JP2004030060A - 駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、稼動中の自動改札機での処理データに基づいて開発中の自動改札機の動作試験を行うことができ、開発中の自動改札機を試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
【解決手段】この発明は、稼動中の自動改札機のログデータから券データや動作環境情報などのサンプルデータを抽出して開発中の自動改札機へ供給し、開発中の自動改札機では上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行する。さらに、上記サンプルデータに対する稼動中の自動改札機による処理結果と開発中の自動改札機による処理結果とを照合し、その照合結果を出力するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明は、稼動中の自動改札機のログデータから券データや動作環境情報などのサンプルデータを抽出して開発中の自動改札機へ供給し、開発中の自動改札機では上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行する。さらに、上記サンプルデータに対する稼動中の自動改札機による処理結果と開発中の自動改札機による処理結果とを照合し、その照合結果を出力するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、鉄道などの交通機関で利用される自動改札機、券売機、精算機、定期券発行機等の駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動改札機、券売機、精算機、定期券発行機等の駅務機器は、制御プログラムに基づいて種々の動作を実行している。このような制御プログラムにて動作する駅務機器では、利用者からの苦情があった場合、利用者から聞いた情報に基づいて、同じ現象を再現させて動作確認を行っている。この際、同じ現象を再現させるためには、動作環境、あるいは、その前後の稼動状況などの詳細な情報が必要になる場合がある。しかしながら、現実には、詳細な情報を収集して同じ現象を再現するのは難しい。また、利用者からの苦情があるたびに、技術員が現場に出向いて動作確認などの調査を行うことは、非効率的であるため、良い方法ではない。
【0003】
また、駅務機器などの公共機器では、利用者が不利益になるようなトラブルは極力さけなければならないので、事前に、できるだけ多くのパターンで試験動作を行う必要がある。しかしながら、開発中の駅務機器を試験動作させる場合、駅務機器では処理すべきパターンが多すぎて、実際には、ごく一部のパターンでしか試験できない。例えば、乗車券や定期券などの券を処理対象とする場合、券に記録されている駅情報や金額情報の組合せは、天文学的な数値になってしまう。また、試験用の券(実施に使用される券と同じ構成の券)は、専用の機器を用いて作成しなければならないので、1枚の試験用の券を作成するのにも多くの時間が必要とされる。さらに、試験用の券を多数作成したとしても、これらの券を用いて実施に動作確認を行うには、相当な時間が必要となる。
このように、従来の駅務機器では、開発中の駅務機器等の動作確認を行うために、多くの手間や時間がかかってしまうという問題点がある。
【0004】
また、従来の駅務機器の試験では、稼動中の駅務機器の状態(動作環境)を再現するために人手によって機器の動作環境を設定しているが、駅務機器の動作環境を設定することは、未経験者や経験の浅い者が容易に実行出来るものではなく、専門知識を有し、かつ、駅務機器の扱いを熟知した人物によって可能となる。このため、駅務機器の試験を行うことが可能な人材が少ないという問題点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、駅務機器の動作試験に多くの手間や時間がかかったり、駅務機器の試験動作を行うために高度な技術や高度な知識が必要であるという問題点を解決するもので、駅務機器の動作試験にかかる手間や時間を軽減し、さらに、駅務機器の試験動作を簡単に行うことが可能な駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の駅務機器の開発システムは、駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の駅務機器は、駅務を実行する処理手段と、この処理手段により実行した駅務の処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段に記録されている処理内容から前記アプリケーションプログラム用の試験データを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出した試験データを用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、この実行手段により実行した処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0007】
この発明の自動改札機の開発システムは、利用者が所持している券情報に基づいて改札処理を実行している稼動中の自動改札機と、自動改札機用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の自動改札機は、利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、この処理手段による処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段に記録されている処理内容から前記処理手段により処理した券情報と動作環境情報とを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出した券情報と動作環境情報とを用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、この実行手段により実行した処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0008】
この発明の駅務機器の開発システムは、駅務を実行している稼動中の駅務機器と、開発中の駅務機器と、前記開発中の駅務機器との通信が可能な汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の駅務機器は、駅務を実行する処理手段と、この処理手段による処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段により記録されている処理内容から前記開発中の駅務機器用の試験データを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された試験データを前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、この変換手段により前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換された試験データを前記開発中の駅務機器へ供給する供給手段とを有し、前記開発中の駅務機器は、前記汎用機器から供給された試験データに基づいて試験動作を実行する実行手段と、この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0009】
この発明の自動改札機の開発システムは、改札業務を実行している稼動中の自動改札機と、開発中の自動改札機と、前記開発中の自動改札機との通信が可能な汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の自動改札機は、利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、この処理手段による処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段により記録されている処理内容から券情報と動作環境情報とを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、この変換手段により前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機へ供給する供給手段とを有し、前記開発中の自動改札機は、前記汎用機器から供給された券情報と動作環境情報とに基づいて改札業務の試験動作を実行する実行手段と、この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る駅務機器の開発システムの構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施の形態に係る駅務機器の開発システムは、駅務機器システム1とパーソナルコンピュータ(汎用機器)2とから構成されている。上記駅務機器システム1は、鉄道の各駅などで稼動している種々の駅務機器(自動改札機11、券売機12、精算機13、定期券発行機14)と各駅務機器での処理データなどのログデータを記憶する管理サーバ15とを有している。上記自動改札機11は、駅の改札口などに設置され、改札口で利用者に対する改札業務(駅務)を実行するものである。上記券売機12は、各駅などに設置され、利用者から金額を受領して乗車券などの券を発券する発券業務(駅務)を実行するものである。上記精算機13は、各駅の構内に設置され、乗り越しなどの利用者に対する乗車料金の精算業務(駅務)を実行するものである。上記定期券発行機14は、定期券を発行する定期券の発行業務(駅務)を実行するものである。
【0011】
上記管理サーバ15は、パーソナルコンピュータ等により構成され、各駅務機器による駅務の処理結果などのログデータ(稼動履歴)を管理するものである。上記管理サーバ15は、上記各駅務機器のログデータを記憶するログデータベース15a等を具備している。
上記パーソナルコンピュータ2は、上記管理サーバ15に通信回線などを介して接続されている。上記パーソナルコンピュータ2は、上記管理サーバ15に蓄積されている各駅務機器のログデータを読み込むことができるようになっている。また、上記パーソナルコンピュータ2は、各駅務機器のログデータを編集及び加工したデータを記憶するデータベース2aを有している。
【0012】
図2は、パーソナルコンピュータ2の構成例を示すブロックである。
図2に示すように、パーソナルコンピュータ2は、制御部21、データ抽出部22、照合部23、メモリ24、操作部25、表示部26、通信部27、記憶部28、出力部29、及びデータベース2aなどから構成されている。
上記制御部21は、パーソナルコンピュータ2全体の制御を司り、上記記憶部28に記憶されているアプリケーションプログラム28aに基づく動作を実行する機能を有している。上記データ抽出部22は、上記管理サーバ15で管理されている各駅務機器のログデータを編集及び加工してデータベース2aに記録するデータを生成(抽出)するものである。上記照合部23は、後述する処理において、上記アプリケーションプログラム28aにより得られた処理結果と上記データベース2aに記録されている処理結果情報との照合(突合せ)を行う。
【0013】
上記メモリ24は、ROM、RAM等のメモリにより構成される。上記操作部25は、キーボード等で構成され、操作者による指示入力を受付けるものである。上記表示部26は、ディスプレイ装置等で構成され、上記照合部23による照合結果などを表示する。上記通信部27は、上記管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部28は、ハードディスク装置等により構成され、開発対象とするアプリケーションプログラム28aなどが記憶される。上記データベース2aは、上記データ抽出部22により抽出されたデータが記録される。上記出力部29は、上記照合部23による照合結果などをプリンタ等の外部機器に出力するものである。
【0014】
図3は、各駅務機器(自動改札機11、券売機12、精算機13、定期券発行機)と管理サーバ15の構成例を概略的に示すブロック図である。
図3に示すように、自動改札機11は、制御部31、通信部32、記憶部33、通行制御部34、リーダライタ35、及び案内部36などから構成されている。上記制御部31は、自動改札機11全体の制御を司り、上記リーダライタ35により読取った乗車券などの券データに基づく通行の可否を判定する機能を有している。上記通信部32は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部33には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部33には、通行可否の判定結果等の処理結果が記憶される。上記通行制御部34は、上記制御部31による通行の可否の判定結果に基づいて利用者の通行を制御するものである。上記リーダライタ35は、利用者が所持している乗車券等の券の情報を読み取る読取部と券に対するデータの書き込みを行う書込部とからなる。上記案内部36は、利用者への案内を行うものである。
【0015】
また、上記券売機12は、制御部41、通信部42、記憶部43、金額処理部44、発券部45、及び接客部46などから構成されている。上記制御部41は、券売機12全体の制御を司り、上記金額処理部44にて処理される金額情報に基づいて発券可能な乗車券を判定する機能を有している。上記通信部42は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部43には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部43には、上記金額処理部44により処理した金額の情報や上記発券部45により発券した券の情報等の処理結果が記憶される。上記金額処理部44は、利用者により図示しない投入口に投入された金額や図示しない排出口から放出する釣銭などの処理を行う。上記発券部45は、上記制御部41による制御に基づいて乗車券等の券を発券するものである。上記接客部46は、タッチパネル内蔵の液晶表示装置などにより構成され、利用者からの操作入力を受付けたり、利用者への案内を表示したりするものである。
【0016】
また、上記精算機13は、制御部51、通信部52、記憶部53、金額処理部54、発券部55、及びリーダライタ56などから構成されている。上記制御部51は、精算機13全体の制御を司り、上記金額処理部54にて処理される金額情報と上記リーダライタ56により読取った券データとに基づいて精算処理を行う機能を有している。上記通信部52は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部53には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部53には、実行した精算処理の内容を示す情報等が記憶される。上記金額処理部54は、利用者により図示しない投入口に投入された金額や図示しない排出口から放出する釣銭などの処理を行う。上記発券部55は、上記制御部51による制御に基づいて精算等の券を発券するものである。上記リーダライタ56は、利用者が所持している乗車券等の券の情報を読み取る読取部と券に対するデータの書き込みを行う書込部とからなる。
【0017】
また、上記定期券発行機14は、制御部61、通信部62、記憶部63、金額処理部64、定期券発行部65、及び表示部66などから構成されている。上記制御部61は、定期券発行部14全体の制御を司る。上記通信部62は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部63には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部63には、上記金額処理部64により処理した金額の情報や上記定期券発行機65により発行した定期券の情報等の処理結果が記憶される。上記金額処理部64は、図示しない投入口に投入された金額や図示しない排出口から放出する釣銭などの処理を行う。上記定期券発行部65は、上記制御部61による制御に基づいて定期券の発行処理を行うものである。上記表示部66は、定期券の区分情報、定期券料金などの案内を表示するものである。
【0018】
また、上記管理サーバ15は、制御部71、通信部72及び記憶装置73などから構成されている。上記制御部71は、管理サーバ15全体の動作を司る。上記通信部72は、上記各駅務機器11、12、13、14との通信、及び、上記パーソナルコンピュータ2との通信を行う通信インターフェースである。上記記憶装置73は、ハードディスク装置等により構成され、上記各駅務機器11、12、13、14で実行した駅務の処理内容(稼動履歴)を示すログデータが蓄積されるログデータベース15aを有している。
【0019】
次に、ログデータから試験用のデータを作成する処理について説明する。
