JP2004036026A - 炭含有繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維中に、下記の値を満足する炭パウダーが分散されていることを特徴とする炭含有繊維である。
空隙率 ε≧0.56
引張破断強度 δt(Pa)≦3600
好ましくは、炭パウダーの粒径が5μm以下で、炭パウダーの含有率が3〜7重量%で、炭パウダーが備長炭で、フィラメントの単糸繊度が2dtex以上である事が好ましい。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な炭含有繊維に関するものである。
【0002】
【従来技術】
木炭、特にウバメガシを原料として炭化させた白炭(備長炭)は、古来より燃料として用いられてきた。しかし、近年、燃料以外にも種々の用途が提案されている。
【0003】
例えば、特開2001−348723号公報には、炭微粉末を繊維中に配合させ、吸湿性及び帯電防止効果を付与させた合成繊維及びこれを用いた綿状物並びにこれを内包してなる縫製体が開示されている。
【0004】
しかしながら、該公報は、吸湿性及び帯電防止効果を付与することを目的とするものであり、我々が目的とする血流促進効果を目的としているものではない。
【0005】
又、特開2000−290826号公報には、微粉砕した炭パウダーを繊維中に配合させることにより、化学物質の吸着作用、遠赤外線放射による保温作用、マイナスイオンの発生作用等の諸作用を発現させる方法が記載されている。
【0006】
これもまた、微粉砕した炭パウダーを繊維中に配合させる方法は本発明と類似しているが、我々が目的としている血流促進効果のことは全く触れられていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、微粉砕した炭パウダーを繊維中に練り込むことにより、今までになかった血流促進効果を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
本発明の第一は、繊維中に、下記の値を満足する炭パウダーが分散されていることを特徴とする炭含有繊維である。
空隙率 ε≧0.56
引張破断強度 δt(Pa)≦3600
【0009】
本発明の第二は、炭パウダーの粒径が5μm以下であることを特徴とする上記記載の繊維である。
【0010】
本発明の第三は、炭パウダーの含有率が3〜7重量%であることを特徴とする上記記載の繊維である。
【0011】
本発明の第四は、炭パウダーが備長炭であることを特徴とする上記記載の繊維である。
【0012】
本発明の第五は、フィラメントの単糸繊度が2dtex以上であることを特徴とする上記記載の繊維である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に使用出来る炭パウダーは、以下に記す特性値を有していなければならない。
空隙率 ε≧0.56
引張破断強度 δt(Pa)≦3600
【0014】
ここで、空隙率とは、粉体粒子を球形と仮定した場合、粒子が配列した場合の空間率である。引張破断強度とは、炭パウダーを圧縮して形成された粉体層を引っ張り、粉体層が分裂破断に至る時の最大強度である。空隙率が0.56より小さいと、粉体の凝集性が強くなり、均一分散性に欠け、ポリマー濾過圧上昇が大きくなり、紡糸、延伸操業性が著しく悪くなり、得られる糸の強度も低くなる。又、引張破断強度が3600Paより大きいと、空隙率が上記範囲より小さくなるため、粉体の凝集性が強くなり、均一分散性に欠け、紡糸、延伸操業性が悪化し、糸の強度低下をまねく。
【0015】
本発明に使用出来る炭パウダーは、例えばホソカワミクロン(株)社製 アルピネ カウンタージェトミルによって備長炭から作られる。製造条件として重要なことは、原料備長炭を吹き付ける空気圧力と空気量である。空気圧力は0.59MPa程度、空気量は0.72m3/分程の条件下で炭パウダーが作られる。更に得られた炭パウダーを分級機にて5μm以下に分級されて得られた炭パウダーが本発明に使用することが出来る。
【0016】
本発明の炭パウダーの粒径は、好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは2μm以下である。粒径を5μm以下におさえる事により、紡糸延伸操業性が向上するとともに、得られる繊維の物性も優れるので好ましい。
【0017】
炭パウダーは、ポリマー中に好ましくは3〜7重量%配合し、更に好ましくは4〜6重量%配合する。炭パウダーの配合量が3〜7重量%では、血流促進効果が充分であり、又、紡糸操業性も良好であり、糸の強度も十分である。
【0018】
本発明のフィラメントの単糸繊度は、好ましくは2dtex以上である。単糸繊度が2dtex以上であると、炭パウダーを所定の量配合することができる。
【0019】
本発明で用いられるポリマーとしては、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー等が挙げられるが、中でもポリエステル系ポリマーが好ましく、その中でもポリブチレンテレフタレートが特に好ましく用いられる。
【0020】
炭パウダーは、例えばポリエステルの溶融紡糸時にポリエステル繊維と一緒に紡糸口金から吐出される。本発明の繊維を製造するに当っては、まず、ポリエステル樹脂中に、微粉砕処理を施した炭パウダーを10〜25重量%含有させたマスターチップを製造し、これとポリエステル樹脂ペレットと溶融混合し、全体としてポリエステル樹脂中に炭パウダーが好ましくは3〜7重量%、より好ましくは4〜6重量%となるようにする。
【0021】
溶融紡糸は特別の配慮をすることなく通常の方法、又は直接延伸法で紡糸できる。又、糸の断面は、丸断面、三角断面、四角断面、多角断面、偏平断面、中空断面等、多種多様な形状を利用することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の炭含有繊維は、炭パウダーを含有しているため、血流促進効果が得られる。本発明の目的は、該炭含有繊維を単独で、或いは他の繊維と共に併用しても達成できる。
【0023】
又、本発明の主たる目的ではないが、炭が本来的に有する種々の優れた作用、例えば吸湿性、化学物質の吸着作用、遠赤外線放射による保温作用、マイナスイオンの発生作用等が同時に発揮できるものである。
【0024】
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳細に説明する。但し、本発明はここに挙げられているものに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
