JP2004034875A - 産業車両の走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により発生する車体ハンチングを迅速に抑制できる産業車両の走行制御装置を提供する。
【解決手段】駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、制動力を発生する制動手段と、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、指令値設定手段が設定する指令値に基づいて車両駆動手段及び制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、指令値設定手段が設定する指令値を車体ハンチングを抑制する修正指令値に修正して出力指令演算手段に出力する抑制手段とを備えた構成とする。
【選択図】 図4
【解決手段】駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、制動力を発生する制動手段と、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、指令値設定手段が設定する指令値に基づいて車両駆動手段及び制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、指令値設定手段が設定する指令値を車体ハンチングを抑制する修正指令値に修正して出力指令演算手段に出力する抑制手段とを備えた構成とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフト等の産業車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォークリフト等の産業車両においては、エンジンの駆動力はトルクコンバータを介して変速機に伝達され、さらに、変速機内に収容された前進クラッチ及び後進クラッチのいずれかを経て駆動輪に伝達され走行可能なように構成されている。前進クラッチ及び後進クラッチは、インチングバルブ及び方向切換弁を経た圧油により入切操作される。
【0003】
上記産業車両において荷役作業を行う場合には、通常エンジンを最大出力にして作業を行う。このため、荷役作業を行いながら車両を微速で走行させる場合には、オペレータはインチングバルブをインチングペダルにより操作して、前記前進クラッチまたは後進クラッチを半クラッチ状態にして、エンジンの駆動力の伝達を減少させて所望の車速を得ている。また、アクセルを踏まない状態で走行レバーを前進または後進に入れると、エンジンのアイドル回転に応じた速度(クリープ速度)で車両が走行してしまうが、このクリープ速度以下で走行したい場合には、オペレータはインチングペダルを操作して半クラッチ状態にして所望の車速を得ている。
しかしながら、この半クラッチ状態を調節するインチングペダル操作は微妙な操作であり、特に荷役操作との複合操作を行うには熟練を要し、熟練者にとっても疲労しやすく作業効率が悪化してしまう。
【0004】
比例電磁弁によりクラッチ圧を制御することにより、上述したような微妙な操作を要するインチングペダル操作が不要となる走行制御装置が、例えば、特許登録第2811523号公報に記載されている。すなわち、荷役作業を行いながら車両を微速で走行させる場合には、アクセルペダルの操作量に基づく目標車速と車速センサが検出する実車速との差に応じた出力を比例電磁弁に出力して、前進クラッチ、後進クラッチ又は補助ブレーキを制御することにより、エンジンの回転数に関係なく車両が目標車速で走行するように制御している。これにより、インチングペダル操作という微妙な操作が不要となり、操作性の良い走行制御装置が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術においては、以下のような問題がある。
インチングペダルを廃止して比例電磁弁を用いた電子制御による走行制御装置であるので、アクセルペダルは速度指令設定器(目標車速の設定器)として機能することになる。すなわち、アクセルペダルを踏み込むことにより加速し、アクセルペダルを戻すことにより戻し具合に応じた制動が作動して減速するので、ブレーキペダルを使わずにアクセルペダルのみの操作で制動による減速が可能である。なお、ブレーキペダルは、より強い制動力を得たい場合(緊急停止時等)に操作される。
【0006】
このように、アクセルペダル操作により減速可能な車両であるので、走行中に路面の凹凸等による車体の揺れに起因して、オペレータの足がアクセルペダルから離れる方向に動くことがある。このとき、▲1▼目標車速が小さくなる→▲2▼制動が作動し減速する→▲3▼オペレータの体に進行方向の慣性力が作用して足がアクセルペダルを踏み込む→▲4▼目標車速が大きくなる→▲5▼加速する→▲6▼オペレータの体に進行方向と逆方向の慣性力が作用して足がアクセルペダルから離れる方向に動く。以降、▲1▼〜▲6▼を繰り返し、車速の変動により車体の揺れが持続して発生するという問題がある。(以降、このオペレータが介在する車体の持続した揺れを車体ハンチングと呼ぶ。)この車体ハンチングは、上記エンジン駆動式の産業車両だけではなく、バッテリ駆動式の産業車両においても同様のメカニズムにより発生する。この車体ハンチングの発生を防止する対策として、アクセルペダルからコントローラに入る信号にフィルタ処理を施すことも考えられるが、通常操作時もフィルタが作用し応答遅れが発生するので好ましくない。
【0007】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により発生する車体ハンチングを迅速に抑制できる産業車両の走行制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、制動力を発生する制動手段と、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、前記指令値設定手段が設定する指令値に基づいて前記車両駆動手段及び前記制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、前記指令値設定手段が設定する指令値を車体ハンチングを抑制する修正指令値に修正して前記出力指令演算手段に出力する抑制手段とを備えた構成としている。
【0009】
上記構成によると、走行中に路面の凹凸等の外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により車体ハンチングが発生した場合、振動検出手段により車体ハンチングの発生が検出され、抑制手段により指令値が車体ハンチングを抑制する修正指令値に修正される。このため、出力指令演算手段によりこの修正指令値に基づいた走行制御が行なわれる。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正指令値の変化を抑えているので、この修正指令値に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
また、出力指令演算手段は、出力指令値以外に作業機操作指令信号等を含む複数の信号に基づくメインの演算を行なっている。上記構成においては、抑制手段を出力指令演算手段の上流に設けているので、作業機操作等の通常の機能を保持したまま車体ハンチングを抑制する走行制御装置が得られる。
【0010】
第1の発明に基づく第2の発明は、実車速を検出する車速検出手段をさらに備え、前記指令値設定手段が設定する指令値は、アクセルペダル操作量に応じた目標車速であり、前記出力指令演算手段は、前記車速検出手段が検出する実車速が目標車速となるような出力指令値を算出することを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングの発生が検出された場合、抑制手段により目標車速が車体ハンチングを抑制する修正目標車速に修正される。このため、出力演算手段により実車速が前記修正目標車速となるように走行制御を行なう。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正目標車速の変化を抑えているので、この修正目標車速に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0011】
第1又は第2の発明に基づく第3の発明は、前記抑制手段が出力する修正指令値は一定値であることを特徴としている。
上記構成によると、修正指令値を一定値に固定しているので、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても影響されることなく、この修正指令値に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0012】
第1又は第2の発明に基づく第4の発明は、前記抑制手段が出力する修正指令値は、前記指令値設定手段が設定する指令値をローパスフィルタによりフィルタリングして求めた値であることを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても、車体ハンチング発生時に作動するローパスフィルタにより指令値の変動を抑えて滑らかな修正指令値を得ることができるので、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0013】
第1又は第2の発明に基づく第5の発明は、前記抑制手段が出力する修正指令値は、指令値と修正指令値とが交叉したときに、指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配で指令値に近づけ、指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配で指令値に近づけた値であることを特徴としている。
上記構成によると、所定の微小勾配で指令値に常に追従するように修正指令値が変化するため、ペダル操作に応じた操作感覚が得られると共に、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0014】
第1又は第2の発明に基づく第6の発明は、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、アクセルペダル操作量が所定の閾値を越えたときには、修正指令値を滑らかに指令値に近づけるように演算して前記出力指令演算手段に出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、抑制制御が続く所定時間の間においても所定の閾値を越えるペダル操作が行われた場合には、オペレータによる割り込み操作が行なわれたと判断し、抑制制御を解除して修正指令値をペダル操作に応じた指令値に滑らかに近づける。このため、オペレータの意思が走行制御に反映されるので、操作感覚に違和感の生じない操作性のよい走行制御装置が得られる。
【0015】
第1又は第2の発明に基づく第7の発明は、前記抑制手段による抑制制御が所定時間経過した後、修正指令値を滑らかに指令値に近づけるように演算して前記出力指令演算手段に出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、所定の制御持続設定時間が経過すると、抑制制御を解除して修正指令値をペダル操作に応じた指令値に滑らかに近づける。このため、所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0016】
また、第8の発明は、駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、制動力を発生する制動手段と、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、前記指令値設定手段が設定する指令値に基づいて前記車両駆動手段及び前記制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、前記出力指令演算手段が算出する出力指令値を車体ハンチングを抑制する修正出力指令値に修正して出力する抑制手段とを備えた構成としている。
【0017】
上記構成によると、走行中に路面の凹凸等の外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により車体ハンチングが発生した場合、振動検出手段により車体ハンチングの発生が検出され、車両駆動手段及び制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値が、抑制手段により車体ハンチングを抑制する修正出力指令値に修正される。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正出力指令値の変化を抑えているので、この修正出力指令値による走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
また、出力指令演算手段は、出力指令値以外に作業機操作指令信号等を含む複数の信号に基づくメインの演算を行なっている。上記構成においては、抑制手段を出力指令演算手段の下流に設けているので、全ての演算を終えた信号を抑制制御しており、車体ハンチングの抑制を最優勢とする走行制御装置が得られる。
【0018】
第8の発明に基づく第9の発明は、実車速を検出する車速検出手段をさらに備え、前記指令値設定手段が設定する指令値は、アクセルペダル操作量に応じた目標車速であり、前記出力指令演算手段は、前記車速検出手段が検出する実車速が目標車速となるような出力指令値を算出することを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングの発生が検出された場合、実車速が目標車速となるような出力指令値が、抑制手段により車体ハンチングを抑制する修正出力指令値に修正される。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正出力指令値の変化を抑えているので、この修正出力指令値による走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0019】
第8又は第9の発明に基づく第10の発明は、前記抑制手段が出力する修正出力指令値は一定値であることを特徴としている。
