JP2004036386A - 法枠の施工方法ならびに法面の緑化工法 - Google Patents

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小竹守 敏彦
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小畑 秀弘
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埴生 芳弘
Tomoyuki Morisono
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Abstract

 【課題】 モルタル又はコンクリート法枠の補強材として最も有効である合成樹脂の短繊維を、枠体内に均一に分散させた均質でクラックの発生がない法枠の施工方法と、その法枠を用いた法面の緑化工法を提供する。
 【解決手段】 合成樹脂からなり30重量%以下の水分を含む短繊維補強材aを混練したモルタルA又はコンクリートを格子状に吹き付け又は打設して、格子状の膨出体18による法枠19を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、法枠の施工方法ならびに法面の緑化工法に関するものである。
 自然崩壊した山肌や痩せた山肌、その他、道路建設のために削り取られた山肌などの法面の緑化工法として、法面上に金網等の網体を張設し、この網体の上に、モルタル又はコンクリート吹き付け用の線材(例えば鉄筋)を格子状に配置し、かつ、この格子状の線材を埋め込むように、モルタル又はコンクリートを吹き付けて、格子状の膨出体による法枠を形成する一方、牧草などの植物種子を例えば有機堆肥や化学肥料、植物性繊維、保水剤、土壌改良材などと混合した植生材料を、上記膨出体によって囲まれた空間部に吹き付ける所謂ソイルクリート工法と称されるものがある。
 この他の工法としては、鉄筋そのものの線材に代えて、鉄筋を曲げ加工したスターラップ筋の角部に、このスターラップ筋に直交する鉄筋を結束した鉄筋構造物の両側に網状型枠を設けたものを基材にして、この基材を網体の上に格子状に配置し、この基材を埋め込むようにモルタル又はコンクリートを吹き付けて、法面上に格子状の膨出体による法枠を形成し、この膨出体によって囲われた空間部に植生材料を吹き付ける所謂フリーフレーム工法がある。
 上記いずれの工法においても、法面の均し作業が不要であり、かつ、モルタル又はコンクリートを地山の法面に直接吹き付け又は打設するので、モルタル又はコンクリートによる膨出体の地山に対する一体化が強固に達成され、しかも、法枠が存することより、植生材料の流亡が効果的に防止されることに加えて、植生材料が植物種子や肥料などを含むことから、法面の安定化ならびに緑化が早期に且つ好適に達成される。
 ところが、これらの法枠は、多くは勾配の急な面に施工されることから、空間部に吹き付け又は打設したモルタル又はコンクリートが固化するまでに、法面の勾配方向に流れるように垂れ気味になり、固化の途中で所謂引けが生じて、表面部にクラックの生じた膨出体が形成されることがあった。
 その問題を解決するため、本願出願人は、特開平11-21905号にて、金属繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維などの一種または二種以上の短繊維の補強材を混練させたモルタル又はコンクリートを用いた法枠工法を提案した。
 ところが、使用した金属繊維は比重が大きいため、モルタル等との均一な混合が困難であるとともに、枠体から露出した部分の金属繊維の錆びを生じることがあるという問題があった。また、ガラス繊維はモルタルのアルカリによる影響を受けやすく不都合があった。更に、最も好ましいと思われた合成樹脂の短繊維においても、繊維が部分的に団子状態に絡まってしまい、枠体内に均一に分散させるのが困難であることがしばしばあった。