図4は、上記ログデータベース15aに蓄積されるログデータ、上記データ抽出部22によるデータ抽出処理、及び、上記データベース2aに記録されるデータを説明するための図である。図4に示すように、上記ログデータベース15aには、各ログデータに含まれる種々の情報が複数の種別を示すデータ(種別番号)とともに記録される。図4に示す例では、上記ログデータベース15aに記憶される種々の情報には01〜99の種別番号が設定されている。従って、各ログデータに含まれる種々の情報は、種別番号とともに上記ログデータベース15aに記録されるようになっている。例えば、種別番号が設定される情報としては、利用者(旅客)が提示した券から読取った内容を示す情報(読取情報)、利用者が投入した金額を示す情報(貨幣投入情報)、処理結果を示す情報(処理結果情報)、処理日時を示す情報(処理日時情報)、利用者が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)などがある。また、上記ログデータベース15aには、処理対象とした利用者に関する全ての情報(1件の処理に関する全ての情報)の終了を示す情報(旅客終了情報)が各ログデータの最後に記録される。
【0020】
また、上記ログデータベース15aには、駅務機器の種別ごとにログデータを蓄積するようにしても良いし、全種類の駅務機器からのログデータを順次蓄積するようにしても良い。
各駅務機器の種別ごとにログデータを蓄積する場合、上記ログデータベース15aには、駅務機器の種別ごとにログデータとして記録すべき種々の情報に対する種別番号が設定される。
例えば、自動改札機のログデータを蓄積する場合、種別番号が設定される情報としては、当該自動改札機が設置されている駅や改札口などの動作環境を示す情報(動作環境情報)、利用者の提示した券から読取った情報(券データ)、通行の判定結果(処理結果情報)などがあり、これらの情報が種別番号とともに上記ログデータベース15aに記憶される。
【0021】
また、券売機あるいは定期券発行機のログデータを蓄積する場合、種別番号が設定される情報としては、当該券売機あるいは定期券発行機が設置されている駅を示す情報(動作環境情報)、利用者が投入した金額を示す情報(金額情報)、利用者あるいは係員が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)、発券処理した券の内容を示す情報(処理結果情報)などがあり、これらの情報が種別番号とともに上記ログデータベース15aに記憶される。
また、精算機のログデータを蓄積する場合、種別番号が設定される情報としては、当該精算機が設置されている駅を示す情報(動作環境情報)、利用者が提示した券から読取った情報(券データ)、利用者が投入した金額を示す情報(金額)、利用者が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)、精算処理の処理結果を示す情報(処理結果情報)などがあり、これらの情報が上記ログデータベース15aに記憶される。
【0022】
また、全種類の駅務機器からのログデータを順次記録する場合、全ての種類の駅務機器から得られるログデータには、種々の情報が含まれる。このため、全種類の駅務機器からのログデータを順次記録する場合、上記ログデータベース15aに記憶すべき種々の情報に対して種別番号がそれぞれ設定される。全種類の駅務機器からのログデータを順次記録する場合に種別番号が設定される情報としては、例えば、当該駅務機器の種類を示す情報、当該駅務機器が設置されている場所などの動作環境を示す情報(動作環境情報)、利用者が提示した券から読取った情報(券データ)、利用者が投入した金額を示す情報(金額情報)、利用者あるいは係員が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)、処理結果を示す情報(処理結果情報)などがある。従って、上記ログデータベース15aには、種別番号が設定されていない種類の情報は記録されず、種別番号が設定されている種類の情報が記録されるようになる。
【0023】
また、上記データ抽出部22は、図4に示すように、上記ログデータベース15aに記録されているログデータからデータベース2aに記録すべき情報を作成する。すなわち、上記データ抽出部22は、上記ログデータベース15aから読み込んだログデータに基づいて、動作環境情報及び券データなどからなるサンプルデータを抽出するとともに、そのサンプルデータに対して稼動中の駅務機器が行った処理結果を抽出し、上記データベース2aに記録する。また、ログデータから抽出したデータをデータベース2aに記録する際に、上記データ抽出部22がデータの編集処理やデータの加工処理を行うようにしても良い。
【0024】
例えば、複数のログデータからサンプルデータとして同一のデータが抽出された場合、処理内容及び処理結果も同じになるため、上記データベース2aに記録するサンプルデータを取捨選択するようにしても良い。つまり、上記データ抽出部22では、既にデータベース2aに記録されているサンプルデータと同一のサンプルデータがログデータから抽出された場合に、そのサンプルデータの上記データベース2aへの記録を省略するような編集処理を行うようにしても良い。 上記のような処理により、上記データベース2aには、上記アプリケーションプログラムを試験動作させるためのサンプルデータ(例えば、動作環境情報、券データ、操作情報、投入金額情報など)と、そのサンプルデータに対する稼動中に駅務機器による処理結果とが記録される。
【0025】
次に、上記パーソナルコンピュータ2による駅務機器に用いられる開発中のアプリケーションプログラムのシミュレーション(試験動作)について説明する。ここでは、自動改札機11のアプリケーションプログラム28aに対するシミュレーションの例について説明する。なお、上記アプリケーションプログラム28aには、稼動中の自動改札機11のログデータを用いてシミュレーションを行うものとして説明するが、他の駅務機器についても、以下に説明する動作と同様な動作を行うことにより、アプリケーションプログラムの試験動作を行うことが可能である。
【0026】
図5は、自動改札機11の上記アプリケーションプログラム28aに対するシミュレーション(試験動作)の例を概略的に説明するためのフローチャートである。
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、管理サーバ15のログデータベース15aに記憶されている自動改札機11のログデータを読み込む(ステップS11)。自動改札機11のログデータを読み込むと、上記制御部21は、読み込んだログデータから所定の項目ごとにデータを抽出し、抽出したデータを上記データベース2a用のデータに編集及び加工する。これらの編集及び加工されたデータを上記データベース2aに記録することにより、データベース2aが作成される(ステップS12)。
【0027】
上記ログデータから抽出したデータを上記データベース2aに記録すると、上記制御部21は、記憶部28に記憶されているシミュレーション(試験動作)対象のアプリケーションプログラム28aを起動する(ステップS13)。上記アプリケーションプログラム28aを起動すると、制御部21は、データベース2aからサンプルデータを読み込む(ステップS14)。このサンプルデータは、データベース2aに記録されているデータのうち所定項目のデータである。例えば、自動改札機用のアプリケーションプログラムに用いられるサンプルデータは、処理を行った自動改札機の設置駅などの動作環境を示す動作環境情報(判定条件情報)、及び、処理対象とした券から読み取った券データなどの情報である。
【0028】
上記サンプルデータを読み込むと、制御部21は、上記サンプルデータを用いて上記アプリケーションプログラムによるシミュレーション(試験動作)を実行する(ステップS15)。上記アプリケーションプログラムによるシミュレーションを実行すると、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aによるシミュレーションの処理結果を一旦上記メモリ24に蓄える(ステップS16)。これにより上記アプリケーションプログラム28aの処理結果が得られると、制御部21は、上記データベース2aから当該サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機11での処理結果を読み込む(ステップS17)。なお、上記制御部21は、上記ステップS14から上記ステップS16の処理を繰返し行うことにより、複数のサンプルデータに対する上記アプリケーションプログラム28aによる処理を実行し、それらの処理結果をメモリ24に蓄えるようにしても良い。
【0029】
上記データベース2aから当該サンプルデータに対応する処理結果を読み込むと、制御部21は、照合部23により上記メモリ24に蓄えられているアプリケーションプログラム28aによる処理結果と、当該サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機11での処理結果との照合処理を行う(ステップS18)。例えば、処理結果が一致なかった場合、制御部21は、照合結果として不一致となった内容を示す情報(不一致情報)を照合結果として作成する。また、上記不一致情報は、例えば、不一致となったサンプルデータ、そのサンプルデータに対するアプリケーションプログラム28aによる処理結果、及び、前記サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機11での処理結果などの情報により作成される。なお、複数のサンプルデータに対する上記アプリケーションプログラム28aによる処理結果がメモリ24に蓄えられている場合には、順次、各サンプルデータに対する処理結果と稼動中の自動改札機11による処理結果とを比較すれば良い。
【0030】
このようにして得られた照合結果は、上記出力部29により出力される(ステップS19)。この出力部29により出力される照合結果は、図示しないプリンタにより用紙に印刷されたり、上記表示部26に表示される。このように出力される照合結果に基づいて、開発者は、上記アプリケーションプログラムが正確に動作しているかなどを評価する。
【0031】
上記のように、稼動中の機器から処理内容を示すログデータを収集しておき、稼動中の機器のログデータに基づいて開発中のアプリケーションプログラムの動作を試験するものである。これにより、アプリケーションプログラムの開発者がアプリケーションプログラムを試験するためのデータを作成したり収集したりする手間が軽減でき、かつ、各機器の稼動状況に応じた試験を簡単に実行できる。
【0032】
次に、上記データ抽出部22による処理について詳細に説明する。
図6は、ログデータからデータを抽出してデータベース2aに記録(登録)する処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、ログデータが図7に示すような構成となっており、データベース2aに登録されるデータ形式が図8に示すような構成となっているものとして説明する。
【0033】
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、上記管理サーバ15のログデータベース15aからデータベース2aへの登録対象とする全てのログデータを読み込み、メモリ24に一旦記憶する(ステップS21)。上記ログデータベース15aからログデータを読み込むと、制御部21は、順次、各ログデータに対して1件ごとにデータベース2aへの登録処理を行う。すなわち、登録対象とするログデータが存在する場合(ステップS22、YES)、制御部21は、データベース2aのレコード番号を更新する(ステップS23)。このレコード番号は、図8に示すように、データベース2aに登録される各ログデータに付与される固有番号である。
【0034】
上記データベース2aへの登録用のレコード番号を更新すると、制御部21は、1件分のログデータの終了を示す情報を識別するまで、登録対象とするログデータを種別番号順に識別する処理を行う(ステップS24〜S30)。例えば、図7に示すように、01〜99までの種別番号が設定されているログデータに対しては、01から順に各種別のデータの有無を判定する。このようなデータの有無の判定処理は、種別番号が99の旅客終了識別情報を識別するまで繰り返される。
【0035】
すなわち、登録対象としているログデータから旅客終了識別情報を識別していなければ(ステップS24、NO)、上記制御部21は、種別番号01から順にデータの有無を判定する(ステップS25、S27、S29)。これらの判定によりデータ有りが判定された場合、制御部21は、データ有りと判定した種別番号のデータをデータベース2aの対応する項目に登録する(ステップS26、28.S30)。また、旅客終了識別情報を識別した場合、上記制御部21は、次に登録対象とするログデータがあるか否かを判断する(ステップS22)。この判断により次の登録対象となるログデータがあると判断した場合(ステップS22、NO)、制御部21は、上記ステップ23へ進み、上記ステップ23〜S30の処理を繰り返し実行する。また、次の登録対象となるログデータがないと判断した場合(ステップS22、YES)、上記制御部21は、データベース2aへの登録処理を終了する。
【0036】
上記のような処理により、データベース2aは、図8に示すように、レコード番号ごとに、ログデータから抽出されたデータが記憶される。例えば、現在稼動中の自動改札機11のログデータからは、通行の判定条件としての動作環境情報と券データとからなるサンプルデータ(試験データ)と、そのサンプルデータに対する現在稼動中の自動改札機11による処理結果とが抽出されて、データベース2aに登録される。従って、図8に示すようなデータベース2aからは、サンプルデータと、そのサンプルデータに対する現在稼動中の駅務機器による処理結果とが直に取り出せるようになっている。
【0037】
次に、上記データベース2aを用いてアプリケーションプログラム28aの試験動作を行う場合の処理について説明する。
図9は、アプリケーションプログラム28aの試験動作を説明するためのフローチャートである。
まず、制御部21は、上記データベース2aに記録されている試験動作の対象するサンプルデータ(試験用データ)のレコード番号を更新する(ステップS41)。これにより、試験動作の対象とするデータのレコード番号が順次更新される。レコード番号を更新すると、制御部21は、当該レコード番号の記録内容からサンプルデータを読み込み、上記アプリケーションプログラム28aに適用できるデータ形式に変換する(ステップS42)。例えば、自動改札機用のアプリケーションプログラム28aを試験する場合、制御部21は、上記データベース2aから通行判定の条件としての動作環境情報及び券データなどをサンプルデータとして読み込み、上記アプリケーションプログラム28aに適用できるデータ形式に変換する。
【0038】
サンプルデータをアプリケーションプログラム28a用のデータ形式に変換すると、制御部21は、処理キックの有無を判定する(ステップS43〜48)。ここで、処理キックとは、アプリケーションプログラムを実行開始するためのトリガとなるものである。例えば、操作部25がキーボードで構成される場合、リターンキーの押下、スペースキーの押下、所定のファンクションキーの押下などが種々の処理キックとして予め定義されるものである。すなわち、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aを実行するための処理キックを設定しておき、処理キックの種別を判定し(ステップS43〜45)、上記アプリケーションプログラム28aを実行するための処理キックが有りと判定した際(ステップS46〜S48)、上記試験用のデータを用いて上記アプリケーションプログラム28aを実行する(ステップS49)。
【0039】
上記アプリケーションプログラム28aを実行すると、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aにより得られた処理結果としてのログデータを作成する(ステップS50)。このアプリケーションプログラム28aにより得られたログデータは、上記メモリ24に記憶される。上記アプリケーションプログラム28aにより得られた処理結果のログデータを作成すると、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aに適用したサンプルデータに対する稼動中の駅務機器による処理結果情報を読み込み、上記アプリケーションプログラムの処理結果と稼動中の駅務機器による処理結果情報とを比較する(ステップS51)。
【0040】
この比較により両者のデータが一致しないと判断した場合、制御部21は、照合結果としての不一致情報を作成する(ステップS52)。この不一致情報は、例えば、サンプルデータの内容、当該サンプルデータに対するアプリケーションプログラムによる処理結果、当該サンプルデータに対する稼動中の駅務機器での処理結果、あるいは、サンプルデータのレコード番号などから構成される。また、上記照合結果としての不一致情報は、メモリ24などに記憶される。
【0041】
