JPH11271053A - 地上写真測量用カメラおよび画像処理装置およびこの地上写真測量用カメラと画像処理装置とを用いた写真測量方法 - Google Patents

地上写真測量用カメラおよび画像処理装置およびこの地上写真測量用カメラと画像処理装置とを用いた写真測量方法

Info

Publication number
JPH11271053A
JPH11271053A JP10096589A JP9658998A JPH11271053A JP H11271053 A JPH11271053 A JP H11271053A JP 10096589 A JP10096589 A JP 10096589A JP 9658998 A JP9658998 A JP 9658998A JP H11271053 A JPH11271053 A JP H11271053A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
image
camera
dimensional coordinate
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10096589A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinobu Uesono
忍 上園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP10096589A priority Critical patent/JPH11271053A/ja
Publication of JPH11271053A publication Critical patent/JPH11271053A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真測量の精度を向上させる。 【解決手段】 カメラ100の本体10の正面10aに
レンズ台13を取り付ける。レンズ台13に鏡筒11を
取り付け、鏡筒11内に撮影光学系12を固定する。レ
ンズ台13の上面にシフト操作部材20とチルト操作部
材22を設ける。シフト操作部材20の回転操作によ
り、撮影光学系12は矢印A方向にシフトする。チルト
操作部材22の回転操作により、撮影光学系12は回動
し、レンズ光軸Lのカメラ内の撮像面に対する傾斜角度
が変化する(チルト)。遠景の被写体が大きくかつ鮮明
に撮像面に写るように、シフト操作部材20とチルト操
作部材22を操作する。被写体を撮影し、チルト量およ
びシフト量を、撮影時の撮像データと共にメモリカード
30に記録する。撮像データとチルト量およびシフト量
とに基づいて被写体の3次元座標を求め、被写体の測量
図を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば写真から被
写体の3次元座標を求めて測量図を得る地上写真測量用
カメラおよび写真測量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、交通事故等の状況を把握するため
に、現場で写真撮影を行ってこの写真画像から平面図等
の測量図を得る写真測量方法が一般的に行われている。
このような写真測量方法の一例として、交通事故現場に
おける被写体は銀塩フィルムカメラまたは電子カメラ等
により、異なる2方向から撮影される。そしてこれら撮
影画像から被写体の2次元座標が読み取られ、それら2
次元座標に基づいて被写体の3次元座標が算出される。
この被写体の3次元座標から交通事故現場の測量図が作
成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】交通事故現場は被写体
の位置が広範囲に渡ることが多く、被写体を1枚の画像
に収めるために、撮影者はカメラを道路面に対して傾斜
させて撮影を行う。この場合、遠景の被写体は近景の被
写体に比べ小さく撮影画像に写し込まれる。また被写体
の奥行きが大きいために焦点のぼけた撮影画像になるこ
とがある。このようなことから撮影画像からは被写体の
2次元座標が正確に読み取る事ができず、測量図の測量
誤差が大きくなることが問題となる。
【0004】本発明は、この様な点に鑑みてなされたも
のであり、ほぼ平面上に点在している被写体を測量する
場合、遠景の被写体の座標値誤差を小さくすることによ
り、精密な測量図が得られる地上写真測量用カメラおよ
び写真測量方法を提供することが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による地上写真測
量用カメラは、撮像面を備えた撮像素子と、被写体像を
撮像面に結像させるレンズと、撮像面に対してレンズの
光軸を傾斜させるレンズ光軸傾斜手段と、撮像面に対し
てレンズを平行移動させることにより、光軸と撮像面と
の交点の位置を、撮像面の撮像中心とは異なる位置に移
動させるレンズ平行移動手段と、レンズ光軸傾斜手段に
よるレンズ光軸傾斜量と、レンズ平行移動手段によるレ
ンズ平行移動量とをそれぞれ検出する検出手段と、撮像
素子から得られた撮像データと共に、検出手段から得ら
れたレンズ光軸傾斜量とレンズ平行移動量とを記録媒体
に記録する記録手段とを備えることを特徴としている。
【0006】地上写真測量用カメラにおいて、好ましく
は、レンズ光軸傾斜量が所定の直交3次元座標系におい
て撮像面に対して垂直な直線からの回転角で示される。
さらに好ましくは、レンズ光軸傾斜量が所定量毎に設定
可能である。
【0007】地上写真測量用カメラにおいて、好ましく
は、レンズ平行移動量が撮像面上における撮像中心から
の移動量で表される。さらに好ましくは、レンズ平行移
動量が所定量毎に設定可能である。
【0008】また、本発明による画像処理装置は、撮像
面を備えた撮像素子と、被写体像を撮像面に結像させる
レンズと、撮像面に対してレンズの光軸を傾斜させるレ
ンズ光軸傾斜手段と、撮像面に対してレンズを平行移動
させることにより、光軸と撮像面との交点の位置を、撮
像面の撮像中心とは異なる位置に移動させるレンズ平行
移動手段と、レンズ光軸傾斜手段によるレンズ光軸傾斜
量と、レンズ平行移動手段によるレンズ平行移動量とを
それぞれ検出する検出手段と、撮像素子から得られた撮
像データと共に、検出手段から得られたレンズ光軸傾斜
量とレンズ平行移動量とを記録媒体に記録する記録手段
とを備えることを特徴とする地上写真測量カメラにより
第1および第2の方向から撮影され、それぞれ記録媒体
に記録された第1および第2の画像ファイルを記録媒体
からそれぞれ読込む読込手段と、読込手段により得られ
た第1および第2の画像ファイルの第1および第2の撮
像データから、それぞれ第1および第2の画像として表
示する表示手段と、第1および第2の画像における被写
体上の物点の第1および第2の2次元座標値をそれぞれ
求める2次元座標値算出手段と、第1および第2の像点
の2次元座標値と、撮影時における第1および第2のレ
ンズ光軸傾斜量と第1および第2のレンズ平行移動量と
に基づいて、物点の3次元座標値を求める3次元座標値
算出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】画像処理装置において、好ましくは、3次
元座標値算出手段が、初期値が与えられた物点の3次元
座標値を、光軸が撮像面の中心を垂直に通ることを条件
に、2次元座標値である第1および第2のスクリーン座
標値に変換する変換手段と、第1および第2のスクリー
ン座標値にシフト量とレンズの歪み量とに基づいた第1
の補正を施して、第1および第2の補正2次元座標値を
求める第1の補正手段と、第1および第2の補正2次元
座標値にシフト量とチルト量とに基づいた第2の補正を
施して、第3および第4の補正2次元座標値を求める第
2の補正手段と、第3および第4の補正2次元座標値
と、第1および第2の画像から得られた物点の第1およ
び第2の2次元座標値との差がそれぞれ最小になるよう
に、最小二乗法を用いて物点の3次元座標値の初期値を
更新する3次元座標値更新手段と、3次元座標値更新手
段により得られた4点以上の物点の第2の補正座標値
を、同一平面上にあるという拘束条件により補正する第
3の補正手段とを備える。
【0010】また本発明による写真測量方法は、撮像面
を備えた撮像素子と、被写体像を撮像面に結像させるレ
ンズと、撮像面に対してレンズの光軸を傾斜させるレン
ズ光軸傾斜手段と、撮像面に対してレンズを平行移動さ
せることにより、光軸と撮像面との交点の位置を、撮像
面の撮像中心とは異なる位置に移動させるレンズ平行移
動手段と、レンズ光軸傾斜手段によるレンズ光軸傾斜量
と、レンズ平行移動手段によるレンズ平行移動量とをそ
れぞれ検出する検出手段と、撮像素子から得られた撮像
データと共に、検出手段から得られたレンズ光軸傾斜量
とレンズ平行移動量とを記録媒体に記録する記録手段と
を備えることを特徴とする地上写真測量カメラを用い
て、被写体が第1および第2の方向から第1および第2
の撮影が行われ、それぞれ記録媒体に記録された第1お
よび第2の画像ファイルを記録媒体からそれぞれ読込む
