JP2004036354A - 屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【目的】折板屋根の天井面にセルフドリルビス等の止具の先端が露出しないようにして意匠性を高め、器具の取付けや配線作業をしやすくすることを目的とした屋根構造を提供する。
【構成】谷部の両側に立上り部を、その立上り部の上端部に外側に延びる頂部をそれぞれ形成し、その頂部の一方の頂部の端部に内はぜ部を立設し、他方の頂部の端部には外はぜ部を立設している折板屋根が、互いに隣接している一方の折板屋根の内はぜ部と他方の折板屋根の外はぜ部が長手方向に沿ってはぜ締されて、首部と頭部を有するはぜ部が頂部の上方に形成されており、さらに上記はぜ部には長手方向に沿って所定間隔に、断熱材を支持する上面と、その上面を受けて頂部に支持される脚部と、はぜ部に嵌着される弾性係合部を有する固定部材が、上記弾性係合部がはぜ部に嵌着して弾性係合しており、その固定部材の上面には断熱材が、その断熱材の上部から固定部材の上面を貫通して、先端が固定部材の内側に納まる状態で打込まれるセルフドリルビス等の止具によって止着され、支持されていることを特徴とする屋根構造。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は屋根構造の改良に関する。とくに本発明は俗にシート防水工法と言われる屋根構造に適している。
【0002】
【従来の技術】
従来公知の屋根構造、ことにシート防水工法の屋根構造は図10に示しているとおりである。
12はボルト締めタイプの折板屋根で、不図示であるがこの屋根は梁上に固定した受け金具にボルトを介して取り付けられる。13は断熱材で折板屋根の頂部面に支持されており、セルフドリルビス等の止具14を所定の間隔をもって断熱材13の上部から折板屋根の頂部を貫通して、該ビスの下端が屋根裏面に露出するように打ち込んで固定している。15は断熱材の上面を覆っている防水シートである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の屋根構造は断熱材13を固定しているビス14の下端が折板屋根12の内側に露出しているために、例えば体育館、集会所、工場など大型の建築物であればたくさんのビスが露出しており、非常に見栄えが悪いこと、また電気器具の取り付けや配線作業をする場合に、あるいは天井の掃除をする場合などには露出しているビスが障害物となり、作業上の妨害にもなり、ややもすれば人体や器物の接触によって損傷する危険性があり、これの改良が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の特徴を備えている。
その一つは「谷部の両側に立上り部を、その立上り部の上端部に外側に延びる頂部をそれぞれ形成し、その頂部の一方の頂部の端部に内はぜ部を立設し、他方の頂部の端部には外はぜ部を立設している折板屋根が、互いに隣接している一方の折板屋根の内はぜ部と他方の折板屋根の外はぜ部が長手方向に沿ってはぜ締されて、首部と頭部を有するはぜ部が頂部の上方に形成されており、さらに上記はぜ部には長手方向に沿って所定間隔に、断熱材を支持する上面と、その上面を受けて頂部に支持される脚部と、はぜ部に嵌着される弾性係合部を有する固定部材が、上記弾性係合部がはぜ部に嵌着して弾性係合しており、その固定部材の上面には断熱材が、その断熱材の上部から固定部材の上面を貫通して、先端が固定部材の内側に納まる状態で打込まれるセルフドリルビス等の止具によって止着され、支持されていることを特徴とする屋根構造」である。
【0005】
