JP2004029128A - 画像形成装置、シート格納装置、シート挿入装置、画像形成システム、ジョブ開始制御方法、シート挿入制御方法、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入手段が他のジョブに関わる出力シートの挿入動作を実行中の場合でも実行中のジョブが終了次第、自動的に次のジョブを開始可能とし、シートの誤挿入を防止し、正常なシート混交制御を可能とし、挿入手段に対する格納手段の装着ミスをなくすことを可能とする。
【解決手段】カラーMFP104又は白黒MFP105のCPUは、インサータ108に任意のスタッカトレイが装着されシートの挿入ジョブの実行中にインサータ108に別のスタッカトレイが装着された事を検知した場合、装着された別のスタッカトレイの記憶装置1202の格納情報に基づき、実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始する制御を行い、スタッカトレイがインサータ108に装着された事に応じ記憶装置1202から格納情報を読出し、格納情報と装置情報が一致しない場合にインサータ108の挿入動作を禁止する制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】カラーMFP104又は白黒MFP105のCPUは、インサータ108に任意のスタッカトレイが装着されシートの挿入ジョブの実行中にインサータ108に別のスタッカトレイが装着された事を検知した場合、装着された別のスタッカトレイの記憶装置1202の格納情報に基づき、実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始する制御を行い、スタッカトレイがインサータ108に装着された事に応じ記憶装置1202から格納情報を読出し、格納情報と装置情報が一致しない場合にインサータ108の挿入動作を禁止する制御を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに画像形成を行う画像形成装置、シートを格納するシート格納装置、複数のシート格納装置が着脱可能に装着されるシート挿入装置、複数の画像形成装置及び外部装置をネットワーク接続した画像形成システム、ジョブ開始制御方法、シート挿入制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネットワークにカラー画像形成装置(カラー複写装置)や白黒画像形成装置(白黒複写装置)が接続されたシステムにおいて、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数原稿の画像を複写してプリントアウトする場合、ユーザはカラー複写装置にて複数原稿の画像すべてをプリントアウトさせることで、カラーページと白黒ページが混在するプリント結果を得ていた。
【0003】
一方、カラー複写装置は白黒複写装置よりも画像形成処理に時間がかかり、コストもかかるので、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数原稿のなかで白黒原稿だけは白黒複写装置にてプリントアウトさせたいという要望がある。そこで、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数原稿の画像を複写してプリントアウトする場合において、白黒原稿は白黒複写装置にてプリントアウトさせ、カラー原稿はカラー複写装置にてプリントアウトさせることが考えられる。
【0004】
この場合、白黒複写装置にてプリントアウトさせた記録紙とカラー複写装置にてプリントアウトさせた記録紙を元の複数原稿のように1つにまとめるには、ユーザが一方の複写装置で出力させた記録紙と記録紙の間にもう一方の複写装置で出力させた記録紙をインサート(中差し)し、手作業でページ順を整えなければならなかった。
【0005】
このように、複数の画像をプリントアウトしたものを1つの資料にしたいときには、コンピュータ上で処理できない部分があり、プリントアウトされたものをユーザが机の上に広げて手作業しなければならず、効率が悪くこの点の省力化が望まれる。
【0006】
これを改善するための手段として、カラーMFP(マルチファンクション周辺機器)のカラー出力紙を一旦格納するためのスタッカトレイ(格納手段)と、カラー白黒混交を行う際に白黒MFPにおいて白黒出力紙にカラー出力紙をインサートするためのインサートトレイ(再給紙手段)を共通化し(以後スタッカトレイと呼ぶ)、出力速度の点で劣るカラーMFPでプリントされたカラー出力紙をスタッカトレイに積載・格納し、そのスタッカトレイを白黒MFPのインサート装置(インサータ)に装着することで、カラー出力紙を再給紙し、混交制御する方法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては次のような課題があった。画像形成装置によりカラー画像と白黒画像との混交を行う場合、カラー白黒混交を行うための諸情報、つまりジョブナンバー、混交する画像形成装置の指定、用紙サイズ、部数、積載状態、マテリアル(普通紙や厚紙などの用紙種類)などの情報をコンピュータの操作部などを用いて設定し、その設定に基づき、カラー原稿の情報を、ネットワークに接続されているサーバからダウンロードしたり画像形成装置内の記憶手段から読み出すことでカラー画像を形成し、カラー画像と白黒画像との混交動作を行うものである。そのため、ユーザの入力ミスによるミスコピーの発生や、複雑な設定による煩わしさが伴い、未だにユーザにとっては大きな負担となっている。特に、ネットワークを介して複数台の白黒/カラ−画像形成装置が接続されている場合のインサータ装置の設置ミスは、大量のミスコピーと大きなダウンタイムの発生をもたらす。
【0008】
また、近年では、少量ロットで且つ多様化するカラー白黒混交ジョブへの要求が高まり、それに伴い大容量で単一のスタッカトレイのみで処理をするのでは、大型のスタッカトレイが数多く必要となり効率的でない。そこで、スタッカトレイを小型化し、スタッカ装置(インサート装置)に複数のスタッカトレイを装着可能とすることで、ユーザの要求ごとにスタッカトレイを使い分けることが可能となり、少量ロットのジョブの生産性を向上できる構成が有効となってきている。
【0009】
この場合、複数のスタッカトレイを管理し使い分けすることで、用紙の出力場所として、所望の画像形成装置のインサート装置に設定すると共に所望の出力段に間違いなく設定することが必須となってくる。その結果、スタッカトレイが単一の場合よりも、上述したようなユーザの煩わしさが増加し、設定ミスや設置ミスによるミスコピーの頻度が上昇し、ユーザの負担は大きくなる。更に、複数トレイになることで、ジョブを実行していないトレイの予約の操作が可能となり、複雑な設定が増えることが予想される。更に、複数のユーザが画像形成装置及びインサート装置を共有する場合は、設定ミスや設置ミスによる煩わしさやダウンタイムが増加することは言うまでもない。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、挿入手段が他のジョブに関わる出力シートの挿入動作を実行中の場合でも、実行中のジョブが終了次第、自動的に次のジョブを開始可能とし、シートの誤挿入を防止し、正常なシート混交制御を可能とし、挿入手段に対する格納手段の装着ミスをなくすことを可能とした画像形成装置、シート格納装置、シート挿入装置、画像形成システム、ジョブ開始制御方法、シート挿入制御方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、シートに画像を形成する画像形成手段を有し、シートを格納すると共にシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段を着脱可能な挿入手段が付設される画像形成装置であって、前記挿入手段に前記格納手段が装着されたことに応じて、前記格納情報に基づき、前記格納手段に格納されたシートを前記挿入手段により前記画像形成手段で画像形成されたシートに挿入する動作を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、前記挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、前記装着された別の格納手段の前記格納情報に基づき、前記実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、シートに画像を形成する画像形成手段を有し、シートを格納すると共にシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段を着脱可能な挿入手段が付設される画像形成装置であって、前記複数の格納手段のそれぞれを、前記格納手段に格納されたシートを前記画像形成手段で画像形成されたシートに挿入する前記挿入手段が備える複数の装着個所それぞれに共通に使用することが可能であり、前記画像形成装置に関する装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、前記格納手段が前記挿入手段に装着されたことに応じて前記格納情報記憶手段から前記格納情報を読み出し、前記格納情報と前記装置情報が一致しない場合に前記挿入手段の挿入動作を禁止する制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、外部装置からネットワークを介して送信された画像形成ジョブを複数の画像形成装置により分散してシートに画像を形成する画像形成システムであって、第一の画像形成装置で画像形成された出力シートを格納すると共に前記出力シートに関する格納情報を書き込み・読み出し可能な格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段と、前記複数の格納手段を着脱可能で且つ前記格納手段に格納された出力シートを第二の画像形成装置で画像形成された出力シートに挿入する挿入手段と、前記第二の画像形成装置に付設した前記挿入手段に前記格納手段が装着されたことに応じて、前記格納手段の前記格納情報に基づき前記挿入手段の前記挿入動作を制御することで前記画像形成ジョブを実行する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、前記挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、前記装着された別の格納手段の前記格納情報に基づき、前記実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
<システムの概要>
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成ネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。画像形成ネットワークシステムは、例えば、出力紙排出側にスタッカ107が付設されたMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)としてのカラー画像形成装置104、出力紙排出側にインサータ108及び大容量スタッカ109が付設されたMFPとしての白黒画像形成装置105、サーバとしてのコンピュータ102、クライアントとしてのコンピュータ103a、コンピュータ103bをネットワーク101により接続した構成となっている。尚、本図には図示していないが、ネットワーク101上には上記以外の画像形成装置を始め、スキャナ、プリンタ、ファクシミリなどの他の機器も接続されている。また、本図には図示していないが、ネットワーク101上には上記以外のクライアントが多数接続されており、以下クライアントを代表して103と表記する。
【0016】
カラー画像形成装置104は、フルカラーでスキャン及びプリントなどが可能なカラーMFPであり、その出力紙はカラー画像形成装置104に付設されたスタッカ107内に例えば上下2段に装着されたスタッカトレイ1207、1208に順次積載、格納される。尚、カラー画像形成装置104には後述するようにインサータ108を付設することも可能である。白黒画像形成装置105は、モノクロでスキャン及びプリントなどが可能な白黒MFPであり、その出力紙は白黒画像形成装置105に付設されたインサータ108及び大容量スタッカ109内のスタッカトレイ1207、1208に順次積載、格納される。
【0017】
スタッカトレイ1207、1208に優先度が決められている場合や優先度が設定されている場合は、その優先度に従いスタッカトレイが選択され、順次積載される。ジョブが終了した時点で次のジョブの予約があれば、速やかにスタッカトレイの段設定(図示例では上の段か下の段かを示す設定)を変更し、前ジョブとは異なるスタッカトレイに積載を開始する。また、ユーザの設定によっては、同一のスタッカトレイに積載する場合もある。ここで、本実施の形態ではスタッカトレイの構成の一例として2段の構成としているが、それ以上の複数段でも構わない。
【0018】
また、スタッカトレイ1207、1208は、スタッカ107、インサータ108、大容量スタッカ109に対し装着及び取り外しが可能であり、カラー画像形成装置104で画像形成したカラー出力紙が積載されたスタッカトレイ1207をインサータ108に装着することで、白黒画像形成装置105はカラー出力紙及び白黒出力紙を混交することが可能なシステムとなり、混交された出力紙はオフラインの後処理用のバケットに排出され、図示しない後処理装置により製本等が実行される。
【0019】
コンピュータ103上では、いわゆるDTP(Desk Top Publishing:デスクトップパブリッシング)を実行するアプリケーションソフトウェアを動作させることで、各種文書/図形を作成/編集することができる。コンピュータ103は、作成された文書/図形をPDL言語(Page Description Language:ページ記述言語)に変換し、ネットワーク101を経由してMFP104、105に送ることで、MFP104、105でプリントアウトされる。MFP104、105は、それぞれ、コンピュータ102、103とネットワーク101を介して情報交換できる通信手段を有しており、MFP104、105の情報や状態をコンピュータ102、103側に逐次知らせる仕組みとなっている。更に、コンピュータ102、103は、その情報を受けて動作するユーティリティソフトウェアを有しており、MFP104、105をコンピュータ102、103により管理することができる。
【0020】
<MFP104、105の構成>
次に、図2〜図12を用いてMFP104、105の構成を説明する。但し、MFP104とMFP105の差はフルカラーとモノクロの差であり、色処理以外の部分ではフルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多いため、ここではフルカラー機器に絞って説明し、必要に応じて随時モノクロ機器の説明を加えることとする。
【0021】
MFP104、105は、図2に示すように、画像読み取りを行うスキャナ部201、その画像データを画像処理する画像処理部(IP部:Image Processing)202、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部203、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやり取りするNIC(Network Interface Card:ネットワークインタフェースカード)部204、コンピュータ103から送られてきたページ記述言語(PDL)を画像信号に展開するPDL部205、経路の切り替え及び画像データの圧縮/伸長を行うコア部206、コア部206から出力された画像データをレーザビームに変換するPWM(Pulse Width Modulation)部207、シートに画像形成を行うプリンタ部208、コア部206から出力された画像データを変換し表示するディスプレイ部210を有する。
【0022】
MFP104、105の使い方に応じてコア部206で画像信号を一時保存したり、経路を決定する。次に、コア部206から出力された画像データは、画像形成を行うプリンタ部208に送られる。プリンタ部208でプリントアウトされたシートはスタッカ107へ送り込まれ、順次積載される。また、ディスプレイ部210は、画像をプリントせずに画像の内容を確認したり、プリントする前に画像の様子を確認したりする(プレビュー)ために用いられる。
【0023】
<スキャナ部201の構成>
図3を用いてスキャナ部201の構成を説明する。原稿台ガラス301は、読み取られるべき原稿302が置かれる。原稿302は照明ランプ303により照射され、その反射光は第1ミラーユニット310のミラー304、第2ミラーユニット311のミラー305、306を経て、レンズ307によりCCDセンサ308上に結像される。ミラー304、照明ランプ303を含む第1ミラーユニット310は移動機構により速度Vで移動し、ミラー305、306を含む第2ミラーユニット311は移動機構により速度(1/2)Vで移動することにより、原稿302の全面を走査する。第1ミラーユニット310及び第2ミラーユニット311はモータ309により駆動する。
【0024】
<画像処理部202の構成>
図4を用いてIP部(画像処理部)202の構成を説明する。スキャナ部201で入力された光学的信号は、CCDセンサ308により電気信号に変換される。このCCDセンサ308はR(赤)、G(緑)、B(青)3ラインのカラーセンサであり、R、G、Bそれぞれの画像信号としてIP部(画像処理部)202のA/D変換部401に入力される。A/D変換部401でゲイン調整、オフセット調整をされた後、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R0、G0、B0に変換される。その後、シェーディング補正部402で色毎に、基準白色板の読み取り信号を用いた公知のシェーディング補正が施される。更に、CCDセンサ308の各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、ラインディレイ調整回路(ライン補間部)403において、副走査方向の空間的ずれが補正される。
【0025】
次に、入力マスキング部404は、CCDセンサ308のR、G、Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSC(National Television System Committee)の標準色空間に変換する部分であり、CCDセンサ308の感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0、G0、B0)信号を標準的な(R、G、B)信号に変換する。更に、輝度/濃度変換部(LOG変換部)405は、ルックアップテーブル(LUT)RAMにより構成されており、R、G、Bの輝度信号がC1、M1、Y1の濃度信号になるように変換する。
【0026】
出力マスキング/UCR回路部406は、M1、C1、Y1信号を画像形成装置のトナー色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)信号にマトリクス演算を用いて変換する部分であり、CCDセンサ308で読み込まれたR、G、B信号に基づいたC1、M1、Y1、K1信号をトナーの分光分布特性に基づいたCMYK信号に補正して出力する。次に、ガンマ変換部407にて、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのCMYKデータに変換し、空間フィルタ408では、CMYKデータにシャープネスまたはスムージングを施した後、画像信号はコア部206へと送られる。
【0027】
MFP105によりモノクロの画像処理を行う場合には、単色の1ラインCCDセンサを用いて、単色でA/D変換、シェーディングを行った後、入出力マスキング処理、ガンマ変換処理、空間フィルタ処理の順で処理しても構わない。
【0028】
<FAX部203の構成>
図5を用いてFAX部203の構成を説明する。まず、受信時には、電話回線から来たデータをNCU部501で受け取り電圧の変換を行い、モデム部502内の復調部504でA/D変換及び復調操作を行った後、伸張部506でラスタデータに展開する。一般にFAXでの圧縮伸張にはランレングス法などが用いられる。ラスタデータに変換された画像は、メモリ部507に一時保管され、画像データに転送エラーがないことを確認後、コア部206へ送られる。次に、送信時には、コア部206よりやってきたラスタイメージの画像信号に対して、圧縮部505でランレングス法などの圧縮を施し、モデム部502内の変調部503でD/A変換及び変調操作を行った後、NCU部501を介して電話回線へと送られる。
【0029】
<NIC部204の構成>
図6を用いてNIC部204の構成を説明する。ネットワーク101に対してのインタフェースの機能を持つのが、このNIC部204であり、例えば10Base−T/100Base−TXなどのEthernet(登録商標)ケーブルなどを利用して外部からの情報を入手したり、外部へ情報を流す役割を果たす。
【0030】
外部より情報を入手する場合は、まず、トランス部601で情報を電圧変換し、LANコントローラ部602に送る。LANコントローラ部602は、その内部に第1バッファメモリ(不図示)を持っており、その情報が必要な情報か否かを判断した上で、第2バッファメモリ(不図示)に送った後、PDL部205に信号を流す。次に、外部に情報を提供する場合には、PDL部205より送られてきたデータは、LANコントローラ部602で必要な情報を付加して、トランス部601を経由してネットワーク101に接続される。
【0031】
<PDL部205の構成>
図6を用いてPDL部205の構成を説明する。コンピュータ103上で動作するアプリケーションソフトウェアによって作成された画像データは、文書、図形、写真などから構成されており、それぞれは、文字コード、図形コード及び、ラスタ画像データなどによる画像記述の要素の組み合わせから成っている。これが、いわゆるPDL(Page Description Language:ページ記述言語)であり、Adobe社のPostScript(登録商標)言語に代表されるものである。
【0032】
PDL部205では、上記PDLデータからラスタ画像データへの変換処理を行う。まず、NIC部204から送られてきたPDLデータは、CPU部603を経由して一度ハードディスク(HDD)のような大容量メモリ604に格納され、ここで各ジョブ毎に管理、保存される。次に、必要に応じて、CPU部603は、RIP(Raster Image Processing)と呼ばれるラスタ化画像処理を行って、PDLデータをラスタイメージに展開する。展開されたラスタイメージデータは、CMYKの色成分毎にDRAMなどの高速アクセス可能なメモリ605にジョブ毎にページ単位で格納され、プリンタ部208の状況に合わせて、再びCPU部603を介してコア部206へ送られる。