 本発明の目的は、モルタル又はコンクリート法枠の補強材として最も有効である合成樹脂の短繊維を、枠体内に見事に均一に分散させた均質でクラックの発生がない法枠の施工方法と、その法枠を用いた法面の緑化工法を提供することにある。
 即ち、請求項1に係る法枠の施工方法(以下、第1発明という)にあっては、合成樹脂からなり30重量%以下の水分を含む短繊維補強材を混練したモルタル又はコンクリートを格子状に吹き付け又は打設して、格子状の膨出体による法枠を形成する点に特徴がある。
 次に請求項2に係る法枠の施工方法(以下、第2発明という)にあっては、法面に網体を設置する、又は線材を格子状に設置する、又はそれら両方を設置した上から、合成樹脂からなり30重量%以下の水分を含む短繊維補強材を混練したモルタル又はコンクリートを格子状に吹き付け又は打設して、格子状の膨出体による法枠を形成することを特徴とする。
 次に、請求項3に係る法枠の施工方法(以下、第3発明という)にあっては、第1発明又は第2発明において、膨出体を所望する幅及び/又は高さに形成するための検測具を目安にして法枠を形成したことを特徴とする。
 請求項4に係る法枠の施工方法(以下、第4発明という)にあっては、前記合成樹脂がアラミド繊維であるとしたことを特徴とする。
 そして、請求項5に係る法面の緑化工法(以下、第5発明という)では、上記のようにして形成した法粋の格子枠内に、植生を導入する点に特徴がある。
 本発明者らは、鋭意研究の結果、合成樹脂の短繊維補強材が部分的に団子状態に絡まる原因が、乾燥状態の繊維を使用していることにあることを見出し、本発明に到達した。
 第1発明の施工方法によれば、合成樹脂の短繊維補強材に、繊維に対し30重量%以下の水分を保持させることにより、繊維を枠体内に見事に均一に分散できた。その効果は、繊維に保持された30重量%以下の水分が、モルタル又はコンクリートと短繊維の親和性を改善したことに主に起因すると思われる。
 そして、短繊維補強材が、枠体内に互いに三次元的に複雑に分散されることで、吹き付け又は打設したモルタル又はコンクリートは、恰かもポーラスな立体網状の短繊維を包み込んだようになる。
 従って、モルタル又はコンクリートが短繊維補強材によって均一に三次元方向に互いに連結された状態になることから、モルタル又はコンクリートが固化するまでの間に、所謂引けによる繊維が存在しない箇所の垂れがなくなり、膨出体としては、構造物として致命的なクラックの発生がない、三次元方向の応力の強いものが施工できる。
 そして、立体網状の短繊維補強材が均一に分布して、固化したモルタル又はコンクリートが均質となり所望する引っ張り強度、剪断力、曲げ強度を達成できることから、法面上に格子状に配置する鉄筋を省略、或いは量を少なくすることも可能であって、その分の組み立て作業の省力化を図ることもできるのである。
 また、モルタル又はコンクリートの垂れが少なくなることから、型枠を用いないソイルクリート工法であっても、均質な強度をもつ大きな断面積の法枠を形成することが可能となる。
 更に、例えばモルタルを打ち継ぐような場合、先打ちモルタルの表面部には、短繊維補強材が毛羽立つように均一に分布して、この均一に毛羽立った補強材が後打ちモルタルとの連結材になることから、切削などの表面処理や鉄筋の打ち込みなどを不要にして、先打ちモルタルと後打ちモルタルとを馴染み良く均質に打ち継ぐことが可能となる。
 ここで、短繊維補強材の素材となる合成樹脂としては種々の素材が選択できるが、アラミド繊維やケブラー繊維といった、高い弾性及び引張強度を有するものが好適である。
 短繊維補強材の長さとしては、3〜60mmが適用され、3mm未満であると繊維が短か過ぎて補強効果が得られず、60mm以上であると繊維が長すぎてモルタル等に均一に混練できない。このことから、3〜60mmの長さの短繊維が使用可能である。
