JP3780866B2 - 光ディスク記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、CD−R、CD−RW、CD−WO、MD、DVD等の光ディスクに対して情報を記録する光ディスク記録方法に関し、特に光ディスクの記録面の傷、指紋、反り、面振れ、色素ムラ等の物理的状態に応じて適切な記録を行うことを可能にした光ディスク記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CD−R,CD−RW等の媒体の普及と製造技術の向上とに伴って、これらのメディアも非常に安価になり、記録媒体の主流となりつつある。一方で、DVDの登場に見られるように、ピックアップに使用されるレーザやその他の記録/再生のための基盤技術の進展も著しく、低速度(×1)から高速度(×8,×16等)までの記録再生が可能な光ディスク記録再生装置も登場している。
【0003】
一方、光ディスク記録装置では、媒体の特性、レーザダイオード(LD)の特性、光パワーの変動等を補正して、最適な光パワーで記録を行うため、OPC(Optimum Power Control)を実行し、予めその媒体の最適パワーを求めるようにしている。OPCは、光ディスクの最内周にあるPCA(Power Calibration Area)を使用して、所定の記録速度(線速度)でLDの記録パワーを段階的に変化させてテストデータの試し書きを行い、そのテストデータを再生したときの再生信号のβ(アシンメトリ)を評価し、最良のβが得られた記録パワーをその記録速度における最適記録パワーとして決定する記録パワー制御方式である。また、特開平10−105972号及び特開平11−273073号には、光ディスクの周方向の複数の領域に記録を行って、それぞれの領域で求められた最適記録パワーを平均化することにより、感度ムラによる影響を抑制するようにした光ディスク記録方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のOPCでは、媒体に傷、指紋、反り、面振れ、色素ムラ等の物理的な異常があると、βも異常な値となるため、最適記録パワーも異常値となり、記録信号品位の悪い記録媒体を作成してしまい、この結果、追記、再生ができなくなることがあった。また、傷、指紋等があると、記録中にサーボが外れてしまい、最悪の場合には、読み出し不可能なオーバーライトをしてしまうという問題があった。更に、光ディスクの周方向の複数の領域に記録を行って、それぞれの領域で求められた最適記録パワーを平均化する方法では、最適記録パワーの局所的な変動に対処することができず、結果的に記録信号品位が低下するという問題があった。
【0005】
この発明は、このような点に鑑みなされたもので、光ディスクの傷、指紋等の物理的状態に拘わらず、常に最適な条件で記録を行うことができる光ディスク記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る第1の光ディスク記録方法は、データが記録可能な光ディスクへの記録に先立って、記録する領域又はその近傍領域を未記録状態で予め再生する未記録状態再生ステップと、得られた再生信号から前記記録する領域の物理的状態(光ディスクの記録面の傷、指紋、反り、面振れ及び色素ムラの少なくとも1つ)を検出する状態検出ステップとを備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、光ディスクへの記録動作に先立ち、記録する領域又はその近傍領域を未記録状態で予め再生する未記録状態再生ステップを備えているので、記録する領域に傷、指紋などが存在すると、このステップで得られた再生信号の振幅が大きく変動し、この再生信号の振幅変動によって記録する領域の物理的状態を検出することができる。この場合、記録する領域そのものを再生する他、その領域の近傍領域(例えば隣接又は近傍トラック)を再生しても良い。一般に、傷や指紋は、トラックピッチ(約1.6μm)に比べて遙かに大きいため、近接領域を検出すれば記録する領域の状態を高い精度で推定することができる。
【0008】
