JP2004033295A - 首振り式剃刀 - Google Patents
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Abstract
【課題】替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる首振り式剃刀を提供する。
【解決手段】替刃カートリッジ12に加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるようにプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110が協働して第2プッシャ71及び支持アーム100を付勢するようにした。このため、例えば替刃カートリッジ12を中立位置に復帰させるように把持用スプリング110により支持アーム100を付勢しないようにした場合に比べて、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】替刃カートリッジ12に加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるようにプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110が協働して第2プッシャ71及び支持アーム100を付勢するようにした。このため、例えば替刃カートリッジ12を中立位置に復帰させるように把持用スプリング110により支持アーム100を付勢しないようにした場合に比べて、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、替刃カートリッジをホルダに対して首振り可能に支持するようにした首振り式剃刀に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の首振り式剃刀としては例えば次のような構成が従来から知られている。即ち、刃体を有する替刃カートリッジには一対の支持孔が互いに離間するように設けられており、ホルダにはこの両支持孔に係入される支持突部を有する一対の支持アームが設けられている。替刃カートリッジは両支持孔にそれぞれ支持突部を係入することにより、両支持アームの支持突部を中心に回動可能に支持され、ホルダに対して首振り可能とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の首振り式剃刀においては、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるためのプッシャが設けられている。しかしながら、このプッシャは替刃カートリッジの中央付近に一つだけ設けられることが多く、替刃カートリッジの中立位置への円滑な復帰の向上には限界があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる首振り式剃刀を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、刃体を有する替刃カートリッジをホルダ側に設けた支持手段により所定方向へ傾動可能に支持すると共に、使用時に支持手段を支点として所定方向に傾動した替刃カートリッジを中立位置に復帰させる復帰手段を備えた首振り式剃刀において、前記復帰手段を複数設け、替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように各復帰手段が協働して前記支持手段を付勢するようにしたことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の首振り式剃刀において、前記支持手段は、替刃カートリッジに当接可能とされた押圧部材及び替刃カートリッジを把持可能とされた一対の把持部材を備え、前記復帰手段は、前記押圧部材を替刃カートリッジに対する当接方向に付勢する第1付勢手段及び両把持部材を替刃カートリッジに対する把持方向に付勢する第2付勢手段を備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の首振り式剃刀において、前記押圧部材及び両把持部材をそれぞれ近接配置するようにしたことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の首振り式剃刀において、前記押圧部材及び両把持部材をそれぞれホルダの内方へ移動可能に構成し、前記替刃カートリッジに所定方向の力が加わったとき、当該替刃カートリッジを前記当接方向とは反対の方向に移動させるようにしたことを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように各復帰手段が協働して前記支持手段を付勢する。このため、付勢手段が例えば一つの場合に比べて、替刃カートリッジの中立位置への復帰がより円滑に行われる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように第1付勢手段及び第2付勢手段が協働して押圧部材及び両把持部材をそれぞれ付勢する。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記押圧部材及び両把持部材はそれぞれ近接配置される。このため、首振り運動を含む所定方向への傾動がより円滑に行われる。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の作用に加えて、前記替刃カートリッジに所定方向の力が加わったとき、当該替刃カートリッジは前記第1付勢手段及び第2付勢手段の付勢力に抗して前記当接方向とは反対の方向に移動する。押圧部材及び両把持部材はそれぞれホルダの内方へ移動する。替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたときには、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように第1付勢手段及び第2付勢手段が協働して押圧部材及び両把持部材を付勢する。替刃カートリッジは前記当接方向に移動する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を首振り式剃刀に具体化した一実施形態を図1〜図8(a),(b)に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、首振り式剃刀11は、替刃カートリッジ12と当該替刃カートリッジ12を首振り可能に支持するホルダ13とを備えている。
(替刃カートリッジ)
図1及び図3(a)に示すように、替刃カートリッジ12は刃台21を備えており、当該刃台21の裏面(ホルダ13装着面)中央には凹部22が形成されている。図3(b)に示すように、凹部22の内底面における刃先側には長孔23が替刃カートリッジ12の長手方向に沿うように形成されている。長孔23の中央付近には一対の規制片24,24が長孔23を3つに区画するように所定間隔をおいて設けられている。
【0013】
また、凹部22の中央部において、両規制片24,24間には被押圧部25が凹部22を2つの室に区画するように形成されている。被押圧部25は断面台形状に形成されており、被押圧部25のホルダ13装着側側面における2つの斜面はそれぞれ被押圧面25aとされている。被押圧部25の刃先側には支持孔26が形成されている。支持孔26は長孔23における両規制片24,24間に連通している。図3(c)に示すように、支持孔26のホルダ13側の面は円弧面26aとされている。また、支持孔26の中央には隔壁27が形成されている。
【0014】
図1に示すように、替刃カートリッジ12の表面上部寄りには髭等を剃るための3枚の刃体28の刃先が露出しており、各刃体28の上方には複数の安全ガード29が設けられている。
【0015】
(機構ユニット)
図2に一点鎖線で示すように、ホルダ13の頭部内には替刃カートリッジ12を首振り可能に支持する機構ユニット31が組み込まれている。機構ユニット31はプッシャ機構32及び把持機構33を備えている。
【0016】
<プッシャ機構>
まず、プッシャ機構32について説明する。プッシャ機構はハウジング41、第1カム部材51、第1プッシャ61、第2プッシャ71及びプッシャ用スプリング81を備えている。
【0017】
