JP2004030980A - 画像表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上に短時間でかつ任意のパターンを安価に形成することが可能な画像表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】光によって電荷を消失する感光体を帯電させ、この感光体を露光し基板を構成する任意のパターンの潜像を形成する。基板のパターンを構成する材料を含む現像剤により潜像を現像して現像剤像を形成し、この現像剤像を基板上に転写した後、転写された現像剤像を基板上に定着する。
【選択図】 図2
【解決手段】光によって電荷を消失する感光体を帯電させ、この感光体を露光し基板を構成する任意のパターンの潜像を形成する。基板のパターンを構成する材料を含む現像剤により潜像を現像して現像剤像を形成し、この現像剤像を基板上に転写した後、転写された現像剤像を基板上に定着する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置、特に、電子放出素子を用いた平面型の画像表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の画像表示装置として、電子放出素子(以下、エミッタと称する)を多数並べ、蛍光面と対向配置させた平面型画像表示装置の開発が進められている。エミッタにはさまざまな種類があるが、いずれも基本的には電界放出を用いており、これらの表示装置は一般に、FED(フィールド・エミッション・ディスプレイ)と呼ばれている。このうち、表面伝導型エミッタを用いた表示装置は、FEDと区別してSED(サーフェース・コンダクション・エレクトロン・エミッション・ディスプレイ)とも呼ばれるが、本発明においてはSEDも含む総称としてFEDという用語を用いる。
【0003】
一般に、FEDは、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士が互いに接合され真空外囲器を構成している。真空容器の内部は、真空度が10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。前面基板および背面基板は、それぞれ厚みが1〜3mm程度の板ガラスにより構成されている。また、背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。
【0004】
前面基板の内面には、ブラックマトリックス(以後、BMと略記)および蛍光体を有する蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数のエミッタが設けられている。エミッタには、マトリックス配線が接続され、映像信号により駆動されるようになっている。
【0005】
背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体にエミッタから放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
【0006】
上記のように構成されたFEDにおいて、前面基板および背面基板を構成するブラックマトリックスや蛍光体層等は、スクリーン印刷法によって形成されている。スクリーン印刷法は、ステンレス製メッシュに乳剤で開口部を形成することによりブラックマトリックスや蛍光体層に対応したパターンを有するスクリーンマスクを形成し、このスクリーンマスクの上からペーストをスキージで擦することにより、基板の表面に任意のパターンを形成する。このスクリーン印刷法は安価であり、広く採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、スクリーン印刷法は広く用いられている技術であるが、このスクリーン印刷法を用いて基板上に所望のパターンを形成する場合、以下のような問題が生じる。すなわち、スクリーン印刷法では、前面基板および背面基板を構成するパターンにそれぞれ対応した専用のマスクが必要となる。形成するパターンが異なれば、それに対応した複数種類のマスク版を作る必要があり、パターンの変更が生じた時は、新たにマスク版をつくる必要がある。
【0008】
塗布するペーストには、流動性を持たせるために有機溶剤が含まれている。そのため、スクリーン印刷により、あるパターンを形成した後、次のパターンを形成するには、一旦有機溶剤を蒸発させ、取り除く必要があり、100℃前後で乾燥させなければならない。そのため、1つの基板上に複数のパターンを形成する場合、それに相当する回数の乾燥工程が必要となる。また、塗布するペーストの種類の数と同じ回数だけスクリーン印刷を行なうため、時間が掛かる。
【0009】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、基板上に短時間でかつ任意のパターンを安価に形成することが可能な画像表示装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る画像表示装置の製造方法は、画像表示面を有した前面基板と前面基板に向けて電子を放出する複数の電子放出素子を有し、上記前面基板と対向配置された背面基板と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
光によって電荷を消失する感光体を帯電させ、帯電した上記感光体を露光し上記前面基板あるいは背面基板を構成する任意のパターンの潜像を形成し、上記前面基板あるいは背面基板のパターンを構成する材料を含む現像剤により上記潜像を現像して現像剤像を形成し、上記現像剤像を基板上に転写し、上記転写された現像剤像を上記基板上に定着することを特徴としている。
