JP6223720B2 - 磁場熱分解炉 - Google Patents

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本発明は、強い磁場の中を通過した空気により被燃焼物を燃焼させる磁場熱分解炉に関する。
磁場に作用する物質として、強磁性体、常磁性体、反磁性体があることが知られている。強磁性体は鉄、コバルト、ニッケル等の単体や、酸化鉄、合金等があり、磁石に吸引されるし、自分自身で磁石になりうる。常磁性体は、強力な永久磁石などによる磁場があるときは磁石に引き付けられる性質を有し、磁場が消えると磁性が無くなる。酸素は常磁性体である。反磁性体は、磁石に反発する性質を有し、水や、窒素を含む殆どの気体は反磁性体である。
異極(S極、N極)を向かい合わせた強力な磁石による磁場の中に空気を通すと、空気中の酸素分子が、常磁性体の性質を現し、磁力線の方向に引っ張られ、窒素分子は逆磁性体の性質として磁力線とは逆の方向に引っ張られるため、酸素分子と窒素分子は分離し、またクラスター化していた酸素分子も細分化されると考えられる。
この、強力な磁石による磁場を通過させた空気の作用を利用した焼却炉が多数提案されている。
特許文献1には、外部空間から略遮断された焼却処理室を形成する耐熱容器と、該耐熱容器の壁部に設けられて燃焼用空気を前記焼却処理室に自然吸気で取り入れる燃焼用空気の取入口と、該空気取入口を絞ることにより、焼却処理室への空気の流入量を制限する流入空気制限手段と、空気取り入れ口から焼却処理室に燃焼用空気を導く空気通路上に磁場を形成して、該燃焼用空気を磁気処理する磁石手段と、焼却処理室の壁部に設けられた燃焼ガスの排出口と、を有する焼却炉が開示されている。
特許文献2には、焼却炉と、この焼却炉に連通する吸気通路と、焼却炉の上部に開口した排気通路と、吸気通路に設置された磁石とを備え、この磁石は、吸気通路に設けられた非磁性体からなるハウジング内に、磁極が吸気通路を介して互いに対向するように配置され、ハウジングの内面に対して吸気通路と連通する径方向隙間及び軸方向隙間を介して保持された廃棄物処理装置が開示されている。
特許文献3には、廃棄物が収容される燃焼室に燃焼用空気導入管を設け、該導入管に永久磁石を対向状に配置した磁化部を設け、燃焼用空気が該磁化部を通って燃焼室内に僅かずつ導入されるようにし、該燃焼室内の廃棄物を低酸素状態で燃焼させる廃棄物焼却炉が開示されている。
特許文献4には、廃棄物を焼却処理する略立方体形状の焼却室を形成する筐体と、該筐体の壁部から焼却室内に外部空気を導入する第1空気導入管と、焼却室の底面に立設された空気導入部材と、該空気導入部材の壁面から焼却室内に外部空気を導入する第2空気導入管と、第1空気導入管および第2空気導入管に配設され、焼却室内に導入される外部空気に磁気を及ぼす磁石とを備えた廃棄物処理装置が開示されている。
特許文献5には、外壁を二重にした炉に磁気誘導装置を設け炉内で生成したガスを炉内に前記炉内に循環させると共に該ガスを別途設置した燃焼室炉で二次燃焼させ、さらに被処理物供給路に炉内で生成した乾留ガスを送気しまた該供給路に設けたバーナで被処理物を予備乾燥するようにした焼却炉が開示されている。
特許文献6には、廃棄物を焼却処理する焼却室を形成する筐体と、該筐体の壁部外側から焼却室内に燃焼空気を導入する空気導入管とを備えた廃棄物処理装置であって、空気導入管は、焼却室内に導入される燃焼空気に磁気を及ぼす磁石を備え、かつ、筐体の外側に配された空気導入管の基部は、燃焼空気にマイナスイオンを付与するマイナスイオン発生器に連結されている廃棄物処理装置が開示されている。
特許文献7には、廃棄物を焼却処理する焼却室を形成する筐体と、該筐体の壁部外側から焼却室内に空気を導入する空気導入管を備えた廃棄物処理装置であって、空気導入管は、焼却室内に導入される外部空気に磁気を及ぼす磁石と、外部空気にマイナスイオンを及ぼす鉱石とを備えている廃棄物処理装置が開示されている。