(ハウジング)
図4に示すように、プッシャ機構32はハウジング41を備えている。ハウジング41は四角枠状に形成されており、当該ハウジング41の互いに対向する一対の枠材にはそれぞれガイド部42が設けられている。ハウジング41における上部背側の中央にはプッシャガイド溝43(図5(b)参照)が形成されている。ハウジング41の上部内面には、それぞれ規制突部44,44が互いに対向するように形成されている。ハウジング41の内面において両規制突部44,44の上部にはそれぞれアーム支持凹部45,45が形成されている。
【0018】
(第1カム部材)
ハウジング41内には第1カム部材51が配置されている。第1カム部材51は四角枠状に形成されており、図4における左右方向において互いに対向する一対の枠材外面の先端側(図4における上部)にはそれぞれ被ガイド部51a,51aが形成されている。第1カム部材51には一対のガイド孔52,52が図4における上下方向に延びるように形成されている。
【0019】
また、第1カム部材51の上部腹側において、ガイド孔52,52の上部にはそれぞれガイド溝53,53(図4に破線で示す)が形成されている。さらに、第1カム部材51において、図4における左右方向において互いに対向する一対の枠材の腹側下部には、それぞれ当接片54,54(図4に破線で示す)が形成されている。両当接片54,54はそれぞれハウジング41の下部枠材に当接可能とされている。第1カム部材51の上部枠材の上面中央にはスプリング下部支持ピン55が突設されている。
【0020】
第1カム部材51はハウジング41の腹側から重ね合わせられており、被ガイド部51aの背側面とハウジング41のガイド部42の背側面とは互いに摺動可能に接触している。第1カム部材51は両被ガイド部51a,51aがそれぞれハウジング41の両ガイド部42,42にガイドされながらハウジング41に対して相対的に上下動可能とされている。
【0021】
第1カム部材51の中央部枠材の背側側面には、リリースボタン56(図2参照)の底面に形成された一対の嵌合突起(図示略)をそれぞれ嵌合可能とした2つの被嵌合穴57,57が形成されている。ホルダ13の背側壁における頭部寄りには、長孔(図示略)がホルダ13の長手方向に沿うように形成されており、リリースボタン56の2つの嵌合突起はこの長孔を介してそれぞれ被嵌合穴57,57に嵌合されている。
【0022】
リリースボタン56は外部操作により長孔の範囲内において図2及び図4における上下方向にホルダ13の背側壁表面に沿うようにスライド可能となっている。第1カム部材51はリリースボタン56と一体移動可能とされており、リリースボタン56を図2及び図4における上方に移動操作すると、第1カム部材51も上方に移動する。
【0023】
(第1プッシャ)
図4に示すように、第1プッシャ61は逆U字状に形成されている。第1プッシャ61は図4における左右方向において互いに対向する両脚部62,62を備えている。両脚部62,62はそれぞれ第1カム部材51の腹側から重ね合わせられており、両脚部62,62は第1カム部材51のガイド溝53内に摺動可能に配置されている。
【0024】
両脚部62,62における基端部の背側側面にはそれぞれ案内突部63,63が形成されており、両案内突部63,63はそれぞれ第1カム部材51の両ガイド孔52,52内に配置されている。また、両脚部62,62の外面上部寄りにはそれぞれ係止突部64,64が形成されており、両係止突部64,64はそれぞれハウジング41の両規制突部44,44に当接可能とされている。第1プッシャ61の上部腹側には突条65(図5(a)参照)が形成されており、この突条65はハウジング41のプッシャガイド溝43内に配置されている。第1プッシャ61の上部背側には第2プッシャガイド溝66が形成されている。
【0025】
第1プッシャ61は両脚部62,62、両案内突部63,63及び突条65がそれぞれ両ガイド溝53,53、両ガイド孔52,52及びプッシャガイド溝43にガイドされながら第1カム部材51に対して相対的に上下動可能とされている。係止突部64,64がハウジング41の両規制突部44,44に当接することにより第1プッシャ61の図4における上方への移動が規制される。
【0026】
(第2プッシャ)
図4に示すように、第2プッシャ71は第1プッシャ61の背側から重ね合わせられており、当該第2プッシャ71の上部(先端)にはV字状の係合切欠72が形成されている。係合切欠72は替刃カートリッジ12の被押圧部25におけるホルダ13装着側側面(被押圧面25a)に対して係合可能とされている。第2プッシャ71の腹側中央にはガイド突条73が図4における上下方向に延びるように形成されており、当該ガイド突条73は第1プッシャ61の第2プッシャガイド溝66内に配置されている。
【0027】
また、第2プッシャ71の底面にはスプリング上部支持ピン74が突設されおり、当該第2プッシャ71の腹側下部には規制片75が形成されている。第2プッシャ71はガイド突条73が第2プッシャガイド溝66にガイドされながら第1プッシャ61に対して相対的に上下動可能とされている。
【0028】
(プッシャ用スプリング)
図4に示すように、第1カム部材51の上面と第2プッシャ71の底面との間にはプッシャ用スプリング81が介在されている。プッシャ用スプリング81の上下両端部には、第1カム部材51のスプリング下部支持ピン55と第2プッシャ71のスプリング上部支持ピン74とがそれぞれ挿通されている。これにより、プッシャ用スプリング81の第1カム部材51上面及び第2プッシャ71底面に沿う方向への移動が規制される。
【0029】
第1カム部材51及び第2プッシャ71はプッシャ用スプリング81の弾性力により互いに遠ざかる方向へ常時付勢されている。即ち、第1カム部材51は図4における下方へ付勢されており、第2プッシャ71は図4における上方(替刃カートリッジ12に対する当接方向)へ付勢されている。第1カム部材51の下方への移動は両当接片54,54がハウジング41の下部枠材に当接することにより規制される。また、第2プッシャ71の上方への移動は、当該第2プッシャ71の規制片75が第1プッシャ61の上部に形成された当接部(図示略)に当接することにより規制される。
【0030】
<把持機構>
次に、把持機構33について説明する。把持機構33はハウジング41及び第1カム部材51に加えて、第2カム部材91、一対の支持アーム100及び把持用スプリング110を備えている。把持機構33はハウジング41及び第1カム部材51をそれぞれプッシャ機構32と共用する。尚、図5(b)及び図6(b)においては、説明の便宜上第1カム部材51、第1プッシャ61、第2プッシャ71及びプッシャ用スプリング81をそれぞれ省略して図示する。
【0031】
(第2カム部材)
図5(a),(b)に示すように、第2カム部材91の背側側面にはV字条のアームガイド溝92が形成されている。また、第2カム部材91の背側側面の下部には係合溝93がアームガイド溝92に連続するように形成されていると共に、当該係合溝93を間に挟むようにして一対のガイド突部94,94が形成されている。第2カム部材91下部の外側壁には一対の段部95,95が形成されている。
【0032】
第2カム部材91は、両ガイド突部94,94がそれぞれ第1カム部材51の両ガイド孔52,52内に位置するように、第1カム部材51の腹側から重ね合わせられている。そして、第2カム部材91はガイド突部94,94がそれぞれ第1カム部材51の両ガイド孔52,52に案内されながら当該第1カム部材51に対して相対的に上下動可能とされている。また、両段部95,95にはそれぞれ第1カム部材51の当接片54,54が係合可能となっている。従って、第1カム部材51がハウジング41に対して上動すると、第2カム部材91も上動する。
【0033】
(支持アーム)
図5(a),(b)に示すように、両支持アーム100の上部(先端部)には支持突部101が所定方向に突出するように形成されている。支持アーム100の上部側において、支持突部101よりも下の位置には揺動支持部102(図5(b)参照)が支持突部101とは反対方向(外方)に且つ下方へ斜状に突出するように形成されている。支持アーム100において、支持突部101の突出側側縁の中程には把持用スプリング支持ピン103が形成されている。支持アーム100の下部(基端部)には係合突部104が形成されている。
