JP2004028817A - 情報記録ディスクの表面欠陥検査方法及びその装置 - Google Patents

情報記録ディスクの表面欠陥検査方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リファレンスデータの記録に大容量のメモリを必要としない、欠陥検査方法及びその欠陥検査装置、並びに、ID部を含むディスクの全域にわたって欠陥部を発見することができる欠陥検査方法及び欠陥検査装置を提供する。
【解決手段】本欠陥検査装置の光照射部から照射された光はディスクのプリピットが形成されているフォーマット領域に照射され、光検出部で検出したディスクからの戻り光の光量が測定される。同時に、ディスクを回転させ、ディスクの回転角度位置を測定する。次いで、ディスクの異なる半径位置で取得した回転角度毎の戻り光の光量の平均値を求め、この平均値をリファレンス光量とする。このリファレンス光量と測定した戻り光の光量との差分をディスクの回転角度毎に算出し、その値が所定の値以上であった場合にディスク表面上に何らかの異常があると判断する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスク状情報記録媒体における表面欠陥検査方法及びその検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスクのみならず、光ディスクや光磁気ディスクも大容量化しており、特に画像データを記録再生するための市販のDVD、DVD−R等でも4.7GB(両面タイプでは約9GB)の記録容量を実現している。今後、製品化が期待されている次世代ディスクにおいても同様に、更なる記録容量の増大が望まれており、そのためにはディスク上に形成されている記録領域の更なる高密度化が必要となる。通常、ディスクには内周もしくは外周からスパイラル状もしくは同心円状にランド及びグルーブが形成されている。このランド及びグルーブは、データの記録再生領域あるいは記録再生領域をトラック毎に区画する領域として使用されており、ディスク記録領域の高密度化に伴い、ランド及びグルーブの幅が狭くなる傾向にある。また、このランドまたはグルーブあるいはそれらの両方には円周方向に所定の間隔でプリフォーマットピット(以下、プリピットと略する。)が形成されている。これらのプリピットは、主にアドレス情報等を表わす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、プリピットが形成されていないディスクの欠陥検査としては、例えば、ディスクを回転させた状態でそのディスク表面に光を入射し、ディスク表面にて反射された光の光量の変化等を測定することにより、欠陥の有無を判断していた。しかしながら、この方法では、プリピットを有するディスクの場合、プリピットに入射した光に対する反射光の光量も変化してしまうために、プリピットの部分を欠陥と判断してしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決する方法として、特願昭63−274522に、ID部(プリピット)を有する光ディスクにおける、回折光を利用したグルーブ欠陥の検出方法が開示されている。この欠陥検出方法では、予め測定した基準となるディスクのデータをリファレンスデータとし、そのリファレンスデータを用いて欠陥検査を行っている。しかしながら、この方法では事前にその欠陥検査の基準となるディスクを用意する必要があり、さらに、基準ディスクの全面にわたってリファレンスデータを測定し、そのデータを蓄積しておく必要がある。このため、データの蓄積に相当量のメモリ容量が必要となる。
【0005】
また、特願平1−128583には、上記と同様なID部を有する光ディスクの欠陥検査方法が開示されている。この欠陥検査方法は、予め記録しておいたID部の位置情報を基にID部に相当する箇所の測定データを無効とすることにより、データ部(記録領域)のみの欠陥検査を行っている。したがって、この方法では、ID部に存在する欠陥を検査できないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、リファレンスデータの記録に大容量のメモリを必要としない欠陥検査方法及びその欠陥検査装置を提供することを目的とする。本発明は、また、ID部を含むディスクの全域にわたって欠陥部を発見することができる欠陥検査方法及び欠陥検査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の態様によれば、同一周回上に周期的に形成されたプリピットを有する情報記録ディスクの表面欠陥検査装置であって、
上記ディスクに光を照射する光照射部と;
上記光照射部から照射された光の、ディスクからの戻り光を検出する光検出部と;
