JP2004036736A - 車両用自動変速機の作動流体供給装置 - Google Patents
車両用自動変速機の作動流体供給装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004036736A JP2004036736A JP2002193920A JP2002193920A JP2004036736A JP 2004036736 A JP2004036736 A JP 2004036736A JP 2002193920 A JP2002193920 A JP 2002193920A JP 2002193920 A JP2002193920 A JP 2002193920A JP 2004036736 A JP2004036736 A JP 2004036736A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pump
- automatic transmission
- working fluid
- vehicle
- supply
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
【課題】車両の燃費を十分に向上させることができる車両用自動変速機の作動流体供給装置を提供する。
【解決手段】作動流体圧不足判定手段124により自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されると、ポンプ制御手段122により車両のエンジン10とは異なる電動モータ76により駆動される電気式オイルポンプ78が作動させられる。このとき、上記作動流体圧不足判定手段124では、車両のエンジン回転速度NE が予め設定された判定値NEAよりも低い低回転速度であり且つ自動変速機16の変速中であることに基づいてその自動変速機16の作動油量が不足する不足状態であると判定されることから、電気式オイルポンプ78からの作動油量の供給が必要であるときだけ電動モータ76により電気式オイルポンプ78が作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【選択図】 図8
【解決手段】作動流体圧不足判定手段124により自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されると、ポンプ制御手段122により車両のエンジン10とは異なる電動モータ76により駆動される電気式オイルポンプ78が作動させられる。このとき、上記作動流体圧不足判定手段124では、車両のエンジン回転速度NE が予め設定された判定値NEAよりも低い低回転速度であり且つ自動変速機16の変速中であることに基づいてその自動変速機16の作動油量が不足する不足状態であると判定されることから、電気式オイルポンプ78からの作動油量の供給が必要であるときだけ電動モータ76により電気式オイルポンプ78が作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1駆動源により回転駆動される第1ポンプの他に、その第1駆動源とは異なる第2駆動源により駆動される第2ポンプを備えた車両用自動変速機の作動流体供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、車両用自動変速機の一種に、エンジンによって回転駆動される機械式オイルポンプの他に、電気的に駆動される電動式オイルポンプを備えたものがある。これによれば、エンジンの低回転時或いはエンジン停止時などにおいて機械式オイルポンプから出力される作動油量が不足すると、電動式オイルポンプから作動油圧が補充されるので、エンジンと共に駆動される機械式オイルポンプを可及的に小型、小容量のものとすることができるので、十分な容量の機械式オイルポンプを単独で設ける形式の自動変速機に比較して、エンジンの回転速度上昇と共に増加する機械的損失が低減され、燃費が向上させられる。たとえば特開2000−46166号公報に記載された車両用自動変速機の作動流体供給装置がそれである。これによれば、エンジン回転速度がアイドル回転であることが検出されると、電動式オイルポンプが作動させられ、その電動式オイルポンプから圧送される作動流体によって上記機械式オイルポンプによる不足分が補完される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の車両用自動変速機の作動流体供給装置では、電動式オイルポンプにおいて電気エネルギが消費されることから、エンジン回転速度のみでそのエンジンにより回転駆動される機械式オイルポンプの作動/停止が判断されると、車両の燃費の向上が必ずしも十分に得られなかった。たとえば、電動式オイルポンプを単に機械式オイルポンプから出力される作動油圧の低下を補完するように作動させただけでは、不要に電動式オイルポンプを駆動する場合があったのである。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両の燃費を十分に向上させることができる車両用自動変速機の作動流体供給装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、車両の第1駆動源により回転駆動されて自動変速機へ作動流体を供給する第1ポンプと、該車両の第1駆動源とは異なる第2駆動源により駆動されて該自動変速機に作動流体を供給する第2ポンプとを備え、該第1ポンプからの作動流体だけでは該自動変速機の作動流体流量が不足する不足状態であると判定されたときに該第2ポンプの作動を許可する自動変速機の作動流体供給装置であって、前記自動変速機の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定する作動流体圧不足判定手段を、含むことにある。
【0006】
【発明の効果】
このようにすれば、作動流体圧不足判定手段により前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると、車両の第1駆動源とは異なる第2駆動源により駆動される第2ポンプが作動させられる。このとき、その作動流体圧不足判定手段では、車両の第1駆動源が所定値よりも低い低回転速度であり且つ前記自動変速機の変速中であることに基づいて前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されることから、第2ポンプからの作動流体の供給が必要であるときだけ第2駆動源により第2ポンプが作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0007】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記作動流体圧不足判定手段は、前記車両の第1駆動源が所定値よりも低い低回転速度であり且つ前記自動変速機の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定するものである。このようにすれば、車両の第1駆動源が所定値よりも低い低回転速度であることを条件として、作動流体圧不足判定手段が自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定するので、その作動流体量の判定が一層正確となる。
【0008】
また、好適には、前記車両の走行ポジションを選択するために、前進走行ポジションおよび後進走行ポジションを含む複数のポジションのいずれかへ択一的に操作されるシフト操作装置が備えられ、前記作動流体圧不足判定手段は、そのシフト操作装置がそのシフトポジション変更のために操作されたことに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態を判定するものである。このようにすれば、シフト操作レバーが前進走行ポジションから後進走行ポジションへ操作された状態は作動流体の消費量が大きな状態であることから、作動流体圧不足判定手段はそのような作動流体の消費量が大きな状態であるときに作動流体不足状態を判定するので、第2ポンプからの作動流体の供給が必要であるときだけ第2駆動源により第2ポンプが作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0009】
また、好適には、前記第2ポンプによる作動流体供給開始時には、前記自動変速機の作動流体圧の不足を補うために設定された吐出量よりも多い吐出量となるように、その第2ポンプを過渡的に駆動する過渡駆動手段を、さらに含むものである。このようにすれば、過渡駆動手段により、第2ポンプによる作動流体供給開始時において自動変速機の作動流体圧の不足を補うために設定された吐出量よりも多い吐出量となるように、その第2ポンプが過渡的に駆動されるので、その第2ポンプによる作動流体の供給効果が速やかに得られ、作動流体の不足に起因する不都合の発生が防止される。
【0010】
また、好適には、(a) 前記第2ポンプの作動可能状態か否かを判定する第2ポンプ作動可否判定手段と、(b) その第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が可能な状態であると判定された場合は前記第2ポンプによる作動流体の供給作動を許可するが、該第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が不能な状態であると判定された場合は該第2ポンプによる作動流体の供給作動を禁止して、前記第1駆動源の回転速度を上昇させることにより前記自動変速機の作動流体圧の不足を補うようにする供給制御手段とを、さらに含むものである。このようにすれば、供給制御手段により、第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が可能な状態であると判定された場合は前記第2ポンプによる作動流体の供給作動が許可されるが、その第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が不能な状態であると判定された場合はその第2ポンプによる作動流体の供給作動が禁止される一方で、前記第1駆動源の回転速度が上昇させられることにより自動変速機の作動流体圧の不足が補われる。すなわち、第2ポンプの作動不可状態であっても自動変速機の作動流体圧の不足が補われる。
【0011】
また、好適には、還流した作動流体を貯留するための貯留タンクと前記第1ポンプとの間に設けられた第1供給油路と、その第1供給油路と前記第2ポンプとの間に設けられた第2供給油路と、その第2供給油路に設けられ、該第2ポンプからの作動流体を前記自動変速機の制御回路へ補給するために前記第1ポンプの作動状態に応じて開閉される開閉弁とを、含むものである。このようにすれば、前記開閉弁は、作動状態に応じて開閉され、たとえば第1ポンプから出力される作動流体圧が不足するときに開かれて、第2ポンプからの作動流体が補充される
