JP2004033966A - 廃棄物処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大規模な高温焼却設備を必要とせずに、ダイオキシン類やコプラナーPCBを発生することなく、可燃廃棄物を無害化処理することの可能な処理技術を提供する。
【解決手段】焼却炉10に、永久磁石5の磁場によって活性化すると共にマイナスイオンを発生させた空気を、対流による自然換気によって供給し、この焼却炉10内に投入した可燃の廃棄物Aを、酸素不足状態かつマイナスイオンを含む気体雰囲気中で焼却する。また、熱分解によって生じたセラミックス状の残灰に、PCB類等の有機化合物を含む廃棄物を混合して熱分解させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン等の有害物を発生させずに廃棄物を熱分解により灰化処理するための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニール)類などによる大気や土壌、水質の汚染が問題になっている。ダイオキシン類は、極めて低濃度でも高い毒性を有し、食物連鎖によってヒトなど動物に摂取されると、その体内に蓄積され、発ガン性や、胎児の奇形発生など、大きな社会問題となっている。ダイオキシン類は、大規模な焼却設備を用いて、燃焼温度を高温(最低800℃以上とされる)とすることによって、発生を抑えることができるが、例えば家庭や、病院等の小規模の事業所に設置した小規模の焼却設備では、ダイオキシン類の発生を防止することは困難である。しかし、かといって、家庭や小規模な事業所では、大規模焼却設備を設置することは、コストや設置スペースの制約から、極めて困難である。
【0003】
しかも、焼却温度800℃では、重金属ガスが発生することや、化石燃料を使用した助燃装置によって、COが大量に放出されることも問題として指摘されている。
【0004】
一方、PCBは、不燃性で、絶縁性、電気的特性に優れ、化学的に安定で、水に不溶性であるなどの特徴を有するため、従来は、電力設備のトランスなどの絶縁油、洗濯機や電子レンジなどにおける低圧トランスやコンデンサ等に、不粘性の絶縁体として多く用いられていたほか、潤滑油、感圧複写紙等にも使用されていた。しかし、1968年(昭和43年)のカネミ油症事件等に代表されるように、PCBの種々の毒性、例えば皮膚障害や内臓障害、月経異常、催奇形性、免疫異常、発育異常などを引き起こすことが指摘され、しかも化学的に安定であることから、地球規模でのPCB汚染が広がり、食物連鎖による生体濃縮性が報告されるようになって、1972年に行政指導により製造及び新規使用が禁止され、かつ既存のPCBの保管・管理が義務付けられた。
【0005】
ところが、例えば電柱に取り付けられた配電トランスのような密閉型電気機器では、PCB含有絶縁油などが、当時から引き続いて今も使用されており、しかもPCBは、上述のように、化学的に極めて安定であることから、工場やビルの解体、火災、あるいは不法投棄などによって、保管施設や、廃棄物からの環境中への流出が起こっており、例えば1999年に起こったベルギー産食肉及び鶏卵のPCB汚染問題にみられるように、PCB汚染及びその拡散が続いているのが現状である。しかもPCBは、ダイオキシン類と同様、不完全焼却によっても新たに発生し、この場合に発生するPCBは、構造的にダイオキシンやフランに類似し、他のPCBよりも毒性の強いコプラナーPCBと呼ばれるものである。
【0006】
PCB類は、高温(例えば1,400℃)で焼却することによって、二酸化炭素、水、無機塩、焼却灰に分解することができる。しかし、ダイオキシン発生防止の場合と同様、小規模な事業所では、大規模焼却設備を設置することは極めて困難であり、処理温度が低いと、
