JP2004029485A - 投射型表示装置及びその冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランプ等の発熱部を温度センサー及び周囲騒音に応じて冷却するとともに、周囲の騒音に応じて音量制御を行う事ができる投射型表示装置を提供する。
【解決手段】光源と、ライトバルブを有する投射型表示装置において、光源等の発熱部を冷却ファンによって冷却するとともに、前記発熱部の温度を温度センサーで検出し、さらに冷却ファン近傍の周囲音を騒音検出回路によって検出する。冷却ファンは温度センサーの出力に応じて回転数が制御され、かつ周囲の騒音レベルが所定値を越えたときには強風モードで回転するように制御される。また騒音検出回路からの騒音レベルによってスピーカからの音量を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】光源と、ライトバルブを有する投射型表示装置において、光源等の発熱部を冷却ファンによって冷却するとともに、前記発熱部の温度を温度センサーで検出し、さらに冷却ファン近傍の周囲音を騒音検出回路によって検出する。冷却ファンは温度センサーの出力に応じて回転数が制御され、かつ周囲の騒音レベルが所定値を越えたときには強風モードで回転するように制御される。また騒音検出回路からの騒音レベルによってスピーカからの音量を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶プロジェクター等の投射型表示装置及びその冷却方法に係り、特に光源となるランプの冷却及び音量制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、投射型表示装置として液晶プロジェクターが普及している。この液晶プロジェクターは、光源からの光を透過型液晶パネルに照射し、液晶パネルをテレビジョン信号やパソコン等からの情報信号に基づいて駆動することで、液晶パネルから変調された光を出射し、投射レンズを介してスクリーンに拡大された映像を投射するものである。
【0003】
上記光源としては非常に高輝度なランプが必要になるために、水銀灯等の放電管ランプが使用されている。このランプの点灯中はランプの発熱により、非常に高温となるため、送風ファン又は排気ファンを用いてランプに冷却風を送ったりランプ周辺の熱を放出して冷却する方法が一般的に知られている。
【0004】
また、ランプの点灯や消灯及び冷却用ファンの回転や停止は、プロジェクター内の制御回路によって制御し、電源オン時はランプの点灯とともにファンを回転させ、電源オフ時はランプの消灯後も数分間ファンを回し続け、温度が低下した後ファンを停止するように制御している。これは一般にクールダウンと呼ばれるものである。さらに上記ランプ周辺に温度センサーを配置し、ランプの温度が高くなるに連れ冷却用ファンの回転数を増加させるといった自動制御による冷却方法も採用されている。
【0005】
一方、ランプ冷却のために送風ファンや排気ファンを回転させた場合、回転数の増加に伴なって風切り音による騒音が発生するため、騒音対策も必要になっている。例えば特開平8−65612号公報に示される例では、プロジェクタ装置本体の周辺の騒音をマイクで検出し、周囲の騒音が小さい場合は吸気・排気ファンの回転数を下げるようにしている。
【0006】
また、プロジェクターを広い場所で大勢の人を対象に説明会等を行う場合や、狭い部屋であっても雑談中の場合等は、大音量でデモすることがあるが、このような場合でも騒音を抑えるよう優先設計されているものが多い。しかしながら、騒音を抑える必要性があるのは、静かな環境、たとえば会議室等でプロジェクターを使用する場合であり、広い場所で大勢の人を対象に説明会等を行う場合は、冷却用のファンの騒音はそれほど気にならないというのが実状である。
【0007】
また、騒音の低下に応じて単純に吸気・排気ファンの回転数を低下させた場合は、ランプの温度が高くなり、ランプ寿命を縮めることになる。このためランプ寿命を伸ばす上では、吸気・排気ファンの回転数を高くする必要があり、騒音の低減と相反することになり、騒音と冷却のいずれか一方を優先した設計を取らざるを得なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した投射型表示装置にあっては、騒音を低くしようとして吸気・排気ファンの回転数を低下させるとランプの温度が高くなり、ランプを冷却しようとすれば吸気・排気ファンの回転数が高くなり騒音が増加するという相反する現象を生じる。このため、「騒音の低下」又は「ランプの冷却」のいずれか一方を優先した設計を取らざるを得ないという不具合があった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、ランプの冷却(延命)と騒音対策のいずれをも満足する投射型表示装置及びその冷却方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、光源と、この光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、
前記発熱部の温度を検出するための温度センサーと、
前記冷却ファンの近傍に配置され周囲音を検出する騒音検出回路と、
前記冷却ファンの回転数を前記温度センサーの出力によって制御する第1の制御部と、前記冷却ファンの回転数を前記騒音検出回路からの検出出力に応じて制御し騒音レベルが所定値を越えたときには強風モードで回転するように制御する第2の制御部を有する制御回路と、を具備したことを特徴とする投射型表示装置である。
【0011】
請求項1の発明によれば、温度センサー出力に応じて冷却ファンの回転数を制御するとともに、周囲の騒音レベルが所定値を越えたときには冷却ファンを強風モードで回転させることにより、発熱部の温度上昇を抑えることができる。
