JP2004035992A - 高靭性プラスチック成形金型用鋼 - Google Patents
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Abstract
【課題】被削性が優れていると共に、耐発錆性及び鏡面仕上性が優れており、金型製品として十分な強度及び高靭性を有するプレハードンの高靭性プラスチック成形金型用鋼を提供する。
【解決手段】C:0.15質量%以下、Si:0.2〜1.0質量%、Mn:0.5〜2.0質量%、Cr:2.0〜5.0質量%、Cu:0.5〜2.0質量%、Ni:2.5〜4.5質量%、Mo:0.8〜2.0質量%、Al:0.5〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する。そして、マルテンサイト又はベイナイト組織を主体とした基地に、時効処理時に金属間化合物NiAl、ε−Cu及び脆化相を析出させて、硬さを35〜50HRCに調質したものである。更に、Sを0.05〜0.15質量%、Vを0.3質量%以下含有することもできる。
【選択図】 なし
【解決手段】C:0.15質量%以下、Si:0.2〜1.0質量%、Mn:0.5〜2.0質量%、Cr:2.0〜5.0質量%、Cu:0.5〜2.0質量%、Ni:2.5〜4.5質量%、Mo:0.8〜2.0質量%、Al:0.5〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する。そして、マルテンサイト又はベイナイト組織を主体とした基地に、時効処理時に金属間化合物NiAl、ε−Cu及び脆化相を析出させて、硬さを35〜50HRCに調質したものである。更に、Sを0.05〜0.15質量%、Vを0.3質量%以下含有することもできる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた被削性を有し、良好な耐発錆性と鏡面仕上性を兼備する高靭性プラスチック成形金型用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形品の精密化が進み、高い寸法精度が要求される製品の成形金型は、錆の発生により外観が損なわれたり、表面の強度が低下したりすることのないようにするため、錆発生防止のための管理が求められている。錆の発生を防ぐには、成型を中断するときには型表面に結露が生じないように必ず冷却水を止め、型表面の水分を拭き取る必要がある。また、成型終了時は水穴内部の水拭きを行い、水抜き後にエアを通し、内部の水分も完全になくしてしまうことが必要である。金型を長期間保存する場合は型面をきれいに清掃し、その後グリーンを塗布する必要がある。型面を清掃せずにグリースを塗ると、型面についている汚れにより錆が発生する虞がある。
【0003】
また、難燃材料の成形は腐食性ガスが発生するため、型材の防錆が必要であり、成形を休止及び終了したときは、必ず型を洗浄しなければならない。このように錆の発生を防ぐには、日頃からの管理体制が重要であり、作業者の教育が必要である。従来、上述のような耐発錆性の要求される用途には、JIS SUS630系の析出硬化系ステンレス鋼と、SUS420J2系、SUS440C系のマルテンサイト系ステンレス鋼が使用されてきた。しかしこれらのステンレス系金型用鋼は、硬さは金型として使用するのに十分であるが、被削性が優れているとはいえない。
【0004】
被削性を改良する手段として、上記JIS鋼種に快削元素Sを添加したステンレス鋼が開発され、金型用鋼として使用されている。ステンレス鋼で製造した成形金型は、発錆が遅く、耐錆性が優れているが、Sを添加した快削系ステンレス鋼は孔食と呼ばれる局部的な孔状腐食が介在物周辺から発生し、これが破壊の起点となるという問題点が起こりやすい。
【0005】
金型加工業界では、コストダウンを目的とした加工費の削減、製作の納期の短縮が強く要望されており、耐発錆性だけでなく、優れた被削性を兼備した金型用鋼が必要とされている。更に、製品の少ロット化が進んでおり、金型自体の材料費の削減も重要となっている。
【0006】
そこで、ステンレス鋼に変わる金型用鋼として、例えば特開昭55−28385号には、NiAl析出硬化型鋼が提案されており、高い寸法精度が要求される製品用の金型として広く使用されている。しかし、NiAl析出硬化型鋼は、ステンレス鋼に比べてCr添加量が少なく、局部的な孔状腐食といった耐発錆性の問題点が生じる場合も少なくない。また、NiAl及びε−Cuの析出硬化を利用した硬度40HRCプレハードン型金型用鋼は、快削元素の添加無しでは被削性が十分とはいえない。
