JP2004031889A - 電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素及びその製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素及びその製造方法 Download PDF

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伊藤 憲治
Norikazu Miyashita
宮下 憲和
Tadanori Nomura
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Abstract

【課題】高静電容量、特に高放電電流密度領域で高静電容量を有する水系電気二重層キャパシタ電極用炭素材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類以上の酸性ガスを多孔質炭素に吸着処理するか、または0.1MPaより大きい圧力で電解液を多孔質炭素に含浸処理することで高静電容量を有する電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素を得た。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高静電容量、特に高放電電流密度領域において高静電容量を有する電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化が積極的に進められる中、バックアップ電源に用いられる小型で信頼性の高い高静電容量の電気二重層キャパシタ(EDLC)が採用される様になっている。特に、最近では電気自動車の実用化に向けて、電源用二次電池の補助電源、あるいは二次電池の負荷を平滑化する目的として、更に高静電容量の新型キャパシタとして、EDLCが着目されて来ている。EDLCとは固体と液体の界面に生じる電気二重層を利用したコンデンサである。その構造は、セパレータを挟んだ1組の分極性電極とこれらを収納するケースと電解液と集電体からなる。
【0003】
分極性電極材料としては、大比表面積を有する活性炭(粉末を固めたもの、不織布状、シート状)が用いられる。通常、活性炭原料には、ヤシ殻やセルロース等の植物質や石炭質や石油ピッチ等の石油質やフェノール樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)等の樹脂質が使われている。一方、電解液としては、水系ならば例えば硫酸水溶液、水酸化カリウム水溶液を、また、有機溶媒系ならば第4級オニウム塩を溶解したプロピレンカーボネイト(PC)等の電解液が使われることが多い。水系電解液を用いた水系EDLCは、電解液の導電率が高いために低等価直列抵抗(ESR)化に向いており、湿度に影響されず環境特性に優れる。また、有機系電解液を用いた有機系EDLCは、耐電圧が高いため、高エネルギー密度を持ち、小型化出来るという特長を持っている。
【0004】
最近、EDLCが大静電容量を蓄えられる様になり、大電流を供給出来る様になった背景には、電極材料として活性炭を採用したことによる所が大きい。EDLCの静電容量は、その電極材料である活性炭の構造及び物性に大きく左右され、活性炭への要求特性として、(1)大きな比表面積を持つこと、(2)導電性があり、内部抵抗が低いこと、(3)かさ密度が大きいこと、(4)電解液の活性炭への含浸性が高いこと、が挙げられる。これらの要求特性には、特に活性炭の細孔容積及び細孔径分布等の細孔構造と電解液の活性炭の細孔への充填率が大きな影響を与えると考えられる。
実際に、EDLCの静電容量の改良を目的とした、活性炭の細孔構造を制御する従来技術の例としては、細孔形状及び細孔径に着目した特開文献1の技術が既に報告されている。
【0005】
特開文献1の技術によれば、細孔構造の評価手段として、透過型電子顕微鏡による観察画像と画像処理を併用することで、活性炭の細孔はスリット状か楕円状であり、水系溶液電解液では水分子径(約4Å)の1.5〜3倍の範囲のスリット幅(6〜8Å)、スリット長(6〜12Å)の細孔を有する電極材が有効であり、有機系電解液では電解液の溶媒和したイオンのイオン径+2Å以上の細孔の電極材が大静電容量のEDLCに最適であることが示されている[溶質が(CNBFで溶媒がPCの場合には、スリット幅14Å以上でスリット長25Å以上の細孔を有する電極材が有効と示されている]。