PCBより毒性の強いコプラナーPCBやダイオキシンを発生するおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、大規模な高温焼却設備を必要とせずに、ダイオキシン類やコプラナーPCBを発生することなく、可燃廃棄物を無害化処理することの可能な処理技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る廃棄物処理方法は、廃棄物を、マイナスイオンを含む気体雰囲気中で熱分解させるものである。すなわち、気体の分子は、加熱によって高い運動エネルギを持ち、マイナスイオン雰囲気中では、気体の分子の活動が更に活発になるので、分子の衝突が高密度で起こり、有機物が800℃以下の比較的低温でも、ダイオキシン類やPCB類などが生成されることなく、短時間で熱分解される。
【0009】
請求項2の発明に係る廃棄物処理方法は、請求項1に記載の方法において、気体を強磁場に通すことによってマイナスイオンを発生させるものである。
【0010】
請求項3の発明に係る廃棄物処理方法は、請求項1に記載の方法において、熱分解によって生じた残灰に、PCB類等の有機化合物を含む廃棄物を混合して熱分解させるものである。すなわち、請求項1に記載の方法による熱分解で生じた残灰は、火山灰などに含まれるアロフェンと同様の物質であり、かつ多量のマイナスイオンを含んでおり、これによって、PCB類等を吸着し、熱分解することができる。
【0011】
請求項4の発明に係る廃棄物処理装置は、焼却炉と、この焼却炉に連通する吸気通路と、前記焼却炉の上部に開口した排気通路と、前記吸気通路に設置された磁石とを備える。すなわち、焼却炉内に投入した可燃廃棄物を加熱して炭化するのに必要な空気を導入する際に、その空気に、磁石により形成される磁場によってマイナスイオンを発生させると共に、空気の分子運動エネルギを活発にし、炭焼きのような局部高温領域によって、廃棄物を、マイナスイオン雰囲気中で熱分解するものである。このため、ダイオキシン類やコプラナーPCB等を発生しない。
【0012】
請求項5の発明に係る廃棄物処理装置は、請求項4に記載の構成において、吸気通路からの焼却炉への吸気が、焼却炉内の熱による自然換気により行われるものである。
【0013】
請求項6の発明に係る廃棄物処理装置は、請求項4に記載の構成において、磁石による磁場の強さを2,000〜5,000ガウスとする。
【0014】
請求項7の発明に係る廃棄物処理装置は、請求項4に記載の構成において、吸気通路に設けられた非磁性体からなるハウジング内に、磁石が適当な隙間を有する状態で保持される。これによって、効率良くマイナスイオンを発生させることができる。
【0015】
請求項8の発明に係る廃棄物処理装置は、請求項4に記載の構成において、排気通路にガス吸着手段を取り付けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る廃棄物処理方法及び装置を、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る廃棄物処理装置の概略構成を示す断面図、図2は同じく一部を拡大して示す断面図である。
【0017】
まず図1において、参照符号1は、内部に焼却炉10を画成するステンレス鋼などの金属製の筐体である。この筐体1は、外側壁11と内側壁12からなる二重壁構造を有し、この外側壁11と内側壁12の間に空気層13が形成されることによって、外部に対して断熱されている。筐体1の上面部には、蓋14で開閉可能な投入口15が開設され、また、この筐体1における外側壁11には、空気層13に空気を流通させるための通気口16が開設されている。
【0018】
参照符号2は、着火手段としてのガスバーナであり、焼却炉10に投入された可燃の廃棄物Aに火炎の放射によって初期着火させるものである。
【0019】
参照符号3は、焼却炉10に連通する吸気通路であり、内端が筐体1における内側壁12に開口した第一吸気管31と、その外端に接続された第二吸気管32と、第一吸気管31の途中に設けられた流量調整バルブ33とで形成されている。第一吸気管31は金属で製作されたものであり、また第二吸気管32は非磁性体、例えばゴムあるいは合成樹脂などで製作されたものであり、それらの内径はφ30mm程度となっている。
【0020】