 また、短繊維補強材は、体積比で0.01%〜 3.0%の割合でモルタル又はコンクリートに混練させるのが好ましい。短繊維補強材の混入割合が前記未満であると構造物としての強度が十分に発現されず、また前記以上であるとモルタル又はコンクリートに対して補強材を均一に混練させることが困難となる。
 また、合成樹脂繊維の短繊維に予め保持させる水分は、30重量%を超えると混入前に短繊維が互いにひっつき、取扱いが不便となる。好ましくは、10〜25%の水分を保持させておくと、効果的にモルタル又はコンクリート中に分散できる。
 この短繊維補強材を含むモルタル又はコンクリートの吹き付け又は打設の形態としては、一つに、セメントと砂とを水で練り上げたモルタル、又は、更に砂利を加えたコンクリートに対して、所定の体積比で短繊維補強材を混ぜ込み、この補強材を含むモルタル又はコンクリートを高圧空気によってホース先端のノズルに送り込み、これを吹き付け又は打設する形態がある。
 この際、短繊維補強材は、砂等と同時に規定量を投入するだけで良く、繊維を分散させるための振動装置などは必要としない。
 または、モルタル又はコンクリートを高圧空気によってホース先端のノズルに送り込む一方、このノズルに補強材を供給して、ノズル内でモルタル又はコンクリートに短繊維補強材を混練させ、或いは更に、モルタル又はコンクリートの吹き付け途中でも短繊維補強材を混練させて、これを吹き付け又は打設する形態がある。
 これらの形態とは異なるが、水で練り上げる前のセメントと砂とによるモルタル基材、或いは、これに砂利を加えたコンクリート基材に、所定の体積比となるように短繊維補強材を混ぜ込み、この補強材を含むモルタル又はコンクリートの所謂乾式の基材を高圧空気によってホース先端のノズルに送り込み、かつ、このノズルに水を供給して、ノズル内でモルタル又はコンクリートを練り上げ、或いは更に、吹き付け途中でもモルタル又はコンクリートを練り上げて、これを吹き付け又は打設する形態をとってもよいのである。
 この吹き付け又は打設形態をとる場合は、モルタル又はコンクリートの基材が乾式であることから、この基材の搬送性が向上する利点がある。
 第2発明の施工方法にあっては、上記第1発明の作用に加え、法枠の形成に先立って金網等の網体を設置すると、法面を被覆する網体と吹き付け又は打設した法枠が一体となる作用を得ることができ、一層法面の保護効果が高まる。
 また、格子枠内に網体が存在することとなり、後に植生基材を吹付けた際に植生基材を保持する作用を得ることができ、植生基材の流亡防止効果がある。
 一方、法枠の形成に先立って鉄筋やワイヤー等の線材を格子状に設置すると、法枠の膨出体内に線材が位置し、法枠がより連結される作用を得ることができ、法枠の強度が高まる。また、線材として鉄筋等の剪断強度や曲げ強度の高いものを使用すると、法枠の剪断強度や曲げ強度を効果的に高めることができる。
 また、図1に示すように線材を膨出体の中心部に浮設保持する手段を講ずることが、法枠の強度を高める上で望ましい。
 そして、法枠の形成に先立って金網等の網体を設置するとともに、鉄筋等の線材を格子状に設置すると、上記した各々の効果が相乗的に発揮され、より強固な法枠を形成できる。
 第3発明において、膨出体の幅や高さを検測する方法としては、検測ピンを目安とする等種々の手段があるが、最も効率的な手段として、金属や合成樹脂等で線状や板状に成形された所定の幅と高さを有する検測具を用いる。
 この検測具の幅と高さを目安に膨出体を吹き付け又は打設すると、自ずと所望する幅と高さを有する法枠を形成できる。
 また、この検測具に線材を上から載置、及び/又は下から保持する手段を講ずることにより、第2発明中の線材の設置をより効率的に行うことができるとともに、線材を膨出体内の所定の高さに位置させることができ、法枠強度を高くすることができる。
 さらに、検測具は複数個を線材等にて連結した構造とすると、自立するため法面への設置が容易である。
 第4発明では、短繊維補強材の素材となる合成樹脂としてアラミド繊維を用い、このアラミド繊維は高い弾性及び引張強度を有するので、施工に好適である。
