JP2004028960A - 波形観測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部33は、一つのフレーム同期信号Fが入力したタイミングまたはその直後に信号発生器25から出力されるサンプリング信号Sの出力タイミングを基準タイミングとして、観測開始位置に対応するサンプリング開始タイミングを、パラメータ入力手段26から入力されたビットレート、観測開始位置および観測分解能に基づいてサンプリング信号の周期単位で求め、カウンタ30の基準タイミングからの歩進回数が、サンプリング開始タイミングに一致したときから所定回連続のサンプリングで得られたデータが1観測期間の波形データとして表示制御手段22に送出されるように、第1のゲート回路31および第2のゲート回路32を制御する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気や光の信号の波形を観測するための波形観測装置のうち、所定ビット数で1フレームが形成される高速なデータ信号に対して、そのフレーム周期の整数倍に近い周期のサンプリング信号でサンプリングし、そのサンプリング結果に基づいてデータ信号の任意の範囲の波形情報を求めて表示する波形観測装置において、データ信号に対するサンプリングの開始タイミングを任意に設定でき、また、その設定した開始タイミングでの再サンプリングを可能にするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的にシリアルのデータ信号は、図15の(a)に示しているように、所定ビット数n(固定と可変の場合がある)で1フレームが形成されており、受信側でフレームの区切りを識別できるように、図15の(b)に示すようなフレーム同期信号Fとともに出力される場合が多い。
【0003】
このようなデータ信号Xでは、フレーム同期信号Fの出力タイミングとフレーム内のデータのビットとの関係(図では、フレーム同期信号Fの立ち上がりタイミングとデータ信号Xの第1ビットの出力タイミングとが一致するという関係)およびデータ信号XのビットレートBが既知であれば、フレーム内の任意ビット位置jのデータの出力タイミングは、フレーム同期信号Fの立ち上がりタイミングから(j−1)/Bが経過したときであることがわかる。
【0004】
したがって、例えば任意ビット位置jのデータ信号の波形を1ビット分観測するためには、フレーム同期信号Fの立ち上がりタイミングから時間(j−1)/Bが経過したときから、j/Bが経過するまでの間の波形情報を連続的に抽出すればよい。
【0005】
この波形情報の抽出をディジタル処理で行なう場合、A/D変換器を用いてデータ信号XのビットレートBより数段高い周波数のサンプリング信号で上記期間のサンプリングを行なえばよいが、データ信号XのビットレートBが高い(例えば10Gbps)場合、A/D変換器の動作限界を越えてしまい、上記のようなサンプリングが行なえない。
【0006】
これを解決するために、図15の(c)に示すように、各フレームのフレーム同期信号Fの立ち上がりタイミングをそれぞれ基準として僅か(ΔT)ずつ時間をずらしてサンプリングを行う方法がある。
【0007】
このサンプリング方式では、フレーム同期信号Fの周期あるいはその整数倍(図では1倍)に近い周期でサンプリングを行なえばよいので、例えば、前記したような10Gbpsのビットレートのデータ信号であっても、それより格段に低い周波数、例えば1フレームのビット数が1Mbitであれば、ほぼ10kHz(=10Gbps/1Mbit)のサンプリング信号を用いて波形情報を抽出することができる。
【0008】
また、データ信号の波形を観測して評価する一つの基準として、ジッタ(位相の揺らぎ)があるが、このジッタは、上記した観測を複数回行なって、各観測で得られた波形を同一時間軸上に重ね合わせ表示することで、把握することができる。
【0009】
例えば、データ信号のジッタが少ない場合には、各観測で得られる波形の立ち上がりや立ち下がりのタイミングの変動が少ないので、これらを重ね合わせた波形のビット境界部分の線の太さは図16の(a)のように細くなり、ジッタが多い場合には、各観測で得られる波形の立ち上がりや立ち下がりのタイミングの変動が大きいので、これらを重ね合わせた波形のビット境界部分の線の太さは図16の(b)のように太くなる。
【0010】
したがって、この重ね合わせ波形のビット境界部分の線の太さをみれば、データ信号のジッタの大きさを把握することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなサンプリング方法では、サンプリング対象のフレームに対するサンプリングタイミングを、そのフレームに対応して入力されるフレーム同期信号Fの入力タイミングをそれぞれ基準にして求めているため、フレーム同期信号Fの影響を受けてデータ信号Xのジッタを正確に把握することができないという問題があった。
【0012】
即ち、一般的にデータ信号Xにジッタがある場合、フレーム同期信号Fにもジッタが存在するが、データ信号Xのジッタとフレーム同期信号Fのジッタの相関性は、そのデータ信号Xとフレーム同期信号Fを出力する機器側の内部構成や内部状態に依存し、必ずしも一定の関係があるとは限らず、データ信号Xのジッタとフレーム同期信号Fのジッタの位相がほぼ等しい場合も反転している場合もある。
【0013】
上記のように、サンプリング対象のフレームのフレーム同期信号Fの入力タイミングを基準にしてそのフレームのデータ信号のサンプリングを行なうと、データ信号Xのジッタとフレーム同期信号Fのジッタの位相がほぼ等しい場合には、、データ信号のジッタがフレーム同期信号のジッタによって相殺されてデータ信号本来のジッタより少ないジッタが観測され、また、逆にデータ信号Xのジッタとフレーム同期信号Fのジッタの位相がほぼ反転している場合には、データ信号のジッタにフレーム同期信号のジッタが同相加算されて、データ信号本来のジッタより大きなジッタが観測されることになり、データ信号本来のジッタを正確に把握することができない。
【0014】
また、上記サンプリング方式では、基準タイミングからサンプリングを行なうまでの期間をΔTずつ徐々に変化させるという複雑な構成が必要となる。
【0015】
この問題を解決するために、最初の観測期間のサンプリング開始タイミングを求めるときだけフレーム同期信号Fの入力タイミングを用い、以後は、そのフレームの入力タイミングあるいは最初のサンプリング開始タイミングを基準として、一定周期のサンプリング信号による各サンプリングタイミングをデータ信号XのビットレートB、1フレームのビット数n、観測分解能ΔT等に基づいて演算で求め、その求めたサンプリングタイミングでサンプリングされたデータを観測期間の波形データとして取得することが考えられる。
【0016】
ところが、観測対象のデータ信号XのビットレートBや1フレームのビット数nは、そのデータ信号Xの種類によって異なっており、これらに対応するために必要なパラメータは種々の値を取るが、装置の各部に設定できる数値の桁数は有限であるため、演算で求めた数値の下位桁部(端数部)を実際に設定できない場合が生じる。
【0017】
この設定誤差はサンプリングタイミングの誤差となって現れるため、上記のようにある一つの基準タイミングから順次サンプリングタイミングを算出すると上記誤差が累積されて、各観測期間のサンプリングタイミングが一致しなくなり、各観測期間の波形が時間軸上でずれて、ジッタが生じたように観測されてしまうという新たな問題が生じる。