参照符号4は、焼却炉10の上部に開口した排気通路であり、内端が筐体1における内側壁12の天板部に開口した下部排気管41と、その外端に接続され内部に互いに連通した下部室42a及び上部室42bが形成された拡張部42と、この拡張部42における上部室42bから延び、外部に開放された上部排気管43とで形成されている。これら下部排気管41、拡張部42及び上部排気管43は、金属で製作されている。
【0021】
参照符号5は永久磁石で、図2に拡大して示されるように、非磁性体からなる第二吸気管32の途中に設けられた合成樹脂からなる環状のハウジング51内に配置されている。永久磁石5とハウジング51の内面との間には、軸方向に対して例えば0.3mm程度、径方向に対して例えば0.5mm程度のガタを有する状態で保持されており、その軸方向隙間δ1及び径方向隙間δ2は、第二吸気管32による吸気通路3と連通している。
【0022】
永久磁石5は、その磁極が、第二吸気管32による吸気通路3を介して対向するように配置されており、第二吸気管32及びハウジング51が非磁性体からなるため、永久磁石5による磁場Hが、吸気通路3内を焼却炉10へ向かう空気の流れに対して直交するように形成される。また、吸気通路3内の磁束密度が2,000〜5,000ガウス、好ましくは2,500〜3,000ガウスとなるように、永久磁石5の磁力が設定されている。
【0023】
この永久磁石5は、吸気通路3内を焼却炉10へ向けて流れる空気の分子を磁場Hの作用によってマイナスイオン化し、活性磁化させるものである。そして、永久磁石5の磁力を、吸気通路3内の磁束密度が2,000〜5,000ガウスとなるように規定したのは、吸気通路3内の磁束密度が2,000ガウス未満では、十分な濃度のマイナスイオンを得られず、また、永久磁石5に吸気通路3内の磁束密度が5,000ガウスを超えるような強力な磁力を与えても、永久磁石5はその磁力を長期間保持することができないからである。
【0024】
参照符号6は、上部排気管43に取り付けられたガス吸着剤で、例えば活性炭の粉末及びアクアフィルタからなるものや、あるいは、酸化チタン(TiO)を触媒とするものを用いることができる。
【0025】
以上の構成を備える本発明の廃棄物処理装置によって処理可能な廃棄物Aは、生ゴミ、木片、紙、布や繊維類、プラスチック、ウレタン、ビニールなどの可燃物である。この廃棄物処理装置による廃棄物Aの処理においては、まず投入口15から焼却炉10内へ、所要量の処理対象廃棄物Aを投入して堆積し、投入口15を蓋14で密閉した後、ガスバーナ2によって点火する。廃棄物Aの安定的な燃焼が始まったら、ガスバーナ2からの火炎の放射を止める。
【0026】
初期においては、処理対象の廃棄物Aが炭化から灰化する過程で、未燃性ガスと水蒸気からなる発煙があるが、この煙は、排気通路4から外部へ流出する過程で、その上部排気管43に取り付けられたガス吸着剤6に吸着・除去される。このため、初期発煙による臭気の発散を防止することができる。また、焼却炉10を画成している筐体1は、間に空気層13を有する外側壁11と内側壁12からなる二重壁構造となっているため、筐体1の外側壁11が過熱状態になることはなく、安全である。
【0027】
廃棄物Aの燃焼に必要な空気の供給は、焼却炉10内の熱による自然換気に依存されており、電動モータで駆動するポンプなどの動力を必要としないため、消費電力等のランニングコストは全くかからない。
【0028】
焼却炉10の上部に開口した排気通路4には、下部室42a及び上部室42bを有する拡張部42の存在や、ガス吸着剤6の存在によって、排気の運動エネルギが減衰され、すなわち排気が抑制され、しかも第一吸気管31及び第二吸気管32の内径はφ30mm程度の細いものとなっているので、外部から吸気通路3を介して焼却炉10内へ流入する空気の流量も著しく抑制される。このため、焼却炉10内に吸入される空気を十分に活性磁化し、マイナスイオン化することができる。また、この吸気通路3内の空気の流量は、流量調整バルブ33によって調整することができる。
【0029】
外部から吸気通路3を介して焼却炉10内へ流入する空気は、非磁性体からなる第二吸気管32を通る過程で、永久磁石5による磁場Hを横切るので、空気中の水の分子などが磁場Hによって自由電子を発生し、これによって空気分子がマイナスイオン化され、活性磁化される。