【0033】
<コア部206の構成>
図7を用いてコア部206の構成を説明する。コア部206のバスセレクタ部701は、MFP104、105の利用における、いわば交通整理の役割を担っている。即ち、複写機能、ネットワークスキャン機能、ネットワークプリント機能、ファクシミリ送信/受信機能、或いはディスプレイ表示機能などMFP104、105における各種機能に応じてバスの切り替えを行うところである。
【0034】
以下に各機能を実行するためのバスの切り替えのパターンを示す。
・複写機能:スキャナ部201→コア部206→プリンタ部208
・ネットワークスキャン機能:スキャナ部201→コア部206→NIC部204
・ネットワークプリント機能:NIC部204→コア部206→プリンタ部208
・ファクシミリ送信機能:スキャナ部201→コア部206→FAX部203
・ファクシミリ受信機能:FAX部203→コア部206→プリンタ部208
・ディスプレイ表示機能:スキャナ部201又はFAX部203又はNIC部204→コア部206→ディスプレイ部210
次に、バスセレクタ部701を出た画像データは、圧縮部702、ハードディスク(HDD)などの大容量メモリからなるメモリ部703及び伸張部704を介してプリンタ部208(PWM部207)又はディスプレイ部210へ送られる。圧縮部702で用いられる圧縮方式は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、JBIG(Joint Bi−level Image Experts Group)、ZIPなど一般的なものを用いればよい。圧縮された画像データは、ジョブ毎に管理され、ファイル名、作成者、作成日時、ファイルサイズなどの付加データと一緒に格納される。
【0035】
更に、ジョブの番号とパスワードを設けて、それらも一緒に格納すれば、パーソナルボックス機能をサポートすることができる。これは、データの一時保存や特定の人にしかプリントアウト(HDDからの読み出し)ができないようにするための機能である。記憶されているジョブのプリントアウトの指示が行われた場合には、パスワードによる認証を行った後にメモリ部703より画像データを呼び出し、画像伸張を行ってラスタイメージに戻してプリンタ部207に送る。
【0036】
<PWM部207の構成>
図8を用いてPWM部207の構成を説明する。コア部206を出たイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に色分解された画像データ(白黒MFP105の場合は単色となる)は、それぞれのPWM部207を通ってそれぞれ画像形成される。801は三角波発生部、802は入力されるデジタル画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ(D/A変換部)である。三角波発生部801からの信号(図8(A)のa)及びD/Aコンバータ802からの信号(図8(B)のb)は、コンパレータ803で大小比較されて、図8(B)のcのような信号となってレーザ駆動部804に送られ、CMYKそれぞれが、CMYKそれぞれのレーザ805でレーザビームに変換される。そして、ポリゴンスキャナ913で、それぞれのレーザビームを走査して、それぞれの感光ドラム917、921、925、929に照射する。
【0037】
<プリンタ部208の構成(カラーMFP104の場合)>
図9を用いてカラーMFP104のプリンタ部208の概略構成を説明する。913は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805(図8参照)より発光された4本のレーザ光を受ける。その内の1本はミラー914、915、916を経て感光ドラム917を走査し、次の1本はミラー918、919、920を経て感光ドラム921を走査し、次の1本はミラー922、923、924を経て感光ドラム925を走査し、次の1本はミラー926、927、928を経て感光ドラム929を走査する。
【0038】
一方、930はイエロー(Y)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム917上にイエローのトナー像を形成する。931はマゼンタ(M)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム921上にマゼンタのトナー像を形成する。932はシアン(C)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム925上にシアンのトナー像を形成する。933はブラック(K)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム929上にマゼンタのトナー像を形成する。以上4色(Y、M、C、K)のトナー像がシートに転写されることで、フルカラーの出力画像を得ることができる。
【0039】
シートカセット934、935及び手差しトレイ936のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ937を経て転写ベルト938上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム917、921、925、929には各色のトナーが現像されており、シートの搬送と共にトナーがシートに転写される。各色のトナーが転写されたシートは、分離され、搬送ベルト939により搬送され、定着器940によってトナーがシートに定着される。定着器940を抜けたシートは排出される。このようにフェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。
【0040】
尚、4つの感光ドラム917、921、925、929は、距離dをおいて等間隔に配置されており、搬送ベルト939により、シートは一定速度Vで搬送されており、このタイミング同期がなされて、4つの半導体レーザ805(図8参照)は駆動される。
【0041】
<プリンタ部208の構成(モノクロMFP105の場合)>
図10を用いてモノクロMFPのプリンタ部208の概略構成を説明する。1013は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805より発光されたレーザ光を受ける。レーザ光はミラー1014、1015、1016を経て感光ドラム1017を走査する。一方、1030は、黒色のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム1017上にトナー像を形成し、トナー像がシートに転写されることで、出力画像を得ることができる。
【0042】
シートカセット1034、1035及び手差しトレイ1036のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ1037を経て転写ベルト1038上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム1017にはトナーが現像されており、シートの搬送と共にトナーがシートに転写される。トナーが転写されたシートは、分離され、定着器1040によってトナーがシートに定着される。定着器1040を抜けたシートは排出される。この場合、フェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。また、反転部1041によってフェイスダウン状態での先頭ページ処理も可能である。
【0043】
<ディスプレイ部210の構成>
図11を用いてディスプレイ部210の構成を説明する。コア部206より出された画像データは、CMYKデータであるため、逆LOG変換部1101でR、G、Bデータに変換する必要がある。次に、出力されるCRTなどのディスプレイ装置1104の色の特性に合わせるためにガンマ変換部1102でルックアップテーブルを使用して出力変換を行う。変換された画像データは、一度メモリ部1103に格納されて、CRTなどのディスプレイ装置1104によって表示される。
【0044】
ここで、ディスプレイ部210を使用するのは、出力画像を予め確認するプレビュー機能や、出力する画像が意図したものと間違いないか検証するプルーフ機能を実行する場合、或いはプリントの必要がない画像を確認する場合に、プリントシートの無駄を省くためである。
【0045】
<ネットワークユーティリティソフトウェア>
次に、コンピュータ103、102上にて動作するユーティリティソフトウェアについて説明する。MFP104、105内のネットワークインタフェース部分(NIC部204及びPDL部205)にはMIB(Management InformationBase)と呼ばれる標準化されたデータベースが構築されており、SNMP(Simple Network Management Protocol)というネットワーク管理プロトコルを介してネットワーク上のコンピュータと通信し、MFP104、105を始めとして、ネットワーク上につながれたスキャナ、プリンタ或いはFAXなどの管理が可能になっている。
【0046】
一方、コンピュータ103、102上ではユーティリティと呼ばれるソフトウェアプログラムが動作しており、ネットワークを介して上記SNMPの利用によりMIBを使って必要な情報交換が可能となる。例えば、MFP104、105の装備情報としてスタッカ107やスタッカトレイ1207がセットされているか否かを検知し、ステータス情報として現在プリントが出来るか否かを検知したり、或いは、MFP104、105の名前や設置場所などを記入したり変更したり確認したりといった具合に、MIBを使うことにより、ユーザはネットワークに接続されたMFP104、105の情報をコンピュータ103、102上で確認することができる。また、これらの情報はサーバであるコンピュータ102とクライアントであるコンピュータ103を区別してリード・ライトに制限を持たせることも可能である。
【0047】
従って、この機能を使うことにより、MFP104、105の装備情報、装置の状態、ネットワークの設定、ジョブの経緯、使用状況の管理、制御などあらゆる情報をユーザはコンピュータ103、102の前で入手することが可能となる。
【0048】
<GUI>
次に、図13を用いてGUI(Graphic User Interface)と呼ばれるコンピュータ103、102上で動作するユーティリティソフトウェアの画面について説明する。コンピュータ103、102上でユーティリティソフトウェアを起動させると、図13のような画面が表示される。ここで、1301はウィンドウ、1320がカーソルで、マウスを使ってクリックすると別のウィンドウが開いたり、次の状態に遷移する。1302はタイトルバーと呼ばれ、現在のウィンドウの階層やタイトルを表示するのに用いられる。1303〜1307はそれぞれタブと呼ばれ、それぞれの分類ごとに整理されており、必要な情報を見たり、必要な情報を選択したりすることができる。
【0049】
ここでは、1303がデバイスタブと呼ばれ、デバイスの存在とその概要を知ることができる。デバイスタブ1303には、1308、1309のようなMFP104とMFP105を示すビットマップ画像があり、1310、1311、1312、1313のメッセージによりこれらMFPがどんな状態かが表示される。装置状態の詳細はステータスタブ1304を見ればわかる仕組みになっている。次に、1305はキュータブで、それぞれの装置内にキューイングされているジョブの様子やデバイスの混み具合を伺い知ることができる。
【0050】
次に、コンフィグタブ1306は、どんな機能を持つフィニッシャが装着されているかなど装備情報を知ることができる。例えば、MFP105にはインサータが装着されているか、又はフィニッシャが装着されているか、5000枚まで収納可能なレターサイズのペーパーデッキが装着されているか、そのシート残量がどのくらいであるかとか、或いは両面処理を行うユニットが装着されているかといった具合である(図13ではフィニッシャ装着例を示している)。セットアップタブ1307は、装置のネットワーク設定情報を知ることができる。
【0051】
<スタッカ107の構成>
次に、図12を用いてスタッカ107が主にカラーMFP104の出力紙を積載・格納するのに使用される場合の概略を説明する。スタッカ107には、スタッカトレイ1207、1208が着脱可能に装着されており、実際にはスタッカトレイ1207、1208内に用紙が積載される。カラーMFP104のプリンタ部208によりプリントされた用紙はスタッカ107に送り込まれ、ジョブの種類に応じて積載方法としてS置き又はF置きが選択され、積載・格納される。ここで、混交されるべきカラーページ数が3ページの場合を例にとると、設定された部数分ずつ同一ページを積載する方法をS置きモード積載、3ページ分を順次積み重ねて積載する場合をF置きモード積載とよぶ。図12はスタッカトレイ1207、1208内にF置きで用紙が置かれている例である。
【0052】
リフタ装置は、スタッカ107内におけるスタッカトレイ1207、1208の装着部に各々設けられており、リフタ部1203、スタッカトレイ有無検知センサ1201、紙面位置検知センサ1205、リフタ位置検知センサ1206、及びリフタ部1203を駆動するギア1208、1209等で構成されている。尚、スタッカ107内におけるスタッカトレイ1207、1208の各装着部の上記構成には便宜上同一符号を付す。リフタ部1203は、紙面の位置を検知する紙面位置検知センサ1205の出力に基づき、排出口1204から紙面までの高さが一定に保たれるように制御され、画像形成された用紙の積載性を向上させるものである。また、リフタ部103を上下方向に駆動する方法の一例としては、スタッカ107に装備されている不図示のモータが、連結ギア1208を介して、リフタ部1203に接続されているワイヤを巻き取ることが可能なギア1209に駆動を伝達することで上下方向への駆動が可能となる。
【0053】
リフタ位置検知センサ1206は、リフタ1203の位置を検知することで、スタッカトレイ1207のシート積載量を検知するためのものであり、該センサ1206を複数箇所設置することにより、検知精度を上げることができる。紙面位置検知センサ1205、リフタ位置検知センサ1206は、フラグ式センサ、光学式センサ、イメージセンサなど、どの構造でもよく、各センサはスタッカ107側に構成されている。また、リフタ装置は、図18に示すように、スタッカトレイ1207がインサータ108に装着され、用紙が再給紙される場合の給紙ローラ1903に対して紙面の高さを一定に保つためのリフタ装置でもある。
【0054】
スタッカトレイ1207に装備される記憶装置1202は、カラーMFP104によって画像形成されたカラー出力紙を、白黒MFP105によって画像形成される白黒出力紙の中にインサートしてカラー白黒混交するための情報を書き込むための記憶媒体である。また、記憶装置1202は、白黒画像の出力紙をカラー出力紙にインサートするための情報を書き込むための記憶媒体でもよい。記憶装置1202に書き込みされる情報は、例えば、ジョブ実行の管理者名、プリンタNo、指定段、ジョブの優先度、用紙サイズ(不定形サイズを含む)、ジョブID、プリントNo、用紙の出力枚数、同一ページの用紙の出力部数、積載方法、マテリアル(用紙種類)などである。
【0055】
これらの情報により、白黒データとのマッチングやページ合わせが行われ、混交動作が実行可能となる。また、これらの情報により、インサータ108におけるスタッカトレイを装着する再給紙段に特別な指定がない場合は、どの再給紙段にスタッカトレイが装着されても混交動作が実行可能となるまた、インサータ108におけるスタッカトレイを装着する再給紙段に指定がある場合は、記憶装置1202内の情報に基づき、白黒MFP105の図示しない表示部を用いてユーザに設置段の指定を行わせる。
【0056】
図16、図17に示すように、複数のスタッカトレイ1207、1208ごとに表示部1210を装備し、記憶装置1202の情報の一部を必要に応じて表示してもよい。例えば、図26では、スタッカトレイごとにユニークな名称(図示例ではトレイ1(○○○○太郎))を表示したり、プリンタ名(白黒MFP(IR105)の3号機)や指定設置段(2段目のカセット)を表示したりすることで設置ミスを防ぐことが可能となる。また、スタッカ107で用紙が積載される際に、リフタ装置による制御はなく、カラーMFP105の出力紙が自然に積載されるものとしてもよい。
【0057】
<インサータ108の構成>
次に、図18を用いてインサータ108の概略構成を説明する。インサータ108は、カラーMFP104が出力し且つスタッカトレイ1207、1208に積載・格納したカラー出力紙を、上記記憶装置1202内の挿入情報に従い、白黒MFP105が出力する白黒出力紙の間にインサートするように給紙・搬送し、カラー白黒混交を実行するものである。また、インサータ108は、インサート用のカラー出力紙を混交するために積載・格納しておく手段として、カラーMFP104のスタッカ107と白黒MFP105のインサータ108に共通に使用できる複数のスタッカトレイ1207、1208を用いることを特徴としている。
【0058】
インサータ108内のスタッカトレイ1207、1208に格納されたカラー出力紙を、スタッカトレイ1207、1208のリフタ部1203を用いて、上記スタッカ107におけるスタッカトレイ1207、1208の場合と同様に上昇させ、給紙ローラ1903に対して紙面の高さが常に一定になるように制御する。更に、重送防止ローラ1904が給紙ローラ1903と逆回転となることで用紙が一度に複数枚給紙されることを防ぐ機構が採用されている。尚、インサータ108の内部には、複数のスタッカトレイ(本実施の形態ではスタッカトレイ1207、1208)をそれぞれ装着するための複数の再給紙段が配設されている。
【0059】
<大容量スタッカ109>
次に、図18を用いて大容量スタッカ109の概略構成を説明する。インサータ108内のスタッカトレイ1207に積載されたジョブ束と、白黒MFP104から出力されたジョブ束は、上記制御により適切な混交が行われ、インサータ108の下流側に付設される大容量スタッカ109に、混交されたジョブ束が順次格納されるものである。大容量スタッカ109に積載されたジョブ束群は、その後オフラインにより、製本などの処理やフィニッシング処理が施されるものである。
【0060】
上記フィニッシング処理を行う機構としては、バインドするためのステープラ、紙をZ字状に折るためのZ折り機、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャ等があり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。その他、製本のためのグルー(糊付け)によるバインドや、或いはバインド後にバインド側と反対側の端面を揃えるためのカッティングなどを加えるトリムも可能である。また、大容量スタッカ109の用紙格納手段を、上述のスタッカトレイ1207、1208を併用できる構成にすると更に効果的な場合がある。
【0061】
<ジョブの分割>
次に、図14を用いてカラー画像と白黒画像のジョブ分割を説明する。コンピュータ102、103からカラーMFP104を使用し、1つのジョブ内にカラーページと白黒ページが混在しているジョブをプリントする場合、まず、図14に示すようなコンピュータ102、103上で動作するソフトウェアであるドライバを用いてカラーMFP104にジョブを転送する。
【0062】
図14で、1501はコンピュータ102、103の画面上に表示されるドライバウィンドウであり、その中の設定項目として、1502はカラープリンタ(カラーMFP104)の選択を行うカラープリンタ選択カラム、1503は白黒プリンタ(白黒MFP105)の選択を行う白黒プリンタ選択カラム、1504はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラム、1505は部数を指定する部数設定カラム、1506はカラー/白黒混在ジョブに対してカラー/白黒画像の分割を指示するジョブカラーモードカラム、1507は印刷を開始するOKキー、1508は印刷を取りやめるキャンセルキー、1509は更なる詳細設定を行うプロパティキーである。
【0063】
ここで、ジョブカラーモードカラム1506は、自動分割、手動分割、全ページカラー、全ページ白黒の中から1つのモードを選択することが可能であり、手動分割の場合には、ユーザがそれぞれのページに対して、カラーMFP104と白黒MFP105のうちどちらのMFPから出力するかを選択設定することになる。つまり、詳細設定ウィンドウにて各ページ毎にカラーであるか白黒であるかを予め手動設定しておく。
【0064】
<ジョブの自動分割とカラー/白黒判定>
次に、図15のフローチャートを用いてジョブの自動分割(Auto Separation)を説明する。上記図14のドライバウィンドウ1501においてOKキー1507が押されると、コンピュータ(クライアント)103上のドライバはコンピュータ(サーバ)102を介して、カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報とプリントジョブをカラーMFP104及び白黒MFP105に送る。自動分割の場合には、この時点ではどのページが白黒ページであるか判定できていないので、全ページのジョブ内容をカラーMFP104及び白黒MFP105へそれぞれ送る。カラーページと白黒ページを送る順序は、カラーMFP104、白黒MFP105の順で時間をずらして送ってもよいし、2つのMFP104、105に同時に送っても構わない。
【0065】
カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報を受けた白黒MFP105は、即座にプリントを開始せずに、カラーMFP104からの白黒ページ番号通知を待機する。そして、ジョブが自動分割に設定されていれば(ステップS1601でYES)、サンプリング周期の設定内容をカラーMFP104へ送る(ステップS1602)。但し、サンプリング周期の設定は、プロパティキー1509により表示される詳細設定のためのウィンドウで事前に行われている。
【0066】
サンプリング周期に関し、100画素×100ラインに1ポイントの割合でサンプリングすればサンプリング時間は1/10000で済むし、400dpiの画像ならば0.25inch(=6.35mm)周期の格子単位でサンプリングすると、レターサイズ(11”x8.5”)のシートで1500ポイント近くならば、カラー/白黒の何れであるかはある程度判定できる。それでも判定が困難な画像の場合には、更にサンプリング周期を細かく設定するか、ジョブカラーモードカラム1506を手動分割(Manual Separation)に設定し、詳細設定ウィンドウにて各ページがカラーであるか白黒であるかを予め手動設定しておく。
