JP2004037270A - キャリブレーション用データ測定装置、測定方法及び測定プログラム、並びにコンピュータ読取可能な記録媒体、画像データ処理装置 - Google Patents

キャリブレーション用データ測定装置、測定方法及び測定プログラム、並びにコンピュータ読取可能な記録媒体、画像データ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学条件を変化させて撮影するカメラに対して、レンズディストーションの影響を除去するキャリブレーション用データの測定装置を提供すること。
【解決手段】マークが配置されたキャリブレーション用チャート1を、光学条件を変化させて撮影するカメラ2で撮影した、複数のチャート撮影画像を用いてカメラ2のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション用データ測定装置であって、前記チャート撮影画像からマークを抽出するマーク抽出部131と、抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部134と、キャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、カメラ2の変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算部160とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、撮影された画像のレンズ収差を補正する場合や、ステレオ画像計測用のようにレンズ収差が補正された画像が必要な場合に用いられるキャリブレーション用データ測定装置及び方法に関し、特に光学条件を変化させて撮影するカメラ(例えばズーム式カメラ)であってもレンズ収差が補正された画像を得るのに必要な内部パラメータ{例えば、レンズの主点位置、画面距離(焦点距離)、歪曲パラメータ等}を容易に求めることができるキャリブレーション用データ測定装置及び方法に関する。
また、本発明は、光学条件を変化させて撮影するカメラ(例えばズーム式カメラ)で撮影したステレオ画像に含まれるレンズ収差の影響を除去して、ステレオ画像計測により測定対象物の形状を正確に三次元形状測定ができる画像データ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、写真測量や写真計測の分野では、収差の少ない画像を得ることが重要である。そこで、写真測量や写真計測の分野では、撮影用カメラのレンズとして収差が少ない高精度のレンズを使用している。さらに、写真測量分野では、精密に計測された3次元上に配置された多数の点を複数方向から計測することにより、カメラの内部パラメータ(主点位置、画面距離、歪曲パラメータ)を解析的に求めている。また、写真計測の分野で用いられる計測用カメラの場合は、製作されたカメラを精密に計測することにより、カメラの内部パラメータを求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、市販されている一般消費者向けのデジタルカメラでステレオ画像計測を行おうとした場合、レンズディストーションが大きい為に、撮影した画像を無修正で用いたのでは対象物のステレオ画像計測することはできないという課題がある。そこで、デジタルカメラのカメラ内部パラメータ(焦点距離、主点位置、レンズディストーション)を用いて撮影した画像を修正すると共に、三次元精度を高めるために撮影時のデジタルカメラの焦点距離も精度良く求める必要がある。以下、固定焦点式と可動焦点式に分けて更に詳細を説明する。
【0004】
従来は、固定焦点式のステレオカメラに対してカメラキャリブレーションを行い、その固定した焦点位置でステレオ画像計測対象の写真撮影、解析を行っていた。しかし固定焦点式のステレオカメラでは、対象物に合わせて焦点距離を調整できないため、撮影条件によってはピントが合わず、或いは測定対象物の画像が写真画像一杯に写っていないため、ステレオ画像計測を行うのに必要とされる良質なステレオ画像が得られないという課題があった。さらに、計測対象物の大きさや必要精度のためにカメラやレンズを交換して、適切な焦点距離のカメラやレンズを選定する場合には、新たに選定したステレオカメラに対してキャリブレーションを再度行う必要があるという課題があった。そのため、固定焦点式のステレオカメラでは、3次元計測が簡単に行えないという課題があり、ステレオ画像計測の普及の妨げとなっていた。
【0005】
他方、可動焦点式のいわゆるズームレンズを用いたデジタルカメラに関しては、レンズディストーションが大きく、さらに焦点距離に応じて奥行き精度やレンズディストーションが変動する。このため、焦点距離を変化させると新たにキャリブレーションを行う必要があり、ズームレンズを用いてステレオ画像計測を行うことは作業効率の点から困難であるという課題があった。そこで、ズームレンズのズーム機能を発揮することなく、固定焦点式のデジタルカメラとして使用されている為、作業現場でのステレオ画像計測が不便になっているという課題があった。
【0006】
本発明の第1の目的は、上述する課題を解決したもので、光学条件を変化させて撮影するカメラ(例えばズーム式カメラ)を用いても、レンズディストーションの影響を除去した良質な画像を得るのに必要なレンズ収差を補正する内部パラメータが容易に得られるキャリブレーション用データ測定装置及び方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、上述する課題を解決したもので、光学条件を変化させて撮影するカメラ(例えばズーム式カメラ)で撮影したステレオ画像に含まれるレンズ収差の影響を除去して、ステレオ画像計測により測定対象物の形状を正確に三次元形状測定ができる画像データ処理装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のキャリブレーション用データ測定装置は、第1の目的を達成するもので、例えば図1に示すように、マークが配置されたキャリブレーション用チャート1を、光学条件を変化させて撮影するカメラ2の光学条件を変化させて撮影した、複数のチャート撮影画像を用いてカメラ2のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション用データ測定装置であって、前記チャート撮影画像から前記マークを抽出するマーク抽出部(131、132、133)と、マーク抽出部で抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部134と、内部パラメータ演算部134で演算されたキャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、カメラ2の変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算部160とを備える。
【0008】
ここで、光学条件を変化させて撮影するカメラとしては、典型的にはズームレンズのように焦点距離が可変に調整できるものや、自動焦点式のようにピント調整のためにレンズを調整できるものをいう。撮影の光学条件の異なるチャート撮影画像とは、カメラの焦点距離を複数設定して、各焦点距離毎に撮影されたチャート撮影画像や、カメラの自動焦点機構を用るためにレンズの移動位置が異なるものをいう。カメラの変化する撮影光学条件とは、典型的にはズームレンズのように焦点距離を可変に調整した後の個別焦点距離をいい、個別焦点距離にてチャート撮影画像が得られる。キャリブレーション用データは、典型的にはレンズの主点位置データ又はレンズの歪曲収差の少なくとも一方を含むものである。
【0009】
このように構成された装置において、マーク抽出部は、チャート撮影画像からマークを抽出するもので、好ましくはマーク位置も抽出するとよい。内部パラメータ演算部134は、マーク抽出部で抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算するもので、好ましくは撮影光学条件が共通するチャート撮影画像を一群のキャリブレーション用データ演算の基礎にするとよい。内部パラメータ関数演算部160は、内部パラメータ演算部134で演算された異なる撮影光学条件毎のキャリブレーション用データと、チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、カメラ2の変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出するものである。好ましくは、内部パラメータ関数演算部160は、内部パラメータ関数を構成する係数の関数形を求め、このカメラ2の変化する撮影光学条件に対応する係数を用いて、内部パラメータを演算する数式であるとよい。
【0010】
好ましくは、例えば図1に示すように、前記キャリブレーション用チャートは平面状であり、例えば図5〜図7に示すように、前記複数のチャート撮影画像は、マーク抽出部(131、132、133)と内部パラメータ演算部134によって、キャリブレーション用データが算出可能な態様で撮影されたステレオ撮影画像であるとよい。
好ましくは、例えば図14に示すように、前記キャリブレーション用チャートは立体状(立体基準チャート20)であり、前記複数のチャート撮影画像は、マーク抽出部171と内部パラメータ演算部173によって、キャリブレーション用データが算出可能な態様で撮影されたステレオ撮影画像であるとよい。
好ましくは、例えば図13に示すように、内部パラメータ関数演算部160で算出されるキャリブレーション用データは、前記カメラの変化する撮影光学条件に対して連続的に算出可能であるとよい。
【0011】
本発明のキャリブレーション用データ測定方法は、第1の目的を達成するもので、例えば図8に示すように、光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて、マークが配置されたキャリブレーション用チャートを当該カメラで複数のチャート撮影画像として撮影するステップ(S102、S104)と、前記チャート撮影画像から前記マークを抽出するマーク抽出ステップ(S105)と、前記抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算ステップ(S106)と、前記演算されたキャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、前記カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算ステップ(S110)とを有する。