【0007】
金型用鋼の被削性を向上させるために、快削元素Sを添加することは常套手段である。しかし、Sを添加すると、硫化物MnS介在物が発錆を促進するため、それを補うためにZr及びCrを添加して硫化物の形態を制御することが行われている。しかしながら、形態制御を実施しても、局部的な孔食腐食の発生は完全には抑制できない。また、鏡面仕上性は硬さに相関があり、高硬度ほど鏡面度が高いと考えられるが、硫化物等の介在物及び炭化物は鏡面仕上性を阻害するため、存在しないに越したことはなく、Sを添加する場合は被削性と鏡面仕上性は相反することになる。
【0008】
また、被削性を向上させる手法として、鋼材にPを積極的に添加して粒界を脆化させ、切削抵抗を下げる手法が知られている。しかしながら、粒界が脆化して靭性の低い材料を成形金型として用いた場合、比較的速い速度で成形金型を型合わせした際に成形金型が欠け、疲労寿命が短くなるという問題点が生じる。よって、プラスチック成形金型用鋼としては、積極的に脆化相を析出させた鋼材は無い。
【0009】
一方、Cr量が多く耐食性が向上したステンレス系金型用鋼において、硬度40HRCに調質するためには、焼戻温度を高くする必要がある。しかし、高温焼戻では析出する炭化物量が多くなり、被削性が劣化する問題がある。
【0010】
特開平11−140591号、特開2000−54068号には、35〜45HRCの硬さを有し、被削性が優れていると共に、切削加工及び放電加工等の加工後、そのまま放置しても発錆等の問題が生じない耐食性が優れた金型用鋼が提案されている。この鋼は被削性を害しない程度に耐食性を付与する程度のCr、Mo等を固溶させ、焼入れされた低Cマルテンサイト又はベイナイト組織からなる基地に、焼戻時に金属間化合物及び炭化物を析出させて、硬さを高めた鋼である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの公報に記載された金型用鋼は、基地がマルテンサイト化及びベイナイト化することと、炭化物の増加は切削抵抗を増大させ、深穴加工といったドリル加工性が悪化するという問題点がある。また、低Cマルテンサイト又はベイナイト組織からなるため、靭性が低くなり、金型としての疲労寿命が短くなることが予想される。更に、特開2000−54068号公報に開示された鋼は、マルテンサイトのバケットサイズを大きく調整することにより被削性を改善しているが、結晶粒を大きくすることは靭性低下を招く虞がある。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、被削性が優れていると共に、耐発錆性及び鏡面仕上性が優れており、金型製品として十分な強度及び高靭性を有するプレハードンの高靭性プラスチック成形金型用鋼を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る高靭性プラスチック成形金型用鋼は、C:0.15質量%以下、Si:0.2〜1.0質量%、Mn:0.5〜2.0質量%、Cr:2.0〜5.0質量%、Cu:0.5〜2.0質量%、Ni:2.5〜4.5質量%、Mo:0.8〜2.0質量%、Al:0.5〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有し、マルテンサイト又はベイナイト組織を主体とした基地に、時効処理時に金属間化合物NiAl、ε−Cu及び脆化相を析出させて、硬さを35〜50HRCに調質したことを特徴とする。
【0014】
本発明においては、更に、Sを0.05〜0.15質量%含有することができる。更にまた、Vを0.3質量%以下含有することができる。
【0015】
本発明者等は、脆化による被削性改善効果に着目して、σ相及びLaves相等の脆化相の析出と成長挙動、更に靭性の低下について鋭意研究し、NiAl及びε−Cuの析出と脆化相の析出が起こる熱処理を施した場合、σ相及びLaves相といった脆化相の成長が抑制され、脆化相が均一微細に分散析出し、NiAl及びε−Cuの析出と伴って、結果として靭性が低下せず、組織的に強靱化できることを見いだした。
【0016】