また、上記比較により両者のデータが一致する場合(ステップS51、YES)、あるいは、上記照合結果としての不一致情報を作成した場合(ステップS52)、制御部21は、当該レコード番号のサンプルデータに対する上記アプリケーションプログラム28aの試験動作を終了し、上記データベース2aに試験対象とする次のレコード番号が存在するか否かを判断する(ステップS53)。この判断により次のレコード番号がないと判断した場合(ステップS53、YES)、制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aの試験動作を全て終了する。また、上記判断により次のレコード番号が存在すると判断した場合(ステップS53、NO)、上記制御部21は、上記ステップS41へ戻り、上記ステップS41〜上記ステップS53の処理を繰返し実行する。
【0042】
上記のように、第1の実施の形態によれば、稼動中の駅務機器のログデータからサンプルデータを抽出して、そのサンプルデータに基づいて開発中のアプリケーションプログラムを実行し、上記サンプルデータに対するアプリケーションプログラムによる処理結果と当該サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、パーソナルコンピュータ上で、開発中のアプリケーションプログラムを稼動中の駅務機器での処理データに基づいて試験動作することができ、開発中のアプリケーションプログラムを試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
【0043】
また、上記第1の実施の形態では、稼動中の自動改札機のログデータから抽出したデータに基づいて、開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムを試験する場合について説明したが、他の駅務機器のログデータから抽出したデータを用いて開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムを試験するようにしても良い。
例えば、券売機のログデータから動作環境情報と券データとを抽出して開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムを試験動作させることにより、券売機で発券した券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の定期券発行機のログデータから動作環境情報と定期券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、定期券発行機で発行した定期券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の精算機のログデータから動作環境情報と精算時済みの精算券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、精算機で精算した精算券による改札処理の試験を行うことができる。ただし、これらの場合には、処理結果の照合処理を行うことができないため、開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムによる処理結果のみが出力される。
【0044】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図10は、第2の実施の形態に係る駅務機器の開発システムの構成例を示す図である。なお、図10において、図1に示す第1の実施の形態の駅務機器の開発システムと同一部分には、同一符号を付し、説明を省略する。図10に示す駅務機器の開発システムでは、図1に示す駅務機器の開発システムの構成に加えて、パーソナルコンピュータ(汎用機器)2に開発用(開発中)の駅務機器(自動改札機111、券売機112、精算機114、定期券発行機115)100が接続されていることが異なっている。すなわち、図10に示す駅務機器の開発システムにおいて、パーソナルコンピュータ2と開発用の駅務機器100とは、データ通信が行えるように構成されている。なお、パーソナルコンピュータ2と開発用の駅務機器とは、常時接続されている必要はなく、必要に応じて接続されるものである。
また、各開発中の駅務機器(自動改札機111、券売機112、精算機114、定期券発行機115)100は、記憶部103(記憶部33、43、53、63)に各駅務機器100で実行される開発中の制御プログラム(アプリケーションプログラム33a、43a、53a、63a)103aが記憶されているものとする。
【0045】
また、パーソナルコンピュータ2、各駅務機器100及び管理サーバ15等の構成は、第1の実施の形態で図2、図3等を用いて説明したものと同様であり、管理サーバ15のログデータベース15aに蓄積されたログデータからサンプルデータ(試験用のデータ)を作成してデータベース2aに登録する処理も上記第1の実施の形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0046】
次に、開発中の駅務機器100のシミュレーション(試験動作)について説明する。
図11は、開発中の駅務機器100の例としての開発中の自動改札機111の試験動作(シミュレーション)を説明するための図である。
図11に示す自動改札機111の基本的な構成は、図3に示す自動改札機11の構成と同様であるが、記憶部33には、試験対象のアプリケーションプログラム33aが記憶されており、さらに、上記アプリケーションプログラム33aによる処理結果としてのログデータが記憶されるものとする。上記アプリケーションプログラム33aは、例えば、動作環境情報(判定条件情報)と券データ(判定対象情報)とに基づいて通行の可否を判定する制御プログラムである。また、図11に示す構成では、開発中の自動改札機111は、上記パーソナルコンピュータ2に接続され、パーソナルコンピュータ2とのデータ通信が可能となっている。
【0047】
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、管理サーバ15のログデータベース15aに記憶されている自動改札機11のログデータを読み込む(ステップS101)。自動改札機11のログデータを読み込むと、上記制御部21は、読み込んだログデータから所定の項目ごとにデータを抽出し、抽出したデータを上記データベース2a用のデータに編集及び加工する。これらの編集及び加工されたデータを上記データベース2aに記録することにより、制御部21は、データベース2aを作成する(ステップS102)。
【0048】
次に、パーソナルコンピュータ2と自動改札機111とは、通信可能なように接続される。この状態において、上記パーソナルコンピュータ2は、データベース2aから動作環境情報及び券データなどのサンプルデータ(試験用データ)を読み出し(ステップS103)、自動改札機111にて使用可能なデータ形式に変換する(ステップS104)。この自動改札機111で使用可能な形式に変換されたサンプルデータは、通信部27により開発中の自動改札機111へ送信(供給)される。
【0049】
開発中の自動改札機111では、通信部32によりサンプルデータを受信すると、上記アプリケーションプログラム33aを起動し(ステップS105)、サンプルデータに基づいて動作環境を設定する(ステップS106)。上記サンプルデータに基づいて動作環境を設定すると、自動改札機111の制御部31は、当該サンプルデータに基づく券データを読取部としての上記リーダライタ35を介して入力し、上記アプリケーションプログラム33aを実行する(ステップS107)。上記制御部31は、上記アプリケーションプログラム33aによる上記サンプルデータの処理結果を示す情報を処理結果情報(ログデータ)として上記パーソナルコンピュータ2へ出力する(ステップS108)。
【0050】
上記自動改札機111から処理結果を受信すると、上記パーソナルコンピュータ2の制御部21は、照合部23により当該サンプルデータに対する自動改札機111による処理結果と当該サンプルデータに対する稼動中の自動改札機11による処理結果とを照合(突き合せ)する(ステップS109)。この照合処理による照合結果は、上記出力部29により出力される(ステップS110)。例えば、照合処理の結果として両者の処理結果が一致しなかった場合、制御部21は、不一致となった内容(サンプルデータ、開発中の自動改札機111による処理結果、稼動中の自動改札機11による処理結果等)を示す不一致情報を照合結果として作成する。
【0051】
上記のように、稼動中の自動改札機のログデータから券データや動作環境情報などのサンプルデータを抽出して開発中の自動改札機へ供給し、開発中の自動改札機では上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行させ、上記サンプルデータに対する稼動中の自動改札機による処理結果と開発中の自動改札機による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、開発中の自動改札機は、稼動中の自動改札機での処理データに基づいて動作の試験を行うことができ、開発中の自動改札機を試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
【0052】
また、図11に示す例では、稼動中の自動改札機のログデータから抽出したデータで開発中の自動改札機を試験する場合について説明したが、他の駅務機器のログデータから抽出したデータを用いて開発中の自動改札機を試験するようにしても良い。
例えば、券売機のログデータから動作環境情報と券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより券売機で発券した券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の定期券発行機のログデータから動作環境情報と定期券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、定期券発行機で発行した定期券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の精算機のログデータから動作環境情報と精算時済みの精算券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、精算機で精算した精算券による改札処理の試験を行うことができる。
ただし、これらの場合には、稼動中の自動改札機による処理結果との照合処理を行うことができないため、開発中の自動改札機による処理結果のみが出力される。
【0053】
図12は、開発中の駅務機器100の例としての開発中の券売機112の試験動作(シミュレーション)を説明するための図である。
図12に示す券売機112の基本的な構成は、図3に示す券売機12の構成と同様であるが、記憶部43には、試験対象のアプリケーションプログラム43aが記憶されており、さらに、上記アプリケーションプログラム43aによる処理結果としてのログデータが記憶される。上記アプリケーションプログラム43aは、例えば、動作環境情報(発券条件情報)、操作情報、及び投入金額情報などに基づいて発券する券を判定する処理を行う制御プログラムである。また、図12に示す構成では、開発中の券売機112は、上記パーソナルコンピュータ2に接続され、パーソナルコンピュータ2とのデータ通信が可能となっている。
【0054】
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、管理サーバ15のログデータベース15aに記憶されている券売機12のログデータを読み込む(ステップS121)。券売機12のログデータを読み込むと、上記制御部21は、読み込んだログデータから所定の項目ごとにデータを抽出し、抽出したデータを上記データベース2a用のデータに編集及び加工する。これらの編集及び加工されたデータを上記データベース2aに記録することにより、制御部21は、データベース2aを作成する(ステップS122)。
【0055】
次に、パーソナルコンピュータ2と券売機12とは、通信可能なように接続される。この状態において、上記パーソナルコンピュータ2は、データベース2aから動作環境情報、操作情報、及び投入金額情報などのサンプルデータ(試験用データ)を読み出し(ステップS123)、券売機112にて使用可能なデータ形式に変換する(ステップS124)。この券売機112で使用可能な形式に変換されたサンプルデータは、通信部27により開発中の券売機112へ送信(供給)される。
【0056】
上記開発中の券売機112では、通信部42によりパーソナルコンピュータ2からのサンプルデータを受信すると、上記アプリケーションプログラム43aを起動し(ステップS125)、上記サンプルデータに基づいて動作環境を設定する(ステップS126)。上記サンプルデータに基づいて動作環境を設定すると、券売機112の制御部41は、当該サンプルデータに基づく操作情報を接客部46を介して入力するとともに、当該サンプルデータに基づく投入金額情報を金額処理部44を介して入力することにより、上記アプリケーションプログラム43aを実行する(ステップS127)。上記アプリケーションプログラム43aを実行すると、上記制御部41は、上記アプリケーションプログラム43aによる当該サンプルデータの処理結果を示す情報を処理結果情報(ログデータ)として上記パーソナルコンピュータ2へ出力する(ステップS128)。
【0057】
上記券売機112から処理結果を受信すると、上記パーソナルコンピュータ2の制御部21は、照合部23により当該サンプルデータに対する券売機112による処理結果と当該サンプルデータに対する稼動中の券売機12による処理結果とを照合(突き合せ)を行う(ステップS129)。この照合処理による照合結果は、上記出力部29により出力される(ステップS130)。例えば、照合処理の結果として両者の処理結果が一致しなかった場合、制御部21は、不一致となった内容(サンプルデータ、開発中の券売機112による処理結果、稼動中の券売機12による処理結果等)を示す不一致情報を照合結果として作成する。
【0058】
上記のように、稼動中の券売機のログデータから操作情報、投入金額情報、及び動作環境情報などのサンプルデータを抽出して開発中の券売機へ供給し、開発中の券売機では上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行する。さらに、上記サンプルデータに対する稼動中の券売機による処理結果と開発中の券売機による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、開発中の券売機は、稼動中の券売機での処理データに基づいて動作の試験を行うことができ、開発中の券売機を試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
また、図11及び図12では、開発中の自動改札機及び券売機の試験動作例について説明したが、開発中の定期券発行機や精算機でも、同様に、稼動中の定期券発行機あるいは精算機のログデータに基づいて試験動作を実行することが可能である。
【0059】
図13は、開発中の駅務機器100の試験動作を説明するためのフローチャートである。ここでは、稼動中の駅務機器のログデータからデータベース2aが作成されている状態であるものとする。上記データベース2aは、例えば、図6に示すような、上記第1の実施の形態で説明した動作により作成されるものである。
【0060】
まず、制御部21は、試験対象とする開発中の駅務機器100と接続されているか否かを判断する(ステップS141)。この判断により開発中の駅務機器と接続されていないと判断した場合、制御部21は、上記表示部26により開発中の駅務機器との接続されていないことを報知するエラー表示を行う(ステップS142)。また、上記判断により開発中の駅務機器と接続されていると判断した場合、制御部21は、上記データベース2aに記録されている試験動作の対象とするサンプルデータ(試験用データ)のレコード番号を更新する(ステップS143)。これにより、試験動作の対象とするデータのレコード番号が順次更新される。
【0061】
レコード番号を更新すると、制御部21は、当該レコード番号の記録内容からサンプルデータ(試験用データ)を読み込み、上記開発中の駅務機器100に適用できるデータ形式に変換する(ステップS144)。例えば、開発中の自動改札機を試験する場合、制御部21は、上記データベース2aから通行判定の条件としての動作環境情報、及び処理対象となる券データなどをサンプルデータとして読み込み、上記開発中の自動改札機に適用できるデータ形式に変換する。
【0062】
上記サンプルデータを試験対象の駅務機器100に適用可能なデータ形式を変換すると、制御部21は、そのサンプルデータを接続されている駅務機器100へ転送する(ステップS145)。上記開発中の駅務機器100では、パーソナルコンピュータ2から受信したサンプルデータを記憶部に保持する(ステップS146)。この状態で、開発中の駅務機器100では、アプリケーションプログラムを実行開始するためのトリガとなる処理キックの有無を判定する(ステップS147〜149)。
【0063】
