JPH0540869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は安全剃刀に係り、詳しくはホルダの首
部に対する刃体のひげそり角度を調節するための
機構を備えた安全剃刀に関するものである。

［従来の技術］ 従来から用いられている安全剃刀は、ホルダの
首部に対する刃体の刃先角度（以下、ひげそり角
度という）が一定となつている。ところが、安全
剃刀の使用者によつてホルダの持ち方に癖がある
ので、このような安全剃刀を用いて刃先を顔に最
適な角度で当てることが難しいという問題があつ
た。

そこで、ひげそり角度を調節することができる
各種構造の安全剃刀が提案されている。例えば、
実開昭53−47988号公報には、ホルダ首部に形成
した一対の支持部間に、刃体を取付け得るアーム
の基端を回動可能に軸支し、前記両支持部の軸支
部分の周囲には多数個の嵌合孔を設けるととも
に、アーム基端部の軸支部分近傍の対向する位置
には、前記嵌合孔に係脱可能に嵌合する突部を設
けたものが開示されている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、安全剃刀の使用時には刃体の刃先を
顔に押圧するため、その刃体が取付けられたアー
ムに対しホルダ背側への力が作用する。

しかしながら、前記従来の安全剃刀において
は、嵌合孔と突部との嵌合によりアームの回動を
係止しているだけなので、前記したようなホルダ
背側への力に抗してそのときの刃体のひげそり角
度を保持する力は弱い。そのため、安全剃刀の使
用中に前記アームが軸を中心としてホルダ背側へ
回動してしまうおそれがあつた。

本考案の目的は、ホルダの首部に対する刃体の
ひげそり角度を簡単な構造で調節することがで
き、しかもそのひげそり角度を確実に保持するこ
とができる安全剃刀を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ そこで、前記目的を達成するためこの考案は、
ホルダと、円弧状をなし、かつ先端に刃体を取付
け得るアームと、そのアームを前記ホルダの長さ
方向への移動可能に収容し、かつ使用時における
アームのホルダ背側への撓みを受け止めるための
収容凹部と、前記アームをホルダに係止するため
の係止手段とを備えた安全剃刀をその要旨とする
ものである。

また、請求項２の考案は前記請求項１の構成に
加えて、係止手段がアームを移動させる機能を備
えている安全剃刀をその要旨とするものである。

［作用］ 係止手段を解除し、アームをホルダの長さ方向
へ移動させると、同アームに取付けられる刃体の
ホルダ首部に対するひげそり角度が変わる。そし
て、係止手段を操作するとアームがホルダに係止
される。この状態で安全剃刀を使用すると、アー
ムはホルダ背側へ撓もうとするが、その撓みは収
容凹部によつて受け止められ、その結果、径刃体
のひげそり角度が保持される。

また、係止手段がアームを移動させる機能を備
えている場合には、この係止手段を操作すること
によりアームの移動及び係止を行うことが可能と
なる。

［第一実施例］ 以下、本考案を具体化した第一実施例を第１〜
６図に従つて説明する。

第２，３図に示すように、略直方体形状をなす
ホルダ１の前半部には、そのホルダ１の前端面
（第２，３図左端面）において開口し、かつホル
ダ１の背１ａ側へふくらむよう湾曲して後方へ延
びる収容凹部２が穿設されている。本実施例では
この収容凹部２が半径50mmの円弧となるよう形成
されている。また、前記ホルダ１の前端部一側面
（第１図において右側面）には、収容凹部２と対
応してホルダ１の背１ａ側へふくらむよう湾曲し
た溝３が形成されており、この溝３と前記収容凹
部２とは互いに連通している。また、前記溝３の
上下両側部には同溝３と対応して湾曲する係止段
部４が一体に形成されている。