【0067】
次に、ジョブ及びサンプリング周期の設定内容を受け取ったカラーMFP104のPDL部205は、ジョブ内のページを最終頁から順に順次ラスタライズ展開処理(RIP)し、RIP後の画像をページ単位、色成分(CMYK)毎に半導体メモリ605に格納する。格納された画像は、そこでCPU部603によりカラー/白黒判定が行われる(ステップS1603)。カラー/白黒判定は、半導体メモリ605内の各サンプルポイントに黒(K)以外の成分(CMY成分)があるか否かで行われる(ステップS1604、ステップS1605)。
【0068】
このとき、処理速度を速めるために、ページ内のサンプリングポイントの中に1ポイントでもカラー(CMY)成分があれば(ステップS1605でNO)、そのページはカラー画像であるため、その時点でそのページにおけるカラー/白黒判定を中止し、そのページはカラーページとしてカラーMFP104内部で処理される。また、このジョブに対して再プリントをすることが考えられるため、そのページのページ番号情報はカラーページであることを示す情報と共にネットワーク101を経由してコンピュータ(サーバ)102へ通知する(ステップS1609)。そして、そのページはカラーMFP104にてカラープリントする(ステップS1610)。また、後述するメモリへの書き込みのために、ジョブ中のカラーページのページ番号をカラーMFP104のメモリに記憶しておく。
【0069】
ページ内のサンプリングポイントの中に1ポイントもカラー(CMY)成分が存在しない場合には(ステップS1605でYES)、そのページは白黒ページとして白黒処理するため、そのページのページ番号情報は白黒ページであることを示す情報と共にネットワーク101を経由してコンピュータ(サーバ)102に通知する(ステップS1611)。これと同時に、カラーMFP104のメモリにページ情報として書き込まれる。コンピュータ(サーバ)102は、白黒ページ番号情報を自動的に白黒MFP105に通知してもよいし、白黒ページ番号情報を白黒MFP105からの要求信号によって通知するものとしてもよい。
【0070】
上記ステップS1611の通知を受けた白黒MFP105は、白黒MFP105に付設されたインサータ108にカラーで記録されたシートが積載されたスタッカトレイ1207が正常に設置されると、スタッカトレイ1207に積載されたシートと白黒MFPでプリントしたシートの混交動作を開始する。そして、スタッカトレイ1207に装備された記憶装置1202から読み出された情報に基づいて、該当する白黒ページのみRIP展開してプリントする。ステップS1603〜ステップS1606、ステップS1609〜ステップS1612はジョブキャンセルの割り込みが入らない限り、最終ページまで繰り返され(ステップS1612)、カラーMFP104におけるジョブを終了する。
【0071】
ジョブの自動分割の設定がなされていない、即ち手動分割が設定されている場合には(ステップS1601でNO)、コンピュータ(サーバ)102が、ドライバから各ページがカラーであるか白黒であるかの情報を受け取り、それに応じてカラーページについてはカラーMFP104へプリント指示し、白黒ページについては白黒MFP105へプリント指示する(ステップS1607)。そして、カラーMFP104はカラーページをプリントし、白黒MFP105は所定のタイミングで白黒ページをプリントする。
【0072】
このようにして、カラーページ及び白黒ページが混在したジョブを、カラーページはカラーMFP104でプリントさせ、白黒ページは白黒MFP105でプリントさせることができる。
【0073】
尚、上記説明では、ラスタライズ展開処理はページ毎順次行うものとしたが、ジョブ全部を一旦、大容量の半導体メモリ(HDD)604にてRIP展開し、順次、半導体メモリ605にページ毎或いは複数ページ分を読み出して判定処理しても構わない。また、上記説明では、ジョブの自動分割はカラーページと白黒ページとで分割するものであったが、所定の部数単位で分割してもよいし、写真ページと文字ページとで分割してもよい。また、上記説明では、ドライバからプリント情報がカラー画像形成装置に送られて、カラー画像形成装置で各ページのカラー/白黒判定を行って、カラーページの出力を最初に行ったが、これに限定するものではなく、白黒の画像形成装置で各ページのカラー/白黒判定を行って、白黒ページの出力を先に行ってもよい。
【0074】
<記憶装置1202へのリード・ライト動作>
次に、図16、図17を用いて記憶装置1202へのリード・ライト動作を説明する。カラーMFP104がカラー白黒混交のためのカラージョブを、スタッカトレイ1207に対してプリント出力する際、図17に示すように、カラーMFP104のCPU1805は、スタッカ107内のスタッカトレイ1207に構成されるメモリ等の記憶装置1202に対してライト動作を行う。
【0075】
カラーMFP104のCPU1805は、ジョブ実行の管理者名、用紙サイズ(用紙の外形寸法)、用紙枚数、同一ページの用紙部数、プリンタNo、ジョブの番号、カラー/白黒の判定結果によるページ番号(スタッカトレイに格納された用紙それぞれのページ番号)、その順番を示すページ順情報(S置き、F置きなど)、マテリアル(用紙種類)、用紙の表面が上向きにした状態で排紙されているか否かを示す情報、フィニッシング処理の情報など、カラー白黒混交動作に必要な全ての情報を、カラーMFP104のインタフェース部1803、スタッカトレイ1207のインタフェース部1804を介して記憶装置1202にライト動作を行う。尚、スタッカトレイ1207は表示部1210、バッテリ1211を備えている。
【0076】
図16に示すように、その後、白黒MFP105のCPU1705が、スタッカトレイ有無検知センサ(不図示)によって、白黒MFP105のインサータ108に対するスタッカトレイ1207の装着を検知した場合は、白黒MFP105のインタフェース部1703、スタッカトレイ1207のインタフェース部1704を介して記憶装置1202内の情報のリード動作を行う。そして、そのリードされた情報に基づいて、白黒MFP105とインサータ108を制御してカラー白黒混交動作を開始する。
【0077】
ここで、カラーMFP104、白黒MFP105、スタッカトレイ1207の各々のインタフェース部は多bitのバス幅を持つパラレル制御でもよいし、インタフェース部にシリアル制御部を備えることで、赤外を含むシリアル通信によって実現されているものでもよい。また、白黒MFP105がスタッカトレイ1207にプリント出力する場合も、白黒MFP105のCPU1705がスタッカトレイ1207の記憶装置1202に同様の情報のライト動作を行う。更に、カラーMFP104におけるリード動作も同様である。
【0078】
また、記憶装置1202は、複数ジョブ分のデータのマップを持つことが可能であり、一つのスタッカトレイで複数ジョブの混交動作にも対応することできる。更に、記憶装置1202に書き込まれた情報は、記憶媒体としてEEP−ROM等の不揮発性のメモリを使用することで保持し、又は記憶媒体としてSRAMを使用する場合などは、バッテリ1211による電源供給制御によって、スタッカトレイ1207がスタッカ107やインサータ108から分離され電源がMFP104、105から供給されない場合においても、そのメモリデータを失わないものとする。
【0079】
また、スタッカトレイ1207、1208に各々装備された表示部1210は、各スタッカトレイに積載されている用紙に関わるジョブ情報の一部を記憶装置1202から読み取り、表示するためのものである。図26、図27、図28、図29に表示例を示す。尚、本実施の形態では、スタッカトレイごとに表示部1210を装備する構成としているが、スタッカ108に装備される図示しない表示部によってスタッカトレイ内の情報を表示してもよいものとする。
【0080】
図26で示される表示は、混交されるべき出力がカラーMFP104により完了し、所望のインサータ108に正常にスタッカトレイ1207、1208が装着されるのに必要な情報を示した場合の一例である。ここでは、ジョブの実行管理者の名称を示すことで、スタッカトレイ1207、1208はユニーク(唯一)な名称で管理することが可能となり、且つスタッカトレイ1207、1208を装着すべき個所を特定することで、ユーザによるMFP(プリンタ)の選択ミスをなくすことが可能となる。
【0081】
図27で示される表示は、スタッカトレイ1207、1208がスタッカ107に装着され当該ジョブに関わる出力紙の積載中であることを示したり、スタッカトレイ1207、1208がインサータ108に装着され出力紙の再給紙動作中であることを示したりする場合の一例である。
【0082】
図28で示される表示は、白黒MFP105が或るジョブの実行中に、次に混交すべきジョブに関わる出力紙を積載したスタッカトレイ1207、1208がインサータ108に装着され、上記次に混交すべきジョブが予約ジョブとして登録された場合に、ユーザにその旨を伝達する場合の一例である。
【0083】
更に、スタッカトレイにシートが無くなり、ジョブが終了した場合は、ジョブが終了した旨を表示し、スタッカトレイにシートが無いことを表示して報知する。
【0084】
図27、図28のように、スタッカトレイ1207、1208がどのような状態にあるか(ステータス)を表示することによって、ユーザが不用意にスタッカトレイを引き出すことを防止でき、ユーザの操作性が向上する。
【0085】
図29で示される表示は、スタッカトレイ1207、1208が所望のインサータ108の再給紙段に正常に装着されない時にその旨をユーザに伝達する場合の一例である。
【0086】
<記憶装置1202のメモリマップ>
次に、図19を用いて記憶装置1202のメモリマップの構成を説明する。図19のメモリマップは、例えば、ジョブ管理者名称、ジョブNo、プリンタNoなどが図示のようなアドレスに振り分けられている。複数ジョブが書き込まれるときは、エリア0〜nに振り分けられている。図示のものを例にとると、スタッカトレイ1207に積載されているジョブは複数あり、管理者は○○○○太郎氏であり、トレイNoはトレイ1、スタッカトレイ1207内の出力紙に関わる複数ジョブのうち最初に処理されるべきジョブNoが「ジョブ3」であることを示している。
【0087】
また、スタッカトレイが装着されるべきインサータ108が接続されている白黒MFPは「MFP105」であり、上述のジョブNoと合わせて所望される組み合わせであるか否かが照合され、それがプリントされるべきであると判断された場合のみ混交動作が行われる。上記組み合わせが一致しない場合は、その旨をコンピュータ(サーバ)102からコンピュータ(クライアント)103に通知するか、もしくは白黒MFP105の表示部などでユーザに報知するか、もしくはスタッカトレイに装備された表示部1210を用いて図29に示すような表示によりユーザに報知する。
【0088】
また、プリンタNoが指定されていない時は、インサータ108が設置されている白黒MFPであればどれでも使用可能であることを示している。更に、用紙サイズが「A4」であり、積載されている用紙のマテリアルが「厚紙」であり、厚紙特有の処理、例えば給紙速度を可変制御するなどの制御が行われるとしてもよい。用紙サイズが不定形の場合は、用紙サイズをカラーMFP104内の用紙サイズ検知センサ(図示略)により検知し、その検知した用紙サイズにより搬送制御を補正するものである。例えば、ジャムの発生を判断するパラメータとして上記用紙サイズを使用するなどが想定される。
【0089】
積載情報は、スタッカトレイ内の積載状態が、カラーMFPで先頭ページ処理されフェイスダウン出力(用紙の画像形成面を下に向けた状態で出力)されたジョブ束であることと、カラーMFPではフェイスアップ出力(用紙の画像形成面を上に向けた状態で出力)が必要である「状態A」であることを示し、それに従ってプリント制御が行われる。更に、白黒プリントされるべきページNoが「3.4.5.10.12・・・」であることを示し、そのページ分のみプリント動作を行う。
【0090】
<ジョブの自動混交>
次に、図1を用いてジョブの混交の概略を説明する。カラーMFP104によりプリントされスタッカ107に排出されたシート束を、ユーザがスタッカトレイ1207ごと、白黒MFP105に接続されているインサータ108にセットする。そして、白黒MFP105は、スタッカトレイ1207がセットされたことを検知すると、スタッカトレイ1207内の記憶装置1202の情報を読み取り、ジョブNOなどの情報により、混交すべきジョブか否かを判断し、混交すべきジョブだと判断した場合は、コンピュータ(サーバ)102又はコンピュータ(クライアント)103に、白黒MFP105のコントローラが起動をかけ、ジョブ情報をコンピュータ(サーバ)102から受信する。
【0091】
白黒MFP105は、そのジョブ情報に合わせて白黒出力紙に対してカラー出力紙を混交し、どのページ位置に配置し、どのようなフィニッシング処理が施されるかを認識する。もしくは、コンピュータ(サーバ)102、コンピュータ(クライアント)103に起動をかけること無しに、白黒MFP本体内に予めダウンロードしておいたプリント情報に合わせて混交される。また、混交されるカラー出力紙のマテリアルの認識により、給紙速度や搬送速度を可変制御する場合もある。
【0092】
また、カラーMFP104における用紙のジャムや重送と呼ばれる不良が原因で、スタッカトレイ1207内に不具合な用紙が格納された場合、混交すべきでないと判断されるジョブNoや使用不可な用紙Noの情報を読み取ることで、図示しないエスケープトレイに強制的に排出できるものとしてもよい。また、その情報をスタッカトレイ1207の表示部1210やMFPの操作部などの伝達手段によってユーザに伝えることが有効である。
【0093】
<積載制御>
次に、図20を用いて白黒MFP104の白黒出力紙の出力方法がスタッカトレイ1207に格納されるカラー出力紙の積載方法によって制御される様子を説明する。カラーMFP104からの出力がフェイスアップ出力で且つ後原稿からの処理が行われた場合は、スタッカトレイ1207内に積載される出力束は、構成A−1のようになる。この場合、白黒カラー混交された後は、構成A−2のようにフェイスダウン出力が要望されるので、白黒MFP105からの出力は、フェイスダウン出力且つ先頭原稿からの処理が選択される。
【0094】
同様に、カラーMFP104からの出力がフェイスダウン出力で且つ先頭原稿からの処理が行われた場合は、スタッカトレイ1207内に積載される出力束は、構成B−1のようになる。この場合、白黒カラー混交された後は、構成B−2のようにフェイスアップ出力が要望されるので、白黒MFP105からの出力は、フェイスアップ出力且つ後原稿からの処理が選択される。
【0095】
よって、カラーMFP104のカラー出力紙の積載方法によって、白黒MFP105の画像形成処理を制御する必要があり、その情報はスタッカトレイ1207内の記憶装置1202に記憶される。カラーMFP104はその情報に基づいて混交動作を行う。
【0096】
<カラーMFP104の処理>
次に、図21、図22のフローチャートを用いてカラーMFP104の処理を説明する。図21、図22のフローチャートは、カラーMFP104内のCPU1805により実行されるプログラムであり、そのプログラムはCPU1805に付随する記憶媒体に格納されている。
【0097】
カラーMFP104にはインサータ108が付設されているものとする。カラーMFP104のCPU1805は、PC(コンピュータ102)の設定画面或いはMFP104の操作部におけるジョブの設定によって、カラー/白黒混交のためにインサータ108を使用するか否かを判断する(ステップS2101)。カラーMFP104のCPU1805は、インサータ108を使用しないと判断した場合は、通常プリントとして上述の制御に従って処理を行う(ステップS2102)。カラーMFP104のCPU1805は、インサータ108を使用すると判断した場合は、画像データ入力方法が、原稿をスキャナ部201で読み取ることにより画像データを入力する方法であるか、コンピュータ(サーバ)102から電子ファイルデータを入力する方法であるかを判断する(ステップS2103)。
【0098】
カラーMFP104のCPU1805は、画像データ入力方法が原稿をスキャナ部201で読み取ることにより画像データを入力する方法であると判断した場合は、原稿台上に載置し圧板で押えた原稿または自動原稿送り装置により搬送した原稿をスキャナ部201で読み取り(ステップS2104)、その読み取りデータをデジタル画像情報に変換し、カラーMFP104内のハードディスクなどの画像記憶装置に記憶する(ステップS2105)。カラーMFP104のCPU1805は、画像データ入力方法がコンピュータ(サーバ)102から電子ファイルデータを入力する方法であると判断した場合は、コンピュータ(サーバ)102から画像情報と各種設定情報をダウンロードし、そのままハードディスクに画像情報とジョブの設定データを登録する(ステップS2106)。
【0099】
次に、カラーMFP104のCPU1805は、記憶された画像形成すべき画像がカラー画像か白黒画像かを判断し(ステップS2107)、判断したページが白黒ページであった場合は、その順番情報(ページ情報)等をスタッカトレイ1207の記憶装置1202にあるメモリマップ上に書き込む。また、カラーMFP104のCPU1805は、カラーMFP104内の画像記憶装置に記憶されるデータのうち、白黒データは、コンピュータ(サーバ)102上の画像記憶装置或いはコンピュータ(サーバ)102を介して白黒MFP104の画像記憶装置に転送する(ステップS2108)。転送される白黒データは、ジョブデータのうちどのページが白黒の画像データであるかを示すデータを送りさえすればよいので、画像データを送らなくても良い。
【0100】
カラーMFP104のCPU1805は、判断したページがカラーページであった場合は、カラーデータをカラーMFP104内の画像記憶装置に転送する(ステップS2109)。次に、カラーMFP104のCPU1805は、設定された積載方法または自動的に判断した積載方法により、先頭ページ処理か後ページ処理かを選択し、その後、プリンタ部208でプリント処理を行い(ステップS2110)、インサータ108内に複数段装着されているスタッカトレイの中から排出可能なスタッカトレイを選択する(ステップS2111)。その際、各スタッカトレイに装備されている記憶装置1202の情報を読み取ることにより、排出可能なスタッカトレイか否かを判断することが有効である。
【0101】
その後、カラーMFP104のCPU1805は、給紙ローラ等によりインサータ108内の選択されたスタッカトレイに出力紙を積載する(ステップS2112)。その際、カラーMFP104のCPU1805は、スタッカトレイ内の記憶装置1202に対して、例えば上記図19に示したメモリマップにあるようなカラー混交のための情報を書き込む(ステップS2113)。また、スタッカトレイが個々に表示部1210を装備している場合は(ステップS2115でYES)、記憶装置1202内の情報を例えば図26に示すように表示部1210に表示し、スタッカトレイにおける積載状態やジョブ状態をユーザに報知することが可能である(ステップS2117)。
【0102】
図26では、カラーMFP104でのジョブが正常に終了し、カラー出力紙が積載されているスタッカトレイに対し固有の名称が与えられ(ステップS2114)、設置すべきMFP(プリンタ)と、更に出力紙を再給紙するための再給紙段が指定してある場合を示している。再給紙段を指定する場合には、スタッカトレイに厚紙などの特殊紙が積載されており、その用紙を正常に再給紙可能な紙搬送路が特定されている白黒MFPに特に有効である。そして、カラーMFP104のCPU1805は、最終ページの処理が終了していなければ(ステップS2116でNO)、再びステップS2107に戻って処理を継続し、最終ページの処理が終了したならば(ステップS2116でYES)、本処理を終了する。
【0103】
尚、上記制御では、スタッカトレイの記憶装置1202に情報を書き込むタイミングを用紙1枚毎としているが、これに限定されるものではなく、ジョブ前、ジョブ毎、ページ毎、ジョブ後など情報の書き込みタイミングはいつでも構わない。また、表示部1210の表示としては図26〜図29に一例を示したが、その他の表示をすることが有効な場合もあり、その場合にはスタッカトレイの記憶装置1202内の情報に基づき表示されることは言うまでもない。
【0104】
<白黒MFP105の処理>
次に、図23、図24、図25を用いて白黒MFP105の処理を説明する。図23、図24、図25のフローチャートは、白黒MFP105内のCPU1705により実行されるプログラムであり、そのプログラムはCPU1705に付随する記憶媒体に格納されている。
【0105】
白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ有無検知センサ1201(図12参照)により、白黒MFP105に付設したインサータ108に対する例えばスタッカトレイ1207の装着を検知すると(ステップS2319でYES)、スタッカトレイ1207内の記憶装置1202にカラー混交のための情報があるか否かを確認する(ステップS2320)。白黒MFP105のCPU1705は、カラー混交のための情報が確認できた場合は、記憶装置1202の情報の読み込みと解析を行う(ステップS2321)。ここで、白黒MFP105のCPU1705は、上記図19に示したような記憶装置1202のメモリマップの内部情報に基づき解析を行い、プリンタ部208でプリント動作を開始する。
【0106】
まず、白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ1207内のジョブ束が混交されるべきMFP(プリンタ)を示す「プリンタNo」を、スタッカトレイ1207に内蔵された記憶装置1202から読み取り、白黒MFP104のメモリ(装置情報記憶手段)に格納されているMFP(プリンタ)の装置情報と格納情報とを照合する(ステップS2322)。白黒MFP105のCPU1705は、上記照合結果が一致した場合は、複数段のスタッカトレイを装着可能なインサータ108のどの再給紙段にスタッカトレイを装着するかの指定があるか否かを記憶装置1202から読み取る。
【0107】
ここで、インサータ108内に指定された再給紙段がある場合の一例として、スタッカトレイ内に積載されている用紙のマテリアル(種類)がコート紙や厚紙・薄紙など特殊であり、通常の用紙とは異なる制御を行わなければならないときがある。インサータ108では、それらの特殊用紙に対応可能な再給紙段は限定されている場合も多い。また、用紙サイズによってスタッカトレイを使い分けることも多く、この場合も再給紙段を指定する内容が記憶装置1202に含まれている。