なお、ここで再生信号としては、光ピックアップから出力されるHF信号、平均反射率、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の少なくとも1つを利用することができる。この場合、光ディスクの物理的状態は、再生信号の平均レベル、ピークレベル、ボトムレベル及び振幅を測定し、その絶対値又は変化量から求めることができる。
【0009】
この発明に係る第2の光ディスク記録方法は、データが記録可能な光ディスクへの記録に先立って、記録する領域又はその近傍領域に対し、予め定められた固定パワーで少なくとも所定角度分の試し記録を行う試し記録ステップと、前記試し記録された領域を再生する試し記録領域再生ステップと、得られた再生信号から前記試し記録された領域の各位置における再生信号の品位を測定し、この測定された再生信号の品位から前記記録する領域の物理的状態を検出する状態検出ステップとを備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、光ディスクへの記録動作に先立ち、記録する領域又はその近傍領域に対し、予め定められた固定パワーで少なくとも所定角度分の試し記録を行い、その再生信号から試し記録された領域の各位置における再生信号の品位を測定し、この測定された再生信号の品位から記録する領域の物理的状態を検出するようにしているので、記録する領域に傷、指紋などが存在すると、得られた再生信号の品位が大きく変動し、この再生信号の品位の変動によって記録する領域の物理的状態を検出することができる。
【0011】
なお、ここで再生信号の品位としては、β(アシンメトリ)、ジッター、C1エラー、SYNCEQ、デビエーション、反射率、HF振幅の少なくとも1つを使用することができる。この場合、再生信号の品位の絶対値又は変化量から前記記録領域の各位置における物理的状態を検出することができる。
【0012】
以上の記録方法でいうところの記録とは、最も典型的には、データ記録時の最適光パワーを決定するためのPCAに対するOPC記録であるが、OPC後の試し書き、CA(Count Area)の記録等、OPC以外にも適用することは可能である。OPC記録の場合、記録する領域の物理的状態に基づいて、次のようにOPC記録による最適記録パワーの決定を行うことが考えられる。
【0013】
第1の方法は、記録する領域に対し記録パワーを段階的に変化させてOPC記録を行うOPC記録ステップと、OPC記録された領域を再生して得られた再生信号から各記録パワー毎の再生信号の品位を算出するのに必要な物理量を測定する測定ステップと、測定された物理量に基づいて前記各記録パワー毎の再生信号の品位を算出する再生品位算出ステップと、求められた各記録パワー毎の再生信号の品位と前記検出された記録する領域の物理的状態とに基づいて最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定ステップと、決定された最適記録パワーで前記光ディスクへの本記録を行う本記録ステップとを更に備える。
【0014】
この第1の方法によれば、記録する領域に対して記録パワーを段階的に変化させてOPC記録を行って最適記録パワーを決定する際に、各記録パワー毎の再生信号の品位と記録する領域の物理的状態とに基づいて最適記録パワーを決定するので、OPCにおいて物理的状態を考慮した最適記録パワーを求めることができる。
【0015】
例えは、最適記録パワーの決定方法としては、状態検出ステップで前記記録する領域の物理的状態として光ディスク記録面の傷及び指紋の少なくとも1つが検出された場合、▲1▼それが検出された位置の再生信号の品位を評価の対象から除外する、▲2▼それが検出された位置の再生信号の品位をその前後の位置の再生信号の品位によって内挿又は外挿して求めた値に置き換える、等の方法が挙げられる。これにより、傷、指紋等の影響で最適記録パワーが異常値になるのを防止することができる。
【0016】
また、第2の方法は、記録する領域に対し前記検出された記録する領域の物理的状態に基づいて記録パワーを段階的に変化させてOPC記録を行うOPC記録ステップと、OPC記録された領域を再生して得られた再生信号から各記録パワー毎の再生信号の品位を算出するのに必要な物理量を測定する測定ステップと、前記測定された物理量に基づいて前記各記録パワー毎の再生信号の品位を算出する再生品位算出ステップと、求められた各記録パワー毎の再生信号の品位に基づいて最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定ステップと、決定された最適記録パワーで前記光ディスクへの本記録を行う本記録ステップとを更に備える。
