JP2004035302A - ヨウ素の回収方法及び回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液からヨウ素を効率的に回収する方法及び装置、並びに昇華したヨウ素を効率的に回収する方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法等に関する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法等に関する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する廃液からヨウ素を回収する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヨウ素は、医薬用、工業用、農業用等の様々な製品の原料、中間体として広く用いられている。その一方で、ヨウ素は存在率が少なく高価なため貴重な資源である。
【0003】
化学製品の製造工程で生じるヨウ素或いはヨウ化物イオンを含む廃液から高価なヨウ素を回収することは、製品の製造コストの低減化、自然環境保護、少資源回収等の見地からみて極めて重要である。また、ヨウ素は製品の製造工程やヨウ素の回収工程で昇華によるロスが生じやすく、腐食性を有する劇物であるため取り扱いには特に注意を要する。そのため、人体への影響、自然環境保護等の見地からもヨウ素の大気中への拡散は極力抑える必要がある。特に、大規模な工業プラント等においてはその必要性は大きい。
【0004】
廃液中からのヨウ素の回収法については、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムを含む水溶液に塩素を吹き込んで遊離ヨウ素を沈殿させ、次いで加圧溶融する方法等が用いられている(ヨウ素総説(霞ヶ関出版;平成4年4月20日 第二版 松岡敬一郎著 第238頁))。
【0005】
また、昇華したヨウ素の回収法については、回収液として有機溶媒、水、アルカリ水溶液、亜硫酸塩水溶液が主に使用されているが、いずれの回収液も次の理由で満足いくものではない。有機溶媒は、ヨウ素の溶解度は高いが、コストがかかる上に後工程でヨウ素の純度が低下してしまうという問題点がある。水は、ヨウ素の溶解度が低い(飽和水溶液の濃度0.285g/dm3(20℃))という問題点がある。また、アルカリ水溶液又は亜硫酸塩水溶液は、ヨウ素が一部化学変化し(IO3 −等に酸化される)回収率が低下し、或いは薬傷の恐れがあるという問題点がある。
【0006】
そのため、アルカリ金属ヨウ化物の水溶液等の廃液中から、効率的に固体ヨウ素を回収する方法及び装置が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液からヨウ素を効率的に回収する方法及び装置、並びに昇華したヨウ素を効率的に回収する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、下記のヨウ素の回収方法及び回収装置を用いることによりその目的を達成しうることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、下記のヨウ素の回収方法及び装置を提供する。
【0010】
項1.アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法。
【0011】
項2.前記ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程が、ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、溶融ヨウ素を洗浄し固体ヨウ素を得る工程、及び固体ヨウ素を再加熱溶融する工程からなる項1に記載の方法。
【0012】
項3.前記溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程が、溶融ヨウ素を冷却装置を備えた回転式ドラム上に供給し冷却固化させる工程、及び該回転式ドラム上の固化ヨウ素を掻き取り装置で掻き落として回収する工程からなる項1に記載の方法。
【0013】
項4.前記アルカリ金属ヨウ化物が、KI及びNaIからなる群から選ばれる少なくとも1つである項1、2又は3に記載の方法。
【0014】
項5.項1の溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程で発生した昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程、該KI水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法。
【0015】
項6.昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程が、昇華ヨウ素吸収塔内でKI水溶液を降下させ、昇華ヨウ素を該KI水溶液に接触させて昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程である項5に記載の方法。
【0016】
項7.昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程が、充填物で充填された昇華ヨウ素吸収塔の上部に設けられた供給口からKI水溶液を該吸収塔内に供給し、該充填物に接触させながらKI水溶液を降下させ、該吸収塔に設けられた昇華ヨウ素供給口から昇華ヨウ素を該吸収塔内に供給し、該充填物表面を流れ落ちるKI水溶液に昇華ヨウ素を接触させて昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程である項5に記載の方法。
【0017】
項8.KI水溶液が10〜40重量%のKI水溶液である項5、6又は7に記載の方法。
【0018】
項9.前記充填物がガラス製充填物及び樹脂製充填物から選ばれる少なくとも1つの充填物である項8に記載の方法。
【0019】
項10.・ヨウ素溶融槽A、
・該ヨウ素溶融槽Aとバルブを介して流路で結ばれる溶融ヨウ素供給部
・該溶融ヨウ素供給部から供給される溶融ヨウ素を冷却固化させる冷却器、
・該冷却器で冷却固化された固体ヨウ素を掻き落とすために用いる掻き取り装置、及び
・掻き取った固体ヨウ素の回収容器、
を備えたヨウ素の回収装置。
【0020】
項11.溶融ヨウ素供給部が複数のノズルからなる項10に記載の装置。
【0021】
項12.冷却器が冷却装置を備えた回転式ドラムである項10に記載の装置。
【0022】