特許文献8には、外気を永久磁石による磁場を通過させて取り入れる吸気部材を側壁に複数設け、有機廃棄物を酸素不足の状態で無火炎燃焼させて処理する有機廃棄物処理炉において、熱媒体を流通させる流路を形成させた略平板状の熱回収材を炉内に側壁から離して有機廃棄物を囲むように複数個配置した熱交換器を備えた有機廃棄物処理炉が開示されている。
特許文献9には、強磁場空間を通過した空気による熱分解炉に対し、分解ガス中の低分子有機酸類等による臭気を除去する機能及び分解ガス中のタール類等の比較的分子量の高い成分が発する臭気を除去する機能を有する強磁場下の熱分解炉を利用したゴミ処理システムが開示されている。
特許文献10には、被焼却物(被処理物)を燃焼させ、該燃焼により発生した燃焼ガスを、熱分解バーナの火炎を用いて熱分解をさせた後、排気する構造を有する熱分解焼却炉において、竪筒状の燃焼室と、該燃焼室の上方に配される熱分解室と、該熱分解室に接続される排気筒とを備え、燃焼室は、被焼却物(原料)を投入可能な被焼却物投入口を備えるとともに、空気取込口を1個以上備え、熱分解室は、筒状ダクト構造とされ、該筒状ダクトの始点側で熱分解バーナと接続され、終点側が排気筒と接続され、更に、熱分解バーナのバーナ口との対面位置に近接して、通気可能な蓄熱体を備えるとともに、バーナ口と蓄熱体との隙間に該燃焼室からの燃焼ガスを取込可能な燃焼ガス取込口を備えている熱分解焼却炉が開示されている。
特許第4008181号公報 特許第4108387号公報 特開2008−20093号公報 特開2008−32287号公報 特開2008−51476号公報 特開2008−64324号公報 特開2008−64325号公報 実用新案登録第3127645号公報 特開2008−246443号公報 特開2008−267645号公報
前掲の特許文献1〜10に開示されているように、強力な磁場を通過した空気が、炉の燃焼空気として有効に作用することについては認知されてきているが、理論的な裏付けについては、研究が遅れているようである。
本発明は、種々検討の結果、通常の運転時には、種火のみで、燃料や電力を必要とせず、可燃物の完全燃焼を図ることができ、最小限の灰しか生じない磁場熱分解炉を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る磁場熱分解炉は、縦型筒状の密閉型筐体と、
この筐体の内側に、該筐体の外壁に対して所定の間隔を隔てて設置された内筒と、
前記内筒の底部より所定間隔高い位置に設けられた火格子と、
基端部の吸気口が前記筐体の外部に位置し、先端部の噴出口が前記火格子の上部と内筒の下部との間の空間に位置するように、前記筐体に取り付けられた複数本の吸気管と、
前記各吸気管の吸気口の近辺に設けられ、吸引される空気に磁場を与える永久磁石と、
前記筐体外部から被燃焼物を投入するための投入口および投入扉と、
前記火格子から落下した焼却灰を回収する回収口および回収扉と、
前記内筒の外壁と前記筐体の内壁との間の空間より排出される排気を通す乾留ガス処理槽と
を備えたことを特徴とする。
前記吸気管には、吸引空気量調整の弁を設けて燃焼温度や燃焼速度を調整することができる。
前記永久磁石の磁束密度は350mT(テスラ)以上であることが好ましい。それ以下であると、空気中の酸素の磁化が小さくなり、本発明の効果が低くなる。磁束密度の上限は特に規定せず、永久磁石の磁性が向上すれば、それに対応して本発明の効果も向上するものと考えられる。
前記筐体および内筒の周壁は、円弧面または平面と円弧面との組み合わせとすることが好ましい。直方体の筐体では、コーナー部に空気の滞留が生じ、燃焼が不完全になるため、コーナー部のない円弧面とする。
前記火格子の上部には、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化第二鉄を主成分とする炉灰の層が敷かれ、その上に被燃焼物が積まれた状態で燃焼させられることが好ましい。炉灰の層が加熱されることにより種火の役目を果たし、被燃焼物の燃焼が持続する。