その2つは「谷部の両側に立上り部を、その立上り部の上端部に外側に延びる頂部をそれぞれ形成し、その頂部の一方の頂部の端部に内はぜ部を立設し、他方の頂部の端部には外はぜ部を立設している折板屋根が、互いに隣接している一方の折板屋根の内はぜ部と他方の折板屋根の外はぜ部が長手方向に沿って所定間隔に、支持部材の一端のはぜ締部を上記内、外はぜ部の間に介在した状態ではぜ締されて、首部と頭部を有するはぜ部が頂部の上方に形成されており、かつ上記支持部材の水平部が頂部に支持されて、その先端部が立上り部の外側に延出しており、さらに上記はぜ部には支持部材の対応位置に断熱材を支持する上面と、その上面を受けて頂部に支持される脚部と、はぜ部に嵌着される弾性係合部を有する固定部材が、上記弾性係合部がはぜ部に嵌着して弾性係合しており、さらにその固定部材には断熱材を支持する上面と、その上面を受けて頂部に支持されると共に固定部材の脚部を内側に弾圧している脚部と、脚部から外側に延出して支持部材の上面に当接する当接部を有するカバー部材が外側から嵌着して弾性係合しており、さらに上記カバー部材の上面には断熱材が、その断熱材の上部からカバー部材と固定部材の上面を貫通して、先端が固定部材の内側に納まる状態で打込まれるセルフドリルビス等の止具によって止着され、支持されていることを特徴とする屋根構造」である。
【0006】
その3つは「上記の屋根構造において、支持部材の他端には、その先端部に長手方向に沿って上方内側に折返し部を形成して、カバー部材の当接部先端を折返し部の下側に位置せしめ、かつカバー部材の当接部の水上側先端部に上記支持部材に係合するストッパを下方に折曲げて形成していることを特徴とする屋根構造」である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の屋根構造について、その実施形態を図面を用いて以下に説明する。
図1において、1は金属板を屈曲加工した長尺のはぜ締タイプの折板屋根で従来公知である。谷部1aの両側に立上り部1b、1bを、その立上り部の上端部に外側に延びる頂部1c、1cをそれぞれ形成している。
さらにその頂部の一方の頂部の端部に内はぜ部1dを立設し、他方の頂部の端部に外はぜ部1eを立設している。
【0008】
図2において、2は金属板をロールフオミング、ベンダ等で成型した所定長さの固定部材で、はぜ部の長手方向に所定間隔でとりつけられ、断熱材を支持、固定する。この部材は断熱材を支持する上面2aと、その上面を両端で受けている脚部2b、2bと、折板屋根のはぜ部に嵌着して弾性係合する弾性係合部2c、2cを備えている。この実施例では弾性係合部は脚部2bの下端から内方に斜め上方に向けて屈曲し、さらにその先端を外方に屈曲して補強している。
【0009】
図3は固定部材の別の実施例を示す。図2と相違するところは脚部2をL型に形成して折板屋根の頂部に面接触するようにし、さらにその端部から上方に屈曲してはぜ部の頭部に嵌着して弾性係合する弾性係合部2c、2cを形成している。
【0010】
図4は本発明屋根構造の施工途上の状態の説明図である。図1に示す折板屋根1、1のはぜ部(内はぜ部1d、外はぜ部1e)に図2に示す固定部材2の弾性係合部2c、2cを嵌着して弾性係合している。
【0011】
図5は図4に示す施工状態に、さらに断熱材、防水シート等の部材を取り付け施工した本発明屋根構造の要部断面図である。
互いに隣接している一方の折板屋根の内はぜ部1dと、他方の折板屋根の外はぜ部1eが長手方向に沿ってはぜ締されて頂部1cの上方に首部4aと頭部4bを有するはぜ部4が形成されている。5、5は屋根の受け金具で、吊子3を介してボルト6で締め付けられている。上記の折板屋根のはぜ締め構造は公知の屋根構造である。
【0012】
上記はぜ部4には所定長さ例えば約10センチメートルの固定部材2の弾性係合部2c、2cが嵌着して強固に弾性係合しており、その状態で脚部2b、2bの下端が頂部1上に支持されており、屋根に対して固定部材が強固に固定されている。固定強度を一層増強するには不図示であるが固定部材の上面2aからはぜ部の頭部4bにセルフドリルビス等の止具を打込んで固定部材とはぜ部を止着することができる。
【0013】
7は公知の断熱材で、固定部材2の上面2aに載置されている。しかして該断熱材の上部からセルフドリルビス8などの止具1〜数本を固定部材の上面2aを貫通せしめて、該止具の先端が固定部材の内側に納まる状態で止着されて敷設されている。
この状態では折板屋根の内側(天井側)には止具の先端が露出していない。9は防水シートで公知の手段で断熱材の上面に敷設されている。
【0014】