【0034】
両支持アーム100,100はぞれぞれ支持突部101が互いに内方を向いて対向するように配置されており、揺動支持部102はハウジング41のアーム支持凹部45,45内に上方から係合可能となっている。また、支持アーム100の基端部は第2カム部材91のアームガイド溝92内における上部に位置している。支持突部101を含む支持アーム100の先端部はハウジング41の上部開口部及びホルダ13の上部開口部を介して当該ホルダ13の上部から突出している(図2参照)。
【0035】
両支持アーム100,100において、両把持用スプリング支持ピン103,103間には把持用スプリング110が介装されている。把持用スプリング110は両支持アーム100,100の中央部よりも下側に配置されている。このため、両支持アーム100,100の支持突部101を含む先端側は把持用スプリング110の弾性力により互いに近接する方向(閉じ方向)に常時付勢されている。両支持アーム100,100の基端部側は把持用スプリング110の弾性力により互いに離間する方向に常時付勢されている。
【0036】
第2カム部材91が上方に移動、即ち図5(a),(b)に示す位置から図6(a),(b)に移動すると、両支持アーム100,100の基端部はそれぞれ当該第2カム部材91のアームガイド溝92に案内されながら係合溝93側へ、即ち互いに近接する方向へそれぞれ移動する。このとき、両支持アーム100,100の先端部は、それぞれ揺動支持部102がアーム支持凹部45内に入り込むように動作すると共に、両支持突部101,101が互いに離間するように開動作する。
【0037】
(替刃カートリッジの装着状態)
図4に示すように、替刃カートリッジ12の装着状態において、両支持アーム100,100の支持突部101は替刃カートリッジ12の支持孔26に係入されており、把持用スプリング110の弾性力により替刃カートリッジ12の隔壁27を両側から挟持している。また、支持アーム100の先端上行縁(支持突部101の上行縁)は規制片24に接触しており、同じく先端下行縁(支持突部101の下行縁)は支持孔26の円弧面26aに接触している。
【0038】
一方、第2プッシャ71の係合切欠72は替刃カートリッジ12における被押圧部25の被押圧面25aに当接している。そして、第2プッシャ71はプッシャ用スプリング81の弾性力により替刃カートリッジ12を下方から上方に付勢することにより当該替刃カートリッジ12を図4に示す中立位置に保持している。
【0039】
図4に示す中立状態において、支持アーム100の支持突部101は替刃カートリッジ12の支持孔26に係入されているので、当該支持アーム100はプッシャ用スプリング81の弾性力により替刃カートリッジ12と共に上方へ常時付勢されている。これにより、支持アーム100は揺動支持部102がアーム支持凹部45の内底面から浮いた状態で保持されている。そして、この浮いている分だけ支持アーム100はホルダ13の内方(図4における下方)へ移動可能となっている。即ち、替刃カートリッジ12は後述する上下運動を行い得るように両支持アーム100,100及び第2プッシャ71により支持されている。支持アーム100の一部がプッシャガイド溝43の下部に当接することにより当該支持アーム100の上方への移動が規制される。
【0040】
また、替刃カートリッジ12は支持アーム100及び第2プッシャ71により所定方向(後述する前後方向及び左右方向)に傾動可能に支持されている。さらに、図4に示す中立状態において、替刃カートリッジ12は両支持アーム100及び第2プッシャ71の近傍を通過すると共に第2プッシャ71の替刃カートリッジ12に対する当接方向(図4における上方)に沿う線分を回動中心として図3(a),(b)における左右方向に回動可能に支持されている。
【0041】
尚、本実施形態において、隔壁27は被把持部を構成し、第2プッシャ71は支持手段及び押圧部材を構成する。また、プッシャ用スプリング81は復帰手段及び第1付勢手段を構成し、支持アーム100は支持手段及び把持部材を構成する。さらに、把持用スプリング110は復帰手段及び第2付勢手段を構成する。第1プッシャ61、第2プッシャ71、第2カム部材91、支持アーム100及び把持用スプリング110は自動復帰機構を構成する。
【0042】
(替刃カートリッジの取外し作業)
次に、替刃カートリッジ12の取外し作業について説明する。
図4に示すように、替刃カートリッジ12をホルダ13から取り外す場合、リリースボタン56をプッシャ用スプリング81の弾性力に抗してホルダ13の背側側面に沿うように上方へスライドさせる。すると、第1カム部材51は図4における上方へ移動する。これに伴い、支持アーム100の係合突部104は把持用スプリング110の弾性力に抗してアームガイド溝92にガイドされながら係合溝93側へ互いに近接するように移動する。両支持アーム100基端部の閉じ動作に伴って、両支持突部101は互いに離間する方向へ開動作する。
【0043】
そして、第1カム部材51が図6(a),(b)に示す位置まで上動すると、支持アーム100の係合突部104は係合溝93に係合する。把持用スプリング支持ピン103の弾性力よりも、係合突部104の係合溝93に対する係合力の方が大きくなっている。このため、両支持突部101は把持用スプリング支持ピン103の弾性力により閉じ方向に常時付勢されているものの、開状態に保持される。支持突部101による隔壁27の挟持が解除されることにより、替刃カートリッジ12を取外し可能となる。
【0044】
(替刃カートリッジの取付け作業)
次に、替刃カートリッジ12の取付け作業について説明する。
ホルダ13に替刃カートリッジ12を取り付ける場合、図5(a),(b)に示す開状態に保持された支持突部101間に替刃カートリッジ12の被押圧部25を介在させると共に、被押圧部25をプッシャ用スプリング81の弾性力に抗して第2プッシャ71の係合切欠72に対して押しつける。この押圧に伴って第1プッシャ61が徐々に下方へ移動し、当該第1プッシャ61の案内突部63が図6(a)に示す位置に保持された第1カム部材51のガイド突部94に当接する。
【0045】
さらに押圧して、ガイド突部94に作用する押圧力が係合突部104の係合溝93に対する係合力を超えると、第2カム部材91が下方へ移動し、これに伴って支持アーム100の係合突部104が第2カム部材91の係合溝93から離脱する。すると、把持用スプリング支持ピン103の弾性力により、支持アーム100の先端は閉じ方向へ移動し、支持突部101は替刃カートリッジ12の隔壁27を両側から把持する。また基端(係合突部104)は開き方向へアームガイド溝92に案内されながら拡開する。
【0046】
このように、両支持アーム100,100における基端部の係合溝93に対する係合状態を解除することにより、両支持アーム100,100の先端部は閉じ方向に弾性復帰し、替刃カートリッジ12を所定方向に傾動可能に把持する。このため、替刃カートリッジ12を取り付けるためにリリースボタン56を例えば取外し時と逆方向へ操作して、両支持アーム100,100の先端部を開動作させる必要がない。
【0047】
(前後傾動動作)
次に、使用時における替刃カートリッジ12のホルダ13に対する前後傾動運動(首振り運動)について説明する。
【0048】
替刃カートリッジ12が図7(a)に示す中立位置に保持された状態で首振り式剃刀11が使用され、替刃カートリッジ12に対して所定方向の力が加わると、替刃カートリッジ12は次のように動作する。即ち、図7(b)に示すように、替刃カートリッジ12は第2プッシャ71による圧接力(プッシャ用スプリング81の弾性力)に抗して、図7(a),(b)に示す右方向に両支持突部101を支点として回動(傾動)する。図7(b)に示すように、第2プッシャ71は替刃カートリッジ12の回動量に応じてホルダ13内に移動する。
【0049】
前記所定方向の力が解除されると、第2プッシャ71はプッシャ用スプリング81の弾性力により図7(a),(b)における上方へ移動し、第2プッシャ71の係合切欠72は替刃カートリッジ12の被押圧部25に対して下方から圧接する。これにより、替刃カートリッジ12は、図7(a),(b)に示す左方向に両支持突部101を支点として回動し、図7(a)に示す中立位置において静止する。このように、替刃カートリッジ12は両支持突部101を支点として前後傾動運動(図7(a),(b)における右方向及び左方向への回動)を行い得る。