【0030】
また、第二吸気管32を通る空気の一部は、永久磁石5とハウジング51との間の軸方向隙間δ1及び径方向隙間δ2内を経由して流れる。この軸方向隙間δ1及び径方向隙間δ2内には、永久磁石5の両磁極間の磁場Hと反対側へ向けて磁場H’が存在しているので、この磁場H’の作用によって、軸方向隙間δ1及び径方向隙間δ2内を経由して流れる空気もマイナスイオンを発生し、活性化される。しかも、空気の流通による流体軸受効果によって、永久磁石5がハウジング51で振動するので、磁場H及びH’が微小変化し、空気のマイナスイオン発生及び活性化が促進される。
【0031】
この結果、例えば吸気通路3内の磁束密度が2,500〜3,000ガウスである場合、焼却炉10内へ流入する空気には、10,000〜30,000個/cmの高濃度のマイナスイオンが発生するため、焼却炉10内はマイナスイオン雰囲気となる。また、上述のように、外部から吸気通路3を介して焼却炉10内へ流入する空気の流量が少ないため、焼却炉10内は極度の酸素不足状態となっている。このため、廃棄物Aは炭焼きのような局部高温領域を生じた状態で燃焼するが、マイナスイオンの作用によって熱分解し、炭化の状態を経て、灰化される。
【0032】
すなわち、マイナスイオンを含む活性磁化された雰囲気中では、加熱された廃棄物Aの分子の運動が活発になり、やがて分子同士の結合が解消されて、自由に動き回る気体となる。そして、マイナスイオンを含む活性磁化雰囲気中では、活性化した分子が高密度で次々に衝突するので、有機物は、短時間で分解される。また、ダイオキシン類やPCBのような難分解性有機物は、二酸化炭素、水及び塩化物イオンにほぼ完全に分解され、副産物が合成されることもない。
【0033】
図3は、焼却炉10内で熱分解過程にある廃棄物Aの断面図で、図中の矢印は発生したガスの流れである。この図3に示されるように、熱分解過程にある廃棄物Aには、上から順に、乾燥層A1、炭化層A2、低温灰化層A3、及び高温灰化層A4が形成される。
【0034】
最も下層にある高温灰化層A4は、セラミックス状に無機化された灰となるまで廃棄物Aがほぼ完全に熱分解した部分であり、熾き火のような局部高温状態(700〜1,000℃)となっている。その上の低温灰化層A3は、高温灰化層A4からの熱によって、廃棄物Aがセラミックス灰化する過程にある部分である。その上の炭化層A2は、低温灰化層A3を経由した熱によって、廃棄物Aが炭化する過程にある部分である。更に、その上の乾燥層A1は、炭化層A2からの熱によって、廃棄物Aが乾燥される過程にある部分である。低温灰化層A3、炭化層A2、乾燥層A1の温度は、180〜300℃程度となっている。
【0035】
すなわち、焼却炉10に投入された処理対象の廃棄物Aは、まず熱によって水分が除去され(乾燥層A1)、極度な酸素不足状態かつマイナスイオン雰囲気中で炭焼きのようにして炭化され(炭化層A2)、更なる熱分解によって灰化が始まり(低温灰化層A3)、最終的にセラミックス状の灰となるまで完全に熱分解される(高温灰化層A4)。炭化の過程で炭化層A2から発生する煙に含まれるダイオキシン類などの有害物は、図3中の矢印で示されるように、焼却炉10内の対流によって廃棄物Aの外周を下降し、高温灰化層A4を通る際に、ほぼ完全に分解される。これは、高温灰化層A4におけるセラミックス状の灰には、多量のマイナスイオンが存在するからである。
【0036】
そして、乾燥→炭化→灰化の過程で減容されて行くので、ある程度減容された時点で、逐次廃棄物Aを焼却炉10に投入し、堆積して行けば、継続的に処理を行うことができる。
【0037】
上述の処理によって生じた残灰は、ダイオキシン類などを含まない無害の物質であって、火山灰中に含まれる珪素及びアルミニウムを主成分とする粘土(アロフェン)によく似たものであり、表面に多くの微小孔を有することによってガス吸着性を有する。したがって、例えばこれをセメントと混合してコンクリートの原料にすることによって、室内の湿度を適正化したり、防カビや結露防止等に有効な建材として利用することができる。