【0012】
また請求項3記載の発明は、光源と、この光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記ライトバルブに映像信号を供給するとともに、音声出力用のスピーカに音声信号を供給するための信号処理回路と、
前記光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、
前記発熱部の温度を検出するための温度センサーと、
前記冷却ファンの近傍に配置され周囲音を検出する騒音検出回路と、
前記冷却ファンの回転数を前記温度センサー出力によって制御する第1の制御部と、前記冷却ファンの回転数を前記騒音検出回路からの検出出力に応じて制御する第2の制御部とを有するファン制御回路と、
前記スピーカの出力を前記騒音制御回路からの検出出力によって制御し、騒音レベルが所定値を越えたときには音量を増加し、騒音レベルが所定値以下のときには音量を低下するように制御する音量制御回路とを具備したことを特徴とする投射型表示装置である。
【0013】
請求項3の発明によれば、温度センサー出力と周囲の騒音レベルに応じて冷却ファンの回転数を制御するとともに、騒音レベルに応じてスピーカの音量を制御することができる。
【0014】
さらに請求項7の発明は、光源と、この光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、前記光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記発熱部の温度を検出するステップと、
前記冷却ファン近傍の周囲音を検出するステップと、
前記冷却ファンの回転数を前記温度検出ステップによる検出結果によって制御し、前記発熱部の温度が所定値を越えないように制御する第1の制御ステップと、
前記冷却ファンの回転数を前記周囲音検出ステップによる検出結果に応じて制御し、騒音レベルが所定値を越えたときには前記冷却ファンを強風モードで回転し、騒音レベルが所定値以下の場合は前記発熱部の温度が所定値を越えない範囲内で前記冷却ファンの回転数を低減する第2の制御ステップとを具備して成る投射型表示装置の冷却方法である。
【0015】
請求項7の発明によれば、温度センサー出力に応じて冷却ファンの回転数を制御するとともに、周囲の騒音レベルに応じて冷却ファンの回転数を制御して発熱部の温度が上昇しないようにすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態による投射型表示装置の冷却構造を説明する平面図である。図1はR(赤),G(緑),B(青)用の液晶パネルを有する三板式の液晶プロジェクターの例を示している。
【0017】
図1において、10は光学ボックスであり、このボックスに近接してランプハウス11を備えている。ランプハウス11の中には光源として、発光管1及びリフレクタ2から成るランプ3が配置されている。前記発光管1からの光はリフレクタ2によって反射され、赤外線や紫外線等の不要光をフィルタ12で除去した後、コンデンサレンズ13や反射ミラー14を介してダイクロイックミラー15に供給される。
【0018】
ダイクロイックミラー15は、ランプ3から光をR光とGB光に分光し、分離されたR光はミラー16で反射され、フィールドレンズ17を介してR用の液晶パネル18に照射される。またダイクロイックミラー15により分離されたGB光はダイクロイックミラー19によりG光とB光に分光され、G光はフィールドレンズ20を介してG用の液晶パネル21に照射され、B光はリレーレンズ22、反射ミラー23、リレーレンズ24、反射ミラー25及びリレーレンズ26を介してB用の液晶パネル27に照射される。
【0019】
さらに、各液晶パネル18,21,27を透過したR光,G光,B光はダイクロイックプリズム28によって合成され、この合成された映像光を投射レンズ29によってスクリーン(図示せず)に投射するようにしている。こうしてR,G,B用の液晶パネル18,1,27をR,G,Bの原色信号で駆動することにより、カラー画像を投射することができる。尚、前記液晶パネル18,21,27の入射側及び出射側にはそれぞれ偏光板が配置されている。
【0020】
一方、本発明の投射型表示装置においては、ランプ3や液晶パネル等を冷却するために例えばファン31,32が用いられている。即ち、液晶パネル18,21,27に対して外気を導入し冷却用の風を送風する第1のファン31と、ランプ3に送風された風をプロジェクターの外に排気する第2のファン32が設けられている。
【0021】
また、プロジェクター内に冷却用の風を流通させるファンは第1,第2のファン31,32だけに限らず、他の部分に設けてもよく、プロジェクターの側面や底面に設けても良い。また送風用ファンからの冷却風が発熱部を通ってスムーズに流れるように風路を設けているが、図では省略している。なお、以下の説明では第1のファン31及び第2のファン32を総称して冷却ファンと呼ぶこともある。
【0022】
また、ランプ3にはリフレクタ2の底面等に通風穴(図示せず)を設け、さらに発光管1を支持する支持部4に複数の穴5を設け、前記通風穴から導入された冷却風をこれら複数の穴5から導出し、第2のファン32によって外部に排気するようにしている。
【0023】
次に、本発明の投射型表示装置のシステム構成を図2のブロック図を参照して説明する。図2において10は光学ボックスであり、コンデンサレンズ13、液晶パネル21、投射レンズ29等を含んでいる。なお、液晶パネルは図1で示すように3枚(18,21,27)で構成されているが、図2では液晶パネル21を代表として示し、またランプ3からの光を分光する手段及び各液晶パネルからの映像光を合成する手段は省略して示している。また、11はランプボックスであり、中にランプ3を収容している。
【0024】