【0108】
以上の理由などから、白黒MFP105のCPU1705は、インサータ108にスタッカトレイを装着すべき再給紙段の指定がある場合は(ステップS2323でYES)、記憶装置1202に格納情報として指定された再給紙段と、実際にスタッカトレイが装着された再給紙段とが一致するか否かを照合する(ステップS2329)。ここで、白黒MFP105のCPU1705は、上記両者が不一致と判断した場合は、白黒MFP105の操作部を介して、もしくはスタッカトレイ1207に表示部1210が装備されている場合はその表示部1210を介して、スタッカトレイ1207をインサータ108内の再給紙段に正しく装着するようにユーザに報知し(ステップS2330)、インサータ108による混交動作を禁止するよう制御する。尚、インサータ108に表示部が装備されている場合はその表示部を使用してもよいものとする。また、上記格納情報は、インサータ108にスタッカトレイを装着すべき情報(再給紙段の指定)の他に、画像形成ジョブのシリアルナンバーを含む。
【0109】
白黒MFP105のCPU1705は、ユーザによりスタッカトレイ1207がインサータ108内の指定された再給紙段に正しく装着された場合、スタッカトレイ1207の最初に処理されるべきジョブNoを記憶装置1202から読み取り、そのジョブID(No)に該当するジョブが白黒MFP105に送信されているかどうかを判断し(ステップS2325)、一致するジョブIDが存在する場合は、プリンタ部208で白黒プリントを行う。また、白黒MFP105のCPU1705は、インサータ108内におけるスタッカトレイを装着する再給紙段の指定がない場合においても、ジョブIDの判断によりプリンタ部208で白黒プリントを行う。
【0110】
本実施の形態の特徴として、複数のスタッカトレイのそれぞれに記憶装置1202を設けることにより、インサータ108のどの再給紙段にスタッカトレイが装着された場合でも(再給紙段の設定がない場合でも)、該当スタッカトレイの記憶装置1202から記憶情報を読み取り、該記憶情報に従いステップS2319〜ステップS2343の処理を繰り返すことで、正常に混交動作が行われるものである。これにより、インサータ108に対するユーザによるスタッカトレイの装着ミスを完全に無くすことが可能となる(ステップS2324:オート選択機能)。
【0111】
更に、本実施の形態の特徴は、インサータ108内の複数の再給紙段に対しスタッカトレイを装着できることから、既に他のスタッカトレイが該当する再給紙段に装着されることにより白黒MFP105がジョブを実行していた場合でも(ステップS2326でYES)、ジョブ実行中以外のスタッカトレイを別の再給紙段に装着し、その記憶装置1202の記憶内容を読み取ることで予約ジョブの設定を行うことができ、前ジョブが終了次第、自動的に予約ジョブを開始することができることにある(ステップS2331)。ここで、ジョブの終了とは、当該ジョブの最終ページの出力が終了した状態、出力する画像データを白黒MFP内の画像記憶装置に対して生成する状態或いはその準備が行える状態を含む。
【0112】
更に、スタッカトレイに表示部1210が装備されている場合は、予約ジョブとして登録されている内容を表示部1210に表示することで(ステップS2332)、ユーザが誤ってスタッカトレイの装着を解除することを防ぐことが可能である。この場合も、インサータ108に表示部が装備されている場合にはその表示部を用いてもよいことは言うまでもない。
【0113】
白黒MFP105のCPU1705は、前ジョブの最終ページの出力が終了するか、もしくは予約ジョブが実行可能な状態になったら(ステップS2333でYES)、自動的に次のジョブを開始する(ステップS2334)。ここで、予約ジョブが実行可能な状態とは、白黒MFP105のPDL部205のCPU部603(図6)のマルチ制御によりコア部206のバスセレクタ部701〜メモリ部703(図7)までの動作が、前ジョブと並列に実行できる状態も含んでいる。つまり、前ジョブの処理中に、PDL部205の画像データをコンピュータ(サーバ)102からダウンロードし、画像データを圧縮してメモリ部703であるHDDに書き込むことで、次のジョブの処理時間を大幅に短縮することが可能となる。その場合、スタッカトレイ1207の表示部1210の表示を予約表示から実行表示に変更し、プリンタ部208で白黒プリント動作を開始する。
【0114】
この時、白黒MFP105のCPU1705は、白黒データがコンピュータ(サーバ)102にある場合は(ステップS2327で「サーバ」)、スタッカトレイ1207の記憶装置1202のメモリマップ上に書き込まれているジョブID・プリンタNoに該当するジョブの画像データをコンピュータ(サーバ)102からダウンロードし、スタッカトレイ1207に装備されたHDDなどの記憶装置1202に記憶する(ステップS2328)。白黒MFP105のCPU1705は、ジョブID・プリントNoが不一致と判断した場合は、操作部などの表示手段により不一致の旨の表示をすることでユーザに報知する。このジョブID・プリントNoが不一致であるかどうかの判断をすることにより、ユーザが指定したジョブ以外のプリントデータとの混載を防止し、ユーザの要求に基づいたMFPを使用した混交動作を可能にする。
【0115】
白黒MFP105のCPU1705は、予め白黒MFP105のハードディスク内に画像データが記憶されている場合は、プリンタNo及びジョブIDが、HDD内の画像データと一致するか否かを判断する。白黒MFP105のCPU1705は、不一致と判断した場合は操作部などの表示手段により不一致の旨をユーザに報知し、一致すると判断した場合は上述の混交制御に基きプリンタ部208でプリント動作を開始する。
【0116】
次に、白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ1207の記憶装置1202のメモリマップにおける積載方法の情報に基づき、スタッカトレイ1207に対する積載方法が上述した「積載方法」のどのパターンに相当するかを判断し(ステップS2326)、状態Bと判断した場合は先頭ページ処理によるフェイスダウン出力を行い(ステップS2337)、状態Aと判断した場合は後ページ処理によるフェイスアップ出力制御を実行する(ステップS2342)。
【0117】
次に、白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ1207の記憶装置1202のメモリマップもしくはコンピュータ(サーバ)102のページNo情報に基づき、混交動作として処理される現在のページが白黒ページであるかカラーページであるかを判断する(ステップS2338)。白黒MFP105のCPU1705は、白黒ページと判断した場合はプリンタ部208で該当ページの画像を形成し(ステップS2339)、白黒出力紙を大容量スタッカ109に出力する。白黒MFP105のCPU1705は、カラーページと判断した場合はインサータ108内に装着されたスタッカトレイ1207(インターポーザ)から該当ページを給紙し(ステップS2343)、カラー出力紙を大容量スタッカ109に出力する。以上の動作が、設定された部数分繰り返されることで(ステップS2340)、混交動作は終了する(ステップS2341)。
【0118】
また、スタッカトレイ1207内に複数ジョブに関わる出力紙が格納されている場合は、上記ステップS2319からステップS2343までの処理がスタッカトレイ1207に格納されているジョブの数だけ繰り返される。上記以外にも、カラー白黒混交に有効なもしくは必要な情報がある場合には、その情報に基づき混交制御を行うものである。
【0119】
上記では、カラーMFP104のカラー出力紙をスタッカトレイに積載し、白黒MFP105に付設されたインサータ108に前記スタッカトレイを装着し、インサータ108によりカラー出力紙と白黒MFP105で画像形成した白黒出力紙とを混交する例を説明したが、上記構成が逆となり、白黒MFP105の白黒出力紙をスタッカトレイに積載し、カラーMFP104に付設されたインサータ108に前記スタッカトレイを装着し、インサータ108により白黒出力紙とカラーMFP104で画像形成したカラー出力紙とを混交するものとしてもよい。
【0120】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、インサータ108に任意のスタッカトレイが装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、インサータ108に別のスタッカトレイが装着されたことを検知した場合、装着された別のスタッカトレイの記憶装置1202の格納情報に基づき、実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始する制御を行うため、インサータ108が他のジョブに関わる出力シートの挿入動作を実行中の場合でも、インサータ108におけるジョブ実行中の再給紙段以外の再給紙段にスタッカトレイを装着することにより、実行中のジョブが終了次第、自動的に次のジョブを開始することができる。
【0121】
また、スタッカトレイがインサータ108に装着されたことに応じて、スタッカトレイの記憶装置1202から格納情報を読み出し、格納情報と装置情報が一致しない場合にインサータ108の挿入動作を禁止する制御を行うため、インサータ108に対するスタッカトレイの装着ミスが発生した場合でも、シートの誤挿入を確実に防止することができる。
【0122】
また、複数のスタッカトレイが、シートに関する格納情報を書き込み・読み出し可能な記憶装置1202をそれぞれ装備しているため、スタッカトレイごとに固有の名称を与えることが可能となり、インサータ108のどの再給紙段にスタッカトレイが装着された場合でも、記憶装置1202に記憶されているスタッカトレイの固有名称とその他の内容から正常なシート混交制御を行うことができると共に、ユーザによるインサータ108の複数の再給紙段に対するスタッカトレイの装着ミスをなくすことができる。
【0123】
また、複数のスタッカトレイが、記憶装置1202の格納情報の表示、インサータ108におけるスタッカトレイの指定再給紙段の表示が可能な表示部1210をそれぞれ装備しているため、インサータ108におけるスタッカトレイの再給紙段の指定が発生する場合でも、その指定された再給紙段をスタッカトレイの表示部1210で表示し報知することにより、インサータ108に対するユーザのスタッカトレイの装着ミスを大幅に低減することができる。
【0124】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、画像形成システムを図1に示す構成とした場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ネットワークに接続する画像形成装置(MFP)、コンピュータ、他の機器(スキャナ、プリンタ、ファクシミリ等)の設置台数、画像形成装置に対するスタッカ、インサータ、大容量スタッカの付設形態は任意とすることができる。
【0125】
上記実施の形態では、画像形成装置(MFP)にスタッカ、インサータ、大容量スタッカを付設し、カラー白黒混交制御を行う場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の画像形成装置(プリンタ、複写機等)にスタッカ、インサータ、大容量スタッカを付設し、カラー白黒混交制御を行う場合にも適用することができる。
【0126】
上記実施の形態では、画像形成装置の画像形成方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インクジェット方式など他の画像形成方式に適用することができる。
【0127】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明が達成されることは言うまでもない。
【0128】
この場合、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体等の媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、或いはネットワークを介したダウンロードなどを用いることができる。
【0129】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0130】
更に、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、装着された別の格納手段の格納情報に基づき、実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始する制御を行うため、挿入手段が他のジョブに関わる出力シートの挿入動作を実行中の場合でも、挿入手段におけるジョブ実行中の装着個所以外の装着個所に格納手段を装着することにより、実行中のジョブが終了次第、自動的に次のジョブを開始することができる。
【0132】
また、格納手段が挿入手段に装着されたことに応じて格納情報記憶手段から格納情報を読み出し、格納情報と装置情報が一致しない場合に挿入手段の挿入動作を禁止する制御を行うため、挿入手段に対する格納手段の装着ミスが発生した場合でも、シートの誤挿入を確実に防止することができる。
【0133】
また、複数の格納手段(シート格納装置)が、シートに関する格納情報を書き込み・読み出し可能な格納情報記憶手段をそれぞれ装備しているため、格納手段ごとに固有の名称を与えることが可能となり、挿入手段(シート挿入装置)のどの装着個所に格納手段が装着された場合でも、格納情報記憶手段に記憶されている格納手段の固有名称とその他の内容から正常なシート混交制御を行うことができると共に、ユーザによる挿入手段の複数の装着個所に対する格納手段の装着ミスをなくすことができる。
【0134】
また、複数の格納手段(シート格納装置)が、格納情報記憶手段の格納情報の表示をするので格納手段に格納されたシートを容易に識別することができ、装着ミスや不用意なユニットの引き出しを防止するような表示等が可能になりユーザの操作性を向上させることができる。
【0135】
更に、挿入手段(シート挿入装置)における格納手段の表示部に、挿入手段への指定装着個所や、その指定装着個所に正常に装着されたかどうかの可否、前記シート格納装置の使用状況の少なくとも一つを表示するので、挿入手段に対するユーザの格納手段の装着ミス等の誤操作を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成ネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る画像形成装置のスキャナ部の内部構造を示す構成図である。
【図4】本実施の形態に係る画像形成装置のIP部の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態に係る画像形成装置のFAX部の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る画像形成装置のNIC部とPDL部の構成を示すブロック図である。
【図7】本実施の形態に係る画像形成装置のコア部の構成を示すブロック図である。
【図8】本実施の形態に係る画像形成装置のPWM部とプリンタ部の構成及び各種信号を示す図であり、(A)はPWM部とプリンタ部の構成を示すブロック図、(B)は各種信号を示す図である。
【図9】本実施の形態に係るカラー画像形成装置のプリンタ部の内部構造を示す構成図である。
【図10】本実施の形態に係る白黒画像形成装置のプリンタ部の内部構造を示す構成図である。
【図11】本実施の形態に係る画像形成装置のディスプレイ部の構成を示すブロック図である。
【図12】本実施の形態に係る画像形成装置のスタッカの模式的な構成を示す構成図である。
【図13】本実施の形態に係るコンピュータのユーティリティソフトウェアの画面例を示す図である。
【図14】本実施の形態に係るコンピュータのユーティリティソフトウェアの画面例を示す図である。
【図15】本実施の形態に係るカラー/白黒ページ分割処理を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態に係る白黒画像形成装置とインサータとのインタフェース及び記憶装置周辺回路を示すブロック図である。
【図17】本実施の形態に係るカラー画像形成装置とスタッカとのインタフェース及び記憶装置周辺回路を示すブロック図である。
【図18】本実施の形態に係る白黒画像形成装置に付設されたインサータ及び大容量スタッカの模式的な構成を示す構成図である。
【図19】本実施の形態に係るスタッカトレイに装備された記憶装置のメモリマップを示す図である。
【図20】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の出力方法がスタッカトレイに格納されるカラー出力紙の積載方法に基づき制御される様子を示す図である。
【図21】本実施の形態に係るカラー画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図22】本実施の形態に係るカラー画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図23】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図24】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図25】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図26】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【図27】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【図28】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【図29】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【符号の説明】
101 ネットワーク
102 サーバコンピュータ(外部装置)
103 クライアントコンピュータ(外部装置)
104 カラーMFP(画像形成装置、第一の画像形成装置、第二の画像形成装置)
105 白黒MFP(画像形成装置、第一の画像形成装置、第二の画像形成装置)
108 インサータ(挿入手段、シート挿入装置)
201 スキャナ部(原稿読取手段)
1202 記憶装置(格納情報記憶手段)
1207 スタッカトレイ(格納手段、シート格納装置)
1210 表示部(表示手段)
1705 白黒MFPのCPU(制御手段)
1805 カラーMFPのCPU(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートに画像形成を行う画像形成装置、シートを格納するシート格納装置、複数のシート格納装置が着脱可能に装着されるシート挿入装置、複数の画像形成装置及び外部装置をネットワーク接続した画像形成システム、ジョブ開始制御方法、シート挿入制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネットワークにカラー画像形成装置(カラー複写装置)や白黒画像形成装置(白黒複写装置)が接続されたシステムにおいて、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数原稿の画像を複写してプリントアウトする場合、ユーザはカラー複写装置にて複数原稿の画像すべてをプリントアウトさせることで、カラーページと白黒ページが混在するプリント結果を得ていた。
【0003】
一方、カラー複写装置は白黒複写装置よりも画像形成処理に時間がかかり、コストもかかるので、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数原稿のなかで白黒原稿だけは白黒複写装置にてプリントアウトさせたいという要望がある。そこで、カラー原稿と白黒原稿が混在した複数原稿の画像を複写してプリントアウトする場合において、白黒原稿は白黒複写装置にてプリントアウトさせ、カラー原稿はカラー複写装置にてプリントアウトさせることが考えられる。
【0004】
この場合、白黒複写装置にてプリントアウトさせた記録紙とカラー複写装置にてプリントアウトさせた記録紙を元の複数原稿のように1つにまとめるには、ユーザが一方の複写装置で出力させた記録紙と記録紙の間にもう一方の複写装置で出力させた記録紙をインサート(中差し)し、手作業でページ順を整えなければならなかった。
【0005】
このように、複数の画像をプリントアウトしたものを1つの資料にしたいときには、コンピュータ上で処理できない部分があり、プリントアウトされたものをユーザが机の上に広げて手作業しなければならず、効率が悪くこの点の省力化が望まれる。
【0006】
これを改善するための手段として、カラーMFP(マルチファンクション周辺機器)のカラー出力紙を一旦格納するためのスタッカトレイ(格納手段)と、カラー白黒混交を行う際に白黒MFPにおいて白黒出力紙にカラー出力紙をインサートするためのインサートトレイ(再給紙手段)を共通化し(以後スタッカトレイと呼ぶ)、出力速度の点で劣るカラーMFPでプリントされたカラー出力紙をスタッカトレイに積載・格納し、そのスタッカトレイを白黒MFPのインサート装置(インサータ)に装着することで、カラー出力紙を再給紙し、混交制御する方法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては次のような課題があった。画像形成装置によりカラー画像と白黒画像との混交を行う場合、カラー白黒混交を行うための諸情報、つまりジョブナンバー、混交する画像形成装置の指定、用紙サイズ、部数、積載状態、マテリアル(普通紙や厚紙などの用紙種類)などの情報をコンピュータの操作部などを用いて設定し、その設定に基づき、カラー原稿の情報を、ネットワークに接続されているサーバからダウンロードしたり画像形成装置内の記憶手段から読み出すことでカラー画像を形成し、カラー画像と白黒画像との混交動作を行うものである。そのため、ユーザの入力ミスによるミスコピーの発生や、複雑な設定による煩わしさが伴い、未だにユーザにとっては大きな負担となっている。特に、ネットワークを介して複数台の白黒/カラ−画像形成装置が接続されている場合のインサータ装置の設置ミスは、大量のミスコピーと大きなダウンタイムの発生をもたらす。
【0008】