【0012】
本発明のキャリブレーション用データ測定プログラムは、第1の目的を達成するもので、例えば図1に示すように、光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて、マークが配置されたキャリブレーション用チャート1を当該カメラ2で撮影して得られた複数のチャート撮影画像を用いて、当該カメラのキャリブレーション用データを求めるためにコンピュータを、前記チャート撮影画像から前記マークを抽出するマーク抽出手段(131、132、133)と、前記マーク抽出手段で抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算手段134と、内部パラメータ演算手段134で演算されたキャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、前記カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算手段160として機能させるためのプログラムである。また、本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体は、キャリブレーション用データ測定プログラムを記録してある。
【0013】
本発明の画像データ処理装置は、第2の目的を達成するもので、例えば図15に示すように、光学条件を変化させて撮影するカメラ2から撮影画像データと撮影光学条件を受取る撮影画像データ受取部(210、220)と、前記撮影画像データ受取部が受取った撮影光学条件に基づき、キャリブレーション用データを形成するキャリブレーション用データ形成部230と、形成されたキャリブレーション用データに基づき、撮影画像データを画像処理する画像処理部240とを備える。
【0014】
このように構成された装置において、撮影画像データ受取部(210、220)は光学条件を変化させて撮影するカメラ2から撮影画像データと撮影光学条件を受取る。キャリブレーション用データ形成部230は、撮影画像データ受取部が受取った撮影光学条件に基づき、キャリブレーション用データを形成する。キャリブレーション用データにより、撮影画像データに含まれるカメラ2のレンズ収差の影響が補償可能となる。画像処理部240は、形成されたキャリブレーション用データに基づき、撮影画像データを画像処理するので、レンズ収差の影響のない正確な画像データが得られる。そこで、ステレオ画像計測のように画像に表れる僅かな視差差によって、表面の凸凹の標高を計測する用途であっても、正確な三次元形状測定が行える。なお、撮影光学条件は、撮影画像データ受取部220のようにカメラ2から直接受取っても良く、また焦点距離算出部232のように撮影画像データから間接的に求めてもよい。焦点距離算出部232が撮影光学条件を算出する場合には、キャリブレーション用データ形成部230は、撮影光学条件を焦点距離算出部232から受取る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明するキャリブレーション用データ測定装置の構成ブロック図である。図において、キャリブレーション用チャートとしてのチャート1は、平面シートに第1マークと第2マークが印刷されている。なお、チャート1は、平面シートに代えて、例えばノートパソコンのような平面的な表示画面を有する機器に、第1マークと第2マークが表示された平面シートの画像表示を用いてもよい。液晶表示画面のようにガラスを用いた画面は、紙に比較して湿度や温度による平面の伸縮が極めて少ないため、チャート1の表示装置として適している。
【0016】
第1マークは、概略マーク位置測定及び校正用写真組の画像相互の対応付けに利用されると共に、カメラ2がチャート1を撮影した撮影角度を決めるために利用される。第1マークは、チャート1の少なくとも3箇所に設けられるもので、好ましくはチャート1を4区分に等分したときの各象限に設けると良い。第2マークは、カメラ2によって撮影されたチャート1の画像データの位置を指定するもので、ターゲットとも呼ばれており、好ましくは均等の密度で満遍なくチャート1に配置する。第2マークは、チャート1の30箇所以上に設けられるのが好ましく、さらに好ましくは100〜200箇所程度にするとよい。チャート1の詳細については、後で説明する。
【0017】
カメラ2は、例えば焦点距離可変式のキャリブレーションの対象となるカメラで、焦点距離を短く設定することで広角レンズ(例えば8mm)として機能させたり、焦点距離を標準レンズ(35mm)相当に設定したり、焦点距離を長く設定することで望遠レンズ(例えば200mm)として機能させることができる。カメラ2は、自動焦点(オートフォーカス)機能を有していることが好ましく、ピンチ調整の為にレンズを移動させている。典型的には、カメラ2は汎用の光学式カメラやデジタルカメラのように、レンズ収差が写真測量や写真計測用の撮影用カメラに比較して、大きいものである。カメラ2は、計測対象物やチャート1を撮影するもので、典型的には左撮影位置2Lと右撮影位置2Rの一組の撮影位置によってステレオ撮影する。左撮影位置2Lと右撮影位置2Rの一組のステレオ撮影された画像データは、計測対象物の三次元画像計測を行うのに適する。
【0018】
キャリブレーション用データ測定装置100は、画像データ記憶部110、焦点距離データ記憶部120、キャリブレーション要素算出部130、画像処理部140、表示部150、並びに内部パラメータ関数演算部160を備えている。画像データ記憶部110は、カメラ2によって撮影されたチャート1の画像データを記憶する記憶装置で、例えば磁気ディスク、CD−ROMのような電磁気的記憶媒体が用いられる。画像データ記憶部110に記憶される画像データは、チャート1をカメラ2にてステレオ視できるように撮影したステレオ画像データであることが好ましく、典型的には左撮影位置2Lと右撮影位置2Rの一組の撮影位置によって撮影されている。好ましくは、画像データ記憶部110では、カメラ2がチャート1を撮影した撮影角度が判別できる態様で校正用写真組の画像が記憶されているとよい。キャリブレーション用データ測定装置100には、画像データ記憶部110の画像データを読取るI/O装置が設けられている。
【0019】
焦点距離データ記憶部120は、画像データ記憶部110に記憶された画像を撮影した際のカメラ2の焦点距離を記憶している。この記憶は、カメラ2によって撮影されたチャート1の画像データに付して設けられる焦点距離データ情報を用いても良く、またカメラ2から取出した焦点距離データでもよく、更に計測時に画像データから算出された焦点距離でもよい。キャリブレーション要素算出部130で、カメラの内部パラメータを求める場合には、キャリブレーションに用いる焦点距離データの測定個数と測定間隔に適合するように、内部パラメータ関数演算部160で関数近似する多項式が選定される。例えば、ズーム式カメラ2の焦点距離が7.2mmから50.8mmで調整可能な場合には、焦点距離データの測定個数を6個とすると、7.2mm、8.7mm、11.6mm、24.8mm、39.0mm、52.2mmのように、光学的意味での等間隔で測定される。ここで、ズーム式カメラ2の焦点距離7.2mm−50.8mmは、一眼レフカメラの標準レンズ35mm形式のレンズ焦点距離で表すと、28mm−200mmに相当している。
【0020】
キャリブレーション要素算出部130は、マーク抽出部131、概略マーク位置測定部132、精密マーク位置測定部133、内部パラメータ演算部134、マーク座標記憶部135、並びに内部パラメータ算出値記憶部136を備えている。キャリブレーション要素算出部130は、内部パラメータ演算部134にて算出される内部パラメータを確認するために画像処理部140とを備えると共に、外部機器として画像データ記憶部110や表示部150を備えている。キャリブレーション要素算出部130と画像処理部140には、例えばCPUとしてインテル社製のペンティアム(登録商標)やセレロン(登録商標)を搭載したコンピュータを用いるとよい。
【0021】
マーク抽出部131は、画像データ記憶部110に格納された画像データから第1マークを抽出して、第1マークの画像座標値を求める第1マーク抽出処理を行う。第1マーク抽出処理は、概略マーク位置測定部132による第2マークの概略位置算出と対応付けの前処理として行われる。この第1マークの画像座標値は、マーク座標記憶部135に記憶される。なお、第1マークが第2マークと共通の図柄を含んでいる場合には、第1マーク内の第2マーク位置によって第1マークの画像座標値とするとよい。マーク抽出部131による第1マーク抽出処理の詳細は、後で説明する。
【0022】
概略マーク位置測定部132は、マーク抽出部131にて抽出された第1マークの画像座標値から射影変換を行って外部標定要素を求め、単写真標定の定理、並びに共線条件式を用いて、第2マークの概略位置を演算して、校正用写真組の画像相互の対応付けを行う。概略マーク位置測定部132による第2マークの概略位置演算処理の詳細は、後で説明する。
【0023】
精密マーク位置測定部133は、校正用写真組の画像に対して第2マークの認識を行い、重心位置検出法等によって第2マークの位置を精密に演算する。内部パラメータ演算部134は、精密マーク位置測定部133にて演算された第2マークのうち、キャリブレーションに適切な第2マークを抽出して、外部標定要素と対象点座標を同時調整すると共に、キャリブレーション用データとしてのカメラ2の内部パラメータを演算する。内部パラメータ算出値記憶部136には、内部パラメータ演算部134にて演算されたカメラ2の内部パラメータが記憶されている。なお、内部パラメータ演算部134は、精密マーク位置測定部133にて演算された第2マークの位置が、チャート1の画像データにおける他の第2マークの位置と著しい齟齬が生じていた場合には、齟齬の生じた第2マークの位置を除外する機能を有する。また、内部パラメータ演算部134で演算されたカメラの内部パラメータは、チャート1を撮影した際のカメラ2の焦点距離と共に、内部パラメータ算出値記憶部136に格納すると良い。
【0024】
カメラの内部パラメータには、主点位置、画面距離、歪曲パラメータがある。なお、ここでは歪曲パラメータのみを求めているが、ザイデルの5収差を構成する球面収差、コマ、非点収差、像面のそりについても、求めても良い。内部パラメータ演算部134にて求められた内部パラメータは、表示部150にてグラフィック表示される。なお、精密マーク位置測定部133、並びに内部パラメータ演算部134のカメラの内部パラメータ演算処理に関しての詳細は、後で説明する。
【0025】
