JP2000204560A - 法枠の施工方法ならびに法面の緑化工法 - Google Patents

法枠の施工方法ならびに法面の緑化工法

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JP2000204560A
JP2000204560A JP11003516A JP351699A JP2000204560A JP 2000204560 A JP2000204560 A JP 2000204560A JP 11003516 A JP11003516 A JP 11003516A JP 351699 A JP351699 A JP 351699A JP 2000204560 A JP2000204560 A JP 2000204560A
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mortar
slope
frame
grid
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Hidehiro Obata
秀弘 小畑
Yoshihiro Hanyu
芳弘 埴生
Tomoyuki Morisono
智之 森園
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Nisshoku Corp
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Nisshoku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モルタル又はコンクリートによる法枠を、ク
ラックが発生し難くて三次元方向の応力の強いものにし
て、かつ、モルタル又はコンクリートを打ち継ぐにして
も、これを馴染み良く施工できる工法を提供する。 【解決手段】 金属繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維な
どの一種または二種以上の短繊維の補強材aを体積比で
0.01%〜 3.0%の割合で混練させたモルタルA又はコン
クリートを、法面2に配置された格子状の線材3に吹き
付け又は打設して、法面2に格子状の膨出体18による
法枠19を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、法枠の施工方法
ならびに法面の緑化工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自然崩壊した山肌や痩せた山肌、その
他、道路建設のために削り取られた山肌などの法面の緑
化工法として、法面上に金網等の網体を張設し、この網
体の上に、モルタル又はコンクリート吹き付け用の線材
(例えば鉄筋)を格子状に配置し、かつ、この格子状の
線材を埋め込むように、モルタル又はコンクリートを吹
き付けて、格子状の膨出体による法枠を形成する一方、
牧草などの植物種子を例えば有機堆肥や化学肥料、植物
性繊維、保水剤、土壌改良材などと混合した植生材料
を、上記膨出体によって囲まれた空間部に吹き付ける所
謂ソイルクリート工法と称されるものがある。
【0003】この他の工法としては、鉄筋そのものの線
材に代えて、鉄筋を曲げ加工したスターラップ筋の角部
に、このスターラップ筋に直交する鉄筋を結束した鉄筋
構造物の両側に網状型枠を設けたものを基材にして、こ
の基材を網体の上に格子状に配置し、この基材を埋め込
むようにモルタル又はコンクリートを吹き付けて、法面
上に格子状の膨出体による法枠を形成し、この膨出体に
よって囲われた空間部に植生材料を吹き付ける所謂フリ
ーフレーム工法がある。
【0004】この他に、鉄筋を曲げ加工したスターラッ
プ筋の角部に、このスターラップ筋に直交する鉄筋を結
束した鉄筋構造物を基材にして、この基材を網体の上に
格子状に配置し、この基材の側部を囲うように板状型枠
を設けて、この型枠内の基材を埋め込むようにモルタル
又はコンクリートを打設し、かつ、モルタル又はコンク
リートの固化後に型枠を撤去して、法面上に格子状の膨