【0050】
(左右傾動運動)
次に、使用時における替刃カートリッジ12のホルダ13に対す左右傾動運動について説明する。
【0051】
替刃カートリッジ12が図4に示す中立位置に保持された状態で首振り式剃刀11が使用され、替刃カートリッジ12に対して所定方向の力が加わると、図8(a),(b)に示すように、傾動側の支持アーム100は把持用スプリング110の弾性力に抗してホルダ13内に移動する。このため、替刃カートリッジ12は図8(a)における右方向、又は図8(b)における左方向に被押圧部25を支点として回動(傾動)する。
【0052】
このとき、傾動側の支持アーム100の支持突部101は替刃カートリッジ12の隔壁27に密着するものの、傾動側ではない方の支持アーム100の支持突部101は隔壁27から離間する。図8(a)における右傾動運動時には左側の支持突部101が隔壁27から離間し、図8(b)における左傾動運動時には右側の支持突部101が隔壁27から離間する。
【0053】
前記所定方向の力が解除されると、傾動側の支持アーム100は把持用スプリング110の弾性力により図8(a),(b)における上方へ移動する。これにより替刃カートリッジ12は、図8(a)に示す左方向、又は図8(b)に示す右方向へ被押圧部25を支点として回動し、図4に示す中立位置において静止する。このように、替刃カートリッジ12は被押圧部25を支点として左右傾動運動を行い得る。
【0054】
(上下運動)
次に、替刃カートリッジ12の上下運動について図9に従って説明する。尚、図9においては、説明の便宜上第1カム部材51、第1プッシャ61、第2プッシャ71及びプッシャ用スプリング81をそれぞれ省略して図示する。
【0055】
替刃カートリッジ12が図9に実線で示す中立位置に保持された状態で首振り式剃刀11が使用され、替刃カートリッジ12に対して所定方向の力が加わると、当該替刃カートリッジ12は次のように動作する。即ち、図4に二点鎖線で示すように、替刃カートリッジ12は、第2プッシャ71による圧接力(プッシャ用スプリング81の弾性力)及び把持用スプリング110の弾性力に抗して図9における下方(第2プッシャ71の替刃カートリッジ12に対する当接方向と反対方向)へ移動する。両支持アーム100の揺動支持部102がハウジング41のアーム支持凹部45に係合することにより、替刃カートリッジ12の下方への移動(両支持アーム100のホルダ13内への移動)が規制される。
【0056】
前記所定方向の力が解除されると、第2プッシャ71及び両支持アーム100,100はそれぞれプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110の弾性力により図9における上方(第2プッシャ71の替刃カートリッジ12に対する当接方向)へ移動する。そして、替刃カートリッジ12は、図9に実線で示す中立位置において静止する。このように、替刃カートリッジ12は第2プッシャ71の進退方向に沿う上下運動を行い得る。
【0057】
(組合わせ運動)
前後傾動運動(首振り運動)、左右傾動運動及び上下運動はそれぞれ単独で行い得るが、それらの運動を適宜組合わせた運動も行い得る。
【0058】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)替刃カートリッジ12に加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるようにプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110が協働して第2プッシャ71及び支持アーム100を付勢するようにした。このため、例えば替刃カートリッジ12を中立位置に復帰させるように把持用スプリング110により支持アーム100を付勢しないようにした場合に比べて、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる。ひいては、顔面等の凹凸に応じて円滑に傾動及び復帰を繰り返すことにより、髭などの剃り味が向上し、使いやすくなる。
【0059】
(2)第2プッシャ71及び両支持アーム100をそれぞれ近接配置するようにした。具体的には、替刃カートリッジ12には第2プッシャ71が当接する被押圧部25を設け、この被押圧部25には両支持アーム100により把持される隔壁27を設けるようにした。このため、首振り運動を含む所定方向への傾動をより円滑に行うことができる。
【0060】
(3)替刃カートリッジ12を取り外したときには両支持アーム100をそれぞれ被把持状態に保持すると共に、替刃カートリッジ12を取り付けるときには両支持アーム100を把持状態に自動復帰させるようにした。このため、替刃カートリッジ12のホルダ13への取付け作業を簡単にすることができる。リリースボタン56を操作する必要もない。
【0061】
(4)替刃カートリッジ12は図7(a),(b)に示す前後傾動運動(いわゆる首振り運動)や図8に示す左右傾動運動だけでなく、それ以外の方向にも運動を行い得るように構成した。例えば、替刃カートリッジ12は図9に示す上下運動をも行い得る。このため、使用時、替刃カートリッジ12は、力のかかる方向へ、より柔軟に追従して動く。従って、剃り味が向上すると共に、使い易くなる。
【0062】
(別例)
尚、前記実施形態は以下のような別例に変更して実施してもよい。
・復帰手段としてプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110(それぞれ圧縮コイルバネ)を使用したが、例えば板ばねやゴム体等に変更してもよい。
【0063】
(付記)
次に前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
・前記替刃カートリッジには前記押圧部材が当接する被押圧部を設け、この被押圧部には両把持部材により把持される被把持部を設けるようにした請求項3に記載の首振り式剃刀。この構成によれば、押圧部材は替刃カートリッジの被押圧部に当接すると共に、この被押圧部は両把持部材により把持される。このため、替刃カートリッジは被押圧部において両把持部材及び押圧部材によりホルダに支持される。従って、押圧部材及び両把持部材をそれぞれ被押圧部の近傍に位置させることができる。
【0064】
・前記替刃カートリッジを取り外したときには両把持部材をそれぞれ被把持状態に保持すると共に、替刃カートリッジを取り付けるときには両把持部材を把持状態に復帰させる自動復帰機構を設けた請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の首振り式剃刀。この構成によれば、前記替刃カートリッジを取り外したときには両把持部材をそれぞれ被把持状態に保持される。替刃カートリッジを取り付けるときには両把持部材は把持状態に自動的に復帰する。このため、替刃カートリッジのホルダへの取付け作業が簡単になる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における首振り式剃刀を腹側から見た斜視図。
【図2】本実施形態における首振り式剃刀を背側から見た斜視図。
【図3】(a)は刃台のホルダ装着面の正面図、(b)は刃台の刃体装着面の正面図、(c)は図3(a)における1−1線断面図。
【図4】機構ユニットを背側からみたときの正面図。
【図5】(a)は閉状態の機構ユニットを腹側から見たときの正面図、(b)は閉状態の機構ユニットを背側からみたときの要部正面図。
【図6】(a)は開状態の機構ユニットを腹側から見たときの正面図、(b)は開状態の機構ユニットを背側からみたときの要部正面図。
【図7】(a)は前後傾動運動を示す首振り式剃刀の要部側面図、(b)は前後傾動運動を示す首振り式剃刀の要部側面図。
【図8】(a)は左右傾動運動を示す首振り式剃刀の要部正面図、(b)は左右傾動運動を示す首振り式剃刀の要部正面図。
【図9】替刃カートリッジの上下運動を示す機構ユニットの要部正断面図。
【符号の説明】
11…首振り式剃刀、12…替刃カートリッジ、13…ホルダ、
25…被押圧部、27…被把持部を構成する隔壁、28…刃体、
71…支持手段及び押圧部材を構成する第2プッシャ、
81…復帰手段及び第1付勢手段を構成するプッシャ用スプリング、