読込手段と、読込手段により得られた第1および第2の
画像ファイルの第1および第2の撮像データから、それ
ぞれ第1および第2の画像として表示する表示手段と、
第1および第2の画像における被写体上の物点の第1お
よび第2の2次元座標値をそれぞれ求める2次元座標値
算出手段と、第1および第2の像点の2次元座標値と、
撮影時における第1および第2のレンズ光軸傾斜量と第
1および第2のレンズ平行移動量とに基づいて、物点の
3次元座標値を求める3次元座標値算出手段とを備える
ことを特徴とする画像処理装置を用いて、第1および第
2の撮影により得られた第1および第2の画像における
被写体上の物点の第1および第2の2次元座標値と、第
1および第2の撮影における第1および第2のレンズ光
軸傾斜量と第1および第2のレンズ平行移動量とに基づ
いて、物点の3次元座標が求められることを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による地上写真測量
用カメラと、画像処理装置、および地上写真測量方法の
一実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0012】地上写真測量用カメラ及び画像処理装置を
用いて行う写真測量方法の原理について述べる。画像は
3次元の被写体を平面上に投影したものであり、また被
写体は点の集合であるとみなされる。地上写真測量用カ
メラ(以下、カメラと記載する)により同じ被写体を異
なる2方向から写した一対の画像をペア画像という。各
ペア画像は被写体上のある物点がそれぞれの画像平面上
に投影された点、即ち像点を有する。画像処理装置にお
いてカメラにより得られたペア画像が読込まれ、2つの
像点が画像平面上の2次元座標で表される。物点の3次
元座標は、対応する2つの像点の2次元座標に基づいて
算出される。このように複数個の物点の3次元座標がそ
れぞれ求められ、複数の物点の3次元座標値から被写体
の3次元形状が得られる。物点は多ければ多いほど精密
な被写体形状が得られる。
【0013】この手法において、カメラによる撮影時に
はレンズ光軸を平行移動(シフト)して遠景の被写体を
拡大して写し込み、またレンズ光軸を撮像面に対して傾
斜させて(チルト)広範囲に焦点を合わせた画像を得る
ことにより、画像処理装置において画像上の像点を容易
かつ精密に指定することが行われる。画像処理装置では
2次元座標から3次元座標を算出する際に、まずレンズ
光軸が撮像面に対して垂直な方向に、かつ撮像中心を通
る場合の3次元座標値が求められ、この3次元座標値に
シフト量及びチルト量等を考慮した補正が施される。
【0014】このように、シフトおよびチルトするカメ
ラを用いて撮影して像点の指定を容易にし、画像処理装
置においてシフト量およびチルト量に基づいた補正を行
うことにより、より精密な被写体の3次元形状が得られ
る。
【0015】図1には実施形態である写真測量方法にお
いて用いられる地上写真測量用カメラの外観図が示され
る。カメラ100はCCDを本体10の内部に備えたデ
ジタルカメラであり、撮影光学系12からの光学像は、
正面10aにほぼ平行に設けられたCCDの撮像面に結
像される。撮影光学系12は複数のレンズ群を備え、鏡
筒11内に固定される。鏡筒11はレンズ台13によっ
て本体10の正面10aに取り付けられ、レンズ台13
によって正面10aに対して一定方向に平行移動可能、
かつ正面10aに対して一定方向に傾斜角度が可変自在
である。
【0016】本体10の正面10aには測光センサ56
が設けられる。一方、本体10の上面中央にはファイン
ダ38が設けられる。このファインダ38の右側方には
カメラ100の状態を示すための、例えばLCDから成
る表示装置36が設けられ、またファインダ38の左側
方にはメインスイッチ76が設けられる。本体10には
メモリカードスロットル32が形成され、このメモリカ
ードスロットル32にメモリカード30が着脱可能であ
る。メモリカードスロットル32にメモリカード30が
装着された状態において、CCDから得られた撮像デー
タ等がメモリカード30に電気的に記録される。メモリ
カードスロットル32の側方には、メモリカード30を
排出するための排出スイッチ34が設けられる。
【0017】レンズ台13は鏡筒11を本体10に対し
て相対移動させることにより、撮影光学系12のレンズ
光軸Lが撮像面に交差する点を撮像中心から移動させ
(シフト)、またレンズ光軸Lを撮像面に対して傾斜さ
せる(チルト)。図1に示す撮影光学系12の位置、即
ちレンズ光軸LがCCDの撮像面に対して垂直な方向に
延び、かつ撮像面の中心(以下、撮像中心という)を通
るときの撮影光学系12の位置を基準位置とする。なお
シフト量は、撮像面においてレンズ光軸Lと撮像面との
交点が撮像中心から移動した移動量(Xc,Yc)で示
され、チルト量は基準位置におけるレンズ光軸L、即ち
撮像面に垂直な直線からのレンズ光軸Lの回転量
(αT ,βT ,γT )で示される。
【0018】レンズ台13は、第1の台座14と第2の
台座16と鏡筒保持部材18とを備える。第1の台座1
4は略正方形の平板であり、中央に鏡筒を保持するため
の穴(図示しない)が形成される。第1の台座14はレ
ンズ光軸Lに対して垂直な平面に沿って時計周り方向
に、かつレンズ光軸Lを中心として90°回転可能に取
り付けられる。この第1の台座14の回転により、レン
ズ台13は本体10に対し一体的にレンズ光軸L周りに
回転可能である。図1に示すレンズ台13の位置を水平
位置とし、レンズ台13がこの水平位置から90°回転
した時の位置を垂直位置とする。
【0019】図2はレンズ台13を垂直位置に位置決め
した時のカメラ100を示す図である。レンズ台13が
図1に示す水平位置にある場合、撮影光学系12は本体
10に対して矢印Aで示す水平方向にシフトおよびチル
トする。一方、レンズ台13が図2に示す垂直位置にあ
る場合、撮影光学系12は矢印Bで示す垂直方向にシフ
トおよびチルトする。
【0020】第2の台座16は、第1の台座14に対し
てレンズ光軸Lと直交する一方向に平行移動が可能であ
る。第2の台座16は第1の台座14側の面が平坦に形
成され、その反対側には窪んだ曲面16aを備えてい
る。この曲面16aの中心(図示しない)は撮影光学系
12の節点と一致する。第2の台座16にはシフト操作
部材20が設けられ、このシフト操作部材20を回転操
作すると、図示しない駆動機構によりシフト操作部材2
0の回転量に応じて第2の台座16と鏡筒保持部材1
8、および鏡筒11が一体的に平行移動する。即ち、シ
フト操作部材20の回転動作により撮影光学系12がシ
フトされる。
【0021】鏡筒保持部材18は、第2の台座16の曲
面16aに沿って摺動可能に取り付けられ、鏡筒11を
保持する。鏡筒保持部材18はチルト操作部材22を備
えており、このチルト操作部材22を回転操作すると、
図示しない駆動機構により鏡筒保持部材18、および鏡
筒11が一体的に曲面16aに沿って回動する。即ち、
チルト操作部材22の回転動作により撮影光学系12が
チルトされる。
【0022】図3は、シフトにおける撮影光学系12と
CCD21との位置関係を模式的に示す上面図である。
レンズ台13は水平位置にありチルトは行わないものと
する。
【0023】第1の台座14には3段階の位置決め用目
盛が設けられ、第2の台座16の位置決め線をこの目盛
の何れかに一致させることにより所定のシフト位置に設
定できる。中央の目盛0に位置決め線が一致したときは
撮影光学系12が実線で示す第1のシフト位置(基準位
置)にあり、レンズ光軸L1 はCCD21の撮像中心C
を通る。シフト操作部材20を一定方向に回転操作する
と、撮影光学系12はレンズ台13と共に図の下方向に
平行移動し、下側の目盛(−α)に位置決め線を一致さ
せると、撮影光学系12は点線で示す第2のシフト位置
に位置決めされる。このときのレンズ光軸は点線L2
示され、レンズ光軸L2 は撮像中心Cからαだけ図の下
方向に外れている。シフト操作部材20を逆の方向に回
転操作し、上側の目盛αに位置決め線を一致させると、
撮影光学系12はレンズ台13と共に図の上方向に平行
移動させられ、破線で示す第3のシフト位置に位置決め
される。このときレンズ光軸は破線L3 で示される。レ
ンズ光軸L3 は撮像中心Cからαだけ図の上方向に外れ
ている。
【0024】図4は、チルトにおける撮影光学系12と
CCD21との位置関係を模式的に示す上面図である。
レンズ台13は水平位置にあり、シフトは行わないもの
とする。
【0025】第2の台座16には3段階の位置決め用目
盛が設けられ、鏡筒保持部材18の位置決め線をこの目
盛の何れかに一致させることにより所定のチルト位置に
設定できる。中央の目盛0に位置決め線が一致したとき
は撮影光学系12が実線で示す第1のチルト位置(基準
位置)にあり、このときレンズ光軸L4 はCCD21の
撮像面に対して垂直である。チルト操作部材22を一定
方向に回転操作すると、撮影光学系12は第1のチルト
位置から面14aに沿って図の時計周りに回転させら
れ、下側の目盛(−β)に位置決め線を一致させると、