画像処理部140は、内部パラメータ演算部134にて演算された内部パラメータを用いて、カメラ2によって撮影された画像(特に、チャート1以外の画像)のデータ画像を再配列する。すると、カメラ2によって撮影された画像が、レンズ収差の大部分が除去された歪の著しく少ない画像として、表示部150に表示される。表示部150は、CRTや液晶ディスプレイのような画像表示装置である。マーク座標記憶部135には、第1マークの画像座標値が記憶されていると共に、第2マークの管理番号並びにその画像座標値が記憶されている。
【0026】
内部パラメータ関数演算部160は、内部パラメータ演算部134で演算されたキャリブレーション用データと、キャリブレーション要素算出部130で対象とされたチャート1の画像データを撮影した際のカメラ2の焦点距離とを用いて、内部パラメータ関数演算を算出する。内部パラメータ関数演算部160がカメラ2の焦点距離に対応するキャリブレーション用データ(内部パラメータ関数)を算出する過程についても、後で詳細に説明する。
【0027】
次に、キャリブレーション用チャートとしてのチャート1について説明する。ここでは、チャート1として紙やプラスチックシートに所定のマークを印刷してある場合を例に説明するが、平面画面に所定のマークを配列した画像を表示するものでもよい。
【0028】
図2は、キャリブレーション用チャートの一例を示す平面図である。チャート1は、平面的なシート形状であって、表側に視認容易な第1マークと多数の点から構成される第2マークが印刷されている。ここでは、第1マークはチャート1に総計5個配置されるもので、外形菱形で、中心部分に第2マークと共通の図柄が描かれている。第1マーク1a、1b、1c、1dは、チャート1を4象限に区分したとき、各象限に設けられるもので、第1マーク1aは左上象限、第1マーク1bは右上象限、第1マーク1cは左下象限、第1マーク1dは右下象限に位置している。第1マーク1eは、各象限と共通となる原点位置に設けられている。例えば第1マーク1a、1b、1c、1dは、第1マーク1eに対して等距離dの位置に設けられている。チャート1が矩形であるとして、第1マーク1a、1bと第1マーク1eとの縦方向の間隔をh、第1マーク1c、1dと第1マーク1eとの縦方向の間隔をlとする。このとき、第1マーク1a、1b、1c、1dと第1マーク1eとの距離dは、以下の関係を充足する。
d=(h+l1/2        (1)
【0029】
第1マークと第2マークは、予め所望の寸法で印刷するか、もしくは寸法を計測しておく。第1マークと第2マークの印刷位置の数値は、キャリブレーション装置のマーク座標記憶部135に読込んで、概略マーク位置測定部132において概略位置測定と対応づけのために利用される。なお、チャート1は、コンピュータの記憶装置に画像データとして記憶させておき、キャリブレーションする場所において印刷して使用しても良い。第1マークと第2マークの位置は、予めキャリブレーション装置の中に記憶してあるものを使い、その記憶された座標にてシートに印刷すれば、計測作業は不要になるので作業は簡単なものになる。あるいは、チャート1を精密に計測して、第1マークと第2マークの座標位置を測定し、その座標値をマーク座標記憶部135に格納して利用する構成としてもよい。
【0030】
第1マークは、概略マーク位置測定及び対応付けに利用されるだけでなく、撮影方向を決める視標としても利用される。さらに、第1マークの外形菱形の中心部分は第2マークと共通の図柄とすることにより、精密マーク位置測定部133で精密測定する際のテンプレートとして使用される。
【0031】
図3は第1マークの一例を示す説明図で、(A)は菱形、(B)は4本の矢印、(C)は黒塗り矩形を示している。図3(A)、(B)では、第1マークは第2マークと共通の図柄を囲むように菱形又は4本の矢印を配置し、作業者にとって視認容易になるように配慮してある。このように視認容易な図柄とすることで、第1マークの抽出が容易なものとなると共に、カメラ2の撮影方向として広い撮影角度の中から一つの撮影角度を選択しても、撮影された画像から第1マークを見逃すことがない。図3(C)では、第1マークは黒塗り矩形とし、中心部の図柄は第2マークとは反転した色彩になっているが、このようにしても検出は容易である。また、精密マーク位置測定部5にて測定する際にも、図3(C)の図柄に対しては、第1マークの階調を反転することにより、第2マークのテンプレートとすることができる。
【0032】
図4は第2マークの一例を示す説明図で、(A)は黒丸『●』、(B)はプラス『+』、(C)は二重丸『◎』、(D)は英文字『X』、(E)は星印『★』、(F)は黒塗り四角『■』、(G)黒塗り三角形『▲』、(H)は黒塗り菱形『◆』を示している。第2マークは、チャート1に満遍なく多数配置されるので、精密位置計測のしやすいものであれば、各種の図柄を採択して良い。
【0033】
続いて、キャリブレーション対象となるカメラ2によって、チャート1を撮影する手順について説明する。図5はズーム式カメラの各種焦点距離でのレンズ収差を計測する場合のカメラ配置を説明する斜視図である。チャート1を異なる撮影角度から撮影した画像が、2枚以上の画像があれば、キャリブレーションが可能となる。好ましくは、チャート1としてシートに印刷された平面チャートを用いる場合には、3以上の撮影角度方向から撮影することによって、各キャリブレーション要素、特に焦点距離、の測定値が安定し、かつ信頼性の高いものになる。図5の場合には、5方向、即ち図5(A)を基準として正面(I)、左上(II)、右上(III)、左下(IV)、右下(V)から撮影する手順を示している。カメラ2の光軸と平面チャートとの撮影入射角は、実際の撮影現場での奥行き精度を1cm程度に設定すると、10度〜30度の範囲が好ましく、他方レンズの焦点深度との関係でピントの合う距離も限られていることも考慮すると、12度〜20度の範囲がさらに好ましい。典型的には、カメラ2の光軸と平面チャートとの撮影入射角として15度を採用するとよい。また各種焦点距離とは、典型的には一眼レフカメラでいう標準レンズ、広角レンズ、望遠レンズに相当する各種の焦点距離をいう。
【0034】
以下、図6を参照してズーム式カメラによるチャート1の撮影手順を説明する。図6は、(A1)、(A2)、(A3)、(A4)にてカメラの画像を示し、カメラ画像に対応するチャート1とカメラ2の位置関係を(B1)、(B2)、(B3)、(B4)にて示している。なお、番号(I)〜(V)は図5のカメラ位置に対応している。
【0035】
(I):正面から、チャート1の第1マークと第2マーク全てが一杯に入るよう撮影する(図6(A1)、(B1))。第1マークと第2マークをなるべく一杯に、撮影画像のすみまでいれることにより、レンズ周辺部までのディストーション補正が確実になる。そこで、カメラの焦点距離に応じて、撮影距離Hが変化する。
(II):次に、一般的にズーム式カメラの焦点距離が望遠レンズ及び標準レンズに相当している場合に、正面のカメラ位置を中心として、撮影距離Hの1/3程度離れた位置にカメラを移動させて、例えば左上象限の第1マーク1aが撮影中心となるようにカメラ位置を変える(図6(A2)、(B2))。但し、ズーム式カメラの焦点距離が広角レンズに相当している際に、撮影距離Hが約1m以内の場合は、カメラ位置は目的とする第1マークが正面に来るようにカメラ2を移動させればよい。そして、カメラ2のカメラ位置をそのままにして、中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラ2の方向を向ける(図6(A3)、(B3))。次に、カメラ2をチャート1に近づけるように移動して、カメラ2の撮影画像に対して第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する(図6(A4)、(B4))。
【0036】
(III):右上象限の第1マーク1bが撮影中心となるようにカメラ位置を変える。そして、カメラをそのまま中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラの方向を向け、第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する。
(IV):左下象限の第1マーク1cが撮影中心となるようにカメラ位置を変える。そして、カメラをそのまま中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラの方向を向け、第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する。
(V):右下象限の第1マーク1dが撮影中心となるようにカメラ位置を変える。そして、カメラをそのまま中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラの方向を向け、第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する。
このような手順によって、カメラ2の角度が必要な撮影角度の差として確保できるので、焦点距離が確実に測定できるようになる。
【0037】
次に、チャート1として、第1マークと第2マークを印刷したシート又は表示した平面的画面を用いた平面チャートを用いる場合における、第1マークを利用した撮影手順の利点について説明する。通常、平面のシートに印刷されたマークを撮影する場合、カメラ2に所望の角度がつけられないため、結果として画面距離(焦点距離)を正確に求めることができない。即ち、焦点距離方向(高さ、奥行き方向)に変化がないと、カメラの内部パラメータの計算値には拘束するものがないので、カメラの内部パラメータが算出されても著しく信頼性のないものとなる。そこで、三次元状に配置されたターゲットを計測して焦点距離を求めるのであるが、三次元状に配置されたターゲットは計測が困難で自動化ができないだけでなく、作成するのも容易ではないという課題がある。
【0038】
これに対して平面チャート1では、第1マークと第2マークを印刷したシート又は表示した平面的画面を用いているので、三次元状に配置されたターゲットの場合に発生していた各ターゲット間の関連付けの困難性という問題は解消される。次に、第1マークを利用して撮影すると、カメラ2に所望の角度を付することができ、高さ(奥行き)方向の変化を確実にし、焦点距離を正確に算出できる。例えば、カメラ2の角度をチャート1に対して10度以上傾けることができれば、本発明のキャリブレーション装置においては、焦点距離を確実に求めることができる。
【0039】