100…支持手段及び把持部材を構成する支持アーム、
110…復帰手段及び第2付勢手段を構成する把持用スプリング。
【発明の属する技術分野】
本発明は、替刃カートリッジをホルダに対して首振り可能に支持するようにした首振り式剃刀に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の首振り式剃刀としては例えば次のような構成が従来から知られている。即ち、刃体を有する替刃カートリッジには一対の支持孔が互いに離間するように設けられており、ホルダにはこの両支持孔に係入される支持突部を有する一対の支持アームが設けられている。替刃カートリッジは両支持孔にそれぞれ支持突部を係入することにより、両支持アームの支持突部を中心に回動可能に支持され、ホルダに対して首振り可能とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の首振り式剃刀においては、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるためのプッシャが設けられている。しかしながら、このプッシャは替刃カートリッジの中央付近に一つだけ設けられることが多く、替刃カートリッジの中立位置への円滑な復帰の向上には限界があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる首振り式剃刀を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、刃体を有する替刃カートリッジをホルダ側に設けた支持手段により所定方向へ傾動可能に支持すると共に、使用時に支持手段を支点として所定方向に傾動した替刃カートリッジを中立位置に復帰させる復帰手段を備えた首振り式剃刀において、前記復帰手段を複数設け、替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように各復帰手段が協働して前記支持手段を付勢するようにしたことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の首振り式剃刀において、前記支持手段は、替刃カートリッジに当接可能とされた押圧部材及び替刃カートリッジを把持可能とされた一対の把持部材を備え、前記復帰手段は、前記押圧部材を替刃カートリッジに対する当接方向に付勢する第1付勢手段及び両把持部材を替刃カートリッジに対する把持方向に付勢する第2付勢手段を備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の首振り式剃刀において、前記押圧部材及び両把持部材をそれぞれ近接配置するようにしたことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の首振り式剃刀において、前記押圧部材及び両把持部材をそれぞれホルダの内方へ移動可能に構成し、前記替刃カートリッジに所定方向の力が加わったとき、当該替刃カートリッジを前記当接方向とは反対の方向に移動させるようにしたことを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように各復帰手段が協働して前記支持手段を付勢する。このため、付勢手段が例えば一つの場合に比べて、替刃カートリッジの中立位置への復帰がより円滑に行われる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように第1付勢手段及び第2付勢手段が協働して押圧部材及び両把持部材をそれぞれ付勢する。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記押圧部材及び両把持部材はそれぞれ近接配置される。このため、首振り運動を含む所定方向への傾動がより円滑に行われる。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の作用に加えて、前記替刃カートリッジに所定方向の力が加わったとき、当該替刃カートリッジは前記第1付勢手段及び第2付勢手段の付勢力に抗して前記当接方向とは反対の方向に移動する。押圧部材及び両把持部材はそれぞれホルダの内方へ移動する。替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたときには、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように第1付勢手段及び第2付勢手段が協働して押圧部材及び両把持部材を付勢する。替刃カートリッジは前記当接方向に移動する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を首振り式剃刀に具体化した一実施形態を図1〜図8(a),(b)に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、首振り式剃刀11は、替刃カートリッジ12と当該替刃カートリッジ12を首振り可能に支持するホルダ13とを備えている。
(替刃カートリッジ)
図1及び図3(a)に示すように、替刃カートリッジ12は刃台21を備えており、当該刃台21の裏面(ホルダ13装着面)中央には凹部22が形成されている。図3(b)に示すように、凹部22の内底面における刃先側には長孔23が替刃カートリッジ12の長手方向に沿うように形成されている。長孔23の中央付近には一対の規制片24,24が長孔23を3つに区画するように所定間隔をおいて設けられている。
【0013】
また、凹部22の中央部において、両規制片24,24間には被押圧部25が凹部22を2つの室に区画するように形成されている。被押圧部25は断面台形状に形成されており、被押圧部25のホルダ13装着側側面における2つの斜面はそれぞれ被押圧面25aとされている。被押圧部25の刃先側には支持孔26が形成されている。支持孔26は長孔23における両規制片24,24間に連通している。図3(c)に示すように、支持孔26のホルダ13側の面は円弧面26aとされている。また、支持孔26の中央には隔壁27が形成されている。
【0014】
図1に示すように、替刃カートリッジ12の表面上部寄りには髭等を剃るための3枚の刃体28の刃先が露出しており、各刃体28の上方には複数の安全ガード29が設けられている。
【0015】
(機構ユニット)
図2に一点鎖線で示すように、ホルダ13の頭部内には替刃カートリッジ12を首振り可能に支持する機構ユニット31が組み込まれている。機構ユニット31はプッシャ機構32及び把持機構33を備えている。
【0016】
<プッシャ機構>
まず、プッシャ機構32について説明する。プッシャ機構はハウジング41、第1カム部材51、第1プッシャ61、第2プッシャ71及びプッシャ用スプリング81を備えている。
【0017】
(ハウジング)
図4に示すように、プッシャ機構32はハウジング41を備えている。ハウジング41は四角枠状に形成されており、当該ハウジング41の互いに対向する一対の枠材にはそれぞれガイド部42が設けられている。ハウジング41における上部背側の中央にはプッシャガイド溝43(図5(b)参照)が形成されている。ハウジング41の上部内面には、それぞれ規制突部44,44が互いに対向するように形成されている。ハウジング41の内面において両規制突部44,44の上部にはそれぞれアーム支持凹部45,45が形成されている。
【0018】
(第1カム部材)
ハウジング41内には第1カム部材51が配置されている。第1カム部材51は四角枠状に形成されており、図4における左右方向において互いに対向する一対の枠材外面の先端側(図4における上部)にはそれぞれ被ガイド部51a,51aが形成されている。第1カム部材51には一対のガイド孔52,52が図4における上下方向に延びるように形成されている。
【0019】
また、第1カム部材51の上部腹側において、ガイド孔52,52の上部にはそれぞれガイド溝53,53(図4に破線で示す)が形成されている。さらに、第1カム部材51において、図4における左右方向において互いに対向する一対の枠材の腹側下部には、それぞれ当接片54,54(図4に破線で示す)が形成されている。両当接片54,54はそれぞれハウジング41の下部枠材に当接可能とされている。第1カム部材51の上部枠材の上面中央にはスプリング下部支持ピン55が突設されている。
【0020】