また図2において、41は信号源42からの映像・音声信号を処理する信号処理回路であり、この信号処理回路41からの映像信号は次段の液晶ドライブ回路43に供給され、この液晶ドライブ回路43によって液晶パネル21を駆動するようにしている。また信号処理回路41からの音声信号は次段の音声増幅回路44に供給され、この音声増幅回路44によってスピーカ45を駆動するようにしている。尚、この音声増幅回路44は音量制御機能を有し、後述するマイクロコンピユータ46の制御のもとに音量制御を行う。
【0025】
さらに、前記ランプ3はランプドライブ回路47によって点灯や消灯の制御が行なわれ、前記ランプ3や前記液晶パネル21を冷却するための冷却ファン48をファンドライブ回路49によって駆動するようにしている。前記冷却ファン48は、図1の吸気ファン31及び排気ファン32等、ランプ3の冷却に使用されるファンを総称したものである。
【0026】
前記ファンドライブ回路49及びランプドライブ回路47は制御回路としてのマイクロコンピュータ46(以下マイコン46と称す)によって制御され、このマイコン46はプロジェクター全体の動作を制御するシステムマイコンとしての機能を有している。
【0027】
さらに前記ランプ3の近傍には、このランプ周辺部の温度を検出する温度センサー50が備えられ、冷却ファン49の近傍にはマイク51が備えられ、このマイク51は騒音検出回路52に接続されている。騒音検出回路52は、マイク51によって集音したプロジェクター周辺の騒音、特に冷却ファン48の回転によって発生する騒音を検出するもので、その検出結果をマイコン46に供給するようにしている。
【0028】
マイコン46は、温度センサー50及び騒音検出回路52からの検出出力を処理し、前記ファンドライブ回路49を制御するようになっている。なお、53は電源回路であり、プロジェクター内のマイコン46やランプドライブ回路47、ファンドライブ回路49等に動作用の電源電圧+Bを供給するものである。各回路に供給される電源電圧の値はそれぞれ異なるものであるが、図では+Bとして省略して示している。
【0029】
次に本発明の投射型表示装置の動作を概略的に説明する。プロジェクターにAC電源が投入されると、電源回路53から前記マイコン46に電源が供給され、マイコン46は初期状態となる。
【0030】
マイコン46はリモコン54等からの操作を周期的にチェックし、電源オンの操作があると各回路に電源電圧を供給するよう制御し、前記ランプドライブ回路47及び前記ファンドライブ回路49を起動してランプ3を点灯するとともに、冷却ファン48を回転させてプロジェクー内の冷却動作を開始する。
【0031】
また信号処理回路41からは映像信号が液晶ドライブ回路43に供給され、液晶パネル21に映像が表示され、投射レンズ29を介して投射される。また信号処理回路41からの音声信号が音声増幅回路44を介してスピーカ45に供給され、スピーカ45から音声が出力される。
【0032】
また温度センサー50からの温度情報がマイコン46に供給され、この温度情報を基にマイコン46は、ファンドライブ回路49を制御し、ファン48の回転数を制御する。例えばランプ3周辺の温度が低い状態ではファン48の回転数は低くても良いが、温度が高い場合はファン48の回転数を高くしてランプ3等を強く冷却する。
【0033】
さらにマイク51はプロジェクター自体の騒音、特にファン48の回転に伴なう風切り音や、プロジェクター周辺の騒音、例えば人々の会話やざわめき等が集音され、騒音検出回路52に供給される。これによりマイコン46は、騒音レベルを判別する。
【0034】
例えば会議室等の静かな環境では、プロジェクター自体の騒音が主に検出されることになり、その騒音レベルが低いときはファン48の回転数を下げて会議の参加者にファン48の音が気にならないように制御する。尚、ファン48の回転数を下げ過ぎるとランプ3等の温度が高くなるので、温度センサー50からの温度を加味して回転数が低くなり過ぎないよう、予め許容値を設定しておけば良い。
【0035】
また、広い場所で大勢の人を対象にした説明会等でプロジェクターを使用する場合は、マイク51に人々の会話や大声が集音され、騒音レベルが増大する。このような環境では、ファン48の音は周囲音にかき消されるため、ファン48の回転数を上げても気にならない。したがって、ファン48の回転数を上げるように制御しランプ3等の冷却を十分に行うようにする。光学部品は冷やせば冷やすほど寿命が延びるため、周囲が騒がしいような状況ではファン48の回転数を増大して冷却力を高めることにより、ランプ3等の寿命、ひいては光学部品の保障時間を長くする事が可能となる。
【0036】
さらに、マイコン46は騒音検出回路52からの検出量(騒音レベル)に応じて音声増幅回路44を制御し、スピーカ45の音量を制御する。例えば周囲の騒音が小さい場合は音量を小さくし、周囲の騒音が大きい場合は、音量を大きくするように制御する。これにより静かな環境では音量を下げ、騒音が大きいときは音量を上げて聴衆に聞こえるようにすることができる。尚、音量を上げすぎるとスピーカ45からの音が大きくなりマイク51で集音した音も大きくなる結果、さらに音量を高めるように制御されるため、騒音検出回路52には、マイク51が集音した音とスピーカ45からの音を互いに逆相で加算するキャンセル手段を設け、スピーカ自身の発生音は集音しないようにすると良い。また音量の上限を予め設定しておくと良い。
【0037】
このように、本発明は温度センサー50と騒音検出回路52とを利用して、ファン48の回転数及び音量を制御するものであり、以下、図3のフローチャートを参照して動作を具体的に説明する。
【0038】
先ず、スタートステップS1を起点として、AC電源が投入されると、マイコン46はステップS2において初期設定を行う。さらにマイコン46はステップS3において、リモコン54等からの操作を周期的にチェックし、電源オンの操作があるとステップS4にてメイン電源スイッチをオンにする。これにより、各回路に電源電圧が供給され、ステップS5でランプドライブ回路47を起動してランプ3を点灯する。
