JP3730802B2 - かみそり - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、かみそりに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平11−9856号公報に記載のかみそりのホルダが知られている。前記ホルダの先端部には替刃カートリッジを着脱可能なかみそりヘッドが設けられている。前記ヘッドには、替刃カートリッジをホルダに対して、替刃の長手方向に沿った仮想軸線の周りで回動可能となるように支持する一対の係合アームが設けられている。各係合アームは、ヘッドに対して前後方向に独立に摺動自在に配置され、このことにより替刃カートリッジは、替刃の厚さ方向へ揺動自在にされている。又、両係合アーム間には、替刃カートリッジの裏面側をスプリングによって付勢された押圧部材が当接され、髭剃り時における替刃カートリッジの仮想軸線の周りの回動がされた際に、替刃カートリッジの回動復帰を行うようにされている。
【0003】
この構成によって、髭剃りの際には、前記係合アームや、押圧部材の作用により、顔面の凹凸に応じて刃体の厚さ方向や、刃体の幅方向に替刃カートリッジが傾動して、髭剃りを行うことができるようにされている。
【0004】
又、替刃カートリッジに装着された刃体そのものを替刃カートリッジ本体に対して刃幅方向に移動自在にする機構を設けた技術も提案されている(特開平5−184740号公報)。
【0005】
さらに、上記の両技術を組み合わせたかみそりのホルダも知られている。この両技術を組み合わせたかみそりのホルダは、かみそりの刃体が、替刃の厚み方向の移動と、替刃の幅方向の移動とが組み合わさって、いわゆる三次元的(立体的)な刃体の移動が可能となる。即ち、顔面の立体的な凹凸に応じて、刃体は係合アームのヘッドに対する前後方向への移動、替刃カートリッジの仮想軸線周りでの回動、及び刃体の替刃カートリッジ本体に対する刃幅方向への移動が組み合わさった状態で行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、両技術を組み合わせたかみそりのホルダの場合、三次元的(立体的)な替刃の移動が可能ではあるものの、係合アームのヘッドに対する前後方向への移動、替刃カートリッジの仮想軸線周りでの回動、及び刃体の替刃カートリッジ本体に対する刃幅方向への移動のための機構はそれぞれ独立した機構、或いは部材にて構成されているため、部品点数が多くなり、コスト高となる問題がある。
【0007】
又、各別の機構、部材を組み合わせる場合、それぞれによって刃体のスムーズな動きを得る必要があるが、他の機構による刃体の動きのスムーズな動きを干渉しないように、各機構の厳密な位置調整を行って、機構を組み立てる必要がある。従って、その調整作業が難しい問題がある。
【0008】
本発明の目的は、替刃カートリッジをホルダに対して、顔面等の凹凸に応じて刃体の厚さ方向、幅方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に支持する自在継手手段を共通化することにより、小型化を図ることができるかみそりを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、替刃カートリッジをホルダに設けた自在継手手段によって刃体のP方向、Q方向、R方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に支持するとともに、替刃カートリッジを傾動前の元位置に復帰させる復元手段を備えたかみそりであって、前記自在継手手段は、互いに相対する方向に向かって延設された係合突部を含む少なくとも一対の把持部材を備え、前記復元手段は、前記替刃カートリッジに当接する押圧部材と、前記押圧部材を前記替刃カートリッジに対して当接方向に付勢する付勢手段とを備え、前記替刃カートリッジは、前記把持部材により把持される被挟着部と、前記被挟着部の先端に設けられ前記押圧部材の付勢力を受ける被押圧部とを備えることを要旨としている。
ここで、P方向とは、刃先端側から見たときに、被挟着部を中心に回転する方向であり、Q方向とは、刃面と垂直で被挟着部を通る軸を中心に回転する方向であり、R方向とは把持部材の各係合突部を結ぶ軸を中心に回転する方向のことを言う。また、傾動とは、元位置からP方向、Q方向又はR方向に動くことを言う。
【0010】
従って、請求項1の発明では、少なくとも一対の把持部材に設けられた係合突部によって、替刃カートリッジの被支持部が挟着され、P方向、Q方向、R方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に把持される。さらに、押圧部材が付勢手段の付勢力によって替刃カートリッジの被押圧部に当接されると、替刃カートリッジは傾動前の元位置に復帰される。
【0011】
又、少なくとも一対の把持部材を共通化することにより、それぞれ独立した機構にて替刃カートリッジを前記各方向へ傾動自在に支持する場合に比較して、各機構の厳密な位置調整を行って、機構を組み立てる必要はなく、調整作業を殆ど行う必要はない。又、各機構が互いに干渉することが回避されるため、替刃カートリッジはスムーズに動く。
【0012】
請求項2の発明は、替刃カートリッジをホルダに設けた自在継手手段によって刃体のP方向、Q方向、R方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に支持するとともに、替刃カートリッジを傾動前の元位置に復帰させる復元手段を備えたかみそりであって、前記自在継手手段は、互いに相対する方向に向かって延設された係合突部を含む少なくとも一対の把持部材を備え、前記復元手段は、前記替刃カートリッジに当接する押圧部材と、前記押圧部材を前記替刃カートリッジに対して当接方向に付勢する付勢手段とを備え、前記替刃カートリッジは、前記把持部材により把持される被挟着部と、前記押圧部材の付勢力を受ける被押圧部とを備え、前記把持部材が前記被挟着部を把持する状態で、前記把持部材の係合突部の先端どうしが離間する幅を、前記離間する方向における前記被押圧部の幅より短く構成したことを要旨としている。
【0013】
従って、請求項2の発明では、少なくとも一対の把持部材に設けられた係合突部によって、替刃カートリッジの被支持部が挟着され、P方向、Q方向、R方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に把持される。さらに、押圧部材が付勢手段の付勢力によって替刃カートリッジの被押圧部に当接されると、替刃カートリッジは傾動前の元位置に復帰される。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記把持部材は、替刃カートリッジがQ方向に傾動され、前記被挟着部にて各把持部材の係合突部が互いに離間する方向に押圧された際、非傾動時よりも離間変位するように構成したものであることを要旨としている。