また、本発明組成の鋼は、従来の析出硬化型鋼の成分を見直し、耐食性に関して、Cr及びMoの添加により、これを向上させた。また、粗大な炭化物の成形を抑制し、更に介在物を少なくすることにより、孔食腐食による発錆を抑制し、鏡面仕上性及び耐錆性を向上させた。被削性に関しては、NiAlを析出させるための時効処理中に、同時に、脆化相を基地に均一微細に析出させることで向上させた。
【0017】
これにより、耐発錆性と被削性を兼備する靭性が優れたプラスチック成形用プレハードン金型用鋼が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明鋼は、C:0.15質量%以下、Si:0.2〜1.0質量%、Mn:0.5〜2.0質量%、Cr:2.0〜5.0質量%、Cu:0.5〜2.0質量%、Ni:2.5〜4.0質量%、Mo:0.8〜2.0質量%、Al:0.5〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有し、更に硬さが35〜50HRCである耐発錆性と被削性が優れた高靭性プラスチック成形用プレハードン金型用鋼である。
【0019】
以下、本発明の鋼における成分添加理由及び組成限定理由について、説明する。
【0020】
C:0.15質量%以下
本発明鋼の強度は、金属間化合物NiAl及びε−Cuの析出により確保しており、Cは炭化物を形成させないために極力低減させた方が良い。C量が増すとCr及びMo等の硬い炭化物を過剰に形成して、靭性及び被削性を害し、また過剰に炭化物が形成すると、研磨段階で仕上げ面上に微小な凹凸状のムラが発生し、鏡面仕上げ時にもオレンジピールが発生しやすいため、鏡面仕上性が劣化する。そのため、Cの上限を0.15質量%とした。
【0021】
Si:0.2〜1.0質量%
Siは製鋼工程における脱酸のために必要な元素であり、また耐摩耗性と強度を増大する効果がある。この添加効果を得るためには、Siは少なくとも0.2質量%以上は必要である。しかし、Siが多すぎると、結晶粒径が粗大化し、靭性を害するため、上限を1.0質量%とした。
【0022】
Mn:0.5〜2.0質量%
Mnは焼入性を向上させて強度を増大させる効果があり、少なくとも0.5質量%は必要である。多すぎると残留オーステナイトを増加させて逆に強度を低下させ、また寸法の経年劣化を引き起こす。また耐食性、耐酸化性が劣化するため上限を2.00質量%とした。
【0023】
Cr:2.0〜5.0質量%
Crは耐食性を付与するのに有効な元素であり、Cr量が多いほど耐発錆性、耐酸化性、及び耐孔食性が改善される。これらの効果を明確にするため、下限を2.0質量%とする。Crが多すぎると、被削性が劣化するため、上限を5.0質量%とする。
【0024】
Cu:0.5〜2.0質量%
Cuはε−Cuを析出させ、強度を確保するために必須であり、また耐発錆性を向上させるのに有効である。これらの効果を十分に得るために、Cuの下限値を0.5質量%とする。また、Cuが多すぎると、高温で粒界脆化を促進し、熱間加工性が阻害されるため、Cuの上限値を2.0質量%とする。
【0025】
Ni:2.5〜4.0質量%
Niは金属間化合物NiAlを形成するのに必須であり、強度を確保するために少なくとも2.5質量%添加することが必要である。しかし、Niが多くなると、Alと結合しない余剰Niが基地に固溶し、切削中に加工硬化量が多くなり、被削性が劣化するため、Niの上限値を4.0質量%とする。
【0026】
Mo:0.8〜2.0質量%
Moは耐発錆性及び耐孔食性を改善するのに有効な元素であり、また本発明鋼においては脆化相が析出する温度範囲を拡大させるのに有効である。その十分な効果を得るためには、Moを0.8質量%以上添加することが必要であり、逆に、Mo量が2.0質量%を超えると、効果が飽和するため、上限値を2.0質量%とする。
【0027】
Al:0.5〜1.5質量%
Alは金属間化合物NiAlを形成するために必要な元素であり、強度を確保するために少なくとも0.5質量%以上添加することが必要である。しかし、Alが多くなると、介在物AlNが形成しやすくなる。このAlNは切削加工時における工具刃先の早期破損の原因となり、被削性を劣化させる。このため、Alの上限値を1.5質量%とする。
【0028】
S:0.05〜0.15質量%