そして、この最適な細孔構造有する活性炭として、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC樹脂)粉末を窒素ガス(N)雰囲気下で900℃炭化して作製した電極(電極形状:厚さ0.3mm、直径20mm)の水系EDLC[電解液30wt%硫酸]の150mA定電流放電(放電電流密度48mA/cm)時の静電容量の性能値33F/ccを示している。特開文献1の技術は、従来重点が置かれていた細孔構造の比表面積の視点に加え、水系EDLC、有機系EDLCの夫々に対し、使用する電解液の分子サイズに応じた適切な細孔径が存在することを示した点で優れたものである。しかし、細孔径と電解液の分子サイズが同程度の大きさであるため、本発明が示す様に電解液が活性炭の細孔へ含浸しにくい。特開文献1には、炭素電極への電解液の充填方法として、水溶液系では30wt%の硫酸を、有機系ではPCを溶媒に1Mの(CNBFを溶質として注入し、十分に含浸させると記述されているだけで具体的な方法は記述していない。
【0006】
炭素あるいはその電極への電解液の充填方法としては、特開文献2、特開文献3の技術によれば炭素微粉末と高電導度電解質液(硫酸等)との練合せ品で夫々電解コンデンサ、EDLC電極を形成することが記示されているが、本発明で示す様に単なる練合せでは電解液の炭素あるいはその電極への充填は不十分である。
【0007】
また、特開文献4の技術によれば、真空含浸法により炭素あるいはその電極へ電解液を充填方法する方法が示されている。真空含浸処理により、細孔内の空気を除去し、電解液を細孔内へ充填するというこの方法は優れているが、含浸圧は高々0.1MPaであり、本発明に比べると不十分である。
特開文献5には、亜硫酸ガス(SOガス)を活性炭に吸着させ煙道ガス中から硫黄酸化物を効率よく除去する方法が示されているが、本発明の電気二重層キャパシタ電極用炭素とは全く関係ない技術である。
【0008】
以上述べた通り、マイコンやICメモリの小型バックアップ電源をはじめ、無鉛蓄電池代替の無停電電源やハイブリッド自動車(HEV)の補助電源として、更なる単位重量あたり、あるいはまた単位体積あたりの静電容量が高く、且つ有機溶媒や重金属を含まない環境負荷が小さい水系EDLC電極用多孔質炭素が求められている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−220985号公報
【特許文献2】
特開昭53−068865号公報
【特許文献3】
特開平2−174210号公報
【特許文献4】
特開2001−110689号公報
【特許文献5】
特開昭54−050487号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高静電容量、特に高放電電流密度領域において高静電容量を有する電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素及びその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本課題を解決するためには、電解液の多孔質炭素の細孔構造への充填率を高めることが重要である。電解液の細孔内での移動性に関しては、西野敦、直井勝彦監修、「大容量キャパシタ技術と材料〜電気二重層キャパシタとウルトラキャパシタの最近動向〜」、(株)シーエムシー、1998年、p.16−17には細孔径と電気二重層容量との関係が記述されている。それによれば細孔径が電解質イオンより小さければ容量は発現しない。また、細孔径がイオン径とほぼ同程度である場合(場合b)は細孔内でイオンの移動度が小さいこと、また十分大きい場合(場合d)でもイオンと細孔の内壁との平均自由工程が長くなるためイオン拡散性が低下し、両場合とも高放電電流密度領域での容量が低下する。そして場合bと場合dとの中間にあたる場合(場合c)で、高放電電流密度領域での容量も低下せず効率よく容量が発現することが述べられている。
【0012】
更に、宮原、吉本、岡崎、『活性炭パワーコンデンサにおけるナノ細孔内イオン移動の速度論』、「化学工学会第63年会研究発表講演要旨集」、化学工学会、1998年、O307では、細孔内のイオン移動過程に注目して水系EDLCの充放電挙動を記述する速度モデルを構築している。その結果によれば、1MのKCl電解質(水和状態のイオン径を7Åとする)を用いた水系EDLCでは、細孔径8Å近傍でのわずか2Åの細孔径の差が細孔内の電解液イオンの移動度に数倍も変化を生じることが示されている。
【0013】