上記ディスクを回転させるディスク回転部と;
上記ディスクの回転角度位置を測定するディスク回転角度測定部と;
上記ディスク回転角度測定部で測定したディスクの回転角度位置において、ディスクの異なる半径位置で、上記光検出部で検出した光量の平均値をリファレンス光量として求め、該リファレンス光量と測定した光量との差分を算出し、その算出結果からディスク上の欠陥の有無を判断するデータ処理部と;を備えることを特徴とする情報記録ディスクの表面欠陥検査装置が提供される。
【0008】
本発明における情報ディスクの表面欠陥検査装置では、ディスク表面の中心から同一半径上に位置する周回上に周期的なプリピット(ID部)を有するディスクに対して表面の欠陥検査を行う。本欠陥検査装置は、主に、光照射部、光検出部、ディスク回転部、ディスク回転角度測定部、データ処理部からなる。光照射部から照射された光は、ディスクのプリピットが形成されているフォーマット領域に照射され、光検出部で検出したディスクからの戻り光、例えば、反射光の光量が測定される。同時に、ディスクをディスク回転部で回転させ、ディスクの回転角度位置(以下、回転角度と略する)をディスク回転角度測定部で測定する。次いで、データ処理部にて、ディスクの異なる半径位置で取得した回転角度毎の戻り光の光量の平均値を求め、この平均値をリファレンス光量とする。データ処理部は、このリファレンス光量と測定した戻り光の光量との差分をディスクの回転角度毎に算出し、その値が所定の値以上であった場合にディスク表面上に何らかの異常(欠陥)があると判断する。
【0009】
本発明における第2の態様によれば、同一周回上に周期的なプリピットを有する情報記録ディスクの表面欠陥検査方法であって、
上記ディスクを回転させながら、上記ディスク上に光を照射することと;
照射された光のディスク上からの戻り光を検出することと;
上記ディスクの回転角度位置を測定することと;
上記ディスクの回転角度位置において、ディスクの異なる半径位置で検出した上記戻り光の光量の平均値をリファレンス光量として算出することと;
リファレンス光量と測定した光量との差分を算出し、その算出結果から上記ディスク上の欠陥の有無を判断することとを含むことを特徴とする情報記録ディスクの表面欠陥検査方法が提供される。
【0010】
本発明における情報記録ディスクの表面欠陥検査方法では、ディスク表面の中心から同一半径上に位置する周回上に周期的なプリピット(ID部)を有するディスクに対して表面の欠陥検査を行う。本欠陥検査方法は、ディスクを回転させながら、ディスクのプリピットが形成されているフォーマット領域に光を照射し、そのディスクからの戻り光、例えば、反射光の光量を測定する。また、そのときのディスクの回転角度を測定する。測定した戻り光の光量及びディスクの回転角度を関連付け、これをリファレンス光量の算出に用いる。リファレンス光量は、異なった半径位置で取得した光量の回転角度毎の平均値を求めることにより得られる。リファレンス光量と測定した戻り光の光量との差分を回転角度位置毎に算出し、その値が所定の値以上であれば、ディスク上に何らかの異常(欠陥)があるとして判断する。
【0011】
上記の実施態様において、上記リファレンス光量が、ディスクの一部の回転角度の範囲で取得された上記光量の平均値としてもよい。こうすることで、リファレンス光量として用いる測定データは、ディスクの全ての回転角度においてサンプリングする必要がなく、よって、その測定データを蓄積するためのメモリの容量も少なくし得る。また、上記回転角度の範囲が、一つのプリピットと該プリピットと隣り合うプリピットとの間にし得る。ディスク上のプリピットは、場所により多少の形状の違いが存在する。この形状の違いにより、得られる反射光量も微妙に変化する。しかしながら、このプリピットの形状の違いによる反射光量の差は、プリピットからの反射光量とそれ以外のデータ記録領域(平坦部)からの反射光量の差に比べ非常に小さいので、プリピットの形状の違いによる検出精度の差は生じない。したがって、リファレンス光量として取得する測定データの範囲を、一つのプリピット及びそのプリピットに隣り合うプリピットに至るまでのデータ記録領域における回転角度とすることができる。プリピットはディスクの同一周回上で周期的に存在しているので、このリファレンス光量を用いて、他の回転角度におけるプリピット及びデータ領域の測定及び異常検出が可能となる。これにより、リファレンス光量として用いる測定データを蓄積するためのメモリ容量を、さらに少なくすることができる。
【0012】
上記測定したデータを、リファレンス光量の算出のために用いてもよい。また、上記測定した光量が所定の範囲内であるかどうかを判断し、所定の範囲内である場合に新たなリファレンス光量算出のために用いることが望ましい。これにより、測定ポイント近傍の正常な測定データ群からリファレンス光量を抽出することが可能となり、例えば、ディスクの外周部に向かって、ID部の形成されている回転角度が緩やかに変化しているようなディスクの欠陥検出にも対応し得る。