【0011】
上記のように構成された画像表示装置の製造方法によれば、感光体上に形成された電荷のパターンに基づいて基板のパターンを形成するため、任意のパターンを自由に形成することができる。そのため、様々なパターンの専用マスクを用意する必要がなく、製造コスト削減を図ることができる。また、現像剤として、乾式の現像剤を用いることにより、乾燥工程を完全に省略でき、製造効率の向上および製造時間の短縮を図ることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0013】
始めに、本製造方法により製造される画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0014】
図1ないし図3に示すように、このFEDは、絶縁基板としてそれぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された偏平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0015】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。
【0016】
前面基板11の内面上には、画像表示面として、図2に示すような赤、緑、青の蛍光体層16とマトリクス状の黒色光吸収層17とを有した蛍光体スクリーン15が形成されている。これらの蛍光体層16はストライプ状あるいはドット状に形成してもよい。この蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなるメタルバック20が形成されている。
【0017】
背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0018】
このようなFEDでは、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0019】
次に、上記のように構成されたFEDの製造方法について説明する。ここでは、前面基板11を構成する基板40に蛍光体スクリーン15を形成する製造方法を主に説明する。
【0020】
図4は、製造装置の基本構成を概略的に示している。この製造装置は、回転自在に設けられ光によって電荷を消失する感光体ドラム22を備えている。感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラムの外周面全体を帯電する帯電器24、帯電された感光体ドラムの外周面にレーザビームBを照射して露光し、電荷のパターン、つまり、静電潜像を形成するレーザ露光装置26、形成された静電潜像に現像剤を供給して感光体ドラム22上に現像剤像を形成する現像器28、感光体ドラムと平行にかつ基板40に転接自在に設けられ、感光体ドラム上に形成された現像剤像を基板40上に転写する転写ドラム30、感光体ドラム表面をクリーニングする図示しないクリーング装置、転写後に感光体ドラム表面を除電する除電器25等が設けられている。転写ドラム30と対向して、転写チャージャ31が設けられている。
【0021】
レーザ露光装置26には、感光体ドラム22上に形成する静電潜像のパターン信号を出力する制御部32が接続されている。更に、製造装置は、基板40を所定の速度で搬送し、転写ドラム30の下方を通過させる図示しない搬送機構、および、基板上に転写された現像剤像を定着する後述の定着装置34を備えている。
【0022】
上記製造装置を用いて基板40上に蛍光体スクリーン15を形成する基本方式について説明する。まず、基板40に形成するパターンを制御部32に記憶させる。次に、感光体ドラム30を所定の速度で回転させた状態で、帯電器24により感光体ドラムの全面を一様に帯電させる。
【0023】
続いて、制御部32からのパターン信号に応じてレーザ露光装置26から感光体ドラム22にレーザビームBを照射する。帯電した感光体ドラム22にレーザビームBが当たると、その部分の電荷は消滅(中和)し、残った電荷のパターンにより静電潜像が形成される。
【0024】
次に、感光体ドラム22の電荷と逆の極性に帯電された現像剤を現像器28から感光体ドラム22上の静電潜像に供給して現像し、感光体ドラム上に現像剤像を形成する。形成された現像剤像は、感光体ドラム22から一旦転写ドラム30へ転写される。
【0025】
基板40上に形成するパターンが1パターンの場合、転写体としての転写ドラム30を用いることなく、現像剤像を感光体ドラム22から基板40へ直接転写することができる。基板40上に蛍光体スクリーン15を形成する場合、3色の蛍光体層16および黒色光吸収層17の4パターンが必要となる。そのため、各パターンの現像剤像を感光体ドラム22上に順次形成し、感光体ドラムから転写ドラム30への転写を4回繰り返す。
【0026】
転写を4回繰り返した後、転写ドラム30には4色の現像剤により蛍光体スクリーンに対応したパターンが形成される。そして、このパターンを一括して転写ドラム30から基板40へ転写する。この際、転写チャージャ31から電荷を印加して基板40を現像剤と逆の極性に帯電し、電界によって現像剤を転写ドラムから基板40へ転写する。その後、現像剤像の形成された基板40を定着装置34としての焼成炉へ送り、現像剤を溶融させることで基板40に定着させる。
【0027】