これらの知見によれば、細孔径が大きければ電解液は含浸しやすいが、細孔径数Åの違いで電解液イオンの移動度が大きく変わり、高放電電流密度領域で高容量を得るには、細孔構造の最適化だけでなく、別の方法が必要であることが分かる。本発明者は鋭意研究を重ねた結果、EDLCの静電容量を高めるためには、多孔質炭素の細孔への電解質の充填度を高めることで、電気二重層容量の発現に使われる有効な細孔数を増やすことが重要であることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明は下記のとおりである。
1.多孔質炭素に少なくとも1種類以上の酸性ガスを吸着させる工程を含むことを特徴とする電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素の製造方法。
2.多孔質炭素に0.1MPaより大きい圧力で電解液を含浸させる工程を含むことを特徴とする電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素の製造方法。
3.多孔質炭素に対して、少なくとも1種類以上の酸性ガスを吸着させる工程、0.1MPaより大きい圧力で電解液を含浸させる工程の少なくとも一工程を含む製造方法により得られる電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素。
【0015】
4.多孔質炭素の原料が、塩化ビニリデン樹脂であることを特徴とする1.または2.記載の電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素の製造方法。
5.多孔質炭素の原料が、塩化ビニリデン樹脂であることを特徴とする3.の電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に詳細に説明する。
本発明の炭素材料を得るには、下記の(1)に示すEDLC電極用炭素を(2)に示す電解液充填処理すれば良い。
(1)EDLC電極用炭素
本発明の電気二重層キャパシタ電極用炭素には、特に限定はなく、公知の多孔質炭素を用いることができる。多孔質炭素としては、例えば、市販の活性炭はもちろんのこと、多孔質炭素原料として木材、木粉、オガクズ、木炭、ヤシ殻、クルミ殻、果実種子、パルプ製造時の副産物、バカス、廃糖蜜、泥炭、草炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、ピート炭、石油蒸留残渣成分、石油ピッチ、コークス、コールタールなどの植物系原料や化石系原料、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール樹脂、セルロイド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂などの各種合成樹脂、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレンなどの合成ゴム、その他合成木材、合成パルプなどを原料として用いた多孔質炭素があげられる。また上述の多孔質炭素原料の例にとどまらず、各種廃樹脂や廃タイヤ、その他の廃ゴムなどのような各種廃棄物、樹脂やプラスチック製造時の成型バリやその他の廃棄物、醸造工程で産出する酒粕などの絞り滓や精糖廃物、各種蒸留残渣成分などの産業廃棄物なども使用することができる。この中で、多孔質炭素原料としては塩化ビニリデン樹脂が好ましい。
【0017】
炭素原料の炭化、賦活方式としては、例えば固定床方式、移動床方式、流動床方式、スラリー方式、ロータリーキルン方式、トンネルキルンなどのこれまで知られている活性炭の製造方式が挙げられる。炭化方法としては窒素ガス、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ネオン、一酸化炭素、燃焼排ガスなどの不活性ガス及びこれらの不活性ガスを主成分とした混合ガスを使用して焼成する方法が挙げられる。賦活化方法としては、水蒸気、塩化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素などの賦活ガスを用いて焼成するガス賦活法や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ホウ酸、リン酸、硫酸、塩酸、塩化亜鉛などの存在下に上述の活性炭原料を賦活するいわゆる薬品賦活法が挙げられる。
【0018】
炭化の温度や時間の条件としては、通常250〜1500℃、10分〜30時間程度が好ましく、より好ましくは300〜1100℃、15分〜25時間程度、さらに好ましくは350〜850℃、20分〜20時間程度である。賦活の温度や時間の条件としては、通常200〜1200℃、10分〜30時間程度が好ましく、より好ましくは400〜1100℃、15分〜25時間程度、さらに好ましくは600〜1000℃、20分〜20時間程度である。