上記制御部21は、上記開発中の駅務機器100での処理を実行するための処理キックを設定しておき、処理キックの種別を判定する(ステップS147〜S149)。ここで、駅務機器100が処理を実行するための処理キック有りと判定した際(ステップS150〜S152)、駅務機器100は、上記パーソナルコンピュータ2から受信したサンプルデータを用いて試験動作を実行する(ステップS153)。これにより、上記サンプルデータによる試験動作を実行すると、上記駅務機器100は、上記パーソナルコンピュータ2へ処理結果としてのログデータを出力する(ステップS50)。
【0064】
例えば、開発中の自動改札機111の試験動作を行う場合、パーソナルコンピュータ2の操作部25でのリターンキーの押下、開発中の自動改札機111でのリセットキーの押下、あるいは、開発中の自動改札機111への模擬券の投入などが処理キックとして定義される。なお、上記模擬券とは、例えば、データの記憶されていない券である。
【0065】
例えば、開発中の自動改札機111への模擬券の投入を処理キックとする場合、当該自動改札機111に投入された模擬券がリーダライタに達した際に、上記サンプルデータの券データが自動改札機111内に取り込まれ、試験動作が実行される。すなわち、模擬券の投入を処理キックとして自動改札機111の試験動作を行う場合、自動改札機111内での模擬券の搬送状況などに応じて、サンプルデータが読み込まれて試験動作が行われる。従って、模擬券を利用して試験動作を行うようにすれば、試験用の券を実際に作成しなくとも、サンプルデータを用いて当該自動改札機での券に対する実際の動作を確認しつつ、試験動作を行うことが可能となる。このため、開発者は、開発中の自動改札機111の試験を行うために試験用の券を作成する手間がかからないとう利点がある。
【0066】
上記開発中の駅務機器100から処理結果を受信すると、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、受信した処理結果としてのログデータを上記メモリ24に記憶し、上記データベース2aから当該サンプルデータに対する稼動中の駅務機器による処理結果情報を読み込む。すると、制御部21は、照合部23により上記開発中の駅務機器100での処理結果と稼動中の駅務機器での処理結果とを比較する(ステップS155)。この比較により両者のデータが一致しないと判断した場合、制御部21は、照合結果としての不一致情報を作成する(ステップS156)。この不一致情報は、例えば、サンプルデータの内容、当該サンプルデータに対する開発中の駅務機器100による処理結果、当該サンプルデータに対する稼動中の駅務機器での処理結果、あるいは、当該サンプルデータのレコード番号などから構成される。また、上記照合結果としての不一致情報は、例えば、メモリ24などに記憶される。
【0067】
また、上記比較により両者のデータが一致する場合(ステップS51、YES)、あるいは、上記照合結果としての不一致情報を作成した場合(ステップS52)、制御部21は、当該レコード番号のサンプルデータに対する上記開発中の駅務機器100の試験動作を終了し、上記データベース2aに試験対象とする次のレコード番号が存在するか否かを判断する(ステップS157)。この判断により次のレコード番号がないと判断した場合(ステップS157、YES)、制御部21は、上記開発中の駅務機器100の試験動作を全て終了する。また、上記判断により次のレコード番号が存在すると判断した場合(ステップS53、NO)、上記制御部21は、上記ステップS141へ戻り、上記ステップS141〜上記ステップS157の処理を繰返し実行する。
【0068】
上記のように、稼動中の駅務機器のログデータからサンプルデータを抽出して開発中の駅務機器へ供給し、開発中の駅務機器には上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行させ、上記サンプルデータに対する稼動中の駅務機器による処理結果と開発中の駅務機器による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、開発中の駅務機器は、稼動中の駅務機器での処理データに基づいて動作の試験を行うことができ、開発中の駅務機器を試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、駅務機器の動作試験にかかる手間や時間を軽減し、さらに、駅務機器の試験動作を簡単に行うことが可能な駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る駅務機器の開発システムを概略的に示す図。
【図2】パーソナルコンピュータ2の概略構成を示すブロック図。
【図3】各駅務機器の概略構成を示すブロック図。
【図4】上記パーソナルコンピュータによるアプリケーションプログラムのシミュレーションを説明するためのフローチャート。
【図5】ログデータからデータを抽出する処理を概略的に説明するための図。
【図6】ログデータから抽出したデータをデータベースに登録する処理を説明するためのフローチャート。
【図7】ログデータベースの構成例を示す図。
【図8】ログデータから作成されるデータベースの構成例を示す図。
【図9】サンプルデータによるアプリケーションプログラムのシミュレーションの例を説明するためのフローチャート。
【図10】第2の実施の形態に係る駅務機器の開発システムの概略構成を示す図。
【図11】ログデータを用いて開発中の自動改札機の試験動作を説明するための図。
【図12】ログデータを用いて開発中の券売機の試験動作を説明するための図。
【図13】開発中の駅務機器の試験動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
2…パーソナルコンピュータ(汎用機器)、2a…データベース、11…自動改札機、12…券売機、13…精算機、14…定期券発行機、15…管理サーバ、15a…ログデータベース、21…制御部、22…データ抽出部、23…照合部、24…メモリ、25…操作部、26…表示部、27…通信部、28…記憶部、29…出力部、31、41、51、61…制御部、32、42、52、62…通信部、33、43、53、63…記憶部、34…通行制御部、35、56…リーダライタ、36…案内部、44、54、64…金額処理部、45、55…発券部、46…接客部、65…定期券発行部、66…表示部、71…制御部、71…通信部、73…記憶装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、鉄道などの交通機関で利用される自動改札機、券売機、精算機、定期券発行機等の駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動改札機、券売機、精算機、定期券発行機等の駅務機器は、制御プログラムに基づいて種々の動作を実行している。このような制御プログラムにて動作する駅務機器では、利用者からの苦情があった場合、利用者から聞いた情報に基づいて、同じ現象を再現させて動作確認を行っている。この際、同じ現象を再現させるためには、動作環境、あるいは、その前後の稼動状況などの詳細な情報が必要になる場合がある。しかしながら、現実には、詳細な情報を収集して同じ現象を再現するのは難しい。また、利用者からの苦情があるたびに、技術員が現場に出向いて動作確認などの調査を行うことは、非効率的であるため、良い方法ではない。
【0003】
また、駅務機器などの公共機器では、利用者が不利益になるようなトラブルは極力さけなければならないので、事前に、できるだけ多くのパターンで試験動作を行う必要がある。しかしながら、開発中の駅務機器を試験動作させる場合、駅務機器では処理すべきパターンが多すぎて、実際には、ごく一部のパターンでしか試験できない。例えば、乗車券や定期券などの券を処理対象とする場合、券に記録されている駅情報や金額情報の組合せは、天文学的な数値になってしまう。また、試験用の券(実施に使用される券と同じ構成の券)は、専用の機器を用いて作成しなければならないので、1枚の試験用の券を作成するのにも多くの時間が必要とされる。さらに、試験用の券を多数作成したとしても、これらの券を用いて実施に動作確認を行うには、相当な時間が必要となる。
このように、従来の駅務機器では、開発中の駅務機器等の動作確認を行うために、多くの手間や時間がかかってしまうという問題点がある。
【0004】
また、従来の駅務機器の試験では、稼動中の駅務機器の状態(動作環境)を再現するために人手によって機器の動作環境を設定しているが、駅務機器の動作環境を設定することは、未経験者や経験の浅い者が容易に実行出来るものではなく、専門知識を有し、かつ、駅務機器の扱いを熟知した人物によって可能となる。このため、駅務機器の試験を行うことが可能な人材が少ないという問題点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、駅務機器の動作試験に多くの手間や時間がかかったり、駅務機器の試験動作を行うために高度な技術や高度な知識が必要であるという問題点を解決するもので、駅務機器の動作試験にかかる手間や時間を軽減し、さらに、駅務機器の試験動作を簡単に行うことが可能な駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の駅務機器の開発システムは、駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の駅務機器は、駅務を実行する処理手段と、この処理手段により実行した駅務の処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段に記録されている処理内容から前記アプリケーションプログラム用の試験データを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出した試験データを用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、この実行手段により実行した処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0007】
この発明の自動改札機の開発システムは、利用者が所持している券情報に基づいて改札処理を実行している稼動中の自動改札機と、自動改札機用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の自動改札機は、利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、この処理手段による処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段に記録されている処理内容から前記処理手段により処理した券情報と動作環境情報とを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出した券情報と動作環境情報とを用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、この実行手段により実行した処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0008】
この発明の駅務機器の開発システムは、駅務を実行している稼動中の駅務機器と、開発中の駅務機器と、前記開発中の駅務機器との通信が可能な汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の駅務機器は、駅務を実行する処理手段と、この処理手段による処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段により記録されている処理内容から前記開発中の駅務機器用の試験データを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された試験データを前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、この変換手段により前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換された試験データを前記開発中の駅務機器へ供給する供給手段とを有し、前記開発中の駅務機器は、前記汎用機器から供給された試験データに基づいて試験動作を実行する実行手段と、この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0009】
この発明の自動改札機の開発システムは、改札業務を実行している稼動中の自動改札機と、開発中の自動改札機と、前記開発中の自動改札機との通信が可能な汎用機器とを有するシステムにおいて、前記稼動中の自動改札機は、利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、この処理手段による処理内容を記録する記録手段とを有し、前記汎用機器は、前記記録手段により記録されている処理内容から券情報と動作環境情報とを抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、この変換手段により前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機へ供給する供給手段とを有し、前記開発中の自動改札機は、前記汎用機器から供給された券情報と動作環境情報とに基づいて改札業務の試験動作を実行する実行手段と、この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する出力手段とを有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る駅務機器の開発システムの構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施の形態に係る駅務機器の開発システムは、駅務機器システム1とパーソナルコンピュータ(汎用機器)2とから構成されている。上記駅務機器システム1は、鉄道の各駅などで稼動している種々の駅務機器(自動改札機11、券売機12、精算機13、定期券発行機14)と各駅務機器での処理データなどのログデータを記憶する管理サーバ15とを有している。上記自動改札機11は、駅の改札口などに設置され、改札口で利用者に対する改札業務(駅務)を実行するものである。上記券売機12は、各駅などに設置され、利用者から金額を受領して乗車券などの券を発券する発券業務(駅務)を実行するものである。上記精算機13は、各駅の構内に設置され、乗り越しなどの利用者に対する乗車料金の精算業務(駅務)を実行するものである。上記定期券発行機14は、定期券を発行する定期券の発行業務(駅務)を実行するものである。
【0011】
上記管理サーバ15は、パーソナルコンピュータ等により構成され、各駅務機器による駅務の処理結果などのログデータ(稼動履歴)を管理するものである。上記管理サーバ15は、上記各駅務機器のログデータを記憶するログデータベース15a等を具備している。
上記パーソナルコンピュータ2は、上記管理サーバ15に通信回線などを介して接続されている。上記パーソナルコンピュータ2は、上記管理サーバ15に蓄積されている各駅務機器のログデータを読み込むことができるようになっている。また、上記パーソナルコンピュータ2は、各駅務機器のログデータを編集及び加工したデータを記憶するデータベース2aを有している。
【0012】
図2は、パーソナルコンピュータ2の構成例を示すブロックである。
図2に示すように、パーソナルコンピュータ2は、制御部21、データ抽出部22、照合部23、メモリ24、操作部25、表示部26、通信部27、記憶部28、出力部29、及びデータベース2aなどから構成されている。
上記制御部21は、パーソナルコンピュータ2全体の制御を司り、上記記憶部28に記憶されているアプリケーションプログラム28aに基づく動作を実行する機能を有している。上記データ抽出部22は、上記管理サーバ15で管理されている各駅務機器のログデータを編集及び加工してデータベース2aに記録するデータを生成(抽出)するものである。上記照合部23は、後述する処理において、上記アプリケーションプログラム28aにより得られた処理結果と上記データベース2aに記録されている処理結果情報との照合(突合せ)を行う。
【0013】
上記メモリ24は、ROM、RAM等のメモリにより構成される。上記操作部25は、キーボード等で構成され、操作者による指示入力を受付けるものである。上記表示部26は、ディスプレイ装置等で構成され、上記照合部23による照合結果などを表示する。上記通信部27は、上記管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部28は、ハードディスク装置等により構成され、開発対象とするアプリケーションプログラム28aなどが記憶される。上記データベース2aは、上記データ抽出部22により抽出されたデータが記録される。上記出力部29は、上記照合部23による照合結果などをプリンタ等の外部機器に出力するものである。
【0014】
図3は、各駅務機器(自動改札機11、券売機12、精算機13、定期券発行機)と管理サーバ15の構成例を概略的に示すブロック図である。