【0039】
次にステップS6、S7において、マイコン46は温度センサー50からの温度情報を取り込み、冷却ファン48の回転数を制御する。例えば電源投入の初期はランプ3周辺の温度は低いが、時間の経過とともに温度も上昇するため、ステップ7においては、ファン48の回転数を高くし、ランプ3を冷却する。これにより温度上昇を抑えることができる。こうして常に温度センサー50からの温度情報をもとに冷却ファン48の回転数を制御し、温度変化があるたびにファン48の回転数を制御する。
【0040】
さらに次のステップS8,S9において、マイコン46は騒音検出回路52からの騒音レベルを取り込み、騒音レベルに応じて冷却ファン48の回転数を制御する。例えば静かな環境でプロジェクターを使用している場合は、マイク51にはプロジェクター自体の騒音(主にファン48の音)が検出されることになり、騒音レベルは低いレベルにある。したがってファン48の回転数を下げてファン48の音を下げるように制御する。なお、ここで、ファン48の回転数を下げ過ぎるとランプ3等の温度が高くなるので、ステップS6,S7では、温度センサー50からの温度情報を基にランプ冷却に最低限必要な回転数を保持するよう、回転数の設定が行われる。
【0041】
また、周囲の騒音レベルが高い場合、例えば大勢の人を対象にした説明会等でプロジェクターを使用すると、マイク51に人々の会話やざわめきが集音され、騒音レベルが増大する。このような環境では、ファン48の回転数を上げても気にならないので、ステップS9ではファン48の回転数を通常時よりも増加させて強風モードとなるように制御し、ランプ3等の冷却を十分に行うようにする。これによりランプ3等の寿命を長くすることができる。
【0042】
また、次のステップS10,S11においては、スピーカ45の音量制御が行われる。ステップS9では騒音レベルに応じて回転数が設定されるため、この回転数の変化を検出することにより、周囲の騒音レベルを知ることができる。したがってマイコン46は、ステップS10においてファン48の回転数を検出し、ステップS11で音量を制御する。
【0043】
例えば、騒音レベルが増大し、ファン48の回転数が所定値以上の強風モードで回転すると、マイコン46は周囲の騒音が増加したものと判断し、音声増幅回路44を制御し、スピーカ45の音量を上げる。これにより周囲が騒がしい状況では音量をアップして聴衆に聞こえやすくすることができる。
【0044】
また、周囲の騒音が小さい場合は、ファン48の回転数が低下するため、マイコン46は周囲の騒音が低下したものと判断し、音声増幅回路44を制御してスピーカ45の音量を下げる。これにより周囲が静かな状況では音量を小さくすることができる。
【0045】
尚、ステップS12はファン48の回転数制御や音量制御以外の他の処理を行うステップであり、操作者から別の制御指令が入った場合に、その指令に従った処理を行う。
【0046】
なお、ステップS10における騒音レベルに相当する回転数の変化検出は、以下のような式で算出することができる。即ち、ファン48の騒音(Hz)は、(ファンの羽数×回転数)/60で求められるため、ファンの回転数から騒音レベルを測ることができる。
【0047】
また、電源オフ時にはランプ3を消灯するとともに、ランプ3の消灯後も数分間はファン48を回転させ、クールダウンを経てファン48を停止するようにしている。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、温度センサーと騒音検出回路を利用して冷却ファンの回転数を制御するため、静かな状況ではファンの回転数を低減してランプ等の冷却を行い、周囲音が大きい状況ではランプ等を強力に冷却することができる。また周囲の騒音レベルに応じてスピーカの音量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による投射型表示装置の光学部の構成を示す平面図。
【図2】本発明の一実施の形態による投射型表示装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
3…ランプ
10…光学ボックス
18,21,27…ライトバルブ(液晶パネル)
29…投射レンズ
31,32,48…冷却ファン
41…信号処理回路
42…信号源
43…液晶ドライブ回路
44…音声増幅回路
45…スピーカ
46…マイクロコンピュータ
47…ランプドライブ回路
49…ファンドライブ回路
50…温度センサー
51…マイク
52…騒音検出回路
53…電源回路
54…リモコン
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶プロジェクター等の投射型表示装置及びその冷却方法に係り、特に光源となるランプの冷却及び音量制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、投射型表示装置として液晶プロジェクターが普及している。この液晶プロジェクターは、光源からの光を透過型液晶パネルに照射し、液晶パネルをテレビジョン信号やパソコン等からの情報信号に基づいて駆動することで、液晶パネルから変調された光を出射し、投射レンズを介してスクリーンに拡大された映像を投射するものである。
【0003】
上記光源としては非常に高輝度なランプが必要になるために、水銀灯等の放電管ランプが使用されている。このランプの点灯中はランプの発熱により、非常に高温となるため、送風ファン又は排気ファンを用いてランプに冷却風を送ったりランプ周辺の熱を放出して冷却する方法が一般的に知られている。
【0004】