【0019】
これらの炭素材料として、好ましくは、特開2001−110689号公報、特開平7−249551号公報、特開平8−236406号公報、特開2000−353644号公報に記されている塩化ビニリデン樹脂を炭素原料とした炭素材料や、特開平10−199767号公報に記された石油ピッチ、コークスを炭素原料とした活性炭やフェノール樹脂を炭素原料とした活性炭やヤシ殻を炭素原料とした活性炭を単独に/あるいは混合して好適に使用される。
【0020】
本発明に用いられる多孔質炭素の細孔構造は、EDLCの静電容量を上げるため、特開平7−220985号公報に示される電解液イオン径に対し好適な細孔径を出来るだけ多く有する多孔質炭素であることが重要である。例えば、硫酸水溶液を電解液イオンとする場合、二酸化炭素ガス(CO)を用いたガス吸着法による細孔分布のメディアン細孔径が7.9Å〜12.4Åにあり、且つそのピーク微分細孔容積が0.073cc/(g・Å)以上であることが好ましい。また、多孔質炭素の形態は必要により目的とする粒度に粉砕し、更に必要により分級によってその粒度を調整した炭素紛末であれば良い。
【0021】
本発明の炭素材料の粒度は、中位径が好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μm、更に好ましくは1〜50μmである。粒子径が大きすぎたり、小さすぎると抵抗が増加する傾向がある。また、粒子形状はその構成粒子が球状であることが好ましい。例えば、乳化重合法で得られる約0.1μmの球状ラテックス粒子を使い特開2000−353644号公報の技術を用いて得られる炭素微粒子またはその焼結体である。
【0022】
また、炭素電極の作製方法に、特に制限はない。例えば、特開昭62−16506号公報の技術を用いて炭素粉末をラテックスバインダーを用いて混錬成形しても良いし、特開平9−74053号公報の技術に記されている様にバインダーを用いて成形したものを炭化した電極を用いても良い。好ましくは、炭素粉末に電解液を加えてバインダーなしでスラリー状にして集電体上に塗布したものである。
【0023】
(2)電解液充填処理
本発明で最も重要なことは(1)のEDLC電極用炭素(以下、炭素と略す)または炭素電極の電解液充填処理であり、以下に述べるA法またはB法の少なくとも一方の処理を行なう。A法とB法とを組合せても良い。
具体的には、A法として、少なくとも1種類以上の酸性ガス、例えば無水硫酸ガス(SO)、亜硫酸ガス(SO)、無水塩酸ガス(HCl)、二酸化窒素(NO)、または無水リン酸ガス(P)を炭素または炭素電極に吸着処理(酸性ガス処理)する工程を含む処理を行う。酸性ガスとしては、水に溶けてEDLCの電解液と同一となることが好ましく、酸性ガス処理温度範囲の点からSO、SO、HClが良い。
【0024】
酸性ガス処理は、まずA1処理として、予め炭素または炭素電極を容器に入れ、その中に酸性ガス源を固体または液体または気体で導入するか、逆に酸性ガスを予め導入した容器に炭素または炭素電極を密閉容器に投入して、酸性ガスを蒸気圧によって炭素または炭素電極に吸着させる。酸性ガス処理温度範囲は、蒸気圧が高いほど短時間で酸性ガスを吸着できるが、好ましくは融点〜沸点が良い。低温すぎると酸性ガスの蒸気圧が低く短時間で処理しにくい。また、高温すぎると付着したガスが脱着し、効果的な処理が出来にくい。また処理時間は1分〜2週間が好ましく、より好ましくは1時間〜1週間である。処理時間が短いと不均一となり、処理時間が長いと生産性が落ちる傾向がある。
【0025】
なお、A1処理として、炭素または炭素電極の細孔へ酸性ガスの吸着を高めるために、予め炭素または炭素電極は付着した水分を真空乾燥機等を用いて除去し、さらに容器に入れた後に減圧下に置く。
A1処理に続いてA2処理として、EDLCを作製した時の電極中の電解液濃度を調整するために、A1処理により酸性ガスを吸着させた炭素または炭素電極に水蒸気を吸着させる処理(水蒸気付着処理)を行うことが好ましい。なお、EDLCの電解液濃度は、20〜40%が好ましく、より好ましくは25〜35%である。濃度が20〜40%であれば、高い電気伝導度を保つことができる。また、40%より高い濃度では、粘度が上がりイオン伝導度が下がる傾向がある。濃度が20〜40%の範囲であれば、EDLCの内部抵抗は上昇することなく、静電容量を保持できるので好ましい。処理温度範囲は、酸性ガスと同様に水の融点〜沸点が良い。また処理時間は1分〜2週間が好ましく、より好ましくは1時間〜1週間である。処理時間が短いと不均一となり、処理時間が長いと生産性が落ちる傾向がある。
【0026】