ここでは、カメラ2とチャート1の間隔Hは、ズーム式カメラの焦点距離fから定められる。例えば、ズーム式カメラの焦点距離が35mm式カメラの標準レンズに相当している場合では、撮影距離Hは90cm程度になる。チャート1に設けられた第1マークの相互間隔dは、例えば20cmであるから、正面(I)から左上(II)等に撮影方向を傾けるとき、撮影角度として約10度が確保される。
なお、撮影方向の傾斜角度の上限は焦点深度などによって定まる。即ち、撮影方向の傾斜角度が大きいとカメラ2と第1マーク間の距離が各第1マークによって相違し、画像に写る第1マークの像がボケてしまう。そこで、撮影方向の傾斜角度の上限は、例えば30度となる。実際の撮影手順は上記(I)〜(V)に示した通りで、カメラの画面一杯に第1マークと第2マークが入るように撮影すれば、自ずと上記条件になるので、撮影距離と位置の条件が満足される。
【0040】
図7はズーム式カメラの焦点距離が、標準レンズや望遠レンズに相当する焦点距離でのレンズ収差を計測する場合の、カメラ間隔を示した図である。焦点距離が標準レンズや望遠レンズに相当する場合には、撮影レンズの画角が狭くなり、角度がつかなくなるため、正面(I)から左上(II)等に撮影方向を傾けるとき、撮影角度としての10度が確保されなくなる。即ち、焦点距離が長い場合にはカメラ2とチャート1の撮影距離Hが1m以上であって、第1マークの相互間隔dが20cm程度に過ぎないためである。そこで、正面のカメラ位置を中心として、左側のカメラ位置(II)、(IV)と、右側のカメラ位置(III)、(V)を定める。この際に、左右のカメラ位置の間隔を正面(I)の位置からそれぞれ撮影距離Hの1/3程度とった位置にカメラを設置して、上述の左上(II)、左下(IV)及び右上(III)、右下(V)での撮影を行えばよい。カメラの光軸は、チャート1の法線方向と一致させればよいが、チャート1方向を向けても良い。
【0041】
なお、上記の実施の形態においては、撮影位置として正面(I)、左上(II)、右上(III)、左下(IV)、右下(V)の5方向の場合を示したが、撮影位置は最低の場合には左右2方向あればよく、また3方向以上でもよい。左右2方向の場合も、撮影角度として約10度が確保されるようにしてチャート1の撮影を行う。
【0042】
次に、本発明のキャリブレーション用データ測定装置における処理の流れについて説明する。図8はキャリブレーション用データ測定装置を用いたキャリブレーション用データ測定方法を説明するフローチャートである。カメラのキャリブレーションは、カメラを用いて三次元計測を行う為の前準備に相当しているので、ここでは前準備と呼ぶ。前準備の開始に当たり、まず、チャート1を設置する(S100)。次に、カメラ2の焦点距離を計測対象値に設定する(S102)。例えば、前述の説例のように、ズーム式カメラ2の焦点距離が7.2mmから50.8mmで調整可能な場合には、焦点距離データの測定個数を6個とすると、焦点距離として光学的意味での等間隔選択値(7.2mm、8.7mm、11.6mm、24.8mm、39.0mm、52.2mm)の1つが選択される。
【0043】
そして、キャリブレーション対象となるカメラ2によって、チャート1を撮影する(S104)。撮影手法は、ズーム式カメラの焦点距離が標準レンズや広角レンズに相当する焦点距離でのレンズ収差を計測する場合には図5、図6を参照して説明した撮影手順で行い、ズーム式カメラの焦点距離が望遠レンズに相当する焦点距離でのレンズ収差を計測する場合には図7で説明した撮影手順による。次に、マーク抽出部131によって、チャート撮影画像からチャート1に形成されているマークを抽出する(S105)。この際に、マーク抽出部131によって抽出されたマークの位置を、概略マーク位置測定部132と精密マーク位置測定部133によって測定する。続いて、内部パラメータ演算部134によって、カメラ2のキャリブレーション要素を算出する(S106)。このキャリブレーション要素算出部130の構成要素(マーク抽出部131、概略マーク位置測定部132、精密マーク位置測定部133、内部パラメータ演算部134)の演算過程は、後で図9、図10を参照して詳細に説明する。そして、計測対象値のズーム式カメラ2の焦点距離が残っているか判断し(S108)、残っていればS102に戻る。残っていなければ、内部パラメータ関数演算部160を用いて焦点距離を変数とするキャリブレーション要素の関数を演算する(S110)。このようにして、前準備が終了する。
【0044】
図9は個別焦点距離でのキャリブレーション要素算出過程を説明するフローチャートである。S104にて個別焦点距離でのカメラ2によって撮影された各撮影方向の画像データは、一旦画像データ記憶部110に格納されている。そこで、S105が開始されると、S200で示すサブルーチンが実行される。キャリブレーション装置は、画像データ記憶部110に格納された画像データを読込んで、表示部150に表示する(S202)。そして、操作者は表示部150に表示された画像から、ターゲットの対応付け及び計測を行う画像を選択する(S204)。そして、マーク抽出部131により、選択された画像につき第1マーク抽出処理を行う(S206)。
【0045】
(I):第1マーク抽出処理
第1マーク抽出処理では、測定対象面に設定されたチャート1の平面座標とその画像座標(カメラ側)との二次射影変換式を決定するため、平面座標上の第1マークのうち、最低3点以上を画像データ上で計測する。ここでは、第1マークの中に第2マークを含んでいるので、含まれた第2マークの位置を指定することで、正確に第1マークの位置を指定する。第1マーク抽出処理は、次のI−▲1▼からI−▲4▼までの処理を第1マークの点数分繰り返す。例えば、図2に示すチャート1では、左右各2点の第1マーク1a、1b、1c、1dについて行う。
【0046】
I−▲1▼…操作者は表示部150に表示された全体画像上で、検出したい第1マーク中の第2マークにマウスのカーソル位置を合わせクリックし、第1マークの概略位置を求める。
I−▲2▼…I−▲1▼で求められた画像座標を中心として、拡大画像より第2マークを含んだ、局所となる画像を切り出して、表示する。このとき、第2マークを含む画像を第2マーク精密位置測定のテンプレートとして使うことができる。
I−▲3▼…I−▲2▼で表示した拡大画像に対して、第2マークの重心位置にマウスのカ−ソル位置を合わせクリックし、この画像座標を第1マークの重心位置とする。なお、後続の処理で概略位置対応付けを行うために、I−▲3▼での位置あわせは厳密でなくともよい。
I−▲4▼…次に、マーク座標記憶部135に記憶された第2マークの管理番号と対応させるために、I−▲3▼で計測された第1マークの重心位置に対応する第2マークの管理番号を入力する。このとき、入力された第2マークの管理番号には、I−▲3▼で計測された第1マークの重心位置が基準点座標として記憶される。
【0047】
なお、第1マーク抽出処理では、例えばチャート1上の第1マークの計測順序を予め決めておけば、第2マークの管理番号を入力せずとも、マーク抽出部131側で自動採番処理が可能である。また、第1マーク抽出処理では、操作者が作業しやすいように、例えば、表示部150に表示されている選択画像を二つに分割し、片側に図2のような全体画像、もう一方側に図3(A)、(B)のような拡大画像を表示するようにすれば、位置計測がしやすくなる。
【0048】
次に、第1マーク抽出処理の他の処理手順として、拡大画像を用いないで図2のような全体画像だけで計測する方式がある。この場合、I−▲1▼の処理を行うと共に、I−▲4▼においてI−▲1▼で計測された第1マークの重心位置に対応する第2マークの管理番号を入力する。このようにすると、拡大画像を用いないため、I−▲2▼、I−▲3▼の処理が省略できる。ただし全体画像表示なので、第1マークが小さく表示されるため、操作者の好みで拡大画像を利用するかしないか判断すればよい。
【0049】
次に、第1マーク抽出処理をマーク抽出部131により自動処理する場合を説明する。まず、第1マークのうち第2マークを含まない外枠部分をテンプレートとして登録する。この登録は、例えば先に説明した、第1マーク抽出処理における最初の第1マークをテンプレート画像として登録すればよい。すると、テンプレートマッチング処理にて、残りの第1マークを自動で計測することができる。また、第1マークの場合の位置対応付けは、第1マークの位置が画像上から明確であるため容易に行える。例えば図2の第1マーク配置であれば、その検出座標から5点の第1マークの対応付けを行うのは容易である。なお、テンプレートマッチングの処理については、後で説明する第2マーク精密位置測定におけるターゲットの認識処理(S302)と同様なので、説明を省略する。
【0050】
続いて、第1マーク抽出処理をマーク抽出部131によりさらに自動処理する場合を説明する。第1マーク抽出処理における第1マークのテンプレート画像を、予めマーク抽出部131に登録しておく。すると、第1マークのテンプレート画像を用いて、テンプレートマッチングの処理により第1マークが個別に抽出されるので、I−▲1▼の第1マークを指定する作業は全て省略することも可能である。即ち第1マークが第2マークに対して明確に異なるマークであれば、仮想のテンプレート画像をマーク抽出部131が持つことによっても、自動処理が可能となる。
しかしながら、第1マークは最低3点以上計測すればよいので、マニュアルによる作業でも、簡単な作業である。
【0051】
図9に戻り、概略マーク位置測定部132により第2マーク概略位置測定と対応付けを行う(S208)。第2マーク概略位置測定と対応付けは、外部標定要素を求める工程(II−1)と、第2マークの概算位置を演算する工程(II−2)を含んでいる。
(II−1):外部標定要素を求める工程
概略マーク位置測定部132では、S206で求めた第1マークの画像座標と対応する基準点座標を式(2)に示す二次の射影変換式に代入し、観測方程式をたてパラメ−タ−b1〜b8を求める。
X=(b1・x+b2・y+b3)/(b7・x+b8・y+1)
Y=(b4・x+b5・y+b6)/(b7・x+b8・y+1) (2)
ここで、XとYは基準点座標、xとyは画像座標を示している。
【0052】
次に、基準点座標と画像座標の関係を説明する。図11(A)は中心投影における画像座標系と対象座標系の説明図である。中心投影の場合、投影中心点Ocを基準にしてチャート1の置かれる基準点座標系としての対象座標系52と、カメラ2のフィルム又はCCDが置かれる画像座標系50が図11(A)のような位置関係にある。対象座標系52における基準マークのような対象物の座標を(X,Y,Z)、投影中心点Ocの座標を(X0,Y0,Z0)とする。画像座標系50における座標を(x,y)、投影中心点Ocから画像座標系50までの画面距離をCとする。ω、φ、κは、画像座標系50の対象座標系52を構成する3軸X,Y,Zに対するカメラ撮影時の傾きを表すもので、外部標定要素と呼ばれる。