上記構成によると、修正出力指令値を一定値に固定しているので、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても影響されることなく、この修正出力指令値に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0020】
第8又は第9の発明に基づく第11の発明は、前記抑制手段が出力する修正出力指令値は、前記出力指令演算手段が算出する出力指令値をローパスフィルタによりフィルタリングして求めた値であることを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても、車体ハンチング発生時に作動するローパスフィルタにより出力指令値の変動を抑えて滑らかな修正出力指令値を得ることができるので、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0021】
第8又は第9の発明に基づく第12の発明は、前記抑制手段が出力する修正出力指令値は、出力指令値と修正出力指令値とが交叉したときに、出力指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配で出力指令値に近づけ、出力指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配で出力指令値に近づけた値であることを特徴としている。
上記構成によると、所定の微小勾配で出力指令値に常に追従するように修正出力指令値が変化するため、ペダル操作に応じた操作感覚が得られると共に、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0022】
第8又は第9の発明に基づく第13の発明は、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、アクセルペダル操作量が所定の閾値を越えたときには、修正出力指令値を滑らかに出力指令値に近づけるように演算して出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、抑制制御が続く所定時間の間においても所定の閾値を越えるペダル操作が行われた場合には、オペレータによる割り込み操作が行なわれたと判断し、抑制制御を解除して修正出力指令値をペダル操作に基づいた出力指令値に滑らかに近づける。このため、オペレータの意思が走行制御に反映されるので、操作感覚に違和感の生じない操作性のよい走行制御装置が得られる。
【0023】
第8又は第9の発明に基づく第14の発明は、前記抑制手段による抑制制御が所定時間経過した後、修正出力指令値を滑らかに出力指令値に近づけるように演算して出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、所定の制御持続設定時間が経過すると、抑制制御を解除して修正出力指令値をペダル操作に基づいた出力指令値に滑らかに近づける。このため、所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
まず、第1実施形態を図1〜9を用いて説明する。
【0025】
図1に示すように、産業車両であるフォークリフトにおいては、エンジン1の出力はトルクコンバータ2を介して変速機3に伝達され、変速機3内に収容された前進クラッチ4及び後進クラッチ5のいずれかを経て駆動輪6に伝達され、これにより車両が走行するようになっている。駆動輪6には多板式ブレーキ34が設けられており、制動力が作用するようになっている。トルクコンバータ2内にはエンジン1により駆動される油圧ポンプ7が設けられており、この油圧ポンプ7からの吐出圧油はリリーフ弁8により調圧された後、前進用比例電磁弁9、後進用比例電磁弁10及びブレーキ用比例電磁弁33を介して前進クラッチ4、後進クラッチ5及びブレーキ34にそれぞれ供給される。
【0026】
荷役用油圧ポンプ11は、エンジン1により駆動され、この油圧ポンプ11からの吐出圧油は、操作弁12を介してリフトシリンダ13に供給され、リフトシリンダ13の伸縮によりフォーク14が昇降駆動されるように構成されている。
【0027】
操作弁12を切換操作する作業機レバー15にはその操作量を検出する作業機レバーセンサ16が設けられ、アクセルペダル17にはその操作量を検出するアクセルペダルセンサ18が設けられ、走行レバー19にはレバー操作位置が前進、中立及び後進のいずれであるかを検出する前後進検出スイッチ20が設けられ、ブレーキペダル31にはその操作量を検出するブレーキペダルセンサ32が設けられている。なお、作業機レバーセンサ16は、作業機レバー15の操作の有無を検出する機能を兼備しており、その出力が所定値を超えた場合がレバー操作信号である。
【0028】
エンジン1には、燃料噴射量を調整するガバナ21を制御してエンジン回転を増減するガバナアクチュエータ22が設けられている。エンジン1の出力軸23にはエンジン1の回転速度を検出するエンジン回転センサ24が設けられ、変速機3の出力軸27には車両の実車速を検出する車速センサ28が設けられている。
【0029】
コントローラ30は、上記センサ類(作業機レバーセンサ16、アクセルペダルセンサ18、前後進検出スイッチ20、エンジン回転センサ24、車速センサ28、ブレーキペダルセンサ32)からの各検出信号を入力すると共に、これらの検出信号及びコントローラ30内に記憶されたデータに基づいて、詳細は後述するようにして、前進、中立、後進及び単独荷役、単独走行、荷役兼走行を判断し、前進用比例電磁弁9、後進用比例電磁弁10、ブレーキ用比例電磁弁33及びガバナアクチュエータ22のそれぞれに指令電流を出力している。
【0030】
コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号により、走行レバー19の操作位置が前進、中立及び後進のいずれであるかを判断する。
【0031】
また、コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号が中立であり、かつ作業機レバーセンサ16からのレバー操作信号を入力した場合には、単独荷役と判断する。単独荷役の場合には、コントローラ30は、作業機レバーセンサ16からの作業機レバー操作量信号を入力し、コントローラ30に記憶された図2に示すような作業機レバー操作量とエンジン回転数との関係より、作業機レバー15の操作量に応じたエンジン回転数となるようにガバナアクチュエータ22に指令電流を出力してエンジン回転を制御する。
これにより、作業機レバー15の操作量に応じて油圧ポンプ11の吐出油量が制御されリフトシリンダ13に供給され、フォーク14は作業機操作レバー15の操作量に応じた昇降速度で駆動される。
【0032】
なお、走行レバー19が中立の場合、アクセルペダル17の操作によりエンジン回転数を増減可能であるので、単独荷役において、作業機レバー15とアクセルペダル17とを併用して荷役作業を行うことも可能である。この場合、コントローラ30には、図3に示すようなアクセルペダル操作量θに対するエンジン回転数の関係が記憶されており、コントローラ30は、作業機レバー15によるエンジン回転数及びアクセルペダル17によるエンジン回転数のいずれか大きな方に従ってエンジン1を制御する。
【0033】
図4に走行制御の概略制御ブロック図を示す。アクセルアクセルペダルセンサ18が検出するアクセルペダル操作量θは、コントローラ30の目標車速設定部30aに入力される。目標車速設定部30aには、図5に示すようなアクセルペダル操作量θと目標車速Sとの関係が記憶されている。すなわち、アクセルペダル操作量θがゼロからθnまでのニュートラル領域において目標車速Sはゼロであり、アクセルペダル操作量θがθn以降は操作量に応じて目標車速Sが漸増する特性である。
目標車速設定部30aにて設定された目標車速Sは、車体ハンチングが検出された場合に作動する抑制部40を介して出力指令演算部30bに入力される。出力指令演算部30bは、車速センサ28が検出する実車速が目標車速Sとなるように、クラッチ指令値Sc、ブレーキ指令値Sb及びガバナ指令値Sgを算出し、クラッチ駆動回路30cc、ブレーキ駆動回路30cb及びガバナ駆動回路30cgにそれぞれ出力して、前進クラッチ4及び後進クラッチ5の少なくともいずれかのクラッチ係合状態、ブレーキ34の制動力またはエンジン回転を、以下に述べるように制御する。
【0034】
まず、車体ハンチングを検出する抑制部40の振動検出手段41が、車体ハンチングを検出していない場合の走行制御について説明する。
【0035】
コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号が前進または後進であり、かつ作業機レバーセンサ16からのレバー操作信号を入力した場合には、荷役兼走行と判断する。荷役兼走行の場合には、コントローラ30は、作業機レバーセンサ16からの作業機レバー操作量信号を入力し、コントローラ30に記憶された図2に示すような作業機レバー操作量とエンジン回転数との関係より、作業機レバー15の操作量に応じたエンジン回転数となるようにガバナアクチュエータ22に指令電流を出力してエンジン回転数を制御する。これにより、単独荷役の場合と同様に、フォーク14の昇降速度を作業機操作レバー15に応じた速度で駆動できる。
【0036】
同時にコントローラ30は、目標車速設定部30aにて図5に示すアクセルペダル操作量θと目標車速Sとの関係よりアクセルペダル17の操作量θに応じた目標車速Sを設定する。そして、この設定した目標車速Sと車速センサ28が検出する実車速との偏差に基づいて、出力指令演算部30bにて前進用比例電磁弁9及び後進用比例電磁弁10のうち、前後進検出スイッチ20の出力信号に対応する側(以降、進行方向側と呼ぶ)の比例電磁弁へのクラッチ指令値Scを算出し、クラッチ駆動回路30ccにて出力電流Icに変換して出力する。これにより、進行方向側のクラッチの係合状態が制御されて、エンジン1の駆動力の駆動輪6への伝達量が調整され、実車速が目標車速Sに近づくような走行制御が行なわれる。
ここで、作業機レバー15の操作量が小さく、進行方向のクラッチを全係合させても目標車速Sに達しない場合には、出力指令演算部30bにてエンジン回転数を上げるガバナ指令値Sgを算出しガバナ駆動回路30cgに出力することにより実車速が目標車速Sに近づくように制御が行なわれる。
【0037】
コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号が前進または後進であり、かつ作業機レバーセンサ16からのレバー操作信号が入力されない場合には、単独走行と判断する。単独走行の場合、アクセルペダル17による目標車速が、エンジンのアイドル回転に応じたクリープ速度以上か否かにより制御が異なる。
【0038】
単独走行で目標車速Sがクリープ速度以上の場合には、コントローラ30は、前進クラッチ4及び後進クラッチ5のうち、進行方向側のクラッチが全係合となるような指令電流を進行方向側の比例電磁弁に出力すると共に、車速センサ28が検出する実車速がアクセルペダル17の操作量θに応じた目標車速Sとなるように、出力指令演算部30bにてガバナ指令値Sgを算出しガバナ駆動回路30cgにて出力電流Igに変換してガバナアクチュエータ22に出力してエンジン回転数を制御して走行する。
【0039】
また、単独走行で目標車速Sがクリープ速度以下の場合には、コントローラ30は、荷役兼走行の場合の走行制御と同様の制御を行う。すなわち、目標車速Sと実車速との偏差に応じた指令電流を、進行方向側の比例電磁弁に出力し進行方向側のクラッチの係合状態を制御しており、これにより、クリープ速度以下という微速の目標車速Sに近づくような走行制御が行われる。
【0040】
前進用比例電磁弁9及び後進用比例電磁弁10には、常に最低基準電流が加えられている。この最低基準電流は、クラッチが係合し始める直前程度の電流値が設定されている。これにより、前進クラッチ4及び後進クラッチ5が係合し始めるまでの遊び時間を短縮して、係合作動の応答性を向上させている。
【0041】
ブレーキペダルセンサ32が検出する信号が所定値を超えた場合や、アクセルペダル17の操作量に応じた目標車速Sに対して車速センサ28が検出する実車速が所定以上速い場合、コントローラ30は、制動が必要と判断し、出力指令演算部30bにてブレーキ指令値Sbを算出しブレーキ駆動回路30cbにて出力電流Ibに変換してブレーキ用比例電磁弁33に出力する。これにより、車両はブレーキ34による制動力を得て減速する。
【0042】
次に、車体ハンチングが検出される場合の走行制御について、図6〜9を用いて説明する。なお、以下の説明において、抑制部40に入力される目標車速をペダル目標車速Sr、抑制部40から出力される目標車速を修正目標車速Sdと呼ぶ。
図4に示すように、コントローラ30の抑制部40は、振動検出手段41、抑制手段42及び解除手段43を備えており、そのフローチャートを図6に示す。また、アクセルペダル操作量θ、アクセルペダル操作量θに対応して目標車速設定部30aにて設定されたペダル目標車速Sr及び抑制部40にて修正された修正目標車速Sdの時間的変化を図7に示す。
【0043】
(1)車体ハンチング検出
振動検出手段41は、まずステップS1において、|dθ/dt|が所定値α0以上か否か、すなわち、アクセルペダル17の操作速度が所定値α0を超える急操作となったか否かを検出している。急操作が検出された場合には、ステップS2において、急操作開始点の時刻t及びアクセルペダル操作量θを(t,θ)=(0,θ0)として記憶し、アクセルペダル操作量θのピークP0(tp,θp)を検出すると共に、アクセルペダル操作量θが初期値θ0とピーク値θpとの間に閾値θs(例えば、初期値θ0からピーク値θpまでの7割の値)を設定する。なお、ピーク時刻tpが例えば10msec等のように短い場合や、|θ0−θp|が小さい場合にはノイズとしてそのピークは無視する。
【0044】
