JP2004064010A - 防塵フィルタに付着した塵埃の除去装置を備えた電子機器及び防塵フィルタの埃塵除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却機構を構成する除塵フィルタに堆積した塵埃の除去を行い良好な通気状態を保って、冷却用空気の流れの障害とならないようする。
【解決手段】筐体101と、防塵フィルタ102及び該フィルタ102を介して冷却用空気を筐体101の内部に取り込む吸気ファン103とを備えた冷却機構と、防塵フィルタ102に付着した塵埃を除去する塵埃除去装置とを備えた電子機器において、塵埃除去装置は、電子機器の電源がON状態であって、かつ、筐体101内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるとき、筐体101内部の空気を防塵フィルタ102に向かって送風する機能を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】筐体101と、防塵フィルタ102及び該フィルタ102を介して冷却用空気を筐体101の内部に取り込む吸気ファン103とを備えた冷却機構と、防塵フィルタ102に付着した塵埃を除去する塵埃除去装置とを備えた電子機器において、塵埃除去装置は、電子機器の電源がON状態であって、かつ、筐体101内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるとき、筐体101内部の空気を防塵フィルタ102に向かって送風する機能を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタやパソコンなどの電子機器で採用されている冷却機構を構成している防塵フィルタに付着した埃塵の除去に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの電子機器では、その内部装置の発熱などによる温度上昇を防止するため、筐体に設けた通気孔から筐体内部に空気を取り入れて、発熱性装置や温度管理が必要な装置を冷却している。そして、それらのほとんどの場合、空気と一緒に塵埃が内部に入って不具合を引き起こすことが無いように、その通気孔には防塵フィルタが備えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、時間がたつにつれて防塵フィルタには塵埃が堆積するため、それは徐々に目詰まりを起こし通気性が悪化する。そこで、従来は、予め定めた時間の経過後に、その防塵フィルタを清掃若しくは交換する対策が取られていた。例えば、プロジェクタの場合には、所定使用時間経過後の投射用照明ランプ交換時に、併せて防塵フィルタも交換していた。このように、防塵フィルタを備えた冷却機構に本来の機能を十分に発揮させるためには、そこに用いられている防塵フィルタを頻繁に清掃若しくは交換することが必須となっていた。しかしながら、防塵フィルタを装置本体から取り外して清掃や交換を頻繁に実施することは現実的ではなく、従って、防塵フィルタの交換などの対応などでは、防塵フィルタを有した冷却機構の性能維持に関して少なからず問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、冷却機構を構成する防塵フィルタを装置本体から取り外すことなく頻繁にクリーニングし、好ましくは自動的にクリーニングし、防塵フィルタをできるだけ通気性の良い状態に保って冷却用空気の流れの障害とならないようし、冷却機構の冷却性能を維持することが可能な電子機器、並びにそのための防塵フィルタの塵埃方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に対処するため、以下のような構成を採用する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子機器は、筐体と、防塵フィルタ及び防塵フィルタを介して冷却用空気を筐体内部に取り込む吸気ファンを備え筐体内部に設置された装置を冷却する冷却機構と、防塵フィルタに付着した埃塵を除去する埃塵除去装置とを備えたものであって、埃塵除去装置は電子機器の電源がON状態で、かつ、筐体内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるとき、筐体内部の空気を防塵フィルタに向かって送風する送風機構を備えたものである。
また、本発明の送風機構は、前記吸気ファンを前記冷却空気取り込み時の回転方向と反対方向に回転させて排気ファンとして作用させる、吸気ファン駆動制御手段を備えることが好ましい。
さらにまた、本発明の送風機構は、筐体内部にあって防塵フィルタの近傍に設けられた送風ファンから構成してもよい。なお、送風機構としては、この送風ファンと前述の吸気ファンとを併用してもよい。
これらによれば、筐体内部から防塵フィルタへ送風された空気が防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るように作用して、防塵フィルタへ堆積される塵埃を除去することが可能となる。
【0006】
また、埃塵除去装置は、送風機構が所定の時間作動するように制御する作動制御手段を備えることが好ましい。
これによれば、電子機器の使用時には、必ず所定の時間、防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るクリーニング作業が実行されることになる。
また、埃塵除去装置は、送風機構の作動を任意に開始及び停止させる操作部が設けられていることが好ましい。
これによれば、防塵フィルタに堆積した塵埃が特に気になるような場合に、任意に埃塵除去を行うことが可能になる。
また、埃塵除去装置は、送風機構の作動を任意に開始させる操作部と、該操作部の操作で開始された送風機構の作動を所定時間経過後に自動停止させる自動停止手段を備えていることが好ましい。
これによれば、操作部の操作によって開始された送風機構の停止操作を行う必要がなく、また、停止操作を忘れても、送風機構は自動的に停止される。
【0007】
本発明の防塵フィルタ埃塵除去方法は、筐体と、防塵フィルタを介して筐体内部に設置された装置を冷却する冷却用空気を吸気ファンによって筐体内部に取り込む冷却機構と、防塵フィルタに付着した埃塵を除去する埃塵除去装置を備えた電子機器において、電子機器の電源がONされた後において、筐体内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるときに、埃塵除去装置に備えられた送風機構によって、筐体内部の空気を防塵フィルタに向かって送風させるものである。
また、送風機構による送風は、前記吸気ファンを吸気時とは反対方向に回転させ、それを排気ファンとして作用させることにより行うのが好ましい。
また、送風機構による送風は、筐体内部にあって防塵フィルタの近傍に設けた送風ファンによって行うのが好ましい。
このようにすると、筐体内部から防塵フィルタへ送風された空気が防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るように作用して、防塵フィルタへ堆積される塵埃を除去することが可能となる。
【0008】
また、埃塵除去装置による埃塵除去は、送風機構の作動時間を制御する作動制御手段によって、送風機構による送風を所定時間行うことが好ましい。
これによれば、電子機器の使用時には、必ず所定の時間、防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るクリーニング作業が実行されることになる。
また、埃塵除去装置による埃塵除去は、操作部の開始操作によって開始され、操作部の停止操作によって停止されることが好ましい。
これによれば、防塵フィルタに堆積した塵埃が気になるときに、任意に埃塵除去を行うことが可能になる。
また、埃塵除去装置による埃塵除去は、操作部の開始操作によって開始され、自動停止手段によって所定の時間経過後に自動停止されることが好ましい。
これによれば、操作部の操作によって作動された送風機構の停止操作を行う必要がなく、また、停止操作を怠ったときであっても、送風機構は自動的に停止される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔電子機器の冷却機構〕
以下、本発明の実施形態にかかる電子機器の冷却機構を図面に基づいて説明する。