また、近年では、少量ロットで且つ多様化するカラー白黒混交ジョブへの要求が高まり、それに伴い大容量で単一のスタッカトレイのみで処理をするのでは、大型のスタッカトレイが数多く必要となり効率的でない。そこで、スタッカトレイを小型化し、スタッカ装置(インサート装置)に複数のスタッカトレイを装着可能とすることで、ユーザの要求ごとにスタッカトレイを使い分けることが可能となり、少量ロットのジョブの生産性を向上できる構成が有効となってきている。
【0009】
この場合、複数のスタッカトレイを管理し使い分けすることで、用紙の出力場所として、所望の画像形成装置のインサート装置に設定すると共に所望の出力段に間違いなく設定することが必須となってくる。その結果、スタッカトレイが単一の場合よりも、上述したようなユーザの煩わしさが増加し、設定ミスや設置ミスによるミスコピーの頻度が上昇し、ユーザの負担は大きくなる。更に、複数トレイになることで、ジョブを実行していないトレイの予約の操作が可能となり、複雑な設定が増えることが予想される。更に、複数のユーザが画像形成装置及びインサート装置を共有する場合は、設定ミスや設置ミスによる煩わしさやダウンタイムが増加することは言うまでもない。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、挿入手段が他のジョブに関わる出力シートの挿入動作を実行中の場合でも、実行中のジョブが終了次第、自動的に次のジョブを開始可能とし、シートの誤挿入を防止し、正常なシート混交制御を可能とし、挿入手段に対する格納手段の装着ミスをなくすことを可能とした画像形成装置、シート格納装置、シート挿入装置、画像形成システム、ジョブ開始制御方法、シート挿入制御方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、シートに画像を形成する画像形成手段を有し、シートを格納すると共にシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段を着脱可能な挿入手段が付設される画像形成装置であって、前記挿入手段に前記格納手段が装着されたことに応じて、前記格納情報に基づき、前記格納手段に格納されたシートを前記挿入手段により前記画像形成手段で画像形成されたシートに挿入する動作を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、前記挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、前記装着された別の格納手段の前記格納情報に基づき、前記実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、シートに画像を形成する画像形成手段を有し、シートを格納すると共にシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段を着脱可能な挿入手段が付設される画像形成装置であって、前記複数の格納手段のそれぞれを、前記格納手段に格納されたシートを前記画像形成手段で画像形成されたシートに挿入する前記挿入手段が備える複数の装着個所それぞれに共通に使用することが可能であり、前記画像形成装置に関する装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、前記格納手段が前記挿入手段に装着されたことに応じて前記格納情報記憶手段から前記格納情報を読み出し、前記格納情報と前記装置情報が一致しない場合に前記挿入手段の挿入動作を禁止する制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、外部装置からネットワークを介して送信された画像形成ジョブを複数の画像形成装置により分散してシートに画像を形成する画像形成システムであって、第一の画像形成装置で画像形成された出力シートを格納すると共に前記出力シートに関する格納情報を書き込み・読み出し可能な格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段と、前記複数の格納手段を着脱可能で且つ前記格納手段に格納された出力シートを第二の画像形成装置で画像形成された出力シートに挿入する挿入手段と、前記第二の画像形成装置に付設した前記挿入手段に前記格納手段が装着されたことに応じて、前記格納手段の前記格納情報に基づき前記挿入手段の前記挿入動作を制御することで前記画像形成ジョブを実行する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、前記挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、前記装着された別の格納手段の前記格納情報に基づき、前記実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
<システムの概要>
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成ネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。画像形成ネットワークシステムは、例えば、出力紙排出側にスタッカ107が付設されたMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)としてのカラー画像形成装置104、出力紙排出側にインサータ108及び大容量スタッカ109が付設されたMFPとしての白黒画像形成装置105、サーバとしてのコンピュータ102、クライアントとしてのコンピュータ103a、コンピュータ103bをネットワーク101により接続した構成となっている。尚、本図には図示していないが、ネットワーク101上には上記以外の画像形成装置を始め、スキャナ、プリンタ、ファクシミリなどの他の機器も接続されている。また、本図には図示していないが、ネットワーク101上には上記以外のクライアントが多数接続されており、以下クライアントを代表して103と表記する。
【0016】
カラー画像形成装置104は、フルカラーでスキャン及びプリントなどが可能なカラーMFPであり、その出力紙はカラー画像形成装置104に付設されたスタッカ107内に例えば上下2段に装着されたスタッカトレイ1207、1208に順次積載、格納される。尚、カラー画像形成装置104には後述するようにインサータ108を付設することも可能である。白黒画像形成装置105は、モノクロでスキャン及びプリントなどが可能な白黒MFPであり、その出力紙は白黒画像形成装置105に付設されたインサータ108及び大容量スタッカ109内のスタッカトレイ1207、1208に順次積載、格納される。
【0017】
スタッカトレイ1207、1208に優先度が決められている場合や優先度が設定されている場合は、その優先度に従いスタッカトレイが選択され、順次積載される。ジョブが終了した時点で次のジョブの予約があれば、速やかにスタッカトレイの段設定(図示例では上の段か下の段かを示す設定)を変更し、前ジョブとは異なるスタッカトレイに積載を開始する。また、ユーザの設定によっては、同一のスタッカトレイに積載する場合もある。ここで、本実施の形態ではスタッカトレイの構成の一例として2段の構成としているが、それ以上の複数段でも構わない。
【0018】
また、スタッカトレイ1207、1208は、スタッカ107、インサータ108、大容量スタッカ109に対し装着及び取り外しが可能であり、カラー画像形成装置104で画像形成したカラー出力紙が積載されたスタッカトレイ1207をインサータ108に装着することで、白黒画像形成装置105はカラー出力紙及び白黒出力紙を混交することが可能なシステムとなり、混交された出力紙はオフラインの後処理用のバケットに排出され、図示しない後処理装置により製本等が実行される。
【0019】
コンピュータ103上では、いわゆるDTP(Desk Top Publishing:デスクトップパブリッシング)を実行するアプリケーションソフトウェアを動作させることで、各種文書/図形を作成/編集することができる。コンピュータ103は、作成された文書/図形をPDL言語(Page Description Language:ページ記述言語)に変換し、ネットワーク101を経由してMFP104、105に送ることで、MFP104、105でプリントアウトされる。MFP104、105は、それぞれ、コンピュータ102、103とネットワーク101を介して情報交換できる通信手段を有しており、MFP104、105の情報や状態をコンピュータ102、103側に逐次知らせる仕組みとなっている。更に、コンピュータ102、103は、その情報を受けて動作するユーティリティソフトウェアを有しており、MFP104、105をコンピュータ102、103により管理することができる。
【0020】
<MFP104、105の構成>
次に、図2〜図12を用いてMFP104、105の構成を説明する。但し、MFP104とMFP105の差はフルカラーとモノクロの差であり、色処理以外の部分ではフルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多いため、ここではフルカラー機器に絞って説明し、必要に応じて随時モノクロ機器の説明を加えることとする。
【0021】
MFP104、105は、図2に示すように、画像読み取りを行うスキャナ部201、その画像データを画像処理する画像処理部(IP部:Image Processing)202、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部203、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやり取りするNIC(Network Interface Card:ネットワークインタフェースカード)部204、コンピュータ103から送られてきたページ記述言語(PDL)を画像信号に展開するPDL部205、経路の切り替え及び画像データの圧縮/伸長を行うコア部206、コア部206から出力された画像データをレーザビームに変換するPWM(Pulse Width Modulation)部207、シートに画像形成を行うプリンタ部208、コア部206から出力された画像データを変換し表示するディスプレイ部210を有する。
【0022】
MFP104、105の使い方に応じてコア部206で画像信号を一時保存したり、経路を決定する。次に、コア部206から出力された画像データは、画像形成を行うプリンタ部208に送られる。プリンタ部208でプリントアウトされたシートはスタッカ107へ送り込まれ、順次積載される。また、ディスプレイ部210は、画像をプリントせずに画像の内容を確認したり、プリントする前に画像の様子を確認したりする(プレビュー)ために用いられる。
【0023】
<スキャナ部201の構成>
図3を用いてスキャナ部201の構成を説明する。原稿台ガラス301は、読み取られるべき原稿302が置かれる。原稿302は照明ランプ303により照射され、その反射光は第1ミラーユニット310のミラー304、第2ミラーユニット311のミラー305、306を経て、レンズ307によりCCDセンサ308上に結像される。ミラー304、照明ランプ303を含む第1ミラーユニット310は移動機構により速度Vで移動し、ミラー305、306を含む第2ミラーユニット311は移動機構により速度(1/2)Vで移動することにより、原稿302の全面を走査する。第1ミラーユニット310及び第2ミラーユニット311はモータ309により駆動する。
【0024】
<画像処理部202の構成>
図4を用いてIP部(画像処理部)202の構成を説明する。スキャナ部201で入力された光学的信号は、CCDセンサ308により電気信号に変換される。このCCDセンサ308はR(赤)、G(緑)、B(青)3ラインのカラーセンサであり、R、G、Bそれぞれの画像信号としてIP部(画像処理部)202のA/D変換部401に入力される。A/D変換部401でゲイン調整、オフセット調整をされた後、各色信号毎に8bitのデジタル画像信号R0、G0、B0に変換される。その後、シェーディング補正部402で色毎に、基準白色板の読み取り信号を用いた公知のシェーディング補正が施される。更に、CCDセンサ308の各色ラインセンサは、相互に所定の距離を隔てて配置されているため、ラインディレイ調整回路(ライン補間部)403において、副走査方向の空間的ずれが補正される。
【0025】
次に、入力マスキング部404は、CCDセンサ308のR、G、Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSC(National Television System Committee)の標準色空間に変換する部分であり、CCDセンサ308の感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0、G0、B0)信号を標準的な(R、G、B)信号に変換する。更に、輝度/濃度変換部(LOG変換部)405は、ルックアップテーブル(LUT)RAMにより構成されており、R、G、Bの輝度信号がC1、M1、Y1の濃度信号になるように変換する。
【0026】
出力マスキング/UCR回路部406は、M1、C1、Y1信号を画像形成装置のトナー色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)信号にマトリクス演算を用いて変換する部分であり、CCDセンサ308で読み込まれたR、G、B信号に基づいたC1、M1、Y1、K1信号をトナーの分光分布特性に基づいたCMYK信号に補正して出力する。次に、ガンマ変換部407にて、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのCMYKデータに変換し、空間フィルタ408では、CMYKデータにシャープネスまたはスムージングを施した後、画像信号はコア部206へと送られる。
【0027】
MFP105によりモノクロの画像処理を行う場合には、単色の1ラインCCDセンサを用いて、単色でA/D変換、シェーディングを行った後、入出力マスキング処理、ガンマ変換処理、空間フィルタ処理の順で処理しても構わない。
【0028】
<FAX部203の構成>
図5を用いてFAX部203の構成を説明する。まず、受信時には、電話回線から来たデータをNCU部501で受け取り電圧の変換を行い、モデム部502内の復調部504でA/D変換及び復調操作を行った後、伸張部506でラスタデータに展開する。一般にFAXでの圧縮伸張にはランレングス法などが用いられる。ラスタデータに変換された画像は、メモリ部507に一時保管され、画像データに転送エラーがないことを確認後、コア部206へ送られる。次に、送信時には、コア部206よりやってきたラスタイメージの画像信号に対して、圧縮部505でランレングス法などの圧縮を施し、モデム部502内の変調部503でD/A変換及び変調操作を行った後、NCU部501を介して電話回線へと送られる。
【0029】
<NIC部204の構成>
図6を用いてNIC部204の構成を説明する。ネットワーク101に対してのインタフェースの機能を持つのが、このNIC部204であり、例えば10Base−T/100Base−TXなどのEthernet(登録商標)ケーブルなどを利用して外部からの情報を入手したり、外部へ情報を流す役割を果たす。
【0030】
外部より情報を入手する場合は、まず、トランス部601で情報を電圧変換し、LANコントローラ部602に送る。LANコントローラ部602は、その内部に第1バッファメモリ(不図示)を持っており、その情報が必要な情報か否かを判断した上で、第2バッファメモリ(不図示)に送った後、PDL部205に信号を流す。次に、外部に情報を提供する場合には、PDL部205より送られてきたデータは、LANコントローラ部602で必要な情報を付加して、トランス部601を経由してネットワーク101に接続される。
【0031】
<PDL部205の構成>
図6を用いてPDL部205の構成を説明する。コンピュータ103上で動作するアプリケーションソフトウェアによって作成された画像データは、文書、図形、写真などから構成されており、それぞれは、文字コード、図形コード及び、ラスタ画像データなどによる画像記述の要素の組み合わせから成っている。これが、いわゆるPDL(Page Description Language:ページ記述言語)であり、Adobe社のPostScript(登録商標)言語に代表されるものである。
【0032】
PDL部205では、上記PDLデータからラスタ画像データへの変換処理を行う。まず、NIC部204から送られてきたPDLデータは、CPU部603を経由して一度ハードディスク(HDD)のような大容量メモリ604に格納され、ここで各ジョブ毎に管理、保存される。次に、必要に応じて、CPU部603は、RIP(Raster Image Processing)と呼ばれるラスタ化画像処理を行って、PDLデータをラスタイメージに展開する。展開されたラスタイメージデータは、CMYKの色成分毎にDRAMなどの高速アクセス可能なメモリ605にジョブ毎にページ単位で格納され、プリンタ部208の状況に合わせて、再びCPU部603を介してコア部206へ送られる。
【0033】
<コア部206の構成>
図7を用いてコア部206の構成を説明する。コア部206のバスセレクタ部701は、MFP104、105の利用における、いわば交通整理の役割を担っている。即ち、複写機能、ネットワークスキャン機能、ネットワークプリント機能、ファクシミリ送信/受信機能、或いはディスプレイ表示機能などMFP104、105における各種機能に応じてバスの切り替えを行うところである。
【0034】
以下に各機能を実行するためのバスの切り替えのパターンを示す。
・複写機能:スキャナ部201→コア部206→プリンタ部208
・ネットワークスキャン機能:スキャナ部201→コア部206→NIC部204
・ネットワークプリント機能:NIC部204→コア部206→プリンタ部208
・ファクシミリ送信機能:スキャナ部201→コア部206→FAX部203
・ファクシミリ受信機能:FAX部203→コア部206→プリンタ部208
・ディスプレイ表示機能:スキャナ部201又はFAX部203又はNIC部204→コア部206→ディスプレイ部210
次に、バスセレクタ部701を出た画像データは、圧縮部702、ハードディスク(HDD)などの大容量メモリからなるメモリ部703及び伸張部704を介してプリンタ部208(PWM部207)又はディスプレイ部210へ送られる。圧縮部702で用いられる圧縮方式は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、JBIG(Joint Bi−level Image Experts Group)、ZIPなど一般的なものを用いればよい。圧縮された画像データは、ジョブ毎に管理され、ファイル名、作成者、作成日時、ファイルサイズなどの付加データと一緒に格納される。
【0035】
更に、ジョブの番号とパスワードを設けて、それらも一緒に格納すれば、パーソナルボックス機能をサポートすることができる。これは、データの一時保存や特定の人にしかプリントアウト(HDDからの読み出し)ができないようにするための機能である。記憶されているジョブのプリントアウトの指示が行われた場合には、パスワードによる認証を行った後にメモリ部703より画像データを呼び出し、画像伸張を行ってラスタイメージに戻してプリンタ部207に送る。
【0036】
<PWM部207の構成>
図8を用いてPWM部207の構成を説明する。コア部206を出たイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に色分解された画像データ(白黒MFP105の場合は単色となる)は、それぞれのPWM部207を通ってそれぞれ画像形成される。801は三角波発生部、802は入力されるデジタル画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ(D/A変換部)である。三角波発生部801からの信号(図8(A)のa)及びD/Aコンバータ802からの信号(図8(B)のb)は、コンパレータ803で大小比較されて、図8(B)のcのような信号となってレーザ駆動部804に送られ、CMYKそれぞれが、CMYKそれぞれのレーザ805でレーザビームに変換される。そして、ポリゴンスキャナ913で、それぞれのレーザビームを走査して、それぞれの感光ドラム917、921、925、929に照射する。
【0037】
<プリンタ部208の構成(カラーMFP104の場合)>
図9を用いてカラーMFP104のプリンタ部208の概略構成を説明する。913は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805(図8参照)より発光された4本のレーザ光を受ける。その内の1本はミラー914、915、916を経て感光ドラム917を走査し、次の1本はミラー918、919、920を経て感光ドラム921を走査し、次の1本はミラー922、923、924を経て感光ドラム925を走査し、次の1本はミラー926、927、928を経て感光ドラム929を走査する。
【0038】
一方、930はイエロー(Y)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム917上にイエローのトナー像を形成する。931はマゼンタ(M)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム921上にマゼンタのトナー像を形成する。932はシアン(C)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム925上にシアンのトナー像を形成する。933はブラック(K)のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム929上にマゼンタのトナー像を形成する。以上4色(Y、M、C、K)のトナー像がシートに転写されることで、フルカラーの出力画像を得ることができる。
【0039】
シートカセット934、935及び手差しトレイ936のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ937を経て転写ベルト938上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム917、921、925、929には各色のトナーが現像されており、シートの搬送と共にトナーがシートに転写される。各色のトナーが転写されたシートは、分離され、搬送ベルト939により搬送され、定着器940によってトナーがシートに定着される。定着器940を抜けたシートは排出される。このようにフェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。
【0040】
