JP2004031782A - 有機金属ガス供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】あらかじめ過剰量の液体有機金属(5)を有機金属バブラ(2)に補充しておかなくても、エピタキシャル層(14)を形成している間は一定の含有量で有機金属成分を含有する有機金属ガス(7)を供給し続けることが容易な有機金属ガス供給装置(1)を提供する。
【解決手段】本発明の装置(1)は、有機金属バブラ(2)と、貯蔵容器(3)と、液体有機金属(5)の液量を測定する液量計(4)とを備え、液体有機金属(5)は貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に予め補充する。液量計(4)は液量を有機金属バブラ(2)のガス導入管(21)とガス導出管(22)との間の圧力差によって測定する。この装置(1)は、液量計(4)により、必要量の液体有機金属(5)を有機金属バブラ(2)に収納しておくことが容易で、基板(13)上にエピタキシャル層(14)を形成する処理チャンバー(12)を備える化学気相堆積装置(11)に好ましく用いられる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の装置(1)は、有機金属バブラ(2)と、貯蔵容器(3)と、液体有機金属(5)の液量を測定する液量計(4)とを備え、液体有機金属(5)は貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に予め補充する。液量計(4)は液量を有機金属バブラ(2)のガス導入管(21)とガス導出管(22)との間の圧力差によって測定する。この装置(1)は、液量計(4)により、必要量の液体有機金属(5)を有機金属バブラ(2)に収納しておくことが容易で、基板(13)上にエピタキシャル層(14)を形成する処理チャンバー(12)を備える化学気相堆積装置(11)に好ましく用いられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機金属ガス供給装置に関し、詳しくは液体有機金属をキャリアガスでバブリングし、得られた有機金属ガスを供給する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機金属ガスは、化学気相堆積法により基板の上にエピタキシャル層(薄膜層)を形成して半導体集積回路等を製造するための原材料として有用であり、例えば図2に示すような有機金属バブラ(2)と、貯蔵容器(3)と、底部液面検知器(43)と、上部液面検知器(44)とを備えた有機金属ガス供給装置(1’)によって、有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)をキャリアガス(6)でバブリングして気化させる方法により得ることができる。ここで、キャリアガス(6)はガス導入管(21)から供給される。得られた有機金属ガス(7)はガス導出管(22)から外部に供給される。
【0003】
底部液面検知器(43)は、液体有機金属(5)が少なくなって液面(51)が底部(23)に達したことを検知する。底部液面検知器(43)による検知信号に基づき、貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(5)を補充することができる。液体有機金属は、液面(51)が上部液面検知器(44)で検知されるまで補充される。
【0004】
エピタキシャル層の形成が終了すると、キャリアガス(6)の供給を止めることで、有機金属ガス(7)の供給を停止することができる。エピタキシャル層の形成に必要な液量の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に残っている場合には、キャリアガス(6)の供給を再び開始することで、有機金属ガス(7)の供給を再開することができる。
【0005】
かかる有機金属ガス供給装置(1’)には、均質なエピタキシャル層を容易に形成できるために、エピタキシャル層を形成している間は途切れることなく有機金属ガス(7)を供給し続けることが求められている。このため、有機金属ガス(7)の供給を再開する際には、エピタキシャル層の形成に必要な液量の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に収納された状態であることが求められている。液体有機金属(5)の液量は、これまでの有機金属ガス(7)の供給量から見積もることができ、液体有機金属(5)の液量が必要量を下回っていると見積もられたときには、貯蔵容器(3)から液体有機金属(8)を補充したのちに、有機金属ガス(7)の供給が再開される。
【0006】
しかし、有機金属ガス(7)の供給量の測定は誤差が大きいため、かかる供給量から液体有機金属(5)の液量が必要量を上回っていると見積もられても、実際の液量は必要量を下回っていて、有機金属ガス(7)の供給が途中で停止するおそれがあった。このため、液体有機金属(5)の液量が必要量と等しいか、僅かに上回っていると見積もられたときでも、あらかじめ、液体有機金属(8)を補充してから有機金属ガス(7)の供給を開始していたが、これでは、エピタキシャル層の形成に必要な液体有機金属が僅かで、実際には必要量と等しいかこれを僅かに上回る量の液体有機金属(5)が収納されていても、上部液面検知器(44)で液面が検知されるまで過剰量の液体有機金属をあらかじめ補充することとなってしまう。
【0007】
