JP2004034054A - 耐高温酸化性に優れたろう接用銅合金粉末の製造方法 - Google Patents

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射場 俊彰
Masatoshi Yamamoto
山本 正敏
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Abstract

【課題】ろう接用銅合金材をアトマイズ後熱処理を施すことにより、高温相を安定相に変えることで耐高温酸化性に優れたろう接用銅合金粉末を製造する方法を提供する。
【解決手段】耐高温酸化性が要求されるろう接用銅合金粉末の製造において、アトマイズ後に熱処理を施すことを特徴とする耐高温酸化性に優れたろう接用銅合金粉末の製造方法。また、上記熱処理が350〜500℃の温度で施すことを特徴とする耐高温に優れたろう接用銅合金粉末の製造方法。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐高温に優れたろう接用銅合金粉末を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、銅合金ろうは、銅、銅合金のろう接のみならず、鉄鋼材料に対してもぬれが良く、継ぎ手強度も高く安価なため、自動車部品をはじめとする様々な部品のろう接に広く用いられる。例えば、銅/黄銅ラジェーターのろう接には、CuSnP系合金(例、質量%でSn:15%、P:5%、Ni:4%を含むCu基合金)、CuSn系、CuP系合金が用いられている。この合金は、無毒性、低融点合金である。また、自己フラックス性であるため、使用の際にフラックス塗布の必要はない。さらに、Pbなどの有害物質が含まれておらず、ろう付け後の洗浄も不要であるなど、コスト面、環境面において他の合金より優れているため、銅/黄銅ラジェーターの製造に広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した合金は常温で非常に酸化され易く、ろう材として使用する際、水素雰囲気中で還元処理をしないと使用できないという問題があった。また、環境に対する耐酸化性、特に高温での耐酸化性が劣っているため、例えば航路で輸送する際、赤道直下を通過するとコンテナ内が高温となり、粉末が著しく酸化され、ユーザー到着時には使用できない場合が生じる。また、保管に関しても保管場所を常に恒温にコントロールする必要が生じる場合など、保管環境に十分配慮しなければならない場合が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述したような問題を解消するべく、発明者らは鋭意開発を進めた結果、ろう接用銅合金材をアトマイズ後熱処理を施すことにより、高温相を安定相に変えることで耐高温酸化性に優れたろう接用銅合金粉末を製造する方法を提供するものである。その発明の要旨とするところは、
(1)耐高温酸化性が要求されるろう接用銅合金粉末の製造において、アトマイズ後に熱処理を施すことを特徴とする耐高温酸化性に優れたろう接用銅合金粉末の製造方法。
(2)前記(1)に記載の熱処理において、350〜500℃の温度で、熱処理を施すことを特徴とする耐高温に優れたろう接用銅合金粉末の製造方法にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
金属粉末に熱処理を施すことは一般に行われていることであるが、Cu,Sn,P,Niを含むろう接用Cu基合金粉末を、アトマイズ法により製造した場合、非常に酸化されやすい粉末となる。これはアトマイズ時に、粉末の組織の中に、酸化され易い相(準安定相)が形成されるからである。この酸化に敏感な相を持たない構成相を形成することによって、耐高温酸化性を向上させた粉末を得ることができた。その手段として、例えばアトマイズ法により製造されたろう接用銅合金に熱処理を実施することにある。すなわち、冷却速度の影響により、高温相が形成されているアトマイズ後の金属粉末に、熱処理を行い、高温相を安定相に変え、粉末全体の組織を均質化させる。これにより、水素雰囲気での還元処理を必要としない耐酸化性に優れた粉末を得ることが出来るものである。
【0006】
すなわち、金属材、特に銅および銅合金のろう付けにはCuSn、CuP、CuSnP系などの合金が用いられている。しかし、これらの合金は大気中で酸化し易く、水素雰囲気で還元処理を施さないとろう材として使用できない場合がある。このような金属材をガスアトマイズ法で製造する場合に、アトマイズ後非常に酸化されやすい。これは、製造時の冷却速度の影響により酸素に敏感な高温相が形成されることが原因である。そのことは、次に述べる図1によって明らかである。
【0007】
図1はCuSn系合金の状態図を示す図である。この図に示すように、CuSn系合金の場合、高温部の相関系が複雑しており、このような合金系では、ガスアトマイズによる粉末製造時に、冷却速度によっては、高温相が残存すると考えられる。この合金系の粉末が酸化されやすいのは、残存した高温相の中に酸素に敏感な相が存在するためと推測し、熱処理を行い、これら高温相を安定相に変態させたものである。その粉末にて、暴露試験(大気中)を行ったところ、酸素濃度の増加が見られず、耐高温酸化性に優れたろう接用銅合金粉末を得ることができた。すなわち、本発明においては、アトマイズ後に熱処理を施し、この酸素に敏感な高温相を安定相に変えることによって、水素雰囲気での還元処理を必要としない耐酸化性に優れた粉末を得るものである。
【0008】