前記投入口と投入扉との間に、エアカーテン装置を設けることにより、被燃焼物を投入口に入れるための投入扉を開けたとき、エアカーテン装置により形成されるエアカーテンにより、投入口が遮断され、筐体内部から煙が出ることを防止することができる。
前記エアカーテン装置には、投入口側に、開閉可能なシャッター板を設けることにより、通常の燃焼時には投入口を塞ぎ、エアカーテン装置を保護することができる。
前記エアカーテン装置に吹き込むエアは、乾留ガス処理槽からの排気を利用することにより、外部から別にエアを取り入れる必要がなく、装置をコンパクトにすることができる。
前記投入扉の前方に、被燃焼物を投入するローラコンベアを配置することにより、被燃焼物の投入を安全かつ効率的に行うことができる。
本発明により、通常の運転時には、種火のみの着火で被燃焼物の燃焼が開始し、燃料や電力を必要とせず、可燃物の完全燃焼を図ることができ、最小限の灰しか生じない磁場熱分解炉が提供される。また、エアカーテン装置を設けることにより、被燃焼物を投入口に入れるための投入扉を開けたとき、筐体内部から煙が出ることを防止することができる。
本発明の実施の形態1に係る磁場熱分解炉の中央部縦断正面図である。 本発明の実施の形態1に係る磁場熱分解炉の中央部縦断側面図である。 本発明の実施の形態1に係る磁場熱分解炉の詳細平面図である。 本発明の実施の形態1に係る磁場熱分解炉の磁石ボックスを示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 本発明の実施の形態1に係る磁場熱分解炉の火格子部分の側面図である。 本発明の実施の形態1に係る磁場熱分解炉の火格子部分の背面図である。 本発明の実施の形態2に係るエアカーテン装置付きの磁場熱分解炉の正面図である。 本発明の実施の形態2に係るエアカーテン装置付きの磁場熱分解炉の側面図である。 本発明の実施の形態2に係るエアカーテン装置付きの磁場熱分解炉の要部正面図である。 本発明の実施の形態2に係るエアカーテン装置付きの磁場熱分解炉の要部側面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3に示すように、本発明の実施の形態1に係る磁場熱分解炉は、例えばSPHC等の鋼板を縦型筒状に成形したものに防錆塗装を施した密閉型筐体1と、筐体1の内側に、筐体1の外壁に対して所定の間隔を隔てて設置された同じく鋼板製の内筒2と、内筒2の底部より所定間隔高い位置に設けられたスノコ状の火格子3と、基端部の吸気口が筐体1の外部に位置し、先端部の噴出口が火格子3の上部と内筒2の下部との間の空間に位置するように、筐体1に取り付けられた複数本の吸気管4と、各吸気管4の吸気口の近辺に設けられ、吸引される空気に磁場を与える一対の永久磁石を間隔を置いて設置した磁石ボックス5と、筐体1外部から被燃焼物を投入するための投入口6および投入扉7と、火格子3から落下した焼却灰を回収する回収口8および回収扉9と、内筒2の外壁と筐体1の内壁との間の空間より排出される排気を通す乾留ガス処理槽10とを備えた構造となっている。投入扉7は、廃棄物を投入する際、煙の流失を少なくするため、二重蓋になっている。
さらに、本実施の形態1の磁場熱分解炉は、筐体1の正面および背面の下部に、火格子3上の被燃焼物の状況を点検するため、および種火を着火するための開閉可能な点検口11,12と、筐体1の上部に、被燃焼物の燃焼状況を点検するための点検口13が設けられている。
筐体1の底部には、基端部の吸気口が筐体1の外部に位置し、先端部の噴出口が火格子3の上部の近傍に位置するように、筐体1に取り付けられた複数本の補助吸気管14と、各補助吸気管14に外部からの空気を強制的に吸入するブロア15および配管16と、ブロア15に電力を供給する配電盤17が設けられている。ブロア15による強制的な空気吸入は、燃焼温度を上げたいときや水分が多いときに使用することができる。
筐体1の上部には排気筒18が設けられており、排気筒18の上部は乾留ガス処理槽10内に入り込んでいる。乾留ガス処理槽10は、冷却水入口10aと、冷却水出口10bとを有している。乾留ガス処理槽10は、不純物を回収し、煙を水蒸気に変える役目をする。回収した、不純物を含む液は、木酢として再利用が可能である。