次に、ステップS3において、カウンタnを「0」にセットし、ステップS4において、時刻tが所定時間taを経過したか否かを検出する。所定時間taを経過していなければ、ステップS5において、アクセルペダル操作量θが閾値θsを横切ったか否かを検出する。横切った場合にはステップS6においてカウンタnを「1」進めて、ステップS7において、カウンタnが「4」になったか否かを検出する。ステップS5、ステップS7において「NO」の場合にはステップS4に戻る。ステップS5では、図7の点P1,P2,…を検出し、点P4が検出された場合にステップS7が「YES」となり、車体ハンチングが発生したと判断する。なお、車体ハンチングの周波数は概略1Hz〜5Hz程度であるので、点P1〜P4を検出する待ち時間となる所定時間taは、例えば3秒程度の値が設定される。
【0045】
なお、ステップS1において「NO」の場合、ステップS4において「NO」の場合には、車体ハンチングが発生しておらず、オペレータの意思によるペダル操作が行なわれていると判断され、ステップS8において、修正目標車速Sdはペダル目標車速Srと等しい値とする。
【0046】
(2)ハンチング抑制
抑制手段42は、車体ハンチングの発生が検出された時点からの修正目標車速Sdを車体ハンチングの発生が検出された時点での修正目標車速Sdに基づいて新しく設定する。すなわち、ステップS9において、車体ハンチングの発生が検出された制御開始時刻Tsにおける修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smとして記憶し、制御開始時刻Tsから所定の制御持続設定時間DTの間、修正目標車速Sdは修正目標車速記憶値Smと等しい値に固定する。
【0047】
(3)抑制解除
解除手段43は、制御中又は所定の制御持続設定時間DTが経過した後の制御解除方法を設定する。
アクセルペダル操作量θがゼロの場合を操作量ゼロ%とし、アクセルペダル操作量θの最大値を100%とした場合、例えばニュートラル領域である5%を最小閾値θnと設定し、95%を最大閾値θfと設定する。また、制御開始時刻Tsにおける開始時アクセルペダル操作量θsを中心として、制御開始時刻Tsからアクセルペダル操作量θの大小を判定する閾値の大きさが変更する時刻の広狭閾値変更時刻Twsまでは、開始時アクセルペダル操作量θsからの幅が広い広閾値dθwを設定し、その後、抑制制御開始時刻Tsから所定の制御持続設定時間DTが経過した抑制制御終了時刻Teまでは、開始時アクセルペダル操作量θsからの幅が狭い狭閾値dθsを設定する。
【0048】
まずステップS10において、時刻tが抑制制御終了時刻Teの前か否かを判断し、前であれば、ステップS11にすすみ、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnと最大閾値θfとの間であるか否かを判定する。間であれば、開始時アクセルペダル操作量θsを基点としたアクセルペダル追加操作量絶対値dθが、広閾値dθwよりも大きいか否か(ステップS12)、狭閾値dθsよりも大きいか否か(ステップS13)を検出する。
【0049】
ステップS12において「NO」であり、ステップS13において「NO」である場合、すなわち、追加操作量絶対値dθが広閾値dθw又は狭閾値dθsよりも小さいときには、オペレータのアクセルペダル操作は微小で、割り込み操作はないと判断し、ステップS14において修正目標車速Sdは修正目標車速記憶値Smを保つ。
【0050】
ステップS12又はステップS13において「YES」である場合、すなわち、追加操作量絶対値dθが広閾値dθw又は狭閾値dθsよりも大きいときには、オペレータが小さくアクセルペダル17を操作した割り込み操作があると判断する。
アクセルペダル追加操作量絶対値dθが狭閾値dθsを越えその後、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnと最大閾値θfとの間であるときのアクセルペダル操作量θ、ペダル目標車速Sr及び修正目標車速Sdの時間的変化を図7の割り込み時刻T0以降で示している。この場合にはステップS15において、修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smからペダル目標車速Srに一致させる方向に、割り込み点Z1のペダル目標車速勾配mrで近づける。一致後の修正目標車速Sdはペダル目標車速Srをとる。
【0051】
次に、ステップS11において「NO」である場合、すなわち、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnよりも小さいとき又は最大閾値θfよりも大きいときには、オペレータが大きくアクセルペダル17を操作した割り込み操作があると判断する。
アクセルペダル追加操作量絶対値dθが広閾値dθwを越えその後、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnをも越えたときのアクセルペダル操作量θ、ペダル目標車速Sr及び修正目標車速Sdの時間的変化を図8の割り込み時刻T1以降で示している。この場合には、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnに至るまでは、まず前述のステップS16に従い、広閾値dθwを越えた割り込み点Z2のペダル目標車速勾配mrで修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smからペダル目標車速Srに一致させる方向に近づける。そして割り込み点Z3で最小閾値θnをも越えた後(ステップS11において「NO」)は、ステップS16において、修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに一致させる方向に、所定の大割り込み勾配Mwで近づける。この勾配Mwは、オペレータの急なペダル操作速度に対応する大きな勾配である。一致後の修正目標車速Sdはペダル目標車速Srをとる。
【0052】
次に、ステップS10において「NO」である場合、すなわち、時刻tが抑制制御終了時刻Teの以降であれば、ステップS17において図9に示すように、修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smからペダル目標車速Srに一致させる方向に、所定の終了時刻後勾配Meで近づける。この勾配Meは、オペレータの通常のペダル操作速度に対応する中程度の勾配である。一致後の修正目標車速Sdはペダル目標車速Srをとる。
【0053】
コントローラ30は、上記フローにより抑制部40にて算出された修正目標車速Sdを用いて、車体ハンチングの発生を検出していない場合の走行制御と同様に、出力指令演算部30bにて、車速センサ28が検出する実車速がこの修正目標車速Sdとなるように、クラッチ指令値Sc、ブレーキ指令値Sb及びガバナ指令値Sgを算出し、クラッチ4、5の係合状態、ブレーキ34の制動力またはエンジン回転を制御する。
【0054】
本実施形態によると、走行中に路面の凹凸等の外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により車体ハンチングが発生した場合、アクセルペダルセンサ18が検出するアクセルペダル操作量θの変化を様子から車体ハンチングが発生したことを検出する。車体ハンチングの発生が検出されると、車体ハンチングを抑制するべく修正目標車速Sdを一定値に固定する。このため、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正目標車速Sdの変化を抑えているので、この修正目標車速Sdに実車速が近づくように走行制御が行なわれることにより、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0055】
この修正目標車速Sdを一定値に固定する抑制制御は、所定の制御持続設定時間DTが経過すると解除され、解除時点の修正目標車速Sdを初期値としてペダル目標車速Srに近づけるように連続的かつ滑らかな修正目標車速Sdを演算し、ペダル目標車速Srに一致後はペダル目標車速Srを修正目標車速Sdとして出力する。このため、所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0056】
車体ハンチング発生と判断した直後から所定の時間が経過するまではアクセルペダル操作量θの振れ幅は大きいので幅の広い閾値dLwを設定し、アクセルペダル操作量θがこの閾値dLwを越えたらオペレータによる割り込み操作が合ったと判断する。車体ハンチング発生と判断してから広狭閾値変更時刻Tws以降はアクセルペダル操作量θの振れ幅が小さくなってくるので幅の狭い閾値dLsに変更して同様の割り込み操作の有無を判断する。割り込み操作がなされたと判断された場合には抑制制御を解除して、解除時点の修正目標車速Sdを初期値として、オペレータのペダル操作速度に対応するペダル目標車速勾配mrでペダル目標車速Srに近づく修正目標車速Sdを演算し出力する。
【0057】
また、アクセルペダル操作量θがゼロ又は最大に近い値まで操作されて最小閾値θn又は最大閾値θfを越える場合には、オペレータが緊急のためアクセルペダル17を大きく割り込み操作したと判断し、所定の勾配Mwで修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけ、一致後はペダル目標車速Srを修正目標車速Sdとして出力する。
【0058】
次に、図10,11を用いて第2実施形態を説明する。
なお、第1実施形態と同一の構成要素については同じ符号を付す。
【0059】
図10に示すように、バッテリ駆動式の産業車両は、モータ60の駆動力をモータ出力軸61を介して駆動輪6に伝達して走行する。モータ60を制御するコントローラ50には、アクセルペダル17の操作量を検出するアクセルペダルセンサ18、走行レバー19の操作位置を検出する前後進検出スイッチ20及びモータ出力軸61の回転数から実車速を検出する車速センサ28が接続されている。
【0060】
図11に走行制御の概略制御ブロック図を示す。アクセルアクセルペダルセンサ18が検出するアクセルペダル操作量θは、前述の図5の特性を記憶したコントローラ50の目標車速設定部50aに入力される。車体ハンチングが検出されない場合には、目標車速設定部50aにて設定された目標車速Sは、そのまま出力指令演算部50bに入力される。出力指令演算部50bは、車速センサ28が検出する実車速が目標車速Sとなるように、モータ電流指令値SMを算出しモータ駆動回路50cに出力する。モータ駆動回路50cは、図示しないバッテリからの電力をモータ電流指令値SMに基づいて制御してモータ60に供給する。また、制動が必要と判断される場合には、モータ60は、出力指令演算部50bからの指令に基づくモータ駆動回路50cに制御され、電気制動手段として作用する。
【0061】
車体ハンチングが検出された場合には、抑制部40は、目標車速設定部50aにて設定されたペダル目標車速Srを修正目標車速Sdに修正して出力指令演算部50bに出力する。そして、出力指令演算部50bは、実車速が修正目標車速Sdなるように、モータ指令値SMを算出しモータ駆動回路50cに出力することによりモータ60を制御する。抑制部40(振動検出手段41、抑制手段42、解除手段43)による車体ハンチング検出、ハンチング抑制及び抑制解除の方法は、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0062】
これらにより、抑制制御が続く所定時間の間においても所定の閾値を越えるペダル操作(割り込み操作)が行われた場合には、オペレータの意思が走行制御に反映されるので、操作感覚に違和感の生じない操作性のよい走行制御装置が得られる。
【0063】
次に、以上説明した本実施形態の振動検出手段41、抑制手段42及び解除手段43の別態様について説明する。
【0064】
(振動検出手段41の別態様)
振動検出手段41の別態様として、アクセルペダル操作量θの周波数計測による車体ハンチング検出方法を以下に説明する。
図12に示すように、任意のアクセルペダル操作量θ0を中心にして振動しているアクセルペダル操作量θが所定の周波数計測用閾値θrよりも大きいときに、アクセルペダル操作量θの1番目ピーク時刻t1、2番目ピーク時刻t2、3番目ピーク時刻t3等を計測し、1番目と2番目のピーク間の時間T12、2番目と3番目のピーク間の時間T23等を計算する。これらピーク間隔の時間T12、T23等より時間T12、T23等の逆数を平均化することにより振動するアクセルペダル操作周波数Fqを求め、このアクセルペダル操作周波数Fqと予め計測しておいた代表的車体ハンチング周波数Fmとの差の絶対値が所定の周波数閾値Dfよりも小さければ、車体ハンチングが発生していると判断する。
【0065】
また、代表的車体ハンチング周波数Fmを偶数で割った周波数も、車体ハンチングとして現れることがある。このため、図13に示すように、ステップS21においてアクセルペダル操作周波数Fqと代表的車体ハンチング周波数Fmとの差の絶対値を比較した後、ステップS22及びステップS23において、アクセルペダル操作周波数Fqと代表的車体ハンチング周波数Fmの二分の一との差の絶対値及び四分の一との差の絶対値を比較し、それぞれの差が所定の周波数閾値Dfよりも小さければ、ステップS24において車体ハンチングが発生していると判断し、大きければ、ステップS25において車体ハンチングが発生してないと判断する。
【0066】
また、アクセルペダル操作量θが所定の周波数計測用閾値θrよりも大きいときに、アクセルペダル操作量θの第1ボトムB1と第2ボトムB2の間の時間等により周波数Fqを求めてもよいし、アクセルペダル操作量θが操作量θ0を正の傾きで交叉する第1交叉点C1と第2交叉点C2との間の時間、第2交叉点C2と第3交叉点C3との間の時間等により周波数Fqを求めてもよい(図12参照)。なお、アクセルペダル操作量θの振幅が所定の設定値よりも大きいときに周波数Fqを求めてもよい。
【0067】
(抑制手段42の第1別態様)
抑制手段42の第1別態様として、ローパスフィルタにより修正目標車速Sdを滑らかにする方法を以下に説明する。
一定値(修正目標車速記憶値Sm)に固定する抑制手段42の代わりに、車体ハンチング発生時にオンとなるローパスフィルタを用いる。これにより、ペダル目標車速Srの変動を抑えて滑らかな修正目標車速Sdを得ることができ、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0068】
(抑制手段42の第2別態様)
抑制手段42の第2別態様として、修正目標車速Sdを微小勾配でペダル目標車速Srに近づける方法を図14により説明する。