第1カム部材51はハウジング41の腹側から重ね合わせられており、被ガイド部51aの背側面とハウジング41のガイド部42の背側面とは互いに摺動可能に接触している。第1カム部材51は両被ガイド部51a,51aがそれぞれハウジング41の両ガイド部42,42にガイドされながらハウジング41に対して相対的に上下動可能とされている。
【0021】
第1カム部材51の中央部枠材の背側側面には、リリースボタン56(図2参照)の底面に形成された一対の嵌合突起(図示略)をそれぞれ嵌合可能とした2つの被嵌合穴57,57が形成されている。ホルダ13の背側壁における頭部寄りには、長孔(図示略)がホルダ13の長手方向に沿うように形成されており、リリースボタン56の2つの嵌合突起はこの長孔を介してそれぞれ被嵌合穴57,57に嵌合されている。
【0022】
リリースボタン56は外部操作により長孔の範囲内において図2及び図4における上下方向にホルダ13の背側壁表面に沿うようにスライド可能となっている。第1カム部材51はリリースボタン56と一体移動可能とされており、リリースボタン56を図2及び図4における上方に移動操作すると、第1カム部材51も上方に移動する。
【0023】
(第1プッシャ)
図4に示すように、第1プッシャ61は逆U字状に形成されている。第1プッシャ61は図4における左右方向において互いに対向する両脚部62,62を備えている。両脚部62,62はそれぞれ第1カム部材51の腹側から重ね合わせられており、両脚部62,62は第1カム部材51のガイド溝53内に摺動可能に配置されている。
【0024】
両脚部62,62における基端部の背側側面にはそれぞれ案内突部63,63が形成されており、両案内突部63,63はそれぞれ第1カム部材51の両ガイド孔52,52内に配置されている。また、両脚部62,62の外面上部寄りにはそれぞれ係止突部64,64が形成されており、両係止突部64,64はそれぞれハウジング41の両規制突部44,44に当接可能とされている。第1プッシャ61の上部腹側には突条65(図5(a)参照)が形成されており、この突条65はハウジング41のプッシャガイド溝43内に配置されている。第1プッシャ61の上部背側には第2プッシャガイド溝66が形成されている。
【0025】
第1プッシャ61は両脚部62,62、両案内突部63,63及び突条65がそれぞれ両ガイド溝53,53、両ガイド孔52,52及びプッシャガイド溝43にガイドされながら第1カム部材51に対して相対的に上下動可能とされている。係止突部64,64がハウジング41の両規制突部44,44に当接することにより第1プッシャ61の図4における上方への移動が規制される。
【0026】
(第2プッシャ)
図4に示すように、第2プッシャ71は第1プッシャ61の背側から重ね合わせられており、当該第2プッシャ71の上部(先端)にはV字状の係合切欠72が形成されている。係合切欠72は替刃カートリッジ12の被押圧部25におけるホルダ13装着側側面(被押圧面25a)に対して係合可能とされている。第2プッシャ71の腹側中央にはガイド突条73が図4における上下方向に延びるように形成されており、当該ガイド突条73は第1プッシャ61の第2プッシャガイド溝66内に配置されている。
【0027】
また、第2プッシャ71の底面にはスプリング上部支持ピン74が突設されおり、当該第2プッシャ71の腹側下部には規制片75が形成されている。第2プッシャ71はガイド突条73が第2プッシャガイド溝66にガイドされながら第1プッシャ61に対して相対的に上下動可能とされている。
【0028】
(プッシャ用スプリング)
図4に示すように、第1カム部材51の上面と第2プッシャ71の底面との間にはプッシャ用スプリング81が介在されている。プッシャ用スプリング81の上下両端部には、第1カム部材51のスプリング下部支持ピン55と第2プッシャ71のスプリング上部支持ピン74とがそれぞれ挿通されている。これにより、プッシャ用スプリング81の第1カム部材51上面及び第2プッシャ71底面に沿う方向への移動が規制される。
【0029】
第1カム部材51及び第2プッシャ71はプッシャ用スプリング81の弾性力により互いに遠ざかる方向へ常時付勢されている。即ち、第1カム部材51は図4における下方へ付勢されており、第2プッシャ71は図4における上方(替刃カートリッジ12に対する当接方向)へ付勢されている。第1カム部材51の下方への移動は両当接片54,54がハウジング41の下部枠材に当接することにより規制される。また、第2プッシャ71の上方への移動は、当該第2プッシャ71の規制片75が第1プッシャ61の上部に形成された当接部(図示略)に当接することにより規制される。
【0030】
<把持機構>
次に、把持機構33について説明する。把持機構33はハウジング41及び第1カム部材51に加えて、第2カム部材91、一対の支持アーム100及び把持用スプリング110を備えている。把持機構33はハウジング41及び第1カム部材51をそれぞれプッシャ機構32と共用する。尚、図5(b)及び図6(b)においては、説明の便宜上第1カム部材51、第1プッシャ61、第2プッシャ71及びプッシャ用スプリング81をそれぞれ省略して図示する。
【0031】
(第2カム部材)
図5(a),(b)に示すように、第2カム部材91の背側側面にはV字条のアームガイド溝92が形成されている。また、第2カム部材91の背側側面の下部には係合溝93がアームガイド溝92に連続するように形成されていると共に、当該係合溝93を間に挟むようにして一対のガイド突部94,94が形成されている。第2カム部材91下部の外側壁には一対の段部95,95が形成されている。
【0032】
第2カム部材91は、両ガイド突部94,94がそれぞれ第1カム部材51の両ガイド孔52,52内に位置するように、第1カム部材51の腹側から重ね合わせられている。そして、第2カム部材91はガイド突部94,94がそれぞれ第1カム部材51の両ガイド孔52,52に案内されながら当該第1カム部材51に対して相対的に上下動可能とされている。また、両段部95,95にはそれぞれ第1カム部材51の当接片54,54が係合可能となっている。従って、第1カム部材51がハウジング41に対して上動すると、第2カム部材91も上動する。
【0033】
(支持アーム)
図5(a),(b)に示すように、両支持アーム100の上部(先端部)には支持突部101が所定方向に突出するように形成されている。支持アーム100の上部側において、支持突部101よりも下の位置には揺動支持部102(図5(b)参照)が支持突部101とは反対方向(外方)に且つ下方へ斜状に突出するように形成されている。支持アーム100において、支持突部101の突出側側縁の中程には把持用スプリング支持ピン103が形成されている。支持アーム100の下部(基端部)には係合突部104が形成されている。
【0034】
両支持アーム100,100はぞれぞれ支持突部101が互いに内方を向いて対向するように配置されており、揺動支持部102はハウジング41のアーム支持凹部45,45内に上方から係合可能となっている。また、支持アーム100の基端部は第2カム部材91のアームガイド溝92内における上部に位置している。支持突部101を含む支持アーム100の先端部はハウジング41の上部開口部及びホルダ13の上部開口部を介して当該ホルダ13の上部から突出している(図2参照)。
【0035】
両支持アーム100,100において、両把持用スプリング支持ピン103,103間には把持用スプリング110が介装されている。把持用スプリング110は両支持アーム100,100の中央部よりも下側に配置されている。このため、両支持アーム100,100の支持突部101を含む先端側は把持用スプリング110の弾性力により互いに近接する方向(閉じ方向)に常時付勢されている。両支持アーム100,100の基端部側は把持用スプリング110の弾性力により互いに離間する方向に常時付勢されている。
【0036】
第2カム部材91が上方に移動、即ち図5(a),(b)に示す位置から図6(a),(b)に移動すると、両支持アーム100,100の基端部はそれぞれ当該第2カム部材91のアームガイド溝92に案内されながら係合溝93側へ、即ち互いに近接する方向へそれぞれ移動する。このとき、両支持アーム100,100の先端部は、それぞれ揺動支持部102がアーム支持凹部45内に入り込むように動作すると共に、両支持突部101,101が互いに離間するように開動作する。