乾留ガス処理槽10には、消煙・脱臭装置19の吸引管20の先端が挿入されており、吸引管20の内部には空気吸入管21が挿入されている。消煙・脱臭装置19には、空気排出管22も設けられており、排気中の空気を消煙し、基準値以下に脱臭して大気中に排出する。本実施の形態1では、消煙・脱臭装置19として、排気を空気で冷やす方式の装置を使用した。
筐体1の高さは、本実施の形態1では2〜3mであり、投入口6への被燃焼物の投入や点検のための足場23と階段24と手摺25が筐体1の外側に設けられている。また、筐体1の底盤部は、湿気を寄せ付けないためと、灰を取り出しやすくするために舟形に盛り上がっており、その周壁底部には、炉内冷却水回収パイプ26が設けられている。
各吸気管4の先端に取り付けられる磁石ボックス5は、図4に示すように、空気吸入口51と吸気管4への接続部52とを有し、2つの永久磁石53がN極、S極を向かい合わせて固定されている。また、磁石ボックス5の内部の空気流路には、突起54が取り付けられ、吸引される空気の流れが波打つようにしている。永久磁石53の磁束密度としては、ネオジム磁石等の強力な1〜1.5T(テスラ)のものが望ましいが、少なくとも、350mT以上とする。これより小さいと、空気中の酸素の磁化が小さくなり、効果が低くなる。
また、吸気管4には、吸引空気量調整の弁(図示せず)が設けられており、吸気管4を通して内筒2内に供給する空気(酸素)の量を加減することにより、燃焼温度や燃焼速度を調整することができる。
本実施の形態1における火格子3の構成を図5および図6に示す。
火格子3は、断面逆三角形の鉄の棒を複数本、所定間隔で受台33の上に並べた上部スノコ31と、同じく断面逆三角形の鉄の棒を複数本、上部スノコ31と互い違いの位置になるように受台34の上に並べた下部スノコ32を有している。下部スノコ32は固定金具35に対して横移動可能なシャフト36に固定され、筐体1外部のハンドル37を上下に往復動させることにより、クランク機構38によって下部スノコ32を水平方向に動かして灰を落とすことができるようになっている。
本実施の形態1に係る磁場熱分解炉では、密閉型筐体1内部で被燃焼物が燃焼する際に酸素が消費されるため、密閉型筐体1の内部が負圧になり、吸気管4を通して外気が導入される。そのとき、磁石ボックス5の内部に外気が吸引され、突起54により空気流が波打つように入り、永久磁石53によって生成される磁場の中に空気が通過する際に空気内の酸素が常磁性体として作用するため永久磁石53の所で酸素分子が振動を起こし、また突起54により波打つように吸気管4に排出され、微小クラスター化した酸素として筐体1内に吸入される。
筐体1の内筒2の内部では、被燃焼物と微小クラスターの酸素とが激しく反応し、その燃焼熱により被燃焼物は燃焼し、さらに分解される。
燃焼により灰化した灰が、種火の役割をする。筐体1に供給する被燃焼物は、一種類の被燃焼物を連続して供給するよりも、湿気の多いものと乾燥したもののように、異なる種類の被燃焼物を交互に供給する混合廃棄物が望ましい。
磁場熱分解炉の内筒1内の被燃焼物の燃焼は、図1に示すように、上部の処理待ち層L1、その下部の乾燥処理層L2、その下部の熱分解処理層L3、一番下の灰化層L4が縦方向に層状になって、上層から下層に分解反応が進行するようになっている。
熱分解の際生じた熱、煙は、二重張りの筐体1の内壁と内筒2の外壁との中を循環しながら一部冷却され、筐体1の内壁に沿って水滴が炉内冷却水回収パイプ26から出ていく。残りは上昇し乾留ガス処理槽10に入る。このため、筐体1の外壁は高温とならない。
医療用廃棄物は、一般用と滅菌用に分け、滅菌用はブロワ15でエアを送り、適正な温度に上げる。また含水率の多いものでもブロワ15でエアを送ると燃焼させやすい。
廃棄処理する被燃焼物は、分解炉の中の分解状態により繰り返し継ぎ足しができる。
乾留ガス処理槽10で煙を冷やし、ここで不純物を回収し水蒸気を巡回させながら外に排出するのを助けるために外部より配管の中に空気を取り入れて、消煙・脱臭用装置19に送り込む。