【0017】
この第2の方法によれば、記録する領域に対して、検出された物理的状態に基づいて記録パワーを段階的に変化させてOPC記録を行い、各記録パワー毎の再生信号の品位に基づいて最適記録パワーを決定するので、OPCにおいて物理的状態を考慮した最適記録パワーを求めることができる。
【0018】
例えば、前記OPC記録ステップは、前記状態検出ステップで前記記録する領域の物理的状態として光ディスク記録面の傷及び指紋の少なくとも1つが検出された場合、▲1▼それが検出された位置で、記録パワーの段階的な変化による記録パワーの振り分け方を変化させる、▲2▼それが検出された位置を避けてOPC記録を行う、等の方法を採用することができる。
【0019】
なお、以上はOPC記録の例であるが、本発明の記録方法は、より好ましくは、検出された記録する領域の物理的状態に基づいて記録する領域に対する記録を行う記録ステップを更に備える。ここで記録ステップとは、例えばPA(Program Area),LI(Lead In),LO(Lead Out),CA(Count Area),PMA(Program Memory Area)に対する記録ステップである。物理的状態に基づいて記録するとは、例えば、前記物理的状態として光ディスク記録面の傷及び指紋の少なくとも1つが検出された場合、それが検出された位置で記録パワーを変化させる等の方法を指している。この場合、傷や指紋等が検出された位置でサーボが外れるのを防止するため、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボをホールド状態にすることがより好ましい。
【0020】
また、状態検出ステップが、例えば光ディスクの各回転角度における反り量、面振れ量及び色素ムラ量の少なくとも1つを検出するステップである場合、前記記録ステップは、検出された各回転角度における反り量、面振れ量及び色素ムラ量の少なくとも1つに応じて記録パワーを変化させるステップであれば良い。光ディスクの各回転角度における反り量、面振れ量及び色素ムラ量の少なくとも1つは、例えば再生信号から求められたβ(アシンメトリ)の光ディスクの回転方向の変動量から検出することができる。なお、前記記録ステップは、記録する光ディスク、記録速度及び周囲雰囲気の少なくとも1つによって、記録パワーの変化量を変化させるようにしても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る光ディスク記録装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0022】
光ディスク1は、記録領域の最内周から最外周まで一筆書きの螺旋状のトラックを有し、そのトラックに沿って一定の線密度でデータの記録線密度を規定するための記録線密度制御信号が重畳されている。この記録線密度制御信号は、この例では絶対時間情報であるATIP(Absolute Time In Pregroove)タイムコードを含むウォブル(Wobble)である。光ディスク1は、スピンドルモータ(SPM)2によって回転駆動される。その回転軸にはホール素子等からなる周波数発生器(FG)3が接続されており、この周波数発生器3から出力されるFGパルスがサーボ回路4に入力されている。
【0023】
サーボ回路4は、光ディスク1をCAV制御する場合には、FGパルスと基準クロックとが同期するようにスピンドルモータ2を回転制御する。これにより光ディスク1は回転速度一定で回転制御される。サーボ回路4は、また、光ディスク1をCLV制御する場合には、光ディスク1から光ピックアップ5を介して読み出され、RFアンプ6によって増幅されたウォブル信号が基準クロックと同期するようにスピンドルモータ2を回転制御する。これにより光ディスク1は線速度一定で回転制御される。
【0024】
RFアンプ6から出力されるウォブル信号は、アドレス検出回路7に供給され、ここで、ATIPタイムコードとATIPクロックとが抽出されて、光ディスク1のアドレスが検出される。検出されたアドレスは、システム制御部(CPU)8に供給される。システム制御部8は、入力されたアドレスから光ディスク1の半径方向の記録位置を認識し、その記録位置に基づいて可変された基準クロックをサーボ回路4に出力する。