液体有機金属(5)が少なくなると底部液面検知器(43)で液面(51)が検知されるので、この検知信号に基づいて貯蔵容器(3)から液体有機金属(8)を補充すれば、有機金属ガス(7)の供給を続けることもできるが、有機金属ガス(7)の供給途中に補充したのでは、補充によって有機金属バブラ(2)の内部の圧力、温度等が変動して液体有機金属(5)の気化量が変動し、有機金属ガス(7)に含まれる有機金属成分の含有量が変動するおそれがある。有機金属成分の含有量が供給途中に変動したのでは、均質なエピタキシャル層を形成することが困難となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、あらかじめ過剰量の液体有機金属を有機金属バブラに補充しておかなくても、エピタキシャル層を形成している間は、有機金属成分の含有量を変動させることなく、有機金属ガスを供給し続けることが容易な有機金属ガス供給装置を開発するべく鋭意検討した結果、有機金属バブラに収納されている液体有機金属の液量を測定する液量計を備えていれば、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る量の液体有機金属を収納しておくことが容易となり、過剰量の液体有機金属を補充しておかなくても、エピタキシャル層を形成している間は有機金属ガスを供給し続けることができ、また供給途中に液体有機金属を補充することもないので、有機金属ガスに含まれる有機金属成分の含有量が変動するおそれもないことを見出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、液体有機金属(5)を収納し、収納された液体有機金属(5)をキャリアガス(6)でバブリングして得られる有機金属ガス(7)を外部に供給する有機金属バブラ(2)と、
有機金属バブラ(2)に補充するための液体有機金属(8)を貯蔵する貯蔵容器(3)と、
有機金属バブラ(2)に収納された液体有機金属(5)の液量を測定する液量計(4)とを備え、
前記貯蔵容器(3)から前記有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を補充し得るように構成されていることを特徴とする有機金属ガス供給装置(1)を提供するものである。図1に本発明の有機金属ガス供給装置(1)の一例を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、有機金属バブラ(2)、貯蔵容器(3)および液量計(4)を備えている。
【0011】
有機金属バブラ(2)は、液体有機金属(5)を収納する。液体有機金属(5)は、液体状の有機金属であって、例えばトリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどが挙げられる。有機金属バブラ(2)に収納し得る液体有機金属(5)の液量は、有機金属ガス(7)の供給量などによって適宜選択されるが、通常は100cm3以上2500cm3以下程度の範囲である。
【0012】
有機金属バブラ(2)としては、かかる液体有機金属(5)を収納するために、通常は内部を外気から密閉した状態で液体有機金属を収納できる構造のものが使用され、通常は液体有機金属(5)を収納する有機金属バブラ本体(25)と、液体有機金属(5)を外気から密閉する蓋部(26)とから構成され、有機金属バブラ本体(25)と蓋部(26)とは、例えば溶接などによって互いに接合されている。これら有機金属バブラ本体(25)および蓋部(26)は、強度の点、液体有機金属(5)、キャリアガス(6)および有機金属ガス(7)に対して不活性である点で、通常は全面がステンレス鋼などの鋼材で構成されている。有機金属バブラ(2)の内容積は、内部に液体有機金属(5)を収納したときに、上部(24)に空間が生ずる程度であることが、バブリングにより発生する有機金属液体のミスト(飛沫)が有機金属ガスに混入することを防止する点で好ましく、有機金属バブラの内容積の20%程度以上、好ましくは30%程度以上の容積の空間が上部(24)に生ずる程度に、内容積が決められる。
【0013】
有機金属バブラ(2)では、収納されている液体有機金属をキャリアガス(6)でバブリングする。キャリアガス(6)としては、液体有機金属(5)を気化して有機金属ガス(7)を得るために通常使用されていると同様に、液体有機金属に対して不活性なガスが用いられ、具体的には水素ガス、窒素ガスなどが用いられる。キャリアガスの導入量は、目的とする有機金属ガスの供給量、有機金属ガスにおける有機金属含量に応じて適宜選択されるが、大気圧(0.1MPa)、0℃換算で通常は30m3/分程度以上300m3/分程度以下の範囲である。
【0014】
有機金属バブラ(2)として、図1に示すように通常の有機金属バブラと同様に、ガス導入管(21)およびガス導出管(22)を有しているものが使用できる。
【0015】
ガス導入管(21)は、有機金属バブラ(2)の底部(23)にキャリアガス(6)を導入する管である。ガス導入管(21)によって、液体有機金属(5)をバブリングすることができる。ガス導入管(21)は通常、外部から有機金属バブラの底部(23)に通ずる一本の管であり、通常は強度の点で、ステンレス鋼などで構成されている。図1に示す有機金属ガス供給装置(1)において、ガス導入管(21)は蓋部(26)に溶接されて設けられている。
【0016】
ガス導出管(6)は、バブリングにより得られる有機金属ガス(7)を有機金属バブラの上部(24)から外部の処理チャンバー(12)などに導き出す管である。かかるガス導出管(22)は通常、有機金属バブラ(2)の上部(24)から外部に通じる一本の管であり、通常は強度の点で、ステンレス鋼などで構成されている。図1に示す有機金属ガス供給装置(1)において、ガス導出管(22)は蓋に溶接されて設けられている。
【0017】
有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)の温度は、所定の気化温度に維持されていることが好ましい。所定の気化温度に維持するには、有機金属バブラ(2)を恒温槽(9)に設置すればよい。恒温槽(9)としては、所定の温度の水または油など(91)で有機金属バブラ(2)を一定の温度に維持し得るものが使用できる。
【0018】