火格子3には、上部スノコ31と下部スノコ32による灰取り出し装置が設けられており、篩いにかけた灰を、回収口8から容易に取り出すことができる。
本実施の形態1の磁場熱分解炉で生成した灰の定量分析、ケイ酸塩の分析結果を表1に示す。これは、約240種類の物を分解したとき出た灰の成分を調べたものであり、約3年分の蓄積した灰を調べた結果である。
この表1から、本実施の形態1の磁場熱分解炉で生じる灰は、都市ゴミの標準的な成分分布と大差はないことが分かる。
本実施の形態1の磁場熱分解炉では、新規に熱分解炉として運転する場合、一定量の灰が出るまでは種火としての機能が生じないため、既に運転している磁場熱分解炉で生じた灰を新規の磁場熱分解炉に使用することで、初めから本発明の効果が期待できる。
排ガス中のダイオキシン測定値を表2に、排ガスの測定値を表3に示す。
排ガス中のダイオキシンは、プラスチックゴミ系が最も出やすく、120℃〜200℃では最合成されやすくなるため、分解されやすい500℃前後で燃やす。また、燃焼後の排ガスは、水、空気で急冷するとダイオキシンが消えやすい。
この表2、表3から、排出規制ガスは基準値を大きく下回っており、安全であることが分かる。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、廃棄物等の被燃焼物が燃焼するのみならず熱分解するため、灰の量が少なく、また有害物質の排出が著しく少なく、また燃料や電力を必要としない省エネルギーの熱分解炉が提供される。
上述した実施の形態1においては、筐体1外部から被燃焼物を投入するための投入口6および投入扉7を備えた構成としているが、被燃焼物を投入するために投入扉7を開けると煙が出る。このとき出る煙は、消煙・脱臭されていないので、一時的であっても、好ましくない場合がある。特に、医療関係の被燃焼物の場合、規制が厳密な自治体もある。
そこで、本発明の実施の形態2では、被燃焼物を筐体1の内部に投入する際に、煙が出ない構造としている。
図7〜図10は本発明の実施の形態2を示すものであり、筐体1の被燃焼物の投入口101と投入扉102との間に、エアカーテン装置100を設けたものである。エアカーテン装置100と投入口101の間には、通常は閉じられるシャッター板103が設けられ、シリンダー104により開閉駆動されるようになっている。
エアカーテン装置100を形成するエアボックス105の上部には、エア吹き出しボックス106が設けられ、下部にはエア吸い込みボックス107が設けられている。エア吹き出しボックス106内には、エアの流れを整流するための仕切り板108が設けられている。
筐体1の上部には、実施の形態1と同様に乾留ガス処理槽10が設けられており、不純物が除去された空気は、空気吸入管21、吸引管20、送気ファン27により消煙・脱臭装置19に導かれ、無害化して大気中に排気される。本実施の形態2のエアカーテン装置100には、吸引管20を通るエアの一部を吹き出しファン109により取り出して配管110を介してエア吹き出しボックス106に供給する。そして、エア吸い込みボックス107には配管111を接続し、吸い出しファン112により吸い出して消煙・脱臭装置19に導く。
投入扉102の前方には、被燃焼物を投入するためのローラコンベア114を設けた投入タワー113が設置され、作業員が被燃焼物をローラコンベア114に載せるための梯子115も設けられている。
筐体1の側部には、シリンダー104を操作してシャッター板108をスライド開閉するための操作盤116が設けられている。
その他の構成は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
以上の構成の実施の形態2において、被燃焼物を筐体1内部に投入する際には、吹き出しファン109、吸い出しファン112を運転させてエアボックス105内に、エアカーテンを形成する。次いで、シャッター板108を開け、投入扉102を開けると、筐体1の内部と外部との間は開放状態となるが、エアボックス105内にエアカーテンが形成されているため、筐体1からの煙は遮断される。この状態で被燃焼物をローラコンベア114に載せて筐体1の投入口101内に押し込むことにより、煙の排出が遮断された状態で被燃焼物を筐体1内に投入することができる。