【0015】
従って、請求項3の発明では、前記請求項1又は請求項2の発明の作用に加えて、替刃カートリッジがその中央部を中心にしてQ方向に傾動され、被挟着部にて各把持部材の係合突部が互いに離間する方向に押圧されると、把持部材は非傾動時よりも離間変位され、その状態で被挟着部を挟着支持する。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、前記係合突部の前記被挟着部に対する当接面は、R方向に沿って円弧状に形成され、前記把持部材は、前記係合突部の当接面に沿って替刃カートリッジをR方向へ回動自在に支持するものであることを要旨としている。
【0017】
従って、請求項4の発明では、前記請求項1〜請求項3のうち何れか一項の発明の作用に加えて、把持部材によって、替刃カートリッジは係合突部の当接面に沿ってR方向へ回動自在に支持される。
【0018】
請求項5の発明は、請求項〜請求項4のうち何れか一項に記載の発明において、前記把持部材は替刃カートリッジの前記被挟着部を弾性的に挟着支持していることを要旨としている。
【0019】
従って、請求項5の発明では、前記請求項〜請求項4のうち何れか一項の発明の作用に加えて、替刃カートリッジの被挟着部は把持部材によって弾性的に挟着支持される。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の発明において、前記押圧部材は、カム面を備え、同カム面は前記被押圧部に当接した際のカム作用により替刃カートリッジを傾動前の元位置に復帰させるものであることを要旨としている。
【0021】
従って、請求項6の発明では、前記請求項1〜請求項5のうち何れか一項の発明の作用に加えて、押圧部材のカム面が付勢手段の付勢力によって替刃カートリッジの被押圧部に当接されると、カム作用によって替刃カートリッジは傾動前の元位置に復帰される。
【0022】
請求項7の発明は、請求項6に記載の発明において、前記押圧部材のカム面は、V字状をなす一対の斜状の面にて構成され、前記カム面に当接する前記被押圧部の部位は前記斜状の面間に係入可能にV字状の一対の当接面が形成され、前記斜状の面同士のなす角度をαとし、当接面同士がなす角度をβとしたとき、α≦βとしたことを要旨としている。
【0023】
従って、請求項7の発明では、前記請求項の発明の作用に加えて、押圧部材のカム面における斜状の面同士のなす角度αを、替刃カートリッジの被押圧部における当接面同士がなす角度βよりも小さいか又は等しくしたことにより、カム面(一対の斜状の面)に被支持部(一対の当接面)を係入した際、カム作用が確実に発揮される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、髭剃り等に使用される安全剃刀に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
【0027】
図1に示すように、かみそりとしての安全剃刀1はホルダ2と替刃カートリッジ3とにより略T字状に形成されている。前記ホルダ2はそれぞれ合成樹脂製の柄部4とカバー5とにより構成されている。
【0028】
図2(a)に示すように、前記柄部4、カバー5の先端部には、それぞれ収容凹部6、7が形成されている。そして、柄部4、カバー5を、その収容凹部6、7の開口部を互いに対向させて重ね合わせた状態において、同両収容凹部6、7により収容室8が形成されており、同収容室8内にヘッド部10が収容されている。前記柄部4の収容凹部6の内面下部には、一対の支持ピン9が左右に離間して配置されている。尚、図2(a)において、紙面左右をそれぞれ左、右といい、紙面上下をそれぞれ上、下という。そして、前記各支持ピン9に対してヘッド部10が着脱可能に嵌合されている。
【0029】
図2(a)、(b)及び図3に示すように、ヘッド部10はヘッド本体21と一対の支持アーム22a、22bとプッシャー23とリリースカム24とリリースボタン25とを備えている。ヘッド本体21の一側には収容部31が凹設されている。収容部31の上部側面には一対の支持ピン32が互いに離間して突設されている。そして、前記各支持ピン32に対して、把持部材としての一対の支持アーム22a、22bが図2(a)において時計方向及び反時計方向に回動自在にそれぞれ取り付けられており、各々の先端部が互いに接近離間可能とされている。この一対の支持アーム22a、22bは、例えば、合成樹脂等の弾性体からなる。そして、前記各支持アーム22a、22bの先端部は収容室8の上端に形成された開口部からホルダ2上方へ突出されている。前記各支持アーム22a、22bの先端部には、互いに相対する内方に向かって係合突部33a、33bが延出形成されている。
【0030】
又、前記各支持アーム22a、22bの基端部には、内方に向かって傾斜部34a、34bが延出されており、その外側面には傾斜面35a、35bが下側に向かうほど互いの傾斜面35a、35bに近づくように形成されている。左側の支持アーム22aの外側面には、その基端側から先端側に向かって、傾斜面35aと連接された第1当接面36a及び第1当接面36aと連接された第2当接面37aが形成されている。一方、右側の支持アーム22bの外側面には、その基端側から先端側に向かって、傾斜面35bと連接された第1当接面36b及び第1当接面36bと連接された第2当接面37bが形成されている。
【0031】
前記各傾斜部34a、34bの内側面にはバネ装着突起38a、38bが突設されており、両バネ装着突起38a、38bに対して圧縮コイルバネ39の両端部が装着されている。圧縮コイルバネ39は、両端部が各支持アーム22a、22bの互いに対向する内側面、即ち、バネ装着突起38a、38b周縁部に当接されることにより、同両支持アーム22a、22bの基端部をそれぞれ外方に付勢している。
【0032】
圧縮コイルバネ39が両支持アーム22a、22bの基端部をそれぞれ外方に付勢している状態では、第1当接面36a、36bがヘッド本体21の収容部31の左右両側壁内側面に当接されているとともに、両支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bは互いに接近している。又、図7に示すように、圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bが互いに離間されると、第2当接面37a、37bがヘッド本体21の収容部31の左右両側壁内側面に当接される。
【0033】