また、ランプの点灯や消灯及び冷却用ファンの回転や停止は、プロジェクター内の制御回路によって制御し、電源オン時はランプの点灯とともにファンを回転させ、電源オフ時はランプの消灯後も数分間ファンを回し続け、温度が低下した後ファンを停止するように制御している。これは一般にクールダウンと呼ばれるものである。さらに上記ランプ周辺に温度センサーを配置し、ランプの温度が高くなるに連れ冷却用ファンの回転数を増加させるといった自動制御による冷却方法も採用されている。
【0005】
一方、ランプ冷却のために送風ファンや排気ファンを回転させた場合、回転数の増加に伴なって風切り音による騒音が発生するため、騒音対策も必要になっている。例えば特開平8−65612号公報に示される例では、プロジェクタ装置本体の周辺の騒音をマイクで検出し、周囲の騒音が小さい場合は吸気・排気ファンの回転数を下げるようにしている。
【0006】
また、プロジェクターを広い場所で大勢の人を対象に説明会等を行う場合や、狭い部屋であっても雑談中の場合等は、大音量でデモすることがあるが、このような場合でも騒音を抑えるよう優先設計されているものが多い。しかしながら、騒音を抑える必要性があるのは、静かな環境、たとえば会議室等でプロジェクターを使用する場合であり、広い場所で大勢の人を対象に説明会等を行う場合は、冷却用のファンの騒音はそれほど気にならないというのが実状である。
【0007】
また、騒音の低下に応じて単純に吸気・排気ファンの回転数を低下させた場合は、ランプの温度が高くなり、ランプ寿命を縮めることになる。このためランプ寿命を伸ばす上では、吸気・排気ファンの回転数を高くする必要があり、騒音の低減と相反することになり、騒音と冷却のいずれか一方を優先した設計を取らざるを得なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した投射型表示装置にあっては、騒音を低くしようとして吸気・排気ファンの回転数を低下させるとランプの温度が高くなり、ランプを冷却しようとすれば吸気・排気ファンの回転数が高くなり騒音が増加するという相反する現象を生じる。このため、「騒音の低下」又は「ランプの冷却」のいずれか一方を優先した設計を取らざるを得ないという不具合があった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、ランプの冷却(延命)と騒音対策のいずれをも満足する投射型表示装置及びその冷却方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、光源と、この光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、
前記発熱部の温度を検出するための温度センサーと、
前記冷却ファンの近傍に配置され周囲音を検出する騒音検出回路と、
前記冷却ファンの回転数を前記温度センサーの出力によって制御する第1の制御部と、前記冷却ファンの回転数を前記騒音検出回路からの検出出力に応じて制御し騒音レベルが所定値を越えたときには強風モードで回転するように制御する第2の制御部を有する制御回路と、を具備したことを特徴とする投射型表示装置である。
【0011】
請求項1の発明によれば、温度センサー出力に応じて冷却ファンの回転数を制御するとともに、周囲の騒音レベルが所定値を越えたときには冷却ファンを強風モードで回転させることにより、発熱部の温度上昇を抑えることができる。
【0012】
また請求項3記載の発明は、光源と、この光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記ライトバルブに映像信号を供給するとともに、音声出力用のスピーカに音声信号を供給するための信号処理回路と、
前記光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、
前記発熱部の温度を検出するための温度センサーと、
前記冷却ファンの近傍に配置され周囲音を検出する騒音検出回路と、
前記冷却ファンの回転数を前記温度センサー出力によって制御する第1の制御部と、前記冷却ファンの回転数を前記騒音検出回路からの検出出力に応じて制御する第2の制御部とを有するファン制御回路と、
前記スピーカの出力を前記騒音制御回路からの検出出力によって制御し、騒音レベルが所定値を越えたときには音量を増加し、騒音レベルが所定値以下のときには音量を低下するように制御する音量制御回路とを具備したことを特徴とする投射型表示装置である。
【0013】
請求項3の発明によれば、温度センサー出力と周囲の騒音レベルに応じて冷却ファンの回転数を制御するとともに、騒音レベルに応じてスピーカの音量を制御することができる。
【0014】
さらに請求項7の発明は、光源と、この光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、前記光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記発熱部の温度を検出するステップと、
前記冷却ファン近傍の周囲音を検出するステップと、
前記冷却ファンの回転数を前記温度検出ステップによる検出結果によって制御し、前記発熱部の温度が所定値を越えないように制御する第1の制御ステップと、
前記冷却ファンの回転数を前記周囲音検出ステップによる検出結果に応じて制御し、騒音レベルが所定値を越えたときには前記冷却ファンを強風モードで回転し、騒音レベルが所定値以下の場合は前記発熱部の温度が所定値を越えない範囲内で前記冷却ファンの回転数を低減する第2の制御ステップとを具備して成る投射型表示装置の冷却方法である。
【0015】
請求項7の発明によれば、温度センサー出力に応じて冷却ファンの回転数を制御するとともに、周囲の騒音レベルに応じて冷却ファンの回転数を制御して発熱部の温度が上昇しないようにすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態による投射型表示装置の冷却構造を説明する平面図である。図1はR(赤),G(緑),B(青)用の液晶パネルを有する三板式の液晶プロジェクターの例を示している。