【0012】
また、好適には、前記第2ポンプは、前記開閉弁と共に自動変速機の油圧制御回路の少なくとも一部を構成するバルブボデーの一部を構成して着脱可能に装着される部分ボデー部材に設けられ、その部分ボデー部材と共にユニット型作動流体圧供給装置を構成するものである。このようにすれば、一層構造が簡単となることから、部品点数および組み立て工数が少なくなるので、車両用自動変速機が低コストとなる。
【0013】
また、好適には、上記ユニット型作動流体圧供給装置は、前記バルブボデーの後端部に装着されるものである。このようにすれば、設計変更をそれほど要せず、従来の油圧制御回路の仕様がそのまま活用できる利点がある。
【0014】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例の制御装置が適用された車両用動力伝達装置の構成を説明する図であり、図2はそれに含まれる自動変速機14の構成を説明する骨子図である。図1および図2において、第1動力源としてのエンジン10の出力は、クラッチ12、トルクコンバータ14を有する自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
【0016】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速機32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速機34とを備えている。第1変速機32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0017】
第2変速機34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0018】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0019】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0020】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図3に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換えられる。図3において「○」は係合状態を表し、空欄は解放状態を表し、「◎」はエンジンブレーキのときの係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。この図3から明らかなように、第2変速段(2nd)から第3変速段(3rd)へのアップシフトでは、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を係合させるクラッチツークラッチ変速が行われ、ブレーキB3の解放過程で係合トルクを持たせる期間とブレーキB2の係合過程で係合トルクを持たせる期間とがオーバラップして設けられる。それ以外の変速は、1つのクラッチまたはブレーキの係合或いは解放作動だけで行われるようになっている。上記クラッチおよびブレーキは何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0021】
前記エンジン10は、必要に応じて過給機を備える内燃機関であり、たとえば燃料消費を減少させるために、燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時においては空燃比A/Fが理論空燃比よりも高い燃焼である希薄燃焼が行われるリーンバーンエンジンが用いられる。また、このエンジン10は、必要に応じて、たとえば3気筒ずつから構成される左右1対のバンクは単独で或いは同時に作動させられて、作動気筒数の変更が可能とされたり、或いは必要に応じて運転サイクル数が変更されたりする。
【0022】
また、図1に示すように、前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動オイルポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。また、エンジン10には第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する図示しない燃料電池および二次電池と、それらから第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池へ供給される電流を制御するための切換スイッチとが設けられている。この切換スイッチは、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、たとえばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0023】
図4は、上記油圧制御回路66の要部を説明する図である。この図4において、エンジン10に機械的に連結されてそれにより直接回転駆動される機械式オイルポンプ70は、共用のストレーナ72を有する第1吸入管LIN1 を介して、オイルタンクとして機能するオイルパン74内に還流した作動油を吸入してライン油路L1へ圧送する。また、電動モータ76に連結されてそれにより回転駆動される電気式オイルポンプ78は、上記第1吸入管LIN1 から分岐する第2吸入管LIN2 を介して、オイルパン74内に還流した作動油を吸入してライン油路L1へ圧送する。上記第1吸入管LIN1 と第2吸入管LIN2 との間には、流通許可方向が第1吸入管LIN1 へ向かう方向であり且つ流通阻止方向が第2吸入管LIN2 へ向かう方向である一方向弁すなわちチェック弁79が設けられている。上記ライン油路L1内のライン油圧PL1は、ライン圧制御用電磁弁MVL1からの油圧信号に従って調圧するライン圧調圧弁80により、入力トルクTINに応じた大きさに調圧される。たとえば、このライン油圧PL1は、第1クラッチC1、第2クラッチC2などの油圧式摩擦係合装置の油圧源であるので、その油圧式摩擦係合装置の滑りが発生しない範囲で可及的に低い圧に調圧される。
【0024】
上記ライン油圧PL1が供給されるマニュアル弁82は、シフト操作装置として機能するシフト操作レバー83に機械的に連結されることによりその操作位置たとえばP位置、R位置、N位置、D位置、S位置、L位置に連動して切換位置が変化させられるものであり、その切換位置に対応するポートからライン油圧PL1が出力される。シフト操作レバー83が前進走行ポジション(レンジ)すなわちD位置、S位置、L位置へ操作されている場合は、第1クラッチC1および第2クラッチC2などへ向かってライン油圧PL1が出力される。前進走行中には、第4速および第5速時に第2クラッチC2にライン油圧PL1が供給されるように、第2クラッチC2は図示しないシフト弁を介してマニュアル弁82に連結されている。また、第1クラッチC1とマニュアル弁82との間には、エンジン10の停止状態からの自動復帰に際してより速やかに発進を行うための油路が設けられている。すなわち、ファーストアプライ(速やかな供給)時には、第1クラッチC1には大オリフィス84と電磁弁86により開閉制御される切換弁88を経由してライン油圧PL1がマニュアル弁82から供給されるが、非ファーストアプライ(通常の供給)時には、第1クラッチC1には大オリフィス84と小オリフィス90とを経由してライン油圧PL1がマニュアル弁82から供給される。上記小オリフィス90と並列に設けられたチェック弁92は、第1クラッチC1にライン油圧PL1が供給されるときは閉じられるが、第1クラッチC1から作動油が排出されるときには開かれることにより、第1クラッチC1が速やかに解放される。上記第1クラッチC1に接続されたC1アキュムレータ94およびその接続路に設けられたオリフィス96は、通常のN→Dシフト時において第1クラッチC1を滑らかに係合させるためのものである。発進を一層早くするために、上記切換弁88を解放させたファーストアプライ以外に、ライン圧調圧弁80により調圧されるライン油圧PL1が高くなるようにライン圧制御用電磁弁MVL1を制御してもよい。
【0025】
本油圧制御回路66では、ライン油圧PL1が不足する場合、たとえばエンジン10の始動復帰時のような低回転速度たとえばアイドル回転であって、作動油消費量が比較的大きい場合たとえば前進走行レンジから後進走行レンジへシフト操作レバー83が操作された場合のように、たとえばクラッチC2、ブレーキB0、ブレーキB4の3つの油圧式摩擦係合装置へ作動油が送られることにより、ライン油圧PL1が所定値よりも低くなった場合や、機械式オイルポンプ70の出力圧(ライン油圧PL1)が電気式オイルポンプ78の出力圧よりも低くなった場合には、機械式オイルポンプ70と並列に設けられた電気式オイルポンプ78からライン油路L1へ作動油が供給されるようになっている。すなわち、単一の切換弁98は、ライン油圧PL1に基づく閉弁方向の推力とスプリング104の付勢力に基づく開弁方向の推力との推力差に基づいて移動させられる図示しない弁子を備え、スプリング104の付勢力よりも上記ライン油圧PL1に基づく推力が高い場合には、第2吸入管LIN2 と電気式オイルポンプ78の吸入ポート100との間、およびライン油路L1と電気式オイルポンプ78の吐出ポート102との間をそれぞれ遮断するが、スプリング104の付勢力が上記ライン油圧PL1に基づく推力よりも高くなると、第2吸入管LIN2 と電気式オイルポンプ78の吸入ポート100との間、およびライン油路L1と電気式オイルポンプ78の吐出ポート102との間をそれぞれ開いて、電気式オイルポンプ78から吐出された作動油がライン油路L1へ供給されるようにする。図4は、切換弁98が閉じられた状態、すなわち電気式オイルポンプ78が作動油をライン油路L1へ供給していない状態を示している。
【0026】
図5に示すように、前記自動変速機16の下部に固定されたオイルパン74内の油密な空間内において、上記油圧制御回路66を形成するバルブボデー106が自動変速機16に固定されている。このバルブボデー106は、自動変速機16に固定された厚圧板状のアッパーボデー108と、そのアッパーボデー108の下面に密着状態で固定された厚圧板状のローワボデー110と、そのローワボデー110に隣接してアッパーボデー108の下面に密着状態で固定された電気式オイルポンプユニット112とから構成され、前記ライン圧調圧弁80、マニュアル弁82、切換弁88の弁子を摺動可能に収納するボアや、前記ライン油路L1をはじめとしてそれらの弁を接続する油路を構成する溝を備えている。
【0027】