尚、4つの感光ドラム917、921、925、929は、距離dをおいて等間隔に配置されており、搬送ベルト939により、シートは一定速度Vで搬送されており、このタイミング同期がなされて、4つの半導体レーザ805(図8参照)は駆動される。
【0041】
<プリンタ部208の構成(モノクロMFP105の場合)>
図10を用いてモノクロMFPのプリンタ部208の概略構成を説明する。1013は、ポリゴンミラーであり、4つの半導体レーザ805より発光されたレーザ光を受ける。レーザ光はミラー1014、1015、1016を経て感光ドラム1017を走査する。一方、1030は、黒色のトナーを供給する現像器であり、レーザ光に従い、感光ドラム1017上にトナー像を形成し、トナー像がシートに転写されることで、出力画像を得ることができる。
【0042】
シートカセット1034、1035及び手差しトレイ1036のいずれかより給紙されたシートは、レジストローラ1037を経て転写ベルト1038上に吸着され、搬送される。給紙のタイミングと同期がとられて、予め感光ドラム1017にはトナーが現像されており、シートの搬送と共にトナーがシートに転写される。トナーが転写されたシートは、分離され、定着器1040によってトナーがシートに定着される。定着器1040を抜けたシートは排出される。この場合、フェイスアップ状態で排出されるので、プリントは最終ページから順に行う。また、反転部1041によってフェイスダウン状態での先頭ページ処理も可能である。
【0043】
<ディスプレイ部210の構成>
図11を用いてディスプレイ部210の構成を説明する。コア部206より出された画像データは、CMYKデータであるため、逆LOG変換部1101でR、G、Bデータに変換する必要がある。次に、出力されるCRTなどのディスプレイ装置1104の色の特性に合わせるためにガンマ変換部1102でルックアップテーブルを使用して出力変換を行う。変換された画像データは、一度メモリ部1103に格納されて、CRTなどのディスプレイ装置1104によって表示される。
【0044】
ここで、ディスプレイ部210を使用するのは、出力画像を予め確認するプレビュー機能や、出力する画像が意図したものと間違いないか検証するプルーフ機能を実行する場合、或いはプリントの必要がない画像を確認する場合に、プリントシートの無駄を省くためである。
【0045】
<ネットワークユーティリティソフトウェア>
次に、コンピュータ103、102上にて動作するユーティリティソフトウェアについて説明する。MFP104、105内のネットワークインタフェース部分(NIC部204及びPDL部205)にはMIB(Management InformationBase)と呼ばれる標準化されたデータベースが構築されており、SNMP(Simple Network Management Protocol)というネットワーク管理プロトコルを介してネットワーク上のコンピュータと通信し、MFP104、105を始めとして、ネットワーク上につながれたスキャナ、プリンタ或いはFAXなどの管理が可能になっている。
【0046】
一方、コンピュータ103、102上ではユーティリティと呼ばれるソフトウェアプログラムが動作しており、ネットワークを介して上記SNMPの利用によりMIBを使って必要な情報交換が可能となる。例えば、MFP104、105の装備情報としてスタッカ107やスタッカトレイ1207がセットされているか否かを検知し、ステータス情報として現在プリントが出来るか否かを検知したり、或いは、MFP104、105の名前や設置場所などを記入したり変更したり確認したりといった具合に、MIBを使うことにより、ユーザはネットワークに接続されたMFP104、105の情報をコンピュータ103、102上で確認することができる。また、これらの情報はサーバであるコンピュータ102とクライアントであるコンピュータ103を区別してリード・ライトに制限を持たせることも可能である。
【0047】
従って、この機能を使うことにより、MFP104、105の装備情報、装置の状態、ネットワークの設定、ジョブの経緯、使用状況の管理、制御などあらゆる情報をユーザはコンピュータ103、102の前で入手することが可能となる。
【0048】
<GUI>
次に、図13を用いてGUI(Graphic User Interface)と呼ばれるコンピュータ103、102上で動作するユーティリティソフトウェアの画面について説明する。コンピュータ103、102上でユーティリティソフトウェアを起動させると、図13のような画面が表示される。ここで、1301はウィンドウ、1320がカーソルで、マウスを使ってクリックすると別のウィンドウが開いたり、次の状態に遷移する。1302はタイトルバーと呼ばれ、現在のウィンドウの階層やタイトルを表示するのに用いられる。1303〜1307はそれぞれタブと呼ばれ、それぞれの分類ごとに整理されており、必要な情報を見たり、必要な情報を選択したりすることができる。
【0049】
ここでは、1303がデバイスタブと呼ばれ、デバイスの存在とその概要を知ることができる。デバイスタブ1303には、1308、1309のようなMFP104とMFP105を示すビットマップ画像があり、1310、1311、1312、1313のメッセージによりこれらMFPがどんな状態かが表示される。装置状態の詳細はステータスタブ1304を見ればわかる仕組みになっている。次に、1305はキュータブで、それぞれの装置内にキューイングされているジョブの様子やデバイスの混み具合を伺い知ることができる。
【0050】
次に、コンフィグタブ1306は、どんな機能を持つフィニッシャが装着されているかなど装備情報を知ることができる。例えば、MFP105にはインサータが装着されているか、又はフィニッシャが装着されているか、5000枚まで収納可能なレターサイズのペーパーデッキが装着されているか、そのシート残量がどのくらいであるかとか、或いは両面処理を行うユニットが装着されているかといった具合である(図13ではフィニッシャ装着例を示している)。セットアップタブ1307は、装置のネットワーク設定情報を知ることができる。
【0051】
<スタッカ107の構成>
次に、図12を用いてスタッカ107が主にカラーMFP104の出力紙を積載・格納するのに使用される場合の概略を説明する。スタッカ107には、スタッカトレイ1207、1208が着脱可能に装着されており、実際にはスタッカトレイ1207、1208内に用紙が積載される。カラーMFP104のプリンタ部208によりプリントされた用紙はスタッカ107に送り込まれ、ジョブの種類に応じて積載方法としてS置き又はF置きが選択され、積載・格納される。ここで、混交されるべきカラーページ数が3ページの場合を例にとると、設定された部数分ずつ同一ページを積載する方法をS置きモード積載、3ページ分を順次積み重ねて積載する場合をF置きモード積載とよぶ。図12はスタッカトレイ1207、1208内にF置きで用紙が置かれている例である。
【0052】
リフタ装置は、スタッカ107内におけるスタッカトレイ1207、1208の装着部に各々設けられており、リフタ部1203、スタッカトレイ有無検知センサ1201、紙面位置検知センサ1205、リフタ位置検知センサ1206、及びリフタ部1203を駆動するギア1208、1209等で構成されている。尚、スタッカ107内におけるスタッカトレイ1207、1208の各装着部の上記構成には便宜上同一符号を付す。リフタ部1203は、紙面の位置を検知する紙面位置検知センサ1205の出力に基づき、排出口1204から紙面までの高さが一定に保たれるように制御され、画像形成された用紙の積載性を向上させるものである。また、リフタ部103を上下方向に駆動する方法の一例としては、スタッカ107に装備されている不図示のモータが、連結ギア1208を介して、リフタ部1203に接続されているワイヤを巻き取ることが可能なギア1209に駆動を伝達することで上下方向への駆動が可能となる。
【0053】
リフタ位置検知センサ1206は、リフタ1203の位置を検知することで、スタッカトレイ1207のシート積載量を検知するためのものであり、該センサ1206を複数箇所設置することにより、検知精度を上げることができる。紙面位置検知センサ1205、リフタ位置検知センサ1206は、フラグ式センサ、光学式センサ、イメージセンサなど、どの構造でもよく、各センサはスタッカ107側に構成されている。また、リフタ装置は、図18に示すように、スタッカトレイ1207がインサータ108に装着され、用紙が再給紙される場合の給紙ローラ1903に対して紙面の高さを一定に保つためのリフタ装置でもある。
【0054】
スタッカトレイ1207に装備される記憶装置1202は、カラーMFP104によって画像形成されたカラー出力紙を、白黒MFP105によって画像形成される白黒出力紙の中にインサートしてカラー白黒混交するための情報を書き込むための記憶媒体である。また、記憶装置1202は、白黒画像の出力紙をカラー出力紙にインサートするための情報を書き込むための記憶媒体でもよい。記憶装置1202に書き込みされる情報は、例えば、ジョブ実行の管理者名、プリンタNo、指定段、ジョブの優先度、用紙サイズ(不定形サイズを含む)、ジョブID、プリントNo、用紙の出力枚数、同一ページの用紙の出力部数、積載方法、マテリアル(用紙種類)などである。
【0055】
これらの情報により、白黒データとのマッチングやページ合わせが行われ、混交動作が実行可能となる。また、これらの情報により、インサータ108におけるスタッカトレイを装着する再給紙段に特別な指定がない場合は、どの再給紙段にスタッカトレイが装着されても混交動作が実行可能となるまた、インサータ108におけるスタッカトレイを装着する再給紙段に指定がある場合は、記憶装置1202内の情報に基づき、白黒MFP105の図示しない表示部を用いてユーザに設置段の指定を行わせる。
【0056】
図16、図17に示すように、複数のスタッカトレイ1207、1208ごとに表示部1210を装備し、記憶装置1202の情報の一部を必要に応じて表示してもよい。例えば、図26では、スタッカトレイごとにユニークな名称(図示例ではトレイ1(○○○○太郎))を表示したり、プリンタ名(白黒MFP(IR105)の3号機)や指定設置段(2段目のカセット)を表示したりすることで設置ミスを防ぐことが可能となる。また、スタッカ107で用紙が積載される際に、リフタ装置による制御はなく、カラーMFP105の出力紙が自然に積載されるものとしてもよい。
【0057】
<インサータ108の構成>
次に、図18を用いてインサータ108の概略構成を説明する。インサータ108は、カラーMFP104が出力し且つスタッカトレイ1207、1208に積載・格納したカラー出力紙を、上記記憶装置1202内の挿入情報に従い、白黒MFP105が出力する白黒出力紙の間にインサートするように給紙・搬送し、カラー白黒混交を実行するものである。また、インサータ108は、インサート用のカラー出力紙を混交するために積載・格納しておく手段として、カラーMFP104のスタッカ107と白黒MFP105のインサータ108に共通に使用できる複数のスタッカトレイ1207、1208を用いることを特徴としている。
【0058】
インサータ108内のスタッカトレイ1207、1208に格納されたカラー出力紙を、スタッカトレイ1207、1208のリフタ部1203を用いて、上記スタッカ107におけるスタッカトレイ1207、1208の場合と同様に上昇させ、給紙ローラ1903に対して紙面の高さが常に一定になるように制御する。更に、重送防止ローラ1904が給紙ローラ1903と逆回転となることで用紙が一度に複数枚給紙されることを防ぐ機構が採用されている。尚、インサータ108の内部には、複数のスタッカトレイ(本実施の形態ではスタッカトレイ1207、1208)をそれぞれ装着するための複数の再給紙段が配設されている。
【0059】
<大容量スタッカ109>
次に、図18を用いて大容量スタッカ109の概略構成を説明する。インサータ108内のスタッカトレイ1207に積載されたジョブ束と、白黒MFP104から出力されたジョブ束は、上記制御により適切な混交が行われ、インサータ108の下流側に付設される大容量スタッカ109に、混交されたジョブ束が順次格納されるものである。大容量スタッカ109に積載されたジョブ束群は、その後オフラインにより、製本などの処理やフィニッシング処理が施されるものである。
【0060】
上記フィニッシング処理を行う機構としては、バインドするためのステープラ、紙をZ字状に折るためのZ折り機、ファイル用の2つ(または3つ)の穴開けを行うパンチャ等があり、ジョブの種類に応じてそれぞれの処理を行う。その他、製本のためのグルー(糊付け)によるバインドや、或いはバインド後にバインド側と反対側の端面を揃えるためのカッティングなどを加えるトリムも可能である。また、大容量スタッカ109の用紙格納手段を、上述のスタッカトレイ1207、1208を併用できる構成にすると更に効果的な場合がある。
【0061】
<ジョブの分割>
次に、図14を用いてカラー画像と白黒画像のジョブ分割を説明する。コンピュータ102、103からカラーMFP104を使用し、1つのジョブ内にカラーページと白黒ページが混在しているジョブをプリントする場合、まず、図14に示すようなコンピュータ102、103上で動作するソフトウェアであるドライバを用いてカラーMFP104にジョブを転送する。
【0062】
図14で、1501はコンピュータ102、103の画面上に表示されるドライバウィンドウであり、その中の設定項目として、1502はカラープリンタ(カラーMFP104)の選択を行うカラープリンタ選択カラム、1503は白黒プリンタ(白黒MFP105)の選択を行う白黒プリンタ選択カラム、1504はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラム、1505は部数を指定する部数設定カラム、1506はカラー/白黒混在ジョブに対してカラー/白黒画像の分割を指示するジョブカラーモードカラム、1507は印刷を開始するOKキー、1508は印刷を取りやめるキャンセルキー、1509は更なる詳細設定を行うプロパティキーである。
【0063】
ここで、ジョブカラーモードカラム1506は、自動分割、手動分割、全ページカラー、全ページ白黒の中から1つのモードを選択することが可能であり、手動分割の場合には、ユーザがそれぞれのページに対して、カラーMFP104と白黒MFP105のうちどちらのMFPから出力するかを選択設定することになる。つまり、詳細設定ウィンドウにて各ページ毎にカラーであるか白黒であるかを予め手動設定しておく。
【0064】
<ジョブの自動分割とカラー/白黒判定>
次に、図15のフローチャートを用いてジョブの自動分割(Auto Separation)を説明する。上記図14のドライバウィンドウ1501においてOKキー1507が押されると、コンピュータ(クライアント)103上のドライバはコンピュータ(サーバ)102を介して、カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報とプリントジョブをカラーMFP104及び白黒MFP105に送る。自動分割の場合には、この時点ではどのページが白黒ページであるか判定できていないので、全ページのジョブ内容をカラーMFP104及び白黒MFP105へそれぞれ送る。カラーページと白黒ページを送る順序は、カラーMFP104、白黒MFP105の順で時間をずらして送ってもよいし、2つのMFP104、105に同時に送っても構わない。
【0065】
カラーページ及び白黒ページが混在しているジョブであることを示す情報を受けた白黒MFP105は、即座にプリントを開始せずに、カラーMFP104からの白黒ページ番号通知を待機する。そして、ジョブが自動分割に設定されていれば(ステップS1601でYES)、サンプリング周期の設定内容をカラーMFP104へ送る(ステップS1602)。但し、サンプリング周期の設定は、プロパティキー1509により表示される詳細設定のためのウィンドウで事前に行われている。
【0066】
サンプリング周期に関し、100画素×100ラインに1ポイントの割合でサンプリングすればサンプリング時間は1/10000で済むし、400dpiの画像ならば0.25inch(=6.35mm)周期の格子単位でサンプリングすると、レターサイズ(11”x8.5”)のシートで1500ポイント近くならば、カラー/白黒の何れであるかはある程度判定できる。それでも判定が困難な画像の場合には、更にサンプリング周期を細かく設定するか、ジョブカラーモードカラム1506を手動分割(Manual Separation)に設定し、詳細設定ウィンドウにて各ページがカラーであるか白黒であるかを予め手動設定しておく。
【0067】
次に、ジョブ及びサンプリング周期の設定内容を受け取ったカラーMFP104のPDL部205は、ジョブ内のページを最終頁から順に順次ラスタライズ展開処理(RIP)し、RIP後の画像をページ単位、色成分(CMYK)毎に半導体メモリ605に格納する。格納された画像は、そこでCPU部603によりカラー/白黒判定が行われる(ステップS1603)。カラー/白黒判定は、半導体メモリ605内の各サンプルポイントに黒(K)以外の成分(CMY成分)があるか否かで行われる(ステップS1604、ステップS1605)。
【0068】
このとき、処理速度を速めるために、ページ内のサンプリングポイントの中に1ポイントでもカラー(CMY)成分があれば(ステップS1605でNO)、そのページはカラー画像であるため、その時点でそのページにおけるカラー/白黒判定を中止し、そのページはカラーページとしてカラーMFP104内部で処理される。また、このジョブに対して再プリントをすることが考えられるため、そのページのページ番号情報はカラーページであることを示す情報と共にネットワーク101を経由してコンピュータ(サーバ)102へ通知する(ステップS1609)。そして、そのページはカラーMFP104にてカラープリントする(ステップS1610)。また、後述するメモリへの書き込みのために、ジョブ中のカラーページのページ番号をカラーMFP104のメモリに記憶しておく。
【0069】
ページ内のサンプリングポイントの中に1ポイントもカラー(CMY)成分が存在しない場合には(ステップS1605でYES)、そのページは白黒ページとして白黒処理するため、そのページのページ番号情報は白黒ページであることを示す情報と共にネットワーク101を経由してコンピュータ(サーバ)102に通知する(ステップS1611)。これと同時に、カラーMFP104のメモリにページ情報として書き込まれる。コンピュータ(サーバ)102は、白黒ページ番号情報を自動的に白黒MFP105に通知してもよいし、白黒ページ番号情報を白黒MFP105からの要求信号によって通知するものとしてもよい。
【0070】
上記ステップS1611の通知を受けた白黒MFP105は、白黒MFP105に付設されたインサータ108にカラーで記録されたシートが積載されたスタッカトレイ1207が正常に設置されると、スタッカトレイ1207に積載されたシートと白黒MFPでプリントしたシートの混交動作を開始する。そして、スタッカトレイ1207に装備された記憶装置1202から読み出された情報に基づいて、該当する白黒ページのみRIP展開してプリントする。ステップS1603〜ステップS1606、ステップS1609〜ステップS1612はジョブキャンセルの割り込みが入らない限り、最終ページまで繰り返され(ステップS1612)、カラーMFP104におけるジョブを終了する。
【0071】
ジョブの自動分割の設定がなされていない、即ち手動分割が設定されている場合には(ステップS1601でNO)、コンピュータ(サーバ)102が、ドライバから各ページがカラーであるか白黒であるかの情報を受け取り、それに応じてカラーページについてはカラーMFP104へプリント指示し、白黒ページについては白黒MFP105へプリント指示する(ステップS1607)。そして、カラーMFP104はカラーページをプリントし、白黒MFP105は所定のタイミングで白黒ページをプリントする。
【0072】
このようにして、カラーページ及び白黒ページが混在したジョブを、カラーページはカラーMFP104でプリントさせ、白黒ページは白黒MFP105でプリントさせることができる。
【0073】
尚、上記説明では、ラスタライズ展開処理はページ毎順次行うものとしたが、ジョブ全部を一旦、大容量の半導体メモリ(HDD)604にてRIP展開し、順次、半導体メモリ605にページ毎或いは複数ページ分を読み出して判定処理しても構わない。また、上記説明では、ジョブの自動分割はカラーページと白黒ページとで分割するものであったが、所定の部数単位で分割してもよいし、写真ページと文字ページとで分割してもよい。また、上記説明では、ドライバからプリント情報がカラー画像形成装置に送られて、カラー画像形成装置で各ページのカラー/白黒判定を行って、カラーページの出力を最初に行ったが、これに限定するものではなく、白黒の画像形成装置で各ページのカラー/白黒判定を行って、白黒ページの出力を先に行ってもよい。
【0074】
<記憶装置1202へのリード・ライト動作>
次に、図16、図17を用いて記憶装置1202へのリード・ライト動作を説明する。カラーMFP104がカラー白黒混交のためのカラージョブを、スタッカトレイ1207に対してプリント出力する際、図17に示すように、カラーMFP104のCPU1805は、スタッカ107内のスタッカトレイ1207に構成されるメモリ等の記憶装置1202に対してライト動作を行う。
【0075】
カラーMFP104のCPU1805は、ジョブ実行の管理者名、用紙サイズ(用紙の外形寸法)、用紙枚数、同一ページの用紙部数、プリンタNo、ジョブの番号、カラー/白黒の判定結果によるページ番号(スタッカトレイに格納された用紙それぞれのページ番号)、その順番を示すページ順情報(S置き、F置きなど)、マテリアル(用紙種類)、用紙の表面が上向きにした状態で排紙されているか否かを示す情報、フィニッシング処理の情報など、カラー白黒混交動作に必要な全ての情報を、カラーMFP104のインタフェース部1803、スタッカトレイ1207のインタフェース部1804を介して記憶装置1202にライト動作を行う。尚、スタッカトレイ1207は表示部1210、バッテリ1211を備えている。
【0076】
図16に示すように、その後、白黒MFP105のCPU1705が、スタッカトレイ有無検知センサ(不図示)によって、白黒MFP105のインサータ108に対するスタッカトレイ1207の装着を検知した場合は、白黒MFP105のインタフェース部1703、スタッカトレイ1207のインタフェース部1704を介して記憶装置1202内の情報のリード動作を行う。そして、そのリードされた情報に基づいて、白黒MFP105とインサータ108を制御してカラー白黒混交動作を開始する。
【0077】