なお、A法の処理に引き続き、次のB法を行うこともできる。
B法として、0.1MPaより大きい圧力で電解液を炭素または炭素電極に含浸処理(電解液含浸処理)する工程を含む処理を行う。電解液含浸処理は、B1処理として、予め炭素または炭素電極とEDLCに用いる電解液を容器に入れ、特開2001−110689号公報の技術と同様に真空含浸処理を行う。電解液の濃度はA2処理のところで示したように20〜40%が好ましく、より好ましくは25〜35%である。真空含浸の処理温度は、室温(約20℃)〜電解液の沸点で行う。処理温度が高いほど短時間で炭素または炭素電極の細孔内の脱ガス及び電解液の含浸ができるが、低温すぎると脱ガス量が減少すると共に電解液粘度が増し効果的な含浸ができない。また、高温すぎると電解液の分解劣化や装置の腐食劣化や危険性が高くなる傾向がある。また処理時間は30分〜2週間が好ましく、より好ましくは1時間〜1週間、特に好ましくは4時間〜3日間である。処理時間が短いと脱ガスが不十分となり、処理時間が長いと生産性が落ちる傾向がある。なお、B1処理に先立ち、炭素または炭素電極の細孔へ電解液の含浸を高めるために、予め炭素または炭素電極に付着した水分を真空乾燥機等を用いて除去することが好ましい。但し、A処理に引き続き行なうときは、この水分除去を行なわない。
【0027】
B1処理に続いてB2処理として、電解液を真空含浸した炭素及び炭素電極を更に高圧流体を用いて電解液の高圧含浸処理を行う。印加圧力は0.1MPaより大きく1.5MPa以下が好ましく、より好ましくは0.3MPa〜1.0MPaである。印加圧力が低いと電解液の含浸効果が小さく、高ければ炭素及び炭素電極の破損や装置劣化や危険性が生じやすい。高圧処理温度は室温〜電解液の沸点、好ましくは室温〜分解や沸騰しない範囲で電解液の粘度が最も低くなる温度で行う。処理温度が高温すぎると電解液の分解劣化や装置の腐食劣化や危険性が生じやすい、低温すぎると脱ガス量の減少すると共に電解液粘度が増し効果的な含浸ができない。
なお、B1処理後またはB2処理後に劣化しない範囲で炭素及び炭素電極を煮沸処理や超音波処理してもかまわない。B法によって得られた炭素または炭素電極は、ガラスフィルターや濾紙等を用いて過剰な電解液を除去することが好ましい。
【0028】
(3)本発明の炭素材料の特性評価方法
(1)に示した炭素及び炭素電極を(2)に示した電解液充填処理を行って得られた本発明品である炭素材料の特性値の測定方法を述べる。
まず、対象粒子が炭素材料か否かの判定は、通常の元素分析手法に従えば良い。例えば、対象試料の蛍光X線分析測定を行い炭素原子が全観測元素の70wt%以上であり、且つX線回折ディフラクトメータによる散乱角2θ=10度〜60度のX線回折測定チャートにおいて2θ=15〜35度(ピークは約25度)または35〜55度(ピークは約43度)にブロードな散乱ピークあれば炭素材料であると判断される。なお、この対象試料に無機物や有機物が混在した場合も、それが通常の化学処理により容易に洗浄除去できる場合や出来ない場合でも30wt%未満であれば、本発明では炭素材料とする。また、多孔質炭素以外の黒鉛、フラーレン等の炭素材料が混在する場合は、ラマン分光法等の手法を併用してその混在量を見積もり、30wt%未満であれば、本発明では炭素材料とする。
【0029】
次に、対象粒子が多孔質粒子であるか否か及びその形状確認は、通常の形態観察に常用される電子顕微鏡観察手法、即ち透過型電子顕微鏡観察(TEM観察)または走査型電子顕微鏡観察(SEM観察)を行えば良い。なお、本発明でいう球状粒子とは、真球だけでなく回転楕円体等の球に類似する形状をも指す。また、本発明の球状粒子とは基本構成粒子のことであって、その凝集体は異形形状であったり、500μmより大きかったりすることがある。しかし、これらは粉砕や超音波処理により容易に500μm以下の球状の基本構成粒子にもどることから、本発明では球状粒子として扱う。
【0030】
多孔質炭素のメディアン細孔径及びピーク微分細孔容積は、多孔質材料の細孔構造測定法として常用されるCOを用いたガス吸着法による細孔分布測定法を用いる。即ち、本発明の細孔分布測定は、島津製作所株式会社製の定容量式ガス吸着法測定装置「ASAP2010(商標)」を用い、対象試料の前処理として250℃、15時間脱ガス処理(炭素前駆体の場合は150℃、15時間)を行った後、吸着ガスとしてCOを、吸着測定温度はドライアイスとメタノールの混合溶液温度−78℃で相対圧約3.5×10 〜約0.3までの等温吸着測定を実施した。メディアン細孔径及びピーク微分細孔容積の値は、装置付属のSaito−Foleyの円筒状細孔モデルを用いた解析ソフトにて5〜20Åの範囲にあるマイクロ孔の細孔分布を算出し求めた。ここで、ピーク微分細孔容積とは上記解析ソフトにて導出される5〜20Åの範囲にあるマイクロ孔の細孔分布におけるピークの値のことを指す。なお、メディアン細孔径とは、上記解析ソフトにて導出される値であり、細孔分布におけるピークに対応する細孔径ではない。