図1は、プロジェクタ1の上下反転した状態の外観斜視図であり、図2は、プロジェクタ1の要部を示す略式内部構成図である。
図1および図2において、プロジェクタ1は、筐体2に設けられた通気孔5から吸気ファン8によって、外気を吸引し、吸引された空気は筐体1の内部の冷却を要する装置および/または機器を冷却した後、排気ファン(図示せず)によって排気孔(図示せず)から排気される。
その際、防塵フィルタ6は、空気に含まれている塵埃の、筐体1内への進入を防止する。従って、筐体1内への進入を妨げられた塵埃は、防塵フィルタ6の面に付着し堆積する。
通気孔5に配置された防塵フィルタ6に付着した埃塵は、後述する塵埃除去装置によって、除去される。
なお、上記では一つの吸気孔および一つの排気孔について説明したが、吸気孔および排気孔は適宜に複数設けることも可能である。
また、上記では、プロジェクタを例に挙げて電子機器の冷却機構の説明を行ったが、電子機器とはプロジェクタに限られない。
【0010】
〔塵埃除去装置の詳細な説明〕
図3は本発明の実施形態における防塵フィルタに付着した塵埃の除去作用を示す図である。図3において、電子機器の筐体101に形成された通気孔101Aと、該通気孔101A部に取り付けられた防塵フィルタ102と、筐体101の内部に配置され筐体内に冷却用空気を取り込む吸気ファン(このファンはファンの回転方向によって吸排作用が交換するファン)103とからなる冷却機構が、形成されている。
図3(a)は、吸気ファン103によって外気が筐体1内に吸引される様子を示している。電子機器の筐体101内部の冷却時は、吸気ファン103の正回転により、筐体101外部から防塵フィルタ102を介して、冷却用空気が筐体101内部に取り込まれる。その際、防塵フィルタ102は、空気に含まれている塵埃の、筐体101内への進入を防止する。符号105は、防塵フィルタ102により筐体101内への進入を妨げられ堆積した塵埃を示す。
図3(b)は、防塵フィルタ102に堆積した塵埃105の除去の様子を示している。ここでは、吸気ファン103を逆回転させて、筐体101内部から防塵フィルタ102に向かって送風することにより、防塵フィルタ102に堆積した塵埃105は、防塵フィルタ102から引き離されて取り除かれる。
【0011】
図4は本発明の実施形態に係る防塵フィルタ102の塵埃除去装置200のブロック構成図である。
防塵フィルタに堆積した塵埃を取り除くための送風機構180は、吸気ファン103と、吸気ファン103を作動させるファン駆動装置(または回路)120と、吸気ファン103の回転方向を切り換える吸気ファン駆動制御手段(装置またはプログラム)130とを備える。吸気ファン103は、通常は正回転して吸気を行うように設定されているものであり、所定の場合にだけ、例えば以下の作動制御手段140からの入力があった場合にのみ逆回転して排気ファンとして作用するものである。なお、ここでは、吸気ファン103が排気ファンとして設定された場合でも、その設定終了後は、再び吸気ファンとして作用できるよう、その回転方向が自動的に正方向に戻されるようになっているものとする。
作動制御手段(装置またはプログラム)140は、送風機構180の作動を開始し、および/または、予め定めた所定時間後、その作動を停止する機能を備える。
操作部150は、例えば手動入力によって、送風機構180の作動を任意に開始及び/または停止させることができる。
自動停止手段(装置またはプログラム)160は、操作部150の操作で開始された送風機構180の動作を、予め定めた所定時間後、自動停止させることができる。自動停止手段160は、作動制御手140に含めることも可能である。
なお、この段落で言及している、「予め定めた所定時間」は、プログラムなどで自由に設定できるもので、状況に応じて適宜に定めてよい。
【0012】
図3及び図4において、電子機器の電源がONされた直後、筐体101内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるとき、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
または/および、電子機器の電源ON後、筐体101内部に配置された装置が冷却用空気を必要とする直前に、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
または/および、電子機器の電源ON後、筐体101内部に配置された装置に冷却用空気が不要となった直後、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
および/または、電子機器の電源OFF直前に、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
なお、電子機器の電源がON状態であって、かつ、筐体101内に配置された装置が冷却用空気を不要とする状態でる時間内であれば、適宜、作動制御手段140を介して、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を開始させ、所望時間後、作動制御手段140を介して、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止するように設定することができる。
【0013】
作動制御手段140および送風機構180を利用したる防塵フィルタ102の塵埃除去は、電子機器の電源ON状態であって、かつ、筐体101内に配置された装置が冷却用空気を不要とする状態である時間内に、最低1度または複数回行うように適宜設定してよい。
特に、電子機器を使用する度に、必ず最低一回は送風機構180が作用するように設定しておくことで、使用する都度防塵フィルタ102に堆積した塵埃105を除去することができ、常時良好に冷却空気の吸引が可能となる。
以上説明したような送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去は、通常、電子機器内に備えられたプログラム及びCPUなどにより、自動的に行なわれる。
【0014】
これに加えて、操作部150を設け、その操作部150の操作によっても、任意の必要な時期に送風機構180の作動を開始及び停止させることで、予め設定された時間帯以外にも防塵フィルタ102のクリーニングを可能にしている。さらに、ここでは、操作部150による送風機構180の作動開始から予め定めた所定時間が経過すると、送風機構180の作動を自動的に停止させる自動停止手段160も備えている。この自動停止手段160は、操作部150からの停止入力作業を省き、作業の簡略化と、使用者の過失による送風機構180の動作切り忘れを防止することが可能である。しかし、操作部150を利用した停止操作により、塵埃除去中に随時あるいはただちに送風機構180を停止する事も可能としている。
作動制御手段140と操作部150とは、両方備わっている事が望ましいが、どちらか一方だけを備えるようにしてもかまわない。なお、自動停止装置160は任意に設けることができる。
【0015】
ところで、操作部150や自動停止装置160による送風機構180の作動制御は、作動制御装置140による送風機構180の作動制御に優先して行われるようにしておくのがよい。ただし、電子機器の冷却機構が、冷却用空気を取り込んで筐体101内部を冷却している間は、作動制御装置140及び操作部150からの送風機構180に対する作動開始の制御は不可能に設定して、防塵フィルタ102の除塵のための送風は、電子機器の冷却作用に対する障害とならない範囲で実行されるようにしておく。従って、送風機構180の作動は、電子機器の冷却機構の作用に対する障害とならない範囲で、各電子機器の使用環境などに応じて適宜設定することができる。
【0016】
また、防塵フィルタ102のクリーニングのためにのみ、電子機器の電源をONすることは煩わしいので、そのクリーニング時期は、何らかのかたちで電子機器の本来の目的の使用または動作時に関連させておくのが好ましい。さらに、電子機器の本来の目的の使用または動作に関連させて防塵フィルタ102をクリーニングする場合、そのクリーニングのための所要時間は適宜決定して良いが、利用者の待ち時間を考慮すると、30秒以内とするのが好ましい。
【0017】