【0013】
本欠陥検査装置では、上記光照射部からディスクに照射された光のスポット径が4μm〜30μmであることが好ましい。本欠陥検査装置は、例えば、数トラックに跨るような異物の付着や傷等の、トラックピッチに比較して大きい欠陥の有無を判断する。したがって、本装置に用いられる光のスポット径は、トラックピッチの数倍程度の大きさであればよく、高精度な光学系を必要としない。また、上記光のディスクからの戻り光は、ディスク表面形状の違いにより、その光量変化が得られるものであればいかなる戻り光でもよく、特に、戻り光が上記ディスクからの反射光であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における実施の形態を、図を用いて説明するが、本発明にはこれに限定されるものではない。
【0015】
【実施例】
図1は、本発明の欠陥検査に用いた光ディスク1を示した図である。ディスク1は、射出成形により形成されたドーナツ状のプラスチック製基板で、その一方の面に形成されたAl層とを有する。ディスク1の外径は120mm、厚みは1.2mmであり、中心軸AXと同軸上に内径15mmの内孔が形成されている。ディスク1の内孔からディスク1の半径25mmまでの領域がミラー部10であり、ミラー部10の外側からディスク1の外周部に至るまでフォーマット領域12が形成されている。ミラー部10は、表面が平滑に形成されており、一方、フォーマット領域12には、ディスク1の中心軸AXを中心として同心状に周回するグルーブが複数形成されており、グルーブ間にランドが区画されている。隣接するランドの中心間距離、即ち、トラックピッチが0.6μmであり、グルーブ溝深さが60nmである。ディスク1のフォーマット領域12上には、各ランドに、予めフォーマット及びユーザデータが一定回転角速度記録形式(CAV形式)で記録されている。
【0016】
図2に、本発明の欠陥検査方法に用いた欠陥検査装置2の概略構成図を、また、図3には欠陥検査装置2の検出系近傍を拡大した概略構成図を示す。図2に示すように、欠陥検査装置2は、主に、ディスク駆動系20、検出系30及びデータ処理系40で構成されている。ディスク駆動系20は、主にベース140上に固定されたスピンドルモータ22と、その頂部に設けられたディスク支持部24からなる。ディスク支持部24は、スピンドルモータ22が回転軸AXを中心に回転することにより、ディスク支持部24に装着されたディスク1を回転する。検出系30は、主に、波長780nmのレーザー光源32及びフォトダイオードを備える受光部34で構成されている。光源32及び受光部34は、光源32から照射されたレーザー光ILがディスク1上に照射され、ディスク1上で反射し、その反射光CLが受光部34で検出することができるような設置角度で、支持部130に設置されている。支持部130は、ベース140上で移動可能なステッピングモータ52によりディスクの半径方向において、ディスク1の回転中心、即ち、回転軸AXに近づく、あるいは離れるように移動可能である。
【0017】
データ処理系40は、主に、フィルタ42、オシロスコープ44、演算部46、メモリ48及び回転角度検出部50からなる。回転角度検出部50は、例えばロータリーエンコーダから構成することができ、この場合、スピンドルモータ22の回転軸AXに取りつけられたスリット付円盤をセンサで読み取ることにより、ディスク1の回転角度(相対回転角度)を検出することができる。受光部34で光電変換されて出力される信号は、ディスク1上の形状の違いに応じてその信号出力が変化する。次いで、受光部34から出力された信号は、アナログ回路からなるフィルタ42で周波数50kHz以上のノイズ成分が除去される。次いで、フィルタ42から出力された信号は、波形観測用のオシロスコープ44を介して、演算部46に取り込まれ、そのデータはメモリ48に蓄積される。本実施例では、演算部46及びメモリ48として、汎用コンピュータを用いた。回転角度検出部50にて検出されたディスク1の回転角度のデータは演算部46に送られ、演算部46にて上述の信号データと関連付けられてメモリ48に保存される。本実施例では、光源32として半導体レーザーを用いたが、ハロゲンランプ等を用いても構わない。
【0018】