撮影光学系12は点線で示す第2のチルト位置に位置決
めされる。このときのレンズ光軸は点線L5 で示され、
撮像面に垂直な方向に対して(−β)だけ傾斜してい
る。チルト操作部材22を逆の方向に回転操作し、上側
の目盛βに位置決め線を一致させると、撮影光学系12
が面14aに沿って図の反時計周りに回転させられ、破
線で示す第3のチルト位置に位置決めされる。このとき
レンズ光軸は破線L6 で示され、撮像面に垂直な方向に
対してβだけ傾斜している。
【0026】このように、レンズ台13によって本体1
0、即ちCCD21に対する撮影光学系12の位置(以
下、レンズポジションという)を変えることができる。
シフト位置およびチルト位置はそれぞれ3段階(α、
0、−αおよびβ、0、−β)設定可能であり、その組
み合わせは3×3=9通りである。さらに本体10に対
してシフトおよびチルトする方向が水平方向(図1の矢
印A)と垂直方向(図2の矢印B)の2通りあるため、
レンズポジションの全組み合わせは9×2=18通りと
なる。
【0027】なお本実施形態においては、説明を簡単に
するためにシフトおよびチルトの目盛はそれぞれ3段階
に設定したが、特に限定されることはなく、目盛の数を
多くしてもよい。またシフト操作部材20およびチルト
操作部材22の任意の回転量に応じてシフト量およびチ
ルト量をそれぞれ算出して、表示装置36等に表示する
構成にしてもよい。
【0028】図5から図7を参照して、シフトとチルト
の効果について述べる。シフトとチルトを総称してあお
りと言う。例えば、高層ビルなどを通常の広角カメラで
撮影すると、カメラを仰角に構えることになり、撮像面
における画像のビルの形状は上すぼまりの台形になる
(図5参照)。ここで撮像面をビルの壁面に平行に固定
し、撮影光学系であるレンズを上方に平行移動即ちシフ
トさせると、画像はビルの本来の形状通りの長方形とな
る(図6参照)。即ち、レンズをシフトした方向におい
て、遠景の被写体と近景の被写体とが同じ倍率で写し込
まれる。一方、撮像面に対してレンズ光軸を傾けるチル
トにより例えば撮像面の下部のピント位置を遠点側に移
動させることによって、奥行きのある被写体の全体に渡
ってピント合わせが可能になる(図7参照)。即ちあお
りを行うことにより、遠景の被写体をより大きく、かつ
広範囲の被写体がより鮮明な画像が得ることができる。
【0029】図8のブロック図を参照してカメラ100
の構成および動作を説明する。システムコントロール回
路50はマイクロコンピュータであり、これによりカメ
ラ100の全体が制御される。システムコントロール回
路50にはレリーズスイッチ74、メインスイッチ76
がそれぞれ接続される。レリーズスイッチ74の操作に
従って以下に説明する一連の撮影動作が開始され、メイ
ンスイッチ76の操作によりカメラ100に電源が投入
されあるいは電源が切断される。またシステムコントロ
ール回路50には、このカメラ100の種々の設定状態
などを表示するための表示装置36が接続される。
【0030】撮影光学系12には複数のレンズ群のほ
か、絞り12aが設けられる。絞り12aは3通りの絞
り値(F5、F8、F16)が設定可能であり、この絞
り値は撮影条件によってシステムコントロール回路50
により適宜決定される。撮影光学系12の後方にはクイ
ックリターンミラー15が、そのさらに後方にCCD2
1が設けられる。クイックリターンミラー15の上方に
は、ファインダ光学系17のピント板17aが配設され
る。クイックリターンミラー15はミラー駆動回路52
に駆動され、ミラー駆動回路52はさらに露出制御回路
54により制御される。露出制御回路54はシステムコ
ントロール回路50から出力される指令信号に従って動
作する。また露出制御時、露出制御回路54は測光セン
サ56からの出力信号を受ける。
【0031】クイックリターンミラー15は、通常ダウ
ン位置(図中実線で示す傾斜状態)に定められ、撮影光
学系12を通過した光をファインダ光学系17に導いて
いる。撮影動作時、クイックリターンミラー15は露出
制御回路54の制御に従い、ミラー駆動回路52により
上方に回動せしめられ、アップ位置(図中破線で示す水
平状態)に定められる。これにより、撮影光学系12を
通過した光がCCD21の受光部(撮像面)に照射され
る。
【0032】システムコントロール回路50により、エ
リアセンサ駆動回路58を介してCCD21の受光部の
電荷蓄積時間が制御されて露光動作が行なわれ、蓄積時
間経過後、蓄積された電荷信号が撮像信号として読み出
される。読み出された撮像信号は、アンプ60により増
幅された後、A/D変換器62によってデジタル信号に
変換され、画像処理回路64に入力される。
【0033】画像処理回路64では、1画像分のメモリ
容量を持つメモリ66と協動して表示用映像データが生
成され、この表示用映像データはエンコーダ68へ出力
される。エンコーダ68では、画像処理回路64から出
力された表示用映像データに同期信号を付加処理するな
どしてモニタ表示用映像信号が生成される。エンコーダ
68から出力されたモニタ表示用映像信号はモニタ装置
70に入力され、これにより操作者はモニタ装置70に
おいて撮影した静止画がモニタできる。
【0034】センサ制御回路40は独自のデータメモリ
41を有し、このセンサ制御回路40には2つの可変抵
抗器42、44および方向検出スイッチ47がそれぞれ
接続される。2つの可変抵抗器42、44および方向検
出スイッチ47の動作は、システムコントロール回路5
0からの指令に基づいて、センサ制御回路40により制
御される。
【0035】方向検出スイッチは第2の台座16(図2
参照)に設けられる。操作者がカメラ100を水平に構
え、かつレンズ台13が図2に示す垂直位置の時に、方
向検出スイッチはONし、出力信号をセンサ制御回路4
0に出力する。これによりレンズ台13が水平位置又は
鉛直位置のどちらであるのかが検出される。可変抵抗器
22はシフト操作部材20(図2参照)に設けられ、シ
フト操作部材20の回転操作量に対応して抵抗値が変化
し、この抵抗値はセンサ制御回路40に出力される。撮
影光学系12の基準位置からのシフト量はこの抵抗値に
連動して検出される。同様にチルト操作部材22にも可
変抵抗器44が設けられ、撮影光学系12の基準位置か
らの傾斜量は可変抵抗器44の抵抗値に連動して検出さ
れる。
【0036】センサ制御回路40には、2つの可変抵抗
器42、44からの抵抗値および方向検出スイッチ47
からの出力信号が入力される。センサ制御回路40で
は、これらの抵抗値および出力信号に基づいて、シフト
量(Xc,Yc)とチルト量(αT ,βT ,γT )とが
算出され、これらはレンズポジションデータとしてデー
タメモリ41に格納される。またセンサ制御回路40と
システムコントロール回路50との間ではこのレンズポ
ジションデータの授受が行なわれる。これらのセンサ制
御回路40の動作は、カメラ100の電源がONの状態
では一定時間毎に行われ、シフト量(Xc,Yc)とチ
ルト量(αT ,βT ,γT )はその度に更新される。
【0037】画像処理回路64からの1画像分の撮像デ
ータは、撮影した時点におけるセンサ制御回路40から
のレンズポジションデータ、および絞り値等の他のデー
タと共に記録制御回路72へ出力される。記録制御回路
72では、これらの情報が結合されて所定の記録様式に
沿った記録用データが生成され、この記録用データは画
像ファイルとしてメモリカード30に記録される。
【0038】メモリカード30は本体10から着脱自在
であり、図14に示す外部の画像処理装置において画像
ファイルの授受が可能である。読み取られ、図面化、及
びその補正などの各種演算処理が行なわれる。
【0039】図9はメモリカード30に記録される1画
像分の記録用データのフォーマットを示す図である。レ
リーズスイッチ76が押圧されてONになり、CCD2
1に結像された画像は、所定の画像処理が施された後、
図6に示すフォーマットの記録用データ、即ち画像ファ
イルに変換され、撮影毎にメモリカード30に記録され
る。画像ファイルには、撮像データ、撮影時におけるレ
ンズポジションデータ、絞り値などのデータが格納され
る。またヘッダー部には画像名が記録可能である。
【0040】図10はカメラ100におけるシステムコ
ントロール回路50のペア画像撮影処理を示すフローチ
ャートである。このカメラ100によるペア画像撮影
は、同じ被写体を異なる2方向から撮影することと、こ
の2枚の画像(以下、ペア画像G1 、G2 という)にお
いてレンズポジションが同じであることを前提とする。
また、このペア画像撮影処理の前にカメラ100のレン
ズポジションは操作者により設定済みとする。
【0041】レリーズスイッチ76が半押しされると動
作が開始され、ステップS102、ステップS104、
ステップS106が連続して実行される。ステップS1
02では測光センサ56がONになり、測光センサ56
からの出力信号に基づいて露出制御回路54において測
光演算が行われる。ステップS104では適正な露光時
間および絞り値が測光演算により決定される。ステップ
S106ではレリーズスイッチ76がONであるか否か