【0038】
また、上述の処理によって生じた残灰は、ガス吸着性のほか、マイナスイオンによって優れた表面活性を有するため、例えばPCB等を含む絶縁油などに混合して、この絶縁油を加熱焼却すれば、PCB等の有害物質を吸着すると共に、マイナスイオンの効果によって完全に分解することができる。
【0039】
例えば電力関係において、電柱に取り付けられた旧来の配電用トランスには、PCBを多量に含有する絶縁油が使用されて来ており、高圧コンデンサに使用されていた封入液の成分はPCBが100%である。そして、このような密閉系の電力機器でのPCB含有物は、PCBの製造及び新規使用が原則的に禁止された後も、使用期限が切れるまでの使用が認められていたが、近年、これらの電力機器も交換の時期に来ており、既にトランス等から取り出されたPCBは、環境中に流出することがないように、保管施設で厳重に管理されているため、保管スペースや管理コストが増大することは避けられず、数万トンともいわれる膨大な量のPCBを処理する必要に迫られている。しかし、このようなPCB含有物も、上述の残灰と混合して加熱焼却すれば、有害物を発生することなく完全に分解することができるのである。
【0040】
なお、吸気通路3に磁場Hを形成する磁石として、永久磁石5の代わりに電磁石を用いることもできるが、図示の形態のように、永久磁石5を用いれば、磁場Hを形成するための電力供給が不要であり、すなわちランニングコストを0にすることができるばかりか、構造も著しく簡素にすることができる。
【0041】
【実施例】
ダイオキシン類及びコプラナーPCBを含有する絶縁油500ccを、本発明の廃棄物処理装置によって生じたセラミックス状の残灰と混合して焼却処理した。その結果生じた焼却灰の成分は表1に示すとおりであった。この表1に記載された化学成分の計量方法は、平成4年7月3日厚生省告示第192号特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係わる基準の検定法であるガスクロマトグラフ質量分析法によるものであり、毒性等価計数は、WHO−TEF(1998)によるものである。なお、焼却した試料は、トランスに使用されている絶縁油「東電」であり、焼却前はダイオキシン類を50ng/g、コプラナーPCBを6%含有していたものである。
【表1】
Figure 2004033966
【0042】
上記実施例から明らかなように、試料の焼却灰に含まれるダイオキシン類及びコプラナーPCBは、極めて微量であり、例えば東京都の条例では、焼却炉からのダイオキシン類の排出量が、平成13年3月31日までに設置されたものについては10ng−TEQ/mN以下でなければならず、平成13年4月1日以降に設置されたものについては5ng−TEQ/mN以下でなければならないと定められているが、この規制値を大幅に下回るものであった。また、焼却時間は、24時間、48時間、72時間としたが、結果はそれぞれ同じであり、24時間以上の焼却処理は不要であることがわかった。
【0043】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る廃棄物処理方法によれば、廃棄物を、マイナスイオンを含む気体雰囲気中で熱分解させることによって、ダイオキシン類を発生することなく、可燃廃棄物を無害化・減容処理することができる。また、これによって生じる灰に含まれる金属を資源として回収することができ、しかも、この灰は、コンクリート等への混合材として有効利用することができる。また、本発明方法によれば、炭化から灰化する過程で著しく減容されるので、灰を埋め立て処分する場合でも、埋立処分場の延命を図ることができる。
【0044】
請求項2の発明に係る廃棄物処理方法によれば、気体を強磁場に通すことによって、高濃度のマイナスイオンを、容易に発生させることができる。
【0045】
請求項3の発明に係る廃棄物処理方法によれば、熱分解によって生じた残灰に、PCB類等の有機化合物を含む廃棄物を混合して熱分解させることによって、新たな有害物を発生することなくPCB類を完全に分解することができるので、保管施設で厳重な保管を余儀なくされているPCB含有製品の処分を容易に行うことができる。