【0031】
本発明の電解液充填処理による炭素及び炭素電極への電解液充填量の確認は、熱分析として常用される熱重量/示差熱分析法(TG/DTA法)と質量分析器(MAS)を併用した分析を用いて、炭素及び炭素電極に吸着した電解液量を求めれば良い。硫酸電解液を用いた電解液充填処理した炭素またはバインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のみを用いた炭素電極の場合、TG/DTAの窒素雰囲気下(ガス流量100cc/分)、昇温速度10℃/分のもとで室温〜150℃の温度領域に主として水分の蒸発に伴う重量減少が生じ、150℃〜340℃の温度領域に主として硫酸の分解に伴う重量減少が生じ、500℃〜620℃の温度領域に主としてPTFEの分解に伴う重量減少が生じる。従って、340℃では炭素または未分解のPTFEのみが残るため、各温度範囲のTGの変化量から炭素に吸着した水分量(HO分、単位%)、硫酸量(HSO分、単位%)、炭素分(C分、単位%)を見積ることができる。なお、PTFEの存在する炭素電極の場合は、PTFEを除いたHO分とHSO分とC分の合計が100%となるように各成分率を計算する。この様にして求められる各成分率から炭素または炭素電極中の絶乾状態相当の炭素量(DRY炭素量)が求められる。
【0032】
(4)EDLC用炭素電極の作製及びその静電容量測定方法
実施例で示す本発明のEDLC電極用炭素を使ったEDLCの静電容量は、次の方法にて水系EDLC用炭素及び炭素電極を作製して評価した。
【0033】
(4−1)水系EDLC用炭素電極の作製法
本発明で用いた炭素粉末は、100μm以上の場合は粉砕ミルを用いて100μm以下に粉砕し、1〜100μmに篩い分けをした後、真空乾燥機で200℃、2時間の真空乾燥により、炭素粉末の水分を十分に除去し、EDLC用炭素を得る。次に、本発明の炭素材料は、真空デシケータ等を用いてEDLC炭素への水分の吸着を防ぎ、EDLC用炭素の本発明の電解液充填処理をする。なお、下記に示す比較例では、電解液充填処理をせずに次のバインダーを用いた加熱混練処理に進む。
【0034】
電解液充填処理が終わった炭素をバインダーとしてPTFEラテックスを固形分換算として5wt%添加し、メノウ乳鉢内で加熱混練した後、次いでEDLCの単極あたりこの炭素混錬物約30mgを錠剤成形器を使って約21MPaで加圧成形して、直径10mmφ、厚み約0.3〜1.5mmの円板状の水系EDLC用炭素電極を得る。比較例では、この炭素混錬物を真空乾燥機で200℃、4時間の真空乾燥により、水分を十分に除去した後、すみやかに電極の重量、体積を秤量あるいは算出する。
【0035】
(4−2)水系EDLCビーカーセルの作製法
(4−1)の作製法にて水系EDLC用炭素電極を2個(正極用炭素電極及び負極用炭素電極)を作製した後、硫酸電解液に約12時間真空含浸処理を行なう。更に、硫酸電解液を含浸した電極2枚を厚さ100μmのポリエチレン製微多孔膜のセパレータ(旭化成(株)製 ハイポアH−1100A(商標))を介して対面させ、白金板の集電体、更にその外側をテフロン(登録商標)板で挟み20cN・mのトルク圧で固定して、水系EDLCビーカーセルを作製する。できた水系EDLCビーカーセルを硫酸電解液の入ったビーカに浸せきし、再度真空デシケータにて室温で約6時間真空含浸して水系EDLCビーカーセル(以下ビーカーセルと呼ぶ)を作製する。ここで、硫酸電解液の濃度は(2)のA2処理のところで示したように、20〜40%が好ましく、より好ましくは25〜35%である。
【0036】
(4−3)静電容量の測定方法
EDLCの静電容量の測定には直列回路の時定数から求める定電圧充電法と定電流で放電し電荷量に対する電圧の変化から求める定電流放電法があるが、定電流放電法にて測定した。即ち、容量測定は、日置電機(株)製EDLC評価システムを用いて、日本電子機械工業会規格EIAJ RC−2377にある定電流放電法に準じて20℃、65RH%の恒温恒湿機の中にビーカーセルを入れ、0.9V、100mAでの定電流定電圧充電、50mAの定電流放電を50回繰り返してビーカーセルの慣らし運転を行った後、0.9V、100mAでの定電流定電圧充電(CCCV充電と呼ぶ)を行い、1mA(1.3mA/cm)〜600mA(764mA/cm)の色々な放電電流(放電電流密度)で定電流放電を行った後、各放電電流(放電電流密度)で充電電圧の60%〜50%での放電時間−端子間電圧曲線の傾きから各放電電流(放電電流密度)での静電容量を算出した。