前記収容部31において両支持ピン32よりも下側中央部の側面にはバネ受突起41が突設されている。そして、前記バネ受突起41に対して、押圧部材としてのプッシャー23が上下方向に延設されたバネ収容孔42にて係入されている。プッシャー23は前記両支持アーム22a、22b間に配置されており、前記バネ収容孔42にガイドされて上下方向に移動可能とされている。バネ収容孔42の上部内面にはバネ装着突起43が突設されており、同バネ装着突起43に対して圧縮コイルバネ44の一端部が装着されているとともに、前記バネ受突起41の上面に対して圧縮コイルバネ44の他端部が当接されている。
【0034】
付勢手段としての圧縮コイルバネ44は、両端部がバネ収容孔42の上部内面及びバネ受突起41の上面に当接されることにより、プッシャー23を上方に付勢している。即ち、プッシャー23の上端部は圧縮コイルバネ44の付勢力によって、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bの下端面に当接されており、このことによって、プッシャー23の上方への移動が規制されている。又、図7に示すように、圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bが互いに離間され、第2当接面37a、37bがヘッド本体21の収容部31の左右両側壁内側面に当接されると、プッシャー23の上方への移動の規制が解除される。
【0035】
図2(b)に示すように、収容部31の上部中央には上下方向に沿って摺動溝51が形成されており、同摺動溝51に沿ってプッシャー23が上下方向に摺動可能とされている。前記プッシャー23の上端部にはカム面としての係合凹部52が切込形成されており、同係合凹部52はV字状をなす一対の斜状の面53、54にて構成されている。
【0036】
前記ヘッド本体21の他側(反収容部側であり、図2(b)において左側)には、中央部から下部に亘って摺動溝55が形成されている。摺動溝55にはリリースカム24の摺接部が係入されており、同リリースカム24の摺接部は摺動溝55に沿って上下方向に摺動可能とされている。リリースカム24の摺接部の上端には装着孔56が形成されている。前記カバー5の外側面には上下方向に延びた貫通孔47を有するボタン装着部48が凹設されている。リリースボタン25の取付端部は貫通孔47に遊挿され、前記装着孔56に固定されている。リリースボタン25の操作部25aはカバー5の外側面から突出されており、外部から上下方向に押圧操作可能とされている。
【0037】
リリースカム24は前記摺接部と延出部57とにより断面L字状をなしている。即ち、摺接部の下端部にはリリースカム24の長手方向(図2(b)において上下方向)とは直交する方向(同図において右側)に延出された延出部57が形成されている。そして、さらに延出部57から上方に向かって正断面U字状をなす押圧部58が形成されている。図2(a)に示すように、押圧部58の左右両端部上部には、円弧状の押圧面59a、59bがそれぞれ形成されている。各押圧面59a、59bは前記各支持アーム22a、22bの傾斜面35a、35bにそれぞれ当接されている。
【0038】
本実施形態では、支持アーム22aと支持アーム22bとにより自在継手手段が構成されている。又、プッシャー23と圧縮コイルバネ44とにより復元手段が構成されている。
【0039】
次に替刃カートリッジ3について説明する。替刃カートリッジ3は刃台61を備えている。
図4に示すように、刃台61の下面中央には一対の凹所70が形成され、両凹所70間には被挟着部としての隔壁63が替刃の刃体の幅方向に沿って形成されている。隔壁63の下端部には左右両側に張り出された膨出部64が形成されている。膨出部64において隔壁63を挟んだ左右両側の各上面には、前記各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bを係脱可能な係合面65a、65b(図4においては左側の支持アーム22aの係合突部33aに対応する係合面65aのみを図示)がそれぞれ凹状の円弧面となるように形成されている。前記隔壁63と膨出部64とにより、被支持部としての係合部62が構成されている。
【0040】
そして、図5及び図6に示すように、各支持アーム22a、22bの第1当接面36a、36bがヘッド本体21の収容部31の内側面に当接されている状態において、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bがそれぞれ係合部62に係合されている。即ち、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bによって隔壁63が挟持されるとともに、膨出部64の係合面65a、65bと係合突部33a、33bとの係合により替刃カートリッジ3の抜き出しが不能になる。尚、係合突部33a、33bにおいて、係合面65a、65bとの当接面40a、40bは図6に示すように、刃体の幅方向に沿った凸状の円弧面に形成されており、図6のR方向への回動が回動自在とされている。このことによって、本実施形態では、替刃カートリッジ3は、ホルダ2の一対の支持アーム22a、22bによって直接支持されている。
【0041】
一方、図4に示すように、前記膨出部64の下端部には係合凹部52のV字の角度よりも角度が大きい断面三角形状をなす係合突部66(被押圧部)が形成されており、同係合突部66は前記プッシャー23のV字状をなす係合凹部52に係合されている。ここで、前記圧縮コイルバネ44の付勢力によりプッシャー23が上方に付勢されているため、図5及び図6に示すように、プッシャー23の上端部である係合凹部52の上縁部は係合突部66の当接面71、72に当接されている。
【0042】
本実施形態では、係合凹部52における斜状の面53、54同士のなす角度をα(図示しない)、係合突部66における当接面71、72同士がなす角度をβ(図示しない)としたとき、α<βとされている。この係合凹部52のV字の角度と係合突部66の三角形の角度との違いによって、替刃カートリッジ3はカム作用により復元位置(傾動前の元位置)に復帰する。又、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bの下端部(当接面40a、40b)は係合面65a、65bにそれぞれ当接されている。
【0043】