が判定され、ONでなければステップS102から再実
行される。即ちレリーズスイッチ76が押下されてON
になるまでは、ステップS102、ステップS104、
ステップS106が繰り返し実行され、露光時間および
絞り値は逐次更新される。
【0042】レリーズスイッチ76がONになると、ス
テップS108において露出制御が行われる。即ち、レ
リーズスイッチ74がONになる直前の絞り値に基づい
て絞り12aが制御され、ミラー駆動回路52を介して
クイックリターンミラー15のミラーアップが制御され
る。また、レリーズスイッチ74がONになる直前の露
光時間に基づいて、エリアセンサ駆動回路58によりC
CD21の電化蓄積時間が制御される。電化蓄積時間経
過後CCD21から電荷信号が読み出され、上述した所
定の処理を施されて撮像データに変換される。この撮像
データは記録制御回路72に出力されると共に、モニタ
70に表示される。
【0043】ステップS108の後にステップS110
が実行され、センサ制御回路40において算出されたレ
ンズポジションデータ(シフト量、チルト量)がシステ
ムコントロール回路50に入力される。ステップS11
0が終了すると、ステップS112が実行され、記録制
御回路72においてカメラ100に装着されたメモリカ
ード30に撮像データとレンズポジションデータ等が記
録される。
【0044】ステップS114において、ステップS1
08におけるレンズポジションデータの値が、前回の撮
影での記録時におけるレンズポジションデータの値と同
じか否かが判定される。初めてメモリカード記録を行っ
た場合には、前回の記録時におけるレンズポジションデ
ータは記録されていないので、ステップS116が実行
され、ペア画像が1枚、即ちペア画像G1 しか記録され
ていないことを表示装置36に警告表示し、ステップS
102から再実行される。ステップS102からステッ
プS114までが再実行されると、ステップS120が
実行され、ペア画像G1 、G2 がメモリカード30に記
録されたことが認識される。
【0045】ステップS122において今回のペア画像
1 、G2 の記録時に用いられたレンズポジションデー
タがセンサ制御回路41を介してメモリ41に格納さ
れ、ペア画像撮影処理は終了する。なお、次のペア画像
撮影、即ちレンズポジションを変えて、次のペア画像G
3 、G4 を記録する場合には、ステップS114におい
て今回のレンズポジションデータと次回のレンズポジシ
ョンデータとが比較され、またステップS122におい
て、メモリ41に記録されるレンズポジションデータは
次回のレンズポジションデータに更新される。なお、こ
のフローチャートにおいては、ペア画像を2枚としてい
るが、ペア画像の枚数は操作者が適宜設定できるものと
する。例えばペア画像を5枚とすると、ステップS10
2〜ステップS106は5回繰り返される。
【0046】図11〜図14を参照して写真測量におけ
るあおり撮影の効果を述べる。図11はあおりのない通
常の撮影における被写体と撮影光学系であるレンズ及び
撮像面との位置関係を示す図であり、図12は図11の
撮影位置により得られた画像である。図13はあおり撮
影における被写体とレンズ及び撮像面との位置関係を示
す図であり、図14は図13の撮影位置により得られた
画像である。
【0047】図13に示すレンズは、撮像面に対し図の
上方にシフトされ、かつ図の反時計周り方向にチルトさ
れている。図12と図14を比較してよく分かるよう
に、図14ではシフトにより特に遠方の画像が拡大され
て写し込まれている。また図12、図14には示されな
いが、図14の画像ではチルトにより広範囲が焦点とな
り明確に写し込まれている。即ち図13に示すあおり撮
影を行うことにより、あおりのない図12の画像に比べ
図14の画像において像点の指定が容易に行える。
【0048】従って、後述する画像処理装置において、
図10のペア画像撮影処理により得られたペア画像にお
いて共通する物点の像点を対応付けて指定する際に、像
点の精密な2次元座標値が得られる。従って、これらの
2次元座標値に基づいて算出される物点の3次元座標値
が、より正確に求められる。このようにあおり撮影を行
うことにより、特に遠景の被写体における物点に対応し
た画像上の像点を正確に指定でき、測量誤差のより少な
い写真測量が行える。
【0049】図15は実施形態である写真測量方法にお
いて用いられる画像処理装置の構成を示すブロック図で
ある。画像処理装置200は図10に示すペア画像撮影
処理によって得られたペア画像G1 、G2 から、被写体
の3次元座標を求める装置である。画像処理装置200
は、演算装置(コンピュータ)150と、モニタ160
と、マウス170とを備える。演算装置150はシステ
ムコントローラ152と演算処理用メモリ154と、モ
ニタ表示用メモリ156と、ビデオプロセス回路158
とを備える。ビデオプロセス回路158の動作はシステ
ムコントローラ152により制御される。メモリカード
30は演算装置150に対して着脱自在である。
【0050】メモリカード30が演算装置150に装着
された状態において、図1に示すカメラ100によって
メモリカード30に記録されたデータ、例えば画像ファ
イルは、必要に応じてシステムコントローラ152によ
って読み出され、またデータがメモリカード30に書き
込まれる。
【0051】システムコントローラ152は被写体の3
次元座標値を求めるための演算処理を行うが、この時シ
ステムコントローラ152は演算処理用メモリ154と
協動して演算処理を行う。また、システムコントローラ
152はメモリカード30からペア画像G1 、G2 に対
応する2つの画像ファイルを読み出し、読み出された各
画像ファイルの撮像データに基づいて、モニタ160に
表示するための表示用画像データをそれぞれ生成し、こ
の各表示用画像データをモニタ表示用メモリ156にそ
れぞれ格納する。ビデオプロセス回路158はシステム
コントローラ152の指令信号に基づいて、モニタ表示
用メモリ156に格納された2画像分の表示用画像デー
タからモニタ用映像信号を生成し、このモニタ用映像信
号をモニタ160に送出する。モニタ160の画面上に
はペア画像G1 、G2 に対応したウインドウがそれぞれ
設定される。モニタ用映像信号に基づいて左右にペア画
像G1 、G2 がそれぞれ対応したウィンドウ上に同時に
映し出される。
【0052】マウス170は公知の機器であり、構成に
ついては詳述しない。マウスは手動により操作され、マ
ウス170の移動量に応じた信号、あるいはマウス17
0の操作ボタンスイッチ170aの操作信号はシステム
コントローラ152に送出される。モニタ160の画面
上にはポインタが表示され、マウス170の移動量に応
じてポインタが画面上で移動させられる。
【0053】モニタ160の画面上には2次元の絶対座
標系(モニタ座標系とする)が設定され、ポインタがこ
のモニタ座標系における2次元座標値に従って画面上に
表示されると共に、画面の所定領域にはポインタの現在
位置が2次元座標値として表示される。システムコント
ローラ152は、マウス170が移動して、その移動量
に応じた信号が入力されると、この移動量に応じた信号
に基づいてモニタ座標系におけるポインタの2次元座標
値を演算し、更新する。モニタ160の画面上におい
て、更新された2次元座標値に対応してポインタが再表
示されるとともに、画面の所定領域の2次元座標値も再
表示される。このようにマウス170の手動操作によっ
て、モニタ160の画面上においてポインタを所望の位
置に移動させる。
【0054】モニタ160の画面上にペア画像G1 、G
2 がそれぞれ対応したウィンドウ上に映し出された状態
において、所望の位置にポインタを位置させて、操作ボ
タンスイッチ170aが操作される、例えば2回クリッ
クが実行されると、システムコントローラ152は操作
時のポインタの位置を像点Pij(iは物点を表すパラメ
ータ;jは画像を表すパラメータ)が指定されたものと
して認識する。システムコントローラ152はモニタ座
標系で表された像点Pijの2次元座標値に基づいて、各
画像上にそれぞれ設定された2次元座標系(以下、画像
座標系jとする)における2次元座標(Xij,Yij)を
算出し、この2次元座標(Xij,Yij)を演算処理用メ
モリ154の所定領域に格納する。
【0055】なお、演算処理用メモリ154の所定領域
にはペア画像G1 、G2 において対応する像点Pijの座
標値のデータが複数組格納される。例えばペア画像G1
において像点P11が指定されると、次に画像G2 におい
て像点P11に対応した像点P12が指定すべき旨のメッセ
ージをモニタ160に表示し、画像G2 において像点P
12が指定されると、システムコントローラ152は連続
して指定された像点P11と像点P12とを1組として、像
点P11、P12の座標値を演算処理用メモリ154に格納
する。システムコントローラ152により、演算処理用
メモリ154に格納されたi組の像点Pijの2次元座標
値(Xij,Yij)に基づいて、対応するi個の物点pi
の3次元座標等が求められる。