ペダル目標車速Srを点線で、修正目標車速Sdを実線で示す。抑制制御開始時刻Ts以前は通常操作であるため、ペダル目標車速Srが修正目標車速Sdとして出力されている。抑制制御開始時刻Tsの抑制制御開始点Ysにおいてペダル目標車速Srが減少方向であれば、微小勾配絶対値Msを負に設定して修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけるように変化させる。修正目標車速Sdとペダル目標車速Srとの第1交点Y1においてペダル目標車速Srが増加方向であれば、微小勾配絶対値Msを正に設定して修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけるように変化させる。その後、この動作を繰り返して修正目標車速Sdがペダル目標車速Srに少しずつ近づいてゆく。
【0069】
(抑制手段42の第3別態様)
抑制手段42の第3別態様として、修正目標車速Sdがペダル目標車速Srとは異なる値を目標値として近づく方法を図15により説明する。
ペダル目標車速Srを点線で、修正目標車速Sdを実線で、車体ハンチング発生の判断時点Ts以前のペダル目標車速Srに基づく目標値Sraを二点鎖線で示す。車体ハンチング発生を判断した時刻Tsの直前の上側ピーク値Sr1及び下側ピーク値Sr2の平均値を修正目標車速Sdを近づける目標値Sraとして設定する。修正目標車速Sdとして、ローパスフィルタにより滑らかに近づける場合の曲線Cf又は微小勾配により徐々に近づける場合の曲線Ckのどちらでもよい。この方法によると、目標値Sraが、オペレータが一定に保とうとするアクセルペダル操作量θに対応するペダル目標車速Srに近い位置に設定されるので、抑制制御しているにも拘らずオペレータが自分で操作しているという操作感覚が得られる。
【0070】
(解除手段43の第1別態様)
抑制制御終了時刻Te以降の解除手段43の第1別態様として、図16に示すように、抑制制御終了時刻Teのときの修正目標車速記憶値Smを初期値としペダル目標車速Srを目標値としてローパスフィルタを介して滑らかにフィルタリングした値を修正目標車速Sdとして使用する。これにより、ショックなくペダル目標車速Srに移行できる。
なお、ペダル目標車速Srの指令値の最大値を100%としたとき、ペダル目標車速Srの指令値が例えば5%という小さな値又は、例えば95%という大きな値のときには、オペレータのペダル操作が緊急であるため、ローパスフィルタの特性をより高速化して、短い時間で修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけてもよい。
【0071】
(解除手段43の第2別態様)
抑制制御終了時刻Te以降の解除手段43の第2別態様として、図17に示すように、ペダル目標車速Srが一定のときは、微小接近勾配Mbで修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけ、ペダル目標車速Srが変化しているときは、このときのペダル目標車速勾配mrで修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づける。これにより、ショックなくペダル目標車速Srに移行できる。
なお、この場合も、ペダル目標車速Srの指令値が例えば5%という小さな値又は、例えば95%という大きな値のときには、オペレータのペダル操作が緊急であるため、接近勾配の大きさをより大きくして、短い時間で修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけてもよい。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、本発明の範囲内において変更や修正を加えることができるのは言うまでもない。
例えば、上記実施形態においては、車体ハンチングの発生を検出するのに、アクセルペダルセンサ18からのアクセルペダル操作量θの変動信号を用いたが、目標車速信号により検出してもよいし、車速センサ28からの実車速の変動から車体ハンチングを検出してもよい。さらに、車体の前後方向の加速度を計測する加速度計を設けて、車速変動の発生具合により車体ハンチングの発生を判断しても構わない。
【0073】
また、点P4が検出された場合に車体ハンチングが発生したと判断している(ステップS7で「YES」)が、例えば、点P2の検出時点で車体ハンチングと判断しても構わない。これによると、迅速に抑制制御を開始することができる。なお、この場合、オペレータが意図したペダル操作により点P2が検出されて抑制制御が開始されてしまうこともあるが、短時間ペダル操作の応答がなくなるものの、所定閾値を越える割り込み操作を行なうことにより抑制制御は容易に解除できるので、違和感が生じることはほとんどない。
【0074】
「一定値に固定」、「フィルタリング」又は「微小勾配で接近」等の信号処理により車体ハンチングを抑制する信号を演算する抑制部40を、目標車速設定部30aと出力指令演算部30bとの間に設ける例で説明したが、目標車速設定部30aの前に設けてアクセルペダル操作量信号そのものを信号処理してもよいし、図18に示すように、出力指令演算部30bの後に抑制部40を設けてクラッチ指令値Scr、ブレーキ指令値Sbr及びガバナ指令値Sgrに対して抑制処理を行なっても構わない。出力指令演算部30bは、作業機レバーセンサ16からの指令信号を含む複数の信号に基づくメインの演算を行なっている。このため、抑制部40を出力指令演算部30bの上流に設けた場合には、作業機操作等の通常の機能を保持したまま車体ハンチングを抑制する走行制御装置が得られる。一方、抑制部40を出力指令演算部30bの下流に設けた場合には、全ての演算を終えた信号を抑制制御しているので、車体ハンチングの抑制を最優勢とする走行制御装置が得られる。
【0075】
制御持続設定時間DT内において割り込み操作を検出する閾値が、広狭閾値変更時刻Tws前後で異なる(広閾値dθw、狭閾値dθs)例にて説明したが、一定値(例えばdθw)であってもよい。また、図19に示すように、制御開始時刻Tsにおける開始時アクセルペダル操作量θsを中心として閾値の幅が時間経過と共に漸減する特性(線形でもよいし非線形でもよい)の閾値Kθを用いても構わない。
【0076】
本実施形態では、抑制制御は抑制制御開始時刻Tsから制御持続設定時間DTだけ続行するとしているが、オペレータの割り込み操作により抑制制御が解除され通常操作に戻る場合が多いので、抑制制御は完了させない、即ちDTを無限大に設定しておいても差し支えない。
【0077】
バッテリ駆動式の産業車両としては、第2実施形態で説明したように、アクセルペダルセンサ18が速度指令器として機能し速度制御を行なう形式の車両の他に、図20で示すように、アクセルペダルセンサ18が走行モータ電流指令器として機能しモータ電流制御を行なう形式の車両があり、この形式の車両に本発明を適用してもよい。即ち、ペダル指令値設定部70aはアクセルペダル操作量θに応じたペダル指令値Sを設定し、出力指令演算部70bはペダル指令値Sに基づいたモータ電流指令値SMを算出しモータ駆動回路70cに出力する。この場合も、モータ60は必要に応じて電気制動手段として作用する。抑制部40は、同図に示すように出力指令演算部70bの前に設けてもよいし、図18と同様に出力指令演算部70bの後に設けても構わない。
【0078】
なお、バッテリ駆動式車両においては、制御によるハンチング(制御ハンチング)が発生し、これがトリガになって車体が揺れ、車体ハンチングが発生することがある。この制御ハンチングは電流波形に現れるので、この電流波形の変動から制御ハンチングを検出して抑制制御を開始するようにしても構わない。この場合、制御ハンチングの周波数は例えば100Hz程度であるので、第1実施例のステップS2において、ノイズとしてキャンセルしていた周波数領域をキャンセルしなければよい。
【0079】
また、産業車両としてフォークリフトを例に挙げて説明したが、ショベルローダ等に本発明を適用しても構わない。
制動手段として、駆動輪6に装着した多板式のブレーキ34を用いる例にて説明したが、ドラム式のブレーキを用いても構わないし、進行方向とは逆方向のクラッチの係合を制御して逆方向の駆動力により制動力を得るように構成してもよい。
【0080】
各センサ16,18,32は、ポテンショメータを用いてもエンコーダを用いてもよく、検出形態に応じて直動型または回転型から適宜選択すればよい。
コントローラ30からの出力はPWM信号でも電流信号でもよい。
エンジン回転は、コントローラ30からの指令によりガバナアクチュエータ22がガバナ21を制御する例にて説明したが、リンケージ又はプッシュプルワイヤにより、作業機レバー15やアクセルペダル17とガバナ21とを連結する構成でも構わない。また、エンジン制御は、コントローラを搭載した電子制御エンジンを使用し、コントローラ30からのエンジン回転指令にて動作するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る走行制御装置のブロック図である。
【図2】第1実施形態での作業機レバー操作量とエンジン回転数との関係を示す図である。
【図3】第1実施形態でのアクセルペダル操作量とエンジン回転数との関係を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る概略の制御ブロック図である。
【図5】第1実施形態でのアクセルペダル操作量と目標車速との関係を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る抑制部のフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る抑制部の作動を説明する図である。
【図8】第1実施形態に係る抑制部の作動を説明する図である。
【図9】抑制制御終了後の作動を説明する図である。
【図10】第2実施形態に係る走行制御装置のブロック図である。
【図11】第2実施形態に係る概略の制御ブロック図である。
【図12】別態様の周波数計測による車体ハンチング検出の説明図である。
【図13】別態様の周波数計測による車体ハンチング検出のフローチャートである。
【図14】別態様の微小勾配での接近方法の説明図である。
【図15】別態様の抑制制御開始時とは異なる値への接近方法の説明図である。
【図16】別態様の抑制制御終了後の作動を説明する図である。
【図17】別態様の抑制制御終了後の作動を説明する図である。
【図18】別態様の概略の制御ブロック図である。
【図19】別態様の割り込み操作を検出する閾値を説明する図である。
【図20】別態様の概略の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…トルクコンバータ、3…変速機、4…前進クラッチ、5…後進クラッチ、6…駆動輪、7,11…油圧ポンプ、8…リリーフ弁、9…前進用比例電磁弁、10…後進用比例電磁弁、12…操作弁、15…作業機レバー、16…作業機レバーセンサ、17…アクセルペダル、18…アクセルペダルセンサ、19…走行レバー、20…前後進検出スイッチ、22…ガバナアクチュエータ、24…エンジン回転センサ、26…入力側回転センサ、28…車速センサ、30…コントローラ、30a…目標車速設定部、30b…出力指令演算部、31…ブレーキペダル、32…ブレーキペダルセンサ、33…ブレーキ用比例電磁弁、34…ブレーキ、40…抑制部、41…振動検出手段、42…抑制手段、43…解除手段、DT…制御持続設定手段、dθs…狭閾値、dθw…広閾値、S…目標車速、Sd…ペダル目標車速、Sm…修正目標車速記憶値、Sr…修正目標車速、θ…アクセルペダル操作量。
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフト等の産業車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォークリフト等の産業車両においては、エンジンの駆動力はトルクコンバータを介して変速機に伝達され、さらに、変速機内に収容された前進クラッチ及び後進クラッチのいずれかを経て駆動輪に伝達され走行可能なように構成されている。前進クラッチ及び後進クラッチは、インチングバルブ及び方向切換弁を経た圧油により入切操作される。
【0003】
上記産業車両において荷役作業を行う場合には、通常エンジンを最大出力にして作業を行う。このため、荷役作業を行いながら車両を微速で走行させる場合には、オペレータはインチングバルブをインチングペダルにより操作して、前記前進クラッチまたは後進クラッチを半クラッチ状態にして、エンジンの駆動力の伝達を減少させて所望の車速を得ている。また、アクセルを踏まない状態で走行レバーを前進または後進に入れると、エンジンのアイドル回転に応じた速度(クリープ速度)で車両が走行してしまうが、このクリープ速度以下で走行したい場合には、オペレータはインチングペダルを操作して半クラッチ状態にして所望の車速を得ている。
しかしながら、この半クラッチ状態を調節するインチングペダル操作は微妙な操作であり、特に荷役操作との複合操作を行うには熟練を要し、熟練者にとっても疲労しやすく作業効率が悪化してしまう。
【0004】
比例電磁弁によりクラッチ圧を制御することにより、上述したような微妙な操作を要するインチングペダル操作が不要となる走行制御装置が、例えば、特許登録第2811523号公報に記載されている。すなわち、荷役作業を行いながら車両を微速で走行させる場合には、アクセルペダルの操作量に基づく目標車速と車速センサが検出する実車速との差に応じた出力を比例電磁弁に出力して、前進クラッチ、後進クラッチ又は補助ブレーキを制御することにより、エンジンの回転数に関係なく車両が目標車速で走行するように制御している。これにより、インチングペダル操作という微妙な操作が不要となり、操作性の良い走行制御装置が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術においては、以下のような問題がある。
インチングペダルを廃止して比例電磁弁を用いた電子制御による走行制御装置であるので、アクセルペダルは速度指令設定器(目標車速の設定器)として機能することになる。すなわち、アクセルペダルを踏み込むことにより加速し、アクセルペダルを戻すことにより戻し具合に応じた制動が作動して減速するので、ブレーキペダルを使わずにアクセルペダルのみの操作で制動による減速が可能である。なお、ブレーキペダルは、より強い制動力を得たい場合(緊急停止時等)に操作される。