上記送風機構180では、防塵フィルタ102を除塵するために防塵フィルタ102へ空気を送る手段として、電子機器の冷却機構を構成する吸気ファン103を利用したが、それに代えて、またはそれと共に、筐体101内部の防塵フィルタ102近傍に、防塵フィルタ102へ向けて送風を行う排気ファン(図示せず)を別途備えるようにしても良い。なお、塵埃除去のための送風に吸気ファンを用いない場合には、吸気ファン駆動制御手段130は不要となり、送風機構180は、排気ファンと、排気ファンを作動させるファン駆動装置(または回路)120とを備える構成となる。
【0018】
ここで、防塵フィルタ102について少し説明しておく。防塵フィルタ102は、例えば、多数の開口が形成されたフィルタ枠に多孔性の樹脂などからなるフィルタ本体をはめ込んで構成されている。このような防塵フィルタ102が、電子機器の筐体に形成された通気孔に配置されて、塵埃が冷却用空気と一緒に機器内に入るのを防ぐ除塵作用を果たしている。
なお、上記の塵埃除去装置200を備えた電子機器にあっても、冷却機構を構成する防塵フィルタ102は交換可能に配置して、必要な場合には新たなフィルタと交換できるようにしておくことが望ましい。
【0019】
〔プロジェクタ〕
次に、上記の塵埃除去装置200をプロジェクタに適用した一例を示す。プロジェクタは投射用照明ランプを備えており、プロジェクタの使用に関連してこのランプがON/OFFされる。また、照明ランプは点灯により高温となる。従って、照明ランプの点灯中はその冷却が必要となるため、プロジェクタにあっては、このランプ゜の点灯に先だって、またはランプ゜の消灯の後に、或いはそれらの両方の場合に、防塵フィルタのクリーニングを行うように設定するのがよい。
【0020】
また、プロジェクタによっては、投射用照明ランプの消灯後に、吸気ファンをいきなりOFFさせることなく、所定時間または照明ランプが所定温度になるまでそれを駆動させて、照明ランプをクールダウンさせる設定のものがある。そのようなプロジェクタにあっては、吸気ファンのクールダウン動作終了後、吸気ファンを吸気時とは逆に一定時間回転させる、または専用に設けた排気ファンを一定時間駆動させて、防塵フィルタをクリーニングさせるようにしてもよい。
なお、上記実施形態において、防塵フィルタのクリーニングは、予め設定したプログラムに従って、コンピュータ制御により自動的に行なわれるようにするものとする。なお、そのプログラムにおいて、防塵フィルタのクリーニングの時期や時間は、適宜に変更可能にしておくものとする。
【0021】
以下では、上記塵埃除去装置を備えたプロジェクタについて、さらに詳細に説明する。
(i)プロジェクタの主な構成
図1は、上下反転した状態の本発明の実施形態に係るプロジェクタ1の外観斜視図、図2は本発明の実施形態に係るプロジェクタの要部を示す略式内部構成図である。
このプロジェクタ1は、その各構成要素が外装ケース2に収納されてなり、外装ケース2の前面には、投写レンズ3が配置されている。また、外装ケース2の底面(図1では上側面がそれに相当する)には、プロジェクタ1の内部に冷却用空気を取り込む通気孔5が形成されている。この通気孔5の部分は本体からネジなどで取り外しできるようにして、その内側に配置した防塵フィルタ6が交換可能となっている。
外装ケース2の上面(図1では図示されていない下側面がそれに相当する)には、内部に配置された光源をON/OFFするランプスイッチ、光源のON状態を表示するランプON表示LED、光源のクールダウン処理が実行中であることを示すクールダウンON表示LED、防塵フィルタのクリーニング処理が実行中であることを示すフィルタクリーニングON表示LEDなどが配置されている。さらに、プロジェクタ1には、AC100Vなどの商用電源との接続に供されるインレットが備えられ、後述する電源回路に接続されている。
【0022】
筐体2の前部に配した投写レンズ3の手前に、光変調装置としての液晶パネルを取り付けた色光合成プリズム9が備えられている。この液晶パネル付き色光合成プリズム9に対応する筐体2の底部には通気孔5が形成され、その通気孔5には防塵フィルタ6が併設されている。また、液晶パネル付き色光合成プリズム9と防塵フィルタ6との間には、筐体2の内部に冷却用空気を導入する正逆回転可能なファン8が配置されている。
【0023】
図5は本発明の実施形態に係るプロジェクタの主な構成を示すブロック図である。このプロジェクタ1は、照明ランプ11、ランプ11からの照明光を、赤(R)、緑(G)、青(B)の光に分離する色光分離光学系12、分離された各色光がそれぞれ照射され所定の画像情報に従って画像を表示する液晶パネル13R,13G,13B、これらの各液晶パネルで生成された画像を合成するクロスダイックプリズム14、合成された画像を投写する投写レンズ3を備える。プロジェクタ1は、また、ランプ11を駆動するランプ駆動回路11A、液晶パネル13R,13G,13Bに画像情報を供給する画像処理回路13A、ランプ11および/または液晶パネル13R,13G,13Bに冷却用空気を供給するためのファン8、ファン8を駆動するためのファン駆動回路8A、音声を出力するスピーカ16、スピーカ16に音声情報を供給する音声処理回路16A、プロジェクタ1へ制御情報や表示データなどを入力するための入力装置を含むユーザーインターフェース17、各種の演算、判断、制御などを行う中央処理装置(CPU)18、演算や判断などを行うために必要なデータを一時的に記憶する揮発性メモリ19、CPU18を動作させるための各種プログラムや各種データを読み出し可能に記憶して保持する不揮発性メモリ20、ランプのクールダウン処理や防塵フィルタのクリーニング処理の処理時間を測定するタイマ21、および商用電源を取り込みそれを使用可能な状態に変圧などしてプロジェクタ1内の各回路や装置に必要な電力を供給する電源回路22を備える。
なお、ファン駆動回路8A、ランプ駆動回路11A、画像処理回路13A、音声処理回路16A、ユーザーインターフェース17、メモリ19,20、タイマ21、並びに電源回路22は、CPU18により制御される。
また、電源回路22からの各機器への電力供給をON/OFFする電源スイッチを備えてもよい。
【0024】
(ii)プロジェクタの光学系の構成および作用
図6は上記プロジェクタ1の光学系を示す構成図であり、この図6を参照しながら、その光学系の構成および作用を以下に説明する。
この光学系は、照明光学系30、色光分離光学系12、リレー光学系25、液晶パネル13R,13G,13B、色光合成のためのクロスダイクロイックプリズム14、および投写レンズ3などから構成されている。
【0025】
照明光学系30は、ランプ11、リフレクタ31、インテグレータレンズを構成する第1および第2レンズアレイ32,34、光の進行方向を調整する反射ミラー33、および重畳レンズ35とを備えている。なお、照明光の進行方向の調整が不要な構成の場合には反射ミラー33は不要である。
【0026】
第1レンズアレイ32は、略矩形状の輪郭を有する小レンズ321がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズ321は、ランプ11から入射された平行な光束を複数の(すなわちM×N個の)部分光束に分割し、各部分光束を第2レンズアレイ34の近傍で結像させる。各小レンズ321の輪郭の形状は、液晶パネル13R,13G,13Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。例えば、液晶パネルの画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスぺクト比も4:3に設定される。
また、第2レンズアレイ34も、第1レンズアレイ32の小レンズ321に対応して、小レンズ341がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。
【0027】
色光分離光学系12は、2枚のダイクロイックミラー41,42と反射ミラー43とを備え、照明光学系30の重畳レンズ35から出射される光を、赤、緑、青の3つの色光に分離する機能を有している。
リレー光学系25は、ダイクロイックミラー42からの透過光に対応する光路で、入射側レンズ54、反射ミラー71,72、およびリレーレンズ73を備えている。
【0028】
液晶パネル13R,13G,13Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたもので、クロスダイクロイックプリズム14の3側面と対向するように、クロスダイクロイックプリズム14に固定部材を介して接着固定されている。また、各液晶パネル13R,13G,13Bの光入出射面側には、入射側偏光板60R,60G,60Bが、そして光出射面側には出射側偏光板61R,61G,61Bがそれぞれ配置されている。