出体による法枠を形成し、この膨出体によって囲われた
空間部に植生材料を吹き付ける所謂コアフレーム工法が
ある。
【0005】上記いずれの工法においても、法面の均し
作業が不要であり、かつ、モルタル又はコンクリートを
地山の法面に直接吹き付け又は打設することから、モル
タル又はコンクリートによる膨出体の地山に対する一体
化が強固に達成され、しかも、法枠が存することから、
植生材料の流亡が効果的に防止されることに加えて、植
生材料が植物種子や肥料などを含むことから、法面の安
定化ならびに緑化が早期に且つ好適に達成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの工
法を実施する上で必要な法枠は、多くは勾配の急な面に
施工されることから、空間部に吹き付け又は打設したモ
ルタル又はコンクリートが固化するまでに、法面の勾配
方向に流れるように垂れ気味になり、固化の途中で所謂
引けが生じて、表面部にクラックの生じた膨出体が形成
されることがあった。
【0007】このクラックは、膨出体の強度低下に繋が
るのみならず、寒冷地では、クラックに浸透した水が凍
結して、膨出体の表面部を剥離させる原因になることか
ら、例えば鉄筋による多数のアンカー基材を法面に打ち
込んで、モルタル又はコンクリートの垂れ防止を図って
いる。
【0008】或いは、フリーフレーム工法では、モルタ
ル又はコンクリートが垂れる側の網状型枠を、目が細か
で強度の高いものにし、コアフレーム工法においても型
枠の強度を高くして、モルタル又はコンクリートの垂れ
防止を図っているが、余分なアンカー基材の打ち込みが
強いられたり、型枠重量が重くなったりすることで、作
業性が悪くなり、かつ、法枠の施工コストが大幅にアッ
プする上に、施工工期が長くなる点で問題があった。
【0009】特に、型枠を用いないソイルクリート工法
では、大きな断面積の法枠を形成することができなかっ
た。
【0010】膨出体にクラックが生じることとは別の問
題として、例えばモルタルの吹き付けを一旦中断して、
時間を置いてモルタルを打ち継ぐような場合、先打ちモ
ルタルと後打ちモルタルとの馴染みを良くするために、
従来では、先打ちモルタルの表面を粗くするように、切
削などの表面処理を施したり、或いは、先打ちモルタル
に鉄筋などを打ち込んだりして、モルタル間の連結強度
を高くするようにしているが、この作業は大変で、工期
の延長にも繋がる点で問題があった。
【0011】本発明の目的は、上記の不都合が一挙に解
消される法枠の施工方法と、その法枠を用いた法面の緑
化工法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、第一発明による法
枠の施工方法にあっては、金属繊維、ガラス繊維、合成
樹脂繊維などの一種または二種以上の短繊維の補強材を
体積比で0.01%〜 3.0%の割合で混練させたモルタル又
はコンクリートを、法面に格子状に吹き付け又は打設し
て、格子状の膨出体による法枠を形成する点に特徴があ
る。
【0013】該施工方法によれば、短繊維の補強材が互
いに三次元的に複雑に絡み合うことで、吹き付け又は打
設したモルタル又はコンクリートは、恰かもポーラスな
立体網状の短繊維を包み込んだようになる。
【0014】従って、モルタル又はコンクリートが短繊
維によって三次元方向に互いに連結された状態になるこ
とから、モルタル又はコンクリートが固化するまでの間
に、所謂引けによる垂れが生じ難くなり、膨出体として
は、構造物として致命的なクラックの発生し難くい、三
次元方向の応力の強いものが施工される。
【0015】これによって、多数のアンカー基材を法面
に打ち込んだり、型枠強度を高くする必要がなくなるこ
とから、或いは、軽微で済ませ得ることから作業性が向
上する。
【0016】若しくは、立体網状の短繊維が存して、固
化したモルタル又はコンクリートの所定の引っ張り強
度、剪断力、曲げ強度を確保できることから、法面上に
格子状に配置する鉄筋を省略、或いは量を少なくするこ
とも可能であって、その分の組み立て作業の省力化を図
ることもできるのである。