【0046】
請求項4の発明に係る廃棄物処理装置によれば、吸気通路を介して焼却炉に吸入される空気が、磁石による磁場を横切ることによってマイナスイオンを発生すると共に活性化されるので、焼却炉内の可燃廃棄物を、マイナスイオン雰囲気中で、ダイオキシン類を発生することなく無害化・減容処理することができる。また、従来のように大規模な焼却炉による高温焼却が不要であるため、装置自体は小型・簡素な構造であり、安価に提供することができる。
【0047】
請求項5の発明に係る廃棄物処理装置によれば、、吸気通路からの焼却炉への吸気が、焼却炉内の熱による自然対流により行われるため、ランニングコストがまったくかからず、しかも焼却炉内が酸素不足状態となることによって、廃棄物がマイナスイオン雰囲気中で炭化・灰化されるので、ダイオキシン類を発生することなく無害化・減容処理することができる。
【0048】
請求項6の発明に係る廃棄物処理装置によれば、磁場の強さを2,000〜5,000ガウスとすることによって、吸気通路を通る空気に所要の濃度のマイナスイオンを発生させることができると共に、その機能を長期にわたって維持することができる。
【0049】
請求項7の発明に係る廃棄物処理装置によれば、吸気通路に設けられた非磁性体からなるハウジング内に、磁石が適当な隙間を有する状態で保持されることによって、より効率的にマイナスイオンを発生させることができる。
【0050】
請求項8の発明に係る廃棄物処理装置によれば、排気通路にガス吸着手段を取り付けたため、排気通路からの排煙や臭気を有効に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃棄物処理装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る廃棄物処理装置の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明に係る廃棄物処理装置の焼却炉内で熱分解過程にある廃棄物の断面図である。
【符号の説明】
1 筐体
10 焼却炉
11 外側壁
12 内側壁
13 空気層
14 蓋
15 投入口
16 通気口
2 ガスバーナ
3 吸気通路
31 第一吸気管
32 第二吸気管
33 流量調整バルブ
4 排気通路
41 下部排気管
42 拡張部
42a 下部室
42b 上部室
43 上部排気管
5 永久磁石
51 ハウジング
6 ガス吸着剤
A 廃棄物
A1 乾燥層
A2 炭化層
A3 低温灰化層
A4 高温灰化層

Claims (8)

  1. 廃棄物を、マイナスイオンを含む気体雰囲気中で熱分解させることを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 気体を強磁場に通すことによってマイナスイオンを発生させることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理方法。
  3. 熱分解によって生じた残灰に、PCB類等の有機化合物を含む廃棄物を混合して熱分解させることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理方法。
  4. 焼却炉と、この焼却炉に連通する吸気通路と、前記焼却炉の上部に開口した排気通路と、前記吸気通路に設置された磁石とを備えることを特徴とする廃棄物処理装置。
  5. 吸気通路からの焼却炉への吸気が、焼却炉内の熱による自然換気によるものであることを特徴とする請求項4に記載の廃棄物処理装置。
  6. 磁石による磁場の強さを2,000〜5,000ガウスとすることを特徴とする請求項4に記載の廃棄物処理装置。
  7. 吸気通路に設けられた非磁性体からなるハウジング内に、磁石が適当な隙間を有する状態で保持されたことを特徴とする請求項4に記載の廃棄物処理装置。
  8. 排気通路にガス吸着手段を取り付けたことを特徴とする請求項4に記載の廃棄物処理装置。
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