ここで、現像剤としては、フリットあるいは樹脂により被覆された蛍光体あるいはカーボンの粒子を用いている。フリットまたは樹脂の被覆手法としては、蛍光体あるいはカーボンの核粒子をガス等で流動化し、高周波加熱装置やプラズマ炎により核粒子を加熱した状態で、フリットまたは樹脂の粒子を供給する。すると粒子が加熱された核粒子に付着して溶融し、核粒子が被覆される。その後、核粒子および粒子が冷却されて固着し、乾式の現像剤が得られる。他に、液化したフリットや樹脂をスプレーで核粒子に付着させる方法を用いることもできる。
【0028】
このような現像剤は、定着装置34において焼成されることにより、フリットまたは樹脂が溶融し、基板40へ定着される。
【0029】
次に、帯電、転写、定着の各工程、および、パス方式、つまり、基板の搬送および転写の方式について詳細に説明する。
【0030】
(帯電)
まず、感光体ドラム22の帯電は、帯電器としてタングステンワイヤーに電圧を印可し、コロナ放電を起こすことで、感光体ドラム全面へ電荷を供給している。そして、上述した基本方式では、各色のパターン毎に、帯電、露光、現像、転写を行っている。しかし、この方式であると、4回の像形成工程が必要となり、時間がかかり、将来的に製造効率向上を図ろうとすると限界がくる。
【0031】
そこで、感光体ドラム22全面に電荷を供給するのではなく、形成するパターンに対応した部分のみに電荷を供給する方式(以下、部分帯電)を採用してもよい。部分帯電方式では、集束した電子ビームを用いて感光体ドラム22のパターン形成部分のみ部分的に帯電する。また、部分帯電を行なうことで、露光工程が不要となり、工程の削減にもつながる。ただし、電子ビームを照射するにはある程度の真空度が必要であるため、装置としては大掛かりとなる。従って、画質の向上や時間の短縮を図りたい時に採用する方式となる。ビームとしては電子ビームの他にイオンビームを使用することもできる。
【0032】
(転写)
前述した基本方式では、感光体ドラム22から転写ドラム30への転写と、転写ドラムから基板40への転写とは、電界によって行なっている(電界転写)。電界転写は、感光体ドラム22、転写ドラム30、および基板40をそれぞれ非接触で転写するため、各構成部材の摩耗の心配がなく、また、転写ドラムへの転写時、転写ドラムに付着している2色目以降の現像剤像の破壊を抑制することができる。
【0033】
このような電界転写に代えて転写ドラム30をゴム等の柔らかい素材にすることでオフセット転写を用いることもできる。オフセット転写は、基板40と転写ドラム30とが接触する形となるため、転写ドラム30が硬いと基板40への転写時、現像剤を破壊したり、基板40あるいは転写ドラム30を傷つける恐れがある。従って、転写ドラム30をゴム等の柔らかい素材にすることで現像剤等の破壊を防止し、オフセット転写を実現することができる。
【0034】
オフセット転写は、現像剤像の転写効率がほぼ100%となり、また、被転写物を選ばず、ガラスの他、布や金属への印刷が可能となる。ただし、オフセット転写は、感光体ドラム22、転写ドラム30、基板40の3者が接触する形となるため、前述した部分帯電と合わせて用いることが望ましい。また、感光体ドラムから転写ドラムへの転写を電界転写、転写ドラムから基板への転写をオフセット転写としてもよい。
【0035】
転写方式の組み合わせと、形成されるパターン画質との関係は、以下の表1のようになる。最も画質が良いのは、いずれもオフセット転写を用いた場合となる。ただ、いずれもオフセット転写とする場合、部分帯電との組み合わせが必要となり、設備が大掛かりとなり、設備コストと画質の兼ね合いで、転写方式を決定することが望ましい。基板40に蛍光体スクリーン15を形成する場合は、いずれも電界転写で十分なパターン画質が得られる。
【0036】
【表1】
【0037】
(定着)
定着は、焼成炉通過時に現像剤の核粒子に被覆されているフリットまたは樹脂が溶融することで行われるが、次の定着方式を用いてもよい。現像剤の製造コスト削減を考慮した場合、フリットまたは樹脂の被覆工程を削減することが望ましい。そこで、蛍光体あるいはカーボンを被覆する代わりに、基板40へ現像剤を転写した後、定着装置34へ送る前の段階で、図5に示すように、散布装置36によりフリットまたは樹脂の粉末38を基板40および現像剤像の上に散布する方法を用いることができる。そして、粉末38が散布された基板40を定着装置34で焼成することにより、粉末が溶融し、現像剤像が基板40に定着される。
【0038】
また、フリットまたは樹脂に代え、水ガラスにより現像剤を定着することも可能である。この水ガラスは、上記フリットあるいは樹脂粉末の散布と同様に、基板40上に転写された現像剤にスプレーを用いて散布することができる。この場合、定着にはフリットを用いた場合のような高温焼成が不要となり、水を飛ばす程度の低温で済むため、定着装置の簡略化、および大幅な製造効率向上が図れる。
【0039】
(パス方式)
パス方式として、以下に述べる1パス方式、4パス方式、および複合方式を用いることができる。図6に示すように、1パス方式では、感光体ドラム22、帯電器24、除電器25、レーザ露光装置26、現像器28、転写チャージャ31をそれぞれ備えた4組のパターン形成部50a、50b、50c、50dを設け、これらのパターン形成部により赤パターン、緑パターン、青パターン、黒パターンを別々に形成する。そして、搬送ベルト52および搬送ローラ53等を備えた搬送機構54により、4組のパターン形成部50a、50b、50c、50dを通して基板40を搬送し、形成された各色のパターンを基板40上に順次転写する。そして、この基板40を定着装置に送って現像剤像の定着を行う。