項13.・KI水溶液貯蔵槽、
・該KI水溶液貯蔵槽と流路で結ばれる塩素処理槽、
・該塩素処理槽と流路で結ばれるヨウ素溶融槽B、
・該ヨウ素溶融槽Bとバルブを介して流路で結ばれる溶融ヨウ素の洗浄槽、及び・該溶融ヨウ素の洗浄槽と流路で結ばれるヨウ素溶融槽Aを備えた項10に記載の装置、
を備えたヨウ素の回収装置。
【0023】
項14.・項10に記載の装置、
・項10に記載の装置の溶融ヨウ素供給部、冷却器、掻き取り装置、及び固体ヨウ素の回収容器を覆う昇華ヨウ素の拡散を防ぐ封室、
・該封室から昇華ヨウ素供給管で結ばれた昇華ヨウ素吸収塔(該昇華ヨウ素吸収塔には、該吸収塔に設けられた昇華ヨウ素の供給口、該吸収塔の上部に設けられたKI水溶液の供給口、及び該吸収塔の下部に設けられたKI水溶液の排出口を備え、かつ充填物が充填されている)、
・該昇華ヨウ素吸収塔のKI水溶液の排出口とKI水溶液の供給口を該吸収塔の外部で結び、該吸収塔のKI水溶液の排出口から排出されたKI水溶液をKI水溶液の供給口に供給する循環ポンプを備えた配管、及び
・該吸収塔のKI水溶液の排出口と流路で結ばれるKI水溶液貯蔵槽、
を備えたヨウ素の回収装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のヨウ素回収方法及び装置を、その実施態様の一例(図1〜3を参照)を用いて詳細に説明する。
【0025】
本発明で用いられるアルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液とは、例えば、化学反応プロセス(例えば、有機ヨウ素化合物への求核試薬による置換反応等)において反応混合物の水洗により生じるアルカリ金属ヨウ化物を含んだ水溶液等が例示される。アルカリ金属ヨウ化物としては、具体的には、ヨウ化カリウム(以下「KI」と呼ぶ)及びヨウ化ナトリウム(以下「NaI」と呼ぶ)からなる群から選ばれる少なくとも1つが例示される。好ましくはKIが例示される。
【0026】
アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液は、回収するヨウ素の純度を上げるため、水溶液中の固体不純物をろ過等により除去しておくことが好ましい。ろ過の方法は、特に限定はなく、ろ紙、メンブレンフィルター等を用いた減圧ろ過等の公知の方法を用いることができる。
【0027】
また、ヨウ素酸の生成を抑制するため、水溶液のpHを4〜6程度に調整しておくことが好ましい。
【0028】
水溶液中のアルカリ金属ヨウ化物の濃度は、例えば、10〜40重量%程度が挙げられ、好ましくは20〜30重量%程度であればよい。濃度が低すぎると水の容積が多くなり反応槽を大きくする必要があり、かつ水に溶解するヨウ素の割合が増えヨウ素回収量が減少するからである。従って、水溶液の濃度をあらかじめ上記濃度範囲に調整しておくことが好ましい。
【0029】
このようにして得られるKIを含有する水溶液は、図1のKI水溶液貯蔵槽1に蓄えられる(図1はアルカリ金属としてカリウムを用いた場合のヨウ素回収装置図である)。
【0030】
KI水溶液貯蔵槽1中のKI水溶液は、ポンプ2aにより流路2を経て塩素処理槽3に供給される。塩素処理層3は、酸化還元電位計(ORP計)4及び塩素ガス供給管5を備えている。
【0031】
塩素処理槽3におけるアルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液と塩素ガスの反応は、通常、塩素ガスを水溶液中に導入することにより実施することができ、例えば、水溶液中に塩素ガスをバブリングする方法等を採用しうる。本反応は、有毒な塩素ガスの拡散を防止するため密閉系で行われる。塩素ガスの供給速度は、反応のスケールによっても異なるが、例えば、10〜100kg/hr程度であればよい。反応温度は、例えば、10〜50℃程度であり、好ましくは、20〜30℃程度が例示される。反応の圧力は、通常、常圧程度であればよい。また、反応時間は、反応条件、特に塩素ガスの供給速度により異なるが、例えば、0.1〜10時間程度である。塩素ガスの供給量が水中のKIの等量より少ないと未反応のKIが残存してしまい、逆に塩素ガスの供給量が多すぎるとヨウ素酸等が発生してしまう。そのため、ORP計4で酸化還元電位をモニターすることにより反応時間が制御される。
【0032】
反応が終了すると、ヨウ素スラリーが塩素処理槽3の底に沈殿する。
【0033】
生成するヨウ素スラリーは、ポンプ6aにより流路6を通ってヨウ素溶融槽(B)7に供給される。
【0034】
ヨウ素溶融槽(B)7では、回収ヨウ素の純度を向上させるため、ヨウ素スラリーは120〜140℃程度に加熱、溶融され、液−液分離される。すなわち、カリウムイオン等の金属イオンが上部の水層に、溶融ヨウ素が下層に分離される。ヨウ素溶融槽(B)7は、密閉系であることが好ましく、溶融時の圧力は、通常、0.15〜0.2MPa程度である。
【0035】
次に、ヨウ素溶融槽(B)7の底部に溜まった溶融ヨウ素は、バルブ8aを備えた流路8を経て溶融ヨウ素の洗浄槽9に通される。具体的には、溶融ヨウ素は、洗浄槽9内の撹拌した水中に滴下される。水中で平均粒子径が2〜3mm程度の固体ヨウ素となり洗浄槽9に沈降する。水温は、20〜30℃程度であればよい。洗浄槽9は、密閉系であることが好ましく、圧力は、通常、常圧程度である。洗浄槽9では、溶融ヨウ素が水洗されることにより、溶融ヨウ素中に含まれる微量のカリウムイオン等の金属イオンが除去される。
【0036】
洗浄槽9内の固体ヨウ素及び水は、ポンプ10bによりバルブ10aを備えた流路10を通ってヨウ素溶融槽(A)11に供給される。ヨウ素溶融槽(A)11内の温度は、通常、120〜140℃程度に保たれる。ヨウ素溶融槽(A)11は、密閉系であることが好ましく、圧力は、通常、
0.15〜0.2MPa程度である。
【0037】
次に、ヨウ素溶融槽(A)11の溶融ヨウ素は、バルブ12aを開けることにより流路12を通り溶融ヨウ素供給部13に供給される。溶融ヨウ素は、溶融ヨウ素供給部13から冷却器14に供給され冷却固化される。
【0038】
ヨウ素供給部13は、冷却器14に溶融ヨウ素を供給しうる構造を有していればよく、例えば、ノズルを有しているものが採用される。特に、供給される溶融ヨウ素が冷却器14上に均一に広がるように、複数のノズルを有しているものが好ましい。例えば、2〜6個程度のノズルを有しているヨウ素供給部が例示される。ヨウ素供給部13から冷却器14への溶融ヨウ素の供給量は、バルブ12aで制御される。溶融ヨウ素の供給速度は、装置のスケールにもよるが、例えば、10〜50L/hr程度が例示される。