Sは、MnSを形成することにより直接的に被削性を向上させることができ、特に快削性を必要とする場合に必要である。その十分な効果を得るために、Sの下限値を0.05質量%とした。Sが多すぎると、孔食感受性の増加及び熱間加工性の劣化が起こるため、その上限値を0.15質量%とする。よって、Sを添加する場合は、0.05〜0.15質量%とする。
【0029】
V:0.3質量%以下
Vは結晶粒の微細化に効果があり、靭性を高めるが、粗大な炭化物を形成し得るので、被削性及び鏡面加工性の維持のために、Vは0.3質量%以下であることが好ましい。よって、Vを添加する場合は、その添加量は0.3質量%以下である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。下記表1は、供試材の化学組成を示し、表2は基地の種類及び析出相の種類を示す。なお、表2において、Mはマルテンサイトを示し、Bはベイナイトを示す。また、表2において、○はその析出相(金属間化合物)が存在すること、×は存在しないことを示す。供試材は10kg真空誘導炉にて溶解し、鍛錬比4以上で、厚さ40mm、幅70mm、長さ250mm程度に鍛造した後、放冷したものである。更に、溶体化処理として、供試材を930℃で1時間加熱して保持した後、放冷した。その後、時効処理として、供試材を500℃〜600℃で6時間加熱し保持した後、空冷した。このような処理で得られた供試材の硬さは35〜50HRCであった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
下記表3は本発明鋼と比較鋼の硬さ測定結果、エンドミルによる被削性評価結果及びシャルピー衝撃試験結果を示す。エンドミルによる被削性評価は、2枚刃のエンドミルを用いて乾式で側面切削を行い、切削長さ10m時の工具の境界部摩耗量(短刃と長刃の平均)で判断した。被覆性試験条件は切り込み量:15mm、切削幅:1mm、切削速度26.4m/分、送り速度:94mm/分、回転数840rpm、1刃当たりの送り量:0.058mm/刃である。靭性の評価はJISZ2242による2mmUノッチのシャルピー衝撃試験にて実施した。被削性については、工具摩耗量が0.050μm以下のものを◎、0.100μm以下のものを○、0.150μm以下のものを△、0.150μmを超えるものを×とした。靭性については、シャルピ衝撃値が30.0J/cm2以上の場合を○、13.0J/cm2以上の場合を△、13.0J/cm2未満のものを×とした。
【0034】
【表3】
【0035】
下記表4に本発明鋼と比較鋼の耐発錆性評価結果、及び鏡面仕上げ評価結果を示す。耐発錆性の評価は純水を噴霧したときの発錆時間と発錆量の比較により実施した。噴霧するための供給空気の圧力は10kgf/cm2とし、噴霧室内の試料を置く曝露帯は35±2℃に保ち、試験時間1〜24時間後の錆の発錆状態を比較した。発錆状況の程度により◎(最良:発錆面積率が0%)、○(良:発錆面積率が0%を超え5%未満)、△(中間:発錆面積率が5%以上20質量%未満)、×(不良:発錆面積率が20%以上)で評価した。試料表面の発錆状態を比較する官能検査で、定量化 難しいが、上記の条件で定量評価を試みた。
【0036】
【表4】
【0037】
鏡面仕上げまでの研磨手順は、フライス加工した面を#400番まで砥石研磨した後、ペーパー研磨により#2000番まで磨き、続いて機械的化学的研磨により鏡面まで仕上げた。研磨後、仕上面肌を光学顕微鏡にて観察し、ピンホールやオレンジピールの有無を確認した。仕上げ面粗さは触針式の粗さ測定機を用いて測定し、評価は最大粗さRy値、ピンホール及びオレンジピールの有無、光沢状況により、◎:最良、○:良、△:中間、×:不良として判定した。オレンジピールとは金属材料のファイバー方向に伸びた微小な凹凸状のムラであり、ミクロ的には結晶粒内の組織の非整合が影響する。このオレンジピールは成形品の表面に転写されるので問題となる。
【0038】
本発明の実施例1乃至20の鋼は、被削性、靭性、耐発錆性及び鏡面仕上性において、比較例の鋼よりも優れている。比較例21,22の鋼は鏡面仕上性においては本発明実施例鋼と同等であるが、被削性、靭性及び耐発錆性の面で劣る。比較例27乃至30の鋼は本発明実施例鋼と同等の靭性を有するが、被削性が劣る。更に、比較例23乃至28及び30の鋼は鏡面仕上げ加工時にピンホール及びオレンジピールの発生が認められ、本発明実施例鋼より鏡面仕上性が劣る。
