JP2004033870A - 薬剤貯蔵装置 - Google Patents

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Takamasa Kojo
古城 貴雅
Shigeru Okada
岡田 茂
Kazuaki Takato
高藤 一明
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Hitachi Plant Technologies Ltd
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【課題】空気式の圧力輸送によって供給される薬剤を貯蔵するための貯蔵装置であって、低コストの貯蔵装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る貯蔵装置10は、排ガス処理設備12に設けられており、消石灰が貯蔵されるサイロ28を備えている。サイロ28は、エア抜きライン46を介して、バグフィルタ18の一次側の排ガスライン24に接続されている。エア抜きライン46には電磁弁48が設けられており、この電磁弁48は、受入ライン34に設けたリミットスイッチ38に応じて開閉される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薬剤貯蔵装置に係り、特にバグフィルタを備えた排ガス処理設備に注入される粉粒状の薬剤が空気式の圧力輸送によって貯蔵室に供給されて貯蔵される薬剤貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ごみ焼却炉から排出される排ガスにはダストの他に、塩化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物などの有害物質が含まれている。これらの有害物質は通常、バグフィルタ型の集塵装置によって排ガス中のダストとともに除去される。例えば、図3に示す排ガス処理設備では、焼却炉1から排出される排ガスが冷却装置2で冷却された後、誘引ファン3を駆動することによってバグフィルタ4に吸引される。バグフィルタ4の一次側の排ガスライン5には、粉粒状の薬剤である消石灰の注入ライン6が接続されている。ブロア7を駆動することによってサイロ8内の消石灰がブロア7で供給された空気流に同伴して排ガスライン5に注入される。これにより、排ガス中に含まれる塩化水素と硫黄酸化物が消石灰によって中和処理され、バグフィルタ4で捕集される。なお、排ガス中の窒素酸化物は、必要に応じてバグフィルタ4の下流に不図示の脱硝装置を設けることによって除去される。
【0003】
ところで、消石灰は一般にタンクローリ車(又はジェットパック車)9などによって搬送される。そして、空気式の圧力輸送によってタンクローリ車9からサイロ8に供給されて貯蔵される。サイロ8の上部には、ベントフィルタ8Aが設けられており、このベントフィルタ8Aによって、空気式の圧力輸送時にサイロ8内のエア抜きが行われる。ベントフィルタ8Aは、フィルタ部材を備えており、このフィルタ部材によって消石灰が引き抜かれるエアに同伴して外部に漏れることが防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベントフィルタ8Aは、濾過面積の大きなフィルタ部材が必要であるために高価であり、薬剤貯蔵装置のコストを上昇させる原因になっていた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、空気式の圧力輸送によって供給される薬剤を貯蔵するための薬剤貯蔵装置であって、低コストの薬剤貯蔵装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、バグフィルタを備えた排ガス処理設備に注入される粉粒状の薬剤を貯蔵するための貯蔵室を有し、該貯蔵室に前記薬剤が空気式の圧力輸送で供給されて貯蔵される薬剤貯蔵装置において、前記貯蔵室は、エア抜きラインを介して前記バグフィルタの一次側に接続され、前記薬剤を空気式の圧力輸送で前記貯蔵室に供給する際には、前記貯蔵室内のエアが前記エア抜きラインを介して前記バグフィルタの一次側にエア抜きされることを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、薬剤を空気式の圧力輸送で貯蔵室に供給する際、貯蔵室のエアは、エア抜きラインを介してバグフィルタの一次側に送気される。このため、エア抜きされたエアとともに貯蔵室から漏れた薬剤は、バグフィルタで捕集される。すなわち、排ガス処理用のバグフィルタは、エア抜き時に貯蔵室から漏れる薬剤の捕集手段として兼用される。したがって、エア抜きラインに、ベントフィルタなどを設ける必要がないので、薬剤貯蔵装置のコストを大幅に削減することができる。