前記ホルダ１の収容凹部２内には、これとほぼ
同一形状をなす金属製のアーム５が前後方向への
移動可能に挿入されており、同アーム５を収容凹
部２の内奥部まで挿入した状態では、そのアーム
５の前端部がホルダ１の前端開口部６から若干突
出している。第３図に示すように、このアーム５
において前記溝３と対応する一側面に螺刻された
ねじ孔７には、係止手段としてのねじ部材８が螺
入されている。

前記ねじ部材８の頭部８ａは前記溝３から外側
方へ若干突出しており、同頭部８ａを回動操作す
ることにより、その内面８ｂとアーム５の一側面
５ｃとの間隔を狭めたり広げたりすることができ
る。そして、前記間隔を狭めたときにはアーム５
の一側面５ｃが前記収容凹部２の内壁２ａに当接
して、同アーム５が前後方向への移動不能に係止
される。なお、このねじ部材８はアーム５を移動
させる機能も備えている。

前記アーム５の前端部には取付け部材９が固着
されており、この取付け部材９前面に取着された
支持台１０に対し、刃体１１を備えた替刃カート
リツジ１２が装着可能となつている。

次に、前記のように構成された本実施例の作用
及び効果を説明する。

第１〜３図は、アーム５を収容凹部２の内奥部
に位置させるとともに、ねじ部材８の回動操作に
よりアーム５の一側面５ｃを収容凹部２の内壁２
ａに当接させた状態を示し、そのアーム５は前後
方向への移動不能に係止されている。

この状態でホルダ１を保持し、替刃カートリツ
ジ１２内の刃体１１を顔に当てて髭を剃る。この
とき、替刃カートリツジ１２には第５図矢印Ａで
示すようにホルダ１の背１ａ側への力が作用する
ので、アーム５は同方向へ撓もうとする。ところ
が、そのアーム５の背５ａ前端が収容凹部２の開
口部６に当接し、また腹５ｂ後端が収容凹部２の
内奥部に当接するので、前記アーム５の背１ａ側
への撓みが受け止められ、刃体１１のひげそり角
度が保持される。

顔に対する刃体１１の接触角度が最適でない場
合には、ねじ部材８を緩め、アーム５を収容凹部
２の内壁２ａから離間させてホルダ１に対するア
ーム５の係止を解除する。続いて、ねじ部材８の
頭部８ａを指で前後へスライドさせて収容凹部２
内のアーム５を前方へ移動させる。本実施例では
アーム５をホルダ１の背１ａ側へふくらむように
湾曲形成したので、前記アーム５の前方への移動
にともなつて、ホルダ１首部に対する刃体１１の
ひげそり角度が変化する。

そして、前記ひげそり角度が最適となるようア
ーム５の移動量を調節した後、頭部８ａを回動操
作してねじ部材８を締め付ける。すると、第４，
６図に示すようにアーム５の一側面５ｃが収容凹
部２の内壁２ａに当接し、そのアーム５が前後方
向への移動不能に係止される。

この状態で前記と同様にして刃体１１を顔に当
てて髭を剃る。このときにも、替刃カートリツジ
１２にはホルダ１の背１ａ側への力が作用し、ア
ーム５は同方向へ撓もうとするが、その撓みは収
容凹部２によつて受け止められるので刃体１１の
ひげそり角度が保持される。

このように、本実施例の安全剃刀を用いればア
ーム５を前後に移動させることにより、ホルダ１
に対する刃体１１のひげそり角度を連続的に変化
させることができるばかりでなく、ねじ部材８を
回動操作することにより、前記アーム５を前後方
向への移動不能に係止できる。また、安全剃刀の
使用時には、アーム５の撓みが収容凹部２によつ
て受け止められるので前記ひげそり角度が確実に
保持される。

さらに、本実施例ではねじ部材８がアーム５を
スライドさせる機能も兼ね備えているので、ホル
ダ１を持ち替えることなく、アーム５の移動及び
係止を簡単にできる。

なお、替刃カートリツジ１２を支持台１０から
取り外した状態では、安全剃刀はコンパクトにな
るので、この安全剃刀を収容するためのケース
（図示しない）は小さくてすむ。