【0056】ペア画像が2枚の場合について説明した
が、ペア画像がそれ以上、例えば5枚あれば、モニタ1
60上には5つの画像に対応するウインドウが同時表示
され、各画像における像点Pijの座標値のデータ5つが
1組とされる。
【0057】次に画像処理装置200における3次元座
標の算出方法について説明する。図16は撮影時のカメ
ラ100と被写体である平面PS上の4点p1 、p2
3 、p4 との位置関係を3次元的に示す模式図であ
る。北をZ方向、鉛直方向をY方向とする右手系の3次
元直交座標系が絶対座標系(X,Y,Z)として設定さ
れる。基準となるカメラの位置、例えば電源投入時にお
ける撮影光学系12の後側主点位置Moを基準位置とす
る。なおこの基準位置Moは絶対座標系(X,Y,Z)
の原点と同一である必要はない。
【0058】2回の撮影におけるカメラ100の状態、
即ちカメラ100の絶対座標系における位置や方向(以
下、カメラ位置と記載する)をパラメータで示すため
に、カメラ100の絶対座標系における位置は撮影光学
系12の後側主点位置で表され、カメラ100の絶対座
標系における方向は撮影光学系12のレンズ光軸の方向
で表される。図中第1のカメラ位置、即ち後側主点位置
がM1 に位置するときのカメラ100は実線で示され、
第2のカメラ位置、即ち後側主点位置がM2 に位置する
ときのカメラ100が破線で示される。第1および第2
のカメラ位置M1、M2 におけるレンズ光軸はそれぞれ
一点鎖線L1 、L2 で示される。なお、基準位置Moに
位置するときのカメラ100およびレンズ光軸は図示し
ない。
【0059】図17は第1および第2のカメラ位置
1 、M2 における撮影により得られた2枚の画像
1 、S2 と被写体(物点p1 、p2 、p3 、p4 )と
の関係を幾何学的に示す模式図である。絶対座標系にお
ける物点p1 の位置は3次元座標(x1 ,y1 ,z1
で示される。x1 、y1 、およびz1 はパラメータであ
る。同様に、物点p2 、p3 、p4 の3次元座標はそれ
ぞれ(x2 ,y2 ,z2 )、(x3 ,y3 ,z3 )、
(x4 ,y4 ,z4 )で示される。
【0060】なおこの画像S1 、S2 を撮影するために
用いられたカメラは、画面距離、即ち焦点距離fと後側
主点位置が正確に構成され、かつレンズ歪みであるレン
ズディストーションがなく、撮像面がレンズ光軸に対し
て垂直な平面内に保たれているカメラである。カメラ1
00により実際に撮影されたペア画像G1 、G2 と画像
1 、S2 とは異なるものである。ペア画像G1 、G2
と区別するために、以下、画像S1 、S2 をスクリーン
1 、S2 と記載する。
【0061】カメラにはレンズ光軸方向をz軸とする右
手系の3次元直交座標系が設定される。例えば、基準位
置Moにカメラの後側主点位置がある場合、原点をMo
とし、レンズ光軸に沿った方向をzo 軸とする右手系の
3次元直交座標系、即ち基準座標系(xo , yo
o )を設定する。カメラの移動に伴って後側主点位置
は基準位置Moから移動し、またレンズ光軸方向の傾き
も変化する。従って第1および第2のカメラ位置M1
2 における座標軸は、絶対座標空間の中では座標軸x
o 、yo 、zo とは異なる位置および方向となる。従っ
て、第1および第2のカメラ位置M1 、M2 における3
次元直交座標系を基準座標系とは異なる位置および方向
であることを表すために、新たにカメラ位置M1 を原点
とし光軸L1をz’軸とする座標系1(x’, y’,
z’)を設定し、同様に、カメラ位置M2 を原点とし光
軸L2 をz”軸とする座標系2(x”, y”,z”)を
設定する。
【0062】スクリーンS1 、S2 は座標系1のx’−
y’平面、または座標系2のx”−y”平面にそれぞれ
平行かつ焦点距離fだけ離れた平面である。スクリーン
1、S2 上の撮像中心C1 、C2 は、z’軸あるいは
z”軸の延長上にある。スクリーンS1 には撮像中心C
1 を原点とする2次元座標系(以下、スクリーン座標系
と記載する)(X’,Y’)が設定される。スクリーン
座標系のX’軸およびY’軸はx’軸およびy’軸に平
行である。同様に、スクリーンS2 には撮像中心C2
原点、x”軸およびy”軸にそれぞれ平行なX”軸およ
びY”軸を有するスクリーン座標系(X”,Y”)が設
定される。
【0063】座標系1、2の基準座標系からの移動は、
平行移動と回転移動により表される。平行移動は原点移
動量、即ち基準位置Moからそれぞれの後側主点位置M
1 、M2 の3次元移動量(Δx1 ,Δy1 ,Δz1 )お
よび(Δx2 ,Δy2 ,Δz2 )で表される。また回転
移動はレンズ光軸L1 、L2 のxo 軸、yo 軸、zo
からのそれぞれの回転角度変位量(Δα1 ,Δβ1 ,Δ
γ1 )および(Δα2,Δβ2 ,Δγ2 )で示される。
Δxj ,Δyj ,Δzj およびΔαj ,Δβj,Δγj
はパラメータである。
【0064】スクリーンSj (j=1〜2)上には被写
体上の物点pi (i=1〜4)に対応する像点Pijが写
されているが、この像点Pijは、後側主点位置であるカ
メラ位置Mj と物点pi を結んだ直線上に位置する。
【0065】このように、基準座標系と座標系jとの幾
何学的関係、あるいは物点pi と像点Pijとの幾何学的
関係を利用して、物点pi の3次元座標(xi ,yi
i)に基づいて、スクリーンSj における物点pi
像点Pijの2次元座標(Xij,Yij)が算出される。ま
ず下に示す(1)式を用いて、絶対座標系における像点
ijの3次元座標(xij,yij,zij)を求め、さらに
像点Pijの3次元座標(xij,yij,zij)を(2)式
によりスクリーン座標(Xij,Yij)に変換する。これ
らの式は撮像中心であるカメラ位置Mj と像点Pijと物
点pi とが一直線上にあることを前提とする共線条件式
である。なお、(1)式および(2)式におけるiは物
点数を示すパラメータであり、jは画像枚数を示すパラ
メータである。
【0066】
【数1】
【0067】
【数2】
【0068】(2)式によって算出された、スクリーン
j における像点Pijの座標値(Xij,Yij)は、画像
上の実測した2次元座標値と一致することが望ましい。
しかし実際のレンズ、特に球面レンズを使用している場
合被写体像は被写体の相似形とはならず、例えば本来直
線になるべきものが曲がった像として投影される。写真
測量では、特に横倍率が像の大きさによって異なる歪曲
収差(ディストーション)が測量誤差となる。
【0069】また、(1)式及び(2)式では撮影光学
系12のレンズ光軸Lj はスクリーンSj に対して垂直
に交差していることを前提としているが、本実施形態で
はレンズ光軸Lj がスクリーンSj に対して傾斜量が可
変であるため、このレンズ光軸Lj の傾斜量であるチル
ト量(αT ,βT ,γT )を加味する必要がある。
【0070】さらに、(1)式及び(2)式では撮影光
学系12のレンズ光軸Lj はスクリーンSj の撮像中心
j を通ることを前提としているが、本実施形態ではレ
ンズ光軸Lj がスクリーンSj と交差する交点が、撮像
中心Cj から移動可能であるため、この交点の撮像中心
j に対する移動量であるシフト量(Xc,Yc)を考
慮しなければならない。
【0071】以上のことから、本実施形態では(2)式
により求められた2次元座標値に補正を施している。
【0072】図18を参照して、前述の座標変換の流れ
を説明する。図18に示す座標変換は、物点の3次元座
標から画像上の2次元座標を求めるための変換である。
基準座標系(xo , yo ,zo )における物点pi の3
次元座標を(xi ,yi ,zi )とする(S10)。ま
ず画像座標系jにおける物点pi の座標(xij,yij
ij)が、(1)式により求められる。このとき画像座
標系jの原点Mjの位置は、基準座標系の基準位置Mo
から(Δxj ,Δyj,Δzj )だけ移動し、またその
画像座標系1(x’,y’,z’)及び画像座標系2
(x”,y”,z”)は、基準座標系(xo ,yo ,z
o )の3軸周りに関してそれぞれ(Δαj ,Δβj ,Δ
γj )だけ回転している(S12)。
【0073】次に画像座標系jにおける物点pi の座標
(xij,yij,zij)をスクリーンSj に投影したとき
の2次元座標(Xij,Yij)は前述の(2)式により求
められる(S14)。
【0074】(2)式により求められたスクリーン座標
(Xij,Yij)は、シフト量(Xc,Yc)と歪曲収差
を示すパラメータであるディストーション係数D2 、D
4 、D6 、P1 、P2 とを加味した補正が施され、
(3)式により第1の補正座標(X’ij,Y’ij)に変
換される(S16)。(3)式はディストーションによ
る座標値の誤差を補正するためのKararaの補正モ
デルである。
【0075】
【数3】
【0076】第1の補正座標(X’ij,Y’ij)はさら
にチルト量を加味した補正が施され、(4)式により第
2の補正座標(X”ij,Y”ij)に変換される(S1
8)。(5)式は(4)式に用いられる2つの単位ベク