気化温度は、液体有機金属の種類、キャリアガスの種類、キャリアガスの導入量、有機金属ガスの供給量、有機金属ガスにおける有機金属成分の含有量の目的値などに応じて適宜選択されるが、通常は0℃程度以上60℃程度以下の範囲である。液体有機金属(5)の温度は、例えば有機金属バブラ(2)に設けた温度計(10、10’)によって知ることができる。かかる温度計(10、10’)は、液体有機金属(5)が少なくなっても液温を測定できる点で、底部(23)で液温を測定する温度計(10)が好ましいが、その他の場所、例えば有機金属バブラ(2)の中間部などで液温を測定する温度計(10’)を有していて、複数箇所で液体有機金属の液温を測定できるようにしていてもよい。また、有機金属バブラ(2)は、有機金属ガス(7)の温度を測定するために、上部(24)に温度計(10”)を有していてもよい。
【0019】
図1に示す有機金属バブラ(2)には、ガス導入管(21)を通じてキャリアガス(6)が導入される。導入されたキャリアガス(6)は、有機金属バブラ(2)の底部(23)に導かれ、低部(23)から液体有機金属(5)をバブリングする。バブリングされた液体有機金属(5)は気化し、有機金属ガス(7)が得られるが、得られた有機金属ガスは液体有機金属の液面(51)よりも上の、有機金属バブラの上部(24)に充満する。有機金属バブラの上部(24)には、ガス導出管(23)が設けられているので、得られた有機金属ガス(7)は、このガス導出管(23)を通じて外部の半導体製造装置等(図示せず)に供給される。かくして供給される有機金属ガス(7)は、キャリアガス(6)と液体有機金属(5)が気化した有機金属成分との混合ガスである。
【0020】
キャリアガス(6)は、液体有機金属(5)を所定の気化温度に維持するのが容易となる点で、所定の気化温度に温度を調節してから有機金属バブラ(2)に導入されることが好ましい。キャリアガス(6)を所定の気化温度に調節するには、例えば有機金属バブラ(2)が恒温槽(9)に設置されている場合には、ガス導入管(6)を恒温槽(9)に設置し、キャリアガス(6)が恒温槽(9)を経由して所定の気化温度となってから有機金属バブラ(2)導入されるように構成してもよく、具体的には、例えばガス導入管(21)は恒温槽(9)の中でで有機金属バブラ本体(25)の周りを螺旋状に取り巻いていてもよい。
【0021】
かかる有機金属バブラ(2)は有機金属ガス(7)の供給を受ける装置、例えば化学気相堆積法により基板上にエピタキシャル層を形成するための処理チャンバーなどの近傍に備え付けられていることが好ましく、かかる装置などと同様に通常はクリーンルーム内に設置される。
【0022】
貯蔵容器(3)は、液体有機金属(8)を貯蔵するものであって、通常は内部を外気から密閉した状態で液体有機金属(8)を貯蔵できる構造のものが使用される。かかる貯蔵容器(3)は、内部の洗浄などが容易である点で、通常は液体有機金属(8)を貯蔵する貯蔵容器本体(30)と、液体有機金属(8)を外気から密閉する蓋部(31)とから構成され、貯蔵容器本体(30)と蓋部(31)とは、例えばボルト(図示せず)などによって結合されている。これら貯蔵容器本体(30)および蓋部(31)は、強度の点、液体有機金属(8)に対して不活性である点で、通常は全面がステンレス鋼などの鋼材で構成されている。
【0023】
貯蔵容器に貯蔵された液体有機金属(8)は、有機金属バブラ(2)に補充するためのものである。貯蔵容器(3)は、有機金属バブラ(2)の近傍に備えられていてもよく、有機金属バブラ(2)がクリーンルームの中に備え付けられている場合には、同様にクリーンルームの中に設置されてもよいが、クリーンルームの外に設置されてもよい。
【0024】
液量計(4)は、有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)の液量を測定するものである。かかる液量計は、収納されている液体有機金属(5)の液量を離散的な値として測定できるものであってもよいが、連続的な値として測定し得るものであることが好ましい。液量を連続的な値として測定し得る液量計としては、液体有機金属と(5)と接触しながらその液量を測定する液量計、例えば液体有機金属(5)に浮かべたフロートの位置によって液量を計測するフロート式液量計などであってもよいが、液体有機金属(5)と接することなく液量を計測できるものが好ましく、また有機金属ガスを供給している間、液体有機金属(5)はキャリアガス(6)によってバブリングされて液面(53)が絶えず変動しているので、液面(51)の変動に拘わらず液体有機金属(5)の液量を測定できるものがさらに好まく、例えば有機金属バブラ(2)としてガス導入管(21)およびガス導出管(22)を有するものを用いる場合には、有機金属バブラに収納された液体有機金属(5)の液量をガス導入管(21)とガス導出管(22)との間の圧力差から測定する液量計、有機金属バブラの上部から超音波を照射し液面で反射された超音波から位置を測定することにより液量を測定する液量計などが挙げられる。
【0025】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を補充し得るように構成されている。図1に示す有機金属ガス供給装置(1)には、貯蔵容器の底部(32)と有機金属バブラ(2)の上部とを結ぶ補充用配管(33)が設けられ、この補充用配管の途中にはストップバルブ(V1)が設けられ、貯蔵容器(3)にはその上部(34)に圧縮された不活性ガス(35)を導入するための圧縮ガス配管(36)が設けられている。補充用配管の途中のストップバルブ(V1)を開いた状態で、圧縮ガス配管(36)から圧縮された不活性ガス(35)を貯蔵容器の上部(34)に導入し貯蔵容器(3)の内圧を高めることで、底部(32)から補充用配管(33)を通じて有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)が補充される。また、ポンプ等の送液手段を用いて貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を送液することで補充してもよい。