【0017】
図1において、10は光学ボックスであり、このボックスに近接してランプハウス11を備えている。ランプハウス11の中には光源として、発光管1及びリフレクタ2から成るランプ3が配置されている。前記発光管1からの光はリフレクタ2によって反射され、赤外線や紫外線等の不要光をフィルタ12で除去した後、コンデンサレンズ13や反射ミラー14を介してダイクロイックミラー15に供給される。
【0018】
ダイクロイックミラー15は、ランプ3から光をR光とGB光に分光し、分離されたR光はミラー16で反射され、フィールドレンズ17を介してR用の液晶パネル18に照射される。またダイクロイックミラー15により分離されたGB光はダイクロイックミラー19によりG光とB光に分光され、G光はフィールドレンズ20を介してG用の液晶パネル21に照射され、B光はリレーレンズ22、反射ミラー23、リレーレンズ24、反射ミラー25及びリレーレンズ26を介してB用の液晶パネル27に照射される。
【0019】
さらに、各液晶パネル18,21,27を透過したR光,G光,B光はダイクロイックプリズム28によって合成され、この合成された映像光を投射レンズ29によってスクリーン(図示せず)に投射するようにしている。こうしてR,G,B用の液晶パネル18,1,27をR,G,Bの原色信号で駆動することにより、カラー画像を投射することができる。尚、前記液晶パネル18,21,27の入射側及び出射側にはそれぞれ偏光板が配置されている。
【0020】
一方、本発明の投射型表示装置においては、ランプ3や液晶パネル等を冷却するために例えばファン31,32が用いられている。即ち、液晶パネル18,21,27に対して外気を導入し冷却用の風を送風する第1のファン31と、ランプ3に送風された風をプロジェクターの外に排気する第2のファン32が設けられている。
【0021】
また、プロジェクター内に冷却用の風を流通させるファンは第1,第2のファン31,32だけに限らず、他の部分に設けてもよく、プロジェクターの側面や底面に設けても良い。また送風用ファンからの冷却風が発熱部を通ってスムーズに流れるように風路を設けているが、図では省略している。なお、以下の説明では第1のファン31及び第2のファン32を総称して冷却ファンと呼ぶこともある。
【0022】
また、ランプ3にはリフレクタ2の底面等に通風穴(図示せず)を設け、さらに発光管1を支持する支持部4に複数の穴5を設け、前記通風穴から導入された冷却風をこれら複数の穴5から導出し、第2のファン32によって外部に排気するようにしている。
【0023】
次に、本発明の投射型表示装置のシステム構成を図2のブロック図を参照して説明する。図2において10は光学ボックスであり、コンデンサレンズ13、液晶パネル21、投射レンズ29等を含んでいる。なお、液晶パネルは図1で示すように3枚(18,21,27)で構成されているが、図2では液晶パネル21を代表として示し、またランプ3からの光を分光する手段及び各液晶パネルからの映像光を合成する手段は省略して示している。また、11はランプボックスであり、中にランプ3を収容している。
【0024】
また図2において、41は信号源42からの映像・音声信号を処理する信号処理回路であり、この信号処理回路41からの映像信号は次段の液晶ドライブ回路43に供給され、この液晶ドライブ回路43によって液晶パネル21を駆動するようにしている。また信号処理回路41からの音声信号は次段の音声増幅回路44に供給され、この音声増幅回路44によってスピーカ45を駆動するようにしている。尚、この音声増幅回路44は音量制御機能を有し、後述するマイクロコンピユータ46の制御のもとに音量制御を行う。
【0025】
さらに、前記ランプ3はランプドライブ回路47によって点灯や消灯の制御が行なわれ、前記ランプ3や前記液晶パネル21を冷却するための冷却ファン48をファンドライブ回路49によって駆動するようにしている。前記冷却ファン48は、図1の吸気ファン31及び排気ファン32等、ランプ3の冷却に使用されるファンを総称したものである。
【0026】
前記ファンドライブ回路49及びランプドライブ回路47は制御回路としてのマイクロコンピュータ46(以下マイコン46と称す)によって制御され、このマイコン46はプロジェクター全体の動作を制御するシステムマイコンとしての機能を有している。
【0027】
さらに前記ランプ3の近傍には、このランプ周辺部の温度を検出する温度センサー50が備えられ、冷却ファン49の近傍にはマイク51が備えられ、このマイク51は騒音検出回路52に接続されている。騒音検出回路52は、マイク51によって集音したプロジェクター周辺の騒音、特に冷却ファン48の回転によって発生する騒音を検出するもので、その検出結果をマイコン46に供給するようにしている。
【0028】
マイコン46は、温度センサー50及び騒音検出回路52からの検出出力を処理し、前記ファンドライブ回路49を制御するようになっている。なお、53は電源回路であり、プロジェクター内のマイコン46やランプドライブ回路47、ファンドライブ回路49等に動作用の電源電圧+Bを供給するものである。各回路に供給される電源電圧の値はそれぞれ異なるものであるが、図では+Bとして省略して示している。
【0029】
次に本発明の投射型表示装置の動作を概略的に説明する。プロジェクターにAC電源が投入されると、電源回路53から前記マイコン46に電源が供給され、マイコン46は初期状態となる。
【0030】
マイコン46はリモコン54等からの操作を周期的にチェックし、電源オンの操作があると各回路に電源電圧を供給するよう制御し、前記ランプドライブ回路47及び前記ファンドライブ回路49を起動してランプ3を点灯するとともに、冷却ファン48を回転させてプロジェクー内の冷却動作を開始する。