【0039】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、被削性、靭性、耐発錆性及び鏡面仕上性が優れたプラスチック成形用プレハードン金型用鋼を得ることができる。また、本発明鋼は、金型製品として必要な強度及び靭性を有し、高い寸法精度が要求される製品向けの精密金型用材料として極めて有効である。
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた被削性を有し、良好な耐発錆性と鏡面仕上性を兼備する高靭性プラスチック成形金型用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形品の精密化が進み、高い寸法精度が要求される製品の成形金型は、錆の発生により外観が損なわれたり、表面の強度が低下したりすることのないようにするため、錆発生防止のための管理が求められている。錆の発生を防ぐには、成型を中断するときには型表面に結露が生じないように必ず冷却水を止め、型表面の水分を拭き取る必要がある。また、成型終了時は水穴内部の水拭きを行い、水抜き後にエアを通し、内部の水分も完全になくしてしまうことが必要である。金型を長期間保存する場合は型面をきれいに清掃し、その後グリーンを塗布する必要がある。型面を清掃せずにグリースを塗ると、型面についている汚れにより錆が発生する虞がある。
【0003】
また、難燃材料の成形は腐食性ガスが発生するため、型材の防錆が必要であり、成形を休止及び終了したときは、必ず型を洗浄しなければならない。このように錆の発生を防ぐには、日頃からの管理体制が重要であり、作業者の教育が必要である。従来、上述のような耐発錆性の要求される用途には、JIS SUS630系の析出硬化系ステンレス鋼と、SUS420J2系、SUS440C系のマルテンサイト系ステンレス鋼が使用されてきた。しかしこれらのステンレス系金型用鋼は、硬さは金型として使用するのに十分であるが、被削性が優れているとはいえない。
【0004】
被削性を改良する手段として、上記JIS鋼種に快削元素Sを添加したステンレス鋼が開発され、金型用鋼として使用されている。ステンレス鋼で製造した成形金型は、発錆が遅く、耐錆性が優れているが、Sを添加した快削系ステンレス鋼は孔食と呼ばれる局部的な孔状腐食が介在物周辺から発生し、これが破壊の起点となるという問題点が起こりやすい。
【0005】
金型加工業界では、コストダウンを目的とした加工費の削減、製作の納期の短縮が強く要望されており、耐発錆性だけでなく、優れた被削性を兼備した金型用鋼が必要とされている。更に、製品の少ロット化が進んでおり、金型自体の材料費の削減も重要となっている。
【0006】
そこで、ステンレス鋼に変わる金型用鋼として、例えば特開昭55−28385号には、NiAl析出硬化型鋼が提案されており、高い寸法精度が要求される製品用の金型として広く使用されている。しかし、NiAl析出硬化型鋼は、ステンレス鋼に比べてCr添加量が少なく、局部的な孔状腐食といった耐発錆性の問題点が生じる場合も少なくない。また、NiAl及びε−Cuの析出硬化を利用した硬度40HRCプレハードン型金型用鋼は、快削元素の添加無しでは被削性が十分とはいえない。
【0007】
金型用鋼の被削性を向上させるために、快削元素Sを添加することは常套手段である。しかし、Sを添加すると、硫化物MnS介在物が発錆を促進するため、それを補うためにZr及びCrを添加して硫化物の形態を制御することが行われている。しかしながら、形態制御を実施しても、局部的な孔食腐食の発生は完全には抑制できない。また、鏡面仕上性は硬さに相関があり、高硬度ほど鏡面度が高いと考えられるが、硫化物等の介在物及び炭化物は鏡面仕上性を阻害するため、存在しないに越したことはなく、Sを添加する場合は被削性と鏡面仕上性は相反することになる。
【0008】
また、被削性を向上させる手法として、鋼材にPを積極的に添加して粒界を脆化させ、切削抵抗を下げる手法が知られている。しかしながら、粒界が脆化して靭性の低い材料を成形金型として用いた場合、比較的速い速度で成形金型を型合わせした際に成形金型が欠け、疲労寿命が短くなるという問題点が生じる。よって、プラスチック成形金型用鋼としては、積極的に脆化相を析出させた鋼材は無い。
【0009】
一方、Cr量が多く耐食性が向上したステンレス系金型用鋼において、硬度40HRCに調質するためには、焼戻温度を高くする必要がある。しかし、高温焼戻では析出する炭化物量が多くなり、被削性が劣化する問題がある。