【0026】
図1では、貯蔵容器(3)から一つの有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)が補充されるようになっているが、本発明の有機金属ガス供給装置では、補充用配管(33)が途中で枝分かれしていて複数の有機金属バブラ(2)が並列に接続されていて、これら複数の有機金属バブラ(2)のぞれぞれに液体有機金属(8)を補充できるように構成されていてもよい。
【0027】
なお、図1に示す貯蔵容器(3)には、貯蔵容器に液体有機金属を供給するための供給配管(37)が設けられ、この供給配管(37)にはストップバルブ(V2)とコネクタ(C1)とが設けられている。貯蔵容器(3)の液体有機金属がなくなると、液体有機金属の輸送容器(図示せず)をコネクタ(C1)で供給配管(37)に接続し、ストップバルブ(V2)を開け、輸送容器の液体有機金属を貯蔵容器に圧送することで、貯蔵容器に液体有機金属が供給される。この貯蔵容器(3)は、その底部(32)に外部から不活性ガス(35)を吹込むたの吹込配管(38)を備えている。吹込配管から吹込まれた不活性ガスをパージするためのパージ配管(39)も備えている。
【0028】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)を用いて有機金属ガス(7)を供給するには、例えば、先ず液量計(4)によって液体有機金属(5)の液量を測定し、エピタキシャル層の形成に必要な量を下回っている場合には、有機金属バブラに収納されている液体有機金属(5)の液量がエピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを上回るまで、貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を補充する。このとき、液体有機金属(5)の液量が、必要量を遥かに上回る過剰量となるように補充してもよいが、液体有機金属(5)の液量を測定しながら補充することで、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る量となるように補充することができる。かくして液体有機金属を補充したのち、有機金属ガスの供給を開始する。エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを上回っている場合には、そのまま有機金属ガスの供給を開始する。有機金属ガス(7)を供給するには、ガス導入管(21)からキャリアガス(6)を供給して液体有機金属(5)をバブリングすればよい。有機金属ガス(7)はガス導出管(22)から供給される。本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、液量計(4)を備えていて、有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)の液量を容易に測定することができるので、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る量の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に収納された状態で有機金属ガス(7)の供給を開始することができる。また、かかる状態で有機金属ガス(7)の供給を開始するので、供給途中で貯蔵容器(3)から液体有機金属(8)を補充することなく、有機金属ガス(7)を供給することができる。
【0029】
かかる本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、有機金属ガス(7)を原料として化学気相堆積法により基板上にエピタキシャル層を形成するための化学気相堆積装置(CVD装置)に好ましく用いられる。かかるCVD装置(11)は、例えば図1に示すように、本発明の有機金属ガス供給装置(1)と、処理チャンバー(12)とからなる。処理チャンバー(12)は、有機金属ガス供給装置(1)から供給される有機金属ガス(7)を原料として化学気相堆積法によって基板(13)上にエピタキシャル層(14)を形成するものである。基板としては、例えばシリコンウェハー、ガラス基板などが挙げられる。かかるCVD装置は、エピタキシャル層の形成途中で有機金属ガスの供給が停止するおそれや、有機金属ガスに含まれる有機金属成分の含有量が変動するおそれがないので、均質なエピタキシャル層の形成が容易であり、良好な半導体集積回路等を容易に製造することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)は液量計(4)を備えているので、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る程度の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に収納されている状態で有機金属ガス(7)の供給を開始することが容易である。このため、過剰量の液体有機金属(5)を収納しなくても、エピタキシャル層(14)を形成している間に、一定の含有量で有機金属成分を含む有機金属ガス(7)を供給し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機金属ガス供給装置の一例を示す図である。
【図2】従来の有機金属ガス供給装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1:有機金属ガス供給装置 1’:有機金属ガス供給装置
2:有機金属バブラ
21:ガス導入管 22:ガス導出管
23:有機金属バブラの底部 24:有機金属バブラの上部
25:有機金属バブラ本体 26:有機金属バブラの蓋
3:貯蔵容器
30:貯蔵容器本体 31:蓋部