【0053】
そして、式(2)のパラメ−タ−b1〜b8を用いて、式(3)より次の外部標定要素を求める。
ω=tan−1(C・b8)
φ=tan−1(−C・b7・cosω)
κ=tan−1(−b4/b1) (φ=0のとき)
κ=tan−1(−b2/b5) (φ≠0、ω=0のとき)
κ=tan−1{−(A1・A3−A2・A4)/(A1・A2−A3・A4)}(φ≠0、ω≠0のとき)
【0054】
Z0=C・cosω・{(A22+A32)/(A12+A42)}1/2+Zm
X0=b3−(tanω・sinκ/cosφ−tanφ・cosκ)×(Zm−Z0)
Y0=b6−(tanω・cosκ/cosφ−tanφ・sinκ)×(Zm−Z0)        (3)
ただし、A1=1+tanφ、A2=B1+B2・tanφ/sinω、A3=B4+B5・tanφ/sinω、A4=tanφ/(cosφ・tanω)とする。また、Zmは第1マーク1a、1b、1c、1d4点の基準点の平均標高とする。ここでは、第1マーク1a、1b、1c、1d4点の基準点は平面座標上なので、標高一定の面と仮定できる。Cは焦点距離で、前述の画面距離に相当している。
【0055】
(II−2):第2マークの概算位置を演算する工程
次に、単写真標定の原理から、対象座標系52で表される地上の対象物(X,Y,Z)に対する、画像座標系50で表される傾いたカメラ座標系におけるカメラ座標(xp、yp、zp)は、式(4)で与えられる。
【数1】
Figure 2004037270
ここで、X0、Y0、Z0は、前述したように、図11(A)に示すような投影中心点Ocの地上座標とする。
【0056】
次に、式(3)で求めたカメラの傾き(ω、φ、κ)を、式(4)中に代入し、回転行列の計算をして、回転行列の要素a11〜a33を求める。
次に、求めた回転行列の要素a11〜a33と式(3)で求めたカメラの位置(X0、Y0、Z0)、及びタ−ゲットの基準点座標(X,Y,Z)を共線条件式{式(5)}に代入し、タ−ゲットの画像座標(x、y)を求める。ここで、共線条件式とは、投影中心、写真像及び地上の対象物が一直線上にある場合に成立する関係式である。これにより、レンズ収差がない場合の第2マークの位置が算出されるので、レンズ収差のある現実のカメラ2で撮影した画像におけるタ−ゲットの概略の画像座標が求める。
x=−C・{a11(X−X0)+a12(X−X0)+a13(Z−Z0)}/{a31(X−X0)+a32(X−X0)+a33(Z−Z0)}
y=−C・{a21(X−X0)+a22(X−X0)+a23(Z−Z0)}/{a31(X−X0)+a32(X−X0)+a33(Z−Z0)} (5)
【0057】
ところで、式(3)中のtan−1の演算では解が二つ求めるため、カメラの傾き(ω、φ、κ)はそれぞれ2つ解をもち全通りの計算を行う。そして、第1マーク抽出処理で計測した第1マーク1a、1b、1c、1d4点の画像座標と、式(5)で求めた対応する4点の画像座標との残差の比較により、正解となるω、φ、κを算出する。
なお、ここでは射影変換式として二次の射影変換式を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、三次の射影変換式等の他の射影変換式を利用しても良い。
【0058】
また、概略マーク位置測定部132では、例えばマーク座標記憶部135に格納されている基準点座標ファイルに付加してある第2マークの管理番号を、各第1マークのタ−ゲット(第2マーク)に割り振ることにより、第2マークの対応づけを行う。
【0059】
図9に戻り、精密マーク位置測定部133によって第2マークの精密位置測定を行う(S210)。以下、図10を用いて第2マークの精密位置測定の処理手順を詳細に説明する。まず、精密マーク位置測定部133は、第2マークとしてのタ−ゲットを認識する(S302)。このターゲット認識には、例えば正規化相関を用いたテンプレ−トマッチングを用いる。以下、ターゲット認識の詳細について説明する。
【0060】
(III)ターゲット認識
図11(B)はターゲット認識に用いられる正規化相関のテンプレ−ト画像と対象画像の説明図である。まず、第1マーク抽出処理(S206)で計測した第1マーク、例えば第1マーク1a、1b、1c、1d4点のタ−ゲットの重心位置の中から、任意のタ−ゲットを選ぶ。正規化相関のテンプレ−ト画像は、選ばれたターゲットの重心位置(画像座標)を中心とする、M×M画素の画像とする。また、第2マーク概略位置測定(S208)で算出したタ−ゲットの概略位置(画像座標)を中心として、N×N画素の画像を対象画像とする。
【0061】
次に、対象画像に対して、式(6)に示す正規化相関によるテンプレ−トマッチングを施し、相関値が最大となる位置を求める。この相関値が最大値となる位置にて重ね合わせが達成され、最大値となる位置にてタ−ゲットが認識されたとみなす。ここでのテンプレ−ト画像の中心座標を等倍画像上の画像座標に換算し、検出点とする。
A={M×Σ(Xi×Ti)−ΣXi×ΣTi}/[{M×ΣXi−(ΣXi)}×{M×ΣTi−(ΣTi)}](6)
ここで、Aは相関値、Mはテンプレ−ト画像の正方サイズ、Xiは対象画像、Tiはテンプレ−ト画像とする。また、画像の正方サイズN、Mは可変であるが、処理時間の高速化をはかるため、N、Mはタ−ゲットが十分格納できるのを前提にできるだけ小さくするのがよい。
【0062】
図10に戻り、第2マークの精密位置測定を行うために、第2マークのサブピクセルエッジ検出を行う(S304)。第2マークのサブピクセルエッジ検出を行う対象画像は、S62でタ−ゲットと認識された検出点を中心としてN×N画素の画像とする。対象画像に存在する濃淡波形に、式(7)に示すガウス関数の二次微分であるラプラシアン・ガウシアン・フィルタ(LOGフィルタ)を施し、演算結果の曲線の2箇所のゼロ交差点、つまりエッジをサブピクセルで検出する。
・G(x)={(x−2σ)/2πσ}・exp(−x/2σ) (7)
ここで、σはガウス関数のパラメ−タ−である。また、サブピクセルとは一画素よりも細かい精度で位置検出を行うことを言う。
【0063】
次に、ターゲットの重心位置を検出し(S306)、リターンとする(S308)。ここでは、式(7)を用いて求めたx、y方向のエッジ位置より、その交点をタ−ゲットの重心位置とする。なお、第2マークの精密位置測定は、S302〜S306に開示した処理に限定されるものではなく、他の重心位置検出法、例えばモーメント法やテンプレートマッチング法をさらに改良して利用するなど、どのような求め方をしても良い。
【0064】
図9に戻り、全タ−ゲット重心位置の確認をし、一見明白な過誤のないことを確認する(S212)。即ち、ターゲット認識されたターゲットの位置検出が適切であるか確認する。操作者による確認の便宜のために、検出されたターゲットの位置を表示部150に表示する。過誤がない場合には、S216に行く。過誤があれば、不適切なターゲットの位置を修正する(S214)。例えば、S302で演算された相関値が低いターゲットや、重心検出位置が概略検出位置とあまりにかけ離れてしまったターゲットは、表示部150上にそのターゲット表示を赤くするなど、操作者に明確にわかるように表示する。すると、過誤のあったターゲットに関しては、操作者によるマニュアルにて計測しなおす(マウスで重心位置を指定する)。なお、ここで過誤のあったターゲット位置を無理に修正しなくとも、あとのキャリブレーションパラメータを求めるためのS218の処理過程によっても、異常点として検出されるので、取り除くことが可能である。
【0065】
そして、S204〜S214の処理を、レンズ収差の測定に必要な画像分繰り返す(S216)。例えば、撮影された画像が5枚であれば、全ての5枚について繰り返しても良く、またレンズ収差の測定に必要な画像分に到達していれば、撮影された画像の全部を繰り返して処理しなくてもよい。
【0066】
レンズ収差の測定に必要な画像分の計測処理を終了したら、次に内部パラメータ演算部134のカメラの内部パラメータ演算処理を用いて、レンズ収差のキャリブレーション要素を求める処理に移る(S218)。ここでは、キャリブレーション要素の演算対象として、チャート1上の第2マークについて、概略マーク位置測定部132と精密マーク位置測定部の処理により対応づけがなされ重心位置が求められている全ての第2マークについて行う。
【0067】
(IV):カメラの内部パラメータ演算処理(セルフキャリブレーション付きバンドル調整法)
内部パラメータ演算部134のカメラの内部パラメータ演算処理としては、例えば写真測量分野で使用されている「セルフキャリブレーション付きバンドル調整法」を用いる。ここで、「バンドル調整」とは、被写体、レンズ、CCD面を結ぶ光束(バンドル)は同一直線上になければならないという共線条件に基づき、各画像の光束1本毎に観測方程式をたて、最小2乗法によりカメラの位置と傾き(外部標定要素)と第2マークの座標位置を同時調整する方法である。「セルフキャリブレーション付き」とはさらに、キャリブレーション要素、即ちカメラの内部定位(レンズ収差、主点、焦点距離)を求めることができる方法である。セルフキャリブレーション付きバンドル調整法(以下単に「バンドル調整法」という)の共線条件基本式は、次の式(8)と式(9)である。
【0068】
【数2】
Figure 2004037270
【数3】
Figure 2004037270
この式(8)と式(9)は、第1マーク抽出処理で説明した単写真標定の共線条件式(5)を基本式とするものである。即ちバンドル調整法は、式(8)と式(9)を用いて、複数画像から最小二乗近似して、各種解を算出する手法であり、各撮影位置のカメラの外部標定要素を同時に求めることが可能となる。即ち、カメラのキャリブレーション要素を求めることが可能となる。
【0069】
次に、内部定位の補正モデル(レンズ収差)として、放射方向レンズ歪を有する場合の一例を次の式(10)に示す。
【数4】
Figure 2004037270
補正モデルはこれに限らず、使用レンズにあてはまるものを選択すればよい。これら計算は、基準点を地上座標と画像座標で6点以上あれば、逐次近似解法によって算出される。なお、内部パラメータ演算部134では、逐次近似解法の閾値によって、閾値以上となった場合の誤差の大きいチャート1上の第2マークを省くことによって、正確なキャリブレーション要素を求めることが可能となる。そこで、ターゲット位置重心位置確認(S212)において、誤差の大きい第2マークとして検出されなかった場合でも、S218にて過誤のある第2マークを検出して、除去することが可能である。
【0070】