【0010】
特開平11−140591号、特開2000−54068号には、35〜45HRCの硬さを有し、被削性が優れていると共に、切削加工及び放電加工等の加工後、そのまま放置しても発錆等の問題が生じない耐食性が優れた金型用鋼が提案されている。この鋼は被削性を害しない程度に耐食性を付与する程度のCr、Mo等を固溶させ、焼入れされた低Cマルテンサイト又はベイナイト組織からなる基地に、焼戻時に金属間化合物及び炭化物を析出させて、硬さを高めた鋼である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの公報に記載された金型用鋼は、基地がマルテンサイト化及びベイナイト化することと、炭化物の増加は切削抵抗を増大させ、深穴加工といったドリル加工性が悪化するという問題点がある。また、低Cマルテンサイト又はベイナイト組織からなるため、靭性が低くなり、金型としての疲労寿命が短くなることが予想される。更に、特開2000−54068号公報に開示された鋼は、マルテンサイトのバケットサイズを大きく調整することにより被削性を改善しているが、結晶粒を大きくすることは靭性低下を招く虞がある。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、被削性が優れていると共に、耐発錆性及び鏡面仕上性が優れており、金型製品として十分な強度及び高靭性を有するプレハードンの高靭性プラスチック成形金型用鋼を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る高靭性プラスチック成形金型用鋼は、C:0.15質量%以下、Si:0.2〜1.0質量%、Mn:0.5〜2.0質量%、Cr:2.0〜5.0質量%、Cu:0.5〜2.0質量%、Ni:2.5〜4.5質量%、Mo:0.8〜2.0質量%、Al:0.5〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有し、マルテンサイト又はベイナイト組織を主体とした基地に、時効処理時に金属間化合物NiAl、ε−Cu及び脆化相を析出させて、硬さを35〜50HRCに調質したことを特徴とする。
【0014】
本発明においては、更に、Sを0.05〜0.15質量%含有することができる。更にまた、Vを0.3質量%以下含有することができる。
【0015】
本発明者等は、脆化による被削性改善効果に着目して、σ相及びLaves相等の脆化相の析出と成長挙動、更に靭性の低下について鋭意研究し、NiAl及びε−Cuの析出と脆化相の析出が起こる熱処理を施した場合、σ相及びLaves相といった脆化相の成長が抑制され、脆化相が均一微細に分散析出し、NiAl及びε−Cuの析出と伴って、結果として靭性が低下せず、組織的に強靱化できることを見いだした。
【0016】
また、本発明組成の鋼は、従来の析出硬化型鋼の成分を見直し、耐食性に関して、Cr及びMoの添加により、これを向上させた。また、粗大な炭化物の成形を抑制し、更に介在物を少なくすることにより、孔食腐食による発錆を抑制し、鏡面仕上性及び耐錆性を向上させた。被削性に関しては、NiAlを析出させるための時効処理中に、同時に、脆化相を基地に均一微細に析出させることで向上させた。
【0017】
これにより、耐発錆性と被削性を兼備する靭性が優れたプラスチック成形用プレハードン金型用鋼が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明鋼は、C:0.15質量%以下、Si:0.2〜1.0質量%、Mn:0.5〜2.0質量%、Cr:2.0〜5.0質量%、Cu:0.5〜2.0質量%、Ni:2.5〜4.0質量%、Mo:0.8〜2.0質量%、Al:0.5〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有し、更に硬さが35〜50HRCである耐発錆性と被削性が優れた高靭性プラスチック成形用プレハードン金型用鋼である。
【0019】
以下、本発明の鋼における成分添加理由及び組成限定理由について、説明する。
【0020】
C:0.15質量%以下