そして、前記各係合面65a、65bはそれぞれ円弧状に形成されているため、替刃カートリッジ3は各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bに対して、図6において時計方向及び反時計方向に回動自在に支持されており、首振り可能とされている。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、刃台61の係合部62が一対の支持アーム22a、22bによって、係合突部33a、33bの当接面40a、40bに沿って替刃カートリッジ3の刃体の刃幅方向(図6に示す矢印R方向)ヘ傾動自在に挟着支持されている。本実施形態では、前記R方向は、係合部62の係合面65a、65bの両者の曲率中心を通過する仮想軸線M(図6参照)を回動中心とした回転方向をいう。
【0044】
尚、係合面65a、65bが1つの曲率半径を有する場合は、前記仮想軸線Mは1個となる。又、係合面65a、65bが複数の曲率半径を有する円弧が連続して形成されている場合は、前記仮想軸線Mはそれに応じて複数個存在する。この場合、R方向とは、それぞれの仮想軸線Mの周りで回動したときの方向をいう。
【0045】
又、図5に示すように、替刃カートリッジ3の支持アーム22a、22bによる挟着支持において、刃台61の係止面69a、69bと各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bとの間には、距離L1、L2を有する隙間が形成されるように隔壁63の長さが設定されている。このことによって、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、同図において左右方向に揺動可能とされている。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、刃台61の係合部62が一対の支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3の中央部を中心にした刃体の厚さ方向(図5に示す矢印P方向)ヘ傾動自在に挟着支持されている。本実施形態では、距離L1と距離L2とは同じ値に設定されている。
【0046】
さらに、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、刃台61の係合部62が一対の支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3の中央部を中心にして刃体の刃幅方向(図1に示す矢印Q方向)へ傾動自在に挟着支持されている。本実施形態では、前記Q方向は、支持アーム22a、22bの両者間を通過するとともに、図5の中立位置に位置する係合部62(隔壁63、係合突部66)の中心を通過する仮想軸線Lを回動中心とした回転方向をいう。さらに又、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、刃台61の係合部62が一対の支持アーム22a、22bによって、前記P方向、Q方向、R方向が合成された方向へ傾動自在に挟着支持されている。
【0047】
尚、図1に示すように、替刃カートリッジ3の上部には、髭等を剃るための刃体としての3枚の剃刀刃67が設けられており、同剃刀刃67の上方には複数の安全ガード68が設けられている。
【0048】
次に、替刃カートリッジ3がホルダ2に装着された安全剃刀1を使用して髭等を剃る場合の作用を説明する。
替刃カートリッジ3の上面全体を顔面等に押し当てると、刃台61の係合突部66の当接面71、72が、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23の上端部を押圧し、プッシャー23が下方に移動する。すると、刃台61の係合面65a、65bが各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bの当接面40a、40bからそれぞれ離間し、やがて、係合突部33a、33bの上端面は刃台61の凹所70内の係止面69a、69bにそれぞれ当接される。そして、その状態で髭等が剃られる。
【0049】
次に、顔面等の凹凸により替刃カートリッジ3の上面において、替刃カートリッジ3の右側(図5において)に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、図8に示すように、刃台61の係合突部66の右側の当接面72が、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23の右側上端部を押圧し、プッシャー23が下方に移動する。すると、刃台61の係合面65bが右側の支持アーム22bの係合突部33bの下端面(当接面40b)から離間する。そして、隔壁63の右側面が、圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して右側の支持アーム22bの係合突部33bを押圧し、両係合突部33a、33b間が離間される。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、右下がりとなるよう(図8において矢印Pa側)に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0050】
又、替刃カートリッジ3の上面において、替刃カートリッジ3の左側(図5において)に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、図9に示すように、刃台61の係合突部66の左側の当接面71が、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23の左側上端部を押圧し、プッシャー23が下方に移動する。すると、刃台61の係合面65aが左側の支持アーム22aの係合突部33aの下端面(当接面40a)から離間する。そして、隔壁63の左側面が、圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して左側の支持アーム22aの係合突部33aを押圧し、両係合突部33a、33b間が離間される。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、左下がりとなるよう(図9において矢印Pb側)に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0051】
次に、替刃カートリッジ3の上面において、カバー5側(図6において反刃先側)に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、図10に示すように、刃台61の係合突部66の当接面71、72が、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23の上端部を押圧し、プッシャー23が下方に移動する。このとき、刃台61の係合面65a、65bはそれぞれ円弧状に形成されているため、替刃カートリッジ3は各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bに対して、図6において時計方向(図10において矢印Ra側)に回転する。すると、係合突部33a、33bの上端部は刃台61の係止面69a、69bにそれぞれ当接される。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、カバー5側(図10において反刃先側)が下がるように傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0052】