【0037】
即ち、静電容量C(単位はファラッド[F])、放電電流I(単位はアンペア[A])、充電電圧の60%となった時の端子間電圧V1(単位はボルト[V])及びその時の時間T1(単位は秒[sec])、充電電圧の50%となった時の端子間電圧V2及びその時の時間T2とすると、C=I×(T2−T1)/(V1−V2)によって算出される。後述する実施例では、この様にして算出したCの値を使用した電極重量(正極と負極に使用した本発明である炭素材料のDRY炭素量の和、単位はグラム[g])または電極体積(正極と負極の体積の和、単位はシーシー[cc])で割り、それぞれ重量あたりの静電容量(重量静電容量、単位はF/g)と体積あたりの静電容量(体積静電容量、単位はF/cc)を算出して、本発明である炭素材料を用いて得られる水系EDLCの性能とする。また、0.9V、100mAでのCCCV充電においてCCからCVへの切り替える間の開放放置における電圧降下から直流内部抵抗DCRを求め、電極サイズからDCR率を算出する。
【0038】
【実施例、比較例】
以下実施例、比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例に用いた炭素は、関西熱化学(株)製EDLC用活性炭MAXSORB−25(商標)と、武田薬品工業(株)製のヤシガラ活性炭WH2C(商標)と下記に示すポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC樹脂)を炭素原料として、炭化して得られる多孔質炭素である。
【0039】
(実施例1〜14、比較例1〜6)
[炭素原料としてのPVDC樹脂の作製]
本実施例及び比較例で用いた炭素原料としてのPVDC樹脂は、次の様にして重合した。
(1)懸濁重合法による例
懸濁重合法を用いて実施例1、実施例2、実施例7〜10、比較例1、比較例2のホモPVDCを作製した。即ち、撹拌機付きのガラスライニングした反応機に、懸濁剤ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)0.03部を溶解した脱イオン水100部を投入し、60rpmの回転速度で撹拌開始後系内30℃にて窒素置換した。その後、重合開始剤イソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)0.16部を溶解した。そして、ホモPVDCを作製するためVDC単独の全モノマー100部を投入した。30℃で30分間攪拌した後、反応機内を重合開始剤が反応する温度45℃に昇温して重合反応を開始する。攪拌下で15時間に重合反応を行った後、更に反応機内を55℃に昇温して(昇温速度10℃/時間)、11時間重合反応を行った(重合収率99%以上であった。重合反応終了後、降温して、スラリーを取り出した。得られたスラリーを遠心式の脱水機にかけ、水を脱水した後、熱風式乾燥機を用い60℃で乾燥し、粉末状のホモPVDCを得た。得られたホモPVDCの粒径、形態、微結晶サイズSはそれぞれ200μm、球状、271Åであった。
【0040】
(2)乳化重合法による例
乳化重合法を用いた例である、実施例3、実施例11、比較例3のホモPVDC、実施例6、実施例14、比較例6のPVDC共重合体(塩化ビニルモノマー98部とアクリロニトリルモノマー8部との共重合体)は、まず撹拌機付きのガラスライニングした耐圧反応器中に水550部、重合開始剤過硫酸ナトリウム0.15部、乳化剤アルキルスルホン酸ナトリウム0.3部を仕込み、脱気した後、内容物の温度を重合開始剤が反応する温度50℃に昇温して温度を保つ。
【0041】
これとは別の容器に重合モノマーを計量混合してモノマー混合物100部を用意する。即ち、ホモPVDCの場合はVDC単独を、PVDC共重合体の場合は規定のモル組成比で混合した全モノマー100部を用意する。
重合反応は、前記耐圧反応器中にモノマー混合物7部を一括添加し、撹拌下反応器の内圧が降下するまで重合した(核形成)。続いて、モノマー混合物の残り全量93部を所定時間10時間にわたって連続的に定量添加しながら重合反応を行った。この間内容物を攪拌下、反応温度を保ち、内圧が十分に降下するまで反応を進行させて、PVDC樹脂の水分散体(PVDC樹脂ラテックス)を得た。実施例6、実施例14、比較例6では得られたPVDC樹脂ラテックスを塩析剤として塩化カルシウムを用いて塩析して、PVDC樹脂を沈殿させ、水洗、60℃で乾燥することで、PVDC共重合体の粉末を得た。