ここで、カラーMFP104、白黒MFP105、スタッカトレイ1207の各々のインタフェース部は多bitのバス幅を持つパラレル制御でもよいし、インタフェース部にシリアル制御部を備えることで、赤外を含むシリアル通信によって実現されているものでもよい。また、白黒MFP105がスタッカトレイ1207にプリント出力する場合も、白黒MFP105のCPU1705がスタッカトレイ1207の記憶装置1202に同様の情報のライト動作を行う。更に、カラーMFP104におけるリード動作も同様である。
【0078】
また、記憶装置1202は、複数ジョブ分のデータのマップを持つことが可能であり、一つのスタッカトレイで複数ジョブの混交動作にも対応することできる。更に、記憶装置1202に書き込まれた情報は、記憶媒体としてEEP−ROM等の不揮発性のメモリを使用することで保持し、又は記憶媒体としてSRAMを使用する場合などは、バッテリ1211による電源供給制御によって、スタッカトレイ1207がスタッカ107やインサータ108から分離され電源がMFP104、105から供給されない場合においても、そのメモリデータを失わないものとする。
【0079】
また、スタッカトレイ1207、1208に各々装備された表示部1210は、各スタッカトレイに積載されている用紙に関わるジョブ情報の一部を記憶装置1202から読み取り、表示するためのものである。図26、図27、図28、図29に表示例を示す。尚、本実施の形態では、スタッカトレイごとに表示部1210を装備する構成としているが、スタッカ108に装備される図示しない表示部によってスタッカトレイ内の情報を表示してもよいものとする。
【0080】
図26で示される表示は、混交されるべき出力がカラーMFP104により完了し、所望のインサータ108に正常にスタッカトレイ1207、1208が装着されるのに必要な情報を示した場合の一例である。ここでは、ジョブの実行管理者の名称を示すことで、スタッカトレイ1207、1208はユニーク(唯一)な名称で管理することが可能となり、且つスタッカトレイ1207、1208を装着すべき個所を特定することで、ユーザによるMFP(プリンタ)の選択ミスをなくすことが可能となる。
【0081】
図27で示される表示は、スタッカトレイ1207、1208がスタッカ107に装着され当該ジョブに関わる出力紙の積載中であることを示したり、スタッカトレイ1207、1208がインサータ108に装着され出力紙の再給紙動作中であることを示したりする場合の一例である。
【0082】
図28で示される表示は、白黒MFP105が或るジョブの実行中に、次に混交すべきジョブに関わる出力紙を積載したスタッカトレイ1207、1208がインサータ108に装着され、上記次に混交すべきジョブが予約ジョブとして登録された場合に、ユーザにその旨を伝達する場合の一例である。
【0083】
更に、スタッカトレイにシートが無くなり、ジョブが終了した場合は、ジョブが終了した旨を表示し、スタッカトレイにシートが無いことを表示して報知する。
【0084】
図27、図28のように、スタッカトレイ1207、1208がどのような状態にあるか(ステータス)を表示することによって、ユーザが不用意にスタッカトレイを引き出すことを防止でき、ユーザの操作性が向上する。
【0085】
図29で示される表示は、スタッカトレイ1207、1208が所望のインサータ108の再給紙段に正常に装着されない時にその旨をユーザに伝達する場合の一例である。
【0086】
<記憶装置1202のメモリマップ>
次に、図19を用いて記憶装置1202のメモリマップの構成を説明する。図19のメモリマップは、例えば、ジョブ管理者名称、ジョブNo、プリンタNoなどが図示のようなアドレスに振り分けられている。複数ジョブが書き込まれるときは、エリア0〜nに振り分けられている。図示のものを例にとると、スタッカトレイ1207に積載されているジョブは複数あり、管理者は○○○○太郎氏であり、トレイNoはトレイ1、スタッカトレイ1207内の出力紙に関わる複数ジョブのうち最初に処理されるべきジョブNoが「ジョブ3」であることを示している。
【0087】
また、スタッカトレイが装着されるべきインサータ108が接続されている白黒MFPは「MFP105」であり、上述のジョブNoと合わせて所望される組み合わせであるか否かが照合され、それがプリントされるべきであると判断された場合のみ混交動作が行われる。上記組み合わせが一致しない場合は、その旨をコンピュータ(サーバ)102からコンピュータ(クライアント)103に通知するか、もしくは白黒MFP105の表示部などでユーザに報知するか、もしくはスタッカトレイに装備された表示部1210を用いて図29に示すような表示によりユーザに報知する。
【0088】
また、プリンタNoが指定されていない時は、インサータ108が設置されている白黒MFPであればどれでも使用可能であることを示している。更に、用紙サイズが「A4」であり、積載されている用紙のマテリアルが「厚紙」であり、厚紙特有の処理、例えば給紙速度を可変制御するなどの制御が行われるとしてもよい。用紙サイズが不定形の場合は、用紙サイズをカラーMFP104内の用紙サイズ検知センサ(図示略)により検知し、その検知した用紙サイズにより搬送制御を補正するものである。例えば、ジャムの発生を判断するパラメータとして上記用紙サイズを使用するなどが想定される。
【0089】
積載情報は、スタッカトレイ内の積載状態が、カラーMFPで先頭ページ処理されフェイスダウン出力(用紙の画像形成面を下に向けた状態で出力)されたジョブ束であることと、カラーMFPではフェイスアップ出力(用紙の画像形成面を上に向けた状態で出力)が必要である「状態A」であることを示し、それに従ってプリント制御が行われる。更に、白黒プリントされるべきページNoが「3.4.5.10.12・・・」であることを示し、そのページ分のみプリント動作を行う。
【0090】
<ジョブの自動混交>
次に、図1を用いてジョブの混交の概略を説明する。カラーMFP104によりプリントされスタッカ107に排出されたシート束を、ユーザがスタッカトレイ1207ごと、白黒MFP105に接続されているインサータ108にセットする。そして、白黒MFP105は、スタッカトレイ1207がセットされたことを検知すると、スタッカトレイ1207内の記憶装置1202の情報を読み取り、ジョブNOなどの情報により、混交すべきジョブか否かを判断し、混交すべきジョブだと判断した場合は、コンピュータ(サーバ)102又はコンピュータ(クライアント)103に、白黒MFP105のコントローラが起動をかけ、ジョブ情報をコンピュータ(サーバ)102から受信する。
【0091】
白黒MFP105は、そのジョブ情報に合わせて白黒出力紙に対してカラー出力紙を混交し、どのページ位置に配置し、どのようなフィニッシング処理が施されるかを認識する。もしくは、コンピュータ(サーバ)102、コンピュータ(クライアント)103に起動をかけること無しに、白黒MFP本体内に予めダウンロードしておいたプリント情報に合わせて混交される。また、混交されるカラー出力紙のマテリアルの認識により、給紙速度や搬送速度を可変制御する場合もある。
【0092】
また、カラーMFP104における用紙のジャムや重送と呼ばれる不良が原因で、スタッカトレイ1207内に不具合な用紙が格納された場合、混交すべきでないと判断されるジョブNoや使用不可な用紙Noの情報を読み取ることで、図示しないエスケープトレイに強制的に排出できるものとしてもよい。また、その情報をスタッカトレイ1207の表示部1210やMFPの操作部などの伝達手段によってユーザに伝えることが有効である。
【0093】
<積載制御>
次に、図20を用いて白黒MFP104の白黒出力紙の出力方法がスタッカトレイ1207に格納されるカラー出力紙の積載方法によって制御される様子を説明する。カラーMFP104からの出力がフェイスアップ出力で且つ後原稿からの処理が行われた場合は、スタッカトレイ1207内に積載される出力束は、構成A−1のようになる。この場合、白黒カラー混交された後は、構成A−2のようにフェイスダウン出力が要望されるので、白黒MFP105からの出力は、フェイスダウン出力且つ先頭原稿からの処理が選択される。
【0094】
同様に、カラーMFP104からの出力がフェイスダウン出力で且つ先頭原稿からの処理が行われた場合は、スタッカトレイ1207内に積載される出力束は、構成B−1のようになる。この場合、白黒カラー混交された後は、構成B−2のようにフェイスアップ出力が要望されるので、白黒MFP105からの出力は、フェイスアップ出力且つ後原稿からの処理が選択される。
【0095】
よって、カラーMFP104のカラー出力紙の積載方法によって、白黒MFP105の画像形成処理を制御する必要があり、その情報はスタッカトレイ1207内の記憶装置1202に記憶される。カラーMFP104はその情報に基づいて混交動作を行う。
【0096】
<カラーMFP104の処理>
次に、図21、図22のフローチャートを用いてカラーMFP104の処理を説明する。図21、図22のフローチャートは、カラーMFP104内のCPU1805により実行されるプログラムであり、そのプログラムはCPU1805に付随する記憶媒体に格納されている。
【0097】
カラーMFP104にはインサータ108が付設されているものとする。カラーMFP104のCPU1805は、PC(コンピュータ102)の設定画面或いはMFP104の操作部におけるジョブの設定によって、カラー/白黒混交のためにインサータ108を使用するか否かを判断する(ステップS2101)。カラーMFP104のCPU1805は、インサータ108を使用しないと判断した場合は、通常プリントとして上述の制御に従って処理を行う(ステップS2102)。カラーMFP104のCPU1805は、インサータ108を使用すると判断した場合は、画像データ入力方法が、原稿をスキャナ部201で読み取ることにより画像データを入力する方法であるか、コンピュータ(サーバ)102から電子ファイルデータを入力する方法であるかを判断する(ステップS2103)。
【0098】
カラーMFP104のCPU1805は、画像データ入力方法が原稿をスキャナ部201で読み取ることにより画像データを入力する方法であると判断した場合は、原稿台上に載置し圧板で押えた原稿または自動原稿送り装置により搬送した原稿をスキャナ部201で読み取り(ステップS2104)、その読み取りデータをデジタル画像情報に変換し、カラーMFP104内のハードディスクなどの画像記憶装置に記憶する(ステップS2105)。カラーMFP104のCPU1805は、画像データ入力方法がコンピュータ(サーバ)102から電子ファイルデータを入力する方法であると判断した場合は、コンピュータ(サーバ)102から画像情報と各種設定情報をダウンロードし、そのままハードディスクに画像情報とジョブの設定データを登録する(ステップS2106)。
【0099】
次に、カラーMFP104のCPU1805は、記憶された画像形成すべき画像がカラー画像か白黒画像かを判断し(ステップS2107)、判断したページが白黒ページであった場合は、その順番情報(ページ情報)等をスタッカトレイ1207の記憶装置1202にあるメモリマップ上に書き込む。また、カラーMFP104のCPU1805は、カラーMFP104内の画像記憶装置に記憶されるデータのうち、白黒データは、コンピュータ(サーバ)102上の画像記憶装置或いはコンピュータ(サーバ)102を介して白黒MFP104の画像記憶装置に転送する(ステップS2108)。転送される白黒データは、ジョブデータのうちどのページが白黒の画像データであるかを示すデータを送りさえすればよいので、画像データを送らなくても良い。
【0100】
カラーMFP104のCPU1805は、判断したページがカラーページであった場合は、カラーデータをカラーMFP104内の画像記憶装置に転送する(ステップS2109)。次に、カラーMFP104のCPU1805は、設定された積載方法または自動的に判断した積載方法により、先頭ページ処理か後ページ処理かを選択し、その後、プリンタ部208でプリント処理を行い(ステップS2110)、インサータ108内に複数段装着されているスタッカトレイの中から排出可能なスタッカトレイを選択する(ステップS2111)。その際、各スタッカトレイに装備されている記憶装置1202の情報を読み取ることにより、排出可能なスタッカトレイか否かを判断することが有効である。
【0101】
その後、カラーMFP104のCPU1805は、給紙ローラ等によりインサータ108内の選択されたスタッカトレイに出力紙を積載する(ステップS2112)。その際、カラーMFP104のCPU1805は、スタッカトレイ内の記憶装置1202に対して、例えば上記図19に示したメモリマップにあるようなカラー混交のための情報を書き込む(ステップS2113)。また、スタッカトレイが個々に表示部1210を装備している場合は(ステップS2115でYES)、記憶装置1202内の情報を例えば図26に示すように表示部1210に表示し、スタッカトレイにおける積載状態やジョブ状態をユーザに報知することが可能である(ステップS2117)。
【0102】
図26では、カラーMFP104でのジョブが正常に終了し、カラー出力紙が積載されているスタッカトレイに対し固有の名称が与えられ(ステップS2114)、設置すべきMFP(プリンタ)と、更に出力紙を再給紙するための再給紙段が指定してある場合を示している。再給紙段を指定する場合には、スタッカトレイに厚紙などの特殊紙が積載されており、その用紙を正常に再給紙可能な紙搬送路が特定されている白黒MFPに特に有効である。そして、カラーMFP104のCPU1805は、最終ページの処理が終了していなければ(ステップS2116でNO)、再びステップS2107に戻って処理を継続し、最終ページの処理が終了したならば(ステップS2116でYES)、本処理を終了する。
【0103】
尚、上記制御では、スタッカトレイの記憶装置1202に情報を書き込むタイミングを用紙1枚毎としているが、これに限定されるものではなく、ジョブ前、ジョブ毎、ページ毎、ジョブ後など情報の書き込みタイミングはいつでも構わない。また、表示部1210の表示としては図26〜図29に一例を示したが、その他の表示をすることが有効な場合もあり、その場合にはスタッカトレイの記憶装置1202内の情報に基づき表示されることは言うまでもない。
【0104】
<白黒MFP105の処理>
次に、図23、図24、図25を用いて白黒MFP105の処理を説明する。図23、図24、図25のフローチャートは、白黒MFP105内のCPU1705により実行されるプログラムであり、そのプログラムはCPU1705に付随する記憶媒体に格納されている。
【0105】
白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ有無検知センサ1201(図12参照)により、白黒MFP105に付設したインサータ108に対する例えばスタッカトレイ1207の装着を検知すると(ステップS2319でYES)、スタッカトレイ1207内の記憶装置1202にカラー混交のための情報があるか否かを確認する(ステップS2320)。白黒MFP105のCPU1705は、カラー混交のための情報が確認できた場合は、記憶装置1202の情報の読み込みと解析を行う(ステップS2321)。ここで、白黒MFP105のCPU1705は、上記図19に示したような記憶装置1202のメモリマップの内部情報に基づき解析を行い、プリンタ部208でプリント動作を開始する。
【0106】
まず、白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ1207内のジョブ束が混交されるべきMFP(プリンタ)を示す「プリンタNo」を、スタッカトレイ1207に内蔵された記憶装置1202から読み取り、白黒MFP104のメモリ(装置情報記憶手段)に格納されているMFP(プリンタ)の装置情報と格納情報とを照合する(ステップS2322)。白黒MFP105のCPU1705は、上記照合結果が一致した場合は、複数段のスタッカトレイを装着可能なインサータ108のどの再給紙段にスタッカトレイを装着するかの指定があるか否かを記憶装置1202から読み取る。
【0107】
ここで、インサータ108内に指定された再給紙段がある場合の一例として、スタッカトレイ内に積載されている用紙のマテリアル(種類)がコート紙や厚紙・薄紙など特殊であり、通常の用紙とは異なる制御を行わなければならないときがある。インサータ108では、それらの特殊用紙に対応可能な再給紙段は限定されている場合も多い。また、用紙サイズによってスタッカトレイを使い分けることも多く、この場合も再給紙段を指定する内容が記憶装置1202に含まれている。
【0108】
以上の理由などから、白黒MFP105のCPU1705は、インサータ108にスタッカトレイを装着すべき再給紙段の指定がある場合は(ステップS2323でYES)、記憶装置1202に格納情報として指定された再給紙段と、実際にスタッカトレイが装着された再給紙段とが一致するか否かを照合する(ステップS2329)。ここで、白黒MFP105のCPU1705は、上記両者が不一致と判断した場合は、白黒MFP105の操作部を介して、もしくはスタッカトレイ1207に表示部1210が装備されている場合はその表示部1210を介して、スタッカトレイ1207をインサータ108内の再給紙段に正しく装着するようにユーザに報知し(ステップS2330)、インサータ108による混交動作を禁止するよう制御する。尚、インサータ108に表示部が装備されている場合はその表示部を使用してもよいものとする。また、上記格納情報は、インサータ108にスタッカトレイを装着すべき情報(再給紙段の指定)の他に、画像形成ジョブのシリアルナンバーを含む。
【0109】
白黒MFP105のCPU1705は、ユーザによりスタッカトレイ1207がインサータ108内の指定された再給紙段に正しく装着された場合、スタッカトレイ1207の最初に処理されるべきジョブNoを記憶装置1202から読み取り、そのジョブID(No)に該当するジョブが白黒MFP105に送信されているかどうかを判断し(ステップS2325)、一致するジョブIDが存在する場合は、プリンタ部208で白黒プリントを行う。また、白黒MFP105のCPU1705は、インサータ108内におけるスタッカトレイを装着する再給紙段の指定がない場合においても、ジョブIDの判断によりプリンタ部208で白黒プリントを行う。
【0110】
本実施の形態の特徴として、複数のスタッカトレイのそれぞれに記憶装置1202を設けることにより、インサータ108のどの再給紙段にスタッカトレイが装着された場合でも(再給紙段の設定がない場合でも)、該当スタッカトレイの記憶装置1202から記憶情報を読み取り、該記憶情報に従いステップS2319〜ステップS2343の処理を繰り返すことで、正常に混交動作が行われるものである。これにより、インサータ108に対するユーザによるスタッカトレイの装着ミスを完全に無くすことが可能となる(ステップS2324:オート選択機能)。
【0111】
更に、本実施の形態の特徴は、インサータ108内の複数の再給紙段に対しスタッカトレイを装着できることから、既に他のスタッカトレイが該当する再給紙段に装着されることにより白黒MFP105がジョブを実行していた場合でも(ステップS2326でYES)、ジョブ実行中以外のスタッカトレイを別の再給紙段に装着し、その記憶装置1202の記憶内容を読み取ることで予約ジョブの設定を行うことができ、前ジョブが終了次第、自動的に予約ジョブを開始することができることにある(ステップS2331)。ここで、ジョブの終了とは、当該ジョブの最終ページの出力が終了した状態、出力する画像データを白黒MFP内の画像記憶装置に対して生成する状態或いはその準備が行える状態を含む。
【0112】
更に、スタッカトレイに表示部1210が装備されている場合は、予約ジョブとして登録されている内容を表示部1210に表示することで(ステップS2332)、ユーザが誤ってスタッカトレイの装着を解除することを防ぐことが可能である。この場合も、インサータ108に表示部が装備されている場合にはその表示部を用いてもよいことは言うまでもない。
【0113】
白黒MFP105のCPU1705は、前ジョブの最終ページの出力が終了するか、もしくは予約ジョブが実行可能な状態になったら(ステップS2333でYES)、自動的に次のジョブを開始する(ステップS2334)。ここで、予約ジョブが実行可能な状態とは、白黒MFP105のPDL部205のCPU部603(図6)のマルチ制御によりコア部206のバスセレクタ部701〜メモリ部703(図7)までの動作が、前ジョブと並列に実行できる状態も含んでいる。つまり、前ジョブの処理中に、PDL部205の画像データをコンピュータ(サーバ)102からダウンロードし、画像データを圧縮してメモリ部703であるHDDに書き込むことで、次のジョブの処理時間を大幅に短縮することが可能となる。その場合、スタッカトレイ1207の表示部1210の表示を予約表示から実行表示に変更し、プリンタ部208で白黒プリント動作を開始する。
【0114】
この時、白黒MFP105のCPU1705は、白黒データがコンピュータ(サーバ)102にある場合は(ステップS2327で「サーバ」)、スタッカトレイ1207の記憶装置1202のメモリマップ上に書き込まれているジョブID・プリンタNoに該当するジョブの画像データをコンピュータ(サーバ)102からダウンロードし、スタッカトレイ1207に装備されたHDDなどの記憶装置1202に記憶する(ステップS2328)。白黒MFP105のCPU1705は、ジョブID・プリントNoが不一致と判断した場合は、操作部などの表示手段により不一致の旨の表示をすることでユーザに報知する。このジョブID・プリントNoが不一致であるかどうかの判断をすることにより、ユーザが指定したジョブ以外のプリントデータとの混載を防止し、ユーザの要求に基づいたMFPを使用した混交動作を可能にする。
【0115】
白黒MFP105のCPU1705は、予め白黒MFP105のハードディスク内に画像データが記憶されている場合は、プリンタNo及びジョブIDが、HDD内の画像データと一致するか否かを判断する。白黒MFP105のCPU1705は、不一致と判断した場合は操作部などの表示手段により不一致の旨をユーザに報知し、一致すると判断した場合は上述の混交制御に基きプリンタ部208でプリント動作を開始する。
【0116】
次に、白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ1207の記憶装置1202のメモリマップにおける積載方法の情報に基づき、スタッカトレイ1207に対する積載方法が上述した「積載方法」のどのパターンに相当するかを判断し(ステップS2326)、状態Bと判断した場合は先頭ページ処理によるフェイスダウン出力を行い(ステップS2337)、状態Aと判断した場合は後ページ処理によるフェイスアップ出力制御を実行する(ステップS2342)。
【0117】