【0040】
図7に示す4パス方式は、前述し基本方式と同様に、感光体ドラム22、帯電器24、除電器25、レーザ露光装置26、現像器28、転写チャージャ31を備えた1組のパターン形成部50と、感光体ドラムに対向した転写ドラム30とを設け、各色のパターンを感光体ドラムに形成した後に転写ドラムに転写する。そして、4色のパターンが転写ドラム30に転写された後、これらのパターンを転写ドラムから基板40上に一括して転写する。そして、この基板40を定着装置に送って現像剤像の定着を行う。
【0041】
図8に示す複合方式は、単一の感光体ドラム22の周囲に、各色毎に帯電器24、レーザ露光装置26、現像器28を順番に配置し、各色のパターンを感光体ドラムに形成した後に転写ドラムに転写する。そして、4色のパターンが転写ドラム30に転写された後、これらのパターンを転写ドラムから基板40上に一括して転写する。そして、この基板40を定着装置に送って現像剤像の定着を行う。
【0042】
このような1パス方式は高速・大型機、4パス方式は低速・小型機、複合方式は高速・小型機に適し、効率、スペース、設備コストの兼ね合いで、パス方式を選定する。ただし、1パス方式では、オフセット転写が困難であるため、画質の向上は見込めない。各方式の比較を以下の表2に示す。基板40に蛍光体スクリーンを形成する場合、4パス方式で十分な画質のパターンを形成することができる。
【0043】
【表2】
【0044】
上記のようにして基板40上に蛍光体スクリーン15を形成した後、この蛍光体スクリーンに重ねてメタルバック20を形成することにより、前面基板が完成する。そして、この前面基板11を別途形成された背面基板12と側壁13を介して貼り合わせることによりFEDが製造される。
【0045】
以上のように構成された画像表示装置の製造方法によれば、光のON/OFFで電荷のパターンを形成するため、任意のパターンを自由に形成することができる。そのため、様々なパターンの専用版を用意する必要がなく、大量生産する製品には非常に有利であり、製造コスト削減を図ることができる。また、現像剤として、乾式の現像剤を用いることにより、有機溶剤が不要となり、乾燥工程を完全に省略でき、製造効率の向上および製造時間の短縮を図ることが可能となる。現像剤として液体現像剤を用いた場合でも、転写前に感光体上で現像剤を乾燥することができ、負荷は非常に小さくなる。更に、基板へのパターニングは1パターンのみならず2パターン以上を一括して形成することができ、製造時間の大幅な短縮が可能となる。
【0046】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、前面基板上に蛍光体スクリーンを形成する方法を主として説明したが、上述した方法により、背面基板上に所望のパターン、例えば、配線パターンや側壁との接合部におけるインジウム下地パターンを形成してもよい。
【0047】
また、感光体および転写体は上述したドラム状に限らず、ベルト状等の他の形状としてもよい。更に、この発明は、FEDに限らず、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル等の他の画像表示装置の製造にも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、基板上に短時間でかつ任意のパターンを安価に形成することが可能な画像表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造方法により製造されるFEDの一例を示す斜視図。
【図2】上記FEDの蛍光体スクリーンを示す平面図。
【図3】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図4】この発明の実施の形態に係る製造方法に用いる製造装置を概略的に示す斜視図。
【図5】この発明の実施の形態に係る製造方法に用いる製造装置の散布装置を示す斜視図。
【図6】1パス方式の製造装置の一例を概略的に示す図。
【図7】4パス方式の製造装置の一例を概略的に示す図。
【図8】複合方式の製造装置の一例を概略的に示す図。
【符号の説明】
10…真空外囲器
11…前面基板
12…背面基板
15…蛍光体スクリーン
16…蛍光体層
17…黒色光吸収層
22…感光体ドラム
24…帯電器
26…レーザ露光装置
28…現像器
30…転写ローラ
34…定着装置
36…散布装置
40…基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置、特に、電子放出素子を用いた平面型の画像表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の画像表示装置として、電子放出素子(以下、エミッタと称する)を多数並べ、蛍光面と対向配置させた平面型画像表示装置の開発が進められている。エミッタにはさまざまな種類があるが、いずれも基本的には電界放出を用いており、これらの表示装置は一般に、FED(フィールド・エミッション・ディスプレイ)と呼ばれている。このうち、表面伝導型エミッタを用いた表示装置は、FEDと区別してSED(サーフェース・コンダクション・エレクトロン・エミッション・ディスプレイ)とも呼ばれるが、本発明においてはSEDも含む総称としてFEDという用語を用いる。
【0003】