【0006】
このように、アクセルペダル操作により減速可能な車両であるので、走行中に路面の凹凸等による車体の揺れに起因して、オペレータの足がアクセルペダルから離れる方向に動くことがある。このとき、▲1▼目標車速が小さくなる→▲2▼制動が作動し減速する→▲3▼オペレータの体に進行方向の慣性力が作用して足がアクセルペダルを踏み込む→▲4▼目標車速が大きくなる→▲5▼加速する→▲6▼オペレータの体に進行方向と逆方向の慣性力が作用して足がアクセルペダルから離れる方向に動く。以降、▲1▼〜▲6▼を繰り返し、車速の変動により車体の揺れが持続して発生するという問題がある。(以降、このオペレータが介在する車体の持続した揺れを車体ハンチングと呼ぶ。)この車体ハンチングは、上記エンジン駆動式の産業車両だけではなく、バッテリ駆動式の産業車両においても同様のメカニズムにより発生する。この車体ハンチングの発生を防止する対策として、アクセルペダルからコントローラに入る信号にフィルタ処理を施すことも考えられるが、通常操作時もフィルタが作用し応答遅れが発生するので好ましくない。
【0007】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により発生する車体ハンチングを迅速に抑制できる産業車両の走行制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、制動力を発生する制動手段と、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、前記指令値設定手段が設定する指令値に基づいて前記車両駆動手段及び前記制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、前記指令値設定手段が設定する指令値を車体ハンチングを抑制する修正指令値に修正して前記出力指令演算手段に出力する抑制手段とを備えた構成としている。
【0009】
上記構成によると、走行中に路面の凹凸等の外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により車体ハンチングが発生した場合、振動検出手段により車体ハンチングの発生が検出され、抑制手段により指令値が車体ハンチングを抑制する修正指令値に修正される。このため、出力指令演算手段によりこの修正指令値に基づいた走行制御が行なわれる。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正指令値の変化を抑えているので、この修正指令値に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
また、出力指令演算手段は、出力指令値以外に作業機操作指令信号等を含む複数の信号に基づくメインの演算を行なっている。上記構成においては、抑制手段を出力指令演算手段の上流に設けているので、作業機操作等の通常の機能を保持したまま車体ハンチングを抑制する走行制御装置が得られる。
【0010】
第1の発明に基づく第2の発明は、実車速を検出する車速検出手段をさらに備え、前記指令値設定手段が設定する指令値は、アクセルペダル操作量に応じた目標車速であり、前記出力指令演算手段は、前記車速検出手段が検出する実車速が目標車速となるような出力指令値を算出することを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングの発生が検出された場合、抑制手段により目標車速が車体ハンチングを抑制する修正目標車速に修正される。このため、出力演算手段により実車速が前記修正目標車速となるように走行制御を行なう。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正目標車速の変化を抑えているので、この修正目標車速に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0011】
第1又は第2の発明に基づく第3の発明は、前記抑制手段が出力する修正指令値は一定値であることを特徴としている。
上記構成によると、修正指令値を一定値に固定しているので、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても影響されることなく、この修正指令値に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0012】
第1又は第2の発明に基づく第4の発明は、前記抑制手段が出力する修正指令値は、前記指令値設定手段が設定する指令値をローパスフィルタによりフィルタリングして求めた値であることを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても、車体ハンチング発生時に作動するローパスフィルタにより指令値の変動を抑えて滑らかな修正指令値を得ることができるので、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0013】
第1又は第2の発明に基づく第5の発明は、前記抑制手段が出力する修正指令値は、指令値と修正指令値とが交叉したときに、指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配で指令値に近づけ、指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配で指令値に近づけた値であることを特徴としている。
上記構成によると、所定の微小勾配で指令値に常に追従するように修正指令値が変化するため、ペダル操作に応じた操作感覚が得られると共に、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0014】
第1又は第2の発明に基づく第6の発明は、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、アクセルペダル操作量が所定の閾値を越えたときには、修正指令値を滑らかに指令値に近づけるように演算して前記出力指令演算手段に出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、抑制制御が続く所定時間の間においても所定の閾値を越えるペダル操作が行われた場合には、オペレータによる割り込み操作が行なわれたと判断し、抑制制御を解除して修正指令値をペダル操作に応じた指令値に滑らかに近づける。このため、オペレータの意思が走行制御に反映されるので、操作感覚に違和感の生じない操作性のよい走行制御装置が得られる。
【0015】
第1又は第2の発明に基づく第7の発明は、前記抑制手段による抑制制御が所定時間経過した後、修正指令値を滑らかに指令値に近づけるように演算して前記出力指令演算手段に出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、所定の制御持続設定時間が経過すると、抑制制御を解除して修正指令値をペダル操作に応じた指令値に滑らかに近づける。このため、所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0016】
また、第8の発明は、駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、制動力を発生する制動手段と、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、前記指令値設定手段が設定する指令値に基づいて前記車両駆動手段及び前記制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、前記出力指令演算手段が算出する出力指令値を車体ハンチングを抑制する修正出力指令値に修正して出力する抑制手段とを備えた構成としている。
【0017】
上記構成によると、走行中に路面の凹凸等の外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により車体ハンチングが発生した場合、振動検出手段により車体ハンチングの発生が検出され、車両駆動手段及び制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値が、抑制手段により車体ハンチングを抑制する修正出力指令値に修正される。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正出力指令値の変化を抑えているので、この修正出力指令値による走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
また、出力指令演算手段は、出力指令値以外に作業機操作指令信号等を含む複数の信号に基づくメインの演算を行なっている。上記構成においては、抑制手段を出力指令演算手段の下流に設けているので、全ての演算を終えた信号を抑制制御しており、車体ハンチングの抑制を最優勢とする走行制御装置が得られる。
【0018】
第8の発明に基づく第9の発明は、実車速を検出する車速検出手段をさらに備え、前記指令値設定手段が設定する指令値は、アクセルペダル操作量に応じた目標車速であり、前記出力指令演算手段は、前記車速検出手段が検出する実車速が目標車速となるような出力指令値を算出することを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングの発生が検出された場合、実車速が目標車速となるような出力指令値が、抑制手段により車体ハンチングを抑制する修正出力指令値に修正される。これにより、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正出力指令値の変化を抑えているので、この修正出力指令値による走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0019】
第8又は第9の発明に基づく第10の発明は、前記抑制手段が出力する修正出力指令値は一定値であることを特徴としている。
上記構成によると、修正出力指令値を一定値に固定しているので、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても影響されることなく、この修正出力指令値に基づく走行制御により、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0020】
第8又は第9の発明に基づく第11の発明は、前記抑制手段が出力する修正出力指令値は、前記出力指令演算手段が算出する出力指令値をローパスフィルタによりフィルタリングして求めた値であることを特徴としている。
上記構成によると、車体ハンチングによりアクセルペダル操作が変動しても、車体ハンチング発生時に作動するローパスフィルタにより出力指令値の変動を抑えて滑らかな修正出力指令値を得ることができるので、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0021】
第8又は第9の発明に基づく第12の発明は、前記抑制手段が出力する修正出力指令値は、出力指令値と修正出力指令値とが交叉したときに、出力指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配で出力指令値に近づけ、出力指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配で出力指令値に近づけた値であることを特徴としている。
上記構成によると、所定の微小勾配で出力指令値に常に追従するように修正出力指令値が変化するため、ペダル操作に応じた操作感覚が得られると共に、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0022】
第8又は第9の発明に基づく第13の発明は、前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、アクセルペダル操作量が所定の閾値を越えたときには、修正出力指令値を滑らかに出力指令値に近づけるように演算して出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、抑制制御が続く所定時間の間においても所定の閾値を越えるペダル操作が行われた場合には、オペレータによる割り込み操作が行なわれたと判断し、抑制制御を解除して修正出力指令値をペダル操作に基づいた出力指令値に滑らかに近づける。このため、オペレータの意思が走行制御に反映されるので、操作感覚に違和感の生じない操作性のよい走行制御装置が得られる。
【0023】
第8又は第9の発明に基づく第14の発明は、前記抑制手段による抑制制御が所定時間経過した後、修正出力指令値を滑らかに出力指令値に近づけるように演算して出力する解除手段を備えた構成としている。
上記構成によると、所定の制御持続設定時間が経過すると、抑制制御を解除して修正出力指令値をペダル操作に基づいた出力指令値に滑らかに近づける。このため、所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
まず、第1実施形態を図1〜9を用いて説明する。
【0025】
図1に示すように、産業車両であるフォークリフトにおいては、エンジン1の出力はトルクコンバータ2を介して変速機3に伝達され、変速機3内に収容された前進クラッチ4及び後進クラッチ5のいずれかを経て駆動輪6に伝達され、これにより車両が走行するようになっている。駆動輪6には多板式ブレーキ34が設けられており、制動力が作用するようになっている。トルクコンバータ2内にはエンジン1により駆動される油圧ポンプ7が設けられており、この油圧ポンプ7からの吐出圧油はリリーフ弁8により調圧された後、前進用比例電磁弁9、後進用比例電磁弁10及びブレーキ用比例電磁弁33を介して前進クラッチ4、後進クラッチ5及びブレーキ34にそれぞれ供給される。
【0026】
荷役用油圧ポンプ11は、エンジン1により駆動され、この油圧ポンプ11からの吐出圧油は、操作弁12を介してリフトシリンダ13に供給され、リフトシリンダ13の伸縮によりフォーク14が昇降駆動されるように構成されている。
【0027】