【0039】
冷却器14は、ヨウ素供給部13から供給される溶融ヨウ素を速やかに冷却固化しうる装置であれば良く、例えば、冷却装置を備えた回転式ドラム等が挙げられる。回転式ドラムの冷却装置としては、例えば、図2及び図3に示す様な内部に水等の冷媒を循環させた回転式ドラム等が挙げられる。回転式ドラムの材質は、溶融ヨウ素の温度で安定であり、ヨウ素の腐食性等に耐えうるものであれば特に限定はないが、例えば、ハステロイC22等の耐腐食耐熱合金が挙げられる。回転式ドラムの形状は、例えば、円筒形のものが採用される。回転式ドラムの外径は、例えば、300〜500mm程度であればよい。回転式ドラムは、回転軸14aを有し、該回転軸14aを中心に回転しうる。回転式ドラムの回転速度は、溶融ヨウ素の供給速度によって変化しうるが、例えば、4〜7rpm程度であればよい。
【0040】
ヨウ素供給部13と冷却器14の配置は、溶融ヨウ素がノズル等から供給されて速やかに回転式ドラム上で冷却固化されるように互いに近接していることが好ましい。両者が離れていると、昇華するヨウ素が増大し固体ヨウ素の回収率が低下してしまうからである。
【0041】
冷却器14で冷却固化された固体ヨウ素は、掻き取り装置15によって掻き落とされ、フレーク状ヨウ素として回収容器16に収納される。掻き取り装置は、特に限定はないが、冷却器として回転式ドラムを用いた場合、回転式ドラム上で冷却固化したヨウ素を掻き落とせるスキージ、掻き取り刃等が例示される。
【0042】
上記の溶融ヨウ素供給部13、冷却部14、掻き取り装置15、及び固体ヨウ素の回収容器16は、昇華するヨウ素の飛散を防止するため、封室17内に設置されている。
【0043】
なお、図1中の溶融ヨウ素が通される流路8、12及び溶融ヨウ素供給部13は、途中でヨウ素が固化しないように、常にヨウ素の融点(113℃)以上に加熱されていることが好ましい。
【0044】
以上の本発明のヨウ素回収方法を用いると、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液から固体ヨウ素を98%以上で回収することができる。本回収ヨウ素を「1次回収ヨウ素」と呼ぶ。
【0045】
次に、封室17で発生した昇華ヨウ素の回収方法及び装置について説明する。封室17内で発生した昇華ヨウ素は、例えば、図1に示す昇華ヨウ素吸収塔19を用いてKI水溶液に溶解させて回収することができる。封室17には、昇華ヨウ素を含む気体の排出口18aが設けられている。排出口18aは、ポンプ18cを有する昇華ヨウ素供給管18により昇華ヨウ素供給塔19の下部に設けられた昇華ヨウ素供給口18bにつながっている。ポンプ18cにより吸引された昇華ヨウ素を含む気体は、昇華ヨウ素供給管18を通り昇華ヨウ素供給口18bから昇華ヨウ素吸収塔19内に導入される。昇華ヨウ素を含む気体の吸収塔19への導入風速は、ポンプ18cを調節して制御することができ、昇華ヨウ素吸収塔19の大きさにより変化するが、通常1000〜1500m3/hr程度であればよい。
【0046】
昇華ヨウ素吸収塔19の具体例としては、KI水溶液と昇華ヨウ素の接触面積を大きくするために充填物で充填されたものが挙げられる。該充填物としては、ヨウ素により腐食されないガラス製充填物、樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)製充填物等が例示される。好ましくは、これらからなる群より選ばれる少なくとも1つの充填物が例示される。該充填物の大きさ及び形状、並びに充填物の充填の仕方は、KI水溶液と昇華ヨウ素の接触面積を大きくし昇華ヨウ素の吸収効率を上げるため十分な理論段数を維持できるものを適宜選択すればよい。該充填物の大きさ及び形状としては、例えば、ビーズ状(外径10mm程度)、ラシッヒリング(外径10mm程度)等が挙げられる。そのうち、好ましくは、ラシッヒリングが例示される。また、充填物の充填の仕方は公知の方法を用いればよい。
【0047】
昇華ヨウ素吸収塔19における昇華ヨウ素の吸収は、例えば、次のようにして行われる。該吸収塔上部に設けられた供給口20からKI水溶液が塔内に供給され、KI水溶液は充填物表面に接触しながら降下される。該吸収塔下部に設けられた排出口21からヨウ素を吸収したKI水溶液が排出される。該吸収塔下部に設けられた昇華ヨウ素供給口18bから昇華ヨウ素を含んだ気体が塔内に供給される。充填物表面を流れ落ちるKI水溶液に昇華ヨウ素を含む気体が接触することにより、昇華ヨウ素がKI水溶液に吸収(溶解)される。
【0048】
昇華ヨウ素吸収塔19で用いられるKI水溶液の濃度は、ヨウ素を効率的に吸収しうる濃度であればよく、例えば、10〜30重量%程度であればよく、好ましくは、20〜30重量%程度が例示される。また、KI水溶液の供給口20からの供給速度は、例えば、1000〜3000L/hr程度であればよく、好ましくは、2000〜3000L/hr程度が例示される。
【0049】
昇華ヨウ素吸収塔19の排出口21から排出されたヨウ素を吸収したKI水溶液は、吸収塔外部の配管22を通り、ポンプ22aにより再び吸収塔の上部の供給口20に循環される。これにより一定量のKI水溶液を用いて効率的に昇華ヨウ素を吸収することができる。
【0050】
昇華ヨウ素吸収塔19でヨウ素を吸収したKI水溶液は、吸収塔19の排出口23aから排出され配管23を経てKI水溶液貯蔵槽1に戻される。
【0051】
封室17内で発生した昇華ヨウ素を、KI水溶液に溶解させる他の方法としては、図1に記載の昇華ヨウ素吸収塔19を用いる方法以外に、例えば、KI水溶液中に昇華ヨウ素を含む気体をバブリングさせる方法、KI水溶液を噴霧した容器中に昇華ヨウ素を含む気体を通す方法等が採用されうる。
【0052】
KI水溶液貯蔵槽1のKI水溶液は、再度ポンプ2aにより配管2を通され、塩素処理槽3で酸化されヨウ素スラリーとされる。該ヨウ素スラリーは、溶融槽(B)7、洗浄槽9、溶融槽(A)11を経て冷却器14に供給され、冷却固化され固体ヨウ素として回収される。これにより、封室17内で発生した昇華ヨウ素を96%以上の回収率で固体ヨウ素として回収することができる。本回収ヨウ素を「2次回収ヨウ素」と呼ぶ。
【0053】
上記の「1次回収ヨウ素」及び「2次回収ヨウ素」をあわせると、KIを含む水溶液中から固体ヨウ素をほぼ定量的に回収することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のヨウ素の回収方法及び回収装置によれば、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液からヨウ素を効率的に回収することができる。