【0008】
また、本発明によれば、エア抜きしたことによって貯蔵室から漏れた薬剤がフィルタ部材に付着して排ガス処理に使用されるので、処理性能を向上させることができ、薬剤のロスが少ない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る薬剤貯蔵装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0010】
図1は、本発明に係る薬剤貯蔵装置10を備えた排ガス処理設備12の全体構成を示す図である。
【0011】
同図に示す排ガス処理設備12は、焼却炉14から排出された排ガスを処理する設備であり、主として冷却装置16、バグフィルタ18、誘引ファン20、及び煙突22で構成される。焼却炉14から排気された排ガスは、誘引ファン20を駆動することによって、まず冷却装置16に吸引され、冷却される。冷却装置16は、例えば焼却炉14から排気された排ガスと、焼却炉14に送り込まれるエアとを熱交換するなどによって、前記排ガスを冷却するように構成されている。これにより、冷却された排ガスが排ガスライン24を介してバグフィルタ18の一次側に導入される。
【0012】
冷却装置16とバグフィルタ18とを連通する排ガスライン24には、消石灰の注入ライン26が接続されている。この注入ライン26から消石灰を注入することによって、排ガス中の有害な塩化水素や硫黄酸化物が無害な塩化カルシウムや硫化カルシウムになってバグフィルタ18に導入される。
【0013】
バグフィルタ18では、不図示の多数本のフィルタ部材を有し、このフィルタ部材に排ガスを通過させることによって、排ガスに含まれるダスト、塩化カルシウム、及び硫化カルシウム等がフィルタ部材に捕集される。フィルタ部材に捕集された捕集物は、フィルタ部材を定期的に振動させることによって払い落とされ、回収される。これにより、塩化水素や硫黄酸化物のない無害な排ガスが、バグフィルタ18の二次側の煙突22から排気される。
【0014】
ところで、前述した注入ライン26は、薬剤貯蔵装置10のサイロ(貯蔵室に相当)28に連通されている。サイロ28は、下部にホッパを有する円筒状に形成されており、その下端には定量切出機30が設けられている。消石灰はこのサイロ28の内部に貯蔵されて保管されており、ブロア32を駆動することによって、所定量の消石灰がブロア32により供給された空気流に同伴して注入ライン26に送り出される。
【0015】
サイロ28の上部には受入ライン34が接続されている。受入ライン34の先端には受入口36が設けられ、この受入口36に、タンクローリ42のホース44の先端が接続される。これにより、タンクローリ42の内部の消石灰を、ホース44及び受入ライン34を介してサイロ28に空気式の圧力輸送で供給することができる。受入ライン34には、ボール弁40が設けられており、このボール弁40にリミットスイッチ38が取り付けられている。リミットスイッチ38は、ボール弁40の動作によって、消石灰の圧力輸入が開始されたこと、及び停止されたことを検出する。
【0016】
また、サイロ28の上部にはエア抜きライン46が接続されている。エア抜きライン46の先端は、排ガスライン24に接続されている。また、エア抜きライン46には電磁弁48が配設されており、この電磁弁48を開閉することによってエア抜きライン46が連通、遮断される。電磁弁48は、リミットスイッチ38に電気的に接続されており、リミットスイッチ38に応じて電磁弁48が開閉制御される。例えば、リミットスイッチ38によって消石灰の圧力輸送の開始が検出された際には、電磁弁48を開いてエア抜きを行うように制御される。また、消石灰の圧力輸送が停止した際には、電磁弁48を閉じてエア抜きを停止するように制御される。
【0017】
次に上記の如く構成された薬剤貯蔵装置10の作用について説明する。
【0018】
タンクローリ42で搬送した消石灰をサイロ28に投入する際、まず、タンクローリ42のホース44の先端を受入ライン34の受入口36に接続する。そして、消石灰の供給を開始し、タンクローリ42の消石灰を空気式の圧力輸送によってサイロ28に投入する。すなわち、タンクローリ42内の消石灰を高いエア圧力でサイロ28に送り出してサイロ28に投入する。
【0019】