【0017】また、モルタル又はコンクリートの垂れが
少なくなることから、型枠を用いないソイルクリート工
法であっても、大きな断面積の法枠を形成することが可
能となる。
【0018】更に、例えばモルタルを打ち継ぐような場
合、先打ちモルタルの表面部には、短繊維の補強材が毛
羽立つように存して、この毛羽立った補強材が後打ちモ
ルタルとの連結材になることから、切削などの表面処理
や鉄筋の打ち込みなどを不要にして、先打ちモルタルと
後打ちモルタルとを馴染み良く打ち継ぐことが可能とな
る。
【0019】ここで、短繊維の補強材の長さとしては、
3〜60mmが適用され、3mm未満であると繊維が短か過ぎ
て補強効果が得られず、60mm以上であると繊維が長すぎ
てモルタル等に均一に混練できない。このことから、3
〜60mmの長さの短繊維が使用可能であるが、好適には5
〜40mmの長さの短繊維を使用することである。また、短
繊維の補強材を体積比で0.01%未満の割合でモルタル又
はコンクリートに混練させた場合は、構造物としての強
度が十分に発現されず、 3.0%以上であると、モルタル
又はコンクリートに対して補強材を均一に混練させるこ
とが困難になることが判明したのであり、このことか
ら、補強材を体積比で0.01%〜 3.0%の割合でモルタル
又はコンクリートに混練させることにしているが、好適
には、補強材を体積比で0.03%〜 2.0%の割合でモルタ
ル又はコンクリートに混練させることである。
【0020】この補強材を含むモルタル又はコンクリー
トの吹き付け又は打設の形態としては、一つに、セメン
トと砂とを水で練り上げたモルタル、又は、更に砂利を
加えたコンクリートに対して、所定の体積比で補強材を
混ぜ込み、この補強材を含むモルタル又はコンクリート
を高圧空気によってホース先端のノズルに送り込み、こ
れを吹き付け又は打設する形態がある。
【0021】または、モルタル又はコンクリートを高圧
空気によってホース先端のノズルに送り込む一方、この
ノズルに補強材を供給して、ノズル内でモルタル又はコ
ンクリートに補強材を混練させ、或いは更に、モルタル
又はコンクリートの吹き付け途中でも補強材を混練させ
て、これを吹き付け又は打設する形態がある。
【0022】これらの形態とは異なるが、水で練り上げ
る前のセメントと砂とによるモルタル基材、或いは、こ
れに砂利を加えたコンクリート基材に、所定の体積比と
なるように補強材を混ぜ込み、この補強材を含むモルタ
ル又はコンクリートの所謂乾式の基材を高圧空気によっ
てホース先端のノズルに送り込み、かつ、このノズルに
水を供給して、ノズル内でモルタル又はコンクリートを
練り上げ、或いは更に、吹き付け途中でもモルタル又は
コンクリートを練り上げて、これを吹き付け又は打設す
る形態をとってもよいのである。
【0023】この吹き付け又は打設形態をとる場合は、
モルタル又はコンクリートの基材が乾式であることか
ら、この基材の搬送性が向上する利点がある。
【0024】次に第2発明による法枠の施工方法にあっ
ては、法面に網体を設置する、又は線材を格子状に設置
する、又はそれら両方を設置した上から、金属繊維、ガ
ラス繊維、合成樹脂繊維などの一種または二種以上の短
繊維の補強材を体積比で0.01%〜 3.0%の割合で混練さ
せたモルタル又はコンクリートを、格子状に吹き付け又
は打設して、格子状の膨出体による法枠を形成すること
を特徴とする
【0025】該施工方法にあっては、上記第一発明の作
用に加え、法枠の形成に先立って金網等の網体を設置す
ると、法面を被覆する網体と吹き付け又は打設した法枠
が一体となる作用を得ることができ、一層法面の保護効
果が高まる。また、格子枠内に網体が存在することとな
り、後に植生基材を吹付けた際に植生基材を保持する作
用を得ることができ、植生基材の流亡防止効果がある。
一方、法枠の形成に先立って鉄筋やワイヤー等の線材を
格子状に設置すると、法枠の膨出体内に線材が位置し、
法枠がより連結される作用を得ることができ、法枠の強
度が高まる。また、線材として鉄筋等の剪断強度や曲げ
強度の高いものを使用すると、法枠の剪断強度や曲げ強