図6の平面図にも示すように、上記電気式オイルポンプユニット112は、上記ローワボデー110と同様の厚圧板状の本体114とその本体114の側面に固定された電動モータ76とを備えてモジュール化されることにより補助油圧供給装置を構成しており、その本体114の内部には、図6の1点鎖線で囲まれた油圧回路、すなわち、電動モータ76により回転駆動される電気式オイルポンプ78、チェック弁79、切換弁98、それらを接続する油路などが設けられている。この電気式オイルポンプユニット112は、バルブボデー106の後端部に位置するように、アッパーボデー108の車両後方側に図示しないボルトを用いて着脱可能に固定されている。
【0028】
図7は、電子制御装置116に入力される信号およびその電子制御装置116から出力される信号を例示している。たとえば、電子制御装置116には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度θACC を表すアクセル開度信号、スロットル弁の開度θTHを表すスロットル開度信号、自動変速機16の出力軸46の回転速度NOUT すなわち車速Vに対応する車速信号、エンジン回転速度NE を表す信号、タービン回転速度NT を表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフト操作レバーの操作位置SH を表す信号、変速機16の作動油温度すなわちAT油温TOIL などが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置116からは、アクセル開度θACC に応じた大きさのスロットル開度θTHとするためのスロットルアクチュエータを駆動する信号、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号S1、S2、S3、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を制御するリニヤソレノイド弁SLU を駆動するための指令信号DSLU 、スロットル弁の開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるリニヤソレノイド弁SLT を駆動するための指令信号DSLT 、アキュム背圧を制御するためのリニヤソレノイド弁SLN を駆動する指令値信号DSLN 、電動モータ76の駆動信号などをそれぞれ出力させる。
【0029】
上記電子制御装置116は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行する制御、空燃比制御、ライン油圧PL1の不足を補うための電気式オイルポンプ78の作動を制御するオイルポンプ制御、制動停止時にはエンジン10を自動停止させるとともに前進走行レンジに拘わらず第1(前進)クラッチC1を解放して自動変速機16をニュートラル状態とし、再発進に際してブレーキペダル解放操作によりエンジン10の作動を復帰させるとともに第1クラッチC1を係合させるエコラン制御、ファーストアプライ制御などを実行する。
【0030】
図8は、上記電子制御装置116の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。エコラン制御手段118は、車両の燃費を良くするために、車両の制動停止時においてエンジン10を自動停止させ且つシフト操作レバー83が前進走行ポジションへ操作されているにも拘わらず第1(前進)クラッチC1を解放することにより自動変速機16をニュートラル状態とする一方で、車両の再発進時においてブレーキペダルの解放操作が行われると、たとえば図10に示すように、エンジン10を再始動させその作動を復帰させ、且つ第1クラッチC1を係合させて再発進を行わせる。すなわち、ブレーキペダルの解放操作に関連してエンジン復帰指令が出力されると、エンジン回転速度NE が上昇し、それに伴ってエンジン10に連結された機械式オイルポンプ70の回転速度が上昇してそれから出力される油圧が上昇する。エンジン回転速度NE はアイドル回転速度よりも所定値高く設定された目標値NETGTに向かって上昇してその目標値NETGTに維持されると同時に、前進動力伝達経路を成立させるための第1クラッチC1の係合圧PC1が上昇させられる。ファーストアプライ制御手段120は、上記車両の再発進のための操作に関連してエンジン回転速度NE が所定値NE1を超えると、ファーストアプライ区間において、電磁弁86により切換弁88を解放させ、第1クラッチC1を速やかに係合させる。
【0031】
ポンプ制御手段122は、エンジン回転速度NE が所定値よりも低下してたとえばアイドル回転となっており、且つ自動変速機16の変速中であるために急激に作動油が消費される場合のように、第1ライン油路L1が不足する場合には、電動モータ76により電気式オイルポンプ78を作動させ、その電気式オイルポンプ78から出力される作動油を切換弁98を介して第1ライン油路L1へ供給し、機械式オイルポンプ70の出力圧を補完する。たとえば、ブレーキB4の容量が大きいので、そのブレーキB4を係合させる変速中、特に、シフト操作レバー83がたとえばDポジションなどの前進走行ポジションから後進走行ポジションへ操作されて3つの油圧式摩擦係合装置(C2、B0、B4)が同時に係合させられる場合に、上記第1ライン油路L1が不足する状態が顕著となる。
【0032】
上記ポンプ制御手段122は、第1駆動源として機能するエンジン10の回転速度NE がたとえば700rpm程度に設定された判定値NEAよりも低い低回転速度たとえばアイドル回転速度であり、且つ自動変速機10の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定する作動流体圧不足判定手段124と、第2ポンプとして機能する電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であるか否かを、その機械的フェイル、電気的フェイル、或いは二次電池の充電残量および燃料電池の作動可否に基づいて判定する第2ポンプ作動可否判定手段126と、その第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78による作動油の供給作動を許可するが、第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が不能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78のによる作動油の供給作動を禁止して、エンジン10の回転速度を上昇させることにより自動変速機16の作動流体圧の不足を補うようにする供給制御手段128と、その電気式オイルポンプ78による作動油供給開始時には、図10に示すように、自動変速機16の作動油圧の不足を補うためにそれに応じて設定された吐出量よりも多い吐出量となるようにその電気式オイルポンプ78を過渡的に駆動する過渡駆動手段130とを備えている。
【0033】
図9は、前記電子制御装置116の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図9において、ステップ(以下、ステップを省略する)S1では、車両の走行状態を表すパラメータ、たとえば種々のセンサにより検出され或いは検出された信号に基づいて算出されたパラメータが読み込まれる。次いで、前記第2ポンプ作動可否判定手段126に対応するS2において、電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であるか否かが判断される。このS2の判断が否定される場合は電気式オイルポンプ78を作動させることができないので、必要に応じて、エンジン10の回転速度NE が高められることにより機械式オイルポンプ70だけで必要な作動油量が確保される。しかし、上記S2の判断が肯定される場合は、前記作動流体圧不足判定手段124に対応するS4およびS5が実行される。すなわち、S4においてエンジン回転速度NE が予め設定された判定値NEA以下となったか否かが判断され、このS4の判断が肯定される場合は、S5において作動油を大幅に消費する自動変速機16の変速中であるか否かたとえばシフト操作レバー83がDポジションからRポジションへ操作されたか否かが判断される。これらS4およびS5の判断のうちのいずれかが否定される場合は、前記供給制御手段128に対応するS6において、電気式オイルポンプ78の作動が停止される。しかし、上記S4およびS5の判断が共に肯定される場合たとえばガレージシフトのような場合は、前記供給制御手段128および過渡駆動手段130に対応するS7において、電気式オイルポンプ78が作動させられる。このとき、電気式オイルポンプ78の作動が開始される場合には、図10に示すように、その電気式オイルポンプ78による作動油供給開始期間において、自動変速機16の作動油圧の不足を補うためにそれに対応して設定された吐出量よりも多い吐出量となるようにその電気式オイルポンプ78が過渡的に駆動される。このS7におけるの過渡的な吐出量の増量は、粘性が低くなるほど油路からの漏れる作動油或いは潤滑油が多くなるため、作動油温度が高いほど多くなるように電気式オイルポンプ78が駆動される。図10において、作動油温度TOIL1は作動油温度TOIL2よりも低い値である。
【0034】
上述のように、本実施例によれば、作動流体圧不足判定手段124(S4、S5)により、自動変速機16の変速中であることに基づいて自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されると、ポンプ制御手段122により車両のエンジン(第1駆動源)10とは異なる電動モータ(第2駆動源)76により駆動される電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78が作動させられるので、電気式オイルポンプ78からの作動流体の供給が必要であるときだけ電動モータ76により電気式オイルポンプ78が作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0035】
また、本実施例によれば、上記作動流体圧不足判定手段124では、車両のエンジン回転速度NE が予め設定された判定値NEAよりも低い低回転速度であり且つ自動変速機16の変速中であることに基づいてその自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されることから、車両のエンジン10が所定値よりも低い低回転速度であることを条件として、作動流体圧不足判定手段124が自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定するので、その作動流体量の判定が一層正確となる。
【0036】