【0018】
この誤差の問題は、データ信号XのビットレートB、1フレームのビット数n、観測分解能ΔTが固定であれば、これに合わせてサンプリング信号の周期Tsを微調整することで対処できるが、パラメータの異なる各種のデータ信号の観測を可能にするには、上記したサンプリング周波数の微調整では対処できない。
【0019】
本発明は、これらの問題を解決し、フレーム同期信号の影響を受けることなく、また、パラメータの数値やその設定誤差の影響を受けることなく、データ信号本来の信号波形を正確に把握できる波形観測装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の波形観測装置は、
所定ビット数で1フレームが形成されるシリアルのデータ信号と、該データ信号のフレームに同期したフレーム同期信号とを受け、前記データ信号のフレーム内の任意のビット範囲の信号波形を観測するための波形観測装置であって、
前記データ信号のビットレート、観測開始位置、観測分解能の各パラメータを指定するパラメータ指定手段(26)と、
前記指定された各パラメータに基づいて、前記フレーム同期信号の周期の整数倍に対して前記観測分解能分の差をもつ周期のサンプリング信号を出力する信号発生器(25)と、
前記信号発生器から出力されるサンプリング信号を計数する計数手段(31)と、
前記データ信号を前記信号発生器から出力されたサンプリング信号でサンプリングするサンプリング部(21)と、
前記サンプリング部から出力される信号に基づいて、前記データ信号の波形を表示する波形表示手段(22、23)と、
一つの前記フレーム同期信号が入力したタイミングまたは該タイミングの直後に前記信号発生器から出力されたサンプリング信号の出力タイミングを基準タイミングとして、前記観測開始位置に対応するサンプリング開始タイミングを、前記ビットレート、観測開始位置および観測分解能に基づいて前記サンプリング信号の周期単位で求め、前記計数手段の前記基準タイミングからの歩進回数が、前記サンプリング開始タイミングに一致したときから所定回連続のサンプリングで得られたデータが1観測期間の波形データとして前記波形表示手段に送出されるように制御する制御手段(31〜33)とを備えている。
【0021】
また、本発明の請求項2の波形観測装置は、請求項1の波形観測装置において、
前記制御手段は、前記観測期間に対する前記所定回のサンプリングを複数回繰り返し行なう動作モードが指定されたとき、最初の観測期間のサンプリング開始タイミングを求めたときに用いた基準タイミングを基準にして2回目以降の観測期間のサンプリング開始タイミングを、前記サンプリング信号の周期単位で求め、前記計数手段の前記基準タイミングからの歩進回数が前記各観測期間のサンプリング開始タイミングに一致したときから前記所定回までのサンプリングで得られたデータが各観測期間の波形データとして前記波形表示手段に出力されるように制御することを特徴としている。
【0022】
また、本発明の請求項3の波形観測装置は、請求項1または請求項2記載の波形観測装置において、
前記制御手段は、
データ信号のビットレートと観測分解能とからサンプリングの理想周期を算出する理想周期算出手段(S17)と、
前記理想周期と前記信号発生器から実際に出力されるサンプリング信号の周期との誤差を求める誤差算出手段(S18)と、
前記誤差を累積した値が前記観測分解能に等しいか越えるときの累積数を求める累積数算出手段(S20、S42)と、
前記信号発生器からサンプリング信号が前記累積数分出力される毎に前記計数手段の歩進の規制または追加歩進を行なう補正手段(S25〜S27、S30〜S32、S37〜S39、S47〜S49、S52〜S54、S59〜S61)とを備えたことを特徴としている。
【0023】
また、本発明の請求項4の波形観測装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の波形観測装置において、
前記制御手段は、前記計数手段を所定タイミング毎に初期化し、該初期化後の前記計数手段の計数値と初期化する直前の計数値とに基づいて、前記計数手段の歩進回数を求めることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用した波形観測装置20の構成を示している。
【0025】
この波形観測装置20は、測定対象機器1に基準信号Rを与えるとともに測定対象機器1から出力されるデータ信号Xとフレーム同期信号Fを受けて、データ信号Xのフレーム内の指定された任意のビット範囲の信号波形を観測できるようにしたものである。
【0026】
なお、ここで測定対象機器1は、入力される基準信号Rの周期Trの1/mに等しいビット周期1/Bで、1フレーム当たりnビットで構成されるデータ信号Xを出力するものとし、また、このフレームの第1ビット目に同期したフレーム同期信号Fを出力するものとする。
【0027】
なお、データ信号Xは電気信号の場合と光信号の場合とがあるが、ここでは発明を理解しやすいように先に電気信号の場合を説明し、光信号の場合については後述する。
【0028】
波形観測装置20は、入力端子20aから入力されるデータ信号Xをサンプリング部21で受ける。
【0029】
サンプリング部21は、A/D変換器を含み、後述する第1のゲート回路31から出力される周波数fsのサンプリング信号Sによってデータ信号Xをサンプリングして、そのサンプリング値をディジタル値に変換して出力する。
【0030】
なお、このサンプリング部21のサンプリングタイミングは、サンプリング信号Sの立ち上がり(立ち下がりでもよい)のレベル変移タイミングとする。
【0031】
サンプリング部21によってサンプリングされてディジタル値に変換されたデータDsは、順次表示制御手段22に入力される。
【0032】
表示制御手段22は、表示器23とともにこの実施形態の波形表示手段を構成するものであり、サンプリング部21から出力されるデータDsを図示しない内部のメモリにアドレス順に記憶し、表示器23に時間軸、強度軸からなる直交座標を表示するとともに、その直交座標上に、記憶した一連のデータDsに強度が対応する波形を表示する。
【0033】
この表示制御手段22は、図示しない操作部等によって指定されたモードに応じて、メモリに記憶したデータDsの加工を行なう。
【0034】
例えば単発観測モードが指定された場合には、サンプリング部21から出力された所定数のデータDsをメモリの所定領域にアドレス順に記憶してから、そのデータDsを読み出して表示器23に出力して前記した直交座標上に波形表示する。
【0035】
また、連続観測モードが指定された場合には、サンプリング部21からある観測期間に出力された所定数のデータDsをメモリの所定領域にアドレス順に記憶し、次の観測期間に出力されたデータDsをメモリの前記別の領域にアドレス順に記憶するという動作を指定された観測期間数分行い、これらのデータを読み出して表示器23に同一時間軸上に重ね合わせ表示する。
【0036】
なお、各観測期間内にサンプリングする回数は、指定されたビット範囲と観測分解能ΔTによって決まり、その上限はサンプリングで得られたデータを記憶するためのメモリの容量で制限される。
【0037】
信号発生器25は、後述する制御部33によって設定されたデータに基づいてサンプリング信号Sと基準信号Rを生成し、そのサンプリング信号Sをゲート回路31を介してサンプリング部21に出力し、基準信号Rを出力端子20cを介して測定対象機器1に出力する。