度を効果的に高めることができる。また、図1に示すよ
うに線材を膨出体の中心部に浮設保持する手段を講ずる
ことが、法枠の強度を高める上で望ましい。
【0026】そして、法枠の形成に先立って金網等の網
体を設置するとともに、鉄筋等の線材を格子状に設置す
ると、上記した各々の効果が相乗的に発揮され、より強
固な法枠を形成できる。
【0027】次に、第3発明による法枠の施工方法にあ
っては、第1発明又は第2発明において、膨出体を所望
する幅及び/又は高さに形成するための検測具を目安に
して法枠を形成したことを特徴とする。
【0028】膨出体の幅や高さを検測する方法として
は、検測ピンを目安とする等種々の手段があるが、最も
効率的な手段として、金属や合成樹脂等で線状や板状に
成形された所定の幅と高さを有する検測具を用いる。こ
の検測具の幅と高さを目安に膨出体を吹き付け又は打設
すると、自ずと所望する幅と高さを有する法枠を形成で
きる。また、この検測具に線材を上から載置、及び/又
は下から保持する手段を講ずることにより、第2発明中
の線材の設置をより効率的に行うことができるととも
に、線材を膨出体内の所定の高さに位置させることがで
き、法枠強度を高くすることができる。さらに、検測具
は複数個を線材等にて連結した構造とすると、自立する
ため法面への設置が容易である。
【0029】そして、第4発明による法面の緑化工法で
は、上記のようにして形成した法粋の格子枠内に、植生
を導入する点に特徴がある。
【0030】尚、植生の導入に際しては、植物種子を混
合した植生材料を吹付けたり、植物種子が保持された植
生シートを張設する等の緑化形態をとるか、植物種子は
使用せず、埋土種子の発芽や、周辺植生の種子の飛来を
待つ緑化形態をとるかを選択するのである。
【0031】該法面の緑化工法にあっては、植生材料を
格子枠内に吹付けた場合、植生基材の流亡が格子状の膨
出体によって効果的に防止されるのであり、植物種子が
発芽・生育することで、早期に法面の緑化が達成される
のである。また、植物種子を使用しない場合は早期の緑
化は望めないが、周辺から飛来した種子は格子枠内に保
持され、発芽生育して最終的には周辺の景観に調和した
緑化が達成される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、コンクリートによる所謂ソ
イルクリート工法による法枠の施工方法と、この法枠に
植生材料を吹き付けて行う法面の緑化工法について説明
する。
【0033】先ず、図1に示すように、例えば含水率が
7〜9%程度の低スランプのコンクリート吹き付けに用
いられる目合(一般には5〜6cm目合)の金網等の網
体1を、アンカーの打ち込みによって法面2に張設す
る。
【0034】次に、例えば直径が6〜20mm程度の1
本(あるいは複数本)の鉄筋から成るコンクリート吹き
付け用の上下2本の線材3,3を、1〜2m程度の間隔
で格子状に組み合わせつつ、網体1上に配置し、この線
材3の交差部と交差部間とに適宜アンカー4を打設し、
かつ、このアンカー4に上下の線材3を例えば結束線で
所定位置に浮設固定し、必要に応じて、下部側の線材3
を例えば結束線によって網体1に固定する。
【0035】この時、図2及び図3に示すような、所定
の幅と高さを有する検測具30を、所望する格子枠の各
辺に1個又は必要に応じて複数個設置することにより、
コンクリートを吹き付ける幅と高さの目安となり、吹き
付け作業が容易となるとともに、容易に設計通りの法枠
を形成できる。また、好ましくは、検測具30は、複数
個を針金等の線材31で連結して構成すると、自立して
設置が容易である。
【0036】また、特に図3に示す検測具32のよう
に、検測具の天部に鉄筋等の線材3を上から載置する凹
部32aを設けたり、下から線材3を浮設保持するよう
に保持部32bを設けることにより、線材3の設置が容
易になるとともに、線材3を膨出体の中間部に位置させ
ることができる。検測具32も、複数個を針金等の線材
31で連結して構成すると、自立して設置が容易であ
る。
【0037】そして、線材3による格子状の空間部に、
例えばビニールシート等の被覆体5を配置する一方、図