次に、(図2及び3に示す欠陥検査装置の概略構成図に加え、)図4、5及び6を用いて、ディスク上の欠陥検査方法について説明する。まず、欠陥検査におけるリファレンスとなるデータの抽出方法について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。ディスク1をディスク駆動系20で回転させながら、ディスク1のフォーマット領域12における所定の半径位置(所定のトラック位置)に、光源32から照射されたレーザー光ILのスポットを移動する(S51)。次いで、ディスク1から反射した光CLの光を受光部34で受光する。この反射光CLの光量を、少なくともディスク1が1回転する間測定し、ディスク回転角度検出部50で得られたディスク1の回転角度毎にメモリ48に記録する(S52)。次いで、光ILのディスク1上の光照射部分(光スポット)をディスク1の外周部に向かって半径方向に5μm移動する(S53)。次いで、このディスク1の反射光量測定及び光スポットの移動のステップ52及び53が10回行われたかを判断し(S54)、10回行われるまでそれらのステップ52及び53を繰り返す。ステップ52及び53の操作が10回行われた後、演算部46で、メモリ48に記録された反射光量データを、ディスクの各回転角度のデータ毎に整理し、各回転角度の10個の反射光量データを平均して平均値を算出する(S55)。この各回転角度の反射光量データの平均値をリファレンスデータ(光量)とする。即ち、この平均値は、ディスクの各回転角度において、半径方向にわたって平均化された反射光量を示し、たとえある半径位置に欠陥があったとしても、欠陥がない半径位置の反射光量を含めて平均化してあるので、欠陥がない場合の反射光量値とみなすことができる。なお、本実施例では、ディスク1の反射光量測定及び光スポットの移動を10回繰り返したが、安定したリファレンスデータを取得できれば、これより少なくても多くても構わない。
【0019】
次に、上記リファレンスデータを用いて、ディスク上の欠陥検査方法について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。光スポットを上記の所定の半径位置に再度移動する(S61)。ディスク1をディスク駆動系20で回転させながら、ディスク1上に光源32からレーザー光ILを照射し、上記リファレンスデータ抽出時と同様にして、ディスク1から反射した光CLの光を受光部34で受光し、その受光した光の光量を回転角度毎にメモリ48に記録する(S62)。次いで、予め算出した各回転角度毎のリファレンスデータと、測定した反射光量データとを回転角度毎に比較する(S63)。比較方法は、回転角度毎に測定値とリファレンスデータとの差分を求める。その差分の値がリファレンスデータの値に対し±20%の値になるところを閾値とし、閾値を基準にデジタル処理(二値化)して結果を表わす。即ち、この差分の値が±20%の範囲内であればD=0(正常)とし、±20%の範囲外であればD=1(異常)、即ち何らかの欠陥が存在すると判断する。
【0020】
図4(a)は、プリピットが形成されている所定の回転角度θ近傍における、異なる半径位置の測定データR〜R10からリファレンスデータRAVを抽出した様子を示している。pは回転角度θにおける測定ポイントを、また、a,b,c,dは、回転角度θに連続する測定(角度)ポイントを示している。RAVの各測定ポイントにおける値は、R〜R10の測定ポイント毎の平均値である。また、グラフの縦軸は反射光量を、横軸は回転角度に相当する時間軸を示している。図4(b)及び(c)では、測定データRMSとリファレンスデータRAVとを比較し、それぞれの測定ポイントにおけるその差分が所定の範囲内(差分の値がリファレンスデータの値に対し±20%のところに閾値を設定)にあるか否かを、閾値を基準として二値化処理した後の波形として表わした。図4(b)では、いずれの測定ポイントにおいても正常(D=0)、即ち欠陥は存在しないと判断された様子を示している(全ての測定ポイントにおいて、Lレベル)。一方、図4(c)では、測定ポイントbからcにかけて所定の範囲を超えており、異常(欠陥箇所)と判断された部分のみHレベルの信号(D=1)が出力されている。
【0021】
次に、図6に戻って、リファレンスデータの更新方法について説明する。本欠陥検査方法では、測定され、正常と判断されたデータを用いることにより、リファレンスデータを更新することができる。測定の結果、正常と判断された測定データは、その判断時に用いられたリファレンスデータの基となる10個のデータ群に追加される(S64)。また、そのデータ群中、最も古いデータが削除される。この新しい10個のデータ群を用いて、上記リファレンスデータ抽出方法と同様にして、回転角度毎の平均値を算出し、この値をリファレンスデータとして更新する(S65)。次いで、光スポットをディスクの半径方向外側に5μm移動する(S66)。この移動後の半径位置で、次の測定が行われる。ステップ65で更新されたリファレンスデータは、光スポットが移動した後のリファレンスデータとして使用される。このようにして、ディスクの光量データ測定中に、リファレンスデータの更新が逐次行われる。一方、測定されたデータが異常と判断された場合には、その測定データ及び回転角度は判定結果としてメモリに記録されるが(S67)、リファレンスデータ更新の際のデータ群に追加されない。したがって、リファレンスデータの更新は行われずに、元のリファレンスデータが次の測定が行われる半径位置における測定データとの比較に用いられる。