【0029】
クロスダイクロイックプリズム14は、赤、緑,青の3色の色光を合成してカラー画像を形成するもので、赤光を反射する誘電体多層膜と、青光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって上記3つの色光が合成される。そして、クロスダイクロイックプリズム14の出射面側に、投写レンズ3が配置されている。
【0030】
続いて、上記光学系の作用を説明する。ランプ11から射出された光はリフレクタ31で反射されて、第1および第2レンズアレイ32,34で構成されるインテグレータレンズに入る。インテグレータレンズは、第1レンズアレイ32の各レンズセルで形成される像を、第2レンズアレイ34および重畳レンズ35により各液晶パネル13R,13G,13Bの画像表示面に結像させることで、光の利用率を向上させかつ上記画像表示面の照明むらを改善する作用を果たす。重畳レンズ35を出た光は、続いて色光分離光学系12に入る。
【0031】
色光分離光学系12の第1ダイクロイックミラー41では、照明光学系30から出射された光束の赤色光成分を反射するとともに、青色光成分と緑色光成分とを透過させる。第1ダイクロイックミラー41によって反射した赤色光は、反射ミラー43を介して、フィールドレンズ51に入り、さらに赤色光用の液晶パネル13Rに達する。このフィールドレンズ51は、各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル13G,13Bの前に設けられたフィールドレンズ52,53も同様に作用する。
【0032】
第1ダイクロイックミラー41を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は第2ダイクロイックミラー42によって反射され、フィールドレンズ52を通って緑色光用の液晶パネル13Gに達する。一方、青色光は第2ダイクロイックミラー42を透過してリレー光学系25を通り、さらにフィールドレンズ53を通って青色光用の液晶パネル13Bに達する。
【0033】
色光分離光学系12で分離された赤、緑、青の各色光は、液晶パネル13R,13G,13Bに入射するにあたり、入射側偏光板60R,60G,60Bで特定の偏光光のみとされる。この後、各偏光光は、各液晶パネル13R,13G,13Bにおいて画像処理回路13Aより与えられた画像情報に従って変調され、出射側備光板61R,61G,61Bに出射される。この出射側偏光板61R,61G,61Bにおいては、変調光のうちの特定の偏光光のみが透過し、クロスダイクロイックプリズム14に入射する。そして、各色光はクロスダイクロイックプリズム14で合成されて合成光となり、投写レンズ3からスクリーンにカラー画像として投写される。
【0034】
なお、照明光学系30の所定位置、例えば、第2レンズアレイ34と重畳レンズ35との間に、ランプ11からのP偏光およびS偏光の双方を含む照明光を、その一方の偏光光に揃える偏光ビームスプリッタを配置すると、液晶パネル13R,13G,13Bにおいて、ランプ11から入射した光を無駄にすることなく、そのほぼ全てを利用することが可能となる。
【0035】
(iii)プロジェクタの作用
上記のプロジェクタ1は、そのランプスイッチ4がONされると、ランプ駆動回路11Aによりランプ11が点灯される。そして、ランプ11からの照明光を色光分離光学系12で赤(R)、緑(G)、青(B)の色光に分離させ、分離した各色光を画像のRGB信号のそれぞれに対応して設けられた液晶パネル13R,13G,13Bに照射する。そして、画像処理回路13Aから供給されたデータに基づく画像を液晶パネル13R,13G,13Bに表示させ、さらに、各液晶パネルの画像をクロスダイクロイックプリズム14で合成して、その合成画像を投写レンズ3からスクリーンなどに投写するようにしたものである。なお、その画像表示に合わせて、音声処理回路16Aからの音声情報に従ってスピーカ16から音声も出力される。
また、ランプスイッチ4がONされてランプ11が点灯している間、ファン駆動回路8Aはプロジェクタ内部の温度に対応してCPU18などにより自動的に制御されており、従って、ファン8の作動によりプロジェクタの内部は所定値以下の温度に維持される。
また、ランプスイッチ4がOFFされて消灯すると、予め定めた所定時間またはプロジェクタ内部が予め定めた所定温度になるまで、ファン8がファン駆動回路8Aにより駆動される、いわゆるランプクールダウン処理が実行される。そして、一定時間経過後または所定温度到達後にファン8が停止して冷却動作が終了する。
さらに、このファン8による冷却動作の終了に引き続いて、予め定めた所定時間、このファン8が冷却時とは逆方向に回転されて、筐体内部から除塵フィルタ6へ向けて送風が行なわれ、除塵フィルタ6の塵埃除去(クリーニング)が実行される。
【0036】
なお、照明ランプ11のクールダウン処理および防塵フィルタ6のクリーニング処理のための手順はプログラムの形で不揮発性メモリ20内に記憶されており、そのプログラムはCPU18によって動作される。
また、このプロジェクタにおいて、図2の吸気ファン駆動制御手段130、作動制御手段140、および自動停止手段160も、プログラムの形で不揮発性メモリ20内に備えられているものとする。そしてそこでは、防塵フィルタ6の塵埃を除去するための開始時や所要時間は、任意に設定変更が可能なようにプログラムされている。
【0037】
ところで、このプロジェクタにおいても、ファン8の逆回転を利用する代わりに、防塵フィルタ6のクリーニング処理専用の排気ファンを設けてもよい。
また、電源ON後、まず除塵フィルタ6のクリーニングを実行させ、その後、照明ランプ11を点灯させる用にしても良い。
【0038】
以上、上記実施形態では本発明をプロジェクタを例に説明したが、本発明の適用はそれに限られるものではなく、防塵フィルタを有する冷却機構を備えた各種電子機器に適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、冷却機構を構成する防塵フィルタに関して、頻繁な塵埃除去作用が行われるようになるため、その防塵フィルタが常に通気性の良い状態に保たれ、従って電子機器の冷却機構の冷却性能が良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタの上下反転した状態の外観斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係るプロジェクタの要部を示す略式内部構成図。
【図3】本発明の実施形態における防塵フィルタに付着した塵埃の除去作用説明図。
【図4】本発明の実施形態に係る防塵フィルタの塵埃除去装置のブロック構成図。
【図5】本発明の実施形態に係るプロジェクタのブロック構成図。
【図6】本発明の実施形態に係るプロジェクタの光学系構成図。
【符号の説明】
1 プロジェクタ
2 筐体
3 投写レンズ
5 通気孔
6 防塵フィルタ
8 ファン
8A ファン駆動回路
9 液晶パネル付き色光合成プリズム
11 照明ランプ
101 筐体
102 防塵フィルタ
103 吸気ファン
105 塵埃
120 ファン駆動装置(回路)
130 吸気ファン駆動制御手段
140 作動制御手段
150 操作部
160 自動停止手段
180 送風機構