操作弁12を切換操作する作業機レバー15にはその操作量を検出する作業機レバーセンサ16が設けられ、アクセルペダル17にはその操作量を検出するアクセルペダルセンサ18が設けられ、走行レバー19にはレバー操作位置が前進、中立及び後進のいずれであるかを検出する前後進検出スイッチ20が設けられ、ブレーキペダル31にはその操作量を検出するブレーキペダルセンサ32が設けられている。なお、作業機レバーセンサ16は、作業機レバー15の操作の有無を検出する機能を兼備しており、その出力が所定値を超えた場合がレバー操作信号である。
【0028】
エンジン1には、燃料噴射量を調整するガバナ21を制御してエンジン回転を増減するガバナアクチュエータ22が設けられている。エンジン1の出力軸23にはエンジン1の回転速度を検出するエンジン回転センサ24が設けられ、変速機3の出力軸27には車両の実車速を検出する車速センサ28が設けられている。
【0029】
コントローラ30は、上記センサ類(作業機レバーセンサ16、アクセルペダルセンサ18、前後進検出スイッチ20、エンジン回転センサ24、車速センサ28、ブレーキペダルセンサ32)からの各検出信号を入力すると共に、これらの検出信号及びコントローラ30内に記憶されたデータに基づいて、詳細は後述するようにして、前進、中立、後進及び単独荷役、単独走行、荷役兼走行を判断し、前進用比例電磁弁9、後進用比例電磁弁10、ブレーキ用比例電磁弁33及びガバナアクチュエータ22のそれぞれに指令電流を出力している。
【0030】
コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号により、走行レバー19の操作位置が前進、中立及び後進のいずれであるかを判断する。
【0031】
また、コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号が中立であり、かつ作業機レバーセンサ16からのレバー操作信号を入力した場合には、単独荷役と判断する。単独荷役の場合には、コントローラ30は、作業機レバーセンサ16からの作業機レバー操作量信号を入力し、コントローラ30に記憶された図2に示すような作業機レバー操作量とエンジン回転数との関係より、作業機レバー15の操作量に応じたエンジン回転数となるようにガバナアクチュエータ22に指令電流を出力してエンジン回転を制御する。
これにより、作業機レバー15の操作量に応じて油圧ポンプ11の吐出油量が制御されリフトシリンダ13に供給され、フォーク14は作業機操作レバー15の操作量に応じた昇降速度で駆動される。
【0032】
なお、走行レバー19が中立の場合、アクセルペダル17の操作によりエンジン回転数を増減可能であるので、単独荷役において、作業機レバー15とアクセルペダル17とを併用して荷役作業を行うことも可能である。この場合、コントローラ30には、図3に示すようなアクセルペダル操作量θに対するエンジン回転数の関係が記憶されており、コントローラ30は、作業機レバー15によるエンジン回転数及びアクセルペダル17によるエンジン回転数のいずれか大きな方に従ってエンジン1を制御する。
【0033】
図4に走行制御の概略制御ブロック図を示す。アクセルアクセルペダルセンサ18が検出するアクセルペダル操作量θは、コントローラ30の目標車速設定部30aに入力される。目標車速設定部30aには、図5に示すようなアクセルペダル操作量θと目標車速Sとの関係が記憶されている。すなわち、アクセルペダル操作量θがゼロからθnまでのニュートラル領域において目標車速Sはゼロであり、アクセルペダル操作量θがθn以降は操作量に応じて目標車速Sが漸増する特性である。
目標車速設定部30aにて設定された目標車速Sは、車体ハンチングが検出された場合に作動する抑制部40を介して出力指令演算部30bに入力される。出力指令演算部30bは、車速センサ28が検出する実車速が目標車速Sとなるように、クラッチ指令値Sc、ブレーキ指令値Sb及びガバナ指令値Sgを算出し、クラッチ駆動回路30cc、ブレーキ駆動回路30cb及びガバナ駆動回路30cgにそれぞれ出力して、前進クラッチ4及び後進クラッチ5の少なくともいずれかのクラッチ係合状態、ブレーキ34の制動力またはエンジン回転を、以下に述べるように制御する。
【0034】
まず、車体ハンチングを検出する抑制部40の振動検出手段41が、車体ハンチングを検出していない場合の走行制御について説明する。
【0035】
コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号が前進または後進であり、かつ作業機レバーセンサ16からのレバー操作信号を入力した場合には、荷役兼走行と判断する。荷役兼走行の場合には、コントローラ30は、作業機レバーセンサ16からの作業機レバー操作量信号を入力し、コントローラ30に記憶された図2に示すような作業機レバー操作量とエンジン回転数との関係より、作業機レバー15の操作量に応じたエンジン回転数となるようにガバナアクチュエータ22に指令電流を出力してエンジン回転数を制御する。これにより、単独荷役の場合と同様に、フォーク14の昇降速度を作業機操作レバー15に応じた速度で駆動できる。
【0036】
同時にコントローラ30は、目標車速設定部30aにて図5に示すアクセルペダル操作量θと目標車速Sとの関係よりアクセルペダル17の操作量θに応じた目標車速Sを設定する。そして、この設定した目標車速Sと車速センサ28が検出する実車速との偏差に基づいて、出力指令演算部30bにて前進用比例電磁弁9及び後進用比例電磁弁10のうち、前後進検出スイッチ20の出力信号に対応する側(以降、進行方向側と呼ぶ)の比例電磁弁へのクラッチ指令値Scを算出し、クラッチ駆動回路30ccにて出力電流Icに変換して出力する。これにより、進行方向側のクラッチの係合状態が制御されて、エンジン1の駆動力の駆動輪6への伝達量が調整され、実車速が目標車速Sに近づくような走行制御が行なわれる。
ここで、作業機レバー15の操作量が小さく、進行方向のクラッチを全係合させても目標車速Sに達しない場合には、出力指令演算部30bにてエンジン回転数を上げるガバナ指令値Sgを算出しガバナ駆動回路30cgに出力することにより実車速が目標車速Sに近づくように制御が行なわれる。
【0037】
コントローラ30は、前後進検出スイッチ20の出力信号が前進または後進であり、かつ作業機レバーセンサ16からのレバー操作信号が入力されない場合には、単独走行と判断する。単独走行の場合、アクセルペダル17による目標車速が、エンジンのアイドル回転に応じたクリープ速度以上か否かにより制御が異なる。
【0038】
単独走行で目標車速Sがクリープ速度以上の場合には、コントローラ30は、前進クラッチ4及び後進クラッチ5のうち、進行方向側のクラッチが全係合となるような指令電流を進行方向側の比例電磁弁に出力すると共に、車速センサ28が検出する実車速がアクセルペダル17の操作量θに応じた目標車速Sとなるように、出力指令演算部30bにてガバナ指令値Sgを算出しガバナ駆動回路30cgにて出力電流Igに変換してガバナアクチュエータ22に出力してエンジン回転数を制御して走行する。
【0039】
また、単独走行で目標車速Sがクリープ速度以下の場合には、コントローラ30は、荷役兼走行の場合の走行制御と同様の制御を行う。すなわち、目標車速Sと実車速との偏差に応じた指令電流を、進行方向側の比例電磁弁に出力し進行方向側のクラッチの係合状態を制御しており、これにより、クリープ速度以下という微速の目標車速Sに近づくような走行制御が行われる。
【0040】
前進用比例電磁弁9及び後進用比例電磁弁10には、常に最低基準電流が加えられている。この最低基準電流は、クラッチが係合し始める直前程度の電流値が設定されている。これにより、前進クラッチ4及び後進クラッチ5が係合し始めるまでの遊び時間を短縮して、係合作動の応答性を向上させている。
【0041】
ブレーキペダルセンサ32が検出する信号が所定値を超えた場合や、アクセルペダル17の操作量に応じた目標車速Sに対して車速センサ28が検出する実車速が所定以上速い場合、コントローラ30は、制動が必要と判断し、出力指令演算部30bにてブレーキ指令値Sbを算出しブレーキ駆動回路30cbにて出力電流Ibに変換してブレーキ用比例電磁弁33に出力する。これにより、車両はブレーキ34による制動力を得て減速する。
【0042】
次に、車体ハンチングが検出される場合の走行制御について、図6〜9を用いて説明する。なお、以下の説明において、抑制部40に入力される目標車速をペダル目標車速Sr、抑制部40から出力される目標車速を修正目標車速Sdと呼ぶ。
図4に示すように、コントローラ30の抑制部40は、振動検出手段41、抑制手段42及び解除手段43を備えており、そのフローチャートを図6に示す。また、アクセルペダル操作量θ、アクセルペダル操作量θに対応して目標車速設定部30aにて設定されたペダル目標車速Sr及び抑制部40にて修正された修正目標車速Sdの時間的変化を図7に示す。
【0043】
(1)車体ハンチング検出
振動検出手段41は、まずステップS1において、|dθ/dt|が所定値α0以上か否か、すなわち、アクセルペダル17の操作速度が所定値α0を超える急操作となったか否かを検出している。急操作が検出された場合には、ステップS2において、急操作開始点の時刻t及びアクセルペダル操作量θを(t,θ)=(0,θ0)として記憶し、アクセルペダル操作量θのピークP0(tp,θp)を検出すると共に、アクセルペダル操作量θが初期値θ0とピーク値θpとの間に閾値θs(例えば、初期値θ0からピーク値θpまでの7割の値)を設定する。なお、ピーク時刻tpが例えば10msec等のように短い場合や、|θ0−θp|が小さい場合にはノイズとしてそのピークは無視する。
【0044】
次に、ステップS3において、カウンタnを「0」にセットし、ステップS4において、時刻tが所定時間taを経過したか否かを検出する。所定時間taを経過していなければ、ステップS5において、アクセルペダル操作量θが閾値θsを横切ったか否かを検出する。横切った場合にはステップS6においてカウンタnを「1」進めて、ステップS7において、カウンタnが「4」になったか否かを検出する。ステップS5、ステップS7において「NO」の場合にはステップS4に戻る。ステップS5では、図7の点P1,P2,…を検出し、点P4が検出された場合にステップS7が「YES」となり、車体ハンチングが発生したと判断する。なお、車体ハンチングの周波数は概略1Hz〜5Hz程度であるので、点P1〜P4を検出する待ち時間となる所定時間taは、例えば3秒程度の値が設定される。
【0045】
なお、ステップS1において「NO」の場合、ステップS4において「NO」の場合には、車体ハンチングが発生しておらず、オペレータの意思によるペダル操作が行なわれていると判断され、ステップS8において、修正目標車速Sdはペダル目標車速Srと等しい値とする。
【0046】
(2)ハンチング抑制
抑制手段42は、車体ハンチングの発生が検出された時点からの修正目標車速Sdを車体ハンチングの発生が検出された時点での修正目標車速Sdに基づいて新しく設定する。すなわち、ステップS9において、車体ハンチングの発生が検出された制御開始時刻Tsにおける修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smとして記憶し、制御開始時刻Tsから所定の制御持続設定時間DTの間、修正目標車速Sdは修正目標車速記憶値Smと等しい値に固定する。
【0047】
(3)抑制解除
解除手段43は、制御中又は所定の制御持続設定時間DTが経過した後の制御解除方法を設定する。
アクセルペダル操作量θがゼロの場合を操作量ゼロ%とし、アクセルペダル操作量θの最大値を100%とした場合、例えばニュートラル領域である5%を最小閾値θnと設定し、95%を最大閾値θfと設定する。また、制御開始時刻Tsにおける開始時アクセルペダル操作量θsを中心として、制御開始時刻Tsからアクセルペダル操作量θの大小を判定する閾値の大きさが変更する時刻の広狭閾値変更時刻Twsまでは、開始時アクセルペダル操作量θsからの幅が広い広閾値dθwを設定し、その後、抑制制御開始時刻Tsから所定の制御持続設定時間DTが経過した抑制制御終了時刻Teまでは、開始時アクセルペダル操作量θsからの幅が狭い狭閾値dθsを設定する。
【0048】
まずステップS10において、時刻tが抑制制御終了時刻Teの前か否かを判断し、前であれば、ステップS11にすすみ、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnと最大閾値θfとの間であるか否かを判定する。間であれば、開始時アクセルペダル操作量θsを基点としたアクセルペダル追加操作量絶対値dθが、広閾値dθwよりも大きいか否か(ステップS12)、狭閾値dθsよりも大きいか否か(ステップS13)を検出する。
【0049】
ステップS12において「NO」であり、ステップS13において「NO」である場合、すなわち、追加操作量絶対値dθが広閾値dθw又は狭閾値dθsよりも小さいときには、オペレータのアクセルペダル操作は微小で、割り込み操作はないと判断し、ステップS14において修正目標車速Sdは修正目標車速記憶値Smを保つ。
【0050】
ステップS12又はステップS13において「YES」である場合、すなわち、追加操作量絶対値dθが広閾値dθw又は狭閾値dθsよりも大きいときには、オペレータが小さくアクセルペダル17を操作した割り込み操作があると判断する。
アクセルペダル追加操作量絶対値dθが狭閾値dθsを越えその後、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnと最大閾値θfとの間であるときのアクセルペダル操作量θ、ペダル目標車速Sr及び修正目標車速Sdの時間的変化を図7の割り込み時刻T0以降で示している。この場合にはステップS15において、修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smからペダル目標車速Srに一致させる方向に、割り込み点Z1のペダル目標車速勾配mrで近づける。一致後の修正目標車速Sdはペダル目標車速Srをとる。
【0051】
次に、ステップS11において「NO」である場合、すなわち、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnよりも小さいとき又は最大閾値θfよりも大きいときには、オペレータが大きくアクセルペダル17を操作した割り込み操作があると判断する。