【0022】
本発明におけるディスクの表面欠陥検査装置では、上述の通り、比較的測定ポイントに近い、正常と判断された測定データを用いて、リファレンスデータを逐次更新している。これにより、図1に示すような、プリピット部P〜P12が、ディスク内周部ではそれぞれ回転角度θ〜θ12に存在しディスクの外周部に向かうにつれてそれぞれのプリピット部が同じ回転角度方向に緩やかに変化しているようなディスクにおいても、その変化に伴う測定データをリファレンスデータの基となるデータ群に追加して、リファレンスデータの更新行なうことができる。
【0023】
【変形例】
上記実施例では、ディスクの所定の半径位置において、少なくともディスクが1回転する間の反射光量を測定し、その測定データを基にリファレンスデータの算出及び更新を行ったが、少なくとも所定のプリピットとそのプリピットに隣り合うプリピットとの間で測定されたデータのみを基にして、リファレンスデータの算出及び更新を行うことも可能である。以下、リファレンスデータの算出方法及び更新方法について、図を用いて説明する。
【0024】
まず、上記実施例と同様にして、測定対象ディスクを回転させながら、ディスク表面に光源からレーザー光を照射する。ディスクからの戻り光を受光部で受光し、その光量を測定する。このとき、光量を測定する回転角度の範囲を、ディスクの所定のプリピットとその隣り合うプリピットとの間のみとする。次いで、ディスク上の光スポットをディスクの半径方向外周に向けて5μm移動する。以後同様にして、所定の回転角度間における戻り光の光量測定とディスク半径方向外周に向けた光スポットの移動を所定回数繰り返す。この間に得られた光量データとディスク回転角度検出部で得られた各回転角度データとをメモリに記録する。次いで、演算部にて、メモリに記録された光量データの回転角度毎の平均値を算出する。この回転角度毎の平均値を、ディスクの欠陥検査の最初のリファレンスデータとする。
【0025】
次に、上記のリファレンスデータを用いた、ディスクの同一周回内における異常検出方法及びリファレンスデータの更新方法について、図7を用いて説明する。図7(a)に示すように、上記の方法で抽出したリファレンスデータRAV1の、プリピットが存在する回転角度θにおける測定ポイントをp、pに連続する光量の測定ポイントを、順にa,b,c,dとする。このリファレンスデータRAV1を最初のリファレンスデータとして用いる。図7(b)及び(c)は、それぞれディスクの所定の半径位置において、3つの隣り合うプリピットがそれぞれ存在する回転角度θ,θ及びθ並びにその近傍における反射光量の測定値を概略的に示したグラフと、その測定値とリファレンスデータとの比較結果を概略的に示したグラフである。反射光量の測定値のグラフは、縦軸は反射光量、横軸は回転角度に相当する時間を示している。また、測定値とリファレンスデータとの比較のグラフでは、リファレンスデータと測定値との差分が、リファレンスデータに対し所定の割合を超えた場合にはHレベル(D=1)、所定の範囲内であればLレベル(D=0)となるように、上記実施例と同様にして、閾値を設けて二値化処理した後の波形として表わした。なお、最初のリファレンスデータRAV1と同じ回転角度における測定ポイントをp,a,b,c,dとする。その隣り合うプリピットの回転角度θにおける測定ポイントをpとし、その測定ポイントpに連続する測定ポイントを、順にa,b,c,dとする。また、さらに隣り合うプリピットの回転角度θにおける測定ポイントをpとし、その測定ポイントpに連続する測定ポイントを、順にa,b,c,dとする。
【0026】
本ディスクでは、プリピットがディスクの同一周回上に周期的に存在しているので、回転角度θ,θ及びθにおける測定ポイントp,p及びpは所定の周期毎に存在している。また、測定ポイントp,p及びpにそれぞれ連続している測定ポイントa,a,a、測定ポイントb,b,b、測定ポイントc,c,c及び測定ポイントd,d,dは、それぞれの間隔がプリピットと同一の周期である。ここで、測定ポイントp,a,b,c,dを含み、回転角度にθに至るまでの測定ポイントの一群を測定ポイント群71とし、測定ポイントp,a,b,c,dを含み、回転角度にθに至るまでの測定ポイントの一群を測定ポイント群72とし、また、測定ポイントp,a,b,c,dを含み、次に隣り合うプリピットの回転角度(不図示)に至るまでの測定ポイントの一群を測定ポイント群73とした。
【0027】