200 塵埃除去装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタやパソコンなどの電子機器で採用されている冷却機構を構成している防塵フィルタに付着した埃塵の除去に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの電子機器では、その内部装置の発熱などによる温度上昇を防止するため、筐体に設けた通気孔から筐体内部に空気を取り入れて、発熱性装置や温度管理が必要な装置を冷却している。そして、それらのほとんどの場合、空気と一緒に塵埃が内部に入って不具合を引き起こすことが無いように、その通気孔には防塵フィルタが備えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、時間がたつにつれて防塵フィルタには塵埃が堆積するため、それは徐々に目詰まりを起こし通気性が悪化する。そこで、従来は、予め定めた時間の経過後に、その防塵フィルタを清掃若しくは交換する対策が取られていた。例えば、プロジェクタの場合には、所定使用時間経過後の投射用照明ランプ交換時に、併せて防塵フィルタも交換していた。このように、防塵フィルタを備えた冷却機構に本来の機能を十分に発揮させるためには、そこに用いられている防塵フィルタを頻繁に清掃若しくは交換することが必須となっていた。しかしながら、防塵フィルタを装置本体から取り外して清掃や交換を頻繁に実施することは現実的ではなく、従って、防塵フィルタの交換などの対応などでは、防塵フィルタを有した冷却機構の性能維持に関して少なからず問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、冷却機構を構成する防塵フィルタを装置本体から取り外すことなく頻繁にクリーニングし、好ましくは自動的にクリーニングし、防塵フィルタをできるだけ通気性の良い状態に保って冷却用空気の流れの障害とならないようし、冷却機構の冷却性能を維持することが可能な電子機器、並びにそのための防塵フィルタの塵埃方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に対処するため、以下のような構成を採用する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子機器は、筐体と、防塵フィルタ及び防塵フィルタを介して冷却用空気を筐体内部に取り込む吸気ファンを備え筐体内部に設置された装置を冷却する冷却機構と、防塵フィルタに付着した埃塵を除去する埃塵除去装置とを備えたものであって、埃塵除去装置は電子機器の電源がON状態で、かつ、筐体内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるとき、筐体内部の空気を防塵フィルタに向かって送風する送風機構を備えたものである。
また、本発明の送風機構は、前記吸気ファンを前記冷却空気取り込み時の回転方向と反対方向に回転させて排気ファンとして作用させる、吸気ファン駆動制御手段を備えることが好ましい。
さらにまた、本発明の送風機構は、筐体内部にあって防塵フィルタの近傍に設けられた送風ファンから構成してもよい。なお、送風機構としては、この送風ファンと前述の吸気ファンとを併用してもよい。
これらによれば、筐体内部から防塵フィルタへ送風された空気が防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るように作用して、防塵フィルタへ堆積される塵埃を除去することが可能となる。
【0006】
また、埃塵除去装置は、送風機構が所定の時間作動するように制御する作動制御手段を備えることが好ましい。
これによれば、電子機器の使用時には、必ず所定の時間、防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るクリーニング作業が実行されることになる。
また、埃塵除去装置は、送風機構の作動を任意に開始及び停止させる操作部が設けられていることが好ましい。
これによれば、防塵フィルタに堆積した塵埃が特に気になるような場合に、任意に埃塵除去を行うことが可能になる。
また、埃塵除去装置は、送風機構の作動を任意に開始させる操作部と、該操作部の操作で開始された送風機構の作動を所定時間経過後に自動停止させる自動停止手段を備えていることが好ましい。
これによれば、操作部の操作によって開始された送風機構の停止操作を行う必要がなく、また、停止操作を忘れても、送風機構は自動的に停止される。
【0007】
本発明の防塵フィルタ埃塵除去方法は、筐体と、防塵フィルタを介して筐体内部に設置された装置を冷却する冷却用空気を吸気ファンによって筐体内部に取り込む冷却機構と、防塵フィルタに付着した埃塵を除去する埃塵除去装置を備えた電子機器において、電子機器の電源がONされた後において、筐体内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるときに、埃塵除去装置に備えられた送風機構によって、筐体内部の空気を防塵フィルタに向かって送風させるものである。
また、送風機構による送風は、前記吸気ファンを吸気時とは反対方向に回転させ、それを排気ファンとして作用させることにより行うのが好ましい。
また、送風機構による送風は、筐体内部にあって防塵フィルタの近傍に設けた送風ファンによって行うのが好ましい。
このようにすると、筐体内部から防塵フィルタへ送風された空気が防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るように作用して、防塵フィルタへ堆積される塵埃を除去することが可能となる。
【0008】
また、埃塵除去装置による埃塵除去は、送風機構の作動時間を制御する作動制御手段によって、送風機構による送風を所定時間行うことが好ましい。
これによれば、電子機器の使用時には、必ず所定の時間、防塵フィルタに堆積した塵埃を取り去るクリーニング作業が実行されることになる。
また、埃塵除去装置による埃塵除去は、操作部の開始操作によって開始され、操作部の停止操作によって停止されることが好ましい。
これによれば、防塵フィルタに堆積した塵埃が気になるときに、任意に埃塵除去を行うことが可能になる。
また、埃塵除去装置による埃塵除去は、操作部の開始操作によって開始され、自動停止手段によって所定の時間経過後に自動停止されることが好ましい。
これによれば、操作部の操作によって作動された送風機構の停止操作を行う必要がなく、また、停止操作を怠ったときであっても、送風機構は自動的に停止される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔電子機器の冷却機構〕
以下、本発明の実施形態にかかる電子機器の冷却機構を図面に基づいて説明する。
図1は、プロジェクタ1の上下反転した状態の外観斜視図であり、図2は、プロジェクタ1の要部を示す略式内部構成図である。
図1および図2において、プロジェクタ1は、筐体2に設けられた通気孔5から吸気ファン8によって、外気を吸引し、吸引された空気は筐体1の内部の冷却を要する装置および/または機器を冷却した後、排気ファン(図示せず)によって排気孔(図示せず)から排気される。
その際、防塵フィルタ6は、空気に含まれている塵埃の、筐体1内への進入を防止する。従って、筐体1内への進入を妨げられた塵埃は、防塵フィルタ6の面に付着し堆積する。
通気孔5に配置された防塵フィルタ6に付着した埃塵は、後述する塵埃除去装置によって、除去される。
なお、上記では一つの吸気孔および一つの排気孔について説明したが、吸気孔および排気孔は適宜に複数設けることも可能である。
また、上記では、プロジェクタを例に挙げて電子機器の冷却機構の説明を行ったが、電子機器とはプロジェクタに限られない。
【0010】
〔塵埃除去装置の詳細な説明〕
図3は本発明の実施形態における防塵フィルタに付着した塵埃の除去作用を示す図である。図3において、電子機器の筐体101に形成された通気孔101Aと、該通気孔101A部に取り付けられた防塵フィルタ102と、筐体101の内部に配置され筐体内に冷却用空気を取り込む吸気ファン(このファンはファンの回転方向によって吸排作用が交換するファン)103とからなる冷却機構が、形成されている。
図3(a)は、吸気ファン103によって外気が筐体1内に吸引される様子を示している。電子機器の筐体101内部の冷却時は、吸気ファン103の正回転により、筐体101外部から防塵フィルタ102を介して、冷却用空気が筐体101内部に取り込まれる。その際、防塵フィルタ102は、空気に含まれている塵埃の、筐体101内への進入を防止する。符号105は、防塵フィルタ102により筐体101内への進入を妨げられ堆積した塵埃を示す。
図3(b)は、防塵フィルタ102に堆積した塵埃105の除去の様子を示している。ここでは、吸気ファン103を逆回転させて、筐体101内部から防塵フィルタ102に向かって送風することにより、防塵フィルタ102に堆積した塵埃105は、防塵フィルタ102から引き離されて取り除かれる。
【0011】
図4は本発明の実施形態に係る防塵フィルタ102の塵埃除去装置200のブロック構成図である。
防塵フィルタに堆積した塵埃を取り除くための送風機構180は、吸気ファン103と、吸気ファン103を作動させるファン駆動装置(または回路)120と、吸気ファン103の回転方向を切り換える吸気ファン駆動制御手段(装置またはプログラム)130とを備える。吸気ファン103は、通常は正回転して吸気を行うように設定されているものであり、所定の場合にだけ、例えば以下の作動制御手段140からの入力があった場合にのみ逆回転して排気ファンとして作用するものである。なお、ここでは、吸気ファン103が排気ファンとして設定された場合でも、その設定終了後は、再び吸気ファンとして作用できるよう、その回転方向が自動的に正方向に戻されるようになっているものとする。