【0031】
また信号処理回路41からは映像信号が液晶ドライブ回路43に供給され、液晶パネル21に映像が表示され、投射レンズ29を介して投射される。また信号処理回路41からの音声信号が音声増幅回路44を介してスピーカ45に供給され、スピーカ45から音声が出力される。
【0032】
また温度センサー50からの温度情報がマイコン46に供給され、この温度情報を基にマイコン46は、ファンドライブ回路49を制御し、ファン48の回転数を制御する。例えばランプ3周辺の温度が低い状態ではファン48の回転数は低くても良いが、温度が高い場合はファン48の回転数を高くしてランプ3等を強く冷却する。
【0033】
さらにマイク51はプロジェクター自体の騒音、特にファン48の回転に伴なう風切り音や、プロジェクター周辺の騒音、例えば人々の会話やざわめき等が集音され、騒音検出回路52に供給される。これによりマイコン46は、騒音レベルを判別する。
【0034】
例えば会議室等の静かな環境では、プロジェクター自体の騒音が主に検出されることになり、その騒音レベルが低いときはファン48の回転数を下げて会議の参加者にファン48の音が気にならないように制御する。尚、ファン48の回転数を下げ過ぎるとランプ3等の温度が高くなるので、温度センサー50からの温度を加味して回転数が低くなり過ぎないよう、予め許容値を設定しておけば良い。
【0035】
また、広い場所で大勢の人を対象にした説明会等でプロジェクターを使用する場合は、マイク51に人々の会話や大声が集音され、騒音レベルが増大する。このような環境では、ファン48の音は周囲音にかき消されるため、ファン48の回転数を上げても気にならない。したがって、ファン48の回転数を上げるように制御しランプ3等の冷却を十分に行うようにする。光学部品は冷やせば冷やすほど寿命が延びるため、周囲が騒がしいような状況ではファン48の回転数を増大して冷却力を高めることにより、ランプ3等の寿命、ひいては光学部品の保障時間を長くする事が可能となる。
【0036】
さらに、マイコン46は騒音検出回路52からの検出量(騒音レベル)に応じて音声増幅回路44を制御し、スピーカ45の音量を制御する。例えば周囲の騒音が小さい場合は音量を小さくし、周囲の騒音が大きい場合は、音量を大きくするように制御する。これにより静かな環境では音量を下げ、騒音が大きいときは音量を上げて聴衆に聞こえるようにすることができる。尚、音量を上げすぎるとスピーカ45からの音が大きくなりマイク51で集音した音も大きくなる結果、さらに音量を高めるように制御されるため、騒音検出回路52には、マイク51が集音した音とスピーカ45からの音を互いに逆相で加算するキャンセル手段を設け、スピーカ自身の発生音は集音しないようにすると良い。また音量の上限を予め設定しておくと良い。
【0037】
このように、本発明は温度センサー50と騒音検出回路52とを利用して、ファン48の回転数及び音量を制御するものであり、以下、図3のフローチャートを参照して動作を具体的に説明する。
【0038】
先ず、スタートステップS1を起点として、AC電源が投入されると、マイコン46はステップS2において初期設定を行う。さらにマイコン46はステップS3において、リモコン54等からの操作を周期的にチェックし、電源オンの操作があるとステップS4にてメイン電源スイッチをオンにする。これにより、各回路に電源電圧が供給され、ステップS5でランプドライブ回路47を起動してランプ3を点灯する。
【0039】
次にステップS6、S7において、マイコン46は温度センサー50からの温度情報を取り込み、冷却ファン48の回転数を制御する。例えば電源投入の初期はランプ3周辺の温度は低いが、時間の経過とともに温度も上昇するため、ステップ7においては、ファン48の回転数を高くし、ランプ3を冷却する。これにより温度上昇を抑えることができる。こうして常に温度センサー50からの温度情報をもとに冷却ファン48の回転数を制御し、温度変化があるたびにファン48の回転数を制御する。
【0040】
さらに次のステップS8,S9において、マイコン46は騒音検出回路52からの騒音レベルを取り込み、騒音レベルに応じて冷却ファン48の回転数を制御する。例えば静かな環境でプロジェクターを使用している場合は、マイク51にはプロジェクター自体の騒音(主にファン48の音)が検出されることになり、騒音レベルは低いレベルにある。したがってファン48の回転数を下げてファン48の音を下げるように制御する。なお、ここで、ファン48の回転数を下げ過ぎるとランプ3等の温度が高くなるので、ステップS6,S7では、温度センサー50からの温度情報を基にランプ冷却に最低限必要な回転数を保持するよう、回転数の設定が行われる。
【0041】
また、周囲の騒音レベルが高い場合、例えば大勢の人を対象にした説明会等でプロジェクターを使用すると、マイク51に人々の会話やざわめきが集音され、騒音レベルが増大する。このような環境では、ファン48の回転数を上げても気にならないので、ステップS9ではファン48の回転数を通常時よりも増加させて強風モードとなるように制御し、ランプ3等の冷却を十分に行うようにする。これによりランプ3等の寿命を長くすることができる。
【0042】
また、次のステップS10,S11においては、スピーカ45の音量制御が行われる。ステップS9では騒音レベルに応じて回転数が設定されるため、この回転数の変化を検出することにより、周囲の騒音レベルを知ることができる。したがってマイコン46は、ステップS10においてファン48の回転数を検出し、ステップS11で音量を制御する。
【0043】
例えば、騒音レベルが増大し、ファン48の回転数が所定値以上の強風モードで回転すると、マイコン46は周囲の騒音が増加したものと判断し、音声増幅回路44を制御し、スピーカ45の音量を上げる。これにより周囲が騒がしい状況では音量をアップして聴衆に聞こえやすくすることができる。