【0025】
また、RFアンプ6の出力、即ち再生信号は、デコーダ9に入力され、ここでEFM(Eight to Fourteen Modulation)復調、CIRC(Cross Interleaved Reed-Solomon Code)復号され、再生データとして出力されると共に、そのデコードによるCIエラー、SYNCEQ(同期信号)が検出されてシステム制御部8に供給される。更に、RFアンプ6から出力される再生信号は、ピーク・ボトム検出回路10、エンベロープ検出回路11及びジッター・デビエーション検出回路12にそれぞれ供給されている。ピーク・ボトム検出回路10では、再生信号のピーク値及びボトム値を検出し、これに基づいて、光ディスク1の反射率、HF振幅、変調度(Modulation)、β(アシンメトリ)等が検出される。エンベロープ検出回路11では、再生信号のエンベロープ(包絡線)が検出される。ジッター・デビエーション検出回路12では、再生信号からジッター及びデビエーションが検出される。これら、β、CIエラー、SYNCEQ、反射率、HF振幅、変調度、ジッター、デビエーション等は、再生信号の品位を示すパラメータであり、これらについては、後述する。
【0026】
一方、記録データはエンコーダ13に入力され、システム制御部8からのEFMクロックに従って、記録データをCIRC/EFMエンコードする。ライトストラテジ回路14は、エンコードされた記録データから記録に適した記録パルスを生成する。この記録パルスがレーザドライバ15に供給される。システム制御部8は、記録速度−最適パワー特性に基づき光パワー制御部16を介してレーザドライバ15を制御する。これにより、光ピックアップ5から最適化されたパワーのレーザ光が照射され、光ディスク1上にEFMクロックに基づく線密度の記録ピットが形成される。
【0027】
次に、このように構成された光ディスク記録装置の記録時の動作について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る光ディスク記録装置の記録動作を示すフローチャートである。
まず、OPC記録を行う領域、例えばPCA内の15ATIPフレーム分のデータが記録される領域、又はその近傍トラック等の近接領域を未記録状態で再生する(S1)。図3には、OPC記録前に記録する領域を再生したときのHF信号(AC結合後)のピークレベル及びボトムレベルを示している。傷、指紋等があると、その個所の再生信号のピークレベル及びへボトムレベルに変化があることが分かる。なお、HF信号以外でも、例えば平均反射率(HF信号をローパス処理した信号)、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号等も、傷、指紋などによりその振幅が大きく変動するので、これらを用いても良い。
【0028】
続いて、得られた再生信号に基づいて記録する領域の物理的状態を検出する(S2)。ピーク・ボトム検出回路10は、RFアンプ6から出力されるHF信号のピークレベル及びボトムレベルを検出し、システム制御部8は、そのレベルから傷、指紋等の存在を検出し、傷、指紋等が存在する光ディスク1の角度位置を記憶する。
【0029】
また、図4には、各フレームのHF信号振幅の変化を示している。これは各ATIPフレームで複数回のサンプリングを行い、平均化することなどで得ることができる。例えば振幅の最小値の1.5倍をスライスレベルとして設定し、それを超えているフレームでは傷、指紋等があると判定することができる。この場合は、振幅の相対変化量から傷、指紋等の存在を検出したが、振幅の平均レベル、ピークレベル、ボトムレベル又は絶対値等の組合せからも同様の検出が可能である。また、スライスレベルの設定も任意の形態が可能であり、例えばスライスレベルを複数段階設定することにより、異なる振幅で現れる傷、指紋、黒点等をそれぞれ区別することも可能になる。また、光ディスク1のトラックピッチは、ディスク上の傷、指紋等に比べて極めて小さいことや、OPCでは通常15ATIPフレーム(内周PCAでは約1周半)記録することを考慮すれば、記録個所の手前を1周程度、再生・測定・検出することで、連続した動作が可能になり、所要時間を短縮することもできる。
【0030】