本発明鋼の強度は、金属間化合物NiAl及びε−Cuの析出により確保しており、Cは炭化物を形成させないために極力低減させた方が良い。C量が増すとCr及びMo等の硬い炭化物を過剰に形成して、靭性及び被削性を害し、また過剰に炭化物が形成すると、研磨段階で仕上げ面上に微小な凹凸状のムラが発生し、鏡面仕上げ時にもオレンジピールが発生しやすいため、鏡面仕上性が劣化する。そのため、Cの上限を0.15質量%とした。
【0021】
Si:0.2〜1.0質量%
Siは製鋼工程における脱酸のために必要な元素であり、また耐摩耗性と強度を増大する効果がある。この添加効果を得るためには、Siは少なくとも0.2質量%以上は必要である。しかし、Siが多すぎると、結晶粒径が粗大化し、靭性を害するため、上限を1.0質量%とした。
【0022】
Mn:0.5〜2.0質量%
Mnは焼入性を向上させて強度を増大させる効果があり、少なくとも0.5質量%は必要である。多すぎると残留オーステナイトを増加させて逆に強度を低下させ、また寸法の経年劣化を引き起こす。また耐食性、耐酸化性が劣化するため上限を2.00質量%とした。
【0023】
Cr:2.0〜5.0質量%
Crは耐食性を付与するのに有効な元素であり、Cr量が多いほど耐発錆性、耐酸化性、及び耐孔食性が改善される。これらの効果を明確にするため、下限を2.0質量%とする。Crが多すぎると、被削性が劣化するため、上限を5.0質量%とする。
【0024】
Cu:0.5〜2.0質量%
Cuはε−Cuを析出させ、強度を確保するために必須であり、また耐発錆性を向上させるのに有効である。これらの効果を十分に得るために、Cuの下限値を0.5質量%とする。また、Cuが多すぎると、高温で粒界脆化を促進し、熱間加工性が阻害されるため、Cuの上限値を2.0質量%とする。
【0025】
Ni:2.5〜4.0質量%
Niは金属間化合物NiAlを形成するのに必須であり、強度を確保するために少なくとも2.5質量%添加することが必要である。しかし、Niが多くなると、Alと結合しない余剰Niが基地に固溶し、切削中に加工硬化量が多くなり、被削性が劣化するため、Niの上限値を4.0質量%とする。
【0026】
Mo:0.8〜2.0質量%
Moは耐発錆性及び耐孔食性を改善するのに有効な元素であり、また本発明鋼においては脆化相が析出する温度範囲を拡大させるのに有効である。その十分な効果を得るためには、Moを0.8質量%以上添加することが必要であり、逆に、Mo量が2.0質量%を超えると、効果が飽和するため、上限値を2.0質量%とする。
【0027】
Al:0.5〜1.5質量%
Alは金属間化合物NiAlを形成するために必要な元素であり、強度を確保するために少なくとも0.5質量%以上添加することが必要である。しかし、Alが多くなると、介在物AlNが形成しやすくなる。このAlNは切削加工時における工具刃先の早期破損の原因となり、被削性を劣化させる。このため、Alの上限値を1.5質量%とする。
【0028】
S:0.05〜0.15質量%
Sは、MnSを形成することにより直接的に被削性を向上させることができ、特に快削性を必要とする場合に必要である。その十分な効果を得るために、Sの下限値を0.05質量%とした。Sが多すぎると、孔食感受性の増加及び熱間加工性の劣化が起こるため、その上限値を0.15質量%とする。よって、Sを添加する場合は、0.05〜0.15質量%とする。
【0029】
V:0.3質量%以下
Vは結晶粒の微細化に効果があり、靭性を高めるが、粗大な炭化物を形成し得るので、被削性及び鏡面加工性の維持のために、Vは0.3質量%以下であることが好ましい。よって、Vを添加する場合は、その添加量は0.3質量%以下である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。下記表1は、供試材の化学組成を示し、表2は基地の種類及び析出相の種類を示す。なお、表2において、Mはマルテンサイトを示し、Bはベイナイトを示す。また、表2において、○はその析出相(金属間化合物)が存在すること、×は存在しないことを示す。供試材は10kg真空誘導炉にて溶解し、鍛錬比4以上で、厚さ40mm、幅70mm、長さ250mm程度に鍛造した後、放冷したものである。更に、溶体化処理として、供試材を930℃で1時間加熱して保持した後、放冷した。その後、時効処理として、供試材を500℃〜600℃で6時間加熱し保持した後、空冷した。このような処理で得られた供試材の硬さは35〜50HRCであった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