【0055】
また、本発明の昇華ヨウ素回収方法及び回収装置によれば、溶融ヨウ素を冷却固化し回収する工程で発生した昇華ヨウ素をも効率的に回収することができる。
【0056】
従って、本発明の昇華ヨウ素回収方法及び回収装置は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液からヨウ素を安全にかつほぼ定量的に回収することができ、製品の製造コストの低減下、自然環境の保護、資源の有効利用等の見地から極めて有用性が高い。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をさらに明確にするが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0058】
実施例1
有機ヨウ素化合物への求核試薬による置換反応時に副生したKIを水に溶解し、ろ紙を用いて不溶性不純物を減圧ろ過後、30重量%のKI水溶液を調整した。その水溶液5000kgを塩素処理槽に仕込んだ。該水溶液に、反応温度10〜50℃で塩素ガスを82kg/hrで導入し、ヨウ素を析出させてヨウ素スラリーを得た。該ヨウ素スラリーをヨウ素溶融槽(B)に移し、120℃で溶融して液−液分離した。洗浄槽に溶融ヨウ素を滴下して水洗して固体ヨウ素を得た。該固体ヨウ素をヨウ素溶融槽(A)に移し、120℃で溶融して液−液分離した後、ヨウ素溶融槽(A)から溶融ヨウ素を抜き出してノズルから回転式ドラムに滴下した。回転式ドラム上で冷却固化したヨウ素を、スキージで掻き取ることにより、フレーク状の固体ヨウ素を回収した。
【0059】
実施例2
ヨウ素を溶融槽にて約120℃で溶融し、ノズルから滴下した。該ノズルの径は、2.0〜4.0mmのものを数個使用した。該ノズルからの溶融ヨウ素の流出量は、200〜300kg/hrであった。回転式ドラム(500mmφ×750mm)に落下する途中で昇華してガス状になったヨウ素を、風速(制御風速)5m/secで吸い込み、ガラス製あるいは樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)製充填物が充填され、かつ30wt%KI水溶液が循環した塔(塔径800mm、高さ8m)内に供給した。供給されたガス状ヨウ素は該塔内で循環するKI水溶液に吸収された。ガス中のヨウ素濃度は、1.81wt%であった。ヨウ素を吸収したKI水溶液を原料水溶液と混合し、実施例1と同様に処理することにより、固体ヨウ素を回収した。
【0060】
本実施例では溶解槽(A)からヨウ素300kgを抜き出した。フレーク化したヨウ素(「1次回収ヨウ素」)は285kgであり、昇華したヨウ素は15kgであった。昇華したヨウ素のうち、14.4kgを上記ヨウ素回収塔で回収できた(「2次回収ヨウ素」)。昇華したヨウ素の回収率は、96.0%であった。
【0061】
実験条件及び実験結果を下記の表1及び表2に示す。
【0062】
表1.実験条件
ヨウ素吸収塔径(mm) 800
ヨウ素吸収塔の断面積(m2) 0.50
30wt%KI水溶液の液流量(L/hr) 3000
昇華ヨウ素を含む気体の流量(m3/hr) 1300
液ガス比(昇華ヨウ素/KI水溶液;V/V) 433.333
30wt%KI水溶液の液流速(m/sec) 0.00166
昇華ヨウ素を含む気体の流速(m/sec) 0.716
表2.実験結果
溶融槽からのヨウ素抜き出し量(kg) 300.0
フレーク化ヨウ素量(kg) 285.0
昇華ヨウ素量(kg) 15.0
昇華ヨウ素回収量(kg) 14.4
昇華ヨウ素の回収率(%) 96.0
全回収ヨウ素(kg(%)) 299.4(99.8)
上記の結果より、本発明のヨウ素回収方法を用いることにより、高い回収率でヨウ素を回収できることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヨウ素回収装置を示す図である。
【図2】溶融ヨウ素の冷却固化工程で用いる装置を示す図である(回転式ドラムの軸方向から見た図)。
【図3】溶融ヨウ素の冷却固化工程で用いる装置を示す図である(回転式ドラムの軸に対し垂直方向から見た図)。
【符号の説明】
1 KI水溶液貯蔵槽
3 塩素処理槽
4 ORP計
5 塩素ガス供給管
7 ヨウ素溶融槽B
9 溶融ヨウ素の洗浄槽
11 ヨウ素溶融槽A
13 溶融ヨウ素供給部
14 冷却器
15 掻き取り装置
16 固体ヨウ素の回収容器
17 封室
19 昇華ヨウ素吸収塔
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する廃液からヨウ素を回収する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヨウ素は、医薬用、工業用、農業用等の様々な製品の原料、中間体として広く用いられている。その一方で、ヨウ素は存在率が少なく高価なため貴重な資源である。
【0003】
化学製品の製造工程で生じるヨウ素或いはヨウ化物イオンを含む廃液から高価なヨウ素を回収することは、製品の製造コストの低減化、自然環境保護、少資源回収等の見地からみて極めて重要である。また、ヨウ素は製品の製造工程やヨウ素の回収工程で昇華によるロスが生じやすく、腐食性を有する劇物であるため取り扱いには特に注意を要する。そのため、人体への影響、自然環境保護等の見地からもヨウ素の大気中への拡散は極力抑える必要がある。特に、大規模な工業プラント等においてはその必要性は大きい。
【0004】
廃液中からのヨウ素の回収法については、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムを含む水溶液に塩素を吹き込んで遊離ヨウ素を沈殿させ、次いで加圧溶融する方法等が用いられている(ヨウ素総説(霞ヶ関出版;平成4年4月20日 第二版 松岡敬一郎著 第238頁))。
【0005】
また、昇華したヨウ素の回収法については、回収液として有機溶媒、水、アルカリ水溶液、亜硫酸塩水溶液が主に使用されているが、いずれの回収液も次の理由で満足いくものではない。有機溶媒は、ヨウ素の溶解度は高いが、コストがかかる上に後工程でヨウ素の純度が低下してしまうという問題点がある。水は、ヨウ素の溶解度が低い(飽和水溶液の濃度0.285g/dm3(20℃))という問題点がある。また、アルカリ水溶液又は亜硫酸塩水溶液は、ヨウ素が一部化学変化し(IO3 −等に酸化される)回収率が低下し、或いは薬傷の恐れがあるという問題点がある。
