A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置用現像装置の軸受シール構造、現像装置及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190930A patent/JP2004037560A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100351539C (zh) * | 2004-04-12 | 2007-11-28 | 日立工机株式会社 | 电动工具和装配于其中的齿轮单元 |
CN100354543C (zh) * | 2004-04-20 | 2007-12-12 | 三电有限公司 | 动力传递装置 |
JP2011215251A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置用現像装置の軸受シール構造、現像装置及び画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009109741A (ja) | 現像装置及びそれを備えた画像形成装置 | |
JP2008032983A (ja) | トナー搬送装置、現像装置及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP2005172842A (ja) | 現像装置及び画像形成装置 | |
JP2004037560A (ja) | 現像装置 | |
JP4779429B2 (ja) | 現像剤処理装置及び画像形成装置 | |
JP5440940B2 (ja) | 画像形成装置の現像装置 | |
JP2011107173A (ja) | 現像装置及び画像形成装置 | |
JP5435358B2 (ja) | 電子写真方式の画像形成装置における現像装置 | |
JP2003091157A (ja) | 画像形成現像装置 | |
JP4906601B2 (ja) | シール構造及びこれを備えた画像形成装置 | |
JPH11338251A (ja) | 現像装置 | |
JP3611281B2 (ja) | 粉体搬送装置、現像装置及びこれらを備える画像形成装置 | |
JP3359171B2 (ja) | 現像装置 | |
JPH03282489A (ja) | 現像装置 | |
JP5656009B2 (ja) | 現像装置、及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP5618182B2 (ja) | 画像形成装置用現像装置の軸受シール構造、現像装置及び画像形成装置 | |
US5206690A (en) | Developing roller with an identical polarity magnetic part | |
JP6019923B2 (ja) | 粉体搬送装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP5737084B2 (ja) | 現像装置および画像形成装置 | |
JP2004061561A (ja) | 画像形成現像装置 | |
JP2010044153A (ja) | 軸受、現像装置、及び画像形成装置 | |
JP2004361538A (ja) | 画像形成装置用現像装置及び画像形成装置 | |
JP3939110B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2008170660A (ja) | 現像装置 | |
JP2005266371A (ja) | 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 |