また、本実施例によれば、車両の走行ポジションを選択するために、前進走行ポジションおよび後進走行ポジションを含む複数のポジションのいずれかへ択一的に操作されるシフト操作レバー83が備えられ、作動流体圧不足判定手段124は、そのシフト操作レバー83が前進走行ポジションから後進走行ポジションへ操作されたことに基づいて、自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態を判定するものである。シフト操作レバー83がD、S、Lなどの前進走行ポジションから後進走行(R)ポジションへ操作された状態は作動油の消費量が大きな状態であることから、上記作動流体圧不足判定手段124はそのような作動流体の消費量が大きな状態であるときに作動油不足状態を判定するので、電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78からの作動油の供給が必要であるときだけ第2駆動源により第2ポンプが作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0037】
また、本実施例によれば、電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78による作動油供給開始時には、自動変速機16の作動油圧の不足を補うためにそれに応じて設定される吐出量よりも多い吐出量となるように、その電気式オイルポンプ78を過渡的に駆動する過渡駆動手段130(S7)を、さらに含むものであることから、その電気式オイルポンプ78による作動油の供給効果が速やかに得られ、作動流体の不足に起因する不都合の発生が防止される。
【0038】
また、本実施例によれば、(a) 電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78の作動可能状態か否かを判定する第2ポンプ作動可否判定手段126(S2)と、(b) その第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78による作動油の供給作動を許可するが、その第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が不能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78による作動油供給作動を禁止して、エンジン10の回転速度NE を上昇させることにより自動変速機16の作動油圧の不足を補うようにする供給制御手段128(S3、S7)とを、さらに含むものであることから、電気式オイルポンプ78の作動不可状態であっても自動変速機16の作動油圧の不足が補われる。
【0039】
また、本実施例によれば、電気式オイルポンプ78からの作動油を自動変速機16の油圧制御回路へ補給するために、機械式オイルポンプ(第1ポンプ)70の作動状態に応じて電気式オイルポンプ78の吸入ポートおよび吐出ポートを開閉する切換弁(開閉弁)98が設けられることから、その切換弁98は、機械式オイルポンプ70の作動状態に応じて開閉され、たとえば機械式オイルポンプ70から出力される作動油圧が不足するときに開かれて、電気式オイルポンプ78からの作動油が補充される
【0040】
また、本実施例によれば、電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78は、切換弁(開閉弁)98と共に自動変速機16の油圧制御回路の少なくとも一部を構成するバルブボデー106の一部を構成して着脱可能に装着される本体(部分ボデー部材)114に設けられ、その本体114と共にユニット型作動流体圧供給装置112を構成するものであることから、一層構造が簡単となることから、部品点数および組み立て工数が少なくなるので、車両用自動変速機が低コストとなる。
【0041】
また、本実施例によれば、上記ユニット型作動流体圧供給装置112は、バルブボデー106の後端部に装着されるものであるので、設計変更をそれほど要せず、従来の油圧制御回路の仕様がそのまま活用できる利点がある。
【0042】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0043】
たとえば、前述の各実施例において、電気式オイルポンプ78は、電動モータ76により回転駆動されるものであったが、モータジェネレータMG1やMG2など他の形式の駆動源により駆動されるものであってもよい。また、電磁アクチュエータなどにより往復駆動される形式のものであってもよい。
【0044】
また、上記自動変速機16に替えて、手動操作に応答して油圧アクチュエータにより変速段が切り換えられる変速機、有効径が可変な一対の可変プーリに伝動ベルトが巻き掛けられたベルト式無段変速機、或いは一対のコーン(回転体)間に回転軸心が回動させられるローラが介在させられたトラクション式の無段変速機などが設けられていても差し支えない。
【0045】
また、前述の実施例において、車両の駆動源として用いられるエンジン10は、たとえばディーゼル燃料で作動させられるエンジンや、2サイクルと4サイクルとの間に切換られるものであってもよいし、吸気管に排気タービン式過給機が設けられていてもよい。
【0046】
また、前述の図9のS5では、シフト操作レバー83がDポジションからRポジションへ操作されたか否かが判定されていたが、Sポジション或いはLポジションからRポジションへ操作されたか否かが判定されていてもよいし、或いは、変速制御装置からの信号に基づいて変速中であるか否かが判断されてもよい。
【0047】
また、前述の作動流体圧不足判定手段124では、エンジン回転速度NE が判定値NEA以下となり且つたとえばD→R操作が行われたことに基づいて不足状態が判定されていたが、その判定条件に、作動油温度TOIL が予め設置された油温判定値以上であるという条件が加えられてもよい。この油温判定値は、エンジンエンジン回転速度時における変速中に作動油不足を発生する温度の最低値に基づいて設定される。
【0048】
その他、一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の自動変速機を含む車両用駆動装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の実施例の車両用自動変速機の構成を説明する骨子図である。
【図3】図1および図2の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関係を示す図表である。
【図4】図1の自動変速機に設けられた油圧制御回路の要部を説明する図である。
【図5】図4の油圧制御回路が内部に設けられたバルブボデーを説明する図である。
【図6】図4の油圧制御回路に含まれる電気式オイルポンプユニットを示す平面図である。
【図7】図1の自動変速機などを制御するための電子制御装置の入出力信号を説明する図である。
【図8】図7の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図9】図7の電子制御装置の制御作動を説明するフローチャートである。
【図10】図8の過渡駆動手段による電気式オイルポンプの作動開始時の吐出量の変化を示す図である。
【符号の説明】
10:エンジン(第1駆動源)
16:自動変速機
66:油圧制御回路
70:機械式オイルポンプ(第1ポンプ)
74:オイルパン(貯留タンク)
76:電動モータ(第2駆動源)
78:電気式オイルポンプ(第2ポンプ)
83:シフト操作レバー(シフト操作装置)
98:切換弁(開閉弁)
116:電子制御装置
124:作動流体圧不足判定手段
126:第2ポンプ作動可否判定手段
128:供給制御手段
130:過渡駆動手段
LIN1 :第1供給油路
LIN2 :第2供給油路
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1駆動源により回転駆動される第1ポンプの他に、その第1駆動源とは異なる第2駆動源により駆動される第2ポンプを備えた車両用自動変速機の作動流体供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、車両用自動変速機の一種に、エンジンによって回転駆動される機械式オイルポンプの他に、電気的に駆動される電動式オイルポンプを備えたものがある。これによれば、エンジンの低回転時或いはエンジン停止時などにおいて機械式オイルポンプから出力される作動油量が不足すると、電動式オイルポンプから作動油圧が補充されるので、エンジンと共に駆動される機械式オイルポンプを可及的に小型、小容量のものとすることができるので、十分な容量の機械式オイルポンプを単独で設ける形式の自動変速機に比較して、エンジンの回転速度上昇と共に増加する機械的損失が低減され、燃費が向上させられる。たとえば特開2000−46166号公報に記載された車両用自動変速機の作動流体供給装置がそれである。これによれば、エンジン回転速度がアイドル回転であることが検出されると、電動式オイルポンプが作動させられ、その電動式オイルポンプから圧送される作動流体によって上記機械式オイルポンプによる不足分が補完される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の車両用自動変速機の作動流体供給装置では、電動式オイルポンプにおいて電気エネルギが消費されることから、エンジン回転速度のみでそのエンジンにより回転駆動される機械式オイルポンプの作動/停止が判断されると、車両の燃費の向上が必ずしも十分に得られなかった。たとえば、電動式オイルポンプを単に機械式オイルポンプから出力される作動油圧の低下を補完するように作動させただけでは、不要に電動式オイルポンプを駆動する場合があったのである。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両の燃費を十分に向上させることができる車両用自動変速機の作動流体供給装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、車両の第1駆動源により回転駆動されて自動変速機へ作動流体を供給する第1ポンプと、該車両の第1駆動源とは異なる第2駆動源により駆動されて該自動変速機に作動流体を供給する第2ポンプとを備え、該第1ポンプからの作動流体だけでは該自動変速機の作動流体流量が不足する不足状態であると判定されたときに該第2ポンプの作動を許可する自動変速機の作動流体供給装置であって、前記自動変速機の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定する作動流体圧不足判定手段を、含むことにある。
【0006】
【発明の効果】