4に示すように、セメント6と砂利7と砂8とをホッバ
ー9にて混練し、この混練物をコンベア10を通して、
コンプレッサー11からの高圧空気の供給ホース12が
接続されたミキサー13に投入し、このミキサー13
に、水タンク14内の水を供給して、例えば含水率が7
〜9%程度の低スランプのコンクリートを練り上げるの
である。
【0038】このコンクリートの練り上げに際して、コ
ンクリートに対して体積比で0.01%〜 3.0%の割合にな
るように、金属繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維などの
一種または二種以上の短繊維の補強材aを、例えば振動
供給手段15によってミキサー13に供給するのであ
り、そして、この補強材aが混練されたコンクリートA
を、被覆体5のまわりの格子状線材3を埋め込むよう
に、ミキサー13に接続されたホース16先端のノズル
17を通して吹き付け、かつ、このコンクリートAの固
化後に被覆体5を取り除いて、膨出体18による格子状
の法枠19を法面2上に形成するのである。
【0039】次いで、法枠19の膨出体18によって囲
まれた空間部に、例えば有機堆肥、化学肥料、植物性繊
維、保水剤、土壌改良材などと牧草などの植物種子とを
混合した植生材料20を吹き付けるのである。
【0040】この吹き付けられた植生材料20は、その
流亡が膨出体18によって効果的に防止されるのであ
り、従って、爾後は、降雨を待つか給水を施して植物種
子を発芽・生育させることで、法面2の緑化を図ること
ができるのである。
【0041】上記の実施の形態では、植生材料20に植
物種子を混合して吹き付けているが、植物種子が保持さ
れた植生シートを張設する緑化形態をとるか、植物種子
は使用せず、埋土種子の発芽や、周辺植生の種子の飛来
を待つ緑化形態をとってもよいのである。
【0042】また、植生材料20の流亡は、膨出体18
によって効果的に防止されるのであるが、降雨による植
生材料20の表面部の流亡が懸念されるならば、植生材
料20の表面部に、例えばアスファルト乳剤等の被膜形
成剤を散布したり、ポリエチレンネット等を張設したり
することが好ましい。尚、法面2が緩傾斜の場所には、
特に網体1を張設する必要はない。さらに、短繊維の補
強材aのみで所望する法枠の曲げ強度等が達成される場
合は、鉄筋等の線材3を設置する必要はない。
【0043】補強材aを混練させたコンクリートAの吹
き付けは、上記の形態に限られるものではなく、例えば
図5に示すように、セメント6と砂利7と砂8とをホッ
パー9にて混練して、この混練物をコンベア10を通し
てミキサー13に投入する一方、コンクリートに対して
体積比で0.01%〜 3.0%の割合になるように、前記補強
材aを例えば振動供給手段15によってミキサー13に
供給し、この補強材aを含む乾式の混合物を、高圧空気
によってホース16先端のノズル17に送り込み、か
つ、ホース21を通して水タンク14内の水をノズル1
7に供給して、ノズル17内で、或いは更に、吹き付け
途中において、短繊維の補強材aを含むコンクリートA
を練り上げて、これを線材3に吹き付けるようにしても
よいのである。
【0044】このような吹き付け形態をとる場合は、水
で練り上げる前のコンクリート基材、即ち、補強材aを
含むところのセメント6と砂利7と砂8とによる乾式混
合物の搬送性が向上する。
【0045】或いは、図6に示すように、セメント6と
砂利7と砂8とをホッパー9にて混練し、この混練物を
コンベア10を通してミキサー13に投入し、このミキ
サー13に、水タンク14内の水を供給してコンクリー
トを練り上げ、このコンクリートをホース16先端のノ
ズル17に送り込む一方、例えば振動供給手段15に高
圧空気の供給ホース22を接続して、高圧空気により短
繊維の補強材aをノズル17に供給して、このノズル1
7内で、或いは更に、吹き付け途中において、短繊維の
補強材aをコンクリートに混練させて、この補強材aを
含むコンクリートAを線材3に吹き付けるようにしても
よいのである。
【0046】尚、上記の実施の形態では、所謂ソイルク