トル(x1 ,y1 ,z1 )、(x2 ,y2 ,z2 )を示
す式であり、チルト量(αT ,βT ,γT )で表される
単位量である。
【0077】
【数4】
【数5】
【0078】このように、物点pi の3次元座標
(xi ,yi ,zi )、カメラ位置(Δxj ,Δyj
Δzj )、カメラ姿勢(Δαj ,Δβj ,Δγj )、焦
点距離f、シフト量(Xc,Yc)、チルト量(αT
βT ,γT )、およびディストーション係数D2
4 、D6 、P1 、P2 からなるパラメータにより、撮
像面上における像点の2次元座標である第2の補正座標
(X”ij,Y”ij)を表すことができる。
【0079】座標変換に用いられる(2)式は非線形連
立方程式であるため、第2の補正座標(X”ij
Y”ij)の未知のパラメータ、例えば物点の3次元座標
(xi ,y i ,zi )を求める手法として、例えば逐次
近似解法が用いられる。即ち、まず未知のパラメータに
近似値が与えられ、非線形連立方程式がこの近似値の周
りにテーラー展開して線形化され、最小二乗法により補
正量が求められる。この補正量により初期値である近似
値が修正され、修正された近似値が再び未知のパラメー
タに与えられる。この操作を数回繰り返して未知のパラ
メータの収束解が得られる。
【0080】収束条件は、以下の(7)式に示すメリッ
ト関数ΦP 、即ち第2の補正座標(X”ij,Y”ij)と
実際の画像Gj 上で測定された2次元座標(MXij,M
ij)との誤差が最小になることである。なお、(7)
式にはフィルムを用いた銀塩写真カメラにおけるメリッ
ト関数ΦP を合わせて示している。(7)式においてM
ijとMYijまたはNXijとNYijの値は、メモリカー
ド30から読み込まれた焦点距離および絞り値のデータ
に基づいて決定される。
【0081】
【数6】
【0082】なお、未知のパラメータが物点pi の3次
元座標(xi ,yi ,zi )、カメラ位置(Δxj ,Δ
j ,Δzj )、カメラ姿勢(Δαj ,Δβj ,Δ
γj )とすると、最低必要な拘束条件は例えば物点数5
点、画像数3枚であるが、これよりさらに物点数iある
いは画像枚数jを増加させることにより既知のパラメー
タを増加させると、最適化の精度の向上を図ることがで
きる。
【0083】画像処理装置200の演算装置150で
は、以上のような算出方法に基づいて物点pi の3次元
座標(xi ,yi ,zi )等が求められる。
【0084】次に画像処理装置200(図15参照)の
動作について述べる。図19は画像処理装置200にお
ける動作を示すフローチャートである。ステップS20
0において、まずカメラパラメータ処理が実際の測量対
象を測量する前に行われる。このカメラパラメータ処理
では、写真測量に用いられるカメラ100においてレン
ズポジションデータと絞り値との全組み合わせに対応し
たディストーション係数が求められる。この全組み合わ
せのレンズポジションデータ(シフト量、チルト量)と
絞り値、およびこれらに対応したディストーション係
数、さらに焦点距離とをカメラ100固有の値、即ちカ
メラパラメータとする。
【0085】次にステップS300の画像読み込み処理
において、カメラ100により得られた画像またはステ
ップS200により得られたカメラパラメータが、画像
処理装置200の演算装置150に読み込まれる。そし
てステップS400の物点座標演算処理において、演算
装置150により読み込まれたデータに基づいて被写体
上の物点の3次元座標が求められ、この3次元座標に基
づいて測量図が描かれる。
【0086】図20はカメラパラメータ測定処理(ステ
ップS200)を詳細に示すフローチャートである。図
21はカメラパラメータ測定処理におけるカメラ100
と基準被写体102との位置関係を示す図である。ステ
ップS202において、レンズポジションデータ、即ち
シフト量およびチルト量と絞り値との全組合せが決定さ
れる。カメラ100の説明において記載したように、シ
フト位置およびチルト位置はそれぞれ3通り設定可能で
あり、その組合せ数は3×3=9である。さらにレンズ
台13の位置が2通りあるので、シフト量とチルト量の
組み合わせ数は9×2=18となる。またさらに絞り値
が3通り設定できるので18×3=54となる。以下の
ステップS204〜ステップS214に示すカメラパラ
メータ演算は、この54通りの全組合せについて順に繰
り返し実行される。
【0087】ステップS204において、図21に示す
パラメータ算出用撮影により得られた基準被写体102
に関するペア画像の撮像データが、メモリカード30を
介して演算装置150に読み込まれる。またペア画像の
撮像データとともに、設定されたレンズポジション、お
よび絞り値のデータが演算装置150に読み込まれる。
【0088】図21に示すパラメータ算出用撮影につい
て説明する。まず形状が既知、即ち物点の相対位置関係
が精密に設けられた基準被写体102が用意される。基
準被写体102は市松模様の平板チャートであり、各格
子の辺長さは一定の長さを有する。物点q1 〜q4 は各
格子の交点が好ましい。次にカメラ100によりこの基
準被写体102が異なるアングル(カメラ位置M1 、M
2 、M3 )からそれぞれ撮影される。各撮影において、
メモリカード30に撮像データ、レンズポジションデー
タ、絞り値が合わせて記録される。カメラ100内の動
作は前述したステップS102〜S122と同じであ
り、説明を省略する。なおこの一連の撮影においてシフ
ト量とチルト量、および絞り値は一定である。
【0089】ステップS206において、オペレータに
よってモニタ160により視認しながらそれぞれの画像
上に写る共通する物点qk (k=1〜4)の像点Q
kh(h=1〜3)がそれぞれ対応付けられて、2次元座
標値として入力される。ステップS208において物点
k の3次元座標値と、その物点qk に対応付けされた
ペア画像における像点Qkhの2次元座標値とが、演算処
理用メモリ154に一時記憶される。
【0090】ステップS210において、シフト量、チ
ルト量、物点qk の3次元座標値、および像点Qkhの2
次元座標値を既知のパラメータとして未知のパラメータ
が求められる。このとき求められる未知のパラメータ
は、カメラ位置Mh (Δxh ,Δyh ,Δzh )、カメ
ラ姿勢(Δαh ,Δβh ,Δγh )、およびディストー
ション係数D2 、D4 、D6 、P1 、P2 である。ステ
ップS212において、メモリカード30から得られた
レンズポジションデータ(シフト量、チルト量)および
ステップS212により求められたディストーション係
数とが演算処理用メモリ154に記録される。
【0091】ステップS214において、レンズポジシ
ョンデータの全組合せについて演算が行われたか否かが
判定される。全組合せの演算が終了していなければステ
ップS216においてまだ演算が行われていない組合せ
に更新された後、ステップS204から更新された組合
せについてカメラパラメータ演算が再実行される。全組
み合わせの演算が終了すればカメラパラメータ測定処理
は終了する。
【0092】このように、カメラ100について予めカ
メラパラメータが求められる。その後カメラパラメータ
測定処理が済んだカメラ100を用いて、測量対象とな
る被写体の撮影が行われ、メモリカード30に撮像デー
タ等が記録される。カメラ100の動作は前述のステッ
プS102〜ステップS122に示されており、ここで
は説明を省略する。カメラ100についてカメラパラメ
ータが既知であるため、実際の写真測量において物点の
3次元座標を算出する際に、未知のパラメータ数が減
り、精密な座標値が求められ、かつ演算処理時間を短縮
できる。
【0093】図22は画像読込処理(ステップS30
0)を詳細に示すフローチャートである。ステップS3
02において、カメラ100により得られたペア画像の
画像ファイルがメモリカード30から演算装置150に
読み込まれる。これら画像ファイルの撮像データは前述
した所定の処理が施され、処理後の撮像データに基づい
てモニタ160にペア画像が同時表示される。ステップ
S304において、測量対象である物点Pi の各ペア画
像Gj における像点Pijが対応付けられる。ステップS
306において、ステップS304において対応付けら
れた像点の2次元座標値が演算処理用メモリ154に記
憶される。
【0094】ステップS308において、画像ファイル
中の撮像データと共に記録されたレンズポジション(シ
フト量、チルト量)と絞り値がシステムコントローラ1
52に読込まれ、同時にこれらの組み合わせにそれぞれ
対応したディストーション係数D2 、D4 、D6
1 、P2 が演算処理用メモリ154から読み込まれ
る。ステップS310において実際の大きさにスケーリ
ングするための基準尺のデータ、即ち実測辺長さLおよ
び各画像における辺長さが読込まれる。この基準尺のデ
ータは予め演算処理用メモリ154に格納されているも
のとする。以上で画像読込処理が終了する。
【0095】図23は物点座標演算処理(ステップS4
00)を詳細に示すフローチャートである。ステップS