消石灰の圧力輸送が開始されると、リミットスイッチ38がこれを感知し、電磁弁48が開かれる。これにより、サイロ28の内部がエア抜きライン46を介して排ガスライン24の内部に連通される。排ガスライン24の内部は、誘引ファン20を駆動することによって常時、負圧になっている。したがって、サイロ28と排ガスライン24とが連通されると、サイロ28内のエアは、エア抜きライン46を介して排ガスライン24にスムーズに吸引される。これにより、サイロ28のエア抜きが行われる。エア抜きされたエアは、排ガスとともにバグフィルタ18の一次側に導入され、フィルタ部材を通過してバグフィルタの二次側から誘引ファン20、煙突22を経て排気される。したがって、エアとともにサイロ28から漏れた薬剤は、バグフィルタ18に導入されて捕集される。これにより、消石灰が外部に漏れることが防止される。
【0020】
消石灰の圧力輸送を停止すると、リミットスイッチ38がこれを感知し、電磁弁48が閉じられる。これにより、サイロ28と排ガスライン24との連通が遮断される。
【0021】
このように本実施の形態の薬剤貯蔵装置10によれば、サイロ28と排ガスライン24とをエア抜きライン46を介して接続したので、サイロ28のエア抜きを行った際に漏れた消石灰をバグフィルタ18で捕集することができる。したがって、エア抜きライン46に高価なベントフィルタを設置する必要がなくなり、薬剤貯蔵装置10のコストを大幅に削減することができる。
【0022】
また、薬剤貯蔵装置10は、排ガスライン24が誘引ファン20によって負圧になっていることを利用しているので、サイロ28のエア抜きをスムーズに行うことができる。
【0023】
さらに、薬剤貯蔵装置10によれば、エア抜きをしたことによってバグフィルタ18のフィルタ部材に消石灰が付着するので、排ガス処理設備12で排ガスを処理した際に処理効率が非常に良い。
【0024】
図2は本発明の他の実施形態を示す要部説明図である。
【0025】
エア抜きライン46Aの途中にサイクロン50を配置し、エアに混入する薬剤の一部をサイクロン50により除去した後に排ガスライン24に送り込む。サイクロン50によって捕集された薬剤は、配管52を介してサイクロン28に戻す。この形態によれば、エア中の薬剤濃度が過大な場合に薬剤の一部をサイクロン50で捕集できるので、エア抜きによるバグフィルタ18での運転不安定要因を最小限に抑えることができる。サイクロン50はベントフィルタに比べて格段に安価であり、保守管理も殆ど必要ないので、低コストの薬剤貯蔵装置を提供するという本発明の目的にも十分に合致する。
【0026】
なお、上述した実施の形態は、薬剤として消石灰を用いたが、これに限定するものではなく、他の種類の粉粒状の薬剤であってもよい。
【0027】
また、エア抜きライン46を排ガスライン24に接続したが、これに限定されず、バグフィルタ18の一次側に直接接続してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る薬剤貯蔵装置によれば、バグフィルタの一次側と貯蔵室とをエア抜きラインを介して接続することによって、貯蔵室のエア抜きを行った際に貯蔵室から漏れた薬剤がバグフィルタに捕集されるようにしたので、ベントフィルタが不要になり、薬剤貯蔵装置のコストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬剤貯蔵装置を用いた排ガス処理設備の構造を示す図
【図2】本発明の他の実施形態を示す要部説明図
【図3】従来の薬剤貯蔵装置を用いた排ガス処理設備の構造を示す図
【符号の説明】
10…薬剤貯蔵装置、12…排ガス処理設備、14…焼却炉、16…冷却装置、18…バグフィルタ、20…誘引ファン、22…煙突、24…排ガスライン、26…注入ライン、28…サイロ、30…定量切出機、32…ブロア、34…受入ライン、36…受入口、38…リミットスイッチ、40…ボール弁、42…タンクローリ、44…ホース、46…エア抜きライン、48…電磁弁

Claims (1)

  1. バグフィルタを備えた排ガス処理設備に注入される粉粒状の薬剤を貯蔵するための貯蔵室を有し、該貯蔵室に前記薬剤が空気式の圧力輸送で供給されて貯蔵される薬剤貯蔵装置において、
    前記貯蔵室は、エア抜きラインを介して前記バグフィルタの一次側に接続され、前記薬剤を空気式の圧力輸送で前記貯蔵室に供給する際には、前記貯蔵室内のエアが前記エア抜きラインを介して前記バグフィルタの一次側にエア抜きされることを特徴とする薬剤貯蔵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101841019B1 (ko) * 2017-08-31 2018-03-22 주식회사 비티에스이엔지 소각발전소에서 발생된 미세분진과 유해가스 동시 처리용 배기가스 처리시스템
JP2018066523A (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 日立造船株式会社 薬剤投入装置および燃焼排ガスの処理設備

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