リート工法による緑化について説明したが、この工法に
おけるコンクリート吹き付け用の鉄筋線材3に代えて、
図7に示すように、骨材としての基材を、鉄筋を曲げ加
工したスターラップ筋の角部に、このスターラップ筋に
直交する鉄筋を結束した鉄筋構造物23と、両側に網状
型枠24aを備えた被せ型枠24とによって構成し、こ
の基材を網体1の上に格子状に配置し、かつ、この基材
を埋め込むように、短繊維の補強材aを混練させたコン
クリートAを吹き付けて、格子状の膨出体18による法
枠19を形成し、この法枠19の膨出体18による格子
状の空間部に植生材料20を吹き付けて、所謂フリーフ
レーム工法によって法面2の緑化を図ることも可能であ
る。
【0047】或いは、図8(A)に示すように、鉄筋を
曲げ加工したスターラップ筋の角部に、このスターラッ
プ筋に直交する鉄筋を結束した鉄筋構造物を基材にし
て、この基材3を格子状にして網体1の上に配置し、こ
の基材3の側部を囲うように板状型枠25を設けて、こ
の型枠内の基材を埋め込むように、短繊維の補強材aを
混練させたコンクリートAを打設し、かつ、同図(B)
に示すように、コンクリートAの固化後に型枠25を脱
型させて、格子状の膨出体18による法枠19を形成
し、この法枠19の膨出体18による格子状の空間部に
植生材料を吹き付けて、所謂コアフレーム工法によって
法面2の緑化を図ることも可能である。
【0048】また、上記いずれの緑化形態においても、
網体1の上に配置した格子状の基材を埋め込むように、
短繊維の補強材aを混練させたコンクリートAを吹き付
け又は打設して、コンクリート製の膨出体18によっ
て、法面2上に格子状の法枠19を形成しているが、こ
のコンクリートAに代えて、金属繊維、ガラス繊維、合
成樹脂繊維などの短繊維の補強材を体積比で0.01%〜
3.0%の割合で混練させたモルタルを用いて、モルタル
製の膨出体によって、法面上に法枠を形成してもよいの
である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、第1発明による法
枠の施工方法は、構造物としての強度が十分に発現さ
れ、かつ、均一に混練させることが容易に可能な範囲内
で、即ち、体積比で0.01%〜 3.0%の割合で、短繊維の
補強材をモルタル又はコンクリートに混練させて、膨出
体による格子状の法枠を形成するものであって、かゝる
工法によれば、短繊維の補強材が互いに三次元的に複雑
に絡み合って、モルタル又はコンクリートが恰かもポー
ラスな立体網状の短繊維を包み込んだ状態の膨出体が形
成されることになる。
【0050】従って、モルタル又はコンクリートが短繊
維によって三次元方向に互いに連結された状態の膨出体
が形成されることで、モルタル又はコンクリートが固化
するまでの間に、所謂引けによる垂れが生じ難くなり、
膨出体としては、構造物として致命的なクラックの発生
し難くい、三次元方向の応力の強いものが施工されるこ
とになる。
【0051】これによって、多数のアンカー基材を法面
に打ち込んだり、型枠強度を高くしたりする必要がなく
なることから、或いは、軽微で済ませ得ることから作業
性が向上する。
【0052】若しくは、立体網状の短繊維が存して、固
化したモルタル又はコンクリートの引っ張り強度、剪断
力、曲げ強度が高くなることから、法面上に格子状に配
置する鉄筋等の線材を省略、或いは量を少なくすること
も可能であって、その分の組み立て作業の省力化を図る
こともできる。
【0053】また、モルタル又はコンクリートの垂れが
少なくなることから、型枠を用いない法枠工法であって
も、大きな断面積の法枠を形成することが可能となる。
【0054】更に、例えばモルタルを打ち継ぐような場
合、先打ちモルタルの表面部には、短繊維の補強材が毛
羽立つように存して、この毛羽立った補強材が後打ちモ
ルタルとの連結材になることから、切削などの表面処理
や鉄筋の打ち込みなどを不要にして、先打ちモルタルと
後打ちモルタルとを馴染み良く打ち継ぐことが可能とな
る。
【0055】また第2発明の施工方法にあっては、上記