又、替刃カートリッジ3の上面において、柄部4側(図6において刃先側)に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、図11に示すように、刃台61の係合突部66の当接面71、72が、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23の上端部を押圧し、プッシャー23が下方に移動する。このとき、刃台61の係合面65a、65bはそれぞれ円弧状に形成されているため、替刃カートリッジ3は各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bに対して、図6において反時計方向(図10において矢印Rb側)に回転する。そして、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、柄部4側(図11において刃先側)が下がるように傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0053】
次に、髭の密度や太さ等の違いにより替刃カートリッジ3の上面において、左側よりも右側の方が抵抗が大きくなった場合の作用を図12を用いて説明する。この場合、刃台61の係合突部66の当接面71、72が、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23の上端部を押圧し、プッシャー23が下方に移動する。このとき、隔壁63の左側面が左側の支持アーム22aの係合突部33aを押圧するとともに、隔壁63の右側面が右側の支持アーム22bの係合突部33bを押圧する。すると、両支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bが圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して互いに非傾動時よりも離間される。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、右側が図12において紙面裏面側に、左側が同図において紙面表面側となるよう(図1において矢印Qa側)に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0054】
又、替刃カートリッジ3の上面において、右側よりも左側の方が抵抗が大きくなった場合の作用を図13を用いて説明する。この場合、刃台61の係合突部66の当接面71、72が、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23の上端部を押圧し、プッシャー23が下方に移動する。このとき、隔壁63の右側面が右側の支持アーム22bの係合突部33bを押圧するとともに、隔壁63の左側面が左側の支持アーム22aの係合突部33aを押圧する。すると、両支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bが圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して互いに非傾動時よりも離間される。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、左側が図13において紙面裏面側に、右側が同図において紙面表面側となるよう(図1において矢印Qb側)に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0055】
次に、替刃カートリッジ3の上面において、刃体の厚さ方向(P方向)と幅方向(Q方向、R方向)とが合成された方向に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てた際の作用を説明する。
【0056】
替刃カートリッジ3の上面において、図5における右側と図6における反刃先側とが合成された方向に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、次のようになる。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、図8における矢印Pa側と図10における矢印Ra側とが合成された方向に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0057】
又、替刃カートリッジ3の上面において、図5における左側と図6における反刃先側とが合成された方向に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、次のようになる。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、図9における矢印Pb側と図10における矢印Ra側とが合成された方向に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0058】
さらに、替刃カートリッジ3の上面において、図5における右側と図6における刃先側とが合成された方向に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、次のようになる。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、図8における矢印Pa側と図11における矢印Rb側とが合成された方向に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0059】
さらに又、替刃カートリッジ3の上面において、図5における左側と図6における刃先側とが合成された方向に負荷がかかるように替刃カートリッジ3を顔面等に押し当てると、次のようになる。即ち、替刃カートリッジ3はホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、図9における矢印Pb側と図11における矢印Rb側とが合成された方向に傾斜された状態で支持され、その状態で髭等が剃られる。
【0060】