図9に戻り、内部パラメータ演算部134によるキャリブレーション要素を求める演算処理結果を判断し(S220)、演算処理が収束しなかったり、或いは得られたキャリブレーション要素が適正と思われないものであった場合、S222にて対処する。S222では、過誤のある第2マークを含む画像を選択する。S218におけるキャリブレーション終了時点で、内部パラメータ演算部134によりどの画像のどの第2マークに過誤があるか判明しているので、その各画像における該当ターゲット検出点を表示して、確認する。
【0071】
そして、操作者はマニュアル操作にて過誤のある第2マークを修正する(S224)。即ち、過誤のある第2マークの重心位置座標がずれて表示されているので、過誤のある第2マークとして表示されているマークを、適性として表示されている重心位置に移動させることで、修正が行われる。そして、過誤のある第2マークの位置修正が完了したか判断し(S226)、完了していればS218のキャリブレーション要素演算に戻り、キャリブレーション要素を演算しなおす。他方、他に修正箇所があれば、S222に戻って、過誤のある第2マークの位置修正操作を繰り返す。
【0072】
キャリブレーション要素を求める演算処理結果が適性であれば、結果を表示部150に表示する(S228)。図12は、キャリブレーション要素の演算処理結果の一例を示す説明図である。例えば、表示部150への表示には、キャリブレーション要素である焦点距離、主点位置、歪曲パラメータを表示する。レンズ収差を示すディストーションについては、補正前曲線142、補正後曲線144、理想に補正された場合146についてグラフィック表示するとわかりやすい。
【0073】
さらに、キャリブレーションした結果に基づいて、ディストーション補正した画像を、画像処理部140にて作成して表示部150に表示することもできる。こうすれば、ディストーションの大きいカメラにて撮影した画像も、ディストーション補正されて表示する画像表示装置を提供することが可能となる。
【0074】
次に、キャリブレーション要素算出部130で算出された内部パラメータを用いて、焦点距離を変数とするキャリブレーション要素の関数を内部パラメータ関数演算部160が演算した一例を説明する。図13は、焦点距離と内部パラメータ関数に用いられる係数の関係を説明する図で、(A)は式(10)の係数k1、(B)は式(10)の係数k2、(C)は画像座標系xでのカメラ主点と画像中心のx軸位置ずれ係数x、(D)は画像座標系yでのカメラ主点と画像中心のy軸位置ずれ係数yを表している。ここでは、前述の説例のように、ズーム式カメラ2の焦点距離が7.2mmから50.8mmで調整可能な場合を取り上げる。焦点距離データの測定個数を6個とすると、7.2mmが最広角となり、52.2mmが最望遠となり、中間の測定点として光学的意味での等間隔で測定をする為に、8.7mm、11.6mm、24.8mm、39.0mmが選択される。
【0075】
式(10)の係数k1、k2は、最広角側で最大値をとり、最望遠側では小さくなっている。画像座標系xでのカメラ主点と画像中心のx軸位置ずれ係数xは、ズーム式カメラ2の焦点距離が11.6mmと52.2mmで最小値4.41をとり、24.8mmで最大値4.55をとる複雑な変化をしているので、焦点距離の五次曲線で近似している。画像座標系yでのカメラ主点と画像中心のy軸位置ずれ係数yは、ズーム式カメラ2の焦点距離に応じて単調に変化している。なお、チャート撮影画像はピントが合った状態で撮影されるので、ズーム式カメラ2の焦点距離fと、投影中心点Ocから画像座標系50までの画面距離Cとは、等しくなっている。
【0076】
内部パラメータ関数演算部160では、焦点距離fを入力すると、内部パラメータ関数に用いられる係数k1、k2、x、yが得られる。そして、内部パラメータ関数としての式(8)、式(9)、式(10)にこれらの係数を代入して、それぞれの観測点に関して観測方程式を立てる。そして、観測方程式を連立して解くと共に、最少自乗法を適用することで、最も確からしい内部パラメータが算出できる。
【0077】
図14は本発明の第2の実施の形態を説明するキャリブレーション用データ測定装置の構成ブロック図である。図1に示す第1の実施の形態においては、キャリブレーション用チャートとして平面的なシート形状のチャート1を用いる場合を示したが、第2の実施の形態においてはキャリブレーション用チャートとして立体基準チャート20を用いている。なお、図14において前記図1と同一作用をするものには同一符号を付して、説明を省略する。
【0078】
図において、立体基準チャート20は、ターゲット20a〜20hの位置が三次元的に正確に測定されているもので、ターゲットの数、高さ、並びに平面的な座標は三次元計測に適するように適宜に定められている。カメラ2は、立体基準チャート20をステレオ撮影するもので、典型的には左撮影位置2Lと右撮影位置2Rの一組の撮影位置によって撮影する。カメラ2によって撮影された左右一組のステレオ画像データは、画像情報記憶媒体等を経由して画像データ記憶部110に送られる。ここで、左撮影位置2Lと右撮影位置2Rの間隔は、基線間隔と呼ばれるもので、厳密に測定される。
【0079】
キャリブレーション要素算出部170は、立体基準チャート20を用いた場合のカメラ2の内部パラメータを算出するもので、マーク抽出部171、内部パラメータ演算部173、立体基準チャートターゲット記憶部175、並びに内部パラメータ算出値記憶部177を有している。
【0080】
マーク抽出部171では、立体基準チャート20を撮影したステレオ画像データに撮影されているターゲット20a〜20hを抽出して、このターゲット20a〜20hの画像座標系での位置を測定する。内部パラメータ演算部173は、マーク抽出部171にて測定されたターゲット20a〜20hの位置データと、立体基準チャートターゲット記憶部175に記憶された立体基準チャート20の全ターゲット20a〜20hの位置とを用いて、キャリブレーション用データとしてのカメラ2の内部パラメータを演算すると共に、このカメラ2の内部パラメータと同時に左右一組のステレオ画像データの外部標定要素と対象点座標を同時調整する。立体基準チャートターゲット記憶部175には、立体基準チャート20の全ターゲット20a〜20hの位置が記憶されている。内部パラメータ算出値記憶部177には、内部パラメータ演算部173にて算出されたカメラ2の内部パラメータが記憶されている。
【0081】
また、マーク抽出部171では、立体基準チャート20を撮影したステレオ画像データにおいて、ターゲット20a〜20hがうまく写っていない場合には、不適切なターゲットを除外する機能を設けるとよい。さらに、内部パラメータ演算部173で演算されたカメラの内部パラメータは、立体基準チャート20を撮影した際のカメラ2の焦点距離と共に、内部パラメータ算出値記憶部177に格納すると良い。
【0082】
次に、このように構成された装置を用いたキャリブレーション用データ測定方法を、再び図8を参照して、説明する。まず、立体基準チャート20を設置する(S100)。次に、カメラ2の焦点距離を計測対象値に設定する(S102)。そして、キャリブレーション対象となるカメラ2によって、立体基準チャート20を撮影する(S104)。撮影手法は、立体基準チャート20においてはズーム式カメラの焦点距離に依存せず、立体基準チャート20を所定のカメラ間隔で撮影する。
【0083】
次に、マーク抽出部171によって、チャート撮影画像からチャート1に形成されているマークを抽出する(S105)。続いて、内部パラメータ演算部173によって、カメラ2のキャリブレーション要素を算出する(S106)。このキャリブレーション要素算出部170の構成要素(マーク抽出部171、内部パラメータ演算部173)の演算過程は、次のようになっている。まず、マーク抽出部171によって立体基準チャート20を撮影したステレオ画像データに撮影されているターゲット20a〜20hを抽出して、このターゲット20a〜20hの画像座標系での位置を測定する。次に、内部パラメータ演算部173は、マーク抽出部171にて測定されたターゲット20a〜20hの位置データと、立体基準チャートターゲット記憶部175に記憶された立体基準チャート20の全ターゲット20a〜20hの位置とを用いて、キャリブレーション用データとしてのカメラ2の内部パラメータを演算する。そして、内部パラメータ演算部173で演算されたカメラの内部パラメータを、立体基準チャート20を撮影した際のカメラ2の焦点距離と共に、内部パラメータ算出値記憶部177に格納する。
【0084】
そして、計測対象値のズーム式カメラ2の焦点距離が残っているか判断し(S108)、残っていればS102に戻って必要な焦点距離についてキャリブレーション用データ測定装置100によるカメラの内部パラメータ測定を行う。残っていなければ、内部パラメータ関数演算部160を用いて焦点距離を変数とするキャリブレーション要素の関数を演算する(S110)。このようにして、前準備が終了する。
【0085】
図15は本発明の画像データ処理装置の一実施の形態を説明する構成ブロック図である。画像データ処理装置200では、キャリブレーション用データ測定装置100にてキャリブレーション用データとしての内部パラメータが算出されているカメラ2を用いて、計測対象物30をステレオ撮影して画像計測を行う。計測対象物30は、三次元形状を計測するもので、例えば考古学的な遺跡、土木施工、防災工事、都市計画等の他、発電所のタービンや航空機・船舶のような大規模構造物が含まれる。
【0086】
カメラ2にて計測対象物30をステレオ画像撮影した画像データは、一定間隔の左右画像が一対のステレオ画像データとして、フレキシブルディスクのような電磁的記憶媒体に記録されている。画像データ受取り部210は、カメラ2にて計測対象物30をステレオ画像撮影した画像データを受取るI/O装置で、例えば電磁的記憶媒体の読取装置が用いられる。焦点距離データ記憶部220は、ステレオ画像撮影した画像データに関して、撮影時のカメラ2の焦点距離が測定されている場合に、当該焦点距離を画像データ処理装置200側に伝達する。
【0087】
キャリブレーション用データ形成部230は、画像データ受取り部210に格納されたステレオ画像データから、計測に必要な内部パラメータを作成するもので、焦点距離算出部232、バンドル調整法実行部234、内部パラメータ算出部236、内部パラメータ関数演算部238を有している。焦点距離算出部232は、画像データ受取り部210に格納されたステレオ画像データを用いてバンドル調整法実行部234により撮影時のカメラ2の焦点距離を算出するものである。なお、焦点距離データ記憶部220に記憶された撮影時のカメラ2の焦点距離が正確であれば、焦点距離算出部232で算出された焦点距離として焦点距離データ記憶部220に記憶された値を用いてもよく、また焦点距離データ記憶部220に記憶された焦点距離を焦点距離算出部232の初期値として使用してもよい。