【0006】
そのため、アルカリ金属ヨウ化物の水溶液等の廃液中から、効率的に固体ヨウ素を回収する方法及び装置が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液からヨウ素を効率的に回収する方法及び装置、並びに昇華したヨウ素を効率的に回収する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、下記のヨウ素の回収方法及び回収装置を用いることによりその目的を達成しうることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、下記のヨウ素の回収方法及び装置を提供する。
【0010】
項1.アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法。
【0011】
項2.前記ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程が、ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、溶融ヨウ素を洗浄し固体ヨウ素を得る工程、及び固体ヨウ素を再加熱溶融する工程からなる項1に記載の方法。
【0012】
項3.前記溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程が、溶融ヨウ素を冷却装置を備えた回転式ドラム上に供給し冷却固化させる工程、及び該回転式ドラム上の固化ヨウ素を掻き取り装置で掻き落として回収する工程からなる項1に記載の方法。
【0013】
項4.前記アルカリ金属ヨウ化物が、KI及びNaIからなる群から選ばれる少なくとも1つである項1、2又は3に記載の方法。
【0014】
項5.項1の溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程で発生した昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程、該KI水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法。
【0015】
項6.昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程が、昇華ヨウ素吸収塔内でKI水溶液を降下させ、昇華ヨウ素を該KI水溶液に接触させて昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程である項5に記載の方法。
【0016】
項7.昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程が、充填物で充填された昇華ヨウ素吸収塔の上部に設けられた供給口からKI水溶液を該吸収塔内に供給し、該充填物に接触させながらKI水溶液を降下させ、該吸収塔に設けられた昇華ヨウ素供給口から昇華ヨウ素を該吸収塔内に供給し、該充填物表面を流れ落ちるKI水溶液に昇華ヨウ素を接触させて昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程である項5に記載の方法。
【0017】
項8.KI水溶液が10〜40重量%のKI水溶液である項5、6又は7に記載の方法。
【0018】
項9.前記充填物がガラス製充填物及び樹脂製充填物から選ばれる少なくとも1つの充填物である項8に記載の方法。
【0019】
項10.・ヨウ素溶融槽A、
・該ヨウ素溶融槽Aとバルブを介して流路で結ばれる溶融ヨウ素供給部
・該溶融ヨウ素供給部から供給される溶融ヨウ素を冷却固化させる冷却器、
・該冷却器で冷却固化された固体ヨウ素を掻き落とすために用いる掻き取り装置、及び
・掻き取った固体ヨウ素の回収容器、
を備えたヨウ素の回収装置。
【0020】
項11.溶融ヨウ素供給部が複数のノズルからなる項10に記載の装置。
【0021】
項12.冷却器が冷却装置を備えた回転式ドラムである項10に記載の装置。
【0022】
項13.・KI水溶液貯蔵槽、
・該KI水溶液貯蔵槽と流路で結ばれる塩素処理槽、
・該塩素処理槽と流路で結ばれるヨウ素溶融槽B、
・該ヨウ素溶融槽Bとバルブを介して流路で結ばれる溶融ヨウ素の洗浄槽、及び・該溶融ヨウ素の洗浄槽と流路で結ばれるヨウ素溶融槽Aを備えた項10に記載の装置、
を備えたヨウ素の回収装置。
【0023】
項14.・項10に記載の装置、
・項10に記載の装置の溶融ヨウ素供給部、冷却器、掻き取り装置、及び固体ヨウ素の回収容器を覆う昇華ヨウ素の拡散を防ぐ封室、
・該封室から昇華ヨウ素供給管で結ばれた昇華ヨウ素吸収塔(該昇華ヨウ素吸収塔には、該吸収塔に設けられた昇華ヨウ素の供給口、該吸収塔の上部に設けられたKI水溶液の供給口、及び該吸収塔の下部に設けられたKI水溶液の排出口を備え、かつ充填物が充填されている)、
・該昇華ヨウ素吸収塔のKI水溶液の排出口とKI水溶液の供給口を該吸収塔の外部で結び、該吸収塔のKI水溶液の排出口から排出されたKI水溶液をKI水溶液の供給口に供給する循環ポンプを備えた配管、及び
・該吸収塔のKI水溶液の排出口と流路で結ばれるKI水溶液貯蔵槽、
を備えたヨウ素の回収装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のヨウ素回収方法及び装置を、その実施態様の一例(図1〜3を参照)を用いて詳細に説明する。
【0025】
本発明で用いられるアルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液とは、例えば、化学反応プロセス(例えば、有機ヨウ素化合物への求核試薬による置換反応等)において反応混合物の水洗により生じるアルカリ金属ヨウ化物を含んだ水溶液等が例示される。アルカリ金属ヨウ化物としては、具体的には、ヨウ化カリウム(以下「KI」と呼ぶ)及びヨウ化ナトリウム(以下「NaI」と呼ぶ)からなる群から選ばれる少なくとも1つが例示される。好ましくはKIが例示される。
【0026】
アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液は、回収するヨウ素の純度を上げるため、水溶液中の固体不純物をろ過等により除去しておくことが好ましい。ろ過の方法は、特に限定はなく、ろ紙、メンブレンフィルター等を用いた減圧ろ過等の公知の方法を用いることができる。
【0027】
また、ヨウ素酸の生成を抑制するため、水溶液のpHを4〜6程度に調整しておくことが好ましい。
【0028】