32:底部 33:補充用配管
34:貯蔵容器上部 35:不活性ガス
36:圧縮ガス配管 37:供給配管
38:吹込配管 39:パージ配管
V1:ストップバルブ V2:ストップバルブ
C1:コネクタ
4:液量計 43:底部液面検知器
44:上部液面検知器
5:液体有機金属 6:キャリアガス
7:有機金属ガス 8:液体有機金属
9:恒温槽 10、10’、10”:温度計
11:化学気相堆積装置 12:処理チャンバー
13:基板 14:エピタキシャル層
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機金属ガス供給装置に関し、詳しくは液体有機金属をキャリアガスでバブリングし、得られた有機金属ガスを供給する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機金属ガスは、化学気相堆積法により基板の上にエピタキシャル層(薄膜層)を形成して半導体集積回路等を製造するための原材料として有用であり、例えば図2に示すような有機金属バブラ(2)と、貯蔵容器(3)と、底部液面検知器(43)と、上部液面検知器(44)とを備えた有機金属ガス供給装置(1’)によって、有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)をキャリアガス(6)でバブリングして気化させる方法により得ることができる。ここで、キャリアガス(6)はガス導入管(21)から供給される。得られた有機金属ガス(7)はガス導出管(22)から外部に供給される。
【0003】
底部液面検知器(43)は、液体有機金属(5)が少なくなって液面(51)が底部(23)に達したことを検知する。底部液面検知器(43)による検知信号に基づき、貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(5)を補充することができる。液体有機金属は、液面(51)が上部液面検知器(44)で検知されるまで補充される。
【0004】
エピタキシャル層の形成が終了すると、キャリアガス(6)の供給を止めることで、有機金属ガス(7)の供給を停止することができる。エピタキシャル層の形成に必要な液量の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に残っている場合には、キャリアガス(6)の供給を再び開始することで、有機金属ガス(7)の供給を再開することができる。
【0005】
かかる有機金属ガス供給装置(1’)には、均質なエピタキシャル層を容易に形成できるために、エピタキシャル層を形成している間は途切れることなく有機金属ガス(7)を供給し続けることが求められている。このため、有機金属ガス(7)の供給を再開する際には、エピタキシャル層の形成に必要な液量の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に収納された状態であることが求められている。液体有機金属(5)の液量は、これまでの有機金属ガス(7)の供給量から見積もることができ、液体有機金属(5)の液量が必要量を下回っていると見積もられたときには、貯蔵容器(3)から液体有機金属(8)を補充したのちに、有機金属ガス(7)の供給が再開される。
【0006】
しかし、有機金属ガス(7)の供給量の測定は誤差が大きいため、かかる供給量から液体有機金属(5)の液量が必要量を上回っていると見積もられても、実際の液量は必要量を下回っていて、有機金属ガス(7)の供給が途中で停止するおそれがあった。このため、液体有機金属(5)の液量が必要量と等しいか、僅かに上回っていると見積もられたときでも、あらかじめ、液体有機金属(8)を補充してから有機金属ガス(7)の供給を開始していたが、これでは、エピタキシャル層の形成に必要な液体有機金属が僅かで、実際には必要量と等しいかこれを僅かに上回る量の液体有機金属(5)が収納されていても、上部液面検知器(44)で液面が検知されるまで過剰量の液体有機金属をあらかじめ補充することとなってしまう。
【0007】
液体有機金属(5)が少なくなると底部液面検知器(43)で液面(51)が検知されるので、この検知信号に基づいて貯蔵容器(3)から液体有機金属(8)を補充すれば、有機金属ガス(7)の供給を続けることもできるが、有機金属ガス(7)の供給途中に補充したのでは、補充によって有機金属バブラ(2)の内部の圧力、温度等が変動して液体有機金属(5)の気化量が変動し、有機金属ガス(7)に含まれる有機金属成分の含有量が変動するおそれがある。有機金属成分の含有量が供給途中に変動したのでは、均質なエピタキシャル層を形成することが困難となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、あらかじめ過剰量の液体有機金属を有機金属バブラに補充しておかなくても、エピタキシャル層を形成している間は、有機金属成分の含有量を変動させることなく、有機金属ガスを供給し続けることが容易な有機金属ガス供給装置を開発するべく鋭意検討した結果、有機金属バブラに収納されている液体有機金属の液量を測定する液量計を備えていれば、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る量の液体有機金属を収納しておくことが容易となり、過剰量の液体有機金属を補充しておかなくても、エピタキシャル層を形成している間は有機金属ガスを供給し続けることができ、また供給途中に液体有機金属を補充することもないので、有機金属ガスに含まれる有機金属成分の含有量が変動するおそれもないことを見出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、液体有機金属(5)を収納し、収納された液体有機金属(5)をキャリアガス(6)でバブリングして得られる有機金属ガス(7)を外部に供給する有機金属バブラ(2)と、