図3に示すように、自動改札機11は、制御部31、通信部32、記憶部33、通行制御部34、リーダライタ35、及び案内部36などから構成されている。上記制御部31は、自動改札機11全体の制御を司り、上記リーダライタ35により読取った乗車券などの券データに基づく通行の可否を判定する機能を有している。上記通信部32は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部33には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部33には、通行可否の判定結果等の処理結果が記憶される。上記通行制御部34は、上記制御部31による通行の可否の判定結果に基づいて利用者の通行を制御するものである。上記リーダライタ35は、利用者が所持している乗車券等の券の情報を読み取る読取部と券に対するデータの書き込みを行う書込部とからなる。上記案内部36は、利用者への案内を行うものである。
【0015】
また、上記券売機12は、制御部41、通信部42、記憶部43、金額処理部44、発券部45、及び接客部46などから構成されている。上記制御部41は、券売機12全体の制御を司り、上記金額処理部44にて処理される金額情報に基づいて発券可能な乗車券を判定する機能を有している。上記通信部42は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部43には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部43には、上記金額処理部44により処理した金額の情報や上記発券部45により発券した券の情報等の処理結果が記憶される。上記金額処理部44は、利用者により図示しない投入口に投入された金額や図示しない排出口から放出する釣銭などの処理を行う。上記発券部45は、上記制御部41による制御に基づいて乗車券等の券を発券するものである。上記接客部46は、タッチパネル内蔵の液晶表示装置などにより構成され、利用者からの操作入力を受付けたり、利用者への案内を表示したりするものである。
【0016】
また、上記精算機13は、制御部51、通信部52、記憶部53、金額処理部54、発券部55、及びリーダライタ56などから構成されている。上記制御部51は、精算機13全体の制御を司り、上記金額処理部54にて処理される金額情報と上記リーダライタ56により読取った券データとに基づいて精算処理を行う機能を有している。上記通信部52は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部53には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部53には、実行した精算処理の内容を示す情報等が記憶される。上記金額処理部54は、利用者により図示しない投入口に投入された金額や図示しない排出口から放出する釣銭などの処理を行う。上記発券部55は、上記制御部51による制御に基づいて精算等の券を発券するものである。上記リーダライタ56は、利用者が所持している乗車券等の券の情報を読み取る読取部と券に対するデータの書き込みを行う書込部とからなる。
【0017】
また、上記定期券発行機14は、制御部61、通信部62、記憶部63、金額処理部64、定期券発行部65、及び表示部66などから構成されている。上記制御部61は、定期券発行部14全体の制御を司る。上記通信部62は、管理サーバ15との通信を行うインターフェースである。上記記憶部63には、アプリケーションプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。また、上記記憶部63には、上記金額処理部64により処理した金額の情報や上記定期券発行機65により発行した定期券の情報等の処理結果が記憶される。上記金額処理部64は、図示しない投入口に投入された金額や図示しない排出口から放出する釣銭などの処理を行う。上記定期券発行部65は、上記制御部61による制御に基づいて定期券の発行処理を行うものである。上記表示部66は、定期券の区分情報、定期券料金などの案内を表示するものである。
【0018】
また、上記管理サーバ15は、制御部71、通信部72及び記憶装置73などから構成されている。上記制御部71は、管理サーバ15全体の動作を司る。上記通信部72は、上記各駅務機器11、12、13、14との通信、及び、上記パーソナルコンピュータ2との通信を行う通信インターフェースである。上記記憶装置73は、ハードディスク装置等により構成され、上記各駅務機器11、12、13、14で実行した駅務の処理内容(稼動履歴)を示すログデータが蓄積されるログデータベース15aを有している。
【0019】
次に、ログデータから試験用のデータを作成する処理について説明する。
図4は、上記ログデータベース15aに蓄積されるログデータ、上記データ抽出部22によるデータ抽出処理、及び、上記データベース2aに記録されるデータを説明するための図である。図4に示すように、上記ログデータベース15aには、各ログデータに含まれる種々の情報が複数の種別を示すデータ(種別番号)とともに記録される。図4に示す例では、上記ログデータベース15aに記憶される種々の情報には01〜99の種別番号が設定されている。従って、各ログデータに含まれる種々の情報は、種別番号とともに上記ログデータベース15aに記録されるようになっている。例えば、種別番号が設定される情報としては、利用者(旅客)が提示した券から読取った内容を示す情報(読取情報)、利用者が投入した金額を示す情報(貨幣投入情報)、処理結果を示す情報(処理結果情報)、処理日時を示す情報(処理日時情報)、利用者が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)などがある。また、上記ログデータベース15aには、処理対象とした利用者に関する全ての情報(1件の処理に関する全ての情報)の終了を示す情報(旅客終了情報)が各ログデータの最後に記録される。
【0020】
また、上記ログデータベース15aには、駅務機器の種別ごとにログデータを蓄積するようにしても良いし、全種類の駅務機器からのログデータを順次蓄積するようにしても良い。
各駅務機器の種別ごとにログデータを蓄積する場合、上記ログデータベース15aには、駅務機器の種別ごとにログデータとして記録すべき種々の情報に対する種別番号が設定される。
例えば、自動改札機のログデータを蓄積する場合、種別番号が設定される情報としては、当該自動改札機が設置されている駅や改札口などの動作環境を示す情報(動作環境情報)、利用者の提示した券から読取った情報(券データ)、通行の判定結果(処理結果情報)などがあり、これらの情報が種別番号とともに上記ログデータベース15aに記憶される。
【0021】
また、券売機あるいは定期券発行機のログデータを蓄積する場合、種別番号が設定される情報としては、当該券売機あるいは定期券発行機が設置されている駅を示す情報(動作環境情報)、利用者が投入した金額を示す情報(金額情報)、利用者あるいは係員が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)、発券処理した券の内容を示す情報(処理結果情報)などがあり、これらの情報が種別番号とともに上記ログデータベース15aに記憶される。
また、精算機のログデータを蓄積する場合、種別番号が設定される情報としては、当該精算機が設置されている駅を示す情報(動作環境情報)、利用者が提示した券から読取った情報(券データ)、利用者が投入した金額を示す情報(金額)、利用者が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)、精算処理の処理結果を示す情報(処理結果情報)などがあり、これらの情報が上記ログデータベース15aに記憶される。
【0022】
また、全種類の駅務機器からのログデータを順次記録する場合、全ての種類の駅務機器から得られるログデータには、種々の情報が含まれる。このため、全種類の駅務機器からのログデータを順次記録する場合、上記ログデータベース15aに記憶すべき種々の情報に対して種別番号がそれぞれ設定される。全種類の駅務機器からのログデータを順次記録する場合に種別番号が設定される情報としては、例えば、当該駅務機器の種類を示す情報、当該駅務機器が設置されている場所などの動作環境を示す情報(動作環境情報)、利用者が提示した券から読取った情報(券データ)、利用者が投入した金額を示す情報(金額情報)、利用者あるいは係員が行った操作指示の内容を示す情報(操作情報)、処理結果を示す情報(処理結果情報)などがある。従って、上記ログデータベース15aには、種別番号が設定されていない種類の情報は記録されず、種別番号が設定されている種類の情報が記録されるようになる。
【0023】
また、上記データ抽出部22は、図4に示すように、上記ログデータベース15aに記録されているログデータからデータベース2aに記録すべき情報を作成する。すなわち、上記データ抽出部22は、上記ログデータベース15aから読み込んだログデータに基づいて、動作環境情報及び券データなどからなるサンプルデータを抽出するとともに、そのサンプルデータに対して稼動中の駅務機器が行った処理結果を抽出し、上記データベース2aに記録する。また、ログデータから抽出したデータをデータベース2aに記録する際に、上記データ抽出部22がデータの編集処理やデータの加工処理を行うようにしても良い。
【0024】
例えば、複数のログデータからサンプルデータとして同一のデータが抽出された場合、処理内容及び処理結果も同じになるため、上記データベース2aに記録するサンプルデータを取捨選択するようにしても良い。つまり、上記データ抽出部22では、既にデータベース2aに記録されているサンプルデータと同一のサンプルデータがログデータから抽出された場合に、そのサンプルデータの上記データベース2aへの記録を省略するような編集処理を行うようにしても良い。 上記のような処理により、上記データベース2aには、上記アプリケーションプログラムを試験動作させるためのサンプルデータ(例えば、動作環境情報、券データ、操作情報、投入金額情報など)と、そのサンプルデータに対する稼動中に駅務機器による処理結果とが記録される。
【0025】
次に、上記パーソナルコンピュータ2による駅務機器に用いられる開発中のアプリケーションプログラムのシミュレーション(試験動作)について説明する。ここでは、自動改札機11のアプリケーションプログラム28aに対するシミュレーションの例について説明する。なお、上記アプリケーションプログラム28aには、稼動中の自動改札機11のログデータを用いてシミュレーションを行うものとして説明するが、他の駅務機器についても、以下に説明する動作と同様な動作を行うことにより、アプリケーションプログラムの試験動作を行うことが可能である。
【0026】
図5は、自動改札機11の上記アプリケーションプログラム28aに対するシミュレーション(試験動作)の例を概略的に説明するためのフローチャートである。
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、管理サーバ15のログデータベース15aに記憶されている自動改札機11のログデータを読み込む(ステップS11)。自動改札機11のログデータを読み込むと、上記制御部21は、読み込んだログデータから所定の項目ごとにデータを抽出し、抽出したデータを上記データベース2a用のデータに編集及び加工する。これらの編集及び加工されたデータを上記データベース2aに記録することにより、データベース2aが作成される(ステップS12)。
【0027】
上記ログデータから抽出したデータを上記データベース2aに記録すると、上記制御部21は、記憶部28に記憶されているシミュレーション(試験動作)対象のアプリケーションプログラム28aを起動する(ステップS13)。上記アプリケーションプログラム28aを起動すると、制御部21は、データベース2aからサンプルデータを読み込む(ステップS14)。このサンプルデータは、データベース2aに記録されているデータのうち所定項目のデータである。例えば、自動改札機用のアプリケーションプログラムに用いられるサンプルデータは、処理を行った自動改札機の設置駅などの動作環境を示す動作環境情報(判定条件情報)、及び、処理対象とした券から読み取った券データなどの情報である。
【0028】
上記サンプルデータを読み込むと、制御部21は、上記サンプルデータを用いて上記アプリケーションプログラムによるシミュレーション(試験動作)を実行する(ステップS15)。上記アプリケーションプログラムによるシミュレーションを実行すると、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aによるシミュレーションの処理結果を一旦上記メモリ24に蓄える(ステップS16)。これにより上記アプリケーションプログラム28aの処理結果が得られると、制御部21は、上記データベース2aから当該サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機11での処理結果を読み込む(ステップS17)。なお、上記制御部21は、上記ステップS14から上記ステップS16の処理を繰返し行うことにより、複数のサンプルデータに対する上記アプリケーションプログラム28aによる処理を実行し、それらの処理結果をメモリ24に蓄えるようにしても良い。
【0029】
上記データベース2aから当該サンプルデータに対応する処理結果を読み込むと、制御部21は、照合部23により上記メモリ24に蓄えられているアプリケーションプログラム28aによる処理結果と、当該サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機11での処理結果との照合処理を行う(ステップS18)。例えば、処理結果が一致なかった場合、制御部21は、照合結果として不一致となった内容を示す情報(不一致情報)を照合結果として作成する。また、上記不一致情報は、例えば、不一致となったサンプルデータ、そのサンプルデータに対するアプリケーションプログラム28aによる処理結果、及び、前記サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機11での処理結果などの情報により作成される。なお、複数のサンプルデータに対する上記アプリケーションプログラム28aによる処理結果がメモリ24に蓄えられている場合には、順次、各サンプルデータに対する処理結果と稼動中の自動改札機11による処理結果とを比較すれば良い。
【0030】
このようにして得られた照合結果は、上記出力部29により出力される(ステップS19)。この出力部29により出力される照合結果は、図示しないプリンタにより用紙に印刷されたり、上記表示部26に表示される。このように出力される照合結果に基づいて、開発者は、上記アプリケーションプログラムが正確に動作しているかなどを評価する。
【0031】
上記のように、稼動中の機器から処理内容を示すログデータを収集しておき、稼動中の機器のログデータに基づいて開発中のアプリケーションプログラムの動作を試験するものである。これにより、アプリケーションプログラムの開発者がアプリケーションプログラムを試験するためのデータを作成したり収集したりする手間が軽減でき、かつ、各機器の稼動状況に応じた試験を簡単に実行できる。
【0032】
次に、上記データ抽出部22による処理について詳細に説明する。
図6は、ログデータからデータを抽出してデータベース2aに記録(登録)する処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、ログデータが図7に示すような構成となっており、データベース2aに登録されるデータ形式が図8に示すような構成となっているものとして説明する。
【0033】
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、上記管理サーバ15のログデータベース15aからデータベース2aへの登録対象とする全てのログデータを読み込み、メモリ24に一旦記憶する(ステップS21)。上記ログデータベース15aからログデータを読み込むと、制御部21は、順次、各ログデータに対して1件ごとにデータベース2aへの登録処理を行う。すなわち、登録対象とするログデータが存在する場合(ステップS22、YES)、制御部21は、データベース2aのレコード番号を更新する(ステップS23)。このレコード番号は、図8に示すように、データベース2aに登録される各ログデータに付与される固有番号である。
【0034】
上記データベース2aへの登録用のレコード番号を更新すると、制御部21は、1件分のログデータの終了を示す情報を識別するまで、登録対象とするログデータを種別番号順に識別する処理を行う(ステップS24〜S30)。例えば、図7に示すように、01〜99までの種別番号が設定されているログデータに対しては、01から順に各種別のデータの有無を判定する。このようなデータの有無の判定処理は、種別番号が99の旅客終了識別情報を識別するまで繰り返される。
【0035】