作動制御手段(装置またはプログラム)140は、送風機構180の作動を開始し、および/または、予め定めた所定時間後、その作動を停止する機能を備える。
操作部150は、例えば手動入力によって、送風機構180の作動を任意に開始及び/または停止させることができる。
自動停止手段(装置またはプログラム)160は、操作部150の操作で開始された送風機構180の動作を、予め定めた所定時間後、自動停止させることができる。自動停止手段160は、作動制御手140に含めることも可能である。
なお、この段落で言及している、「予め定めた所定時間」は、プログラムなどで自由に設定できるもので、状況に応じて適宜に定めてよい。
【0012】
図3及び図4において、電子機器の電源がONされた直後、筐体101内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるとき、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
または/および、電子機器の電源ON後、筐体101内部に配置された装置が冷却用空気を必要とする直前に、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
または/および、電子機器の電源ON後、筐体101内部に配置された装置に冷却用空気が不要となった直後、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
および/または、電子機器の電源OFF直前に、作動制御手段140からの開始信号によって、送風機構180が防塵フィルタ102の塵埃除去を開始し、予め定めた所定時間後、作動制御手段140からの停止信号によって、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止する。
なお、電子機器の電源がON状態であって、かつ、筐体101内に配置された装置が冷却用空気を不要とする状態でる時間内であれば、適宜、作動制御手段140を介して、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を開始させ、所望時間後、作動制御手段140を介して、送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去を停止するように設定することができる。
【0013】
作動制御手段140および送風機構180を利用したる防塵フィルタ102の塵埃除去は、電子機器の電源ON状態であって、かつ、筐体101内に配置された装置が冷却用空気を不要とする状態である時間内に、最低1度または複数回行うように適宜設定してよい。
特に、電子機器を使用する度に、必ず最低一回は送風機構180が作用するように設定しておくことで、使用する都度防塵フィルタ102に堆積した塵埃105を除去することができ、常時良好に冷却空気の吸引が可能となる。
以上説明したような送風機構180による防塵フィルタ102の塵埃除去は、通常、電子機器内に備えられたプログラム及びCPUなどにより、自動的に行なわれる。
【0014】
これに加えて、操作部150を設け、その操作部150の操作によっても、任意の必要な時期に送風機構180の作動を開始及び停止させることで、予め設定された時間帯以外にも防塵フィルタ102のクリーニングを可能にしている。さらに、ここでは、操作部150による送風機構180の作動開始から予め定めた所定時間が経過すると、送風機構180の作動を自動的に停止させる自動停止手段160も備えている。この自動停止手段160は、操作部150からの停止入力作業を省き、作業の簡略化と、使用者の過失による送風機構180の動作切り忘れを防止することが可能である。しかし、操作部150を利用した停止操作により、塵埃除去中に随時あるいはただちに送風機構180を停止する事も可能としている。
作動制御手段140と操作部150とは、両方備わっている事が望ましいが、どちらか一方だけを備えるようにしてもかまわない。なお、自動停止装置160は任意に設けることができる。
【0015】
ところで、操作部150や自動停止装置160による送風機構180の作動制御は、作動制御装置140による送風機構180の作動制御に優先して行われるようにしておくのがよい。ただし、電子機器の冷却機構が、冷却用空気を取り込んで筐体101内部を冷却している間は、作動制御装置140及び操作部150からの送風機構180に対する作動開始の制御は不可能に設定して、防塵フィルタ102の除塵のための送風は、電子機器の冷却作用に対する障害とならない範囲で実行されるようにしておく。従って、送風機構180の作動は、電子機器の冷却機構の作用に対する障害とならない範囲で、各電子機器の使用環境などに応じて適宜設定することができる。
【0016】
また、防塵フィルタ102のクリーニングのためにのみ、電子機器の電源をONすることは煩わしいので、そのクリーニング時期は、何らかのかたちで電子機器の本来の目的の使用または動作時に関連させておくのが好ましい。さらに、電子機器の本来の目的の使用または動作に関連させて防塵フィルタ102をクリーニングする場合、そのクリーニングのための所要時間は適宜決定して良いが、利用者の待ち時間を考慮すると、30秒以内とするのが好ましい。
【0017】
上記送風機構180では、防塵フィルタ102を除塵するために防塵フィルタ102へ空気を送る手段として、電子機器の冷却機構を構成する吸気ファン103を利用したが、それに代えて、またはそれと共に、筐体101内部の防塵フィルタ102近傍に、防塵フィルタ102へ向けて送風を行う排気ファン(図示せず)を別途備えるようにしても良い。なお、塵埃除去のための送風に吸気ファンを用いない場合には、吸気ファン駆動制御手段130は不要となり、送風機構180は、排気ファンと、排気ファンを作動させるファン駆動装置(または回路)120とを備える構成となる。
【0018】
ここで、防塵フィルタ102について少し説明しておく。防塵フィルタ102は、例えば、多数の開口が形成されたフィルタ枠に多孔性の樹脂などからなるフィルタ本体をはめ込んで構成されている。このような防塵フィルタ102が、電子機器の筐体に形成された通気孔に配置されて、塵埃が冷却用空気と一緒に機器内に入るのを防ぐ除塵作用を果たしている。
なお、上記の塵埃除去装置200を備えた電子機器にあっても、冷却機構を構成する防塵フィルタ102は交換可能に配置して、必要な場合には新たなフィルタと交換できるようにしておくことが望ましい。
【0019】
〔プロジェクタ〕
次に、上記の塵埃除去装置200をプロジェクタに適用した一例を示す。プロジェクタは投射用照明ランプを備えており、プロジェクタの使用に関連してこのランプがON/OFFされる。また、照明ランプは点灯により高温となる。従って、照明ランプの点灯中はその冷却が必要となるため、プロジェクタにあっては、このランプ゜の点灯に先だって、またはランプ゜の消灯の後に、或いはそれらの両方の場合に、防塵フィルタのクリーニングを行うように設定するのがよい。
【0020】
また、プロジェクタによっては、投射用照明ランプの消灯後に、吸気ファンをいきなりOFFさせることなく、所定時間または照明ランプが所定温度になるまでそれを駆動させて、照明ランプをクールダウンさせる設定のものがある。そのようなプロジェクタにあっては、吸気ファンのクールダウン動作終了後、吸気ファンを吸気時とは逆に一定時間回転させる、または専用に設けた排気ファンを一定時間駆動させて、防塵フィルタをクリーニングさせるようにしてもよい。
なお、上記実施形態において、防塵フィルタのクリーニングは、予め設定したプログラムに従って、コンピュータ制御により自動的に行なわれるようにするものとする。なお、そのプログラムにおいて、防塵フィルタのクリーニングの時期や時間は、適宜に変更可能にしておくものとする。
【0021】
以下では、上記塵埃除去装置を備えたプロジェクタについて、さらに詳細に説明する。
(i)プロジェクタの主な構成
図1は、上下反転した状態の本発明の実施形態に係るプロジェクタ1の外観斜視図、図2は本発明の実施形態に係るプロジェクタの要部を示す略式内部構成図である。