光ディスク1上の傷、指紋等の物理的状態を検出したら、次にOPCが実行される(S3)。CD−RのOPCでは、通常、光ディスク1の最内周エリアに形成されたPCAにおいて、予め定めた記録速度にて、図5に示すように、光ピックアップ5の記録パワーを、1ATIPフレーム単位で15フレームにわたって段階的に変化させてテストパターンを試し書きする。そして、試し書きされた部分を再生する。図6の波形が、ある記録パワーで記録されたデータを再生したAC結合後の再生信号(HF信号)である。ここでRはACのグランドレベルとなるEFM基準レベル(EFM Ref)である。また、ピーク値P、ボトム値B及びEFM基準レベルRは、ADCの基準となるADC基準レベル(ADC Ref)を基準としたレベルである。いま、EFM基準レベルRを基準としたピーク値P側の振幅をA1、ボトム値B側の振幅をA2とすると、βは次のような演算によって求められる。
【0031】
【数1】
【0032】
図7は、図5の段階的な記録パワーにより記録された15フレーム分の記録データを再生することにより、各フレーム毎に検出されるピーク値P及びボトム値Bを示す図である。各フレーム毎にβを求めると、図8に示すような記録パワー−β特性が求められる。この特性のうち、例えばβ=0となる記録パワーPoをその光ディスク1における最適記録パワーとして決定する。
【0033】
但し、ここでβの決定方法の中に、先に検出された光ディスク1の物理的状態を反映させる。その方法としては、▲1▼傷、指紋のあるフレームで得られた再生信号から求められたβは評価の対象から外す、▲2▼傷、指紋のあるフレームで得られた再生信号から求められたβは評価の対象から外し、前後のフレームから内挿又は外挿する、▲3▼傷、指紋のあるフレームではOPC記録のパワーの振り分け方を変える、▲4▼傷、指紋のあるフレームを避けてOPC記録を行う、等の方法が考えられる。
【0034】
このようにして、光ディスク1の物理的状態に応じたOPCを行って、光ディスクに傷、指紋等があった場合でも、最適記録パワーを求めることができ、この最適記録パワーによる本記録が実行される(S5)。具体的には、求められた最適記録パワーが光パワー制御回路16に与えられ、レーザドライバ15が最適記録パワーにより駆動される。
【0035】
図9は、この発明の第2の実施形態に係る光ディスク記録装置の記録動作を示すフローチャートである。
まず、OPC記録を行う領域、例えばPCA内の15ATIPフレーム分のデータが記録される領域、又はその近傍トラック等の近接領域を任意の記録パワーにて試し記録する(S11)。図10には、任意の固定パワーで、例えば光ディスク1周分記録したときのSYNCEQ,C1エラー、β、ジッター、デビエーション及び反射率の各一例を示している。これらは、次のように再生信号の品位(記録品位)を表している。
【0036】
▲1▼CIエラー:再生信号のエラーブロック数(BLER)、
▲2▼ジッター:再生信号の各ピット、ランド長の標準偏差、
▲3▼デビエーション:再生信号の各ピット、ランド長と各基準長との差、
▲4▼SYNCEQ:フレーム同期信号を検出できたかを示す信号。ここでは、所定時間(フレーム)で、この信号が何回検出できたか、つまり同期のとれた回数(シンクイコール回数)を測定し、判断材料に使用する。
▲5▼β(アシンメトリ):記録の深さを示す指数。再生信号(AC結合後)の非対称性、
▲6▼反射率:全反射に対する再生信号の反射率。
【0037】
なお、これらは、デコーダ9、ピーク・ボトム検出回路10、エンベロープ検出回路11及びジッター・デビエーション検出回路12で得ることができる。図10は、例えば各ATIPフレーム単位での変化を示したものである。傷や指紋の存在する個所では、その値が特異的になっていることが分かる。このことから、試し記録された領域を再生してHF信号を得(S12)、得られたHF信号から、前述のHF振幅と同様に、相対値又は絶対値の任意のスライスレベルを設定すれば、傷・指紋などの物理的状態を検出することができる(S13)。なお、必要に応じてウィンドウ的な設定とするようにしても良い。
【0038】
記録する領域の物理的状態が検出されたら、その後、OPC実行(S14)、最適記録パワー決定(S15)、及び本記録(S16)を実行するが、これらは図2に示した先の記録動作と同様の処理であるため、その詳細については割愛する。
【0039】