【0038】
パラメータ入力手段26は、図示しない操作部等によってサンプリングに必要なパラメータを入力させるためのものであり、例えば観測モード、データ信号XのビットレートB、1フレームを構成するビット数n、観測分解能(サンプリング分解能)ΔT、観測開始ビット位置j、観測期間毎のサンプリング回数P(または観測終了ビット位置)、観測期間数Q等を入力させる。
【0039】
カウンタ30は、この実施形態の計数手段を構成するものであり、信号発生器25から出力されるサンプリング信号Sを、後述する第2のゲート回路32を介して受けて計数し、その計数値Csを制御部33に出力する。
【0040】
第1のゲート回路31は、第2のゲート回路32および制御部33とともにこの実施形態の制御手段を構成するものであり、制御部33の制御によって、サンプリング部21に対するサンプリング信号Sの入力を規制する。
【0041】
また、第2のゲート回路32は、制御部33の制御によって、信号発生器25からカウンタ30および第1のゲート回路31へのサンプリング信号Sの出力を規制したり、制御部33からのパルスを挿入してカウンタ30を歩進させる。
【0042】
制御部33は、パラメータ入力手段26から入力されたパラメータに基づいて、信号発生器25が出力する基準信号Rとサンプリング信号Sの周波数を求めて、それに対応する周波数データを信号発生器25に設定するとともに、入力端子20bから一つのフレーム同期信号Fが入力されたタイミングを基準とする各観測期間のサンプリング開始タイミングをサンプリング周期単位で求め、求めたサンプリング開始タイミングでサンプリングが開始されるように、カウンタ30の計数値を監視しながら、第1のゲート回路31および第2のゲート回路32を制御する。
【0043】
図2〜図4は、この制御部33の処理手順を示すフローチャートである。以下、これらのフローチャートに基づいて実施形態の波形観測装置20の動作を説明する。
【0044】
始めに、観測対象のデータ信号Xについてのパラメータが、パラメータ入力手段26から入力されて観測モードの指示がなされると、制御部33は、第1のゲート回路31をオフ状態、第2のゲート回路32をオン状態に初期設定してから、入力されたデータ信号XのビットレートB、1フレームのビット数n、観測分解能ΔTに基づいてサンプリング信号Sの周波数fsと基準信号Rの周波数frを求め、サンプリング信号Sと基準信号Rの周波数データを信号発生器25に設定する(S1、S2)。
【0045】
ここで、基準信号Rの周波数frは、ビットレートBの1/mを算出することで得られる。
【0046】
また、サンプリング周波数fsについては以下の演算によって求める。
即ち、データ信号Xのフレーム周期Txはn/Bであり、このデータ信号XがNフレーム入力される毎にΔTずつずれたサンプリングを行なうとすれば、サンプリング信号の周期Tsは、
Ts=N・Tx+ΔT
であるから、サンプリング周波数fsは、fx=1/Tx=B/nとすると、
fs=fx/(N+fx・ΔT)
となる。
【0047】
上記式でNが決まれば、サンプリング周波数fsを得ることができる。
このNの値は、信号発生器25のサンプリング信号Sの周波数可変範囲によって制限される。
【0048】
数値例を示すと、B=10Gbps、n=1Mbit、ΔT=0.1ps、信号発生器25が出力できるサンプリング信号Sの周波数範囲の上限をfsa=11kHz+1Hz、下限をfsb=1kHz−1Hzとする。
【0049】
この範囲内で、
fs=fx/(N+fx・ΔT)
を満たすNを求めると、
fx(1/fsa−ΔT)≦N≦fx(1/fsb−ΔT)
(B/n)(1/fsa−ΔT)≦N≦(B/n)(1/fsb−ΔT)
9.989999……≦N≦10.01000……
となり、Nとして10を用いる。
【0050】
N=10とすると、
となり、この周波数fsのサンプリング信号Sでサンプリングを行なえば、データ信号Xの10(=N)フレーム毎に、0.1ps(=ΔT)ずつ遅れてサンプリングを行なうことができる。
【0051】
なお、このサンプリング周波数fsは、信号発生器25の内部で例えば10GHzの信号を発生させ、これを分周器で1/10000000001に分周し、その分周出力を逓倍器で10000倍することで得ることができる。
【0052】
次に、制御部33は、入力された各パラメータに基づいて観測期間毎のサンプリング開始タイミングを、サンプリング周期単位で算出する(S3)。
【0053】
この観測期間毎のサンプリング開始タイミングは、入力端子20bから入力された一つのフレーム同期信号Fを基準にして求める。
【0054】
即ち、入力端子20bから入力されるフレーム同期信号Fと信号発生器25から出力されるサンプリング信号Sとは非同期で周期も異なるが、ここでは、図5の(a)に示しているように、ある一つのフレーム同期信号Fが入力したタイミングに、図5の(c)のように、信号発生器25がサンプリング信号Sを出力するように強制同期させる。
【0055】
この強制同期のタイミングを基準タイミングとすれば、図5の(b)のように、データ信号Xのフレーム内の任意の観測開始ビット位置jは、基準タイミングから(j−1)/Bが経過したタイミングであることがわかる。
【0056】
サンプリング信号Sの周期Tsは、データ信号のNフレーム毎にΔTずつずれるから、この時間(j−1)/BをΔTで除算することで、サンプリング信号Sの出力タイミングが観測開始ビット位置jになるまでのサンプリング信号の出力回数A(1)を求めることができ、その回数A(1)が最初の観測期間のサンプリング開始タイミングとなる。
【0057】
なお、基準タイミングから観測開始ビット位置jの信号が入力されるまでの時間は(j−1)/Bで一定であるから、これを観測分解能ΔTで除算して得られるサンプリング開始タイミングA(1)も一定であり、パラメータが指定された時点で予め求めておくことができる。
【0058】
次に、観測期間の数が複数の場合、2回目以降の各観測期間のサンプリング開始タイミングを以下のようにして求める。
【0059】
即ち、2回目以降の各観測期間のサンプリング開始タイミングが、初回の観測期間のサンプリング開始タイミングと同一位置からサンプリングされるためには、前の観測期間のサンプリング開始タイミングと次の観測期間のサンプリング開始タイミングとの間隔が、サンプリング信号の周期TsにPより大きい整数Vを乗じた値で、且つデータ信号Xのフレーム周期Txの整数U倍に一致する必要がある。
【0060】
つまり、
V・Ts=U・Tx
となり、各周期Ts、Txは既知であるから、
Ts/Tx=U/V
を満たす整数のV、Uの組合せのうち、Pより大きい最小のVを求める。
【0061】
数値例で示すと、前記したように、fx=B/n=10kHz、サンプリング信号Sの周波数fsを、
fs=10×103/(10.000000001)Hz
とすれば、
Ts/Tx=fx/fs=10.000000001=U/V
となる。
【0062】
ここで、各観測期間内のサンプリング数Pを例えば1024とすれば、
と表すことができ、その最小のVの値は2000000000=2×109となる。
【0063】