次に、白黒MFP105のCPU1705は、スタッカトレイ1207の記憶装置1202のメモリマップもしくはコンピュータ(サーバ)102のページNo情報に基づき、混交動作として処理される現在のページが白黒ページであるかカラーページであるかを判断する(ステップS2338)。白黒MFP105のCPU1705は、白黒ページと判断した場合はプリンタ部208で該当ページの画像を形成し(ステップS2339)、白黒出力紙を大容量スタッカ109に出力する。白黒MFP105のCPU1705は、カラーページと判断した場合はインサータ108内に装着されたスタッカトレイ1207(インターポーザ)から該当ページを給紙し(ステップS2343)、カラー出力紙を大容量スタッカ109に出力する。以上の動作が、設定された部数分繰り返されることで(ステップS2340)、混交動作は終了する(ステップS2341)。
【0118】
また、スタッカトレイ1207内に複数ジョブに関わる出力紙が格納されている場合は、上記ステップS2319からステップS2343までの処理がスタッカトレイ1207に格納されているジョブの数だけ繰り返される。上記以外にも、カラー白黒混交に有効なもしくは必要な情報がある場合には、その情報に基づき混交制御を行うものである。
【0119】
上記では、カラーMFP104のカラー出力紙をスタッカトレイに積載し、白黒MFP105に付設されたインサータ108に前記スタッカトレイを装着し、インサータ108によりカラー出力紙と白黒MFP105で画像形成した白黒出力紙とを混交する例を説明したが、上記構成が逆となり、白黒MFP105の白黒出力紙をスタッカトレイに積載し、カラーMFP104に付設されたインサータ108に前記スタッカトレイを装着し、インサータ108により白黒出力紙とカラーMFP104で画像形成したカラー出力紙とを混交するものとしてもよい。
【0120】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、インサータ108に任意のスタッカトレイが装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、インサータ108に別のスタッカトレイが装着されたことを検知した場合、装着された別のスタッカトレイの記憶装置1202の格納情報に基づき、実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始する制御を行うため、インサータ108が他のジョブに関わる出力シートの挿入動作を実行中の場合でも、インサータ108におけるジョブ実行中の再給紙段以外の再給紙段にスタッカトレイを装着することにより、実行中のジョブが終了次第、自動的に次のジョブを開始することができる。
【0121】
また、スタッカトレイがインサータ108に装着されたことに応じて、スタッカトレイの記憶装置1202から格納情報を読み出し、格納情報と装置情報が一致しない場合にインサータ108の挿入動作を禁止する制御を行うため、インサータ108に対するスタッカトレイの装着ミスが発生した場合でも、シートの誤挿入を確実に防止することができる。
【0122】
また、複数のスタッカトレイが、シートに関する格納情報を書き込み・読み出し可能な記憶装置1202をそれぞれ装備しているため、スタッカトレイごとに固有の名称を与えることが可能となり、インサータ108のどの再給紙段にスタッカトレイが装着された場合でも、記憶装置1202に記憶されているスタッカトレイの固有名称とその他の内容から正常なシート混交制御を行うことができると共に、ユーザによるインサータ108の複数の再給紙段に対するスタッカトレイの装着ミスをなくすことができる。
【0123】
また、複数のスタッカトレイが、記憶装置1202の格納情報の表示、インサータ108におけるスタッカトレイの指定再給紙段の表示が可能な表示部1210をそれぞれ装備しているため、インサータ108におけるスタッカトレイの再給紙段の指定が発生する場合でも、その指定された再給紙段をスタッカトレイの表示部1210で表示し報知することにより、インサータ108に対するユーザのスタッカトレイの装着ミスを大幅に低減することができる。
【0124】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、画像形成システムを図1に示す構成とした場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ネットワークに接続する画像形成装置(MFP)、コンピュータ、他の機器(スキャナ、プリンタ、ファクシミリ等)の設置台数、画像形成装置に対するスタッカ、インサータ、大容量スタッカの付設形態は任意とすることができる。
【0125】
上記実施の形態では、画像形成装置(MFP)にスタッカ、インサータ、大容量スタッカを付設し、カラー白黒混交制御を行う場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の画像形成装置(プリンタ、複写機等)にスタッカ、インサータ、大容量スタッカを付設し、カラー白黒混交制御を行う場合にも適用することができる。
【0126】
上記実施の形態では、画像形成装置の画像形成方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インクジェット方式など他の画像形成方式に適用することができる。
【0127】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明が達成されることは言うまでもない。
【0128】
この場合、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体等の媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、或いはネットワークを介したダウンロードなどを用いることができる。
【0129】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0130】
更に、記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、装着された別の格納手段の格納情報に基づき、実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始する制御を行うため、挿入手段が他のジョブに関わる出力シートの挿入動作を実行中の場合でも、挿入手段におけるジョブ実行中の装着個所以外の装着個所に格納手段を装着することにより、実行中のジョブが終了次第、自動的に次のジョブを開始することができる。
【0132】
また、格納手段が挿入手段に装着されたことに応じて格納情報記憶手段から格納情報を読み出し、格納情報と装置情報が一致しない場合に挿入手段の挿入動作を禁止する制御を行うため、挿入手段に対する格納手段の装着ミスが発生した場合でも、シートの誤挿入を確実に防止することができる。
【0133】
また、複数の格納手段(シート格納装置)が、シートに関する格納情報を書き込み・読み出し可能な格納情報記憶手段をそれぞれ装備しているため、格納手段ごとに固有の名称を与えることが可能となり、挿入手段(シート挿入装置)のどの装着個所に格納手段が装着された場合でも、格納情報記憶手段に記憶されている格納手段の固有名称とその他の内容から正常なシート混交制御を行うことができると共に、ユーザによる挿入手段の複数の装着個所に対する格納手段の装着ミスをなくすことができる。
【0134】
また、複数の格納手段(シート格納装置)が、格納情報記憶手段の格納情報の表示をするので格納手段に格納されたシートを容易に識別することができ、装着ミスや不用意なユニットの引き出しを防止するような表示等が可能になりユーザの操作性を向上させることができる。
【0135】
更に、挿入手段(シート挿入装置)における格納手段の表示部に、挿入手段への指定装着個所や、その指定装着個所に正常に装着されたかどうかの可否、前記シート格納装置の使用状況の少なくとも一つを表示するので、挿入手段に対するユーザの格納手段の装着ミス等の誤操作を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成ネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る画像形成装置のスキャナ部の内部構造を示す構成図である。
【図4】本実施の形態に係る画像形成装置のIP部の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態に係る画像形成装置のFAX部の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る画像形成装置のNIC部とPDL部の構成を示すブロック図である。
【図7】本実施の形態に係る画像形成装置のコア部の構成を示すブロック図である。
【図8】本実施の形態に係る画像形成装置のPWM部とプリンタ部の構成及び各種信号を示す図であり、(A)はPWM部とプリンタ部の構成を示すブロック図、(B)は各種信号を示す図である。
【図9】本実施の形態に係るカラー画像形成装置のプリンタ部の内部構造を示す構成図である。
【図10】本実施の形態に係る白黒画像形成装置のプリンタ部の内部構造を示す構成図である。
【図11】本実施の形態に係る画像形成装置のディスプレイ部の構成を示すブロック図である。
【図12】本実施の形態に係る画像形成装置のスタッカの模式的な構成を示す構成図である。
【図13】本実施の形態に係るコンピュータのユーティリティソフトウェアの画面例を示す図である。
【図14】本実施の形態に係るコンピュータのユーティリティソフトウェアの画面例を示す図である。
【図15】本実施の形態に係るカラー/白黒ページ分割処理を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態に係る白黒画像形成装置とインサータとのインタフェース及び記憶装置周辺回路を示すブロック図である。
【図17】本実施の形態に係るカラー画像形成装置とスタッカとのインタフェース及び記憶装置周辺回路を示すブロック図である。
【図18】本実施の形態に係る白黒画像形成装置に付設されたインサータ及び大容量スタッカの模式的な構成を示す構成図である。
【図19】本実施の形態に係るスタッカトレイに装備された記憶装置のメモリマップを示す図である。
【図20】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の出力方法がスタッカトレイに格納されるカラー出力紙の積載方法に基づき制御される様子を示す図である。
【図21】本実施の形態に係るカラー画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図22】本実施の形態に係るカラー画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図23】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図24】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図25】本実施の形態に係る白黒画像形成装置の処理を示すフローチャートである。
【図26】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【図27】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【図28】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【図29】本実施の形態に係るスタッカトレイ内の表示部による表示例を示す図である。
【符号の説明】
101 ネットワーク
102 サーバコンピュータ(外部装置)
103 クライアントコンピュータ(外部装置)
104 カラーMFP(画像形成装置、第一の画像形成装置、第二の画像形成装置)
105 白黒MFP(画像形成装置、第一の画像形成装置、第二の画像形成装置)
108 インサータ(挿入手段、シート挿入装置)
201 スキャナ部(原稿読取手段)
1202 記憶装置(格納情報記憶手段)
1207 スタッカトレイ(格納手段、シート格納装置)
1210 表示部(表示手段)
1705 白黒MFPのCPU(制御手段)
1805 カラーMFPのCPU(制御手段)
Claims (35)
- シートに画像を形成する画像形成手段を有し、シートを格納すると共にシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段を着脱可能な挿入手段が付設される画像形成装置であって、
前記挿入手段に前記格納手段が装着されたことに応じて、前記格納情報に基づき、前記格納手段に格納されたシートを前記挿入手段により前記画像形成手段で画像形成されたシートに挿入する動作を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、前記挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、前記装着された別の格納手段の前記格納情報に基づき、前記実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始することを特徴とする画像形成装置。 - 前記実行中のジョブの終了とは、前記実行中のジョブの最終ページの出力が終了した状態であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記実行中のジョブの終了とは、出力する画像データを前記画像形成装置が備える画像記憶手段に対して生成する状態或いはその準備が行える状態であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 原稿を読み取り画像データを生成する原稿読取手段と、出力設定データを設定する操作手段とを有し、前記画像形成手段は、前記画像データと前記出力設定データに基づきシートに画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記画像データと前記出力設定データは、外部装置から前記画像形成装置に送信可能であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段の前記格納情報記憶手段の前記格納情報には、積載状態に関する情報をそれぞれ含み、前記積載状態に関する情報とは、前記格納手段に格納されたシートそれぞれのページ番号とその順番を示す情報を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記積載状態に関する情報とは、前記格納手段に格納されたシートの表面が上向きにした状態で排紙されているか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項1又は6記載の画像形成装置。
- 前記積載状態に関する情報とは、前記格納手段に格納されたシートの外形寸法を示す情報を含むことを特徴とする請求項1、6、7の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記積載状態に関する情報とは、前記格納手段に格納されたシートの種類を示す情報を含むことを特徴とする請求項1、6、7、8の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段の前記格納情報記憶手段の前記格納情報には、前記格納手段の固有の名称を示す情報をそれぞれ含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段は、前記格納情報記憶手段の前記格納情報を表示する表示手段をそれぞれ有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像形成手段の画像形成経過、前記格納手段の積載状態を前記表示手段により表示することを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段のそれぞれを、前記挿入手段が備える複数の装着個所それぞれに共通に使用することが可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- シートに画像を形成する画像形成手段を有し、シートを格納すると共にシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段を着脱可能な挿入手段が付設される画像形成装置であって、
前記複数の格納手段のそれぞれを、前記格納手段に格納されたシートを前記画像形成手段で画像形成されたシートに挿入する前記挿入手段が備える複数の装着個所それぞれに共通に使用することが可能であり、
前記画像形成装置に関する装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、前記格納手段が前記挿入手段に装着されたことに応じて前記格納情報記憶手段から前記格納情報を読み出し、前記格納情報と前記装置情報が一致しない場合に前記挿入手段の挿入動作を禁止する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記格納情報と前記装置情報が一致しない場合に警告表示することを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段の前記格納情報記憶手段の前記格納情報には、少なくとも前記格納手段を前記挿入手段に装着すべき情報をそれぞれ含むことを特徴とする請求項14又は15記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段の前記格納情報記憶手段の前記格納情報には、画像形成ジョブのシリアルナンバーをそれぞれ含むことを特徴とする請求項14乃至16の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段の前記格納情報記憶手段の前記格納情報には、前記格納手段の固有の名称を示す情報をそれぞれ含むことを特徴とする請求項14乃至17の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記複数の格納手段は、前記格納情報記憶手段の前記格納情報を表示する表示手段をそれぞれ有することを特徴とする請求項14乃至18の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像形成手段の画像形成経過、前記格納手段の積載状態を前記表示手段により表示することを特徴とする請求項19記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記格納情報と前記装置情報が一致しない場合に前記表示手段により警告表示することを特徴とする請求項19記載の画像形成装置。
- シートの挿入を行う挿入手段に着脱可能なシート格納装置であって、
画像形成されたシートを格納する格納手段と、前記格納手段に格納されたシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段とを有するシート格納装置において、前記格納情報記憶手段の前記格納情報に基づいた表示をする表示手段を有することを特徴とするシート格納装置。 - 前記表示手段は、前記挿入手段における前記シート格納装置の指定装着個所、前記指定装着個所に正常に装着されたかどうかの可否、前記シート格納装置の使用状況の少なくとも一つの表示をすることを特徴とする請求項22記載のシート格納装置。
- シートの挿入を行うシート挿入装置であって、
シートを格納すると共にシートに関する格納情報を記憶する格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段が着脱可能な装着手段と、
前記格納情報に基づいて、前記装着手段に装着された前記格納手段に格納されたシートを画像形成装置で画像形成されたシートに挿入する挿入手段とを有することを特徴とするシート挿入装置。 - 外部装置からネットワークを介して送信された画像形成ジョブを複数の画像形成装置により分散してシートに画像を形成する画像形成システムであって、
第一の画像形成装置で画像形成された出力シートを格納すると共に前記出力シートに関する格納情報を書き込み・読み出し可能な格納情報記憶手段を装備した複数の格納手段と、
前記複数の格納手段を着脱可能で且つ前記格納手段に格納された出力シートを第二の画像形成装置で画像形成された出力シートに挿入する挿入手段と、
前記第二の画像形成装置に付設した前記挿入手段に前記格納手段が装着されたことに応じて、前記格納手段の前記格納情報に基づき前記挿入手段の前記挿入動作を制御することで前記画像形成ジョブを実行する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記挿入手段に任意の格納手段が装着されシートの挿入に関わるジョブの実行中に、前記挿入手段に別の格納手段が装着されたことを検知した場合、前記装着された別の格納手段の前記格納情報に基づき、前記実行中のジョブの終了後、次のジョブを開始することを特徴とする画像形成システム。 - 前記第二の画像形成装置は、前記格納情報に基づき前記外部装置から画像形成データをダウンロードすることを特徴とする請求項25記載の画像形成システム。
- 前記第一の画像形成装置は、カラーの画像形成を行う画像形成装置であり、前記第二の画像形成装置は、白黒の画像形成を行う画像形成装置であることを特徴とする請求項25又は26記載の画像形成システム。
- 前記第一の画像形成装置は、白黒の画像形成を行う画像形成装置であり、前記第二の画像形成装置は、カラーの画像形成を行う画像形成装置であることを特徴とする請求項25又は26記載の画像形成システム。
- 前記複数の格納手段は、前記格納情報記憶手段の前記格納情報を表示する表示手段をそれぞれ有することを特徴とする請求項25記載の画像形成システム。
- 前記制御手段は、前記画像形成手段の画像形成経過、前記格納手段の積載状態を前記表示手段により表示することを特徴とする請求項29記載の画像形成システム。
- 前記請求項1乃至13の何れかに記載の画像形成装置における前記制御手順を実行することを特徴とするジョブ開始制御方法。
- 前記請求項14乃至21の何れかに記載の画像形成装置における前記制御手順を実行することを特徴とするシート挿入制御方法。
- 前記請求項1乃至13の何れかに記載の画像形成装置における前記制御手順を記憶したことを特徴とするプログラム。
- 前記請求項14乃至21の何れかに記載の画像形成装置における前記制御手順を記憶したことを特徴とするプログラム。
- 前記請求項33及び34記載のプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
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