 第5発明において、植生の導入に際しては、植物種子を混合した植生材料を吹付けたり、植物種子が保持された植生シートを張設する等の緑化形態をとるか、植物種子は使用せず、埋土種子の発芽や、周辺植生の種子の飛来を待つ緑化形態をとるかを選択するのである。
 該法面の緑化工法にあっては、植生材料を格子枠内に吹付けた場合、植生基材の流亡が格子状の膨出体によって効果的に防止されるのであり、植物種子が発芽・生育することで、早期に法面の緑化が達成されるのである。また、植物種子を使用しない場合は早期の緑化は望めないが、周辺から飛来した種子は格子枠内に保持され、発芽生育して最終的には周辺の景観に調和した緑化が達成される。
 以下、モルタルによる所謂ソイルクリート工法による法枠の施工方法と、この法枠に植生材料を吹き付けて行う法面の緑化工法について説明する。
 先ず、図1に示すように、例えば含水率が7〜9%程度の低スランプのモルタル吹き付けに用いられる目合(一般には5〜6cm目合)の金網等の網体1を、アンカーの打ち込みによって法面2に張設する。
 次に、例えば直径が6〜20mm程度の1本(あるいは複数本)の鉄筋から成るモルタル吹き付け用の上下2本の線材3,3を、1〜2m程度の間隔で格子状に組み合わせつつ、網体1上に配置し、この線材3の交差部と交差部間とに適宜アンカー4を打設し、かつ、このアンカー4に上下の線材3を例えば結束線で所定位置に浮設固定し、必要に応じて、下部側の線材3を例えば結束線によって網体1に固定する。
 この時、図2及び図3に示すような、所定の幅と高さを有する検測具30を、所望する格子枠の各辺に1個又は必要に応じて複数個設置することにより、モルタルを吹き付ける幅と高さの目安となり、吹き付け作業が容易となるとともに、容易に設計通りの法枠を形成できる。
 また、好ましくは、検測具30は、複数個を針金等の線材31で連結して構成すると、自立して設置が容易である。
 また、特に図3に示す検測具32のように、検測具の天部に鉄筋等の線材3を上から載置する凹部32aを設けたり、下から線材3を浮設保持するように保持部32bを設けることにより、線材3の設置が容易になるとともに、線材3を膨出体の中間部に位置させることができる。
 検測具32も、複数個を針金等の線材31で連結して構成すると、自立して設置が容易である。
 そして、線材3による格子状の空間部に、例えばビニールシート等の被覆体5を配置する一方、図4に示すように、セメント6と砂8とをホッパー9にて混練し、この混練物をコンベア10を通して、コンプレッサー11からの高圧空気の供給ホース12が接続されたミキサー13に投入し、このミキサー13に、水タンク14内の水を供給して、例えば含水率が7〜9%程度の低スランプのモルタルを練り上げるのである。必要に応じて砂利7も混練してコンクリートとする。
 このモルタルの練り上げに際して、モルタルに対して体積比0.01%〜 3.0%の割合で、繊維に対して30重量%以下の水分を保持したアラミド繊維等の合成樹脂の短繊維補強材aを、砂等と同時に単にホッパー9に投入するのであり、そして、この補強材aが混練されたコンクリートAを、被覆体5のまわりの格子状線材3を埋め込むように、ミキサー13に接続されたホース16先端のノズル17を通して吹き付け、かつ、このコンクリートAの固化後に被覆体5を取り除いて、膨出体18による格子状の法枠19を法面2上に形成するのである。
 次いで、法枠19の膨出体18によって囲まれた空間部に、例えば有機堆肥、化学肥料、植物性繊維、保水剤、土壌改良材などと牧草などの植物種子とを混合した植生材料20を吹き付けるのである。
 この吹き付けられた植生材料20は、その流亡が膨出体18によって効果的に防止されるのであり、従って、爾後は、降雨を待つか給水を施して植物種子を発芽・生育させることで、法面2の緑化を図ることができるのである。