アクセルペダル追加操作量絶対値dθが広閾値dθwを越えその後、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnをも越えたときのアクセルペダル操作量θ、ペダル目標車速Sr及び修正目標車速Sdの時間的変化を図8の割り込み時刻T1以降で示している。この場合には、アクセルペダル操作量θが最小閾値θnに至るまでは、まず前述のステップS16に従い、広閾値dθwを越えた割り込み点Z2のペダル目標車速勾配mrで修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smからペダル目標車速Srに一致させる方向に近づける。そして割り込み点Z3で最小閾値θnをも越えた後(ステップS11において「NO」)は、ステップS16において、修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに一致させる方向に、所定の大割り込み勾配Mwで近づける。この勾配Mwは、オペレータの急なペダル操作速度に対応する大きな勾配である。一致後の修正目標車速Sdはペダル目標車速Srをとる。
【0052】
次に、ステップS10において「NO」である場合、すなわち、時刻tが抑制制御終了時刻Teの以降であれば、ステップS17において図9に示すように、修正目標車速Sdを修正目標車速記憶値Smからペダル目標車速Srに一致させる方向に、所定の終了時刻後勾配Meで近づける。この勾配Meは、オペレータの通常のペダル操作速度に対応する中程度の勾配である。一致後の修正目標車速Sdはペダル目標車速Srをとる。
【0053】
コントローラ30は、上記フローにより抑制部40にて算出された修正目標車速Sdを用いて、車体ハンチングの発生を検出していない場合の走行制御と同様に、出力指令演算部30bにて、車速センサ28が検出する実車速がこの修正目標車速Sdとなるように、クラッチ指令値Sc、ブレーキ指令値Sb及びガバナ指令値Sgを算出し、クラッチ4、5の係合状態、ブレーキ34の制動力またはエンジン回転を制御する。
【0054】
本実施形態によると、走行中に路面の凹凸等の外乱に起因しオペレータの意図しないアクセルペダル操作により車体ハンチングが発生した場合、アクセルペダルセンサ18が検出するアクセルペダル操作量θの変化を様子から車体ハンチングが発生したことを検出する。車体ハンチングの発生が検出されると、車体ハンチングを抑制するべく修正目標車速Sdを一定値に固定する。このため、車体ハンチングによりオペレータが意図しないアクセルペダル操作を行なっても、このアクセルペダル操作に影響されることなく修正目標車速Sdの変化を抑えているので、この修正目標車速Sdに実車速が近づくように走行制御が行なわれることにより、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0055】
この修正目標車速Sdを一定値に固定する抑制制御は、所定の制御持続設定時間DTが経過すると解除され、解除時点の修正目標車速Sdを初期値としてペダル目標車速Srに近づけるように連続的かつ滑らかな修正目標車速Sdを演算し、ペダル目標車速Srに一致後はペダル目標車速Srを修正目標車速Sdとして出力する。このため、所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0056】
車体ハンチング発生と判断した直後から所定の時間が経過するまではアクセルペダル操作量θの振れ幅は大きいので幅の広い閾値dLwを設定し、アクセルペダル操作量θがこの閾値dLwを越えたらオペレータによる割り込み操作が合ったと判断する。車体ハンチング発生と判断してから広狭閾値変更時刻Tws以降はアクセルペダル操作量θの振れ幅が小さくなってくるので幅の狭い閾値dLsに変更して同様の割り込み操作の有無を判断する。割り込み操作がなされたと判断された場合には抑制制御を解除して、解除時点の修正目標車速Sdを初期値として、オペレータのペダル操作速度に対応するペダル目標車速勾配mrでペダル目標車速Srに近づく修正目標車速Sdを演算し出力する。
【0057】
また、アクセルペダル操作量θがゼロ又は最大に近い値まで操作されて最小閾値θn又は最大閾値θfを越える場合には、オペレータが緊急のためアクセルペダル17を大きく割り込み操作したと判断し、所定の勾配Mwで修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけ、一致後はペダル目標車速Srを修正目標車速Sdとして出力する。
【0058】
次に、図10,11を用いて第2実施形態を説明する。
なお、第1実施形態と同一の構成要素については同じ符号を付す。
【0059】
図10に示すように、バッテリ駆動式の産業車両は、モータ60の駆動力をモータ出力軸61を介して駆動輪6に伝達して走行する。モータ60を制御するコントローラ50には、アクセルペダル17の操作量を検出するアクセルペダルセンサ18、走行レバー19の操作位置を検出する前後進検出スイッチ20及びモータ出力軸61の回転数から実車速を検出する車速センサ28が接続されている。
【0060】
図11に走行制御の概略制御ブロック図を示す。アクセルアクセルペダルセンサ18が検出するアクセルペダル操作量θは、前述の図5の特性を記憶したコントローラ50の目標車速設定部50aに入力される。車体ハンチングが検出されない場合には、目標車速設定部50aにて設定された目標車速Sは、そのまま出力指令演算部50bに入力される。出力指令演算部50bは、車速センサ28が検出する実車速が目標車速Sとなるように、モータ電流指令値SMを算出しモータ駆動回路50cに出力する。モータ駆動回路50cは、図示しないバッテリからの電力をモータ電流指令値SMに基づいて制御してモータ60に供給する。また、制動が必要と判断される場合には、モータ60は、出力指令演算部50bからの指令に基づくモータ駆動回路50cに制御され、電気制動手段として作用する。
【0061】
車体ハンチングが検出された場合には、抑制部40は、目標車速設定部50aにて設定されたペダル目標車速Srを修正目標車速Sdに修正して出力指令演算部50bに出力する。そして、出力指令演算部50bは、実車速が修正目標車速Sdなるように、モータ指令値SMを算出しモータ駆動回路50cに出力することによりモータ60を制御する。抑制部40(振動検出手段41、抑制手段42、解除手段43)による車体ハンチング検出、ハンチング抑制及び抑制解除の方法は、第1実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0062】
これらにより、抑制制御が続く所定時間の間においても所定の閾値を越えるペダル操作(割り込み操作)が行われた場合には、オペレータの意思が走行制御に反映されるので、操作感覚に違和感の生じない操作性のよい走行制御装置が得られる。
【0063】
次に、以上説明した本実施形態の振動検出手段41、抑制手段42及び解除手段43の別態様について説明する。
【0064】
(振動検出手段41の別態様)
振動検出手段41の別態様として、アクセルペダル操作量θの周波数計測による車体ハンチング検出方法を以下に説明する。
図12に示すように、任意のアクセルペダル操作量θ0を中心にして振動しているアクセルペダル操作量θが所定の周波数計測用閾値θrよりも大きいときに、アクセルペダル操作量θの1番目ピーク時刻t1、2番目ピーク時刻t2、3番目ピーク時刻t3等を計測し、1番目と2番目のピーク間の時間T12、2番目と3番目のピーク間の時間T23等を計算する。これらピーク間隔の時間T12、T23等より時間T12、T23等の逆数を平均化することにより振動するアクセルペダル操作周波数Fqを求め、このアクセルペダル操作周波数Fqと予め計測しておいた代表的車体ハンチング周波数Fmとの差の絶対値が所定の周波数閾値Dfよりも小さければ、車体ハンチングが発生していると判断する。
【0065】
また、代表的車体ハンチング周波数Fmを偶数で割った周波数も、車体ハンチングとして現れることがある。このため、図13に示すように、ステップS21においてアクセルペダル操作周波数Fqと代表的車体ハンチング周波数Fmとの差の絶対値を比較した後、ステップS22及びステップS23において、アクセルペダル操作周波数Fqと代表的車体ハンチング周波数Fmの二分の一との差の絶対値及び四分の一との差の絶対値を比較し、それぞれの差が所定の周波数閾値Dfよりも小さければ、ステップS24において車体ハンチングが発生していると判断し、大きければ、ステップS25において車体ハンチングが発生してないと判断する。
【0066】
また、アクセルペダル操作量θが所定の周波数計測用閾値θrよりも大きいときに、アクセルペダル操作量θの第1ボトムB1と第2ボトムB2の間の時間等により周波数Fqを求めてもよいし、アクセルペダル操作量θが操作量θ0を正の傾きで交叉する第1交叉点C1と第2交叉点C2との間の時間、第2交叉点C2と第3交叉点C3との間の時間等により周波数Fqを求めてもよい(図12参照)。なお、アクセルペダル操作量θの振幅が所定の設定値よりも大きいときに周波数Fqを求めてもよい。
【0067】
(抑制手段42の第1別態様)
抑制手段42の第1別態様として、ローパスフィルタにより修正目標車速Sdを滑らかにする方法を以下に説明する。
一定値(修正目標車速記憶値Sm)に固定する抑制手段42の代わりに、車体ハンチング発生時にオンとなるローパスフィルタを用いる。これにより、ペダル目標車速Srの変動を抑えて滑らかな修正目標車速Sdを得ることができ、車速の変動が抑制され車体ハンチングを迅速に抑制できる。
【0068】
(抑制手段42の第2別態様)
抑制手段42の第2別態様として、修正目標車速Sdを微小勾配でペダル目標車速Srに近づける方法を図14により説明する。
ペダル目標車速Srを点線で、修正目標車速Sdを実線で示す。抑制制御開始時刻Ts以前は通常操作であるため、ペダル目標車速Srが修正目標車速Sdとして出力されている。抑制制御開始時刻Tsの抑制制御開始点Ysにおいてペダル目標車速Srが減少方向であれば、微小勾配絶対値Msを負に設定して修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけるように変化させる。修正目標車速Sdとペダル目標車速Srとの第1交点Y1においてペダル目標車速Srが増加方向であれば、微小勾配絶対値Msを正に設定して修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけるように変化させる。その後、この動作を繰り返して修正目標車速Sdがペダル目標車速Srに少しずつ近づいてゆく。
【0069】
(抑制手段42の第3別態様)
抑制手段42の第3別態様として、修正目標車速Sdがペダル目標車速Srとは異なる値を目標値として近づく方法を図15により説明する。
ペダル目標車速Srを点線で、修正目標車速Sdを実線で、車体ハンチング発生の判断時点Ts以前のペダル目標車速Srに基づく目標値Sraを二点鎖線で示す。車体ハンチング発生を判断した時刻Tsの直前の上側ピーク値Sr1及び下側ピーク値Sr2の平均値を修正目標車速Sdを近づける目標値Sraとして設定する。修正目標車速Sdとして、ローパスフィルタにより滑らかに近づける場合の曲線Cf又は微小勾配により徐々に近づける場合の曲線Ckのどちらでもよい。この方法によると、目標値Sraが、オペレータが一定に保とうとするアクセルペダル操作量θに対応するペダル目標車速Srに近い位置に設定されるので、抑制制御しているにも拘らずオペレータが自分で操作しているという操作感覚が得られる。
【0070】
(解除手段43の第1別態様)
抑制制御終了時刻Te以降の解除手段43の第1別態様として、図16に示すように、抑制制御終了時刻Teのときの修正目標車速記憶値Smを初期値としペダル目標車速Srを目標値としてローパスフィルタを介して滑らかにフィルタリングした値を修正目標車速Sdとして使用する。これにより、ショックなくペダル目標車速Srに移行できる。
なお、ペダル目標車速Srの指令値の最大値を100%としたとき、ペダル目標車速Srの指令値が例えば5%という小さな値又は、例えば95%という大きな値のときには、オペレータのペダル操作が緊急であるため、ローパスフィルタの特性をより高速化して、短い時間で修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけてもよい。
【0071】
(解除手段43の第2別態様)
抑制制御終了時刻Te以降の解除手段43の第2別態様として、図17に示すように、ペダル目標車速Srが一定のときは、微小接近勾配Mbで修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけ、ペダル目標車速Srが変化しているときは、このときのペダル目標車速勾配mrで修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づける。これにより、ショックなくペダル目標車速Srに移行できる。
なお、この場合も、ペダル目標車速Srの指令値が例えば5%という小さな値又は、例えば95%という大きな値のときには、オペレータのペダル操作が緊急であるため、接近勾配の大きさをより大きくして、短い時間で修正目標車速Sdをペダル目標車速Srに近づけてもよい。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、本発明の範囲内において変更や修正を加えることができるのは言うまでもない。
例えば、上記実施形態においては、車体ハンチングの発生を検出するのに、アクセルペダルセンサ18からのアクセルペダル操作量θの変動信号を用いたが、目標車速信号により検出してもよいし、車速センサ28からの実車速の変動から車体ハンチングを検出してもよい。さらに、車体の前後方向の加速度を計測する加速度計を設けて、車速変動の発生具合により車体ハンチングの発生を判断しても構わない。
【0073】
また、点P4が検出された場合に車体ハンチングが発生したと判断している(ステップS7で「YES」)が、例えば、点P2の検出時点で車体ハンチングと判断しても構わない。これによると、迅速に抑制制御を開始することができる。なお、この場合、オペレータが意図したペダル操作により点P2が検出されて抑制制御が開始されてしまうこともあるが、短時間ペダル操作の応答がなくなるものの、所定閾値を越える割り込み操作を行なうことにより抑制制御は容易に解除できるので、違和感が生じることはほとんどない。