尚、上記のように、顔面等の凹凸や髭の密度や太さの違い等により、替刃カートリッジ3がホルダ2に対して、一対の支持アーム22a、22bによって、傾斜された状態で支持されて髭等が剃られ、その後、替刃カートリッジ3を顔面等から離間させると、替刃カートリッジ3は傾動前の元位置に復帰する。即ち、圧縮コイルバネ44の付勢力によってプッシャー23が上方に付勢され、プッシャー23の係合凹部52が刃台61の係合突部66の当接面71、72に当接し、カム作用によって替刃カートリッジ3は図5に示す傾動前の元位置に復帰する。
【0061】
次に、ホルダ2に対する替刃カートリッジ3の着脱方法を説明する。
ホルダ2に対して替刃カートリッジ3を装着する際には、リリースボタン25を上方に押圧操作する。すると、リリースカム24の押圧部58に形成された押圧面59a、59bが、支持アーム22a、22bの傾斜面35a、35bを押圧する。すると、両支持アーム22a、22bは圧縮コイルバネ39の付勢力に抗して、図2(a)に示す第1当接面36a、36bが収容部31の内側面に当接された状態から、支持ピン32の軸心を回動中心として同図において、左側の支持アーム22aは反時計方向に、右側の支持アーム22bは時計方向に回転する。そして、各支持アーム22a、22bは図7に示すように、第2当接面37a、37bが収容部31の内側面に当接される。
【0062】
このとき、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bは互いに離間され、係合突部33a、33bによるプッシャー23の上方への移動の規制が解除される。すると、プッシャー23は圧縮コイルバネ44の付勢力により上方へ移動し、図7に示すように、バネ収容孔42の内底面がバネ受突起41の下端面に当接され、プッシャー23の先端部が係合突部33a、33b間に位置される。
【0063】
その後、リリースボタン25の操作を解除すると、圧縮コイルバネ39の付勢力によって係合突部33a、33bがプッシャー23の上端部の左右両側面にそれぞれ当接された状態で、各支持アーム22a、22b及びプッシャー23は保持される。
【0064】
そして、この状態で、替刃カートリッジ3の刃台61に形成された係合突部66をプッシャー23の係合凹部52に対して係合させて、替刃カートリッジ3を下方に押圧する。すると、圧縮コイルバネ44の付勢力に抗してプッシャー23が下方に移動される。
【0065】
そして、プッシャー23の先端部が支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bよりも下方に移動されると、プッシャー23の上端部による係合突部33a、33bの拘束が解除される。すると、両支持アーム22a、22bは圧縮コイルバネ39の付勢力によって、図7に示す第2当接面37a、37bが収容部31の内側面に当接された状態から、支持ピン32の軸心を回動中心として同図において、左側の支持アーム22aは時計方向に、右側の支持アーム22bは反時計方向に回転する。そして、各支持アーム22a、22bは図2(a)に示すように、第1当接面36a、36bが収容部31の内側面に当接される。このとき、支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bはそれぞれ刃台61の係合部62に係合される。
【0066】
その後、替刃カートリッジ3に対する下方への押圧を解除すると、圧縮コイルバネ44の付勢力によってプッシャー23の上端部が刃台61の係合突部66の当接面71、72に当接されるとともに、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bの下端部が刃台61の係合面65a、65bにそれぞれ当接される。その結果、替刃カートリッジ3がホルダ2に対して係合突部33a、33bの周りで傾動自在に支持される。
【0067】
次に、替刃カートリッジ3を交換する際には、リリースボタン25を上方に押圧操作する。すると、各支持アーム22a、22bは、図5に示す第1当接面36a、36bが収容部31の内側面に当接された状態から、図7に示す第2当接面37a、37bが収容部31の内側面に当接された状態に移動する。
【0068】
このとき、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bが、それぞれ刃台61の係合部62から外れ、替刃カートリッジ3はホルダ2に対する支持を失う。又、このとき、プッシャー23が圧縮コイルバネ44の付勢力により上方へ移動し、プッシャー23の上端部が刃台61の係合突部66の当接面71、72を押圧する。このため、替刃カートリッジ3を交換する際には、替刃カートリッジ3はホルダ2から容易に外れる。
【0069】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ホルダ2の一対の支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3をホルダ2に対して、替刃カートリッジ3の厚さ方向、幅方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に支持したため、部品(一対の支持アーム22a、22b)を共通化でき、安全剃刀1の小型化に貢献できる。
【0070】
又、一対の支持アーム22a、22bを共通化したことにより、それぞれ独立した機構にて替刃カートリッジ3を前記各方向へ傾動自在に支持する場合に比較して、各機構の厳密な位置調整を行って、機構を組み立てる必要はなく、調整作業を殆ど行う必要はない。又、各機構が互いに干渉することが回避されるため、替刃カートリッジ3をスムーズに動かすことができる。
【0071】
(2)本実施形態では、各支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bにて替刃カートリッジ3の刃台61に形成された隔壁63を挟着することにより、支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3をホルダ2に対して傾動させた状態で把持できる。
【0072】
(3)本実施形態では、支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bと替刃カートリッジ3の隔壁63を、替刃カートリッジ3の刃体の厚さ方向(P方向)への傾動を許容するように変位自在としたため、支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3をホルダ2に対して、替刃カートリッジ3の中央部を中心にした刃体の厚さ方向(P方向)へ傾動された状態で把持できる。
【0073】