このプロジェクタ1は、その各構成要素が外装ケース2に収納されてなり、外装ケース2の前面には、投写レンズ3が配置されている。また、外装ケース2の底面(図1では上側面がそれに相当する)には、プロジェクタ1の内部に冷却用空気を取り込む通気孔5が形成されている。この通気孔5の部分は本体からネジなどで取り外しできるようにして、その内側に配置した防塵フィルタ6が交換可能となっている。
外装ケース2の上面(図1では図示されていない下側面がそれに相当する)には、内部に配置された光源をON/OFFするランプスイッチ、光源のON状態を表示するランプON表示LED、光源のクールダウン処理が実行中であることを示すクールダウンON表示LED、防塵フィルタのクリーニング処理が実行中であることを示すフィルタクリーニングON表示LEDなどが配置されている。さらに、プロジェクタ1には、AC100Vなどの商用電源との接続に供されるインレットが備えられ、後述する電源回路に接続されている。
【0022】
筐体2の前部に配した投写レンズ3の手前に、光変調装置としての液晶パネルを取り付けた色光合成プリズム9が備えられている。この液晶パネル付き色光合成プリズム9に対応する筐体2の底部には通気孔5が形成され、その通気孔5には防塵フィルタ6が併設されている。また、液晶パネル付き色光合成プリズム9と防塵フィルタ6との間には、筐体2の内部に冷却用空気を導入する正逆回転可能なファン8が配置されている。
【0023】
図5は本発明の実施形態に係るプロジェクタの主な構成を示すブロック図である。このプロジェクタ1は、照明ランプ11、ランプ11からの照明光を、赤(R)、緑(G)、青(B)の光に分離する色光分離光学系12、分離された各色光がそれぞれ照射され所定の画像情報に従って画像を表示する液晶パネル13R,13G,13B、これらの各液晶パネルで生成された画像を合成するクロスダイックプリズム14、合成された画像を投写する投写レンズ3を備える。プロジェクタ1は、また、ランプ11を駆動するランプ駆動回路11A、液晶パネル13R,13G,13Bに画像情報を供給する画像処理回路13A、ランプ11および/または液晶パネル13R,13G,13Bに冷却用空気を供給するためのファン8、ファン8を駆動するためのファン駆動回路8A、音声を出力するスピーカ16、スピーカ16に音声情報を供給する音声処理回路16A、プロジェクタ1へ制御情報や表示データなどを入力するための入力装置を含むユーザーインターフェース17、各種の演算、判断、制御などを行う中央処理装置(CPU)18、演算や判断などを行うために必要なデータを一時的に記憶する揮発性メモリ19、CPU18を動作させるための各種プログラムや各種データを読み出し可能に記憶して保持する不揮発性メモリ20、ランプのクールダウン処理や防塵フィルタのクリーニング処理の処理時間を測定するタイマ21、および商用電源を取り込みそれを使用可能な状態に変圧などしてプロジェクタ1内の各回路や装置に必要な電力を供給する電源回路22を備える。
なお、ファン駆動回路8A、ランプ駆動回路11A、画像処理回路13A、音声処理回路16A、ユーザーインターフェース17、メモリ19,20、タイマ21、並びに電源回路22は、CPU18により制御される。
また、電源回路22からの各機器への電力供給をON/OFFする電源スイッチを備えてもよい。
【0024】
(ii)プロジェクタの光学系の構成および作用
図6は上記プロジェクタ1の光学系を示す構成図であり、この図6を参照しながら、その光学系の構成および作用を以下に説明する。
この光学系は、照明光学系30、色光分離光学系12、リレー光学系25、液晶パネル13R,13G,13B、色光合成のためのクロスダイクロイックプリズム14、および投写レンズ3などから構成されている。
【0025】
照明光学系30は、ランプ11、リフレクタ31、インテグレータレンズを構成する第1および第2レンズアレイ32,34、光の進行方向を調整する反射ミラー33、および重畳レンズ35とを備えている。なお、照明光の進行方向の調整が不要な構成の場合には反射ミラー33は不要である。
【0026】
第1レンズアレイ32は、略矩形状の輪郭を有する小レンズ321がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズ321は、ランプ11から入射された平行な光束を複数の(すなわちM×N個の)部分光束に分割し、各部分光束を第2レンズアレイ34の近傍で結像させる。各小レンズ321の輪郭の形状は、液晶パネル13R,13G,13Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。例えば、液晶パネルの画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスぺクト比も4:3に設定される。
また、第2レンズアレイ34も、第1レンズアレイ32の小レンズ321に対応して、小レンズ341がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。
【0027】
色光分離光学系12は、2枚のダイクロイックミラー41,42と反射ミラー43とを備え、照明光学系30の重畳レンズ35から出射される光を、赤、緑、青の3つの色光に分離する機能を有している。
リレー光学系25は、ダイクロイックミラー42からの透過光に対応する光路で、入射側レンズ54、反射ミラー71,72、およびリレーレンズ73を備えている。
【0028】
液晶パネル13R,13G,13Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたもので、クロスダイクロイックプリズム14の3側面と対向するように、クロスダイクロイックプリズム14に固定部材を介して接着固定されている。また、各液晶パネル13R,13G,13Bの光入出射面側には、入射側偏光板60R,60G,60Bが、そして光出射面側には出射側偏光板61R,61G,61Bがそれぞれ配置されている。
【0029】
クロスダイクロイックプリズム14は、赤、緑,青の3色の色光を合成してカラー画像を形成するもので、赤光を反射する誘電体多層膜と、青光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって上記3つの色光が合成される。そして、クロスダイクロイックプリズム14の出射面側に、投写レンズ3が配置されている。
【0030】
続いて、上記光学系の作用を説明する。ランプ11から射出された光はリフレクタ31で反射されて、第1および第2レンズアレイ32,34で構成されるインテグレータレンズに入る。インテグレータレンズは、第1レンズアレイ32の各レンズセルで形成される像を、第2レンズアレイ34および重畳レンズ35により各液晶パネル13R,13G,13Bの画像表示面に結像させることで、光の利用率を向上させかつ上記画像表示面の照明むらを改善する作用を果たす。重畳レンズ35を出た光は、続いて色光分離光学系12に入る。
【0031】
色光分離光学系12の第1ダイクロイックミラー41では、照明光学系30から出射された光束の赤色光成分を反射するとともに、青色光成分と緑色光成分とを透過させる。第1ダイクロイックミラー41によって反射した赤色光は、反射ミラー43を介して、フィールドレンズ51に入り、さらに赤色光用の液晶パネル13Rに達する。このフィールドレンズ51は、各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル13G,13Bの前に設けられたフィールドレンズ52,53も同様に作用する。
【0032】
第1ダイクロイックミラー41を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は第2ダイクロイックミラー42によって反射され、フィールドレンズ52を通って緑色光用の液晶パネル13Gに達する。一方、青色光は第2ダイクロイックミラー42を透過してリレー光学系25を通り、さらにフィールドレンズ53を通って青色光用の液晶パネル13Bに達する。
【0033】
色光分離光学系12で分離された赤、緑、青の各色光は、液晶パネル13R,13G,13Bに入射するにあたり、入射側偏光板60R,60G,60Bで特定の偏光光のみとされる。この後、各偏光光は、各液晶パネル13R,13G,13Bにおいて画像処理回路13Aより与えられた画像情報に従って変調され、出射側備光板61R,61G,61Bに出射される。この出射側偏光板61R,61G,61Bにおいては、変調光のうちの特定の偏光光のみが透過し、クロスダイクロイックプリズム14に入射する。そして、各色光はクロスダイクロイックプリズム14で合成されて合成光となり、投写レンズ3からスクリーンにカラー画像として投写される。