 上記の実施の形態では、植生材料20に植物種子を混合して吹き付けているが、植物種子が保持された植生シートを張設する緑化形態をとるか、植物種子は使用せず、埋土種子の発芽や、周辺植生の種子の飛来を待つ緑化形態をとってもよいのである。
 また、植生材料20の流亡は、膨出体18によって効果的に防止されるのであるが、降雨による植生材料20の表面部の流亡が懸念されるならば、植生材料20の表面部に、例えばアスファルト乳剤等の被膜形成剤を散布したり、ポリエチレンネット等を張設したりすることが好ましい。
 尚、法面2が緩傾斜の場所には、特に網体1を張設する必要はない。
 さらに、短繊維補強材aのみで所望する法枠の曲げ強度等が達成される場合は、鉄筋等の線材3を設置する必要はない。
 短繊維補強材aを混練させたモルタルAの吹き付けは、上記の形態に限られるものではなく、例えば図5に示すように、セメント6と(必要に応じて砂利7と)砂8とモルタルに対して体積比で0.01%〜 3.0%となる割合で、前記補強材aを単にホッパー9に投入して混練し、この混練物をコンベア10を通してミキサー13に投入し、短繊維補強材aを含む乾式の混合物を、高圧空気によってホース16先端のノズル17に送り込み、かつ、ホース21を通して水タンク14内の水をノズル17に供給して、ノズル17内で、或いは更に、吹き付け途中において、短繊維補強材aを含むモルタルAを練り上げて、これを線材3に吹き付けるようにしてもよいのである。
 このような吹き付け形態をとる場合は、水で練り上げる前のモルタル基材、即ち、補強材aを含むところのセメント6と(必要に応じて砂利7と)砂8とによる乾式混合物の搬送性が向上する。
 或いは、図6に示すように、セメント6と(必要に応じて砂利7と)砂8とをホッパー9にて混練し、この混練物をコンベア10を通してミキサー13に投入し、このミキサー13に、水タンク14内の水を供給してモルタルを練り上げ、このモルタルをホース16先端のノズル17に送り込む一方、例えば振動供給手段15に高圧空気の供給ホース22を接続して、高圧空気により短繊維補強材aをノズル17に供給して、このノズル17内で、或いは更に、吹き付け途中において、短繊維補強材aをモルタルに混練させて、この短繊維補強材aを含むモルタルAを線材3に吹き付けるようにしてもよいのである。
 尚、この工法におけるモルタル吹き付け用の鉄筋線材3に代えて、図7に示すように、骨材としての基材を、鉄筋を曲げ加工したスターラップ筋の角部に、このスターラップ筋に直交する鉄筋を結束した鉄筋構造物23と、両側に網状型枠24aを備えた被せ型枠24とによって構成し、この基材を網体1の上に格子状に配置し、かつ、この基材を埋め込むように、短繊維補強材aを混練させたモルタルAを吹き付けて、格子状の膨出体18による法枠19を形成し、この法枠19の膨出体18による格子状の空間部に植生材料20を吹き付けて、法面2の緑化を図ることも可能である。
 或いは、図8(A)に示すように、鉄筋を曲げ加工したスターラップ筋の角部に、このスターラップ筋に直交する鉄筋を結束した鉄筋構造物を基材にして、この基材3を格子状にして網体1の上に配置し、この基材3の側部を囲うように板状型枠25を設けて、この型枠内の基材を埋め込むように、短繊維補強材aを混練させたモルタルAを打設し、かつ、同図(B)に示すように、モルタルAの固化後に型枠25を脱型させて、格子状の膨出体18による法枠19を形成し、この法枠19の膨出体18による格子状の空間部に植生材料を吹き付けて、法面2の緑化を図ることも可能である。
 以上説明したように、第1発明による法枠の施工方法は、合成樹脂からなり30重量%以下の水分を含む短繊維補強材を混練したモルタル又はコンクリートを格子状に吹き付け又は打設して、格子状の膨出体による法枠を形成するものであって、かゝる工法によれば、短繊維補強材の投入時に砂等と同時に規定量を投入するだけで良く、繊維を分散させるための振動装置などがなくとも、短繊維補強材が部分的に団子状態に絡まることなく、容易に枠体内に均一に分散させることができ、均質な強度を持った法枠が形成されることになる。