一般に、FEDは、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士が互いに接合され真空外囲器を構成している。真空容器の内部は、真空度が10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。前面基板および背面基板は、それぞれ厚みが1〜3mm程度の板ガラスにより構成されている。また、背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。
【0004】
前面基板の内面には、ブラックマトリックス(以後、BMと略記)および蛍光体を有する蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数のエミッタが設けられている。エミッタには、マトリックス配線が接続され、映像信号により駆動されるようになっている。
【0005】
背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体にエミッタから放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
【0006】
上記のように構成されたFEDにおいて、前面基板および背面基板を構成するブラックマトリックスや蛍光体層等は、スクリーン印刷法によって形成されている。スクリーン印刷法は、ステンレス製メッシュに乳剤で開口部を形成することによりブラックマトリックスや蛍光体層に対応したパターンを有するスクリーンマスクを形成し、このスクリーンマスクの上からペーストをスキージで擦することにより、基板の表面に任意のパターンを形成する。このスクリーン印刷法は安価であり、広く採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、スクリーン印刷法は広く用いられている技術であるが、このスクリーン印刷法を用いて基板上に所望のパターンを形成する場合、以下のような問題が生じる。すなわち、スクリーン印刷法では、前面基板および背面基板を構成するパターンにそれぞれ対応した専用のマスクが必要となる。形成するパターンが異なれば、それに対応した複数種類のマスク版を作る必要があり、パターンの変更が生じた時は、新たにマスク版をつくる必要がある。
【0008】
塗布するペーストには、流動性を持たせるために有機溶剤が含まれている。そのため、スクリーン印刷により、あるパターンを形成した後、次のパターンを形成するには、一旦有機溶剤を蒸発させ、取り除く必要があり、100℃前後で乾燥させなければならない。そのため、1つの基板上に複数のパターンを形成する場合、それに相当する回数の乾燥工程が必要となる。また、塗布するペーストの種類の数と同じ回数だけスクリーン印刷を行なうため、時間が掛かる。
【0009】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、基板上に短時間でかつ任意のパターンを安価に形成することが可能な画像表示装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る画像表示装置の製造方法は、画像表示面を有した前面基板と前面基板に向けて電子を放出する複数の電子放出素子を有し、上記前面基板と対向配置された背面基板と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
光によって電荷を消失する感光体を帯電させ、帯電した上記感光体を露光し上記前面基板あるいは背面基板を構成する任意のパターンの潜像を形成し、上記前面基板あるいは背面基板のパターンを構成する材料を含む現像剤により上記潜像を現像して現像剤像を形成し、上記現像剤像を基板上に転写し、上記転写された現像剤像を上記基板上に定着することを特徴としている。
【0011】
上記のように構成された画像表示装置の製造方法によれば、感光体上に形成された電荷のパターンに基づいて基板のパターンを形成するため、任意のパターンを自由に形成することができる。そのため、様々なパターンの専用マスクを用意する必要がなく、製造コスト削減を図ることができる。また、現像剤として、乾式の現像剤を用いることにより、乾燥工程を完全に省略でき、製造効率の向上および製造時間の短縮を図ることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0013】
始めに、本製造方法により製造される画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0014】
図1ないし図3に示すように、このFEDは、絶縁基板としてそれぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された偏平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
【0015】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。
【0016】
前面基板11の内面上には、画像表示面として、図2に示すような赤、緑、青の蛍光体層16とマトリクス状の黒色光吸収層17とを有した蛍光体スクリーン15が形成されている。これらの蛍光体層16はストライプ状あるいはドット状に形成してもよい。この蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなるメタルバック20が形成されている。
【0017】
背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0018】