402において、第2の補正座標とペア画像Gj から得
られた実測像点座標との誤差であるメリット関数Φ
P ((7)式に示す)の値を最小にするパラメータが求
められる。このとき求められるパラメータは、物点座標
(xi ,yi ,zi )、カメラ位置(Δxj ,Δyj
Δzj )、カメラ姿勢(Δαj ,Δβj ,Δγj )であ
る。
【0096】ステップS404において投影平面を用い
るか否かが判定される。投影平面を用いない場合は物点
座標演算処理は終了する。投影平面を用いる場合は、ス
テップS406、ステップS408、ステップS410
が実行された後、物点座標演算処理が終了する。
【0097】以上の処理により精密な物点位置が求めら
れるが、さらに精度の向上を図るために、投影平面を用
いた補正が施される。投影平面とは道路面、例えば物点
1、p2 、p3 、p4 を含んだ平面PSの疑似平面で
あり、4点p1 、p2 、p3、p4 の座標に最も適した
平面である。
【0098】ステップS406において、(7)式によ
り求められた物点Pi の3次元座標(xi ,yi
i )に基づいて、以下に示す(8)式に示されるメリ
ット関数ΦH を最小にする平面Hの係数a、b、c、d
が求められる。平面Hは投影平面である。
【0099】
【数7】
【0100】ステップS408において、画像座標系j
における物点iを平面H上に投影した座標(hxij,h
ij,hzij)が求められる。即ち、(9)式に示す条
件の下で、メリット関数Φij((10)式に示す)を0
にする座標(hxij,hyij,hzij)が求められる。
メリット関数Φijは、座標(hxij,hyij,hzij
に基づいて得られた第2の補正座標(HX”ij,HY”
ij)と、実測像点座標(NXij,NYij)または(MX
ij,MYij)との誤差を表す関数である。なお、座標
(hxij,hyij,hzij)から第2の補正座標(H
X”ij,HY”ij)に変換する手法は、図18に示す変
換の手法と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0101】
【数8】
【0102】
【数9】
【0103】ステップS410において、(11)式を
用いて、ステップS408により得られた座標値(hx
ij,hyij,hzij)がそれぞれパラメータjについて
平均され、この平均値(hxi ,hyi ,hzi )が物
点iの座標とされる。
【0104】
【数10】
【0105】このように投影平面を用いることにより、
同一平面上にあるという拘束条件が加わり、さらに精密
な物点の3次元座標が得られる。
【0106】このあと被写体の図面化が行われる。即
ち、物点pi の3次元座標である(xi ,yi ,zi
または(hxi ,hyi ,hzi )は、基準尺の長さに
基づいて実際の大きさにスケーリングされる。その後、
例えば公知のベクトル変換等を用いて図面化され、これ
により測量図が得られる。測量図はX−Z平面図でもよ
いし、また立体斜視図などでもよい。
【0107】次に上述のカメラ100および画像処理装
置200を用いた写真測量方法について説明する。ま
ず、操作者は図面化したい被写体、例えば事故車両など
の近傍の路面に基準尺(図示しない)を設置する。この
基準尺は座標値を実際の大きさにスケーリングするとき
に用いられるものであり、長さが既知の形状を備えてい
ればよく、例えば辺長さがLの正三角形の板材である。
【0108】次にカメラパラメータ測定処理の済んだカ
メラ、即ちカメラパラメータが既知のカメラ100を用
いて撮影を行う。カメラ100にメモリカード30を挿
入し、図16に示すように同一の被写体を異なる位置か
ら撮影する。ペア画像撮影後、ペア画像G1 、G2 に関
する撮像データとレンズポジションデータとが記録され
たメモリカード30をカメラ100から抜き取り、画像
処理装置200に挿入して、画像処理に必要な種々の操
作を行って被写体の測量図を得る。
【0109】このように、撮影時においてシフトあるい
はチルトを用いて画像における遠景の被写体を大きく写
し込み、レンズのシフト量とチルト量とを加味した補正
を施すことにより、より精密な被写体の3次元座標値が
得られひいては精密な測量図が得られる。また被写体の
座標値を求めるための画像枚数を減らすことができ、撮
影時間を短くできる。
【0110】
【発明の効果】本発明による写真測量方法によって、よ
り精密な測量図が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態である写真測量方法にお
いて用いられる地上写真測量用カメラを示す外観図であ
る。
【図2】図1に示す地上写真測量用カメラのレンズ台を
90°回転させた時の外観図である。
【図3】図1に示す地上写真測量用カメラの、シフトに
よる撮影光学系とレンズ光軸との移動を示す模式図であ
る。
【図4】図1に示す地上写真測量用カメラの、チルトに
よるレンズとレンズ光軸との移動を示す模式図である。
【図5】シフトしないカメラを用いてビルを撮影したと
きの撮像面及びレンズの位置関係と、撮像面におけるビ
ルの画像を示す模式図である。
【図6】シフトしたカメラを用いてビルを撮影したとき
の撮像面及びレンズの位置関係と、撮像面におけるビル
の画像を示す模式図である。
【図7】チルトによる効果を示す模式図である。
【図8】図1に示す地上写真測量用カメラの主要構成を
示すブロック図である。
【図9】メモリカードに記録される記録用データのフォ
ーマットを示す図である。
【図10】図1に示す地上写真測量用カメラにおけるペ
ア画像撮影処理を示すフローチャートである。
【図11】あおりを行わない撮影における被写体とレン
ズと撮像面との位置関係を示す図である。
【図12】図11に示すレンズ位置における撮影により
得られた画像である。
【図13】あおり撮影における被写体とレンズと撮像面
との位置関係を示す図である。
【図14】図13に示すレンズ位置における撮影により
得られた画像である。
【図15】画像処理装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図16】撮影時におけるカメラと物点p1 ,p2 ,p
3 ,p4 との位置関係を模式的に示す斜視図である。
【図17】図16に示す撮影におけるスクリーンS1
2 と物点p1 ,p2 ,p3 ,p4 との位置関係を幾何
学的に示す図である。
【図18】3次元座標から2次元座標への座標変換の流
れを示す図である。
【図19】図15に示す画像処理装置における動作を示
すフローチャートである。
【図20】図19に示すカメラパラメータ測定処理を示
すフローチャートである。
【図21】図20に示すカメラパラメータ測定処理にお
ける基準被写体とカメラとの位置関係を模式的に示す図
である。
【図22】図19に示す画像読込処理を示すフローチャ
ートである。
【図23】図19に示す物点座標算出処理を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
10 本体 11 鏡筒 12 撮影光学系 13 レンズ台 14 第1の台座 16 第2の台座 18 鏡筒保持部材 20 シフト操作部材 21 CCD 22 チルト操作部材 30 メモリカード 36 表示装置 56 測光センサ 100 カメラ 150 演算装置 200 画像処理装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像面を備えた撮像素子と、 被写体像を撮像面に結像させるレンズと、 撮像面に対して前記レンズの光軸を傾斜させるレンズ光
    軸傾斜手段と、 前記撮像面に対して前記レンズを平行移動させることに
    より、前記光軸と前記撮像面との交点の位置を、前記撮
    像面の撮像中心とは異なる位置に移動させるレンズ平行
    移動手段と、 前記レンズ光軸傾斜手段によるレンズ光軸傾斜量と、前
    記レンズ平行移動手段によるレンズ平行移動量とをそれ
    ぞれ検出する検出手段と、 前記撮像素子から得られた画像の撮像データと共に、前
    記検出手段から得られたレンズ光軸傾斜量とレンズ平行
    移動量とを1画像ファイルとして記録媒体に記録する記
    録手段とを備えることを特徴とする地上写真測量用カメ
    ラ。
  2. 【請求項2】 前記レンズ光軸傾斜量が、所定の直交3
    次元座標系において前記撮像面に対して垂直な直線から
    の回転角で示されることを特徴とする請求項1に記載の
    地上写真測量用カメラ。
  3. 【請求項3】 前記レンズ光軸傾斜量が所定量毎に設定
    可能であることを特徴とする請求項1に記載の地上写真
    測量用カメラ。
  4. 【請求項4】 前記レンズ平行移動量が、前記撮像面上
    における前記撮像中心からの移動量で表されることを特
    徴とする請求項1に記載の地上写真測量用カメラ。
  5. 【請求項5】 前記レンズ平行移動量が所定量毎に設定
    可能であることを特徴とする請求項1に記載の地上写真
    測量用カメラ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の地上写真測量カメラに