したがって、最初の観測期間のサンプリング開始タイミングA(1)から(2×109)・Tsが経過したタイミングに次の観測期間のサンプリングを開始すればよく、これをカウンタ30の計数値(最初の観測期間のサンプリング開始タイミング時の初期値を0とする)で表せば、2回目の観測期間の開始タイミングは計数値Cs=A(2)=A(1)+(2×109)のときであり、3回目の観測期間の開始タイミングは計数値Cs=A(3)=A(1)+(4×109)のときであり、同様にi回目の観測期間の開始タイミングは計数値Cs=A(i)=A(1)+[(i−1)×2×109]のときであり、最後のQ回目の観測期間の開始タイミングは計数値Cs=A(Q)=A(1)+[(Q−1)×2×109]のときである。
【0064】
以上の演算を行なうことで、各観測期間のサンプリング開始タイミングA(1)〜A(Q)を、サンプリング信号Sの周期単位で求めて図示しないメモリに記憶する。
【0065】
なお、上記処理S2の演算で得られた周波数等の理想値の下位の全ての有効な値を信号発生器25に設定できる場合には設定誤差が生じないが、演算で得られた周波数等の理想値の下位の全ての有効な値を信号発生器25に設定できず、設定できない下位の有効な値を切り捨てた場合には設定誤差が生じ、その設定誤差によってサンプリングタイミングに誤差が生じる。
【0066】
したがって、ここで設定誤差があるか否かを判定し、設定誤差がない場合には、観測期間を表す変数iを1に初期化し、前記したように、一つのフレーム同期信号Fが入力したタイミングにサンプリング信号Sを強制的にフレーム同期信号Fに同期させ、カウンタ30をリセットする(S4〜S8)。
【0067】
そして、カウンタ30の計数値Csを監視して、その計数値CsがA(i)−1になった直後に、第1のゲート回路31をオン状態にし、その次のサンプリング信号Sから最初の観測期間のサンプリングを開始させる(S9、S10)。
【0068】
そして、この最初の観測期間に対するサンプリングがP回行なわれて、カウンタ30の計数値CsがA(i)+P−1になると、制御部33は第1のゲート回路31をオフ状態にしてサンプリング部21によるサンプリングを停止させ、観測期間を示す変数iが最終値Qか否かを確認する(S11〜S13)。
【0069】
ここで、単発観測モードの場合にはQ=1であり、最終値となるので測定が終了するが、繰り返し観測モードの場合には、変数iを1だけ増加更新して、その変数iに対応する次の観測期間のサンプリング開始タイミングA(i)を読み出し、カウンタ30の計数値CsがA(i)−1になるまで待つ(S14、S15)。
【0070】
そして、カウンタ30の計数値CsがA(i)−1になると、その次に入力されるサンプリング信号からサンプリング部21に入力されるように第1のゲート回路31をオン状態に戻して次の観測期間のサンプリングを開始させ、処理S11に戻る(S16)。
【0071】
以下、同様の処理を変数iを1ずつ増加させながらQに達するまで行い、Q回の観測期間のサンプリングが終了する。
【0072】
各観測期間中にサンプリング部21でサンプリングされたデータDsは、表示制御手段22に入力され、その入力順に内部のメモリの各観測期間に対応する領域にアドレス順に記憶され、そのデータが読み出されて表示器23に出力され、波形表示される。
【0073】
例えば、同一データ列がフレーム単位で繰り返されるデータ信号Xに対して単発観測モードを行なった場合には、図6の(a)のように、データ信号のjビット目からの信号波形が表示される。
【0074】
また、フレーム毎にデータ列が異なるデータ信号Xに対して繰り返し観測モードを行なった場合には、図6の(b)のように、複数の観測期間で得られた波形が重ね合わせ表示されるため、その重ね合わせ波形のビット境界部分の線の太さから、データ信号のジッタの大小を把握できる。この場合、一つのフレーム同期信号Fの入力タイミングを基準にしてデータ信号をサンプリングしているので、フレーム同期信号F自体のジッタの影響を受けず、データ信号自体のジッタ成分のみを正確に把握できる。
【0075】
一方、処理S4で前記設定誤差があると判定された場合には、図3に示しているように信号発生器25に実際に設定した基準周波数fr、対象機器1の逓倍数m、前記数値N、入力された観測分解能ΔTから、実際に入力されるデータ信号XのビットレートBに正確に対応したサンプリング信号の理想周期Tsrを、
Tsr=N/(m・fr)+ΔT
の演算で求める(S17)。
【0076】
そして、信号発生器25から実際に出力されるサンプリング信号Sの周期Tsの理想周期Tsrに対するの誤差eを、
e=Tsr−Ts
の演算で求める(S18)。
【0077】
この誤差eはサンプリング信号の出力毎に累積されるが、その累積値Eが観測分解能ΔTに等しくなるか越える毎に、時間軸とサンプリングデータとの対応関係を補正処理して、誤差累積によるサンプリングタイミングのずれを防止することができる。なお、この補正動作は、期間に関係なくその累積値Eが観測分解能ΔTに等しくなるか越える毎に直ちに行なう場合と、観測期間中に発生するものについてはその都度行い、観測期間とその次の観測期間の間に発生するものについてはその間にまとめて行なう場合とがあるが、ここでは前者の場合について説明する。
【0078】
また、誤差eは、設定されるパラメータ等に応じて正の場合と負の場合とがあり、誤差が正の場合、即ち、実際のサンプリング周期Tsが理想周期Tsrよりも短い場合と、誤差eが負の場合、即ち、実際のサンプリング周期Tsが理想周期Tsrよりも長い場合とでは補正の方法が異なる。
【0079】
そこで、誤差eの正負を判別し、誤差eが正のとき、何回のサンプリングで累積誤差Eが観測分解能ΔTに等しくなるか越えるかを表す累積回数Mを、ΔT/eが整数の場合に、
M=(ΔT/e)
の演算で求め、ΔT/eが小数の場合に、その商Gに対して、
M=G+1
の演算で求める(S19、S20)。
【0080】
そして、変数iを1に初期化し、補正回数を表す変数uを0に初期化して、前記同様に、一つのフレーム同期信号Fが入力したタイミングにサンプリング信号Sを強制的にフレーム同期信号Fに同期させ、カウンタ30をリセットして、カウンタ30の計数値Csを監視し、その計数値CsがA(i)−1になるまで待機するが、その待機中に、信号発生器25からM−1個のサンプリング信号Sが出力されて、カウンタ30の計数値Csが(u+1)M+u−1(この場合u=0)になると、制御部33によって第2のゲート回路32が1サンプリング周期Tsだけオフ状態となり、次(M個目)のサンプリング信号のカウンタ30および第1のゲート回路31への出力が規制され、変数uが1だけ増加更新される(S21〜S28)。
【0081】
このとき誤差eの累積値Eが、観測分解能ΔTに等しい状態かあるいは僅かに越えた状態なので、上記のようにカウンタ30に対するM個目のサンプリング信号の入力を規制することで、M+1個目のサンプリング信号が入力されたときのタイミングを、理想周期Tsrで計数したときに計数値がMとなるタイミングに合わせることができ、累積誤差Eをキャンセルすることができる。
【0082】
この累積誤差の補正は、信号発生器25からサンプリング信号SがM−1個出力される毎に行なわれ、カウンタ30の計数値CsがA(i)−1になると、第1のゲート回路31がオン状態となり、次に信号発生器25から出力されるサンプリング信号が、サンプリング部21に入力されて、初回の観測期間のサンプリングが開始される(S29)。
【0083】