下記表3は本発明鋼と比較鋼の硬さ測定結果、エンドミルによる被削性評価結果及びシャルピー衝撃試験結果を示す。エンドミルによる被削性評価は、2枚刃のエンドミルを用いて乾式で側面切削を行い、切削長さ10m時の工具の境界部摩耗量(短刃と長刃の平均)で判断した。被覆性試験条件は切り込み量:15mm、切削幅:1mm、切削速度26.4m/分、送り速度:94mm/分、回転数840rpm、1刃当たりの送り量:0.058mm/刃である。靭性の評価はJISZ2242による2mmUノッチのシャルピー衝撃試験にて実施した。被削性については、工具摩耗量が0.050μm以下のものを◎、0.100μm以下のものを○、0.150μm以下のものを△、0.150μmを超えるものを×とした。靭性については、シャルピ衝撃値が30.0J/cm2以上の場合を○、13.0J/cm2以上の場合を△、13.0J/cm2未満のものを×とした。
【0034】
【表3】
【0035】
下記表4に本発明鋼と比較鋼の耐発錆性評価結果、及び鏡面仕上げ評価結果を示す。耐発錆性の評価は純水を噴霧したときの発錆時間と発錆量の比較により実施した。噴霧するための供給空気の圧力は10kgf/cm2とし、噴霧室内の試料を置く曝露帯は35±2℃に保ち、試験時間1〜24時間後の錆の発錆状態を比較した。発錆状況の程度により◎(最良:発錆面積率が0%)、○(良:発錆面積率が0%を超え5%未満)、△(中間:発錆面積率が5%以上20質量%未満)、×(不良:発錆面積率が20%以上)で評価した。試料表面の発錆状態を比較する官能検査で、定量化 難しいが、上記の条件で定量評価を試みた。
【0036】
【表4】
【0037】
鏡面仕上げまでの研磨手順は、フライス加工した面を#400番まで砥石研磨した後、ペーパー研磨により#2000番まで磨き、続いて機械的化学的研磨により鏡面まで仕上げた。研磨後、仕上面肌を光学顕微鏡にて観察し、ピンホールやオレンジピールの有無を確認した。仕上げ面粗さは触針式の粗さ測定機を用いて測定し、評価は最大粗さRy値、ピンホール及びオレンジピールの有無、光沢状況により、◎:最良、○:良、△:中間、×:不良として判定した。オレンジピールとは金属材料のファイバー方向に伸びた微小な凹凸状のムラであり、ミクロ的には結晶粒内の組織の非整合が影響する。このオレンジピールは成形品の表面に転写されるので問題となる。
【0038】
本発明の実施例1乃至20の鋼は、被削性、靭性、耐発錆性及び鏡面仕上性において、比較例の鋼よりも優れている。比較例21,22の鋼は鏡面仕上性においては本発明実施例鋼と同等であるが、被削性、靭性及び耐発錆性の面で劣る。比較例27乃至30の鋼は本発明実施例鋼と同等の靭性を有するが、被削性が劣る。更に、比較例23乃至28及び30の鋼は鏡面仕上げ加工時にピンホール及びオレンジピールの発生が認められ、本発明実施例鋼より鏡面仕上性が劣る。
【0039】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、被削性、靭性、耐発錆性及び鏡面仕上性が優れたプラスチック成形用プレハードン金型用鋼を得ることができる。また、本発明鋼は、金型製品として必要な強度及び靭性を有し、高い寸法精度が要求される製品向けの精密金型用材料として極めて有効である。
Claims (3)
- C:0.15質量%以下、Si:0.2〜1.0質量%、Mn:0.5〜2.0質量%、Cr:2.0〜5.0質量%、Cu:0.5〜2.0質量%、Ni:2.5〜4.5質量%、Mo:0.8〜2.0質量%、Al:0.5〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有し、マルテンサイト又はベイナイト組織を主体とした基地に、時効処理時に金属間化合物NiAl、ε−Cu及び脆化相を析出させて、硬さを35〜50HRCに調質したことを特徴とする高靭性プラスチック成形金型用鋼。
- 更に、Sを0.05〜0.15質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の高靭性プラスチック成形金型用鋼。
- 更に、Vを0.3質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高靭性プラスチック成形金型用鋼。
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