【0042】
[脱塩酸処理]
実施例3、実施例11、比較例3は上記の乳化重合で得られたホモPVDCのラテックスを下記の化学的脱塩酸処理を行い炭素前駆体を作製した。即ち、アルカリとして水酸化カリウム(KOH)を、膨潤剤としてテトラヒドロフラン(THF)を、希釈剤としてメタノール(MeOH)を、その他として水を夫々重量組成比(モル組成比)がこの順に19.9wt%(11.8モル%)、19.9wt%(9.2モル%)、40.3wt%(42.0モル%)、19.9wt%(36.9モル%)となる均一な脱塩酸溶液を用いて、室温でホモPVDCのラテックスの脱塩酸率(脱HCl率:PVDC中のすべてのHClが脱離した場合を100%とする)が約10%となる様に処理時間を変えて化学的脱塩酸処理を行った。
【0043】
[炭化処理]
上記で得たホモPVDC、PVDC共重合体及び炭素前駆体をN雰囲気下、島津理化(株)製小型電気管状炉を用いて、昇温速度10℃/分で400℃まで加熱し、2時間保持させた後、更に同昇温速度で所定の最終炭化温度の温度まで加熱し、2時間保持させた後、室温まで自然放冷して求めるEDLC炭素を得た。実施例1、実施例6、実施例7、実施例14、比較例1、比較6の最終炭化温度は700℃であり、実施例2、実施例8〜10、比較例2の最終炭化温度は900℃であり、実施例3、実施例11、比較例3の最終炭化温度は1100℃である。
【0044】
[電解液充填処理]
実施例1〜6には、酸性ガスとして発煙硫酸を用いてA法による電解液充填処理を行った。具体的には、予め十分に乾燥した上記の炭素をガラス製真空デシケータ内に入れ真空状態に保つ。続いてA1処理として、発煙硫酸をデシケータ内に、デシケータ内をSOガスで満たした。そのまま室温で1週間放置し、炭素に十分SOガスを吸着させた。次にA2処理として、デシケータ内に水の入ったビーカを置き、室温で3日間の水蒸気付着処理を行った。
また、実施例7、実施例8、実施例11〜14には、電解液として30wt%硫酸を用いてB法による電解液充填処理を行った。具体的には、予め十分に乾燥した上記の炭素をB1処理として、室温で3日間真空含浸処理した後、B2処理として室温で印加圧0.35MPa、1日間の高圧含浸処理を行った。ここで、実施例9と実施例10は、10%(実施例9)と50%(実施例10)の電解液を用いて同様に電解液含浸処理を行った。
【0045】
[EDLC用炭素電極の作製及びその静電容量測定]
「課題を解決するための手段」(4)のEDLC用炭素電極の作製及びその静電容量測定方法に従って、炭素電極を作製し、30%硫酸電解液での静電容量及びDCRを測定した。
全ての実施例及び比較例の結果を表1にまとめて示す。実施例1〜8、実施例11、実施例12と比較例1〜6の比較より、炭素の種類に関係なく、本発明の炭素材料を用いれば静電容量、特に高出力放電時の静電容量が改善することがわかる。
また、実施例8〜10より、硫酸電解液が20〜40%の範囲内であれば、DCR率が低く、高出力放電時の容量がより高くなる傾向にあることがわかる。
【0046】
【表1】
Figure 2004031889
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、高静電容量を与える水系EDLC電極用炭素材料を提供することができる。

Claims (5)

  1. 多孔質炭素に少なくとも1種類以上の酸性ガスを吸着させる工程を含むことを特徴とする電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素の製造方法。
  2. 多孔質炭素に0.1MPaより大きい圧力で電解液を含浸させる工程を含むことを特徴とする電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素の製造方法。
  3. 多孔質炭素に対して、少なくとも1種類以上の酸性ガスを吸着させる工程、0.1MPaより大きい圧力で電解液を含浸させる工程の少なくとも一工程を含む製造方法により得られる電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素。
  4. 多孔質炭素の原料が、塩化ビニリデン樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素の製造方法。
  5. 多孔質炭素の原料が、塩化ビニリデン樹脂であることを特徴とする請求項3の電気二重層キャパシタ電極用多孔質炭素。
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