備長炭をホソカワミクロン社製 アルピネ カウンタージェットミルにより粒径5μm以下に微粉砕した後、アグロボットにより、初期設定荷重50kg、最大圧縮応力1.0MPaの条件で測定した結果、炭パウダーの空隙率が0.589、引張破断強度が3415Paであった。
【0026】
PBTに対して、備長炭の含有量が10重量%となるように、実施例1にて微粉砕した備長炭を配合し、日本製鋼社製 ベント付二軸混練機にて溶融混合してマスターチップ(i)を製造した。その後、このマスターチップ(i)とPBTを、備長炭の含有量が4重量%となるように再度混合し、上記混練機にて溶融混練し、混練チップ(ii)を作製した。
【0027】
得られた混練チップ(ii)を水分率100ppm以下に乾燥し、紡糸温度260℃、巻取速度1200m/分にて紡糸し、その後、延伸倍率2.2倍、延伸速度700m/分で、ローラー温度70℃、プレートヒーター温度150℃で延伸し、84dtex/24フィラメントの糸を得た。
【0028】
上記により得られた延伸糸を丸編し、両手両足に長さ70cmの丸編布を装着し、オメガウエーブ社製 レーザー血流計 オメガフローFLO−C1HPを用いて、人工気象室内で室温27±0.2℃、湿度55±3%の条件で血流量増加率を求めた。
【0029】
実施例2
混練チップ(ii)中の備長炭の含有量が5重量%となるように、マスターチップ(i)とPBTの混合比率を変える以外、実施例1記載の工程で実施した。
【0030】
実施例3
混練チップ(ii)中の備長炭の含有量が7重量%となるように、マスターチップ(i)とPBTの混合比率を変える以外、実施例1記載の工程で実施した。
【0031】
比較例1
混練チップ(ii)に備長炭を混合していないポリブチレンテレフタレート(以下PBTと記す。)に変更し、かつ、紡糸温度を280℃に変更し、糸の伸度が32%になるように延伸倍率とポリマー吐出量を変更して実施例1記載の工程で実施した。実施例1と同条件にて血流量測定を実施し使用した糸の強度、延伸操業性の結果を表1に記す。
【0032】
【表1】
【0033】
ここで、炭パウダー含有率とは、血流量測定に使用した編布の炭パウダー量を算出し、それを百分率で表したものである。糸の強度測定は、JIS L−1013に準じ、島津製作所(株)製のAGS−1KNG オートグラフ引張試験機を用い、試料長20cm、定速引張速度20cm/分の条件で測定し、最高強力の値から糸強度を算出した。延伸操業性は、糸巻量510gにて糸切れ無く巻き上がった本数を百分率で表したものである。表1に記す通り、PBT単独糸に比べ、備長炭を混合している繊維は、血流促進効果は非常に優れ、又、備長炭の含有量に比例して血流促進効果は増大した。糸の強度は、炭パウダーを混合すれば低下するが後加工通過性に問題なく、紡糸延伸操業性も良好である。
【0034】
比較例2
備長炭をホソカワミクロン社製 アルピネ カウンタージェットミルにより実施例1と異なる条件にて微粉砕した後、アグロボットにより、初期設定荷重50kg、最大圧縮応力1.0MPaの条件で測定した結果、炭パウダーの空隙率が0.50、引張破断強度が3700Paであった。その炭パウダーを使用する以外、実施例1記載の工程で実施した。結果を表2に記す。
【0035】
【表2】
【0036】
比較例2は炭パウダーの均一分散性が悪いため、血流促進効果もあまり良くない。しかも、紡糸中の濾過圧の著しい上昇が見られ、紡糸、延伸性が悪化し得られた糸の強度も低いものであった。
Claims (5)
- 繊維中に、下記の値を満足する炭パウダーが分散されていることを特徴とする炭含有繊維。
空隙率 ε≧0.56
引張破断強度 δt(Pa)≦3600 - 炭パウダーの粒径が5μm以下である請求項1記載の繊維。
- 炭パウダーの含有率が3〜7重量%である請求項2記載の繊維。
- 炭パウダーが備長炭である請求項1記載の繊維。
- フィラメントの単糸繊度が2dtex以上である請求項1記載の繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002193508A JP2004036026A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 炭含有繊維 |
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JP2002193508A JP2004036026A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 炭含有繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004036026A true JP2004036026A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31702452
Family Applications (1)
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JP2002193508A Pending JP2004036026A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 炭含有繊維 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004036026A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005098102A1 (en) * | 2004-04-06 | 2005-10-20 | Korea Composite Technology Co., Ltd. | Manufacturing method of high charcoal content synthetic fiber |
-
2002
- 2002-07-02 JP JP2002193508A patent/JP2004036026A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005098102A1 (en) * | 2004-04-06 | 2005-10-20 | Korea Composite Technology Co., Ltd. | Manufacturing method of high charcoal content synthetic fiber |
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