水溶液中のアルカリ金属ヨウ化物の濃度は、例えば、10〜40重量%程度が挙げられ、好ましくは20〜30重量%程度であればよい。濃度が低すぎると水の容積が多くなり反応槽を大きくする必要があり、かつ水に溶解するヨウ素の割合が増えヨウ素回収量が減少するからである。従って、水溶液の濃度をあらかじめ上記濃度範囲に調整しておくことが好ましい。
【0029】
このようにして得られるKIを含有する水溶液は、図1のKI水溶液貯蔵槽1に蓄えられる(図1はアルカリ金属としてカリウムを用いた場合のヨウ素回収装置図である)。
【0030】
KI水溶液貯蔵槽1中のKI水溶液は、ポンプ2aにより流路2を経て塩素処理槽3に供給される。塩素処理層3は、酸化還元電位計(ORP計)4及び塩素ガス供給管5を備えている。
【0031】
塩素処理槽3におけるアルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液と塩素ガスの反応は、通常、塩素ガスを水溶液中に導入することにより実施することができ、例えば、水溶液中に塩素ガスをバブリングする方法等を採用しうる。本反応は、有毒な塩素ガスの拡散を防止するため密閉系で行われる。塩素ガスの供給速度は、反応のスケールによっても異なるが、例えば、10〜100kg/hr程度であればよい。反応温度は、例えば、10〜50℃程度であり、好ましくは、20〜30℃程度が例示される。反応の圧力は、通常、常圧程度であればよい。また、反応時間は、反応条件、特に塩素ガスの供給速度により異なるが、例えば、0.1〜10時間程度である。塩素ガスの供給量が水中のKIの等量より少ないと未反応のKIが残存してしまい、逆に塩素ガスの供給量が多すぎるとヨウ素酸等が発生してしまう。そのため、ORP計4で酸化還元電位をモニターすることにより反応時間が制御される。
【0032】
反応が終了すると、ヨウ素スラリーが塩素処理槽3の底に沈殿する。
【0033】
生成するヨウ素スラリーは、ポンプ6aにより流路6を通ってヨウ素溶融槽(B)7に供給される。
【0034】
ヨウ素溶融槽(B)7では、回収ヨウ素の純度を向上させるため、ヨウ素スラリーは120〜140℃程度に加熱、溶融され、液−液分離される。すなわち、カリウムイオン等の金属イオンが上部の水層に、溶融ヨウ素が下層に分離される。ヨウ素溶融槽(B)7は、密閉系であることが好ましく、溶融時の圧力は、通常、0.15〜0.2MPa程度である。
【0035】
次に、ヨウ素溶融槽(B)7の底部に溜まった溶融ヨウ素は、バルブ8aを備えた流路8を経て溶融ヨウ素の洗浄槽9に通される。具体的には、溶融ヨウ素は、洗浄槽9内の撹拌した水中に滴下される。水中で平均粒子径が2〜3mm程度の固体ヨウ素となり洗浄槽9に沈降する。水温は、20〜30℃程度であればよい。洗浄槽9は、密閉系であることが好ましく、圧力は、通常、常圧程度である。洗浄槽9では、溶融ヨウ素が水洗されることにより、溶融ヨウ素中に含まれる微量のカリウムイオン等の金属イオンが除去される。
【0036】
洗浄槽9内の固体ヨウ素及び水は、ポンプ10bによりバルブ10aを備えた流路10を通ってヨウ素溶融槽(A)11に供給される。ヨウ素溶融槽(A)11内の温度は、通常、120〜140℃程度に保たれる。ヨウ素溶融槽(A)11は、密閉系であることが好ましく、圧力は、通常、
0.15〜0.2MPa程度である。
【0037】
次に、ヨウ素溶融槽(A)11の溶融ヨウ素は、バルブ12aを開けることにより流路12を通り溶融ヨウ素供給部13に供給される。溶融ヨウ素は、溶融ヨウ素供給部13から冷却器14に供給され冷却固化される。
【0038】
ヨウ素供給部13は、冷却器14に溶融ヨウ素を供給しうる構造を有していればよく、例えば、ノズルを有しているものが採用される。特に、供給される溶融ヨウ素が冷却器14上に均一に広がるように、複数のノズルを有しているものが好ましい。例えば、2〜6個程度のノズルを有しているヨウ素供給部が例示される。ヨウ素供給部13から冷却器14への溶融ヨウ素の供給量は、バルブ12aで制御される。溶融ヨウ素の供給速度は、装置のスケールにもよるが、例えば、10〜50L/hr程度が例示される。
【0039】
冷却器14は、ヨウ素供給部13から供給される溶融ヨウ素を速やかに冷却固化しうる装置であれば良く、例えば、冷却装置を備えた回転式ドラム等が挙げられる。回転式ドラムの冷却装置としては、例えば、図2及び図3に示す様な内部に水等の冷媒を循環させた回転式ドラム等が挙げられる。回転式ドラムの材質は、溶融ヨウ素の温度で安定であり、ヨウ素の腐食性等に耐えうるものであれば特に限定はないが、例えば、ハステロイC22等の耐腐食耐熱合金が挙げられる。回転式ドラムの形状は、例えば、円筒形のものが採用される。回転式ドラムの外径は、例えば、300〜500mm程度であればよい。回転式ドラムは、回転軸14aを有し、該回転軸14aを中心に回転しうる。回転式ドラムの回転速度は、溶融ヨウ素の供給速度によって変化しうるが、例えば、4〜7rpm程度であればよい。
【0040】
ヨウ素供給部13と冷却器14の配置は、溶融ヨウ素がノズル等から供給されて速やかに回転式ドラム上で冷却固化されるように互いに近接していることが好ましい。両者が離れていると、昇華するヨウ素が増大し固体ヨウ素の回収率が低下してしまうからである。
【0041】
冷却器14で冷却固化された固体ヨウ素は、掻き取り装置15によって掻き落とされ、フレーク状ヨウ素として回収容器16に収納される。掻き取り装置は、特に限定はないが、冷却器として回転式ドラムを用いた場合、回転式ドラム上で冷却固化したヨウ素を掻き落とせるスキージ、掻き取り刃等が例示される。
【0042】
上記の溶融ヨウ素供給部13、冷却部14、掻き取り装置15、及び固体ヨウ素の回収容器16は、昇華するヨウ素の飛散を防止するため、封室17内に設置されている。
【0043】
なお、図1中の溶融ヨウ素が通される流路8、12及び溶融ヨウ素供給部13は、途中でヨウ素が固化しないように、常にヨウ素の融点(113℃)以上に加熱されていることが好ましい。
【0044】
以上の本発明のヨウ素回収方法を用いると、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液から固体ヨウ素を98%以上で回収することができる。本回収ヨウ素を「1次回収ヨウ素」と呼ぶ。
【0045】