この観測期間中、即ち、カウンタ30の計数値CsがA(i)+P−1に達する前に、信号発生器25からサンプリング信号SがM−1個出力されて、カウンタ30の計数値Csが(u+1)M+u−1に等しくなると、前記同様に累積誤差の補正のために第2のゲート回路32を1サンプリング周期Tsだけオフ状態にして次のサンプリング信号Sのカウンタ30および第1のゲート回路31に対する出力を停止させて、カウンタ30の歩進およびデータ信号に対するサンプリングを1回だけ規制してから、第2のゲート回路32をオン状態に戻して、変数uを1だけ増加するという処理を繰り返す(S30〜S33)。
【0084】
このような処理を行なっている間にデータ信号に対するP回のサンプリングが行なわれて、計数値CsがA(i)+P−1に達すると、第1のゲート回路31をオフ状態にしてサンプリングを停止させ、変数iが最終値Qか否かを確認する(S34、S35)。
【0085】
前記した単発観測モードの場合には、この段階でサンプリングが終了して、そのサンプリングで得られたP個のデータに基づいて波形が表示される。
【0086】
また、繰り返し観測モードの場合には、変数iを1だけ増加させて、カウンタ30の計数値Csが次の観測期間のサンプリングタイミングを示す値A(i)の直前の値A(i)−1となるまで待機するが、この間に前記同様に計数値Csが(u+1)M−1+uに達すると、前記した処理S30〜S32と同様の処理がなされ、サンプリング信号の出力規制がなされる(S36〜S40)。
【0087】
そして、計数値Csが次の観測期間の開始タイミングの直前を表す値A(i)−1になると、第1のゲート回路31がオン状態となり、次の観測期間のサンプリングが開始されて、処理S30に戻る(S41)。
【0088】
以下、同様の処理が繰り返されてQ回の観測期間のサンプリングが行なわれ、そのQ回の観測期間のサンプリングで得られた波形データが同一時間軸上で重ね合わせ表示される。
【0089】
このように誤差eが正の場合、累積誤差が観測分解能ΔTに等しくなるか越える毎にカウンタ30およびサンプリング部21へのサンプリング信号の出力を規制することで、カウンタ30の計数値が示すタイミング(つまり時間軸)とサンプリングされるデータとが対応するように補正される。
【0090】
このため、累積誤差Eを増大させることなく常に分解能ΔTの範囲内に抑えることができ、時間軸に対して観測分解能ΔT以上の誤差が含まれないように表示させることができる。
【0091】
例えば、誤差eが正で、累積回数M=P−4、即ち、1回目の観測期間中に補正タイミングが発生する場合の例を図に基づいて説明する。
【0092】
図7は、初回の観測期間のサンプリング開始タイミング(強制同期タイミング)からの動作を示すものであり、図7の(a)に示す理想周期Tsrのサンプリング信号の出力タイミングに対して、実際のサンプリング信号の出力タイミングは図7(b)に示すように誤差eの累積分ずつ進んでゆく。なお、図7はサンプリング信号の出力間隔のうちのN・Tx分を省略して表したものであり、理想周期の場合をΔT、実際の周期の場合をΔTeとする。
【0093】
図7の(b)のようにサンプリング信号が出力される前に、図7の(c)のように制御部33の制御によって第2のゲート回路32がオン状態、図7の(f)のように第1のゲート回路33がオン状態となり、信号発生器25から出力されるサンプリング信号は図7の(g)のようにサンプリング部21に入力されて、データ信号Xに対するサンプリングが順次行なわれる。
【0094】
そして、サンプリング信号の累積誤差Eは、P−4(=M)回目のサンプリングが行なわれるタイミングに観測分解能ΔTに等しくなるか越えるが、制御部33の制御によってP−5(=M−1)回目のサンプリングが行なわれた直後に図7の(c)のように、第2のゲート回路32がオフ状態になる。
【0095】
このため、信号発生器25からP−4回目に出力されたサンプリング信号は、図7の(d)のように、カウンタ30およびサンプリング部21に入力されず、カウンタ30の計数値も図7の(e)のようにP−5のままとなる。
【0096】
そして、信号発生器25からP−4回目のサンプリング信号が出力された直後に、第2のゲート回路32がオン状態に戻るので、信号発生器25からP−3回目のサンプリング信号が出力されたときに、データ信号Xに対するサンプリングが再開され、カウンタ30が1つ歩進してその計数値CsがP−4となる。
【0097】
このタイミングは、理想周期TsrによるP−4回目のサンプリングタイミングとほぼ一致するので、累積誤差Eはほぼキャンセルされる。
【0098】
以後は、この状態のままサンプリングが行なわれ、カウンタ30の計数値CsがA(1)−P−1に達して、P回のサンプリングによるデータが得られると、第1のゲート回路31がオフ状態となってサンプリングが停止し、カウンタ30の計数値Csが次の観測期間のサンプリング開始タイミングになるまで待機する。
【0099】
上記の補正動作は、初回の観測期間中のものであったが、2回目以降の観測期間や観測期間と次の観測期間との間の待機期間の場合も同様であり、カウンタ30がM−1(Mの近傍であればよい)回歩進する毎に行なわれて、累積誤差がキャンセルされるので、サンプリングタイミングおよび各観測期間のサンプリング開始タイミングのずれは、常に観測分解能ΔT以内に収まり、データ信号Xのビット周期に対してΔTが十分小さければ、ΔT分の誤差による表示波形のずれは無視できる。
【0100】
このため、データ信号自体のジッタによる時間軸の波形変動を、フレーム同期信号Fのジッタ成分の影響を受けることなく、正確に把握できる。
【0101】
一方、誤差eが負の場合には、図4に示しているように、累積回数Mを、ΔT/|e|が整数の場合に、
M=(ΔT/|e|)
の演算で求め、ΔT/|e|が小数の場合に、その商Gに対して、
M=G+1
の演算で求める(S42)。
【0102】
そして、前記同様に変数iを1に初期化し、変数uを0に初期化して、一つのフレーム同期信号Fが入力したタイミングにサンプリング信号Sを強制的にフレーム同期信号Fに同期させ、カウンタ30をリセットして、カウンタ30の計数値Csを監視して、その計数値CsがA(1)−1になるまで待機するが、その待機中に、信号発生器25からM−1個のサンプリング信号Sが出力されて、カウンタ30の計数値Csが(u+1)M−1−u(この場合u=0)になると、制御部33からのパルス信号が第2のゲート回路32を介して挿入されて、カウンタ30が強制的に1つ歩進され、変数uが1だけ増加更新される(S43〜S50)。
【0103】
このとき誤差eの累積値Eが、観測分解能ΔTに等しい状態かあるいは僅かに越えた状態なので、上記のようにカウンタ30にパルスを入力してその計数値をMにすることで、信号発生器25からM個目のサンプリング信号が入力されたときのタイミングを、理想周期Tsrで計数したときに計数値がM+1となるタイミングに合わせることができ、累積誤差Eをキャンセルすることができる。
【0104】
この累積誤差の補正は、信号発生器25からサンプリング信号SがM−1回出力される毎に行なわれ、カウンタ30の計数値CsがA(1)−1になると、第1のゲート回路31がオン状態となり、次に信号発生器25から出力されるサンプリング信号が、サンプリング部21に入力されて、初回の観測期間のサンプリングが開始される(S51)。
【0105】
この観測期間中、即ち、カウンタ30の計数値CsがA(i)+P−1に達する前に、カウンタ30がM−1回歩進して計数値Csが(u+1)M−1−uに等しくなると、制御部33は、第1のゲート回路31を一時的にオフ状態にして前記同様に累積誤差の補正のためにパルスを第2のゲート回路32を介して入力してカウンタ30を1つ歩進させるとともに、表示制御手段22に対してデータの追加を指示し、変数uを1だけ増加するという処理を繰り返す(S52〜S55)。