【0088】
内部パラメータ算出部236は、焦点距離算出部232で算出された焦点距離を用いて、内部パラメータ関数演算部238により、内部パラメータ関数に用いられる係数k1、k2、x、yが得られる。内部パラメータ関数演算部238は、キャリブレーション用データ測定装置100の内部パラメータ関数演算部160と同じ機能を有するもので、カメラ2の内部パラメータを算出する。
【0089】
画像処理部240は、ステレオ画像生成部242、画像計測部244、オルソ画像形成部246を有している。ステレオ画像生成部242は、カメラで撮影されたステレオ画像について標定(相互標定と絶対標定)を行って偏位修正を行って、偏位修正画像を生成する機能を有するもので、典型的にはコンピュータによって実行可能なソフトウェアにて構成されている。ここで偏位修正画像とは、カメラ2で撮影された右撮影方向と左撮影方向の一組のステレオ撮影された画像を偏位修正して、立体視できるように調整したものをいう。画像計測部244は、ステレオ画像生成部242により作成されたステレオ画像から、いわゆる絶対標定を行って、各画素(ピクセル)の地上座標を計算する。この処理の詳細は、例えば本出願人の提案にかかる特開平11−351865号公報に開示されている。画像計測部244を用いることで、計測対象物30表面の凹凸形状のような三次元形状を正確に測定できる。
【0090】
オルソ画像形成部246は、キャリブレーション用データ形成部230で算出されたカメラ2の内部パラメータを用いて、画像データ受取り部210に格納されたステレオ画像データから、画像計測部244により三次元計測を行い、このステレオ画像データをオルソ画像に変換する。オルソ画像とは、写真測量技術に基づき、カメラの傾きや比高等による歪みを補正して正射投影とした画像である。画像データ受取り部210に格納されたステレオ画像データは、中心投影画像とよばれるものである。オルソ画像形成部246は、ステレオ画像データの画像を中心投影から正射投影(オルソ)画像に作成し直して、計測対象物30の詳細な画像図面を作成する。
【0091】
次に、相互標定の詳細について説明する。標定計算は航空写真測量等で用いられているもので、相互標定と絶対標定の2段階計算により、左右それぞれの撮像装置の位置等が求められる。相互標定では、以下の共面条件式によりステレオ撮影パラメータを求める。
【0092】
図16はモデル座標系XYZと左右のカメラ座標系xyzを用いて標定計算を説明する図である。モデル座標系XYZの原点Oを左側の投影中心にとり、右側の投影中心を結ぶ線をX軸にとるようにする。縮尺は、基線長lを単位長さにとる。このとき求めるパラメータは、左側のカメラのZ軸の回転角κ1、Y軸の回転角φ1、右側のカメラのZ軸の回転角κ2、Y軸の回転角φ2、X軸の回転角ω2の5つの回転角となる。この場合左側のカメラのX軸の回転角ω1は0なので、考慮する必要ない。
【0093】
【数5】
Figure 2004037270
このような条件にすると、式(11)の共面条件式は式(12)のようになり、この式を解けば各パラメータが求める。
【数6】
Figure 2004037270
ここで、モデル座標系XYZとカメラ座標系xyzの間には、次に示すような座標変換の関係式が成り立つ。
【数7】
Figure 2004037270
【0094】
式(11)〜式(13)の式を用いて、次の手順により、未知パラメータを求める。
V−1…初期近似値は通常0とする。
V−2…共面条件式式(12)を近似値のまわりにテーラー展開し、線形化したときの微分係数の値を式(13)中の2つの式により求め、観測方程式をたてる。
V−3…最小二乗法をあてはめ、近似値に対する補正量を求める。
V−4…近似値を補正する。
V−5…補正された近似値を用いて、V−2〜V−5までの操作を収束するまで繰り返す。
【0095】
以上の相互標定計算において、内部パラメータ関数演算部238で算出されるキャリブレーション要素を利用して計算する。具体的には、主点位置及びレンズ収差値Δx、Δyはキャリブレーション要素により補正して計算する。また、画面距離(焦点距離)cも、そのキャリブレーション値を利用して計算する。
【0096】
このように構成された画像データ処理装置を用いて、計測対象物の三次元形状を行う手順を次に説明する。図17は計測対象物を現場でステレオ撮影して、ステレオ画像計測する過程を説明するフローチャートである。オンサイト処理においては、計測対象物が設置されている現場にオペレータが出向くと共に、キャリブレーション用データ測定装置により内部パラメータ関数の求められたカメラが撮影に用いられる(S400)。まず、オペレータは、カメラ2の任意の焦点距離にて計測対象物を、画像計測処理様式にて撮影する(S402)。画像計測処理様式とは、航空写真測量のように計測対象物を立体視できる撮影間隔で連続撮影するもので、例えば計測対象物の左右方向には60%程度の重複を持って撮影し、上下方向には20%程度の重複を持って各画像を撮影する。撮影された画像は、画像データ受取り部210に画像データを受け渡せる態様で電磁的記憶媒体に格納される。
【0097】
次に、電磁的記憶媒体に格納された画像データを画像データ受取り部210で受取り、今回のステレオ画像作成の対象となる一組の左右画像を選定する(S404)。焦点距離算出部232は、セルフキャリブレーション付きバンドル調整法により、撮影画像の焦点距離を算出する(S406)。そして、内部パラメータ算出部236は、算出された焦点距離に対応するカメラ2の他の内部パラメータを算出する(S408)。
【0098】
相互標定による外部標定要素演算によって、ステレオ画像の位置と傾きがわかるので、さらにカメラ2の内部パラメータを加味して、ステレオ画像生成部242により最終的なステレオ画像を作成する。そして、画像計測部244は、ステレオ画像の計測対象物を三次元測定する(S410)。そして、オルソ画像形成部246は、三次元計測データに基づき、算出されたカメラ2の内部パラメータを用いて、レンズ収差の影響を除去したオルソ画像を形成する(S412)。次に、ステレオ画像作成の対象となる一組の左右画像が画像データ記憶部210に残っているか判断し(S414)、残っていればS404に戻る。残っていない場合は、撮影されたステレオ画像により、計測対象物を立体視可能な領域において三次元測定が可能な状態となる。
【0099】
次に、上述の画像データ処理装置200を用いて、実際のフィールドでステレオ画像計測を行った事案を説明する。図18は、ステレオ画像計測のフィールドの一例として石段の壁を示している。石段の壁は、実際のフィールドとしての遺跡や土木施工現場に類似した三次元形状を有しているので、実験のフィールドとして適している。図18に示すステレオ画像計測のフィールドには、図中白点で示される標定点として、例えば49点が存在し、計測精度±1mmの奥行き精度で測定されている。上述の画像データ処理装置200では、標定点49点のうち、選定された8点をセルフキャリブレーション付きバンドル調整法で用いる標定点として、カメラの焦点距離の算出に用いている。残りの標定点41点は、ステレオ画像計測による奥行き精度測定に用いられる。
【0100】
図19はカメラの撮影条件を表す図で、広角、中間、望遠に相当する焦点距離に対して、撮影距離Hと撮影基線長Bを表している。カメラ2の焦点距離(概略値)は、ケース1の広角に対して9mm、ケース2の中間に対して30mm、ケース3の望遠に対して42mmを用いている。また、石段の壁の撮影範囲は、それぞれ2m×2mとしている。
【0101】
図20は、ステレオ画像計測の計測精度の実験結果を示す図で、広角、中間、望遠に相当する焦点距離に対して、焦点距離(解析値)[mm]、相互標準時の縦視差[μm]、平面精度[mm]、奥行き精度[mm]、平面の1画素分解能σxy、奥行きの1画素分解能σを表している。ここで、平面の1画素分解能σxy、奥行きの1画素分解能σは、次の式で表される。
σxy=[H/f]×σρ ……(14)
σ=[H/f]×[H/B]×σρ ……(15)
ここで、Hは撮影距離、Bは基線長、fは焦点距離、σρは画素サイズである。
【0102】
なお、図20の各欄において、カメラ2の内部パラメータを補正した場合を上側に、カメラ2の内部パラメータの補正がない場合の数値を下側に示している。奥行き精度は、何れの焦点距離であっても、2mm以内になっている。これに対して、カメラ2の内部パラメータの補正がない場合は、2cm程度になっている。即ち、ズーム式カメラの焦点距離に応じて、カメラ2の内部パラメータを補正することによって、補正しない場合に比較して奥行き精度が1桁程度向上している。
【0103】
なお、上記の実施の形態においては、光学条件を変化させて撮影するカメラの変化させる光学条件として、ズーム式カメラの焦点距離の場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。光学条件を変化させて撮影するカメラの変化させる光学条件として、例えば自動焦点式カメラのレンズ配置の移動距離や、可視光線以外の赤外線や紫外線、エックス線、荷電粒子ビーム線の波長のように、画像データとして感得する光の波長が変更される場合に、波長毎にカメラの内部パラメータを調整するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態においては、画像データ処理装置としてステレオ画像生成部により三次元計測してオルソ画像を作成する場合を示したが、本発明の画像データ処理装置はこれに限定されるものではなく、オルソ画像を作成することなく、直接計測対象物を三次元測定してもよい。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のキャリブレーション用データ測定装置によれば、内部パラメータ演算部で演算されたキャリブレーション用データと、チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する構成としているので、光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて撮影する場合でも、レンズディストーションの影響を除去した良質な画像を生成するのに必要な、カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データが容易に得られる。
【0106】