次に、封室17で発生した昇華ヨウ素の回収方法及び装置について説明する。封室17内で発生した昇華ヨウ素は、例えば、図1に示す昇華ヨウ素吸収塔19を用いてKI水溶液に溶解させて回収することができる。封室17には、昇華ヨウ素を含む気体の排出口18aが設けられている。排出口18aは、ポンプ18cを有する昇華ヨウ素供給管18により昇華ヨウ素供給塔19の下部に設けられた昇華ヨウ素供給口18bにつながっている。ポンプ18cにより吸引された昇華ヨウ素を含む気体は、昇華ヨウ素供給管18を通り昇華ヨウ素供給口18bから昇華ヨウ素吸収塔19内に導入される。昇華ヨウ素を含む気体の吸収塔19への導入風速は、ポンプ18cを調節して制御することができ、昇華ヨウ素吸収塔19の大きさにより変化するが、通常1000〜1500m3/hr程度であればよい。
【0046】
昇華ヨウ素吸収塔19の具体例としては、KI水溶液と昇華ヨウ素の接触面積を大きくするために充填物で充填されたものが挙げられる。該充填物としては、ヨウ素により腐食されないガラス製充填物、樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)製充填物等が例示される。好ましくは、これらからなる群より選ばれる少なくとも1つの充填物が例示される。該充填物の大きさ及び形状、並びに充填物の充填の仕方は、KI水溶液と昇華ヨウ素の接触面積を大きくし昇華ヨウ素の吸収効率を上げるため十分な理論段数を維持できるものを適宜選択すればよい。該充填物の大きさ及び形状としては、例えば、ビーズ状(外径10mm程度)、ラシッヒリング(外径10mm程度)等が挙げられる。そのうち、好ましくは、ラシッヒリングが例示される。また、充填物の充填の仕方は公知の方法を用いればよい。
【0047】
昇華ヨウ素吸収塔19における昇華ヨウ素の吸収は、例えば、次のようにして行われる。該吸収塔上部に設けられた供給口20からKI水溶液が塔内に供給され、KI水溶液は充填物表面に接触しながら降下される。該吸収塔下部に設けられた排出口21からヨウ素を吸収したKI水溶液が排出される。該吸収塔下部に設けられた昇華ヨウ素供給口18bから昇華ヨウ素を含んだ気体が塔内に供給される。充填物表面を流れ落ちるKI水溶液に昇華ヨウ素を含む気体が接触することにより、昇華ヨウ素がKI水溶液に吸収(溶解)される。
【0048】
昇華ヨウ素吸収塔19で用いられるKI水溶液の濃度は、ヨウ素を効率的に吸収しうる濃度であればよく、例えば、10〜30重量%程度であればよく、好ましくは、20〜30重量%程度が例示される。また、KI水溶液の供給口20からの供給速度は、例えば、1000〜3000L/hr程度であればよく、好ましくは、2000〜3000L/hr程度が例示される。
【0049】
昇華ヨウ素吸収塔19の排出口21から排出されたヨウ素を吸収したKI水溶液は、吸収塔外部の配管22を通り、ポンプ22aにより再び吸収塔の上部の供給口20に循環される。これにより一定量のKI水溶液を用いて効率的に昇華ヨウ素を吸収することができる。
【0050】
昇華ヨウ素吸収塔19でヨウ素を吸収したKI水溶液は、吸収塔19の排出口23aから排出され配管23を経てKI水溶液貯蔵槽1に戻される。
【0051】
封室17内で発生した昇華ヨウ素を、KI水溶液に溶解させる他の方法としては、図1に記載の昇華ヨウ素吸収塔19を用いる方法以外に、例えば、KI水溶液中に昇華ヨウ素を含む気体をバブリングさせる方法、KI水溶液を噴霧した容器中に昇華ヨウ素を含む気体を通す方法等が採用されうる。
【0052】
KI水溶液貯蔵槽1のKI水溶液は、再度ポンプ2aにより配管2を通され、塩素処理槽3で酸化されヨウ素スラリーとされる。該ヨウ素スラリーは、溶融槽(B)7、洗浄槽9、溶融槽(A)11を経て冷却器14に供給され、冷却固化され固体ヨウ素として回収される。これにより、封室17内で発生した昇華ヨウ素を96%以上の回収率で固体ヨウ素として回収することができる。本回収ヨウ素を「2次回収ヨウ素」と呼ぶ。
【0053】
上記の「1次回収ヨウ素」及び「2次回収ヨウ素」をあわせると、KIを含む水溶液中から固体ヨウ素をほぼ定量的に回収することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のヨウ素の回収方法及び回収装置によれば、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液からヨウ素を効率的に回収することができる。
【0055】
また、本発明の昇華ヨウ素回収方法及び回収装置によれば、溶融ヨウ素を冷却固化し回収する工程で発生した昇華ヨウ素をも効率的に回収することができる。
【0056】
従って、本発明の昇華ヨウ素回収方法及び回収装置は、アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液からヨウ素を安全にかつほぼ定量的に回収することができ、製品の製造コストの低減下、自然環境の保護、資源の有効利用等の見地から極めて有用性が高い。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をさらに明確にするが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0058】
実施例1
有機ヨウ素化合物への求核試薬による置換反応時に副生したKIを水に溶解し、ろ紙を用いて不溶性不純物を減圧ろ過後、30重量%のKI水溶液を調整した。その水溶液5000kgを塩素処理槽に仕込んだ。該水溶液に、反応温度10〜50℃で塩素ガスを82kg/hrで導入し、ヨウ素を析出させてヨウ素スラリーを得た。該ヨウ素スラリーをヨウ素溶融槽(B)に移し、120℃で溶融して液−液分離した。洗浄槽に溶融ヨウ素を滴下して水洗して固体ヨウ素を得た。該固体ヨウ素をヨウ素溶融槽(A)に移し、120℃で溶融して液−液分離した後、ヨウ素溶融槽(A)から溶融ヨウ素を抜き出してノズルから回転式ドラムに滴下した。回転式ドラム上で冷却固化したヨウ素を、スキージで掻き取ることにより、フレーク状の固体ヨウ素を回収した。
【0059】
実施例2
ヨウ素を溶融槽にて約120℃で溶融し、ノズルから滴下した。該ノズルの径は、2.0〜4.0mmのものを数個使用した。該ノズルからの溶融ヨウ素の流出量は、200〜300kg/hrであった。回転式ドラム(500mmφ×750mm)に落下する途中で昇華してガス状になったヨウ素を、風速(制御風速)5m/secで吸い込み、ガラス製あるいは樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)製充填物が充填され、かつ30wt%KI水溶液が循環した塔(塔径800mm、高さ8m)内に供給した。供給されたガス状ヨウ素は該塔内で循環するKI水溶液に吸収された。ガス中のヨウ素濃度は、1.81wt%であった。ヨウ素を吸収したKI水溶液を原料水溶液と混合し、実施例1と同様に処理することにより、固体ヨウ素を回収した。