 また第2発明の施工方法にあっては、上記第一発明の効果に加え、法枠の形成に先立って金網等の網体を設置するので、法面を被覆する網体と吹き付け又は打設した法枠が一体となる作用を得ることができ、一層法面の保護効果が高まる。また、格子枠内に網体が存在することとなり、植生基材の流亡防止効果がある。
 一方、法枠の形成に先立って鉄筋やワイヤー等の線材を格子状に設置することにより、法枠の膨出体内に線材が位置し、法枠がより連結される作用を得ることができ、法枠の強度が高まる。また、線材として鉄筋等の剪断強度や曲げ強度の高いものを使用すると、法枠の剪断強度や曲げ強度を効果的に高めることができる。
 そして、法枠の形成に先立って金網等の網体を設置するとともに、鉄筋等の線材を格子状に設置すると、上記した各々の効果が相乗的に発揮され、より強固な法枠を形成できる。
 また、第3発明の法枠の施工方法にあっては、検測具の幅と高さを目安に膨出体を吹き付け又は打設すると、自ずと所望する幅と高さを有する法枠を形成できる。
 さらに、この検測具に線材を上から載置、及び/又は下から保持する手段を講ずることにより、第2発明中の線材の設置をより効率的に行うことができるとともに、線材を膨出体内の所定の高さに位置させることができ、法枠強度を高くすることができる。
 また、第4発明では、短繊維補強材の素材となる合成樹脂としてアラミド繊維を用い、このアラミド繊維は高い弾性及び引張強度を有するので、施工に好適である。
 そして、第5発明による法面の緑化工法にあっては、植生基材の流亡が格子状の膨出体によって効果的に防止され、植物種子が発芽・生育することで、早期に法面の緑化が達成される。また、植物種子を使用しない場合は、周辺から飛来した種子は格子枠内に保持され、発芽生育して最終的には周辺の景観に調和した緑化が達成される。
法面緑化の法枠形成過程を示す斜視図である。 検測具の例を示す斜視図である。 検測具の例を示す斜視図である。 短繊維補強材を混練させたモルタルの吹き付け説明図である。 別の実施の形態によるモルタルの吹き付け説明図である。 更に別の実施の形態によるモルタルの吹き付け説明図である。 法面緑化の法枠形成過程を示す斜視図である。 (A)は法面緑化用法枠の膨出体形成途中の状態を示す断面図、(B)は膨出体の断面図である。
符号の説明
  1    網体
  2    法面
  3    線材
 18    膨出体
 19    法枠
 20    植生材料
 30,32 検測具
  a    短繊維の補強材
  A    モルタル(又はコンクリート)

Claims (5)

  1.  合成樹脂からなり30重量%以下の水分を含む短繊維補強材を混練したモルタル又はコンクリートを格子状に吹き付け又は打設して、格子状の膨出体による法枠を形成することを特徴とする法枠の施工方法。
  2.  法面に網体を設置する、又は線材を格子状に設置する、又はそれら両方を設置した上から、合成樹脂からなり30重量%以下の水分を含む短繊維補強材を混練したモルタル又はコンクリートを格子状に吹き付け又は打設して、格子状の膨出体による法枠を形成することを特徴とする法枠の施工方法。
  3.  膨出体を所望する幅及び/又は高さに形成するための検測具を目安にして法枠を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の法枠の施工方法。
  4.  前記合成樹脂がアラミド繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の法枠の施工方法。 
  5.  請求項1〜4のいずれかに記載の法枠を施工後、格子枠内に、植生を導入することを特徴とする法面の緑化工法。
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