［第二実施例］ 次に、本考案の第二実施例を第７，８図に従つ
て説明する。

ホルダ１の背１ａ前端部には収容凹部２に連通
し、かつアーム５よりも幅狭の長孔１３が透設さ
れている。また、アーム５の背５ａには前記長孔
１３を貫通する操作部材１４がねじ止めされてい
る。この操作部材１４の頭部１４ａは前記ホルダ
１の背１ａから突出しており、同頭部１４ａを長
孔１３に沿つて前後動させることによりアーム５
を移動させて、刃体１１のひげそり角度を調節す
ることが可能である。

前記ホルダ１の腹１ｂからは背１ａ側へ向かつ
て延び前記収容凹部２に連通するねじ孔１５が形
成されている。そして、このねじ孔１５には係止
手段としてのねじ部材１６が螺入されており、そ
の頭部１６ａを回動操作して同ねじ部材１６を締
めたり緩めたりすることにおり、アーム５の背５
ａを収容凹部２の内壁２ａに接離させることがで
きる。

前記以外の構成は前記第一実施例と同様であ
る。

従つて、本実施例においては、前記実施例と同
様の作用及び効果を奏する外、ねじ部材１６を緩
めて収容凹部２の内壁２ａからアーム５を離間さ
せ、操作部材１４を前後方向へスライドさせるこ
とにより、ホルダ１に対する刃体１１のひげそり
角度を調節できる。また、前記ねじ部材１６を締
めることにより前記ひげそり角度を保持すること
ができる。

なお、本考案は前記実施例の構成に限定される
ものではなく、例えば第９図に示すように溝３の
係止段部４のうちの少なくともいずれか一方を波
形に形成するとともに、アーム５に対しその溝３
から外側方へ突出する操作部材１７を取付け、そ
の操作部材１７内には、前記波形の係止段部４に
係脱可能に係合する係止手段としてのばね部材１
８を内装してもよい。このようにすると、操作部
材１７を回動操作することなく前後にスライドす
るだけでアーム５の移動及び係止を行うことがで
きる。

［考案の効果］ 本考案は前記のように構成されているので、以
下に示す効果を奏する。

請求項１の考案においては、ホルダ首部に対す
る刃体のひげそり角度を簡単な構造で調節するこ
とができ、しかもそのひげそり角度を確実に保持
することができる。

また、請求項２の考案においては係止手段がア
ームを移動させる機能を兼ね備えているので、ホ
ルダを持ち替えることな、そのアームを前後へ移
動させることができるとともに、その移動位置を
保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜６図は本考案を具体化した第一実施例を
示し、第１図はアームを収容凹部の内奥部に挿入
した状態の安全剃刀の斜視図、第２図は同じく側
面図、第３図は同じく平断面図、第４図は第１図
の−線断面図、第５図は部分断面図、第６図
はアームを収容凹部から前方へ移動させた状態の
安全剃刀の側面図であり、第７，８図は第二実施
例を示し、第７図は安全剃刀の斜視図、第８図は
同じく断面図であり、第９図は係止手段の別例を
示す部分側面図である。 １……ホルダ、１ａ……背、２……収容凹部、
５……アーム、８，１６……係止手段としてのね
じ部材、１１……刃体、１８……係止手段として
のばね部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ホルダ１と、 円弧状をなし、かつ先端に刃体１１を取付け
   得るアーム５と、 そのアーム５を前記ホルダ１の長さ方向への
   移動可能に収容し、かつ使用時におけるアーム
   ５のホルダ１背１ａ側への撓みを受け止めるた
   めの収容凹部２と、 前記アーム５をホルダ１に係止するための係
   止手段８，１６，１８と、 を備えたことを特徴とする安全剃刀。 ２ 係止手段８はアーム５を移動させる機能を備
   えるものである請求項１記載の安全剃刀。