このようなFEDでは、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0019】
次に、上記のように構成されたFEDの製造方法について説明する。ここでは、前面基板11を構成する基板40に蛍光体スクリーン15を形成する製造方法を主に説明する。
【0020】
図4は、製造装置の基本構成を概略的に示している。この製造装置は、回転自在に設けられ光によって電荷を消失する感光体ドラム22を備えている。感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラムの外周面全体を帯電する帯電器24、帯電された感光体ドラムの外周面にレーザビームBを照射して露光し、電荷のパターン、つまり、静電潜像を形成するレーザ露光装置26、形成された静電潜像に現像剤を供給して感光体ドラム22上に現像剤像を形成する現像器28、感光体ドラムと平行にかつ基板40に転接自在に設けられ、感光体ドラム上に形成された現像剤像を基板40上に転写する転写ドラム30、感光体ドラム表面をクリーニングする図示しないクリーング装置、転写後に感光体ドラム表面を除電する除電器25等が設けられている。転写ドラム30と対向して、転写チャージャ31が設けられている。
【0021】
レーザ露光装置26には、感光体ドラム22上に形成する静電潜像のパターン信号を出力する制御部32が接続されている。更に、製造装置は、基板40を所定の速度で搬送し、転写ドラム30の下方を通過させる図示しない搬送機構、および、基板上に転写された現像剤像を定着する後述の定着装置34を備えている。
【0022】
上記製造装置を用いて基板40上に蛍光体スクリーン15を形成する基本方式について説明する。まず、基板40に形成するパターンを制御部32に記憶させる。次に、感光体ドラム30を所定の速度で回転させた状態で、帯電器24により感光体ドラムの全面を一様に帯電させる。
【0023】
続いて、制御部32からのパターン信号に応じてレーザ露光装置26から感光体ドラム22にレーザビームBを照射する。帯電した感光体ドラム22にレーザビームBが当たると、その部分の電荷は消滅(中和)し、残った電荷のパターンにより静電潜像が形成される。
【0024】
次に、感光体ドラム22の電荷と逆の極性に帯電された現像剤を現像器28から感光体ドラム22上の静電潜像に供給して現像し、感光体ドラム上に現像剤像を形成する。形成された現像剤像は、感光体ドラム22から一旦転写ドラム30へ転写される。
【0025】
基板40上に形成するパターンが1パターンの場合、転写体としての転写ドラム30を用いることなく、現像剤像を感光体ドラム22から基板40へ直接転写することができる。基板40上に蛍光体スクリーン15を形成する場合、3色の蛍光体層16および黒色光吸収層17の4パターンが必要となる。そのため、各パターンの現像剤像を感光体ドラム22上に順次形成し、感光体ドラムから転写ドラム30への転写を4回繰り返す。
【0026】
転写を4回繰り返した後、転写ドラム30には4色の現像剤により蛍光体スクリーンに対応したパターンが形成される。そして、このパターンを一括して転写ドラム30から基板40へ転写する。この際、転写チャージャ31から電荷を印加して基板40を現像剤と逆の極性に帯電し、電界によって現像剤を転写ドラムから基板40へ転写する。その後、現像剤像の形成された基板40を定着装置34としての焼成炉へ送り、現像剤を溶融させることで基板40に定着させる。
【0027】
ここで、現像剤としては、フリットあるいは樹脂により被覆された蛍光体あるいはカーボンの粒子を用いている。フリットまたは樹脂の被覆手法としては、蛍光体あるいはカーボンの核粒子をガス等で流動化し、高周波加熱装置やプラズマ炎により核粒子を加熱した状態で、フリットまたは樹脂の粒子を供給する。すると粒子が加熱された核粒子に付着して溶融し、核粒子が被覆される。その後、核粒子および粒子が冷却されて固着し、乾式の現像剤が得られる。他に、液化したフリットや樹脂をスプレーで核粒子に付着させる方法を用いることもできる。
【0028】
このような現像剤は、定着装置34において焼成されることにより、フリットまたは樹脂が溶融し、基板40へ定着される。
【0029】
次に、帯電、転写、定着の各工程、および、パス方式、つまり、基板の搬送および転写の方式について詳細に説明する。
【0030】
(帯電)
まず、感光体ドラム22の帯電は、帯電器としてタングステンワイヤーに電圧を印可し、コロナ放電を起こすことで、感光体ドラム全面へ電荷を供給している。そして、上述した基本方式では、各色のパターン毎に、帯電、露光、現像、転写を行っている。しかし、この方式であると、4回の像形成工程が必要となり、時間がかかり、将来的に製造効率向上を図ろうとすると限界がくる。
【0031】
そこで、感光体ドラム22全面に電荷を供給するのではなく、形成するパターンに対応した部分のみに電荷を供給する方式(以下、部分帯電)を採用してもよい。部分帯電方式では、集束した電子ビームを用いて感光体ドラム22のパターン形成部分のみ部分的に帯電する。また、部分帯電を行なうことで、露光工程が不要となり、工程の削減にもつながる。ただし、電子ビームを照射するにはある程度の真空度が必要であるため、装置としては大掛かりとなる。従って、画質の向上や時間の短縮を図りたい時に採用する方式となる。ビームとしては電子ビームの他にイオンビームを使用することもできる。
【0032】
(転写)