このようにすれば、作動流体圧不足判定手段により前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると、車両の第1駆動源とは異なる第2駆動源により駆動される第2ポンプが作動させられる。このとき、その作動流体圧不足判定手段では、車両の第1駆動源が所定値よりも低い低回転速度であり且つ前記自動変速機の変速中であることに基づいて前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されることから、第2ポンプからの作動流体の供給が必要であるときだけ第2駆動源により第2ポンプが作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0007】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記作動流体圧不足判定手段は、前記車両の第1駆動源が所定値よりも低い低回転速度であり且つ前記自動変速機の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定するものである。このようにすれば、車両の第1駆動源が所定値よりも低い低回転速度であることを条件として、作動流体圧不足判定手段が自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定するので、その作動流体量の判定が一層正確となる。
【0008】
また、好適には、前記車両の走行ポジションを選択するために、前進走行ポジションおよび後進走行ポジションを含む複数のポジションのいずれかへ択一的に操作されるシフト操作装置が備えられ、前記作動流体圧不足判定手段は、そのシフト操作装置がそのシフトポジション変更のために操作されたことに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態を判定するものである。このようにすれば、シフト操作レバーが前進走行ポジションから後進走行ポジションへ操作された状態は作動流体の消費量が大きな状態であることから、作動流体圧不足判定手段はそのような作動流体の消費量が大きな状態であるときに作動流体不足状態を判定するので、第2ポンプからの作動流体の供給が必要であるときだけ第2駆動源により第2ポンプが作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0009】
また、好適には、前記第2ポンプによる作動流体供給開始時には、前記自動変速機の作動流体圧の不足を補うために設定された吐出量よりも多い吐出量となるように、その第2ポンプを過渡的に駆動する過渡駆動手段を、さらに含むものである。このようにすれば、過渡駆動手段により、第2ポンプによる作動流体供給開始時において自動変速機の作動流体圧の不足を補うために設定された吐出量よりも多い吐出量となるように、その第2ポンプが過渡的に駆動されるので、その第2ポンプによる作動流体の供給効果が速やかに得られ、作動流体の不足に起因する不都合の発生が防止される。
【0010】
また、好適には、(a) 前記第2ポンプの作動可能状態か否かを判定する第2ポンプ作動可否判定手段と、(b) その第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が可能な状態であると判定された場合は前記第2ポンプによる作動流体の供給作動を許可するが、該第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が不能な状態であると判定された場合は該第2ポンプによる作動流体の供給作動を禁止して、前記第1駆動源の回転速度を上昇させることにより前記自動変速機の作動流体圧の不足を補うようにする供給制御手段とを、さらに含むものである。このようにすれば、供給制御手段により、第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が可能な状態であると判定された場合は前記第2ポンプによる作動流体の供給作動が許可されるが、その第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が不能な状態であると判定された場合はその第2ポンプによる作動流体の供給作動が禁止される一方で、前記第1駆動源の回転速度が上昇させられることにより自動変速機の作動流体圧の不足が補われる。すなわち、第2ポンプの作動不可状態であっても自動変速機の作動流体圧の不足が補われる。
【0011】
また、好適には、還流した作動流体を貯留するための貯留タンクと前記第1ポンプとの間に設けられた第1供給油路と、その第1供給油路と前記第2ポンプとの間に設けられた第2供給油路と、その第2供給油路に設けられ、該第2ポンプからの作動流体を前記自動変速機の制御回路へ補給するために前記第1ポンプの作動状態に応じて開閉される開閉弁とを、含むものである。このようにすれば、前記開閉弁は、作動状態に応じて開閉され、たとえば第1ポンプから出力される作動流体圧が不足するときに開かれて、第2ポンプからの作動流体が補充される
【0012】
また、好適には、前記第2ポンプは、前記開閉弁と共に自動変速機の油圧制御回路の少なくとも一部を構成するバルブボデーの一部を構成して着脱可能に装着される部分ボデー部材に設けられ、その部分ボデー部材と共にユニット型作動流体圧供給装置を構成するものである。このようにすれば、一層構造が簡単となることから、部品点数および組み立て工数が少なくなるので、車両用自動変速機が低コストとなる。
【0013】
また、好適には、上記ユニット型作動流体圧供給装置は、前記バルブボデーの後端部に装着されるものである。このようにすれば、設計変更をそれほど要せず、従来の油圧制御回路の仕様がそのまま活用できる利点がある。
【0014】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例の制御装置が適用された車両用動力伝達装置の構成を説明する図であり、図2はそれに含まれる自動変速機14の構成を説明する骨子図である。図1および図2において、第1動力源としてのエンジン10の出力は、クラッチ12、トルクコンバータ14を有する自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
【0016】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速機32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速機34とを備えている。第1変速機32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0017】
第2変速機34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0018】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0019】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0020】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図3に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換えられる。図3において「○」は係合状態を表し、空欄は解放状態を表し、「◎」はエンジンブレーキのときの係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。この図3から明らかなように、第2変速段(2nd)から第3変速段(3rd)へのアップシフトでは、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を係合させるクラッチツークラッチ変速が行われ、ブレーキB3の解放過程で係合トルクを持たせる期間とブレーキB2の係合過程で係合トルクを持たせる期間とがオーバラップして設けられる。それ以外の変速は、1つのクラッチまたはブレーキの係合或いは解放作動だけで行われるようになっている。上記クラッチおよびブレーキは何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0021】
前記エンジン10は、必要に応じて過給機を備える内燃機関であり、たとえば燃料消費を減少させるために、燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時においては空燃比A/Fが理論空燃比よりも高い燃焼である希薄燃焼が行われるリーンバーンエンジンが用いられる。また、このエンジン10は、必要に応じて、たとえば3気筒ずつから構成される左右1対のバンクは単独で或いは同時に作動させられて、作動気筒数の変更が可能とされたり、或いは必要に応じて運転サイクル数が変更されたりする。
【0022】
また、図1に示すように、前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動オイルポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。また、エンジン10には第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する図示しない燃料電池および二次電池と、それらから第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池へ供給される電流を制御するための切換スイッチとが設けられている。この切換スイッチは、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、たとえばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0023】
図4は、上記油圧制御回路66の要部を説明する図である。この図4において、エンジン10に機械的に連結されてそれにより直接回転駆動される機械式オイルポンプ70は、共用のストレーナ72を有する第1吸入管LIN1 を介して、オイルタンクとして機能するオイルパン74内に還流した作動油を吸入してライン油路L1へ圧送する。また、電動モータ76に連結されてそれにより回転駆動される電気式オイルポンプ78は、上記第1吸入管LIN1 から分岐する第2吸入管LIN2 を介して、オイルパン74内に還流した作動油を吸入してライン油路L1へ圧送する。上記第1吸入管LIN1 と第2吸入管LIN2 との間には、流通許可方向が第1吸入管LIN1 へ向かう方向であり且つ流通阻止方向が第2吸入管LIN2 へ向かう方向である一方向弁すなわちチェック弁79が設けられている。上記ライン油路L1内のライン油圧PL1は、ライン圧制御用電磁弁MVL1からの油圧信号に従って調圧するライン圧調圧弁80により、入力トルクTINに応じた大きさに調圧される。たとえば、このライン油圧PL1は、第1クラッチC1、第2クラッチC2などの油圧式摩擦係合装置の油圧源であるので、その油圧式摩擦係合装置の滑りが発生しない範囲で可及的に低い圧に調圧される。
【0024】