【0106】
このデータの追加指示を受けた表示制御手段22は、その前にサンプリング部21から出力されたデータと同一のデータを、新たなにサンプリングされたデータとして記憶する。
【0107】
このような処理を行なっている間にデータ信号に対するP回のサンプリングが行なわれて、計数値CsがA(i)+P−1に達すると、第1のゲート回路31をオフ状態にしてサンプリングを停止させ、変数iが最終値Qか否かを確認する(S56、S57)。
【0108】
単発観測モードの場合ここでサンプリングが終了して、得られたP個のデータに基づいて波形が表示される。
【0109】
また、繰り返し観測モードのときには、変数iを1だけ増加させて、カウンタ30の計数値Csが次の観測期間のサンプリングタイミングを示す値A(i)の直前の値A(i)−1となるまで待機するが、この待機中に前記同様に計数値Csが(u+1)M−1−uに達すると、前記した処理S47〜S49と同様の処理がなされ、制御部33による強制歩進が行なわれる(S58〜S62)。
【0110】
そして、計数値Csが次の観測期間の開始タイミングの直前を表す値A(i)−1になると、第1のゲート回路31がオン状態となり、次の観測期間のサンプリングが開始されて、処理S52に戻る(S63)。
【0111】
以下、同様の処理が繰り返されてQ回の観測期間のサンプリングが行なわれ、そのQ回の観測期間のサンプリングで得られた波形データが同一時間軸上で重ね合わせ表示される。
【0112】
このように誤差eが負の場合に、上記のように、累積誤差が観測分解能ΔTに等しくなるか越える毎にカウンタ30を強制歩進し、観測期間であれば、データわ追加させることで、カウンタ30の計数値が示すタイミング(つまり時間軸)とサンプリングされるデータとが対応するように補正される。
【0113】
例えば、誤差eが負で前記同様に累積回数M=P−4、即ち、1回目の観測期間中に補正タイミングが発生する場合を図で説明する。
【0114】
図8の(a)に示す理想周期Tsrのサンプリング信号の出力タイミングに対して、実際のサンプリング信号の出力タイミングは図8(b)に示すように誤差eの累積分ずつ遅れてゆく。なお、図8は前記同様にサンプリング信号の出力間隔のうちのN・Tx分を省略して表したものであり、理想周期の場合をΔT、実際の周期の場合をΔTeとする。
【0115】
図8の(b)のようにサンプリング信号が出力される前には、制御部33の制御によって、図8の(f)のように、第1のゲート回路31がオン状態となり、信号発生器25から出力されるサンプリング信号は図8の(g)のようにサンプリング部21に入力されて、データ信号Xに対するサンプリングが順次行なわれる。
【0116】
そして、サンプリング信号の累積誤差Eは、P−4(=M)回目のサンプリングが行なわれるタイミングに観測分解能ΔTに等しくなるか越えるが、制御部33の制御によってP−5(=M−1)回目のサンプリングが行なわれた直後に、図8の(f)のように第1のゲート回路31が一時的にオフ状態となり、その間に、図8の(c)のように、パルスが第2のゲート回路32を介して挿入され、表示制御手段22に対してデータの追加指示がなされる。
【0117】
このパルスの挿入により、カウンタ30が1つ歩進してその計数値Csは図8の(e)のようにP−4となる。
【0118】
そして、信号発生器25からP−4回目のサンプリング信号が出力されると、カウンタ30の計数値Csが1だけ歩進してP−3となる。
【0119】
このタイミングは、理想周期TsrによるP−3回目のサンプリングタイミングとほぼ一致するので、累積誤差Eはほぼキャンセルされる。
【0120】
以後は、この状態のままサンプリングが行なわれ、カウンタ30の計数値CsがA(1)−P−1に達して、P回のサンプリングによるデータが得られると、第1のゲート回路31がオフ状態となってサンプリングが停止し、カウンタ30の計数値Csが次の観測期間のサンプリング開始タイミングになるまで待機する。
【0121】
なお、図9の(a)に示すように、P−5回目のサンプリングが行なわれた直後に制御部33からデータの追加指示を受けた表示制御手段22は、図9の(b)のように、サンプリング部21からP−5回目に出力されたデータDs(P−5)を内部のメモリに記憶してから、それと同一のデータを次のデータとしてメモリに記憶して、カウンタ30の計数値Csとデータ数とを対応させる。
【0122】
上記の補正処理は、初回の観測期間中のものであったが、2回目以降の観測期間および観測期間と次の観測期間との間の待機期間の場合も同様であり、カウンタ30がM−1(Mの近傍であれはよい)回歩進する毎に行なわれて、累積誤差がキャンセルされるので、各サンプリングタイミングおよび各観測期間のサンプリング開始タイミングのずれは、観測分解能ΔT以内に収まり、データ信号Xのビット周期に対してΔTが十分小さければ、ΔT分の誤差による表示波形のずれは無視できる。
【0123】
前記説明では、フレーム同期信号Fにサンプリング信号Sを強制同期し、そのタイミングを基準にして、各観測期間のサンプリング開始タイミングを求めていたが、強制同期をおこなわずに、サンプリング信号の出力タイミングとフレーム同期信号Fの入力タイミングとから、指定された観測開始ビット位置jがサンプリング部21に入力されるタイミングと、信号発生器25がサンプリング信号Sを出力するタイミングとが最初に一致するまでのサンプリング信号の出力回数を求めてもよい。
【0124】
例えば、図10の(a)に示すように、時刻t1にフレーム同期信号Fが入力されたとすると、図10の(b)のように、時刻t1から(j−1)/Bが経過する時刻t3に観測開始ビット位置jのデータ信号が入力されることになるが、その間の時刻t2に図10の(c)のようにサンプリング信号Sが出力されたとすると、サンプリング信号Sの出力タイミングと観測開始ビット位置jのデータ信号が入力されるタイミングとの差Tdはt3−t2となる。
【0125】
サンプリング信号Sの出力タイミングはデータ信号がNフレーム入力される毎にΔTだけずれるので、この差時間Tdを観測分解能ΔTで除算して得られる値Aに等しい回数だけサンプリング信号が出力されたときにちょうど観測開始ビット位置jのデータがサンプリング部21に入力されることになる。
【0126】
つまり、上記差時間Tdを求めて、その時間差Tdを観測分解能ΔTで除算して、観測期間に対するサンプリング開始タイミングまでのサンプリング信号の出力回数Aを求め、カウンタ30がA回歩進したときを最初の観測期間に対するサンプリング開始タイミングとすることができる。
【0127】
なお、図9の(c)の点線で示しているように、フレーム同期信号Fとそのフレームの観測開始ビット位置jの間にサンプリング信号Sの出力タイミングがこない場合には、差時間TdをTx−|t3−t2|で求めればよい。
【0128】
この開始タイミングの判別は、フレーム同期信号Fが入力された時点(t1)から最初のサンプリング信号Sが出力されたタイミングを基準にしてカウンタ30の歩進回数を監視することで行なうが、前記したように、設定誤差がある場合、サンプリング開始タイミングがくる前に累積回数Mに達したときには、前記した補正処理を行なう。
【0129】
また、前記した例では、設定誤差の補正を、サンプリング信号に対する処理で行なっていたが、設定誤差の補正をサンプリング部21から表示制御手段22へのデータの出力に対する処理で行なうこともできる。