また、本発明の画像データ処理装置によれば、光学条件を変化させて撮影するカメラから撮影画像データと撮影光学条件を受取る撮影画像データ受取部と、撮影画像データ受取部が受取った撮影光学条件に基づき、キャリブレーション用データを形成するキャリブレーション用データ形成部と、形成されたキャリブレーション用データに基づき、撮影画像データを画像処理する画像処理部とを備えているので、光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて撮影する場合でも、カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを用いて、レンズディストーションの影響を除去した良質な画像が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するキャリブレーション用データ測定装置の構成ブロック図である。
【図2】キャリブレーション用チャートの一例を示す平面図である。
【図3】第1マークの一例を示す説明図である。
【図4】第2マークの一例を示す説明図である。
【図5】ズーム式カメラの各種焦点距離でのレンズ収差を計測する場合のカメラ配置を説明する斜視図である。
【図6】ズーム式カメラによるチャートの撮影手順を説明する図で、カメラ画像並びにカメラ画像に対応するチャートとカメラの位置関係を示している。
【図7】ズーム式カメラの焦点距離が、標準レンズや望遠レンズに相当する焦点距離でのレンズ収差を計測する場合の、カメラ間隔を示した図である。
【図8】キャリブレーション用データ測定装置を用いたキャリブレーション用データ測定方法を説明するフローチャートである。
【図9】個別焦点距離でのキャリブレーション要素算出過程を説明するフローチャートである。
【図10】第2マークの精密位置測定の処理手順を説明する詳細フロー図である。
【図11】(A)は中心投影における画像座標系と対象座標系の説明図、(B)はターゲット認識に用いられる正規化相関のテンプレ−ト画像と対象画像の説明図である。
【図12】キャリブレーション要素の演算処理結果の一例を示す説明図である。
【図13】焦点距離と内部パラメータ関数に用いられる係数の関係を説明する図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態を説明するキャリブレーション用データ測定装置の構成ブロック図である。
【図15】本発明の一実施の形態を説明する画像データ処理装置の構成ブロック図である。
【図16】モデル座標系XYZと左右のカメラ座標系xyzを用いて標定計算を説明する図である。
【図17】測定対象物を現場でステレオ撮影して、ステレオ画像計測する過程を説明するフローチャートである。
【図18】ステレオ画像計測のフィールドの一例として石段の壁を示している。
【図19】カメラの撮影条件を表す図である。
【図20】ステレオ画像計測の計測精度の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 チャート(キャリブレーション用チャート)
2 カメラ
20 立体基準チャート
100 キャリブレーション用データ測定装置
110 画像データ記憶部
120 焦点距離データ記憶部
130、170 キャリブレーション要素算出部
140 画像処理部
160 内部パラメータ関数演算部
200 画像データ処理装置
210 撮影画像データ受取部
230 キャリブレーション用データ形成部
240 画像処理部

Claims (11)

  1. マークが配置されたキャリブレーション用チャートを、光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて撮影した、複数のチャート撮影画像を用いて当該カメラのキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション用データ測定装置であって;
    前記チャート撮影画像から前記マークを抽出するマーク抽出部と;
    前記マーク抽出部で抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部と;
    前記内部パラメータ演算部で演算されたキャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、前記カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算部と;
    を備えるキャリブレーション用データ測定装置。
  2. 前記キャリブレーション用チャートは平面状であり;
    前記複数のチャート撮影画像は、前記マーク抽出部と内部パラメータ演算部によって、キャリブレーション用データが算出可能な態様で撮影されたステレオ撮影画像である;
    請求項1に記載のキャリブレーション用データ測定装置。
  3. 前記キャリブレーション用チャートは立体状であり;
    前記複数のチャート撮影画像は、前記マーク抽出部と内部パラメータ演算部によって、キャリブレーション用データが算出可能な態様で撮影されたステレオ撮影画像である;
    請求項1に記載のキャリブレーション用データ測定装置。
  4. 前記内部パラメータ関数演算部で算出されるキャリブレーション用データは、前記カメラの変化する撮影光学条件に対して連続的に算出可能である;
    請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のキャリブレーション用データ測定装置。
  5. 光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて、マークが配置されたキャリブレーション用チャートを当該カメラで複数のチャート撮影画像として撮影するステップと;
    前記チャート撮影画像から前記マークを抽出するマーク抽出ステップと;
    前記抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算ステップと;
    前記演算されたキャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、前記カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算ステップと;
    を備えるキャリブレーション用データ測定方法。
  6. 光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて、マークが配置されたキャリブレーション用チャートを当該カメラで撮影して得られた複数のチャート撮影画像を用いて、当該カメラのキャリブレーション用データを求めるためにコンピュータを;
    前記チャート撮影画像から前記マークを抽出するマーク抽出手段と;
    前記マーク抽出手段で抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算手段と;
    前記内部パラメータ演算手段で演算されたキャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、前記カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算手段;
    として機能させるためのキャリブレーション用データ測定プログラム。
  7. 光学条件を変化させて撮影するカメラの光学条件を変化させて、マークが配置されたキャリブレーション用チャートを当該カメラで撮影して得られた複数のチャート撮影画像を用いて、当該カメラのキャリブレーション用データを求めるためにコンピュータを;
    前記チャート撮影画像から前記マークを抽出するマーク抽出手段と;
    前記マーク抽出手段で抽出されたマークのマーク位置から、撮影された光学条件でのキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算手段と;
    前記内部パラメータ演算手段で演算されたキャリブレーション用データと、前記チャート撮影画像の撮影された複数の光学条件とを用いて、前記カメラの変化する撮影光学条件に対応するキャリブレーション用データを算出する内部パラメータ関数演算手段;
    として機能させるためのキャリブレーション用データ測定プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  8. 光学条件を変化させて撮影するカメラから撮影画像データと撮影光学条件を受取る撮影画像データ受取部と;
    前記撮影画像データ受取部が受取った撮影光学条件に基づき、キャリブレーション用データを形成するキャリブレーション用データ形成部と;
    前記キャリブレーション用データに基づき、前記撮影画像データを画像処理する画像処理部と;
    を備える画像データ処理装置。
  9. 光学条件を変化させて撮影するカメラから撮影画像データを受取る撮影画像データ受取部と;
    前記撮影画像データから撮影光学条件を求める算出部と;
    前記算出部で求められた撮影光学条件に基づき、キャリブレーション用データを形成するキャリブレーション用データ形成部と;
    前記キャリブレーション用データに基づき、前記撮影画像データを画像処理する画像処理部と;
    を備える画像データ処理装置。
  10. 上記光学条件は、カメラの撮影レンズの焦点距離または、ピント調整のためのレンズ移動位置の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャリブレーション用データ測定装置、請求項5に記載のキャリブレーション用データ測定方法、請求項6に記載のキャリブレーション用データ測定プログラム、請求項7に記載のキャリブレーション用データ測定プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体、又は請求項8、請求項9の何れかに記載の画像データ処理装置。
  11. 上記キャリブレーション用データは、レンズの主点位置データまたは、レンズの歪曲収差の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャリブレーション用データ測定装置、請求項5に記載のキャリブレーション用データ測定方法、請求項6に記載のキャリブレーション用データ測定プログラム、請求項7に記載のキャリブレーション用データ測定プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体、又は請求項8、請求項9の何れかに記載の画像データ処理装置。
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