上記ライン油圧PL1が供給されるマニュアル弁82は、シフト操作装置として機能するシフト操作レバー83に機械的に連結されることによりその操作位置たとえばP位置、R位置、N位置、D位置、S位置、L位置に連動して切換位置が変化させられるものであり、その切換位置に対応するポートからライン油圧PL1が出力される。シフト操作レバー83が前進走行ポジション(レンジ)すなわちD位置、S位置、L位置へ操作されている場合は、第1クラッチC1および第2クラッチC2などへ向かってライン油圧PL1が出力される。前進走行中には、第4速および第5速時に第2クラッチC2にライン油圧PL1が供給されるように、第2クラッチC2は図示しないシフト弁を介してマニュアル弁82に連結されている。また、第1クラッチC1とマニュアル弁82との間には、エンジン10の停止状態からの自動復帰に際してより速やかに発進を行うための油路が設けられている。すなわち、ファーストアプライ(速やかな供給)時には、第1クラッチC1には大オリフィス84と電磁弁86により開閉制御される切換弁88を経由してライン油圧PL1がマニュアル弁82から供給されるが、非ファーストアプライ(通常の供給)時には、第1クラッチC1には大オリフィス84と小オリフィス90とを経由してライン油圧PL1がマニュアル弁82から供給される。上記小オリフィス90と並列に設けられたチェック弁92は、第1クラッチC1にライン油圧PL1が供給されるときは閉じられるが、第1クラッチC1から作動油が排出されるときには開かれることにより、第1クラッチC1が速やかに解放される。上記第1クラッチC1に接続されたC1アキュムレータ94およびその接続路に設けられたオリフィス96は、通常のN→Dシフト時において第1クラッチC1を滑らかに係合させるためのものである。発進を一層早くするために、上記切換弁88を解放させたファーストアプライ以外に、ライン圧調圧弁80により調圧されるライン油圧PL1が高くなるようにライン圧制御用電磁弁MVL1を制御してもよい。
【0025】
本油圧制御回路66では、ライン油圧PL1が不足する場合、たとえばエンジン10の始動復帰時のような低回転速度たとえばアイドル回転であって、作動油消費量が比較的大きい場合たとえば前進走行レンジから後進走行レンジへシフト操作レバー83が操作された場合のように、たとえばクラッチC2、ブレーキB0、ブレーキB4の3つの油圧式摩擦係合装置へ作動油が送られることにより、ライン油圧PL1が所定値よりも低くなった場合や、機械式オイルポンプ70の出力圧(ライン油圧PL1)が電気式オイルポンプ78の出力圧よりも低くなった場合には、機械式オイルポンプ70と並列に設けられた電気式オイルポンプ78からライン油路L1へ作動油が供給されるようになっている。すなわち、単一の切換弁98は、ライン油圧PL1に基づく閉弁方向の推力とスプリング104の付勢力に基づく開弁方向の推力との推力差に基づいて移動させられる図示しない弁子を備え、スプリング104の付勢力よりも上記ライン油圧PL1に基づく推力が高い場合には、第2吸入管LIN2 と電気式オイルポンプ78の吸入ポート100との間、およびライン油路L1と電気式オイルポンプ78の吐出ポート102との間をそれぞれ遮断するが、スプリング104の付勢力が上記ライン油圧PL1に基づく推力よりも高くなると、第2吸入管LIN2 と電気式オイルポンプ78の吸入ポート100との間、およびライン油路L1と電気式オイルポンプ78の吐出ポート102との間をそれぞれ開いて、電気式オイルポンプ78から吐出された作動油がライン油路L1へ供給されるようにする。図4は、切換弁98が閉じられた状態、すなわち電気式オイルポンプ78が作動油をライン油路L1へ供給していない状態を示している。
【0026】
図5に示すように、前記自動変速機16の下部に固定されたオイルパン74内の油密な空間内において、上記油圧制御回路66を形成するバルブボデー106が自動変速機16に固定されている。このバルブボデー106は、自動変速機16に固定された厚圧板状のアッパーボデー108と、そのアッパーボデー108の下面に密着状態で固定された厚圧板状のローワボデー110と、そのローワボデー110に隣接してアッパーボデー108の下面に密着状態で固定された電気式オイルポンプユニット112とから構成され、前記ライン圧調圧弁80、マニュアル弁82、切換弁88の弁子を摺動可能に収納するボアや、前記ライン油路L1をはじめとしてそれらの弁を接続する油路を構成する溝を備えている。
【0027】
図6の平面図にも示すように、上記電気式オイルポンプユニット112は、上記ローワボデー110と同様の厚圧板状の本体114とその本体114の側面に固定された電動モータ76とを備えてモジュール化されることにより補助油圧供給装置を構成しており、その本体114の内部には、図6の1点鎖線で囲まれた油圧回路、すなわち、電動モータ76により回転駆動される電気式オイルポンプ78、チェック弁79、切換弁98、それらを接続する油路などが設けられている。この電気式オイルポンプユニット112は、バルブボデー106の後端部に位置するように、アッパーボデー108の車両後方側に図示しないボルトを用いて着脱可能に固定されている。
【0028】
図7は、電子制御装置116に入力される信号およびその電子制御装置116から出力される信号を例示している。たとえば、電子制御装置116には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度θACC を表すアクセル開度信号、スロットル弁の開度θTHを表すスロットル開度信号、自動変速機16の出力軸46の回転速度NOUT すなわち車速Vに対応する車速信号、エンジン回転速度NE を表す信号、タービン回転速度NT を表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフト操作レバーの操作位置SH を表す信号、変速機16の作動油温度すなわちAT油温TOIL などが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置116からは、アクセル開度θACC に応じた大きさのスロットル開度θTHとするためのスロットルアクチュエータを駆動する信号、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号S1、S2、S3、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を制御するリニヤソレノイド弁SLU を駆動するための指令信号DSLU 、スロットル弁の開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるリニヤソレノイド弁SLT を駆動するための指令信号DSLT 、アキュム背圧を制御するためのリニヤソレノイド弁SLN を駆動する指令値信号DSLN 、電動モータ76の駆動信号などをそれぞれ出力させる。
【0029】
上記電子制御装置116は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行する制御、空燃比制御、ライン油圧PL1の不足を補うための電気式オイルポンプ78の作動を制御するオイルポンプ制御、制動停止時にはエンジン10を自動停止させるとともに前進走行レンジに拘わらず第1(前進)クラッチC1を解放して自動変速機16をニュートラル状態とし、再発進に際してブレーキペダル解放操作によりエンジン10の作動を復帰させるとともに第1クラッチC1を係合させるエコラン制御、ファーストアプライ制御などを実行する。
【0030】
図8は、上記電子制御装置116の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。エコラン制御手段118は、車両の燃費を良くするために、車両の制動停止時においてエンジン10を自動停止させ且つシフト操作レバー83が前進走行ポジションへ操作されているにも拘わらず第1(前進)クラッチC1を解放することにより自動変速機16をニュートラル状態とする一方で、車両の再発進時においてブレーキペダルの解放操作が行われると、たとえば図10に示すように、エンジン10を再始動させその作動を復帰させ、且つ第1クラッチC1を係合させて再発進を行わせる。すなわち、ブレーキペダルの解放操作に関連してエンジン復帰指令が出力されると、エンジン回転速度NE が上昇し、それに伴ってエンジン10に連結された機械式オイルポンプ70の回転速度が上昇してそれから出力される油圧が上昇する。エンジン回転速度NE はアイドル回転速度よりも所定値高く設定された目標値NETGTに向かって上昇してその目標値NETGTに維持されると同時に、前進動力伝達経路を成立させるための第1クラッチC1の係合圧PC1が上昇させられる。ファーストアプライ制御手段120は、上記車両の再発進のための操作に関連してエンジン回転速度NE が所定値NE1を超えると、ファーストアプライ区間において、電磁弁86により切換弁88を解放させ、第1クラッチC1を速やかに係合させる。
【0031】
ポンプ制御手段122は、エンジン回転速度NE が所定値よりも低下してたとえばアイドル回転となっており、且つ自動変速機16の変速中であるために急激に作動油が消費される場合のように、第1ライン油路L1が不足する場合には、電動モータ76により電気式オイルポンプ78を作動させ、その電気式オイルポンプ78から出力される作動油を切換弁98を介して第1ライン油路L1へ供給し、機械式オイルポンプ70の出力圧を補完する。たとえば、ブレーキB4の容量が大きいので、そのブレーキB4を係合させる変速中、特に、シフト操作レバー83がたとえばDポジションなどの前進走行ポジションから後進走行ポジションへ操作されて3つの油圧式摩擦係合装置(C2、B0、B4)が同時に係合させられる場合に、上記第1ライン油路L1が不足する状態が顕著となる。
【0032】
上記ポンプ制御手段122は、第1駆動源として機能するエンジン10の回転速度NE がたとえば700rpm程度に設定された判定値NEAよりも低い低回転速度たとえばアイドル回転速度であり、且つ自動変速機10の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定する作動流体圧不足判定手段124と、第2ポンプとして機能する電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であるか否かを、その機械的フェイル、電気的フェイル、或いは二次電池の充電残量および燃料電池の作動可否に基づいて判定する第2ポンプ作動可否判定手段126と、その第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78による作動油の供給作動を許可するが、第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が不能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78のによる作動油の供給作動を禁止して、エンジン10の回転速度を上昇させることにより自動変速機16の作動流体圧の不足を補うようにする供給制御手段128と、その電気式オイルポンプ78による作動油供給開始時には、図10に示すように、自動変速機16の作動油圧の不足を補うためにそれに応じて設定された吐出量よりも多い吐出量となるようにその電気式オイルポンプ78を過渡的に駆動する過渡駆動手段130とを備えている。