【0060】
本実施例では溶解槽(A)からヨウ素300kgを抜き出した。フレーク化したヨウ素(「1次回収ヨウ素」)は285kgであり、昇華したヨウ素は15kgであった。昇華したヨウ素のうち、14.4kgを上記ヨウ素回収塔で回収できた(「2次回収ヨウ素」)。昇華したヨウ素の回収率は、96.0%であった。
【0061】
実験条件及び実験結果を下記の表1及び表2に示す。
【0062】
表1.実験条件
ヨウ素吸収塔径(mm) 800
ヨウ素吸収塔の断面積(m2) 0.50
30wt%KI水溶液の液流量(L/hr) 3000
昇華ヨウ素を含む気体の流量(m3/hr) 1300
液ガス比(昇華ヨウ素/KI水溶液;V/V) 433.333
30wt%KI水溶液の液流速(m/sec) 0.00166
昇華ヨウ素を含む気体の流速(m/sec) 0.716
表2.実験結果
溶融槽からのヨウ素抜き出し量(kg) 300.0
フレーク化ヨウ素量(kg) 285.0
昇華ヨウ素量(kg) 15.0
昇華ヨウ素回収量(kg) 14.4
昇華ヨウ素の回収率(%) 96.0
全回収ヨウ素(kg(%)) 299.4(99.8)
上記の結果より、本発明のヨウ素回収方法を用いることにより、高い回収率でヨウ素を回収できることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヨウ素回収装置を示す図である。
【図2】溶融ヨウ素の冷却固化工程で用いる装置を示す図である(回転式ドラムの軸方向から見た図)。
【図3】溶融ヨウ素の冷却固化工程で用いる装置を示す図である(回転式ドラムの軸に対し垂直方向から見た図)。
【符号の説明】
1 KI水溶液貯蔵槽
3 塩素処理槽
4 ORP計
5 塩素ガス供給管
7 ヨウ素溶融槽B
9 溶融ヨウ素の洗浄槽
11 ヨウ素溶融槽A
13 溶融ヨウ素供給部
14 冷却器
15 掻き取り装置
16 固体ヨウ素の回収容器
17 封室
19 昇華ヨウ素吸収塔
Claims (14)
- アルカリ金属ヨウ化物を含有する水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法。
- 前記ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程が、ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、溶融ヨウ素を洗浄し固体ヨウ素を得る工程、及び固体ヨウ素を再加熱溶融する工程からなる請求項1に記載の方法。
- 前記溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程が、溶融ヨウ素を冷却装置を備えた回転式ドラム上に供給し冷却固化させる工程、及び該回転式ドラム上の固化ヨウ素を掻き取り装置で掻き落として回収する工程からなる請求項1に記載の方法。
- 前記アルカリ金属ヨウ化物が、KI及びNaIからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1、2又は3に記載の方法。
- 請求項1の溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程で発生した昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程、該KI水溶液を塩素で処理することによりヨウ素を析出させてヨウ素スラリーとする工程、該ヨウ素スラリーを加熱溶融する工程、該溶融ヨウ素を冷却器に供給し冷却固化させて回収する工程からなるヨウ素の回収方法。
- 昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程が、昇華ヨウ素吸収塔内でKI水溶液を降下させ、昇華ヨウ素を該KI水溶液に接触させて昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程である請求項5に記載の方法。
- 昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程が、充填物で充填された昇華ヨウ素吸収塔の上部に設けられた供給口からKI水溶液を該吸収塔内に供給し、該充填物に接触させながらKI水溶液を降下させ、該吸収塔に設けられた昇華ヨウ素供給口から昇華ヨウ素を該吸収塔内に供給し、該充填物表面を流れ落ちるKI水溶液に昇華ヨウ素を接触させて昇華ヨウ素をKI水溶液に溶解させる工程である請求項5に記載の方法。
- KI水溶液が10〜40重量%のKI水溶液である請求項5、6又は7に記載の方法。
- 前記充填物がガラス製充填物及び樹脂製充填物から選ばれる少なくとも1つの充填物である請求項8に記載の方法。
- ・ヨウ素溶融槽A、
・該ヨウ素溶融槽Aとバルブを介して流路で結ばれる溶融ヨウ素供給部
・該溶融ヨウ素供給部から供給される溶融ヨウ素を冷却固化させる冷却器、
・該冷却器で冷却固化された固体ヨウ素を掻き落とすために用いる掻き取り装置、及び
・掻き取った固体ヨウ素の回収容器、
を備えたヨウ素の回収装置。 - 溶融ヨウ素供給部が複数のノズルからなる請求項10に記載の装置。
- 冷却器が冷却装置を備えた回転式ドラムである請求項10に記載の装置。
- ・KI水溶液貯蔵槽、
・該KI水溶液貯蔵槽と流路で結ばれる塩素処理槽、
・該塩素処理槽と流路で結ばれるヨウ素溶融槽B、
・該ヨウ素溶融槽Bとバルブを介して流路で結ばれる溶融ヨウ素の洗浄槽、及び・該溶融ヨウ素の洗浄槽と流路で結ばれるヨウ素溶融槽Aを備えた請求項10に記載の装置、
を備えたヨウ素の回収装置。 - ・請求項10に記載の装置、
・請求項10に記載の装置の溶融ヨウ素供給部、冷却器、掻き取り装置、及び固体ヨウ素の回収容器を覆う昇華ヨウ素の拡散を防ぐ封室、
・該封室から昇華ヨウ素供給管で結ばれた昇華ヨウ素吸収塔(該昇華ヨウ素吸収塔には、該吸収塔に設けられた昇華ヨウ素の供給口、該吸収塔の上部に設けられたKI水溶液の供給口、及び該吸収塔の下部に設けられたKI水溶液の排出口を備え、かつ充填物が充填されている)、
・該昇華ヨウ素吸収塔のKI水溶液の排出口とKI水溶液の供給口を該吸収塔の外部で結び、該吸収塔のKI水溶液の排出口から排出されたKI水溶液をKI水溶液の供給口に供給する循環ポンプを備えた配管、及び
・該吸収塔のKI水溶液の排出口と流路で結ばれるKI水溶液貯蔵槽、
を備えたヨウ素の回収装置。
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