本発明における熱処理については、その温度を350〜500℃とする。350℃未満では、安定相への均質が不十分であり、大気中での暴露試験において、酸素濃度の増加が見られ、耐高温酸化性への効果が少ない。また、500℃を超える温度では、焼結が進み、壊砕が必要となり、熱処理後に焼結が著しく解砕するためのコストが高くなるため生産的でない。安定性、焼結性を考慮すると、好ましくは400〜450℃とする。
【0009】
図2は、熱処理前および300℃×10hr粉末のX線解析結果を示す図である。すなわち、Cu−α線を用いたX線スペクトルを測定し、42〜43deg/2θに表れる第1ピークの半値幅と熱処理温度の関係を示したもので、図2(a)は熱処理前粉末のX線解析結果を示す図、図2(b)は300℃×10hr熱処理粉末のX線解析結果を示す図である。図2に示すように、図2(b)は、熱処理を施さない図2(a)に比べ半値幅が減少していることが分かる。
【0010】
図3は、本発明に係る350〜500℃/10hr熱処理後の粉末のX線解析結果を示す図である。図3(a)は350℃/10hr熱処理後の粉末のX線解析結果を示す図、図3(b)は400℃/10hr熱処理後の粉末のX線解析結果を示す図、図3(c)は450℃/10hr熱処理後の粉末のX線解析結果を示す図、図3(d)は500℃/10hr熱処理後の粉末のX線解析結果を示す図である。この図に示すように、熱処理を実施すると、高温相が安定相へと変わり、組織が均質化されたことが判る。
【0011】
熱処理とともに、半値幅が減少し、400℃以上で半値幅がほぼ一定となる。このことは熱処理とともに準安定相から安定相へ変化し、400℃で変化がほぼ完全に終了したものと推定される。換言すれば、熱処理を行うことによって、準安定相が安定相への変化が行われ、それに伴い酸素濃度比が減少し、400℃以上の熱処理で準安定相から安定相への変化がほぼ完全に終了するとともに、酸素濃度比が一定となることを示している。これに対して、アトマイズ後に熱処理を施していない粉末に関しては、高温酸化試験を実施すると酸素濃度が試験前に比べ8〜10倍酸素濃度比が増加した。
【0012】
【実施例】
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示す化学成分の粉末をガスアトマイズ条件として出湯温度:700〜800℃、ノズル径:2〜3mmにより製造し、20μm以下に分級して粒度調整し、その後一部の粉末には熱処理を実施し、高温大気放置の状態で酸素濃度の経時変化を調査した。その結果を表2に示す。なお、熱処理は各温度とも10時間保持した。また、耐高温酸化性試験環境としては、試験▲1▼は150℃−2時間保持、試験▲2▼は、120℃−2時間保持、酸素濃度比は、試験後酸素濃度(ppm)/試験前酸化濃度(ppm)の値を示す。さらに、焼結性については、◎:粉末まま(焼結が全く見られない)、○:多少の焼結は見られるものの解砕は極めて容易、△:焼結が見られるが解砕は可能、×:焼結、解砕は極めて困難、の各評価で表示した。
【0013】
【表1】
Figure 2004034054
【0014】
図4は、供試材Aでの熱処理温度と酸素濃度比との関係を示す図、図5は、供試材Bでの熱処理温度と酸素濃度比との関係を示す図、図6は、供試材Cでの熱処理温度と酸素濃度比との関係を示す図である。この図4〜6に示すように、いずれもガスアトマイズ後の熱処理とともに、酸素濃度比が減少し、350℃以上400℃でほぼ一定となることが分かる。
図7は、供試材Aでの熱処理温度とX線第1ピーク半値幅との関係を示す図である。図2および図3に示した粉末のX線解析結果でのX線第1ピーク半値幅を示すもので、この図から分かるように、ガスアトマイズ後の熱処理とともに、X線第1ピーク半値幅が減少し、350℃以上400℃でほぼ一定となることが分かる。
【0015】
【表2】
Figure 2004034054
【0016】
また、表2に示すように、No.3〜No.6、No.9〜No.12、No.15〜No.18は本発明例であり、No.1〜No.2、No.7〜No.8、No.13〜No.14は比較例である。この表2から明らかなように、本発明と同じ表1に示す成分組成について、比較例No.1〜2、No.7〜8、No.13〜14のいずれも、アトマイズ後での熱処理を施さないもの、ないしは熱処理温度が350℃未満の熱処理の場合には、金属粉末の酸素濃度比からも大きく酸化されていることが分かる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるアトマイズ法により製造されるろう接用銅合金は、酸化に敏感な相と考えられる準安定相があり、この準安定相に熱処理を施すことによって安定相に変えることで、耐高温酸化性を向上させた粉末を得ることが出来る極めて優れた効果を奏すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】CuSn系合金の状態図を示す図である。
【図2】熱処理前および300℃×10hr粉末のX線解析結果を示す図である。
【図3】本発明に係る350〜500℃/10hr熱処理後の粉末のX線解析結果を示す図である。
【図4】供試材Aでの熱処理温度と酸素濃度比との関係を示す図である。
【図5】供試材Bでの熱処理温度と酸素濃度比との関係を示す図である。
【図6】供試材Cでの熱処理温度と酸素濃度比との関係を示す図である。
【図7】供試材Aでの熱処理温度とX線第1ピーク半値幅との関係を示す図である。

Claims (2)

  1. 耐高温酸化性が要求されるろう接用銅合金粉末の製造において、アトマイズ後に熱処理を施すことを特徴とする耐高温酸化性に優れたろう接用銅合金粉末の製造方法。
  2. 請求項1に記載の熱処理において、350〜500℃の温度で、熱処理を施すことを特徴とする耐高温に優れたろう接用銅合金粉末の製造方法。
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