【0033】
図9は、前記電子制御装置116の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図9において、ステップ(以下、ステップを省略する)S1では、車両の走行状態を表すパラメータ、たとえば種々のセンサにより検出され或いは検出された信号に基づいて算出されたパラメータが読み込まれる。次いで、前記第2ポンプ作動可否判定手段126に対応するS2において、電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であるか否かが判断される。このS2の判断が否定される場合は電気式オイルポンプ78を作動させることができないので、必要に応じて、エンジン10の回転速度NE が高められることにより機械式オイルポンプ70だけで必要な作動油量が確保される。しかし、上記S2の判断が肯定される場合は、前記作動流体圧不足判定手段124に対応するS4およびS5が実行される。すなわち、S4においてエンジン回転速度NE が予め設定された判定値NEA以下となったか否かが判断され、このS4の判断が肯定される場合は、S5において作動油を大幅に消費する自動変速機16の変速中であるか否かたとえばシフト操作レバー83がDポジションからRポジションへ操作されたか否かが判断される。これらS4およびS5の判断のうちのいずれかが否定される場合は、前記供給制御手段128に対応するS6において、電気式オイルポンプ78の作動が停止される。しかし、上記S4およびS5の判断が共に肯定される場合たとえばガレージシフトのような場合は、前記供給制御手段128および過渡駆動手段130に対応するS7において、電気式オイルポンプ78が作動させられる。このとき、電気式オイルポンプ78の作動が開始される場合には、図10に示すように、その電気式オイルポンプ78による作動油供給開始期間において、自動変速機16の作動油圧の不足を補うためにそれに対応して設定された吐出量よりも多い吐出量となるようにその電気式オイルポンプ78が過渡的に駆動される。このS7におけるの過渡的な吐出量の増量は、粘性が低くなるほど油路からの漏れる作動油或いは潤滑油が多くなるため、作動油温度が高いほど多くなるように電気式オイルポンプ78が駆動される。図10において、作動油温度TOIL1は作動油温度TOIL2よりも低い値である。
【0034】
上述のように、本実施例によれば、作動流体圧不足判定手段124(S4、S5)により、自動変速機16の変速中であることに基づいて自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されると、ポンプ制御手段122により車両のエンジン(第1駆動源)10とは異なる電動モータ(第2駆動源)76により駆動される電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78が作動させられるので、電気式オイルポンプ78からの作動流体の供給が必要であるときだけ電動モータ76により電気式オイルポンプ78が作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0035】
また、本実施例によれば、上記作動流体圧不足判定手段124では、車両のエンジン回転速度NE が予め設定された判定値NEAよりも低い低回転速度であり且つ自動変速機16の変速中であることに基づいてその自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定されることから、車両のエンジン10が所定値よりも低い低回転速度であることを条件として、作動流体圧不足判定手段124が自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態であると判定するので、その作動流体量の判定が一層正確となる。
【0036】
また、本実施例によれば、車両の走行ポジションを選択するために、前進走行ポジションおよび後進走行ポジションを含む複数のポジションのいずれかへ択一的に操作されるシフト操作レバー83が備えられ、作動流体圧不足判定手段124は、そのシフト操作レバー83が前進走行ポジションから後進走行ポジションへ操作されたことに基づいて、自動変速機16の作動流体圧が不足する不足状態を判定するものである。シフト操作レバー83がD、S、Lなどの前進走行ポジションから後進走行(R)ポジションへ操作された状態は作動油の消費量が大きな状態であることから、上記作動流体圧不足判定手段124はそのような作動流体の消費量が大きな状態であるときに作動油不足状態を判定するので、電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78からの作動油の供給が必要であるときだけ第2駆動源により第2ポンプが作動させられるので、車両の燃費が十分に向上させられる。
【0037】
また、本実施例によれば、電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78による作動油供給開始時には、自動変速機16の作動油圧の不足を補うためにそれに応じて設定される吐出量よりも多い吐出量となるように、その電気式オイルポンプ78を過渡的に駆動する過渡駆動手段130(S7)を、さらに含むものであることから、その電気式オイルポンプ78による作動油の供給効果が速やかに得られ、作動流体の不足に起因する不都合の発生が防止される。
【0038】
また、本実施例によれば、(a) 電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78の作動可能状態か否かを判定する第2ポンプ作動可否判定手段126(S2)と、(b) その第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が可能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78による作動油の供給作動を許可するが、その第2ポンプ作動可否判定手段126により電気式オイルポンプ78の作動が不能な状態であると判定された場合はその電気式オイルポンプ78による作動油供給作動を禁止して、エンジン10の回転速度NE を上昇させることにより自動変速機16の作動油圧の不足を補うようにする供給制御手段128(S3、S7)とを、さらに含むものであることから、電気式オイルポンプ78の作動不可状態であっても自動変速機16の作動油圧の不足が補われる。
【0039】
また、本実施例によれば、電気式オイルポンプ78からの作動油を自動変速機16の油圧制御回路へ補給するために、機械式オイルポンプ(第1ポンプ)70の作動状態に応じて電気式オイルポンプ78の吸入ポートおよび吐出ポートを開閉する切換弁(開閉弁)98が設けられることから、その切換弁98は、機械式オイルポンプ70の作動状態に応じて開閉され、たとえば機械式オイルポンプ70から出力される作動油圧が不足するときに開かれて、電気式オイルポンプ78からの作動油が補充される
【0040】
また、本実施例によれば、電気式オイルポンプ(第2ポンプ)78は、切換弁(開閉弁)98と共に自動変速機16の油圧制御回路の少なくとも一部を構成するバルブボデー106の一部を構成して着脱可能に装着される本体(部分ボデー部材)114に設けられ、その本体114と共にユニット型作動流体圧供給装置112を構成するものであることから、一層構造が簡単となることから、部品点数および組み立て工数が少なくなるので、車両用自動変速機が低コストとなる。
【0041】
また、本実施例によれば、上記ユニット型作動流体圧供給装置112は、バルブボデー106の後端部に装着されるものであるので、設計変更をそれほど要せず、従来の油圧制御回路の仕様がそのまま活用できる利点がある。
【0042】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0043】
たとえば、前述の各実施例において、電気式オイルポンプ78は、電動モータ76により回転駆動されるものであったが、モータジェネレータMG1やMG2など他の形式の駆動源により駆動されるものであってもよい。また、電磁アクチュエータなどにより往復駆動される形式のものであってもよい。
【0044】
また、上記自動変速機16に替えて、手動操作に応答して油圧アクチュエータにより変速段が切り換えられる変速機、有効径が可変な一対の可変プーリに伝動ベルトが巻き掛けられたベルト式無段変速機、或いは一対のコーン(回転体)間に回転軸心が回動させられるローラが介在させられたトラクション式の無段変速機などが設けられていても差し支えない。
【0045】
また、前述の実施例において、車両の駆動源として用いられるエンジン10は、たとえばディーゼル燃料で作動させられるエンジンや、2サイクルと4サイクルとの間に切換られるものであってもよいし、吸気管に排気タービン式過給機が設けられていてもよい。
【0046】
また、前述の図9のS5では、シフト操作レバー83がDポジションからRポジションへ操作されたか否かが判定されていたが、Sポジション或いはLポジションからRポジションへ操作されたか否かが判定されていてもよいし、或いは、変速制御装置からの信号に基づいて変速中であるか否かが判断されてもよい。
【0047】
また、前述の作動流体圧不足判定手段124では、エンジン回転速度NE が判定値NEA以下となり且つたとえばD→R操作が行われたことに基づいて不足状態が判定されていたが、その判定条件に、作動油温度TOIL が予め設置された油温判定値以上であるという条件が加えられてもよい。この油温判定値は、エンジンエンジン回転速度時における変速中に作動油不足を発生する温度の最低値に基づいて設定される。
【0048】
その他、一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の自動変速機を含む車両用駆動装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の実施例の車両用自動変速機の構成を説明する骨子図である。
【図3】図1および図2の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関係を示す図表である。
【図4】図1の自動変速機に設けられた油圧制御回路の要部を説明する図である。
【図5】図4の油圧制御回路が内部に設けられたバルブボデーを説明する図である。
【図6】図4の油圧制御回路に含まれる電気式オイルポンプユニットを示す平面図である。
【図7】図1の自動変速機などを制御するための電子制御装置の入出力信号を説明する図である。