有機金属バブラ(2)に補充するための液体有機金属(8)を貯蔵する貯蔵容器(3)と、
有機金属バブラ(2)に収納された液体有機金属(5)の液量を測定する液量計(4)とを備え、
前記貯蔵容器(3)から前記有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を補充し得るように構成されていることを特徴とする有機金属ガス供給装置(1)を提供するものである。図1に本発明の有機金属ガス供給装置(1)の一例を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、有機金属バブラ(2)、貯蔵容器(3)および液量計(4)を備えている。
【0011】
有機金属バブラ(2)は、液体有機金属(5)を収納する。液体有機金属(5)は、液体状の有機金属であって、例えばトリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどが挙げられる。有機金属バブラ(2)に収納し得る液体有機金属(5)の液量は、有機金属ガス(7)の供給量などによって適宜選択されるが、通常は100cm3以上2500cm3以下程度の範囲である。
【0012】
有機金属バブラ(2)としては、かかる液体有機金属(5)を収納するために、通常は内部を外気から密閉した状態で液体有機金属を収納できる構造のものが使用され、通常は液体有機金属(5)を収納する有機金属バブラ本体(25)と、液体有機金属(5)を外気から密閉する蓋部(26)とから構成され、有機金属バブラ本体(25)と蓋部(26)とは、例えば溶接などによって互いに接合されている。これら有機金属バブラ本体(25)および蓋部(26)は、強度の点、液体有機金属(5)、キャリアガス(6)および有機金属ガス(7)に対して不活性である点で、通常は全面がステンレス鋼などの鋼材で構成されている。有機金属バブラ(2)の内容積は、内部に液体有機金属(5)を収納したときに、上部(24)に空間が生ずる程度であることが、バブリングにより発生する有機金属液体のミスト(飛沫)が有機金属ガスに混入することを防止する点で好ましく、有機金属バブラの内容積の20%程度以上、好ましくは30%程度以上の容積の空間が上部(24)に生ずる程度に、内容積が決められる。
【0013】
有機金属バブラ(2)では、収納されている液体有機金属をキャリアガス(6)でバブリングする。キャリアガス(6)としては、液体有機金属(5)を気化して有機金属ガス(7)を得るために通常使用されていると同様に、液体有機金属に対して不活性なガスが用いられ、具体的には水素ガス、窒素ガスなどが用いられる。キャリアガスの導入量は、目的とする有機金属ガスの供給量、有機金属ガスにおける有機金属含量に応じて適宜選択されるが、大気圧(0.1MPa)、0℃換算で通常は30m3/分程度以上300m3/分程度以下の範囲である。
【0014】
有機金属バブラ(2)として、図1に示すように通常の有機金属バブラと同様に、ガス導入管(21)およびガス導出管(22)を有しているものが使用できる。
【0015】
ガス導入管(21)は、有機金属バブラ(2)の底部(23)にキャリアガス(6)を導入する管である。ガス導入管(21)によって、液体有機金属(5)をバブリングすることができる。ガス導入管(21)は通常、外部から有機金属バブラの底部(23)に通ずる一本の管であり、通常は強度の点で、ステンレス鋼などで構成されている。図1に示す有機金属ガス供給装置(1)において、ガス導入管(21)は蓋部(26)に溶接されて設けられている。
【0016】
ガス導出管(6)は、バブリングにより得られる有機金属ガス(7)を有機金属バブラの上部(24)から外部の処理チャンバー(12)などに導き出す管である。かかるガス導出管(22)は通常、有機金属バブラ(2)の上部(24)から外部に通じる一本の管であり、通常は強度の点で、ステンレス鋼などで構成されている。図1に示す有機金属ガス供給装置(1)において、ガス導出管(22)は蓋に溶接されて設けられている。
【0017】
有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)の温度は、所定の気化温度に維持されていることが好ましい。所定の気化温度に維持するには、有機金属バブラ(2)を恒温槽(9)に設置すればよい。恒温槽(9)としては、所定の温度の水または油など(91)で有機金属バブラ(2)を一定の温度に維持し得るものが使用できる。
【0018】
気化温度は、液体有機金属の種類、キャリアガスの種類、キャリアガスの導入量、有機金属ガスの供給量、有機金属ガスにおける有機金属成分の含有量の目的値などに応じて適宜選択されるが、通常は0℃程度以上60℃程度以下の範囲である。液体有機金属(5)の温度は、例えば有機金属バブラ(2)に設けた温度計(10、10’)によって知ることができる。かかる温度計(10、10’)は、液体有機金属(5)が少なくなっても液温を測定できる点で、底部(23)で液温を測定する温度計(10)が好ましいが、その他の場所、例えば有機金属バブラ(2)の中間部などで液温を測定する温度計(10’)を有していて、複数箇所で液体有機金属の液温を測定できるようにしていてもよい。また、有機金属バブラ(2)は、有機金属ガス(7)の温度を測定するために、上部(24)に温度計(10”)を有していてもよい。
【0019】
図1に示す有機金属バブラ(2)には、ガス導入管(21)を通じてキャリアガス(6)が導入される。導入されたキャリアガス(6)は、有機金属バブラ(2)の底部(23)に導かれ、低部(23)から液体有機金属(5)をバブリングする。バブリングされた液体有機金属(5)は気化し、有機金属ガス(7)が得られるが、得られた有機金属ガスは液体有機金属の液面(51)よりも上の、有機金属バブラの上部(24)に充満する。有機金属バブラの上部(24)には、ガス導出管(23)が設けられているので、得られた有機金属ガス(7)は、このガス導出管(23)を通じて外部の半導体製造装置等(図示せず)に供給される。かくして供給される有機金属ガス(7)は、キャリアガス(6)と液体有機金属(5)が気化した有機金属成分との混合ガスである。