第一発明の効果に加え、法枠の形成に先立って金網等の
網体を設置するので、法面を被覆する網体と吹き付け又
は打設した法枠が一体となる作用を得ることができ、一
層法面の保護効果が高まる。また、格子枠内に網体が存
在することとなり、植生基材の流亡防止効果がある。一
方、法枠の形成に先立って鉄筋やワイヤー等の線材を格
子状に設置することにより、法枠の膨出体内に線材が位
置し、法枠がより連結される作用を得ることができ、法
枠の強度が高まる。また、線材として鉄筋等の剪断強度
や曲げ強度の高いものを使用すると、法枠の剪断強度や
曲げ強度を効果的に高めることができる。そして、法枠
の形成に先立って金網等の網体を設置するとともに、鉄
筋等の線材を格子状に設置すると、上記した各々の効果
が相乗的に発揮され、より強固な法枠を形成できる。
【0056】また、第3発明の法枠の施工方法にあって
は、検測具の幅と高さを目安に膨出体を吹き付け又は打
設すると、自ずと所望する幅と高さを有する法枠を形成
できる。さらに、この検測具に線材を上から載置、及び
/又は下から保持する手段を講ずることにより、第2発
明中の線材の設置をより効率的に行うことができるとと
もに、線材を膨出体内の所定の高さに位置させることが
でき、法枠強度を高くすることができる。
【0057】そして、第4発明による法面の緑化工法に
あっては、植生基材の流亡が格子状の膨出体によって効
果的に防止され、植物種子が発芽・生育することで、早
期に法面の緑化が達成される。また、植物種子を使用し
ない場合は、周辺から飛来した種子は格子枠内に保持さ
れ、発芽生育して最終的には周辺の景観に調和した緑化
が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソイルクリート工法による法面緑化の法枠形成
過程を示す斜視図である。
【図2】検測具の一例を示す斜視図である。
【図3】検測具の一例を示す斜視図である。
【図4】補強材を混練させたコンクリートの吹き付け説
明図である。
【図5】別の実施の形態によるコンクリートの吹き付け
説明図である。
【図6】更に別の実施の形態によるコンクリートの吹き
付け説明図である。
【図7】フリーフレーム工法による法面緑化の法枠形成
過程を示す斜視図である。
【図8】(A)はコアフレーム工法による法面緑化用法
枠の膨出体形成途中の状態を示す断面図、(B)は膨出
体の断面図である。
【符号の説明】
1…網体、2…法面、3…線材、18…膨出体、19…
法枠、20…植生材料、30,32…検測具、a…短繊
維の補強材、A…モルタル(又はコンクリート)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維な
    どの一種または二種以上の短繊維の補強材を体積比で0.
    01%〜 3.0%の割合で混練させたモルタル又はコンクリ
    ートを、法面に格子状に吹き付け又は打設して、格子状
    の膨出体による法枠を形成することを特徴とする法枠の
    施工方法。
  2. 【請求項2】 法面に網体を設置する、又は線材を格子
    状に設置する、又はそれら両方を設置した上から、金属
    繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維などの一種または二種
    以上の短繊維の補強材を体積比で0.01%〜 3.0%の割合
    で混練させたモルタル又はコンクリートを、格子状に吹
    き付け又は打設して、格子状の膨出体による法枠を形成
    することを特徴とする法枠の施工方法。
  3. 【請求項3】 膨出体を所望する幅及び/又は高さに形
    成するための検測具を目安にして法枠を形成したことを
    特徴とする請求項1〜2に記載の法枠の施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の法枠を施工後、格
    子枠内に、植生を導入することを特徴とする法面の緑化
    工法。
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