(4)本実施形態では、替刃カートリッジ3がその中央部を中心にして刃体の幅方向(Q方向)に傾動され、隔壁63にて支持アーム22a、22bの係合突部33a、33bが互いに離間する方向に押圧されると、支持アーム22a、22bは非傾動時よりも離間変位され、その状態で隔壁63を挟着支持する。即ち、支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3をホルダ2に対して、替刃カートリッジ3の中央部を中心にした刃体の幅方向(Q方向)へ傾動された状態で把持できる。
【0074】
(5)本実施形態では、支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3を係合突部33a、33bの当接面40a、40bに沿って刃体の幅方向(R方向)へ回動自在に支持できる。
【0075】
(6)本実施形態では、一対の支持アーム22a、22b自身の弾性力と、圧縮コイルバネ39の弾性力とによって、替刃カートリッジ3の係合部62を弾性的に確実に挟着支持することができる。
【0076】
(7)本実施形態では、圧縮コイルバネ44の付勢力によってプッシャー23の係合凹部52を刃台61の係合突部66の当接面71、72に当接させることにより、カム作用によって簡単に替刃カートリッジ3を傾動前の元位置に復帰させることができる。
【0077】
(8)本実施形態では、プッシャー23の係合凹部52における斜状の面53、54同士のなす角度を、替刃カートリッジ3の係合突部66における当接面71、72同士がなす角度よりも小さくした。従って、係合凹部52(一対の斜状の面53、54)に係合突部66(一対の当接面71、72)を係入した際、カム作用が確実に発揮され、替刃カートリッジ3を傾動前の元位置に確実に復帰させることができる。
【0078】
(9)本実施形態では、各支持アーム22a、22bを支持ピン32の軸心を回動中心にして回動させて、両支持アーム22a、22bにて替刃カートリッジ3の係合部62を挟着支持することにより、替刃カートリッジ3の係合部62を確実に挟着支持できる。
【0079】
(10)本実施形態では、替刃カートリッジ3を一対の支持アーム22a、22bによって傾動自在に直接支持したため、さらに安全剃刀1の小型化に貢献できる。
【0080】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
(1)前記実施形態では、押圧部材としてのプッシャー23を一対の支持アーム22a、22b間に配置し、同プッシャー23を付勢手段としての圧縮コイルバネ44の付勢力によって、替刃カートリッジ3の長手方向中央部に形成された被支持部としての係合部62に当接させたが、次のようにしてもよい。即ち、被支持部としての係合部62を一対、替刃カートリッジ3の長手方向中央部から左右方向に離間された位置に設けるとともに、その係合部62に対応する位置にプッシャー23を配置し、同プッシャー23を圧縮コイルバネ44の付勢力によって、係合部62に当接させてもよい。
【0081】
(2)刃台61の係合突部66とプッシャー23の係合凹部52との凹凸関係を逆にしてもよい。
(3)前記実施形態では、把持部材としての一対の支持アーム22a、22bによって、替刃カートリッジ3をホルダ2に対して傾動自在に支持したが、2対以上の把持部材によって、替刃カートリッジ3をホルダ2に対して傾動自在に支持してもよい。
【0082】
(4)前記実施形態では、プッシャー23の係合凹部52のV字の角度よりも角度が大きい断面三角形状をなす係合突部66としたが、断面半円状をなす係合突部66としてもよい。
【0083】
又、プッシャー23の係合凹部52における斜状の面53、54同士のなす角度と、係合突部66における当接面71、72同士がなす角度とが等しくなるように、係合突部66を構成してもよい。
【0084】
次に、前記実施形態及び別例から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(イ)前記両把持部材間には弾性手段が設けられ、前記両把持部材は、前記弾性手段の弾性力によって替刃カートリッジの被支持部を挟着支持していることを特徴とする請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載のかみそり。
【0085】
従って、この(イ)に記載の発明によれば、弾性手段の弾性力によって両把持部材にて替刃カートリッジの被支持部を確実に挟着支持できるという効果が得られる。
【0086】
前記実施形態において圧縮コイルバネ39は弾性手段を構成する。
(ロ)前記各把持部材は支持部材に取り付けられており、同支持部材の軸心を回動中心として回動自在に支持されている請求項1〜請求項8、(イ)のうち何れか一項に記載のかみそり。
【0087】
従って、この(ロ)に記載の発明によれば、各把持部材を支持部材の軸心を回動中心として回動させて、両把持部材にて替刃カートリッジの被支持部を挟着支持することにより、替刃カートリッジの被支持部を確実に挟着支持できるという効果が得られる。
【0088】
前記実施形態において支持ピン32は支持部材を構成する。
(ハ)前記自在継手手段は、前記替刃カートリッジを、刃体の厚さ方向(P方向)、幅方向(Q方向、R方向)及びそれらが合成された方向へ傾動自在に直接支持するものである請求項1〜請求項8、(イ)、(ロ)のうち何れか一項に記載のかみそり。
【0089】
従って、この(ハ)に記載の発明によれば、替刃カートリッジは自在継手手段によって傾動自在に直接支持されることにより、さらに小型化を図ることができるという効果が得られる。
【0090】
【発明の効果】
請求項1〜2に記載の発明によれば、替刃カートリッジの被挟着部を、P方向、Q方向、R方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に把持する少なくとも一対の把持部材を共通化することにより、小型化を図ることができる。
【0091】
又、少なくとも一対の把持部材を共通化したことにより、それぞれ独立した機構にて替刃カートリッジを前記各方向へ傾動自在に支持する場合に比較して、各機構の厳密な位置調整を行って、機構を組み立てる必要はなく、調整作業を殆ど行う必要はない。又、各機構が互いに干渉することが回避されるため、替刃カートリッジをスムーズに動かすことができる。
【0092】
さらに、各把持部材に設けられた係合突部にて替刃カートリッジの被支持部に形成された被挟着部を挟着することにより、把持部材によって、替刃カートリッジをホルダに対して傾動させた状態で把持できる。
【0093】
請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、把持部材によって、替刃カートリッジをホルダに対して、Q方向へ傾動された状態で把持できる。