これにより、排気の排出基準が厳しい医療関係の廃棄物の処理にも対応することができる。
本発明は、通常の運転時には、種火のみの着火で被燃焼物の燃焼が開始し、燃料や電力を必要とせず、可燃物の完全燃焼を図ることができ、最小限の灰しか生じない磁場熱分解炉として、焼酎残渣、危険物、産業廃棄物、被災地の瓦礫処理等、広い分野において利用可能である。
1 筐体
2 内筒
3 火格子
31 上部スノコ
32 下部スノコ
33,34 受台
35 固定金具
36 シャフト
37 ハンドル
38 クランク機構
4 吸気管
5 磁石ボックス
51 空気吸入口
52 接続部
53 永久磁石
54 突起
6 投入口
7 投入扉
8 回収口
9 回収扉
10 乾留ガス処理槽
10a 冷却水入口
10b 冷却水出口
11,12,13 点検口
14 補助吸気管
15 ブロア
16 配管
17 配電盤
18 排気筒
19 消煙・脱臭装置
20 吸引管
21 空気吸入管
22 空気排出管
23 足場
24 階段
25 手摺
26 炉内冷却水回収パイプ
27 送気ファン
100 エアカーテン装置
101 投入口
102 投入扉
103 シャッター板
104 シリンダー
105 エアボックス
106 エア吹き出しボックス
107 エア吸い込みボックス
108 仕切り板
109 吹き出しファン
110,111 配管
112 吸い出しファン
113 投入タワー
114 ローラコンベア
115 梯子
116 操作盤

Claims (9)

  1. 縦型筒状の密閉型筐体と、
    この筐体の内側に、該筐体の外壁に対して所定の間隔を隔てて設置された内筒と、
    前記筐体の底部より所定間隔高い位置に設けられた火格子と、
    基端部の吸気口が前記筐体の外部に位置し、先端部の噴出口が前記火格子の上部と内筒の下部との間の空間に位置するように、前記筐体に取り付けられた複数本の吸気管と、
    前記各吸気管の吸気口の近辺に設けられ、吸引される空気に磁場を与える永久磁石と、
    前記筐体外部から被燃焼物を投入するための投入口および投入扉と、
    前記火格子から落下した焼却灰を回収する回収口および回収扉と、
    前記内筒の外壁と前記筐体の内壁との間の空間より排出される排気を通す乾留ガス処理槽と
    を備えた磁場熱分解炉。
  2. 前記吸気管には、吸引空気量調整の弁が設けられている請求項1記載の磁場熱分解炉。
  3. 前記永久磁石の磁束密度は350mT以上である請求項1記載の磁場熱分解炉。
  4. 前記筐体および内筒の周壁は、円弧面または平面と円弧面との組み合わせである請求項1〜3のいずれかの項に記載の磁場熱分解炉。
  5. 前記火格子の上部には、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化第二鉄を主成分とする炉灰の層が敷かれ、その上に被燃焼物が積まれた状態で燃焼させられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の磁場熱分解炉。
  6. 前記投入口と投入扉との間に、エアカーテン装置を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の磁場熱分解炉。
  7. 前記エアカーテン装置には、前記投入口側に、開閉可能なシャッター板を設けた請求項6記載の磁場熱分解炉。
  8. 前記エアカーテン装置に吹き込むエアは、請求項1記載の乾留ガス処理槽からの排気を利用することとした請求項6または7に記載の磁場熱分解炉。
  9. 前記投入扉の前方に、被燃焼物を投入するローラコンベアを配置した請求項6〜8のいずれかの項に記載の磁場熱分解炉。
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