    より第1および第2の方向から撮影され、それぞれ記録
    媒体に記録された第1および第2の画像ファイルを前記
    記録媒体からそれぞれ読込む読込手段と、 読込手段により得られた第1および第2の画像ファイル
    の第1および第2の撮像データから、それぞれ第1およ
    び第2の画像として表示する表示手段と、 第1および第2の画像における前記被写体上の物点の第
    1および第2の2次元座標値をそれぞれ求める2次元座
    標値算出手段と、 前記第1および第2の像点の2次元座標値と、撮影時に
    おける第1および第2のレンズ光軸傾斜量と第1および
    第2のレンズ平行移動量とに基づいて、前記物点の3次
    元座標値を求める3次元座標値算出手段とを備えること
    を特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記3次元座標値算出手段が、 初期値が与えられた物点の3次元座標値を、光軸が撮像
    面の中心を垂直に通ることを条件に、2次元座標値であ
    る第1および第2のスクリーン座標値に変換する変換手
    段と、 前記第1および第2のスクリーン座標値に前記シフト量
    と前記レンズの歪み量とに基づいた第1の補正を施し
    て、第1および第2の補正2次元座標値を求める第1の
    補正手段と、 第1および第2の補正2次元座標値に前記シフト量と前
    記チルト量とに基づいた第2の補正を施して、第3およ
    び第4の補正2次元座標値を求める第2の補正手段と、 前記第3および第4の補正2次元座標値と、前記第1お
    よび第2の画像から得られた前記物点の前記第1および
    第2の2次元座標値との差がそれぞれ最小になるよう
    に、最小二乗法を用いて前記物点の前記3次元座標値の
    初期値を更新する3次元座標値更新手段と、 前記3次元座標値更新手段により得られた4点以上の物
    点の第2の補正座標値を、同一平面上にあるという拘束
    条件により補正する第3の補正手段とを備えることを特
    徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の地上写真測量カメラを
    用いて、被写体が第1および第2の方向から第1および
    第2の撮影が行われ、 請求項6に記載の画像処理装置を用いて、前記第1およ
    び第2の撮影により得られた第1および第2の画像にお
    ける前記被写体上の物点の第1および第2の2次元座標
    値と、第1および第2の撮影における第1および第2の
    レンズ光軸傾斜量と第1および第2のレンズ平行移動量
    とに基づいて、前記物点の3次元座標が求められること
    を特徴とする写真測量方法。
JP10096589A 1998-03-25 1998-03-25 地上写真測量用カメラおよび画像処理装置およびこの地上写真測量用カメラと画像処理装置とを用いた写真測量方法 Pending JPH11271053A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10096589A JPH11271053A (ja) 1998-03-25 1998-03-25 地上写真測量用カメラおよび画像処理装置およびこの地上写真測量用カメラと画像処理装置とを用いた写真測量方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10096589A JPH11271053A (ja) 1998-03-25 1998-03-25 地上写真測量用カメラおよび画像処理装置およびこの地上写真測量用カメラと画像処理装置とを用いた写真測量方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11271053A true JPH11271053A (ja) 1999-10-05

Family

ID=14169117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10096589A Pending JPH11271053A (ja) 1998-03-25 1998-03-25 地上写真測量用カメラおよび画像処理装置およびこの地上写真測量用カメラと画像処理装置とを用いた写真測量方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11271053A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004068073A1 (ja) * 2003-01-30 2004-08-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 測距光学装置、測距方法および測距情報表示装置
US7479982B2 (en) 2002-07-03 2009-01-20 Topcon Corporation Device and method of measuring data for calibration, program for measuring data for calibration, program recording medium readable with computer, and image data processing device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7479982B2 (en) 2002-07-03 2009-01-20 Topcon Corporation Device and method of measuring data for calibration, program for measuring data for calibration, program recording medium readable with computer, and image data processing device
WO2004068073A1 (ja) * 2003-01-30 2004-08-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 測距光学装置、測距方法および測距情報表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7715644B2 (en) Image calibration method, image calibration processing device, and image calibration processing terminal
JP3426459B2 (ja) 写真測量システムおよび写真測量方法
JP4307934B2 (ja) 画像補正機能付撮影装置及び方法、並びに撮影装置及び方法
JP4540322B2 (ja) 画像間対応点検出装置および画像間対応点検出方法
US7503123B2 (en) Surveying apparatus
JP2004037270A (ja) キャリブレーション用データ測定装置、測定方法及び測定プログラム、並びにコンピュータ読取可能な記録媒体、画像データ処理装置
JP3766518B2 (ja) センサ内蔵カメラ
CA2233806C (en) Camera/lens calibration apparatus and method
JPH11118425A (ja) キャリブレーション方法及び装置、並びにキャリブレーション用データ生成方法
JP4138145B2 (ja) 画像形成装置
KR20190143202A (ko) 3차원 모델링용 촬영장치 및 촬영방법
JP3842988B2 (ja) 両眼立体視によって物体の3次元情報を計測する画像処理装置およびその方法又は計測のプログラムを記録した記録媒体
JP3417776B2 (ja) 写真測量用ターゲットおよびこの写真測量用ターゲットを用いた写真測量
JP3758830B2 (ja) 画像選択装置およびこの画像選択装置を備えたカメラ
JP2000205821A (ja) 三次元形状計測装置及びその三次元形状計測方法
JPH11271053A (ja) 地上写真測量用カメラおよび画像処理装置およびこの地上写真測量用カメラと画像処理装置とを用いた写真測量方法
JP4359084B2 (ja) 測量システム
JP2002010297A (ja) ステレオ画像撮影システム
JP3924576B2 (ja) 写真測量による3次元計測方法及び装置
JP2004117186A (ja) 3次元形状測定装置
JP3793343B2 (ja) 写真測量用カメラ
JP2000131065A (ja) 写真測量用ターゲット
JP2004020398A (ja) 空間情報獲得方法、空間情報獲得装置、空間情報獲得プログラム、及びそれを記録した記録媒体
JP2002039753A (ja) 写真計測用写真撮影位置の決定方法
JP2004085538A (ja) 測量システム