【0094】
請求項4に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の発明の効果に加えて、把持部材によって、替刃カートリッジを係合突部の当接面に沿ってR方向へ回動自在に支持できる。
【0095】
請求項5に記載の発明によれば、前記請求項〜請求項4のうち何れか一項に記載の発明の効果に加えて、替刃カートリッジの被挟着部を把持部材によって弾性的に挟着支持することができる。
【0096】
請求項6に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の発明の効果に加えて、押圧部材のカム面を付勢手段の付勢力によって替刃カートリッジの被押圧部に当接させることにより、カム作用によって替刃カートリッジを傾動前の元位置に復帰させることができる。
【0097】
請求項7に記載の発明によれば、前記請求項に記載の発明の効果に加えて、押圧部材のカム面における斜状の面同士のなす角度αを、替刃カートリッジの被押圧部における当接面同士がなす角度βよりも小さいか又は等しくしたことにより、カム作用が確実に発揮され、替刃カートリッジを傾動前の元位置に確実に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の安全剃刀の斜視図。
【図2】 (a)はホルダの要部正断面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図3】 図2(b)におけるB−B断面図。
【図4】 刃台の斜視図。
【図5】 ホルダと刃台との位置関係を示す要部断面図。
【図6】 図5におけるC−C断面図。
【図7】 安全剃刀の作用を説明するためのホルダの要部正断面図。
【図8】 安全剃刀の作用を説明するための要部断面図。
【図9】 安全剃刀の作用を説明するための要部断面図。
【図10】 安全剃刀の作用を説明するための要部断面図。
【図11】 安全剃刀の作用を説明するための要部断面図。
【図12】 安全剃刀の作用を説明するための要部断面図。
【図13】 安全剃刀の作用を説明するための要部断面図。
【図14】 ホルダを示す斜視図。
【図15】 ホルダの要部側断面図。
【符号の説明】
1…かみそりとしての安全剃刀、2…ホルダ、3…替刃カートリッジ、
22a…支持アーム、
22b…支持アーム(支持アーム22aとともに自在継手手段を構成する。又、支持アーム22aとともに把持部材を構成する。)、
23…プッシャー(押圧部材を構成する。)、
33a…係合突部、33b…係合突部、40a…当接面、40b…当接面、
44…圧縮コイルバネ(付勢手段を構成する。又、プッシャー23とともに復元手段を構成する。)、
52…カム面としての係合凹部、53…斜状の面、54…斜状の面、
62…被支持部としての係合部、63…被挟着部としての隔壁、
67…刃体としての剃刀刃、71…当接面、72…当接面。

Claims (7)

  1. 替刃カートリッジをホルダに設けた自在継手手段によって刃体のP方向、Q方向、R方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に支持するとともに、替刃カートリッジを傾動前の元位置に復帰させる復元手段を備えたかみそりであって、
    前記自在継手手段は、互いに相対する方向に向かって延設された係合突部を含む少なくとも一対の把持部材を備え、
    前記復元手段は、前記替刃カートリッジに当接する押圧部材と、前記押圧部材を前記替刃カートリッジに対して当接方向に付勢する付勢手段とを備え、
    前記替刃カートリッジは、前記把持部材により把持される被挟着部と、前記被挟着部の先端に設けられ前記押圧部材の付勢力を受ける被押圧部とを備えたかみそり。
    ・P方向;刃先端側から見たときに、被挟着部を中心に回転する方向
    ・Q方向;刃面と垂直で被挟着部を通る軸を中心に回転する方向
    ・R方向;把持部材の各係合突部を結ぶ軸を中心に回転する方向
  2. 替刃カートリッジをホルダに設けた自在継手手段によって刃体のP方向、Q方向、R方向及びそれらが合成された方向へ傾動自在に支持するとともに、替刃カートリッジを傾動前の元位置に復帰させる復元手段を備えたかみそりであって、
    前記自在継手手段は、互いに相対する方向に向かって延設された係合突部を含む少なくとも一対の把持部材を備え、
    前記復元手段は、前記替刃カートリッジに当接する押圧部材と、前記押圧部材を前記替刃カートリッジに対して当接方向に付勢する付勢手段とを備え、
    前記替刃カートリッジは、前記把持部材により把持される被挟着部と、前記押圧部材の付勢力を受ける被押圧部とを備え、
    前記把持部材が前記被挟着部を把持する状態で、前記把持部材の係合突部の先端どうしが離間する幅を、前記離間する方向における前記被押圧部の幅より短く構成したかみそり。
    ・P方向;刃先端側から見たときに、被挟着部を中心に回転する方向
    ・Q方向;刃面と垂直で被挟着部を通る軸を中心に回転する方向
    ・R方向;把持部材の各係合突部を結ぶ軸を中心に回転する方向
  3. 前記把持部材は、替刃カートリッジがQ方向に傾動され、前記被挟着部にて各把持部材の係合突部が互いに離間する方向に押圧された際、非傾動時よりも離間変位するように構成したものである請求項1又は請求項2に記載のかみそり。
  4. 前記係合突部の前記被挟着部に対する当接面は、R方向に沿って円弧状に形成され、
    前記把持部材は、前記係合突部の当接面に沿って替刃カートリッジをR方向へ回動自在に支持するものである請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のかみそり。
  5. 前記把持部材は替刃カートリッジの前記被挟着部を弾性的に挟着支持していることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のかみそり。
  6. 前記押圧部材は、カム面を備え、同カム面は前記被押圧部に当接した際のカム作用により替刃カートリッジを傾動前の元位置に復帰させるものである請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のかみそり。
  7. 前記押圧部材のカム面は、V字状をなす一対の斜状の面にて構成され、前記カム面に当接する前記被押圧部の部位は前記斜状の面間に係入可能にV字状の一対の当接面が形成され、前記斜状の面同士のなす角度をαとし、当接面同士がなす角度をβとしたとき、α≦βとしたことを特徴とする請求項6に記載のかみそり。
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