【0020】
キャリアガス(6)は、液体有機金属(5)を所定の気化温度に維持するのが容易となる点で、所定の気化温度に温度を調節してから有機金属バブラ(2)に導入されることが好ましい。キャリアガス(6)を所定の気化温度に調節するには、例えば有機金属バブラ(2)が恒温槽(9)に設置されている場合には、ガス導入管(6)を恒温槽(9)に設置し、キャリアガス(6)が恒温槽(9)を経由して所定の気化温度となってから有機金属バブラ(2)導入されるように構成してもよく、具体的には、例えばガス導入管(21)は恒温槽(9)の中でで有機金属バブラ本体(25)の周りを螺旋状に取り巻いていてもよい。
【0021】
かかる有機金属バブラ(2)は有機金属ガス(7)の供給を受ける装置、例えば化学気相堆積法により基板上にエピタキシャル層を形成するための処理チャンバーなどの近傍に備え付けられていることが好ましく、かかる装置などと同様に通常はクリーンルーム内に設置される。
【0022】
貯蔵容器(3)は、液体有機金属(8)を貯蔵するものであって、通常は内部を外気から密閉した状態で液体有機金属(8)を貯蔵できる構造のものが使用される。かかる貯蔵容器(3)は、内部の洗浄などが容易である点で、通常は液体有機金属(8)を貯蔵する貯蔵容器本体(30)と、液体有機金属(8)を外気から密閉する蓋部(31)とから構成され、貯蔵容器本体(30)と蓋部(31)とは、例えばボルト(図示せず)などによって結合されている。これら貯蔵容器本体(30)および蓋部(31)は、強度の点、液体有機金属(8)に対して不活性である点で、通常は全面がステンレス鋼などの鋼材で構成されている。
【0023】
貯蔵容器に貯蔵された液体有機金属(8)は、有機金属バブラ(2)に補充するためのものである。貯蔵容器(3)は、有機金属バブラ(2)の近傍に備えられていてもよく、有機金属バブラ(2)がクリーンルームの中に備え付けられている場合には、同様にクリーンルームの中に設置されてもよいが、クリーンルームの外に設置されてもよい。
【0024】
液量計(4)は、有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)の液量を測定するものである。かかる液量計は、収納されている液体有機金属(5)の液量を離散的な値として測定できるものであってもよいが、連続的な値として測定し得るものであることが好ましい。液量を連続的な値として測定し得る液量計としては、液体有機金属と(5)と接触しながらその液量を測定する液量計、例えば液体有機金属(5)に浮かべたフロートの位置によって液量を計測するフロート式液量計などであってもよいが、液体有機金属(5)と接することなく液量を計測できるものが好ましく、また有機金属ガスを供給している間、液体有機金属(5)はキャリアガス(6)によってバブリングされて液面(53)が絶えず変動しているので、液面(51)の変動に拘わらず液体有機金属(5)の液量を測定できるものがさらに好まく、例えば有機金属バブラ(2)としてガス導入管(21)およびガス導出管(22)を有するものを用いる場合には、有機金属バブラに収納された液体有機金属(5)の液量をガス導入管(21)とガス導出管(22)との間の圧力差から測定する液量計、有機金属バブラの上部から超音波を照射し液面で反射された超音波から位置を測定することにより液量を測定する液量計などが挙げられる。
【0025】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を補充し得るように構成されている。図1に示す有機金属ガス供給装置(1)には、貯蔵容器の底部(32)と有機金属バブラ(2)の上部とを結ぶ補充用配管(33)が設けられ、この補充用配管の途中にはストップバルブ(V1)が設けられ、貯蔵容器(3)にはその上部(34)に圧縮された不活性ガス(35)を導入するための圧縮ガス配管(36)が設けられている。補充用配管の途中のストップバルブ(V1)を開いた状態で、圧縮ガス配管(36)から圧縮された不活性ガス(35)を貯蔵容器の上部(34)に導入し貯蔵容器(3)の内圧を高めることで、底部(32)から補充用配管(33)を通じて有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)が補充される。また、ポンプ等の送液手段を用いて貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を送液することで補充してもよい。
【0026】
図1では、貯蔵容器(3)から一つの有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)が補充されるようになっているが、本発明の有機金属ガス供給装置では、補充用配管(33)が途中で枝分かれしていて複数の有機金属バブラ(2)が並列に接続されていて、これら複数の有機金属バブラ(2)のぞれぞれに液体有機金属(8)を補充できるように構成されていてもよい。
【0027】
なお、図1に示す貯蔵容器(3)には、貯蔵容器に液体有機金属を供給するための供給配管(37)が設けられ、この供給配管(37)にはストップバルブ(V2)とコネクタ(C1)とが設けられている。貯蔵容器(3)の液体有機金属がなくなると、液体有機金属の輸送容器(図示せず)をコネクタ(C1)で供給配管(37)に接続し、ストップバルブ(V2)を開け、輸送容器の液体有機金属を貯蔵容器に圧送することで、貯蔵容器に液体有機金属が供給される。この貯蔵容器(3)は、その底部(32)に外部から不活性ガス(35)を吹込むたの吹込配管(38)を備えている。吹込配管から吹込まれた不活性ガスをパージするためのパージ配管(39)も備えている。