前述した基本方式では、感光体ドラム22から転写ドラム30への転写と、転写ドラムから基板40への転写とは、電界によって行なっている(電界転写)。電界転写は、感光体ドラム22、転写ドラム30、および基板40をそれぞれ非接触で転写するため、各構成部材の摩耗の心配がなく、また、転写ドラムへの転写時、転写ドラムに付着している2色目以降の現像剤像の破壊を抑制することができる。
【0033】
このような電界転写に代えて転写ドラム30をゴム等の柔らかい素材にすることでオフセット転写を用いることもできる。オフセット転写は、基板40と転写ドラム30とが接触する形となるため、転写ドラム30が硬いと基板40への転写時、現像剤を破壊したり、基板40あるいは転写ドラム30を傷つける恐れがある。従って、転写ドラム30をゴム等の柔らかい素材にすることで現像剤等の破壊を防止し、オフセット転写を実現することができる。
【0034】
オフセット転写は、現像剤像の転写効率がほぼ100%となり、また、被転写物を選ばず、ガラスの他、布や金属への印刷が可能となる。ただし、オフセット転写は、感光体ドラム22、転写ドラム30、基板40の3者が接触する形となるため、前述した部分帯電と合わせて用いることが望ましい。また、感光体ドラムから転写ドラムへの転写を電界転写、転写ドラムから基板への転写をオフセット転写としてもよい。
【0035】
転写方式の組み合わせと、形成されるパターン画質との関係は、以下の表1のようになる。最も画質が良いのは、いずれもオフセット転写を用いた場合となる。ただ、いずれもオフセット転写とする場合、部分帯電との組み合わせが必要となり、設備が大掛かりとなり、設備コストと画質の兼ね合いで、転写方式を決定することが望ましい。基板40に蛍光体スクリーン15を形成する場合は、いずれも電界転写で十分なパターン画質が得られる。
【0036】
【表1】
【0037】
(定着)
定着は、焼成炉通過時に現像剤の核粒子に被覆されているフリットまたは樹脂が溶融することで行われるが、次の定着方式を用いてもよい。現像剤の製造コスト削減を考慮した場合、フリットまたは樹脂の被覆工程を削減することが望ましい。そこで、蛍光体あるいはカーボンを被覆する代わりに、基板40へ現像剤を転写した後、定着装置34へ送る前の段階で、図5に示すように、散布装置36によりフリットまたは樹脂の粉末38を基板40および現像剤像の上に散布する方法を用いることができる。そして、粉末38が散布された基板40を定着装置34で焼成することにより、粉末が溶融し、現像剤像が基板40に定着される。
【0038】
また、フリットまたは樹脂に代え、水ガラスにより現像剤を定着することも可能である。この水ガラスは、上記フリットあるいは樹脂粉末の散布と同様に、基板40上に転写された現像剤にスプレーを用いて散布することができる。この場合、定着にはフリットを用いた場合のような高温焼成が不要となり、水を飛ばす程度の低温で済むため、定着装置の簡略化、および大幅な製造効率向上が図れる。
【0039】
(パス方式)
パス方式として、以下に述べる1パス方式、4パス方式、および複合方式を用いることができる。図6に示すように、1パス方式では、感光体ドラム22、帯電器24、除電器25、レーザ露光装置26、現像器28、転写チャージャ31をそれぞれ備えた4組のパターン形成部50a、50b、50c、50dを設け、これらのパターン形成部により赤パターン、緑パターン、青パターン、黒パターンを別々に形成する。そして、搬送ベルト52および搬送ローラ53等を備えた搬送機構54により、4組のパターン形成部50a、50b、50c、50dを通して基板40を搬送し、形成された各色のパターンを基板40上に順次転写する。そして、この基板40を定着装置に送って現像剤像の定着を行う。
【0040】
図7に示す4パス方式は、前述し基本方式と同様に、感光体ドラム22、帯電器24、除電器25、レーザ露光装置26、現像器28、転写チャージャ31を備えた1組のパターン形成部50と、感光体ドラムに対向した転写ドラム30とを設け、各色のパターンを感光体ドラムに形成した後に転写ドラムに転写する。そして、4色のパターンが転写ドラム30に転写された後、これらのパターンを転写ドラムから基板40上に一括して転写する。そして、この基板40を定着装置に送って現像剤像の定着を行う。
【0041】
図8に示す複合方式は、単一の感光体ドラム22の周囲に、各色毎に帯電器24、レーザ露光装置26、現像器28を順番に配置し、各色のパターンを感光体ドラムに形成した後に転写ドラムに転写する。そして、4色のパターンが転写ドラム30に転写された後、これらのパターンを転写ドラムから基板40上に一括して転写する。そして、この基板40を定着装置に送って現像剤像の定着を行う。
【0042】
このような1パス方式は高速・大型機、4パス方式は低速・小型機、複合方式は高速・小型機に適し、効率、スペース、設備コストの兼ね合いで、パス方式を選定する。ただし、1パス方式では、オフセット転写が困難であるため、画質の向上は見込めない。各方式の比較を以下の表2に示す。基板40に蛍光体スクリーンを形成する場合、4パス方式で十分な画質のパターンを形成することができる。
【0043】
【表2】
【0044】
上記のようにして基板40上に蛍光体スクリーン15を形成した後、この蛍光体スクリーンに重ねてメタルバック20を形成することにより、前面基板が完成する。そして、この前面基板11を別途形成された背面基板12と側壁13を介して貼り合わせることによりFEDが製造される。
【0045】