すなわち、登録対象としているログデータから旅客終了識別情報を識別していなければ(ステップS24、NO)、上記制御部21は、種別番号01から順にデータの有無を判定する(ステップS25、S27、S29)。これらの判定によりデータ有りが判定された場合、制御部21は、データ有りと判定した種別番号のデータをデータベース2aの対応する項目に登録する(ステップS26、28.S30)。また、旅客終了識別情報を識別した場合、上記制御部21は、次に登録対象とするログデータがあるか否かを判断する(ステップS22)。この判断により次の登録対象となるログデータがあると判断した場合(ステップS22、NO)、制御部21は、上記ステップ23へ進み、上記ステップ23〜S30の処理を繰り返し実行する。また、次の登録対象となるログデータがないと判断した場合(ステップS22、YES)、上記制御部21は、データベース2aへの登録処理を終了する。
【0036】
上記のような処理により、データベース2aは、図8に示すように、レコード番号ごとに、ログデータから抽出されたデータが記憶される。例えば、現在稼動中の自動改札機11のログデータからは、通行の判定条件としての動作環境情報と券データとからなるサンプルデータ(試験データ)と、そのサンプルデータに対する現在稼動中の自動改札機11による処理結果とが抽出されて、データベース2aに登録される。従って、図8に示すようなデータベース2aからは、サンプルデータと、そのサンプルデータに対する現在稼動中の駅務機器による処理結果とが直に取り出せるようになっている。
【0037】
次に、上記データベース2aを用いてアプリケーションプログラム28aの試験動作を行う場合の処理について説明する。
図9は、アプリケーションプログラム28aの試験動作を説明するためのフローチャートである。
まず、制御部21は、上記データベース2aに記録されている試験動作の対象するサンプルデータ(試験用データ)のレコード番号を更新する(ステップS41)。これにより、試験動作の対象とするデータのレコード番号が順次更新される。レコード番号を更新すると、制御部21は、当該レコード番号の記録内容からサンプルデータを読み込み、上記アプリケーションプログラム28aに適用できるデータ形式に変換する(ステップS42)。例えば、自動改札機用のアプリケーションプログラム28aを試験する場合、制御部21は、上記データベース2aから通行判定の条件としての動作環境情報及び券データなどをサンプルデータとして読み込み、上記アプリケーションプログラム28aに適用できるデータ形式に変換する。
【0038】
サンプルデータをアプリケーションプログラム28a用のデータ形式に変換すると、制御部21は、処理キックの有無を判定する(ステップS43〜48)。ここで、処理キックとは、アプリケーションプログラムを実行開始するためのトリガとなるものである。例えば、操作部25がキーボードで構成される場合、リターンキーの押下、スペースキーの押下、所定のファンクションキーの押下などが種々の処理キックとして予め定義されるものである。すなわち、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aを実行するための処理キックを設定しておき、処理キックの種別を判定し(ステップS43〜45)、上記アプリケーションプログラム28aを実行するための処理キックが有りと判定した際(ステップS46〜S48)、上記試験用のデータを用いて上記アプリケーションプログラム28aを実行する(ステップS49)。
【0039】
上記アプリケーションプログラム28aを実行すると、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aにより得られた処理結果としてのログデータを作成する(ステップS50)。このアプリケーションプログラム28aにより得られたログデータは、上記メモリ24に記憶される。上記アプリケーションプログラム28aにより得られた処理結果のログデータを作成すると、上記制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aに適用したサンプルデータに対する稼動中の駅務機器による処理結果情報を読み込み、上記アプリケーションプログラムの処理結果と稼動中の駅務機器による処理結果情報とを比較する(ステップS51)。
【0040】
この比較により両者のデータが一致しないと判断した場合、制御部21は、照合結果としての不一致情報を作成する(ステップS52)。この不一致情報は、例えば、サンプルデータの内容、当該サンプルデータに対するアプリケーションプログラムによる処理結果、当該サンプルデータに対する稼動中の駅務機器での処理結果、あるいは、サンプルデータのレコード番号などから構成される。また、上記照合結果としての不一致情報は、メモリ24などに記憶される。
【0041】
また、上記比較により両者のデータが一致する場合(ステップS51、YES)、あるいは、上記照合結果としての不一致情報を作成した場合(ステップS52)、制御部21は、当該レコード番号のサンプルデータに対する上記アプリケーションプログラム28aの試験動作を終了し、上記データベース2aに試験対象とする次のレコード番号が存在するか否かを判断する(ステップS53)。この判断により次のレコード番号がないと判断した場合(ステップS53、YES)、制御部21は、上記アプリケーションプログラム28aの試験動作を全て終了する。また、上記判断により次のレコード番号が存在すると判断した場合(ステップS53、NO)、上記制御部21は、上記ステップS41へ戻り、上記ステップS41〜上記ステップS53の処理を繰返し実行する。
【0042】
上記のように、第1の実施の形態によれば、稼動中の駅務機器のログデータからサンプルデータを抽出して、そのサンプルデータに基づいて開発中のアプリケーションプログラムを実行し、上記サンプルデータに対するアプリケーションプログラムによる処理結果と当該サンプルデータに対応する稼動中の自動改札機による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、パーソナルコンピュータ上で、開発中のアプリケーションプログラムを稼動中の駅務機器での処理データに基づいて試験動作することができ、開発中のアプリケーションプログラムを試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
【0043】
また、上記第1の実施の形態では、稼動中の自動改札機のログデータから抽出したデータに基づいて、開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムを試験する場合について説明したが、他の駅務機器のログデータから抽出したデータを用いて開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムを試験するようにしても良い。
例えば、券売機のログデータから動作環境情報と券データとを抽出して開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムを試験動作させることにより、券売機で発券した券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の定期券発行機のログデータから動作環境情報と定期券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、定期券発行機で発行した定期券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の精算機のログデータから動作環境情報と精算時済みの精算券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、精算機で精算した精算券による改札処理の試験を行うことができる。ただし、これらの場合には、処理結果の照合処理を行うことができないため、開発中の自動改札機用のアプリケーションプログラムによる処理結果のみが出力される。
【0044】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図10は、第2の実施の形態に係る駅務機器の開発システムの構成例を示す図である。なお、図10において、図1に示す第1の実施の形態の駅務機器の開発システムと同一部分には、同一符号を付し、説明を省略する。図10に示す駅務機器の開発システムでは、図1に示す駅務機器の開発システムの構成に加えて、パーソナルコンピュータ(汎用機器)2に開発用(開発中)の駅務機器(自動改札機111、券売機112、精算機114、定期券発行機115)100が接続されていることが異なっている。すなわち、図10に示す駅務機器の開発システムにおいて、パーソナルコンピュータ2と開発用の駅務機器100とは、データ通信が行えるように構成されている。なお、パーソナルコンピュータ2と開発用の駅務機器とは、常時接続されている必要はなく、必要に応じて接続されるものである。
また、各開発中の駅務機器(自動改札機111、券売機112、精算機114、定期券発行機115)100は、記憶部103(記憶部33、43、53、63)に各駅務機器100で実行される開発中の制御プログラム(アプリケーションプログラム33a、43a、53a、63a)103aが記憶されているものとする。
【0045】
また、パーソナルコンピュータ2、各駅務機器100及び管理サーバ15等の構成は、第1の実施の形態で図2、図3等を用いて説明したものと同様であり、管理サーバ15のログデータベース15aに蓄積されたログデータからサンプルデータ(試験用のデータ)を作成してデータベース2aに登録する処理も上記第1の実施の形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0046】
次に、開発中の駅務機器100のシミュレーション(試験動作)について説明する。
図11は、開発中の駅務機器100の例としての開発中の自動改札機111の試験動作(シミュレーション)を説明するための図である。
図11に示す自動改札機111の基本的な構成は、図3に示す自動改札機11の構成と同様であるが、記憶部33には、試験対象のアプリケーションプログラム33aが記憶されており、さらに、上記アプリケーションプログラム33aによる処理結果としてのログデータが記憶されるものとする。上記アプリケーションプログラム33aは、例えば、動作環境情報(判定条件情報)と券データ(判定対象情報)とに基づいて通行の可否を判定する制御プログラムである。また、図11に示す構成では、開発中の自動改札機111は、上記パーソナルコンピュータ2に接続され、パーソナルコンピュータ2とのデータ通信が可能となっている。
【0047】
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、管理サーバ15のログデータベース15aに記憶されている自動改札機11のログデータを読み込む(ステップS101)。自動改札機11のログデータを読み込むと、上記制御部21は、読み込んだログデータから所定の項目ごとにデータを抽出し、抽出したデータを上記データベース2a用のデータに編集及び加工する。これらの編集及び加工されたデータを上記データベース2aに記録することにより、制御部21は、データベース2aを作成する(ステップS102)。
【0048】
次に、パーソナルコンピュータ2と自動改札機111とは、通信可能なように接続される。この状態において、上記パーソナルコンピュータ2は、データベース2aから動作環境情報及び券データなどのサンプルデータ(試験用データ)を読み出し(ステップS103)、自動改札機111にて使用可能なデータ形式に変換する(ステップS104)。この自動改札機111で使用可能な形式に変換されたサンプルデータは、通信部27により開発中の自動改札機111へ送信(供給)される。
【0049】
開発中の自動改札機111では、通信部32によりサンプルデータを受信すると、上記アプリケーションプログラム33aを起動し(ステップS105)、サンプルデータに基づいて動作環境を設定する(ステップS106)。上記サンプルデータに基づいて動作環境を設定すると、自動改札機111の制御部31は、当該サンプルデータに基づく券データを読取部としての上記リーダライタ35を介して入力し、上記アプリケーションプログラム33aを実行する(ステップS107)。上記制御部31は、上記アプリケーションプログラム33aによる上記サンプルデータの処理結果を示す情報を処理結果情報(ログデータ)として上記パーソナルコンピュータ2へ出力する(ステップS108)。
【0050】
上記自動改札機111から処理結果を受信すると、上記パーソナルコンピュータ2の制御部21は、照合部23により当該サンプルデータに対する自動改札機111による処理結果と当該サンプルデータに対する稼動中の自動改札機11による処理結果とを照合(突き合せ)する(ステップS109)。この照合処理による照合結果は、上記出力部29により出力される(ステップS110)。例えば、照合処理の結果として両者の処理結果が一致しなかった場合、制御部21は、不一致となった内容(サンプルデータ、開発中の自動改札機111による処理結果、稼動中の自動改札機11による処理結果等)を示す不一致情報を照合結果として作成する。
【0051】
上記のように、稼動中の自動改札機のログデータから券データや動作環境情報などのサンプルデータを抽出して開発中の自動改札機へ供給し、開発中の自動改札機では上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行させ、上記サンプルデータに対する稼動中の自動改札機による処理結果と開発中の自動改札機による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、開発中の自動改札機は、稼動中の自動改札機での処理データに基づいて動作の試験を行うことができ、開発中の自動改札機を試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
【0052】
また、図11に示す例では、稼動中の自動改札機のログデータから抽出したデータで開発中の自動改札機を試験する場合について説明したが、他の駅務機器のログデータから抽出したデータを用いて開発中の自動改札機を試験するようにしても良い。
例えば、券売機のログデータから動作環境情報と券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより券売機で発券した券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の定期券発行機のログデータから動作環境情報と定期券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、定期券発行機で発行した定期券による改札処理の試験を行うことができる。また、稼動中の精算機のログデータから動作環境情報と精算時済みの精算券の券データとを抽出して開発中の自動改札機を試験動作させることにより、精算機で精算した精算券による改札処理の試験を行うことができる。
ただし、これらの場合には、稼動中の自動改札機による処理結果との照合処理を行うことができないため、開発中の自動改札機による処理結果のみが出力される。
【0053】
図12は、開発中の駅務機器100の例としての開発中の券売機112の試験動作(シミュレーション)を説明するための図である。
図12に示す券売機112の基本的な構成は、図3に示す券売機12の構成と同様であるが、記憶部43には、試験対象のアプリケーションプログラム43aが記憶されており、さらに、上記アプリケーションプログラム43aによる処理結果としてのログデータが記憶される。上記アプリケーションプログラム43aは、例えば、動作環境情報(発券条件情報)、操作情報、及び投入金額情報などに基づいて発券する券を判定する処理を行う制御プログラムである。また、図12に示す構成では、開発中の券売機112は、上記パーソナルコンピュータ2に接続され、パーソナルコンピュータ2とのデータ通信が可能となっている。
【0054】
まず、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、管理サーバ15のログデータベース15aに記憶されている券売機12のログデータを読み込む(ステップS121)。券売機12のログデータを読み込むと、上記制御部21は、読み込んだログデータから所定の項目ごとにデータを抽出し、抽出したデータを上記データベース2a用のデータに編集及び加工する。これらの編集及び加工されたデータを上記データベース2aに記録することにより、制御部21は、データベース2aを作成する(ステップS122)。
【0055】
次に、パーソナルコンピュータ2と券売機12とは、通信可能なように接続される。この状態において、上記パーソナルコンピュータ2は、データベース2aから動作環境情報、操作情報、及び投入金額情報などのサンプルデータ(試験用データ)を読み出し(ステップS123)、券売機112にて使用可能なデータ形式に変換する(ステップS124)。この券売機112で使用可能な形式に変換されたサンプルデータは、通信部27により開発中の券売機112へ送信(供給)される。
【0056】
上記開発中の券売機112では、通信部42によりパーソナルコンピュータ2からのサンプルデータを受信すると、上記アプリケーションプログラム43aを起動し(ステップS125)、上記サンプルデータに基づいて動作環境を設定する(ステップS126)。上記サンプルデータに基づいて動作環境を設定すると、券売機112の制御部41は、当該サンプルデータに基づく操作情報を接客部46を介して入力するとともに、当該サンプルデータに基づく投入金額情報を金額処理部44を介して入力することにより、上記アプリケーションプログラム43aを実行する(ステップS127)。上記アプリケーションプログラム43aを実行すると、上記制御部41は、上記アプリケーションプログラム43aによる当該サンプルデータの処理結果を示す情報を処理結果情報(ログデータ)として上記パーソナルコンピュータ2へ出力する(ステップS128)。