【0044】
また、周囲の騒音が小さい場合は、ファン48の回転数が低下するため、マイコン46は周囲の騒音が低下したものと判断し、音声増幅回路44を制御してスピーカ45の音量を下げる。これにより周囲が静かな状況では音量を小さくすることができる。
【0045】
尚、ステップS12はファン48の回転数制御や音量制御以外の他の処理を行うステップであり、操作者から別の制御指令が入った場合に、その指令に従った処理を行う。
【0046】
なお、ステップS10における騒音レベルに相当する回転数の変化検出は、以下のような式で算出することができる。即ち、ファン48の騒音(Hz)は、(ファンの羽数×回転数)/60で求められるため、ファンの回転数から騒音レベルを測ることができる。
【0047】
また、電源オフ時にはランプ3を消灯するとともに、ランプ3の消灯後も数分間はファン48を回転させ、クールダウンを経てファン48を停止するようにしている。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、温度センサーと騒音検出回路を利用して冷却ファンの回転数を制御するため、静かな状況ではファンの回転数を低減してランプ等の冷却を行い、周囲音が大きい状況ではランプ等を強力に冷却することができる。また周囲の騒音レベルに応じてスピーカの音量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による投射型表示装置の光学部の構成を示す平面図。
【図2】本発明の一実施の形態による投射型表示装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
3…ランプ
10…光学ボックス
18,21,27…ライトバルブ(液晶パネル)
29…投射レンズ
31,32,48…冷却ファン
41…信号処理回路
42…信号源
43…液晶ドライブ回路
44…音声増幅回路
45…スピーカ
46…マイクロコンピュータ
47…ランプドライブ回路
49…ファンドライブ回路
50…温度センサー
51…マイク
52…騒音検出回路
53…電源回路
54…リモコン
Claims (7)
- 光源と、この光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、
前記発熱部の温度を検出するための温度センサーと、
前記冷却ファンの近傍に配置され周囲音を検出する騒音検出回路と、
前記冷却ファンの回転数を前記温度センサーの出力によって制御する第1の制御部と、前記冷却ファンの回転数を前記騒音検出回路からの検出出力に応じて制御し騒音レベルが所定値を越えたときには強風モードで回転するように制御する第2の制御部を有する制御回路と、
を具備したことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記第2の制御部は、前記騒音検出回路からの騒音レベルが所定値以下の場合は、前記発熱部の温度が所定値を越えない範囲内で前記冷却ファンの回転数を低減するように制御することを特徴とする請求項1記載の投射型表示装置。
- 光源と、この光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記ライトバルブに映像信号を供給するとともに、音声出力用のスピーカに音声信号を供給するための信号処理回路と、
前記光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、
前記発熱部の温度を検出するための温度センサーと、
前記冷却ファンの近傍に配置され周囲音を検出する騒音検出回路と、
前記冷却ファンの回転数を前記温度センサー出力によって制御する第1の制御部と、前記冷却ファンの回転数を前記騒音検出回路からの検出出力に応じて制御する第2の制御部を有するファン制御回路と、
前記スピーカの出力を前記騒音制御回路からの検出出力によって制御し、騒音レベルが所定値を越えたときには音量を増加し、騒音レベルが所定値以下のときには音量を低下するように制御する音量制御回路とを具備したことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記騒音検出回路による騒音レベルが所定値を越えたときには、前記第2の制御部は前記冷却ファンを強風モードで回転するように制御し、前記音量制御回路は前記スピーカの音量を増加するよう制御ことを特徴とする請求項3記載の投射型表示装置。
- 前記騒音検出回路による騒音レベルが所定値以下のときには、前記発熱部の温度が所定値を越えない範囲内で前記冷却ファンの回転数を低減させ、前記音量制御回路は前記スピーカの音量を低下するように制御することを特徴とする請求項3記載の投射型表示装置。
- 前記騒音検出回路は、前記スピーカから発生する音は検出しないようにキャンセル回路を具備したことを特徴とする請求項3記載の投射型表示装置。
- 光源と、この光源を含む発熱部を冷却するための冷却ファンと、前記光源からの光が照射されるライトバルブとを有し、前記ライトバルブから出射される映像光を投射するようにした投射型表示装置において、
前記発熱部の温度を検出するステップと、
前記冷却ファン近傍の周囲音を検出するステップと、
前記冷却ファンの回転数を前記温度検出ステップによる検出結果によって制御し、前記発熱部の温度が所定値を越えないように制御する第1の制御ステップと、
前記冷却ファンの回転数を前記周囲音検出ステップによる検出結果に応じて制御し、騒音レベルが所定値を越えたときには前記冷却ファンを強風モードで回転し、騒音レベルが所定値以下の場合は前記発熱部の温度が所定値を越えない範囲内で前記冷却ファンの回転数を低減する第2の制御ステップとを具備して成る投射型表示装置の冷却方法。
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