【0130】
例えば、図11に示す波形観測装置20′のように、第2のゲート回路32の代わりに、サンプリング部21から表示制御手段22に対するデータDsの出力を制御するデータ出力制御手段35を設ける。
【0131】
そして、誤差eが正のとき、補正タイミングが観測期間内にある場合に制御部33からの指示を受けたデータ出力制御手段35が、補正タイミングにサンプリングで得られたデータの表示制御手段22への出力を規制(破棄)する。
【0132】
ただし、この場合には、破棄したデータの分もカウンタ30が歩進するので、その観測期間のサンプリング終了タイミングを破棄したデータの数だけ遅らせる。なお、観測期間でない場合には、補正タイミングになる毎に次の観測期間のサンプリング開始タイミングの値A(i)を1ずつ増加補正する。
【0133】
また、誤差eが負のとき、補正タイミングが観測期間内にある場合に制御部33からの指示を受けたデータ出力制御手段35が、補正タイミングにサンプリングで得られたデータを2回連続して表示制御手段22へ出力する。
【0134】
ただし、この場合には、1回よけいに出力したデータの分に対するカウンタ30の歩進がなされないので、その観測期間のサンプリング終了タイミングを追加したデータの数だけ早める。なお、観測期間でない場合には、補正タイミングになる毎に次の観測期間のサンプリング開始タイミングの値A(i)を1ずつ減少補正する。
【0135】
また、前記した波形観測装置20では、第1のゲート回路31によってサンプリング部21に対するサンプリング信号の入力を規制していたが、前記した波形観測装置20′のようにサンプリング部21でサンプリングされたデータの表示制御手段22に対する出力を制御できるように構成した場合には、第1のゲート回路31も省略して、信号発生器25から出力されたサンプリング信号S観測期間と無関係にサンプリング部21に常時入力して、制御部33とデータ出力制御手段35とによって、サンプリング部21から出力されるデータのうち、観測期間の間に出力されたものだけを表示制御手段22へ出力するように制御してもよい。
【0136】
また、上記説明では、繰り返し観測モードのときに2回目以降の観測期間のサンプリング開始タイミングを示す値A(2)〜A(Q)を全て求めてからサンプリングを開始させていたが、始めに前記した観測期間の間隔を表す値Vのみを求めて、観測期間のサンプリングを開始し、その観測期間の間(あるいはその観測期間が終了した直後)に、次の観測期間の開始タイミングを前記Vに基づいて求め、その演算で求めた値とカウンタ30の歩進回数とを比較して、次の観測期間のサンプリングを開始してもよい。
【0137】
また、前記説明では、フレーム同期信号Fとサンプリング信号Sとを同期させた時点から最後の観測期間の終了までカウンタ30による計数動作を継続させているが、このように長い時間の計数を連続的に行なうためにはカウンタ30の桁数が膨大となり、その桁上がりの遅延時間が無視できない場合がある。
【0138】
これはカウンタ30を適当なタイミングでリセットしながら計数継続することで解決することができる。
【0139】
その場合には、リセットする直前の計数値を制御部33がメモリに記憶しておき、その記憶値とカウンタ30の計数値とを加算して、その加算結果で、観測期間の終了や開始のタイミングあるいは補正タイミングを判定すればよい。
【0140】
なお、このリセットタイミングは任意であるが、前記した補正タイミングや、各観測期間の直前、直後等に行うことができ、このようにカウンタ30のリセットを行いながら、サンプリング信号の計数を継続することで、カウンタ30として桁数の少ない高速なものが使用でき、カウンタ30の動作速度の遅れによるタイミングの誤差も少なくすることができる。
【0141】
また、カウンタ30のキャリー信号の出力回数を制御部33で計数して、その出力回数にカウンタ30の計数上限値を乗じた結果と、カウンタ30の計数値とを加算して、その加算結果で観測期間の終了や開始のタイミングや補正タイミングの判定を行なってもよい。
【0142】
また、前記実施形態では観測開始位置をビット単位で指定する場合について説明したが、これは本発明を限定するものでなく、時間単位で指定してもよい。
【0143】
また、前記実施形態では、データ信号Xが電気信号の場合について説明したが、データ信号Xが光信号の場合でも本発明を同様に適用できる。
【0144】
ただし、光のデータ信号Xをサンプリングする方式として、データ信号Xを電気信号に変換してからA/D変換によりサンプリングしてディジタルのデータに変換する第1の方式、データ信号Xを電気のパルス信号でスイッチングしてサンプリングし、そのサンプリングで得られた光パルス信号を電気のパルス信号に変換して、そのピーク値をディジタルのデータに変換する第2の方式、データ信号Xを光パルスでサンプリングし、そのサンプリングで得られた光パルス信号を電気のパルス信号に変換して、そのピーク値をディジタルのデータに変換する第3の方式とがあり、そのいずれを用いてもよい。
【0145】
前記第1の方式の場合、例えば図12に示すサンプリング部21のように、データ信号Xを光電変換器21aによって電気の信号Exに変換してA/D変換器21bに入力し、A/D変換器21bにサンプリング信号Sを与えて、ディジタルのデータDs値に変換して表示制御手段22に出力する。
【0146】
また、第2の方式の場合、図13に示すサンプリング部21のように、データ信号Xを高速な光スイッチ21cに入力し、サンプリング信号Sを受けたパルス発生器21dからサンプリング信号Sと等しい周期Tsで出力される幅の狭い電気のパルス信号Epで光スイッチ21cをオンさせて、被測定信号Xをサンプリングし、その光スイッチ21cから出力される光パルス信号Psを光電変換器21aで電気信号Esに変換し、そのピーク値をA/D変換器21bによってディジタルのデータDsに変換して出力する。
【0147】
また、第3の方式の場合、例えば図14に示サンプリング部21のように、サンプリング信号Sを受けた光パルス発生器21eからサンプリング信号Sと等しい周期Tsで出射される光パルスPを、非線型光学結晶等からなる光サンプリング部21fに入射してこの光パルスPでデータ信号Xをサンプリングし、そのサンプリングで得られた光パルス信号Psを光電変換器21aによって電気のパルス信号Esに変換し、そのパルス信号Esのピーク値をA/D変換器21bでディジタルのデータDs値に変換して出力するようにサンプリング部21を構成する。
【0148】
なお、電気や光のパルスを用いてデータ信号Xのサンプリングを行う第2、第3の方式の場合、そのパルス幅が狭い程、分解能を高くすることができる。
【0149】