【0057】
上記券売機112から処理結果を受信すると、上記パーソナルコンピュータ2の制御部21は、照合部23により当該サンプルデータに対する券売機112による処理結果と当該サンプルデータに対する稼動中の券売機12による処理結果とを照合(突き合せ)を行う(ステップS129)。この照合処理による照合結果は、上記出力部29により出力される(ステップS130)。例えば、照合処理の結果として両者の処理結果が一致しなかった場合、制御部21は、不一致となった内容(サンプルデータ、開発中の券売機112による処理結果、稼動中の券売機12による処理結果等)を示す不一致情報を照合結果として作成する。
【0058】
上記のように、稼動中の券売機のログデータから操作情報、投入金額情報、及び動作環境情報などのサンプルデータを抽出して開発中の券売機へ供給し、開発中の券売機では上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行する。さらに、上記サンプルデータに対する稼動中の券売機による処理結果と開発中の券売機による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、開発中の券売機は、稼動中の券売機での処理データに基づいて動作の試験を行うことができ、開発中の券売機を試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
また、図11及び図12では、開発中の自動改札機及び券売機の試験動作例について説明したが、開発中の定期券発行機や精算機でも、同様に、稼動中の定期券発行機あるいは精算機のログデータに基づいて試験動作を実行することが可能である。
【0059】
図13は、開発中の駅務機器100の試験動作を説明するためのフローチャートである。ここでは、稼動中の駅務機器のログデータからデータベース2aが作成されている状態であるものとする。上記データベース2aは、例えば、図6に示すような、上記第1の実施の形態で説明した動作により作成されるものである。
【0060】
まず、制御部21は、試験対象とする開発中の駅務機器100と接続されているか否かを判断する(ステップS141)。この判断により開発中の駅務機器と接続されていないと判断した場合、制御部21は、上記表示部26により開発中の駅務機器との接続されていないことを報知するエラー表示を行う(ステップS142)。また、上記判断により開発中の駅務機器と接続されていると判断した場合、制御部21は、上記データベース2aに記録されている試験動作の対象とするサンプルデータ(試験用データ)のレコード番号を更新する(ステップS143)。これにより、試験動作の対象とするデータのレコード番号が順次更新される。
【0061】
レコード番号を更新すると、制御部21は、当該レコード番号の記録内容からサンプルデータ(試験用データ)を読み込み、上記開発中の駅務機器100に適用できるデータ形式に変換する(ステップS144)。例えば、開発中の自動改札機を試験する場合、制御部21は、上記データベース2aから通行判定の条件としての動作環境情報、及び処理対象となる券データなどをサンプルデータとして読み込み、上記開発中の自動改札機に適用できるデータ形式に変換する。
【0062】
上記サンプルデータを試験対象の駅務機器100に適用可能なデータ形式を変換すると、制御部21は、そのサンプルデータを接続されている駅務機器100へ転送する(ステップS145)。上記開発中の駅務機器100では、パーソナルコンピュータ2から受信したサンプルデータを記憶部に保持する(ステップS146)。この状態で、開発中の駅務機器100では、アプリケーションプログラムを実行開始するためのトリガとなる処理キックの有無を判定する(ステップS147〜149)。
【0063】
上記制御部21は、上記開発中の駅務機器100での処理を実行するための処理キックを設定しておき、処理キックの種別を判定する(ステップS147〜S149)。ここで、駅務機器100が処理を実行するための処理キック有りと判定した際(ステップS150〜S152)、駅務機器100は、上記パーソナルコンピュータ2から受信したサンプルデータを用いて試験動作を実行する(ステップS153)。これにより、上記サンプルデータによる試験動作を実行すると、上記駅務機器100は、上記パーソナルコンピュータ2へ処理結果としてのログデータを出力する(ステップS50)。
【0064】
例えば、開発中の自動改札機111の試験動作を行う場合、パーソナルコンピュータ2の操作部25でのリターンキーの押下、開発中の自動改札機111でのリセットキーの押下、あるいは、開発中の自動改札機111への模擬券の投入などが処理キックとして定義される。なお、上記模擬券とは、例えば、データの記憶されていない券である。
【0065】
例えば、開発中の自動改札機111への模擬券の投入を処理キックとする場合、当該自動改札機111に投入された模擬券がリーダライタに達した際に、上記サンプルデータの券データが自動改札機111内に取り込まれ、試験動作が実行される。すなわち、模擬券の投入を処理キックとして自動改札機111の試験動作を行う場合、自動改札機111内での模擬券の搬送状況などに応じて、サンプルデータが読み込まれて試験動作が行われる。従って、模擬券を利用して試験動作を行うようにすれば、試験用の券を実際に作成しなくとも、サンプルデータを用いて当該自動改札機での券に対する実際の動作を確認しつつ、試験動作を行うことが可能となる。このため、開発者は、開発中の自動改札機111の試験を行うために試験用の券を作成する手間がかからないとう利点がある。
【0066】
上記開発中の駅務機器100から処理結果を受信すると、パーソナルコンピュータ2の制御部21は、受信した処理結果としてのログデータを上記メモリ24に記憶し、上記データベース2aから当該サンプルデータに対する稼動中の駅務機器による処理結果情報を読み込む。すると、制御部21は、照合部23により上記開発中の駅務機器100での処理結果と稼動中の駅務機器での処理結果とを比較する(ステップS155)。この比較により両者のデータが一致しないと判断した場合、制御部21は、照合結果としての不一致情報を作成する(ステップS156)。この不一致情報は、例えば、サンプルデータの内容、当該サンプルデータに対する開発中の駅務機器100による処理結果、当該サンプルデータに対する稼動中の駅務機器での処理結果、あるいは、当該サンプルデータのレコード番号などから構成される。また、上記照合結果としての不一致情報は、例えば、メモリ24などに記憶される。
【0067】
また、上記比較により両者のデータが一致する場合(ステップS51、YES)、あるいは、上記照合結果としての不一致情報を作成した場合(ステップS52)、制御部21は、当該レコード番号のサンプルデータに対する上記開発中の駅務機器100の試験動作を終了し、上記データベース2aに試験対象とする次のレコード番号が存在するか否かを判断する(ステップS157)。この判断により次のレコード番号がないと判断した場合(ステップS157、YES)、制御部21は、上記開発中の駅務機器100の試験動作を全て終了する。また、上記判断により次のレコード番号が存在すると判断した場合(ステップS53、NO)、上記制御部21は、上記ステップS141へ戻り、上記ステップS141〜上記ステップS157の処理を繰返し実行する。
【0068】
上記のように、稼動中の駅務機器のログデータからサンプルデータを抽出して開発中の駅務機器へ供給し、開発中の駅務機器には上記サンプルデータに基づいて試験動作を実行させ、上記サンプルデータに対する稼動中の駅務機器による処理結果と開発中の駅務機器による処理結果とを照合し、照合結果を出力するようにしたものである。これにより、開発中の駅務機器は、稼動中の駅務機器での処理データに基づいて動作の試験を行うことができ、開発中の駅務機器を試験するためのデータ作成や試験動作の評価を簡単に行うことが可能となる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、駅務機器の動作試験にかかる手間や時間を軽減し、さらに、駅務機器の試験動作を簡単に行うことが可能な駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る駅務機器の開発システムを概略的に示す図。
【図2】パーソナルコンピュータ2の概略構成を示すブロック図。
【図3】各駅務機器の概略構成を示すブロック図。
【図4】上記パーソナルコンピュータによるアプリケーションプログラムのシミュレーションを説明するためのフローチャート。
【図5】ログデータからデータを抽出する処理を概略的に説明するための図。
【図6】ログデータから抽出したデータをデータベースに登録する処理を説明するためのフローチャート。
【図7】ログデータベースの構成例を示す図。
【図8】ログデータから作成されるデータベースの構成例を示す図。
【図9】サンプルデータによるアプリケーションプログラムのシミュレーションの例を説明するためのフローチャート。
【図10】第2の実施の形態に係る駅務機器の開発システムの概略構成を示す図。
【図11】ログデータを用いて開発中の自動改札機の試験動作を説明するための図。
【図12】ログデータを用いて開発中の券売機の試験動作を説明するための図。
【図13】開発中の駅務機器の試験動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
2…パーソナルコンピュータ(汎用機器)、2a…データベース、11…自動改札機、12…券売機、13…精算機、14…定期券発行機、15…管理サーバ、15a…ログデータベース、21…制御部、22…データ抽出部、23…照合部、24…メモリ、25…操作部、26…表示部、27…通信部、28…記憶部、29…出力部、31、41、51、61…制御部、32、42、52、62…通信部、33、43、53、63…記憶部、34…通行制御部、35、56…リーダライタ、36…案内部、44、54、64…金額処理部、45、55…発券部、46…接客部、65…定期券発行部、66…表示部、71…制御部、71…通信部、73…記憶装置
Claims (20)
- 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有する駅務機器の開発システムにおいて、
前記稼動中の駅務機器は、
駅務を実行する処理手段と、
この処理手段により実行した駅務の処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段に記録されている処理内容から前記アプリケーションプログラム用の試験データを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出した試験データを用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
この実行手段により実行した処理結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする駅務機器の開発システム。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有する駅務機器の開発システムにおいて、
前記稼動中の駅務機器は、
駅務を実行する処理手段と、
この処理手段により実行した駅務の処理内容を記録する第1の記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記第1の記録手段に記録されている処理内容に含まれる種々の情報を種別ごとに抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出した種々の情報を種別ごとに記録する第2の記録手段と、
この第2の記録手段に記録されている情報を用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
この実行手段により実行した処理結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする駅務機器の開発システム。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有する駅務機器の開発システムにおいて、
前記稼動中の駅務機器は、
駅務を実行する処理手段と、
この処理手段により実行した駅務の処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段に記録されている処理内容から前記アプリケーションプログラム用の試験データと、前記試験データに対して前記稼動中の駅務機器の処理手段により実行された駅務の処理結果とを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された試験データを用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
この実行手段により実行した処理結果と、前記抽出手段により抽出した前記試験データに対応する前記稼動中の駅務機器の処理手段による処理結果とを照合する照合手段と、
この照合手段による照合結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする駅務機器の開発システム。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有する駅務機器の開発システムにおいて、
前記稼動中の駅務機器は、
駅務を実行する処理手段と、
この処理手段により実行した駅務の処理内容を記録する第1の記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記第1の記録手段に記録されている処理内容に含まれる種々の情報を種別ごとに抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出した種々の情報を種別ごとに記録する第2の記録手段と、
この第2の記録手段に記録されている情報を用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
この実行手段により実行した前記アプリケーションプログラムの処理結果と、前記第2の記録手段に記録されている前記アプリケーションプログラムに用いた情報に対する前記稼動中の駅務機器の処理手段による処理結果とを照合する照合手段と、
この照合手段による照合結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする駅務機器の開発システム。 - 利用者が所持している券情報に基づいて改札処理を実行している稼動中の自動改札機と、自動改札機用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有する自動改札機の開発システムにおいて、
前記稼動中の自動改札機は、
利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、
この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、
この処理手段による処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段に記録されている処理内容から前記処理手段により処理した券情報と動作環境情報とを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出した券情報と動作環境情報とを用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
この実行手段により実行した処理結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする自動改札機の開発システム。 - 利用者が所持している券情報に基づいて改札処理を実行している稼動中の自動改札機と、自動改札機用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有する自動改札機の開発システムにおいて、
前記稼動中の自動改札機は、
利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、
この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、
この処理手段による処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段に記録されている処理内容から前記稼動中の自動改札機の処理手段により処理した券情報と動作環境情報と、前記券情報と動作環境情報とに基づいて前記稼動中の自動改札機の処理手段により実行された改札処理の処理結果とを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された券情報と動作環境情報を用いて前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