次に本発明のさらに別の実施例を示す。この特徴は上記した固定部材と折板屋根のはぜ部との固定、具体的には固定部材とはぜ部との弾性係合による固定をより強固にしていることである。この手段を用いれば両者の固定強度がアップするので、はぜ部と固定部材とを補強のためのビス固定する必要はなく、その作業の煩わしさが解消される。またビス固定する場合には頭部の形状がビス固定できる形状にする必要があり、頭部の形状の自由度が制限されるが、本発明の後述の実施例のごときにすればその心配がなく、自由度が制限されないというメリットがある。以下図6以降を用いて説明する。
【0015】
図6は本発明の支持部材の略正面図を示す。支持部材10は所定長さの金属板を屈曲加工している。10aは一端にく字状に起立して形成しているはぜ締部である。10bは水平部で頂部に支持されており、その先端は立ち上がり部の外側に延出している。さらに水平部の先端には上方に向けて折返し部10cを形成している。この折返し部は後述のカバー部材の当接部の先端を下側で受けて浮上しないように押さえるためである。支持部材の長さはこの実施例では固定部材の約半分の長さである。
【0016】
図7はカバー部材11を示す。11aは上面、11b、11bは脚部、11cは脚部の下端より外方に屈曲している当接部で、支持部材の水平部10bに当接している。11dは当接部11cの長手方向の水上側において下方に折り曲げしているストッパであり、このストッパが支持部材に係合しており、よってカバー部材が仮に水下側へ位置ずれするとしてもそれを阻止している。
なお上記脚部11b、11bは、カバー部材を固定部材に外側から嵌着した際に、固定部材の脚部を内方に押圧するように作用している。つまり脚部の中間部又は下端部における脚部間の寸法を固定部材の脚部間の寸法よりも少し小さい寸法に形成している。かくすることにより固定部材の弾性係合部2cとはぜ部との嵌着強度が大きくなる。
【0017】
図8は図1、図2、図6、図7に示す部材を用いた施工途上の状態を示す。図9は図8に示す施工状態にさらに断熱材、防水シートを取り付けた本発明屋根構造の要部断面図を示す。図示より理解できるとおり一方の折板屋根の内はぜ部と他方の折板屋根の外はぜ部が、長手方向に沿って所定間隔に支持部材の一端に形成しているはぜ締部10aを両はぜ部の間に介在せしめた状態で、はぜ締めされて頂部の上方に首部と頭部を有するはぜ部が形成されている。
【0018】
しかして上記支持部材の水平部が頂部に支持されて、さらに先端部が立上り部の外側に延出しており、さらに上記はぜ部の支持部材の対応位置には固定部材が、その弾性係合部がはぜ部に嵌着して弾性係合しており、さらに固定部材にはカバー部材が外側から嵌着して、前記したようにカバー部材の脚部が固定部材の脚部を内方に弾圧している状態で弾性係合しており、このカバー部材は当接部が支持部材の水平部に当接している。また当接部の長手方向水上側に上記支持部材に係合するストッパを下方に折曲して形成しているので、カバー部材が水下側にずれることがない。さらに当接部の先端が折返し部の下側に位置せしめておけば折返し部がカバー部材の浮き上がりを阻止する。
【0019】
また断熱材7が固定部材とカバー部材の上に支持されてセルフドリルビス等の止具8を断熱材の上部からカバー部材と固定部材の上面を貫通して先端が固定部材の内側に納まる状態で打込まれるビス等の止具によって止着され、支持されている。
以上本発明の屋根構造について実施形態を説明しているが、これにかぎらず本発明の技術思想を逸脱しない範囲の設計変更は可能である。
【0020】
【発明の効果】
本発明は次の効果を奏する。
本発明の屋根構造は業界用語で言うシート防水工法の屋根構造に適しており、従来は折板屋根の裏側つまり天井側に断熱材を固定するためのセルフドリルビスなどの止具の先端が露出していたために、しかもこの屋根構造は体育館、集会場、工場等大型の建物にあっては露出しているビスの数が多く、極めて意匠感を悪くしており、かつ電気器具の取り付け、配線作業をする場合あるいは天井の掃除をする場合には露出しているビスが障害物となり、作業を妨害することとなり、場合によっては人体や器物の接触によって損傷する等の危険性があった。しかし本発明によればセルフドリルビス等の先端は折板屋根の裏側つまり天井面に露出する事なく、固定部材の中に納まるので従来の欠点が全面的に解消される。よって本発明は実用価値極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明屋根構造に用いる折板屋根の略正面図。