【図8】図7の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図9】図7の電子制御装置の制御作動を説明するフローチャートである。
【図10】図8の過渡駆動手段による電気式オイルポンプの作動開始時の吐出量の変化を示す図である。
【符号の説明】
10:エンジン(第1駆動源)
16:自動変速機
66:油圧制御回路
70:機械式オイルポンプ(第1ポンプ)
74:オイルパン(貯留タンク)
76:電動モータ(第2駆動源)
78:電気式オイルポンプ(第2ポンプ)
83:シフト操作レバー(シフト操作装置)
98:切換弁(開閉弁)
116:電子制御装置
124:作動流体圧不足判定手段
126:第2ポンプ作動可否判定手段
128:供給制御手段
130:過渡駆動手段
LIN1 :第1供給油路
LIN2 :第2供給油路
Claims (6)
- 車両の第1駆動源により回転駆動されて自動変速機へ作動流体を供給する第1ポンプと、該車両の第1駆動源とは異なる第2駆動源により駆動されて該自動変速機に作動流体を供給する第2ポンプとを備え、該第1ポンプからの作動流体だけでは該自動変速機の作動流体流量が不足する不足状態であると判定されたときに該第2ポンプの作動を許可する自動変速機の作動流体供給装置であって、
前記自動変速機の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定する作動流体圧不足判定手段を、含むことを特徴とする車両用自動変速機の作動流体供給装置。 - 前記作動流体圧不足判定手段は、前記車両の第1駆動源が所定値よりも低い低回転速度であり且つ前記自動変速機の変速中であることに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態であると判定するものである請求項1の車両用自動変速機の作動流体供給装置。
- 前記車両の走行ポジションを選択するために、前進走行ポジションおよび後進走行ポジションを含む複数のポジションのいずれかへ択一的に操作されるシフト操作装置が備えられ、
前記作動流体圧不足判定手段は、該シフト操作装置がそのシフトポジション変更のために操作されたことに基づいて、前記自動変速機の作動流体圧が不足する不足状態を判定するものである請求項1または2の車両用自動変速機の作動流体供給装置。 - 前記第2ポンプによる作動流体供給開始時には、前記自動変速機の作動流体圧の不足を補うために設定された吐出量よりも多い吐出量となるように、該第2ポンプを過渡的に駆動する過渡駆動手段を、さらに含むものである請求項1乃至3のいずれかの車両用自動変速機の作動流体供給装置。
- 前記第2ポンプの作動可能状態か否かを判定する第2ポンプ作動可否判定手段と、
該第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が可能な状態であると判定された場合は前記第2ポンプによる作動流体の供給作動を許可するが、該第2ポンプ作動可否判定手段により前記第2ポンプの作動が不能な状態であると判定された場合は該第2ポンプによる作動流体の供給作動を禁止して、前記第1駆動源の回転速度を上昇させることにより前記自動変速機の作動流体圧の不足を補うようにする供給制御手段と
を、さらに含むものである請求項1乃至4のいずれかの車両用自動変速機の作動流体供給装置。 - 還流した作動流体を貯留するための貯留タンクと前記第1ポンプとの間に設けられた第1供給油路と、
その第1供給油路と前記第2ポンプとの間に設けられた第2供給油路と、
その第2供給油路に設けられ、該第2ポンプからの作動流体を前記自動変速機の制御回路へ補給するために前記第1ポンプの作動状態に応じて開閉される開閉弁と
を、含むものである請求項1乃至5のいずれかの車両用自動変速機の作動流体供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002193920A JP2004036736A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 車両用自動変速機の作動流体供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002193920A JP2004036736A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 車両用自動変速機の作動流体供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004036736A true JP2004036736A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31702780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002193920A Pending JP2004036736A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 車両用自動変速機の作動流体供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004036736A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008536060A (ja) * | 2005-03-22 | 2008-09-04 | ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト | 自動変速機および発進要素への油供給を制御するための方法および装置 |
JP2013170606A (ja) * | 2012-02-20 | 2013-09-02 | Toyota Motor Corp | オイルポンプ制御装置 |
JP2016061348A (ja) * | 2014-09-17 | 2016-04-25 | 富士重工業株式会社 | 無段変速機の制御装置 |
JP6315143B1 (ja) * | 2017-07-25 | 2018-04-25 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
-
2002
- 2002-07-02 JP JP2002193920A patent/JP2004036736A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008536060A (ja) * | 2005-03-22 | 2008-09-04 | ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト | 自動変速機および発進要素への油供給を制御するための方法および装置 |
JP2013170606A (ja) * | 2012-02-20 | 2013-09-02 | Toyota Motor Corp | オイルポンプ制御装置 |
JP2016061348A (ja) * | 2014-09-17 | 2016-04-25 | 富士重工業株式会社 | 無段変速機の制御装置 |
JP6315143B1 (ja) * | 2017-07-25 | 2018-04-25 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
JP2019025940A (ja) * | 2017-07-25 | 2019-02-21 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
US10266166B2 (en) | 2017-07-25 | 2019-04-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle control system |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7585242B2 (en) | Control device of vehicular automatic transmission | |
US7946389B2 (en) | Oil supply system for vehicle | |
US8700278B2 (en) | Idle stop vehicle and control method thereof | |
EP1069346B1 (en) | Vehicular transmission stop control system | |
JP3843935B2 (ja) | 車両用駆動制御装置 | |
US5199326A (en) | Idle up of engine of automobile according to elevation of transmission oil temperature | |
JP5924315B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
US6860833B2 (en) | Driving control apparatus for vehicle and control method of same | |
JP2008144738A (ja) | 車両用動力出力装置の制御装置 | |
JP2007170550A (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JP4595242B2 (ja) | 車両用エンジンの制御装置 | |
JP4106864B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2004036736A (ja) | 車両用自動変速機の作動流体供給装置 | |
JP2002235675A (ja) | 油圧制御装置 | |
JP3700847B2 (ja) | 車両用動力伝達装置の潤滑装置 | |
JP6885210B2 (ja) | 車両用制御装置 | |
JP5195784B2 (ja) | 車両用自動変速機の制御装置 | |
JP2004100795A (ja) | 車両用駆動制御装置 | |
JP2004036653A (ja) | 車両用自動変速機 | |
JP2003097677A (ja) | 動力伝達機構の潤滑装置 | |
JP2007211619A (ja) | エンジンのフューエルカット制御装置 | |
JP3487290B2 (ja) | 油圧制御装置 | |
JP3705221B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2003166638A (ja) | 車両用動力伝達装置の制御装置 | |
CN113137470B (zh) | 液压供给系统 |