【0028】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)を用いて有機金属ガス(7)を供給するには、例えば、先ず液量計(4)によって液体有機金属(5)の液量を測定し、エピタキシャル層の形成に必要な量を下回っている場合には、有機金属バブラに収納されている液体有機金属(5)の液量がエピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを上回るまで、貯蔵容器(3)から有機金属バブラ(2)に液体有機金属(8)を補充する。このとき、液体有機金属(5)の液量が、必要量を遥かに上回る過剰量となるように補充してもよいが、液体有機金属(5)の液量を測定しながら補充することで、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る量となるように補充することができる。かくして液体有機金属を補充したのち、有機金属ガスの供給を開始する。エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを上回っている場合には、そのまま有機金属ガスの供給を開始する。有機金属ガス(7)を供給するには、ガス導入管(21)からキャリアガス(6)を供給して液体有機金属(5)をバブリングすればよい。有機金属ガス(7)はガス導出管(22)から供給される。本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、液量計(4)を備えていて、有機金属バブラ(2)に収納されている液体有機金属(5)の液量を容易に測定することができるので、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る量の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に収納された状態で有機金属ガス(7)の供給を開始することができる。また、かかる状態で有機金属ガス(7)の供給を開始するので、供給途中で貯蔵容器(3)から液体有機金属(8)を補充することなく、有機金属ガス(7)を供給することができる。
【0029】
かかる本発明の有機金属ガス供給装置(1)は、有機金属ガス(7)を原料として化学気相堆積法により基板上にエピタキシャル層を形成するための化学気相堆積装置(CVD装置)に好ましく用いられる。かかるCVD装置(11)は、例えば図1に示すように、本発明の有機金属ガス供給装置(1)と、処理チャンバー(12)とからなる。処理チャンバー(12)は、有機金属ガス供給装置(1)から供給される有機金属ガス(7)を原料として化学気相堆積法によって基板(13)上にエピタキシャル層(14)を形成するものである。基板としては、例えばシリコンウェハー、ガラス基板などが挙げられる。かかるCVD装置は、エピタキシャル層の形成途中で有機金属ガスの供給が停止するおそれや、有機金属ガスに含まれる有機金属成分の含有量が変動するおそれがないので、均質なエピタキシャル層の形成が容易であり、良好な半導体集積回路等を容易に製造することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の有機金属ガス供給装置(1)は液量計(4)を備えているので、エピタキシャル層の形成に必要な量と等しいか、これを僅かに上回る程度の液体有機金属(5)が有機金属バブラ(2)に収納されている状態で有機金属ガス(7)の供給を開始することが容易である。このため、過剰量の液体有機金属(5)を収納しなくても、エピタキシャル層(14)を形成している間に、一定の含有量で有機金属成分を含む有機金属ガス(7)を供給し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機金属ガス供給装置の一例を示す図である。
【図2】従来の有機金属ガス供給装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1:有機金属ガス供給装置 1’:有機金属ガス供給装置
2:有機金属バブラ
21:ガス導入管 22:ガス導出管
23:有機金属バブラの底部 24:有機金属バブラの上部
25:有機金属バブラ本体 26:有機金属バブラの蓋
3:貯蔵容器
30:貯蔵容器本体 31:蓋部
32:底部 33:補充用配管
34:貯蔵容器上部 35:不活性ガス
36:圧縮ガス配管 37:供給配管
38:吹込配管 39:パージ配管
V1:ストップバルブ V2:ストップバルブ
C1:コネクタ
4:液量計 43:底部液面検知器
44:上部液面検知器
5:液体有機金属 6:キャリアガス
7:有機金属ガス 8:液体有機金属
9:恒温槽 10、10’、10”:温度計
11:化学気相堆積装置 12:処理チャンバー
13:基板 14:エピタキシャル層
Claims (3)
- 液体有機金属を収納し、収納された液体有機金属をキャリアガスでバブリングし、得られた有機金属ガスを外部に供給する有機金属バブラと、有機金属バブラに補充するための液体有機金属を貯蔵する貯蔵容器と、有機金属バブラに収納された液体有機金属の液量を測定する液量計とを備え、前記貯蔵容器から前記有機金属バブラに液体有機金属を補充し得るように構成されていることを特徴とする有機金属ガス供給装置。
- 有機金属バブラは有機金属バブラの底部にキャリアガスを導入するガス導入管および得られた有機金属ガスを有機金属バブラの上部から外部に導き出すガス導出管を有しており、液量計は有機金属バブラに収納された液体有機金属の液量をガス導入管とガス導出管との間の圧力差によって測定する液量計である請求項1に記載の有機金属ガス供給装置。
- 請求項1または請求項2に記載の有機金属ガス供給装置と、該有機金属ガス供給装置から供給される有機金属ガスを原料として化学気相堆積法によって基板上にエピタキシャル層を形成する処理チャンバーとを備えることを特徴とする化学気相堆積装置。
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