【図2】同じく固定部材の略正面図。
【図3】同じく固定部材の別の実施例を示す略正面図。
【図4】本発明屋根構造の施工途上の状態を示す説明図。
【図5】図1、図2に示す部材を用いて施工した本発明屋根構造の要部断面図。
【図6】本発明屋根構造の別の実施例に用いる支持部材の略正面図。
【図7】同じくカバー部材の略正面図。
【図8】施工途上の状態を示す説明図。
【図9】本発明屋根構造の別の実施例を示す要部断面図。
【図10】従来屋根構造の要部断面図である。
【符号の説明】
1   折板屋根
1a  谷部
1b  立上り部
1c  頂部
1d  内はぜ部
1e  外はぜ部
2   固定部材
2a  上面
2b  脚部
2c  弾性係合部
3   吊子
4   はぜ部
4a  首部
4b  頭部
5   受け金具
6   ボルト
7   断熱材
8   セルフドリルビス(止具)
9   防水シート
10  支持部材
10a はぜ締部
10b 水平部
10c 折返し部
11  カバー部材
11a 上面
11b 脚部
11c 当接部
11d ストッパ

Claims (3)

  1. 谷部の両側に立上り部を、その立上り部の上端部に外側に延びる頂部をそれぞれ形成し、その頂部の一方の頂部の端部に内はぜ部を立設し、他方の頂部の端部には外はぜ部を立設している折板屋根が、互いに隣接している一方の折板屋根の内はぜ部と他方の折板屋根の外はぜ部が長手方向に沿ってはぜ締されて、首部と頭部を有するはぜ部が頂部の上方に形成されており、さらに上記はぜ部には長手方向に沿って所定間隔に、断熱材を支持する上面と、その上面を受けて頂部に支持される脚部と、はぜ部に嵌着される弾性係合部を有する固定部材が、上記弾性係合部がはぜ部に嵌着して弾性係合しており、その固定部材の上面には断熱材が、その断熱材の上部から固定部材の上面を貫通して、先端が固定部材の内側に納まる状態で打込まれるセルフドリルビス等の止具によって止着され、支持されていることを特徴とする屋根構造。
  2. 谷部の両側に立上り部を、その立上り部の上端部に外側に延びる頂部をそれぞれ形成し、その頂部の一方の頂部の端部に内はぜ部を立設し、他方の頂部の端部には外はぜ部を立設している折板屋根が、互いに隣接している一方の折板屋根の内はぜ部と他方の折板屋根の外はぜ部が長手方向に沿って所定間隔に、支持部材の一端のはぜ締部を上記内、外はぜ部の間に介在した状態ではぜ締されて、首部と頭部を有するはぜ部が頂部の上方に形成されており、かつ上記支持部材の水平部が頂部に支持されて、その先端部が立ち上がり部の外側に延出しており、さらに上記はぜ部には支持部材の対応位置に断熱材を支持する上面と、その上面を受けて頂部に支持される脚部と、はぜ部に嵌着される弾性係合部を有する固定部材が、上記弾性係合部がはぜ部に嵌着して弾性係合しており、さらにその固定部材には断熱材を支持する上面と、その上面を受けて頂部に支持されると共に固定部材の脚部を内側に弾圧している脚部と、脚部から外側に延出して支持部材の上面に当接する当接部を有するカバー部材が外側から嵌着して弾性係合しており、さらに上記カバー部材の上面には断熱材が、その断熱材の上部からカバー部材と固定部材の上面を貫通して、先端が固定部材の内側に納まる状態で打込まれるセルフドリルビス等の止具によって止着され、支持されていることを特徴とする屋根構造。
  3. 支持部材の他端には、その先端部に長手方向に沿って上方内側に折返し部を形成して、カバー部材の当接部先端を折返し部の下側に位置せしめ、かつカバー部材の当接部の水上側先端部に、上記支持部材に係合するストッパを下方に折曲げて形成していることを特徴とする請求項2記載の屋根構造。
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