【0037】
(替刃カートリッジの装着状態)
図4に示すように、替刃カートリッジ12の装着状態において、両支持アーム100,100の支持突部101は替刃カートリッジ12の支持孔26に係入されており、把持用スプリング110の弾性力により替刃カートリッジ12の隔壁27を両側から挟持している。また、支持アーム100の先端上行縁(支持突部101の上行縁)は規制片24に接触しており、同じく先端下行縁(支持突部101の下行縁)は支持孔26の円弧面26aに接触している。
【0038】
一方、第2プッシャ71の係合切欠72は替刃カートリッジ12における被押圧部25の被押圧面25aに当接している。そして、第2プッシャ71はプッシャ用スプリング81の弾性力により替刃カートリッジ12を下方から上方に付勢することにより当該替刃カートリッジ12を図4に示す中立位置に保持している。
【0039】
図4に示す中立状態において、支持アーム100の支持突部101は替刃カートリッジ12の支持孔26に係入されているので、当該支持アーム100はプッシャ用スプリング81の弾性力により替刃カートリッジ12と共に上方へ常時付勢されている。これにより、支持アーム100は揺動支持部102がアーム支持凹部45の内底面から浮いた状態で保持されている。そして、この浮いている分だけ支持アーム100はホルダ13の内方(図4における下方)へ移動可能となっている。即ち、替刃カートリッジ12は後述する上下運動を行い得るように両支持アーム100,100及び第2プッシャ71により支持されている。支持アーム100の一部がプッシャガイド溝43の下部に当接することにより当該支持アーム100の上方への移動が規制される。
【0040】
また、替刃カートリッジ12は支持アーム100及び第2プッシャ71により所定方向(後述する前後方向及び左右方向)に傾動可能に支持されている。さらに、図4に示す中立状態において、替刃カートリッジ12は両支持アーム100及び第2プッシャ71の近傍を通過すると共に第2プッシャ71の替刃カートリッジ12に対する当接方向(図4における上方)に沿う線分を回動中心として図3(a),(b)における左右方向に回動可能に支持されている。
【0041】
尚、本実施形態において、隔壁27は被把持部を構成し、第2プッシャ71は支持手段及び押圧部材を構成する。また、プッシャ用スプリング81は復帰手段及び第1付勢手段を構成し、支持アーム100は支持手段及び把持部材を構成する。さらに、把持用スプリング110は復帰手段及び第2付勢手段を構成する。第1プッシャ61、第2プッシャ71、第2カム部材91、支持アーム100及び把持用スプリング110は自動復帰機構を構成する。
【0042】
(替刃カートリッジの取外し作業)
次に、替刃カートリッジ12の取外し作業について説明する。
図4に示すように、替刃カートリッジ12をホルダ13から取り外す場合、リリースボタン56をプッシャ用スプリング81の弾性力に抗してホルダ13の背側側面に沿うように上方へスライドさせる。すると、第1カム部材51は図4における上方へ移動する。これに伴い、支持アーム100の係合突部104は把持用スプリング110の弾性力に抗してアームガイド溝92にガイドされながら係合溝93側へ互いに近接するように移動する。両支持アーム100基端部の閉じ動作に伴って、両支持突部101は互いに離間する方向へ開動作する。
【0043】
そして、第1カム部材51が図6(a),(b)に示す位置まで上動すると、支持アーム100の係合突部104は係合溝93に係合する。把持用スプリング支持ピン103の弾性力よりも、係合突部104の係合溝93に対する係合力の方が大きくなっている。このため、両支持突部101は把持用スプリング支持ピン103の弾性力により閉じ方向に常時付勢されているものの、開状態に保持される。支持突部101による隔壁27の挟持が解除されることにより、替刃カートリッジ12を取外し可能となる。
【0044】
(替刃カートリッジの取付け作業)
次に、替刃カートリッジ12の取付け作業について説明する。
ホルダ13に替刃カートリッジ12を取り付ける場合、図5(a),(b)に示す開状態に保持された支持突部101間に替刃カートリッジ12の被押圧部25を介在させると共に、被押圧部25をプッシャ用スプリング81の弾性力に抗して第2プッシャ71の係合切欠72に対して押しつける。この押圧に伴って第1プッシャ61が徐々に下方へ移動し、当該第1プッシャ61の案内突部63が図6(a)に示す位置に保持された第1カム部材51のガイド突部94に当接する。
【0045】
さらに押圧して、ガイド突部94に作用する押圧力が係合突部104の係合溝93に対する係合力を超えると、第2カム部材91が下方へ移動し、これに伴って支持アーム100の係合突部104が第2カム部材91の係合溝93から離脱する。すると、把持用スプリング支持ピン103の弾性力により、支持アーム100の先端は閉じ方向へ移動し、支持突部101は替刃カートリッジ12の隔壁27を両側から把持する。また基端(係合突部104)は開き方向へアームガイド溝92に案内されながら拡開する。
【0046】
このように、両支持アーム100,100における基端部の係合溝93に対する係合状態を解除することにより、両支持アーム100,100の先端部は閉じ方向に弾性復帰し、替刃カートリッジ12を所定方向に傾動可能に把持する。このため、替刃カートリッジ12を取り付けるためにリリースボタン56を例えば取外し時と逆方向へ操作して、両支持アーム100,100の先端部を開動作させる必要がない。
【0047】
(前後傾動動作)
次に、使用時における替刃カートリッジ12のホルダ13に対する前後傾動運動(首振り運動)について説明する。
【0048】
替刃カートリッジ12が図7(a)に示す中立位置に保持された状態で首振り式剃刀11が使用され、替刃カートリッジ12に対して所定方向の力が加わると、替刃カートリッジ12は次のように動作する。即ち、図7(b)に示すように、替刃カートリッジ12は第2プッシャ71による圧接力(プッシャ用スプリング81の弾性力)に抗して、図7(a),(b)に示す右方向に両支持突部101を支点として回動(傾動)する。図7(b)に示すように、第2プッシャ71は替刃カートリッジ12の回動量に応じてホルダ13内に移動する。
【0049】
前記所定方向の力が解除されると、第2プッシャ71はプッシャ用スプリング81の弾性力により図7(a),(b)における上方へ移動し、第2プッシャ71の係合切欠72は替刃カートリッジ12の被押圧部25に対して下方から圧接する。これにより、替刃カートリッジ12は、図7(a),(b)に示す左方向に両支持突部101を支点として回動し、図7(a)に示す中立位置において静止する。このように、替刃カートリッジ12は両支持突部101を支点として前後傾動運動(図7(a),(b)における右方向及び左方向への回動)を行い得る。
【0050】
(左右傾動運動)
次に、使用時における替刃カートリッジ12のホルダ13に対す左右傾動運動について説明する。
【0051】
替刃カートリッジ12が図4に示す中立位置に保持された状態で首振り式剃刀11が使用され、替刃カートリッジ12に対して所定方向の力が加わると、図8(a),(b)に示すように、傾動側の支持アーム100は把持用スプリング110の弾性力に抗してホルダ13内に移動する。このため、替刃カートリッジ12は図8(a)における右方向、又は図8(b)における左方向に被押圧部25を支点として回動(傾動)する。
【0052】
このとき、傾動側の支持アーム100の支持突部101は替刃カートリッジ12の隔壁27に密着するものの、傾動側ではない方の支持アーム100の支持突部101は隔壁27から離間する。図8(a)における右傾動運動時には左側の支持突部101が隔壁27から離間し、図8(b)における左傾動運動時には右側の支持突部101が隔壁27から離間する。
【0053】
前記所定方向の力が解除されると、傾動側の支持アーム100は把持用スプリング110の弾性力により図8(a),(b)における上方へ移動する。これにより替刃カートリッジ12は、図8(a)に示す左方向、又は図8(b)に示す右方向へ被押圧部25を支点として回動し、図4に示す中立位置において静止する。このように、替刃カートリッジ12は被押圧部25を支点として左右傾動運動を行い得る。
【0054】
(上下運動)