【0034】
なお、照明光学系30の所定位置、例えば、第2レンズアレイ34と重畳レンズ35との間に、ランプ11からのP偏光およびS偏光の双方を含む照明光を、その一方の偏光光に揃える偏光ビームスプリッタを配置すると、液晶パネル13R,13G,13Bにおいて、ランプ11から入射した光を無駄にすることなく、そのほぼ全てを利用することが可能となる。
【0035】
(iii)プロジェクタの作用
上記のプロジェクタ1は、そのランプスイッチ4がONされると、ランプ駆動回路11Aによりランプ11が点灯される。そして、ランプ11からの照明光を色光分離光学系12で赤(R)、緑(G)、青(B)の色光に分離させ、分離した各色光を画像のRGB信号のそれぞれに対応して設けられた液晶パネル13R,13G,13Bに照射する。そして、画像処理回路13Aから供給されたデータに基づく画像を液晶パネル13R,13G,13Bに表示させ、さらに、各液晶パネルの画像をクロスダイクロイックプリズム14で合成して、その合成画像を投写レンズ3からスクリーンなどに投写するようにしたものである。なお、その画像表示に合わせて、音声処理回路16Aからの音声情報に従ってスピーカ16から音声も出力される。
また、ランプスイッチ4がONされてランプ11が点灯している間、ファン駆動回路8Aはプロジェクタ内部の温度に対応してCPU18などにより自動的に制御されており、従って、ファン8の作動によりプロジェクタの内部は所定値以下の温度に維持される。
また、ランプスイッチ4がOFFされて消灯すると、予め定めた所定時間またはプロジェクタ内部が予め定めた所定温度になるまで、ファン8がファン駆動回路8Aにより駆動される、いわゆるランプクールダウン処理が実行される。そして、一定時間経過後または所定温度到達後にファン8が停止して冷却動作が終了する。
さらに、このファン8による冷却動作の終了に引き続いて、予め定めた所定時間、このファン8が冷却時とは逆方向に回転されて、筐体内部から除塵フィルタ6へ向けて送風が行なわれ、除塵フィルタ6の塵埃除去(クリーニング)が実行される。
【0036】
なお、照明ランプ11のクールダウン処理および防塵フィルタ6のクリーニング処理のための手順はプログラムの形で不揮発性メモリ20内に記憶されており、そのプログラムはCPU18によって動作される。
また、このプロジェクタにおいて、図2の吸気ファン駆動制御手段130、作動制御手段140、および自動停止手段160も、プログラムの形で不揮発性メモリ20内に備えられているものとする。そしてそこでは、防塵フィルタ6の塵埃を除去するための開始時や所要時間は、任意に設定変更が可能なようにプログラムされている。
【0037】
ところで、このプロジェクタにおいても、ファン8の逆回転を利用する代わりに、防塵フィルタ6のクリーニング処理専用の排気ファンを設けてもよい。
また、電源ON後、まず除塵フィルタ6のクリーニングを実行させ、その後、照明ランプ11を点灯させる用にしても良い。
【0038】
以上、上記実施形態では本発明をプロジェクタを例に説明したが、本発明の適用はそれに限られるものではなく、防塵フィルタを有する冷却機構を備えた各種電子機器に適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、冷却機構を構成する防塵フィルタに関して、頻繁な塵埃除去作用が行われるようになるため、その防塵フィルタが常に通気性の良い状態に保たれ、従って電子機器の冷却機構の冷却性能が良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタの上下反転した状態の外観斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係るプロジェクタの要部を示す略式内部構成図。
【図3】本発明の実施形態における防塵フィルタに付着した塵埃の除去作用説明図。
【図4】本発明の実施形態に係る防塵フィルタの塵埃除去装置のブロック構成図。
【図5】本発明の実施形態に係るプロジェクタのブロック構成図。
【図6】本発明の実施形態に係るプロジェクタの光学系構成図。
【符号の説明】
1 プロジェクタ
2 筐体
3 投写レンズ
5 通気孔
6 防塵フィルタ
8 ファン
8A ファン駆動回路
9 液晶パネル付き色光合成プリズム
11 照明ランプ
101 筐体
102 防塵フィルタ
103 吸気ファン
105 塵埃
120 ファン駆動装置(回路)
130 吸気ファン駆動制御手段
140 作動制御手段
150 操作部
160 自動停止手段
180 送風機構
200 塵埃除去装置
Claims (12)
- 筐体と、
防塵フィルタ及び該防塵フィルタを介して冷却用空気を前記筐体内部に取り込む吸気ファンを備え前記筐体内部に設置された装置を冷却する冷却機構と、
前記防塵フィルタに付着した埃塵を除去する埃塵除去装置とを備えた電子機器であって、
前記埃塵除去装置は、電子機器の電源がON状態であって、かつ、前記筐体内部に設置された装置が冷却用空気を不要とする状態であるとき、前記筐体内部の空気を前記防塵フィルタに向かって送風する送風機構を備えることを特徴とする電子機器。 - 前記送風機構は、前記吸気ファンを前記冷却空気取り込み時の回転方向と反対方向に回転させて排気ファンとして作用させる、吸気ファン駆動制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 前記送風機構は、前記筐体内部にあって前記防塵フィルタ近傍に設けられた送風ファンを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
- 前記埃塵除去装置は、前記送風機構が所定の時間作動するように制御する作動制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器。
- 前記埃塵除去装置は、前記送風機構の作動を任意に開始及び停止させる操作部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子機器。
- 前記埃塵除去装置は、前記送風機構の作動を任意に開始させる操作部と、前記操作部の操作で開始された前記送風機構の作動を所定時間経過後に自動停止させる自動停止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子機器。
- 筐体と、防塵フィルタを介して前記筐体内部に設置された装置を冷却する冷却用空気を吸気ファンによって前記筐体内部に取り込む冷却機構と、前記防塵フィルタに付着した埃塵を除去する埃塵除去装置を備えた電子機器における、防塵フィルタの埃塵除去方法であって、
前記電子機器の電源がONされた後において、前記筐体内部に設置された装置が前記冷却用空気を不要とする状態であるときに、前記埃塵除去装置に備えられた送風機構によって、前記筐体内部の空気を前記防塵フィルタに向かって送風させることを特徴とするフィルタ埃塵除去方法。 - 前記送風機構による送風は、前記吸気ファンを吸気時とは反対方向に回転させ、排気ファンとして作用させることにより行うことを特徴とする請求項7記載のフィルタ埃塵除去方法。
- 前記送風機構による送風は、前記筐体内部にあって前記防塵フィルタの近傍に設けられた送風ファンによって行うことを特徴とする請求項7または8に記載のフィルタ埃塵除去方法。
- 前記埃塵除去装置による埃塵除去は、前記送風機構の作動時間を制御する作動制御手段によって所定の時間行うことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のフィルタ埃塵除去方法。
- 前記埃塵除去装置による埃塵除去は、操作部の開始操作によって開始され、前記操作部の停止操作によって停止されることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のフィルタ埃塵除去方法。
- 前記埃塵除去装置による埃塵除去は、操作部の開始操作によって開始され、自動停止手段によって所定の時間経過後に自動停止されることを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載のフィルタ埃塵除去方法。
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