この実行手段により実行した処理結果と、前記抽出手段により抽出した前記稼動中の自動改札機の処理手段による処理結果とを照合する照合手段と、
この照合手段による照合結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする自動改札機の開発システム。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、開発中の駅務機器と、前記開発中の駅務機器との通信が可能な汎用機器とを有する駅務機器の開発システムにおいて、
前記稼動中の駅務機器は、
駅務を実行する処理手段と、
この処理手段による処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段により記録されている処理内容から前記開発中の駅務機器用の試験データを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された試験データを前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、
この変換手段により前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換された試験データを前記開発中の駅務機器へ供給する供給手段と、を有し、
前記開発中の駅務機器は、
前記汎用機器から供給された試験データに基づいて試験動作を実行する実行手段と、
この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする駅務機器の開発システム。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、開発中の駅務機器と、前記開発中の駅務機器との通信が可能な汎用機器とを有する駅務機器の開発システムにおいて、
前記稼動中の駅務機器は、
駅務を実行する処理手段と、
この処理手段による処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段により記録されている処理内容から前記開発中の駅務機器用の試験データと、前記試験データに対して前記稼動中の駅務機器の処理手段により実行された駅務の処理結果とを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された試験データを前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、
この変換手段により前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換された試験データを前記開発中の駅務機器へ供給する供給手段と、
この供給手段により供給した試験データに対する前記開発中の駅務機器での処理結果を読み込む読込手段と、
この読込手段により読み込んだ処理結果と前記抽出手段により抽出した処理結果とを照合する照合手段と、
この照合手段による照合結果を出力する第1の出力手段と、を有し、
前記開発中の駅務機器は、
前記汎用機器から供給された試験データに基づいて試験動作を実行する実行手段と、
この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する第2の出力手段と、を有する、
ことを特徴とする駅務機器の開発システム。 - 改札業務を実行している稼動中の自動改札機と、開発中の自動改札機と、前記開発中の自動改札機との通信が可能な汎用機器とを有する自動改札機の開発システムにおいて、
前記稼動中の自動改札機は、
利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、
この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、
この処理手段による処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段により記録されている処理内容から券情報と動作環境情報とを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、
この変換手段により前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機へ供給する供給手段と、を有し、
前記開発中の自動改札機は、
前記汎用機器から供給された券情報と動作環境情報とに基づいて改札業務の試験動作を実行する実行手段と、
この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する出力手段と、を有する、
ことを特徴とする自動改札機の開発システム。 - 改札業務を実行している稼動中の自動改札機と、開発中の自動改札機と、前記開発中の自動改札機との通信が可能な汎用機器とを有する自動改札機の開発システムにおいて、
前記稼動中の自動改札機は、
利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取る読取手段と、
この読取手段により読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行う処理手段と、
この処理手段による処理内容を記録する記録手段と、を有し、
前記汎用機器は、
前記記録手段により記録されている券情報と動作環境情報と、前記券情報と動作環境情報とに基づいて前記稼動中の駅務機器の処理手段により実行された改札業務の処理結果とを抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換する変換手段と、
この変換手段により前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機へ供給する供給手段と、
この供給手段により供給した券情報と動作環境情報とに対する前記開発中の自動改札機での処理結果を読み込む読込手段と、
この読込手段により読み込んだ処理結果と、前記抽出手段により抽出した前記稼動中の自動改札機の処理手段による処理結果とを照合する照合手段と、
この照合手段による照合結果を出力する第1の出力手段と、を有し、
前記開発中の駅務機器は、
前記汎用機器から供給された券情報と動作環境情報とに基づいて改札業務の試験動作を実行する実行手段と、
この実行手段により実行した試験動作の処理結果を出力する第2の出力手段と、を有する、
ことを特徴とする自動改札機の開発システム。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムに用いられる駅務機器の開発方法において、
前記稼動中の駅務機器が実行した駅務の処理内容を記録手段に記録しておき、
前記記録手段に記録されている処理内容から前記アプリケーションプログラム用の試験データを抽出し、
この抽出した試験データを用いて前記アプリケーションプログラムを実行し、
この実行した処理結果を出力する、
ことを特徴とする駅務機器の開発方法。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムに用いられる駅務機器の開発方法において、
前記稼動中の駅務機器が実行した駅務の処理内容を第1の記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記第1の記録手段に記録されている処理内容に含まれる種々の情報を種別ごとに抽出し、
この抽出抽出した種々の情報を種別ごとに第2の記録手段に記録しておき、
前記第2の記録手段に記録されている情報を用いて前記アプリケーションプログラムを実行し、
この実行した処理結果を出力する、
ことを特徴とする駅務機器の開発方法。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムに用いられる駅務機器の開発方法において、
前記稼動中の駅務機器が実行した駅務の処理内容を記録手段に記録しておき、前記汎用機器が前記記録手段に記録されている処理内容から前記アプリケーションプログラム用の試験データと、前記試験データに対して前記稼動中の駅務機器が実行した駅務の処理結果とを抽出し、
この抽出した試験データを用いて前記アプリケーションプログラムを実行し、この実行した処理結果と、前記抽出した前記試験データに対応する前記稼動中の駅務機器による処理結果とを照合し、
この照合による照合結果を出力する、
ことを特徴とする駅務機器の開発方法。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、駅務機器用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムに用いられる駅務機器の開発方法において、
前記稼動中の駅務機器が実行した駅務の処理内容を第1の記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記第1の記録手段に記録されている処理内容に含まれる種々の情報を種別ごとに抽出し、
この抽出抽出した種々の情報を種別ごとに第2の記録手段に記録しておき、
前記第2の記録手段に記録されている情報を用いて前記アプリケーションプログラムを実行し、
この実行した前記アプリケーションプログラムの処理結果と、前記第2の記録手段に記録されている前記アプリケーションプログラムに用いた情報に対する前記稼動中の駅務機器による処理結果とを照合し、
この照合による照合結果を出力する、
ことを特徴とする駅務機器の開発方法。 - 利用者が所持している券情報に基づいて改札処理を実行している稼動中の自動改札機と、自動改札機用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムに用いられる自動改札機の開発方法において、
前記稼動中の自動改札機が利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取り、この読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行い、この改札処理の処理内容を記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記記録手段に記録されている処理内容から前記稼動中の自動改札機で処理した券情報と動作環境情報とを抽出し、
この抽出した券情報と動作環境情報とを用いて前記アプリケーションプログラムを実行し、
この実行した処理結果を出力する、
ことを特徴とする自動改札機の開発方法。 - 利用者が所持している券情報に基づいて改札処理を実行している稼動中の自動改札機と、自動改札機用のアプリケーションプログラムの試験動作を実行する汎用機器とを有するシステムに用いられる自動改札機の開発方法において、
前記稼動中の自動改札機が利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取り、この読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行い、この改札処理の処理内容を記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記記録手段に記録されている処理内容から前記稼動中の自動改札機で処理した券情報と動作環境情報と、前記券情報と動作環境情報とに基づいて前記稼動中の自動改札機で実行された改札処理の処理結果とを抽出し、
この抽出された券情報と動作環境情報を用いて前記アプリケーションプログラムを実行し、
この実行した処理結果と、前記抽出した前記稼動中の自動改札機での処理結果とを照合し、
この照合による照合結果を出力する、
ことを特徴とする自動改札機の開発方法。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、開発中の駅務機器と、前記開発中の駅務機器との通信が可能な汎用機器とを有するシステムに用いられる駅務機器の開発方法において、
前記稼動中の駅務機器が駅務を実行し、この実行した駅務の処理内容を記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記記録手段により記録されている処理内容から前記開発中の駅務機器用の試験データを抽出し、
この抽出された試験データを前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換し、
前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換された試験データを前記開発中の駅務機器へ供給し、
前記開発中の駅務機器が前記汎用機器から供給された試験データに基づいて試験動作を実行し、
この実行した試験動作の処理結果を出力する、
ことを特徴とする駅務機器の開発方法。 - 駅務を実行している稼動中の駅務機器と、開発中の駅務機器と、前記開発中の駅務機器との通信が可能な汎用機器とを有するシステムに用いられる駅務機器の開発方法において、
前記稼動中の駅務機器が駅務を実行した場合に、実行した駅務の処理内容を記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記記録手段により記録されている処理内容から前記開発中の駅務機器用の試験データと、前記試験データに対して前記稼動中の駅務機器が実行した駅務の処理結果とを抽出し、
この抽出した試験データを前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換し、
前記開発中の駅務機器で処理可能な形式のデータに変換された試験データを前記開発中の駅務機器へ供給し、
前記開発中の駅務機器が前記汎用機器から供給された試験データに基づいて試験動作を実行し、この実行した試験動作の処理結果を前記汎用機器へ出力し、
前記汎用機器が前記開発中の駅務機器から出力された試験データに対する試験動作の処理結果と前記記録手段から抽出した前記稼動中の駅務機器による処理結果とを照合し、
この照合による照合結果を出力する、
ことを特徴とする駅務機器の開発方法。 - 改札業務を実行している稼動中の自動改札機と、開発中の自動改札機と、前記開発中の自動改札機との通信が可能な汎用機器とを有するシステムに用いられる自動改札機の開発方法において、
前記稼動中の自動改札機が利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取り、この読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行い、この改札処理による処理内容を記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記記録手段により記録されている処理内容から券情報と動作環境情報とを抽出し、
この抽出した券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換し、
前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機へ供給し、
前記開発中の自動改札機が前記汎用機器から供給された券情報と動作環境情報とに基づいて改札業務の試験動作を実行し、
この実行した試験動作の処理結果を出力する、
ことを特徴とする自動改札機の開発方法。 - 改札業務を実行している稼動中の自動改札機と、開発中の自動改札機と、前記開発中の自動改札機との通信が可能な汎用機器とを有するシステムに用いられる自動改札機の開発方法において、
前記稼動中の自動改札機が利用者が所持している券に記憶されている券情報を読み取り、この読み取った券情報と当該自動改札機の動作環境情報とに基づいて改札処理を行い、この改札処理による処理内容を記録手段に記録しておき、
前記汎用機器が前記記録手段により記録されている券情報と動作環境情報と、前記券情報と動作環境情報とに基づいて前記稼動中の駅務機器で実行した改札業務の処理結果とを抽出し、
この抽出した券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換し、
前記開発中の自動改札機で処理可能な形式のデータに変換された券情報と動作環境情報とを前記開発中の自動改札機へ供給し、
前記開発中の駅務機器が前記汎用機器から供給された券情報と動作環境情報とに基づいて改札業務の試験動作を実行し、
この実行した試験動作の処理結果と、前記記録手段から抽出した前記稼動中の自動改札機による処理結果とを照合し、
この照合による照合結果を出力する、
ことを特徴とする自動改札機の開発方法。
Priority Applications (1)
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JP2002183335A JP2004030060A (ja) | 2002-06-24 | 2002-06-24 | 駅務機器の開発システム、自動改札機の開発システム、駅務機器の開発方法、及び自動改札機の開発方法 |
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