次に、替刃カートリッジ12の上下運動について図9に従って説明する。尚、図9においては、説明の便宜上第1カム部材51、第1プッシャ61、第2プッシャ71及びプッシャ用スプリング81をそれぞれ省略して図示する。
【0055】
替刃カートリッジ12が図9に実線で示す中立位置に保持された状態で首振り式剃刀11が使用され、替刃カートリッジ12に対して所定方向の力が加わると、当該替刃カートリッジ12は次のように動作する。即ち、図4に二点鎖線で示すように、替刃カートリッジ12は、第2プッシャ71による圧接力(プッシャ用スプリング81の弾性力)及び把持用スプリング110の弾性力に抗して図9における下方(第2プッシャ71の替刃カートリッジ12に対する当接方向と反対方向)へ移動する。両支持アーム100の揺動支持部102がハウジング41のアーム支持凹部45に係合することにより、替刃カートリッジ12の下方への移動(両支持アーム100のホルダ13内への移動)が規制される。
【0056】
前記所定方向の力が解除されると、第2プッシャ71及び両支持アーム100,100はそれぞれプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110の弾性力により図9における上方(第2プッシャ71の替刃カートリッジ12に対する当接方向)へ移動する。そして、替刃カートリッジ12は、図9に実線で示す中立位置において静止する。このように、替刃カートリッジ12は第2プッシャ71の進退方向に沿う上下運動を行い得る。
【0057】
(組合わせ運動)
前後傾動運動(首振り運動)、左右傾動運動及び上下運動はそれぞれ単独で行い得るが、それらの運動を適宜組合わせた運動も行い得る。
【0058】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)替刃カートリッジ12に加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるようにプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110が協働して第2プッシャ71及び支持アーム100を付勢するようにした。このため、例えば替刃カートリッジ12を中立位置に復帰させるように把持用スプリング110により支持アーム100を付勢しないようにした場合に比べて、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる。ひいては、顔面等の凹凸に応じて円滑に傾動及び復帰を繰り返すことにより、髭などの剃り味が向上し、使いやすくなる。
【0059】
(2)第2プッシャ71及び両支持アーム100をそれぞれ近接配置するようにした。具体的には、替刃カートリッジ12には第2プッシャ71が当接する被押圧部25を設け、この被押圧部25には両支持アーム100により把持される隔壁27を設けるようにした。このため、首振り運動を含む所定方向への傾動をより円滑に行うことができる。
【0060】
(3)替刃カートリッジ12を取り外したときには両支持アーム100をそれぞれ被把持状態に保持すると共に、替刃カートリッジ12を取り付けるときには両支持アーム100を把持状態に自動復帰させるようにした。このため、替刃カートリッジ12のホルダ13への取付け作業を簡単にすることができる。リリースボタン56を操作する必要もない。
【0061】
(4)替刃カートリッジ12は図7(a),(b)に示す前後傾動運動(いわゆる首振り運動)や図8に示す左右傾動運動だけでなく、それ以外の方向にも運動を行い得るように構成した。例えば、替刃カートリッジ12は図9に示す上下運動をも行い得る。このため、使用時、替刃カートリッジ12は、力のかかる方向へ、より柔軟に追従して動く。従って、剃り味が向上すると共に、使い易くなる。
【0062】
(別例)
尚、前記実施形態は以下のような別例に変更して実施してもよい。
・復帰手段としてプッシャ用スプリング81及び把持用スプリング110(それぞれ圧縮コイルバネ)を使用したが、例えば板ばねやゴム体等に変更してもよい。
【0063】
(付記)
次に前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
・前記替刃カートリッジには前記押圧部材が当接する被押圧部を設け、この被押圧部には両把持部材により把持される被把持部を設けるようにした請求項3に記載の首振り式剃刀。この構成によれば、押圧部材は替刃カートリッジの被押圧部に当接すると共に、この被押圧部は両把持部材により把持される。このため、替刃カートリッジは被押圧部において両把持部材及び押圧部材によりホルダに支持される。従って、押圧部材及び両把持部材をそれぞれ被押圧部の近傍に位置させることができる。
【0064】
・前記替刃カートリッジを取り外したときには両把持部材をそれぞれ被把持状態に保持すると共に、替刃カートリッジを取り付けるときには両把持部材を把持状態に復帰させる自動復帰機構を設けた請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の首振り式剃刀。この構成によれば、前記替刃カートリッジを取り外したときには両把持部材をそれぞれ被把持状態に保持される。替刃カートリッジを取り付けるときには両把持部材は把持状態に自動的に復帰する。このため、替刃カートリッジのホルダへの取付け作業が簡単になる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、替刃カートリッジの中立位置への復帰をより円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における首振り式剃刀を腹側から見た斜視図。
【図2】本実施形態における首振り式剃刀を背側から見た斜視図。
【図3】(a)は刃台のホルダ装着面の正面図、(b)は刃台の刃体装着面の正面図、(c)は図3(a)における1−1線断面図。
【図4】機構ユニットを背側からみたときの正面図。
【図5】(a)は閉状態の機構ユニットを腹側から見たときの正面図、(b)は閉状態の機構ユニットを背側からみたときの要部正面図。
【図6】(a)は開状態の機構ユニットを腹側から見たときの正面図、(b)は開状態の機構ユニットを背側からみたときの要部正面図。
【図7】(a)は前後傾動運動を示す首振り式剃刀の要部側面図、(b)は前後傾動運動を示す首振り式剃刀の要部側面図。
【図8】(a)は左右傾動運動を示す首振り式剃刀の要部正面図、(b)は左右傾動運動を示す首振り式剃刀の要部正面図。
【図9】替刃カートリッジの上下運動を示す機構ユニットの要部正断面図。
【符号の説明】
11…首振り式剃刀、12…替刃カートリッジ、13…ホルダ、
25…被押圧部、27…被把持部を構成する隔壁、28…刃体、
71…支持手段及び押圧部材を構成する第2プッシャ、
81…復帰手段及び第1付勢手段を構成するプッシャ用スプリング、
100…支持手段及び把持部材を構成する支持アーム、
110…復帰手段及び第2付勢手段を構成する把持用スプリング。
Claims (4)
- 刃体を有する替刃カートリッジをホルダ側に設けた支持手段により所定方向へ傾動可能に支持すると共に、使用時に支持手段を支点として所定方向に傾動した替刃カートリッジを中立位置に復帰させる復帰手段を備えた首振り式剃刀において、
前記復帰手段を複数設け、替刃カートリッジに加わる所定方向の力が解除されたとき、替刃カートリッジを中立位置に復帰させるように各復帰手段が協働して前記支持手段を付勢するようにした首振り式剃刀。 - 前記支持手段は、替刃カートリッジに当接可能とされた押圧部材及び替刃カートリッジを把持可能とされた一対の把持部材を備え、
前記復帰手段は、前記押圧部材を替刃カートリッジに対する当接方向に付勢する第1付勢手段及び両把持部材を替刃カートリッジに対する把持方向に付勢する第2付勢手段を備えた請求項1に記載の首振り式剃刀。 - 前記押圧部材及び両把持部材をそれぞれ近接配置するようにした請求項2に記載の首振り式剃刀。
- 前記押圧部材及び両把持部材をそれぞれホルダの内方へ移動可能に構成し、前記替刃カートリッジに所定方向の力が加わったとき、当該替刃カートリッジを前記当接方向とは反対の方向に移動させるようにした請求項2又は請求項3に記載の首振り式剃刀。
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