図7(b)において、まずリファレンスデータRAV1と、リファレンスデータRAV1を取得した同じ回転角度における測定ポイント群71の値とを回転角度毎に比較する。測定された測定ポイントpの値とリファレンスデータRAV1の測定ポイントpの値との差分を算出する。その差分の値がリファレンスデータRAV1の測定ポイントpの値に対し±20%の範囲内であり、測定ポイントpは正常(D=0)と判断する。以下同様にして、測定ポイント群71中の測定値と、各測定ポイントに対応するリファレンスデータRAV1の値とを測定ポイント毎に比較する。図7(b)では、リファレンスデータRAV1と測定ポイント群71との比較では異常が見られなかったことを表わしている。
【0028】
次に、リファレンスデータを、異常が見られなかった測定ポイント群71の測定値を用いて更新する。このリファレンスデータを用いて、隣接する測定ポイント群72の異常検出を行う。上述の通り、ディスク上のプリピット、及び、各プリピットに連続する測定ポイント(例えば、a、a、a)は、それぞれディスクの同一周回内で所定の周期で現れる。また、使用する光のディスク上のスポット径が4μm〜30μmであり、ディスクのトラック幅に比較して大きいので、各測定ポイントで得られる反射光量も、ディスク上のわずかな形状の差の影響を殆ど受けずに、上記と同じ所定周期で且つほぼ同じ変化を繰り返す。したがって、その所定周期を予め求めることにより、各測定ポイントで得られた正常と判断された測定値を、その所定周期後に当たる測定ポイントのリファレンスデータとして使用できる。即ち、測定ポイントpにおける測定値を測定ポイントpにおける測定値に対するリファレンスとして、測定ポイントaにおける測定値を測定ポイントaにおける測定値に対するリファレンスとして、異常の有無の判断を行うことができる。したがって、測定ポイント群72の各測定ポイントで異常が検出されない場合は、測定ポイント群73の測定の際のリファレンスデータとして、測定ポイント群72の測定値が使用される。
【0029】
一方、図7(c)に示すように、例えば、測定ポイント群72の測定ポイントbからcにかけて、異常と判断された場合、異常箇所はHレベル(D=1)の信号が出力される。この測定ポイントb,cにおける回転角度及びその判定結果はメモリに記録されるが、この測定ポイントb,cの測定値はリファレンスデータとして使用されず、この間のリファレンスデータの更新は行われない。したがって、測定ポイント群73において、測定ポイントb,cの測定時には測定ポイント群71の測定ポイントb及びcの測定値が、それ以外の測定ポイントには測定ポイント群72のそれぞれ対応する測定ポイントにおける測定値を、リファレンスデータとして使用する。これにより、ディスクの同一周回内における一部の測定データをリファレンスデータとして用いて、同一半径位置における他の部分の欠陥検査を行うことができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明におけるディスクの表面欠陥検査方法及びその装置では、リファレンスとなる基準ディスク(良品ディスク)を必要とせず、被測定ディスクの測定データを用いてリファレンスデータを抽出することで、ディスク上の表面欠陥について検査を行うことができる。基準ディスクの全領域におけるリファレンスデータを予め保存する必要もなく、リファレンスデータとして、被測定ディスクの数周回分の測定データまたは数周回分のデータのうち所定の回転角度範囲のみの測定データをメモリに蓄積しておけばよい。これにより、メモリの少量化、ひいてはメモリ読み出し用アクセス処理の高速化が可能となる。また、本発明においては、ディスク上における光照射部からの光のスポット径は4〜30μm程度でよく、特殊な光学系等の高価な機器を必要とせず、安価な表面欠陥検査装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例で用いたディスクの概略図である。
【図2】実施例におけるディスクの表面欠陥検査装置の概略構成図である。
【図3】図2に示した欠陥検査装置の検出系近傍の概略構成図である。
【図4】本発明の実施例における反射光量の測定方法及びリファレンスデータの更新について説明するための概略的なグラフである。
【図5】本発明の実施例における反射光量の測定方法及びリファレンスデータの更新について説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施例における反射光量の測定方法及びリファレンスデータの更新について説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の変形例における反射光量の測定方法及びリファレンスデータの更新について説明するための概略的なグラフである。
【符号の説明】
1 ディスク
2 欠陥検査装置
10 ミラー部