以上のように構成された画像表示装置の製造方法によれば、光のON/OFFで電荷のパターンを形成するため、任意のパターンを自由に形成することができる。そのため、様々なパターンの専用版を用意する必要がなく、大量生産する製品には非常に有利であり、製造コスト削減を図ることができる。また、現像剤として、乾式の現像剤を用いることにより、有機溶剤が不要となり、乾燥工程を完全に省略でき、製造効率の向上および製造時間の短縮を図ることが可能となる。現像剤として液体現像剤を用いた場合でも、転写前に感光体上で現像剤を乾燥することができ、負荷は非常に小さくなる。更に、基板へのパターニングは1パターンのみならず2パターン以上を一括して形成することができ、製造時間の大幅な短縮が可能となる。
【0046】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、前面基板上に蛍光体スクリーンを形成する方法を主として説明したが、上述した方法により、背面基板上に所望のパターン、例えば、配線パターンや側壁との接合部におけるインジウム下地パターンを形成してもよい。
【0047】
また、感光体および転写体は上述したドラム状に限らず、ベルト状等の他の形状としてもよい。更に、この発明は、FEDに限らず、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル等の他の画像表示装置の製造にも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、基板上に短時間でかつ任意のパターンを安価に形成することが可能な画像表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造方法により製造されるFEDの一例を示す斜視図。
【図2】上記FEDの蛍光体スクリーンを示す平面図。
【図3】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図4】この発明の実施の形態に係る製造方法に用いる製造装置を概略的に示す斜視図。
【図5】この発明の実施の形態に係る製造方法に用いる製造装置の散布装置を示す斜視図。
【図6】1パス方式の製造装置の一例を概略的に示す図。
【図7】4パス方式の製造装置の一例を概略的に示す図。
【図8】複合方式の製造装置の一例を概略的に示す図。
【符号の説明】
10…真空外囲器
11…前面基板
12…背面基板
15…蛍光体スクリーン
16…蛍光体層
17…黒色光吸収層
22…感光体ドラム
24…帯電器
26…レーザ露光装置
28…現像器
30…転写ローラ
34…定着装置
36…散布装置
40…基板
Claims (11)
- 画像表示面を有した前面基板と前面基板に向けて電子を放出する複数の電子放出素子を有し、上記前面基板と対向配置された背面基板と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
光によって電荷を消失する感光体を帯電させ、
帯電した上記感光体を露光し上記前面基板あるいは背面基板を構成する任意のパターンの潜像を形成し、
上記前面基板あるいは背面基板のパターンを構成する材料を含む現像剤により上記潜像を現像して現像剤像を形成し、
上記現像剤像を基板上に転写し、
上記転写された現像剤像を上記基板上に定着することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 上記感光体上に形成された現像剤像を転写体に転写した後、上記転写体から上記基板上に転写することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記転写体上に複数のパターンの現像剤像を順次転写した後、これら複数のパターンを一括して上記基板上に転写することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記感光体を複数組用意し、これらの感光体に複数のパターンの現像剤像を形成し、上記複数の感光体に形成された現像剤像を上記基板上に順次転写することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記複数のパターンの現像剤像を複数色の現像剤により形成することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記現像剤として、蛍光体あるいはカーボンの粒子をフリットあるいは樹脂で被覆した現像剤を用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記現像剤として蛍光体あるいはカーボンの粒子を用い、上記基板上に形成された現像剤像にフリットあるいは樹脂の粒子を散布することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記定着において、上記現像剤像の形成された基板を焼成し、上記フリットあるいは樹脂を溶融することを特徴とする請求項6又は8に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記現像剤像を電界により上記基板上に転写することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記現像剤像をオフセット転写により上記基板上に転写することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記感光体をコロナ放電により一様に帯電することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
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