【0074】
「一定値に固定」、「フィルタリング」又は「微小勾配で接近」等の信号処理により車体ハンチングを抑制する信号を演算する抑制部40を、目標車速設定部30aと出力指令演算部30bとの間に設ける例で説明したが、目標車速設定部30aの前に設けてアクセルペダル操作量信号そのものを信号処理してもよいし、図18に示すように、出力指令演算部30bの後に抑制部40を設けてクラッチ指令値Scr、ブレーキ指令値Sbr及びガバナ指令値Sgrに対して抑制処理を行なっても構わない。出力指令演算部30bは、作業機レバーセンサ16からの指令信号を含む複数の信号に基づくメインの演算を行なっている。このため、抑制部40を出力指令演算部30bの上流に設けた場合には、作業機操作等の通常の機能を保持したまま車体ハンチングを抑制する走行制御装置が得られる。一方、抑制部40を出力指令演算部30bの下流に設けた場合には、全ての演算を終えた信号を抑制制御しているので、車体ハンチングの抑制を最優勢とする走行制御装置が得られる。
【0075】
制御持続設定時間DT内において割り込み操作を検出する閾値が、広狭閾値変更時刻Tws前後で異なる(広閾値dθw、狭閾値dθs)例にて説明したが、一定値(例えばdθw)であってもよい。また、図19に示すように、制御開始時刻Tsにおける開始時アクセルペダル操作量θsを中心として閾値の幅が時間経過と共に漸減する特性(線形でもよいし非線形でもよい)の閾値Kθを用いても構わない。
【0076】
本実施形態では、抑制制御は抑制制御開始時刻Tsから制御持続設定時間DTだけ続行するとしているが、オペレータの割り込み操作により抑制制御が解除され通常操作に戻る場合が多いので、抑制制御は完了させない、即ちDTを無限大に設定しておいても差し支えない。
【0077】
バッテリ駆動式の産業車両としては、第2実施形態で説明したように、アクセルペダルセンサ18が速度指令器として機能し速度制御を行なう形式の車両の他に、図20で示すように、アクセルペダルセンサ18が走行モータ電流指令器として機能しモータ電流制御を行なう形式の車両があり、この形式の車両に本発明を適用してもよい。即ち、ペダル指令値設定部70aはアクセルペダル操作量θに応じたペダル指令値Sを設定し、出力指令演算部70bはペダル指令値Sに基づいたモータ電流指令値SMを算出しモータ駆動回路70cに出力する。この場合も、モータ60は必要に応じて電気制動手段として作用する。抑制部40は、同図に示すように出力指令演算部70bの前に設けてもよいし、図18と同様に出力指令演算部70bの後に設けても構わない。
【0078】
なお、バッテリ駆動式車両においては、制御によるハンチング(制御ハンチング)が発生し、これがトリガになって車体が揺れ、車体ハンチングが発生することがある。この制御ハンチングは電流波形に現れるので、この電流波形の変動から制御ハンチングを検出して抑制制御を開始するようにしても構わない。この場合、制御ハンチングの周波数は例えば100Hz程度であるので、第1実施例のステップS2において、ノイズとしてキャンセルしていた周波数領域をキャンセルしなければよい。
【0079】
また、産業車両としてフォークリフトを例に挙げて説明したが、ショベルローダ等に本発明を適用しても構わない。
制動手段として、駆動輪6に装着した多板式のブレーキ34を用いる例にて説明したが、ドラム式のブレーキを用いても構わないし、進行方向とは逆方向のクラッチの係合を制御して逆方向の駆動力により制動力を得るように構成してもよい。
【0080】
各センサ16,18,32は、ポテンショメータを用いてもエンコーダを用いてもよく、検出形態に応じて直動型または回転型から適宜選択すればよい。
コントローラ30からの出力はPWM信号でも電流信号でもよい。
エンジン回転は、コントローラ30からの指令によりガバナアクチュエータ22がガバナ21を制御する例にて説明したが、リンケージ又はプッシュプルワイヤにより、作業機レバー15やアクセルペダル17とガバナ21とを連結する構成でも構わない。また、エンジン制御は、コントローラを搭載した電子制御エンジンを使用し、コントローラ30からのエンジン回転指令にて動作するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る走行制御装置のブロック図である。
【図2】第1実施形態での作業機レバー操作量とエンジン回転数との関係を示す図である。
【図3】第1実施形態でのアクセルペダル操作量とエンジン回転数との関係を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る概略の制御ブロック図である。
【図5】第1実施形態でのアクセルペダル操作量と目標車速との関係を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る抑制部のフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る抑制部の作動を説明する図である。
【図8】第1実施形態に係る抑制部の作動を説明する図である。
【図9】抑制制御終了後の作動を説明する図である。
【図10】第2実施形態に係る走行制御装置のブロック図である。
【図11】第2実施形態に係る概略の制御ブロック図である。
【図12】別態様の周波数計測による車体ハンチング検出の説明図である。
【図13】別態様の周波数計測による車体ハンチング検出のフローチャートである。
【図14】別態様の微小勾配での接近方法の説明図である。
【図15】別態様の抑制制御開始時とは異なる値への接近方法の説明図である。
【図16】別態様の抑制制御終了後の作動を説明する図である。
【図17】別態様の抑制制御終了後の作動を説明する図である。
【図18】別態様の概略の制御ブロック図である。
【図19】別態様の割り込み操作を検出する閾値を説明する図である。
【図20】別態様の概略の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…トルクコンバータ、3…変速機、4…前進クラッチ、5…後進クラッチ、6…駆動輪、7,11…油圧ポンプ、8…リリーフ弁、9…前進用比例電磁弁、10…後進用比例電磁弁、12…操作弁、15…作業機レバー、16…作業機レバーセンサ、17…アクセルペダル、18…アクセルペダルセンサ、19…走行レバー、20…前後進検出スイッチ、22…ガバナアクチュエータ、24…エンジン回転センサ、26…入力側回転センサ、28…車速センサ、30…コントローラ、30a…目標車速設定部、30b…出力指令演算部、31…ブレーキペダル、32…ブレーキペダルセンサ、33…ブレーキ用比例電磁弁、34…ブレーキ、40…抑制部、41…振動検出手段、42…抑制手段、43…解除手段、DT…制御持続設定手段、dθs…狭閾値、dθw…広閾値、S…目標車速、Sd…ペダル目標車速、Sm…修正目標車速記憶値、Sr…修正目標車速、θ…アクセルペダル操作量。
Claims (14)
- 駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、
制動力を発生する制動手段と、
アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、
前記指令値設定手段が設定する指令値に基づいて前記車両駆動手段及び前記制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、
車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、
前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、前記指令値設定手段が設定する指令値を車体ハンチングを抑制する修正指令値に修正して前記出力指令演算手段に出力する抑制手段と
を備えたことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項1記載の産業車両の走行制御装置において、
実車速を検出する車速検出手段をさらに備え、
前記指令値設定手段が設定する指令値は、アクセルペダル操作量に応じた目標車速であり、
前記出力指令演算手段は、前記車速検出手段が検出する実車速が目標車速となるような出力指令値を算出する
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項1又は2記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段が出力する修正指令値は一定値である
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項1又は2記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段が出力する修正指令値は、前記指令値設定手段が設定する指令値をローパスフィルタによりフィルタリングして求めた値である
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項1又は2記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段が出力する修正指令値は、指令値と修正指令値とが交叉したときに、指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配で指令値に近づけ、指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配で指令値に近づけた値である
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項1又は2記載の産業車両の走行制御装置において、
前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、アクセルペダル操作量が所定の閾値を越えたときには、修正指令値を滑らかに指令値に近づけるように演算して前記出力指令演算手段に出力する解除手段を備えた
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項1又は2記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段による抑制制御が所定時間経過した後、修正指令値を滑らかに指令値に近づけるように演算して前記出力指令演算手段に出力する解除手段を備えた
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 駆動輪に駆動力を伝える車両駆動手段と、
制動力を発生する制動手段と、
アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
アクセルペダル操作量に応じた指令値を設定する指令値設定手段と、
前記指令値設定手段が設定する指令値に基づいて前記車両駆動手段及び前記制動手段の少なくともいずれかへの出力指令値を算出する出力指令演算手段とを備えた産業車両の走行制御装置において、
車体ハンチングの発生を検出する振動検出手段と、
前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、前記出力指令演算手段が算出する出力指令値を車体ハンチングを抑制する修正出力指令値に修正して出力する抑制手段と
を備えたことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項8記載の産業車両の走行制御装置において、
実車速を検出する車速検出手段をさらに備え、
前記指令値設定手段が設定する指令値は、アクセルペダル操作量に応じた目標車速であり、
前記出力指令演算手段は、前記車速検出手段が検出する実車速が目標車速となるような出力指令値を算出する
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項8又は9記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段が出力する修正出力指令値は一定値である
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項8又は9記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段が出力する修正出力指令値は、前記出力指令演算手段が算出する出力指令値をローパスフィルタによりフィルタリングして求めた値である
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項8又は9記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段が出力する修正出力指令値は、出力指令値と修正出力指令値とが交叉したときに、出力指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配で出力指令値に近づけ、出力指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配で出力指令値に近づけた値である
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項8又は9記載の産業車両の走行制御装置において、
前記振動検出手段が車体ハンチングの発生を検出した後、アクセルペダル操作量が所定の閾値を越えたときには、修正出力指令値を滑らかに出力指令値に近づけるように演算して出力する解除手段を備えた
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。 - 請求項8又は9記載の産業車両の走行制御装置において、
前記抑制手段による抑制制御が所定時間経過した後、修正出力指令値を滑らかに出力指令値に近づけるように演算して出力する解除手段を備えた
ことを特徴とする産業車両の走行制御装置。
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2002
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