ここで、電気によるパルス変調で得られる信号(電気および光の信号)の幅は数ps程度が限界であるが、光パルスの場合には分散減少ファイバを通過させることでその幅を数10分の1にすることができるので、前記したように0.1psのサンプリング分解能ΔTを得ようとする場合には、前記した第3の方式を採用し、光パルス発生器21eの内部で分散減少ファイバを用いてパルス幅の狭い光パルスPを生成すればよい。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の波形観測装置は、指定された各パラメータに基づいて、フレーム同期信号の周期の整数倍に対して観測分解能分の差をもつ周期のサンプリング信号を出力する信号発生器と、その信号発生器から出力されるサンプリング信号を計数する計数手段と、データ信号を信号発生器から出力されたサンプリング信号でサンプリングするサンプリング部と、そのサンプリング部から出力される信号に基づいて、データ信号の波形を表示する波形表示手段と、一つのフレーム同期信号が入力したタイミングまたはその直後に信号発生器から出力されるサンプリング信号の出力タイミングを基準タイミングとして、観測開始位置に対応するサンプリング開始タイミングを、ビットレート、観測開始位置および観測分解能に基づいてサンプリング信号の周期単位で求め、計数手段の基準タイミングからの歩進回数が、サンプリング開始タイミングに一致したときから所定回連続のサンプリングで得られたデータが1観測期間の波形データとして波形表示手段に送出されるように制御する制御手段とを備えている。
【0151】
このため、データ信号のフレーム内の任意の範囲の波形を観測することができる。
【0152】
また、制御手段が、観測期間に対する所定回のサンプリングを複数回繰り返し行なう動作モードが指定されたとき、最初の観測期間のサンプリング開始タイミングを求めたときに用いた基準タイミングを基準にして2回目以降の観測期間のサンプリング開始タイミングを、サンプリング信号の周期単位で求め、計数手段の基準タイミングからの歩進回数が各観測期間のサンプリング開始タイミングに一致したときから所定回までのサンプリングで得られたデータが各観測期間の波形データとして波形表示手段に出力されるように制御するように構成されている。
【0153】
このため、データ信号のフレーム内の任意の範囲の波形を繰り返し観測する場合に、フレーム同期信号のジッタの影響を受けずに、データ信号自体の波形を正確に観測することができる。
【0154】
また、制御手段が、データ信号のビットレートと観測分解能とからサンプリングの理想周期を算出する理想周期算出手段と、理想周期と信号発生器から実際に出力されるサンプリング信号の周期との誤差を求める誤差算出手段と、誤差を累積した値が観測分解能に等しいか越えるときの累積数を求める累積数算出手段と、信号発生器からサンプリング信号が累積数分出力される毎にカウンタの歩進の規制または追加歩進を行なう補正手段とを備えている。
【0155】
このため、装置の設定可能な桁数の制限等による誤差あっても、サンプリングタイミングの誤差を観測分解能以下に抑えることができ、誤差による表示波形のずれがなく、データ信号の波形を正確に把握できる。
【0156】
また、制御手段が、計数手段を所定タイミング毎に初期化し、その初期化後の計数手段の計数値と初期化する直前の計数値とに基づいて、計数手段の歩進回数を求めるように構成したものでは、少ない桁数の計数手段を用いることができ、より精度の高い観測が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図3】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図4】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図5】実施形態の動作を説明するためのタイミング図
【図6】観測波形の一例を示す図
【図7】実施形態の動作を説明するためのタイミング図
【図8】実施形態の動作を説明するためのタイミング図
【図9】実施形態の動作を説明するためのタイミング図
【図10】他の動作例を説明するためのタイミング図
【図11】他の実施形態の構成を示すブロック図
【図12】実施形態の要部の構成例を示す図
【図13】実施形態の要部の構成例を示す図
【図14】実施形態の要部の構成例を示す図
【図15】サンプリング方式の波形観測装置の動作を説明するためのタイミング図
【図16】観測波形の一例を示す図
【符号の説明】
20……波形観測装置、21……サンプリング部、22……表示制御手段、23……表示器、25……信号発生器、26……パラメータ入力手段、30……カウンタ、31……第1のゲート回路、32……第2のゲート回路、33……制御部、35……データ出力制御手段
Claims (4)
- 所定ビット数で1フレームが形成されるシリアルのデータ信号と、該データ信号のフレームに同期したフレーム同期信号とを受け、前記データ信号のフレーム内の任意のビット範囲の信号波形を観測するための波形観測装置であって、
前記データ信号のビットレート、観測開始位置、観測分解能の各パラメータを指定するパラメータ指定手段(26)と、
前記指定された各パラメータに基づいて、前記フレーム同期信号の周期の整数倍に対して前記観測分解能分の差をもつ周期のサンプリング信号を出力する信号発生器(25)と、
前記信号発生器から出力されるサンプリング信号を計数する計数手段(31)と、
前記データ信号を前記信号発生器から出力されたサンプリング信号でサンプリングするサンプリング部(21)と、
前記サンプリング部から出力される信号に基づいて、前記データ信号の波形を表示する波形表示手段(22、23)と、
一つの前記フレーム同期信号が入力したタイミングまたは該タイミングの直後に前記信号発生器から出力されたサンプリング信号の出力タイミングを基準タイミングとして、前記観測開始位置に対応するサンプリング開始タイミングを、前記ビットレート、観測開始位置および観測分解能に基づいて前記サンプリング信号の周期単位で求め、前記計数手段の前記基準タイミングからの歩進回数が、前記サンプリング開始タイミングに一致したときから所定回連続のサンプリングで得られたデータが1観測期間の波形データとして前記波形表示手段に送出されるように制御する制御手段(31〜33)とを備えたことを特徴とする波形観測装置。 - 前記制御手段は、前記観測期間に対する前記所定回のサンプリングを複数回繰り返し行なう動作モードが指定されたとき、最初の観測期間のサンプリング開始タイミングを求めたときに用いた基準タイミングを基準にして2回目以降の観測期間のサンプリング開始タイミングを、前記サンプリング信号の周期単位で求め、前記計数手段の前記基準タイミングからの歩進回数が前記各観測期間のサンプリング開始タイミングに一致したときから前記所定回までのサンプリングで得られたデータが各観測期間の波形データとして前記波形表示手段に出力されるように制御することを特徴とする請求項1記載の波形観測装置。
- 前記制御手段は、
データ信号のビットレートと観測分解能とからサンプリングの理想周期を算出する理想周期算出手段(S17)と、
前記理想周期と前記信号発生器から実際に出力されるサンプリング信号の周期との誤差を求める誤差算出手段(S18)と、
前記誤差を累積した値が前記観測分解能に等しいか越えるときの累積数を求める累積数算出手段(S20、S42)と、
前記信号発生器からサンプリング信号が前記累積数分出力される毎に前記計数手段の歩進の規制または追加歩進を行なう補正手段(S25〜S27、S30〜S32、S37〜S39、S47〜S49、S52〜S54、S59〜S61)とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の波形観測装置。 - 前記制御手段は、前記計数手段を所定タイミング毎に初期化し、該初期化後の前記計数手段の計数値と初期化する直前の計数値とに基づいて、前記計数手段の歩進回数を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の波形観測装置。
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