12 フォーマット領域
20 ディスク駆動系
22 スピンドルモータ
24 ディスク支持部
30 検出系
32 光源
34 受光部
40 データ処理系
42 フィルタ
44 オシロスコープ
46 演算部
48 メモリ
50 回転角度検出部
52 ステッピングモータ
IL 入射光
CL 反射光
AX スピンドルモータ回転軸

Claims (13)

  1. 同一周回上に周期的に形成されたプリピットを有する情報記録ディスクの表面欠陥検査装置であって、
    上記ディスクに光を照射する光照射部と;
    上記光照射部から照射された光の、ディスクからの戻り光を検出する光検出部と;
    上記ディスクを回転させるディスク回転部と;
    上記ディスクの回転角度位置を測定するディスク回転角度測定部と;
    上記ディスク回転角度測定部で測定したディスクの回転角度位置において、ディスクの異なる半径位置で、上記光検出部で検出した光量の平均値をリファレンス光量として求め、該リファレンス光量と測定した光量との差分を算出し、その算出結果からディスク上の欠陥の有無を判断するデータ処理部と;を備えることを特徴とする情報記録ディスクの表面欠陥検査装置。
  2. 上記リファレンス光量が、ディスクの一部の回転角度の範囲で取得された上記光量の平均値であることを特徴とする請求項1に記載のディスクの表面欠陥検査装置。
  3. 上記回転角度の範囲が、一つのプリピットと該プリピットと隣り合うプリピットとの間であることを特徴とする請求項2に記載のディスクの表面欠陥検査装置。
  4. 上記データ処理部が、測定した光量をリファレンス光量の算出のために用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスクの表面欠陥検査装置。
  5. 上記データ処理部が、測定した光量が所定の範囲内であるかどうかを判断し、所定の範囲内である場合に新たなリファレンス光量算出のために用いることを特徴とする請求項4に記載のディスクの表面欠陥検査装置。
  6. 上記光照射部から照射された光のスポット径が4μm〜
    30μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスクの表面欠陥検査装置。
  7. 上記戻り光が、反射光であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスクの表面欠陥検査装置。
  8. 同一周回上に周期的なプリピットを有する情報記録ディスクの表面欠陥検査方法であって、
    上記ディスクを回転させながら、上記ディスク上に光を照射することと;
    照射された光のディスク上からの戻り光を検出することと;
    上記ディスクの回転角度位置を測定することと;
    上記ディスクの回転角度位置において、ディスクの異なる半径位置で検出した上記戻り光の光量の平均値をリファレンス光量として算出することと;
    リファレンス光量と測定した光量との差分を算出し、その算出結果から上記ディスク上の欠陥の有無を判断することとを含むことを特徴とする情報記録ディスクの表面欠陥検査方法。
  9. 上記リファレンス光量が、ディスクの一部の回転角度の範囲で取得された上記光量の平均値であることを特徴とする請求項8に記載のディスクの表面欠陥検査方法。
  10. 上記回転角度の範囲が、一つのプリピットと該プリピットと隣り合うプリピットとの間であることを特徴とする請求項9に記載のディスクの表面欠陥検査方法。
  11. 上記測定した光量を、リファレンス光量の算出のために用いることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載のディスクの表面欠陥検査方法。
  12. 上記測定した光量が所定範囲内であるかどうかを判断し、所定範囲内である場合に新たなリファレンス光量算出のために用いることを特徴とする請求項11に記載のディスクの表面欠陥検査方法。
  13. 上記戻り光が、反射光であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載のディスクの表面欠陥検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006194900A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Komag Inc テストヘッドからプロセッサへデータを選択的に供給する方法及び装置
CN117961393A (zh) * 2024-04-01 2024-05-03 江苏威士智能装备有限公司 一种自动化焊接装置及工作方法

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