図11は、光ディスク1に反り、面振れ、色素ムラなどの回転方向での記録品質のバラツキを発生させる要因が存在する場合のβの変動量を示す図である。光ディスク1の角度(位置)に応じて、βが変動している。ここで、傷、指紋等が存在すると、部分的に大きく変動するが、その場合には、大きく変動する個所を前後のデータで内挿又は外挿補間すれば良い。このような光ディスク1で実際にOPCを実行した場合の記録位置(記録パワー)−β特性は、図12のようになる。図11に示すようなβ変動量を求め、図12の特性を補正することにより、最適記録パワーを求めることができる。また、このようなβの変動に合わせて、記録パワーを変化させるようにしても良い。
【0040】
具体的な記録領域としては、PA,LI,LO,CA,PMA等が挙げられる。特に従来、記録中に戻り光のレベルをモニタし、その変化量から記録パワーを制御するROPC(ランニングOPC)では、記録すべき領域にある程度の長さがなければならず、OPC回数を記録するCA(Count Area)のように、極めて短い領域をROPC(ランニングOPC)制御することは困難であったが、この発明の記録方法により、CAのような短い領域に対しても予め最適パワーを予測することができるため、品位の高い記録が可能になる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、光ディスクへの記録動作に先立ち、記録する領域又はその近傍領域を未記録状態で予め再生して、この再生信号の振幅変動によって記録する領域の物理的状態を検出するか、予め定められた固定パワーで少なくとも所定角度分の試し記録を行い、その再生信号から試し記録された領域の各位置における再生信号の品位を測定し、この測定された再生信号の品位から記録する領域の物理的状態を検出するようにしているので、記録する領域の状態を高い精度で事前に推定して、光ディスクの状態に適した最適な記録をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態に係る光ディスク記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同装置における第1の実施形態に係る光ディスク記録方法を示すフローチャートである。
【図3】 未記録領域に傷、指紋がある場合の再生信号のピークレベル及びボトムレベルを示す波形図である。
【図4】 未記録領域に傷、指紋がある場合の再生信号の振幅を示す波形図である。
【図5】 同装置におけるOPC時の記録領域における記録パワーと記録位置との関係を示すグラフである。
【図6】 同OPC記録データの再生信号の一例を示す波形図である。
【図7】 同OPCにおける各記録位置と再生信号のピーク値及びボトム値とを示すグラフである。
【図8】 同OPCにおける記録パワーとβとの関係を示すグラフである。
【図9】 この発明の第2の実施形態に係る光ディスク記録方法を示すフローチャートである。
【図10】 任意の固定パワーで記録された信号の品位を示すグラフである。
【図11】 光ディスクに反り、面振れ、色素ムラ等がある場合のディスク回転方向のβ変動量を示すグラフである。
【図12】 同β変動量が存在する場合のOPCにおける記録パワー−β特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…スピンドルモータ、3…周波数発生器、4…サーボ回路、5…光ピックアップ、6…RFアンプ、7…アドレス検出回路、8…システム制御部、9…デコーダ、10…ピーク・ボトム検出回路、11…エンベロープ検出回路、12…ジッター・デビエーション検出回路、13…エンコーダ、14…ストラテジ回路、15…レーザドライバ、16…光パワー制御部。
Claims (7)
- データが記録可能な光ディスクへの記録に先立って、記録する領域又はその近傍領域を未記録状態で予め再生する未記録状態再生ステップと、得られた再生信号から前記記録する領域の物理的状態を検出する状態検出ステップと、
前記記録する領域に対し前記検出された記録する領域の物理的状態に基づいて前記記録パワーを段階的に変化させてOPC( Optimum Power Control )記録を行うOPC記録ステップと、
OPC記録された領域を再生して得られた再生信号から各記録パワー毎の再生信号の品位を算出するのに必要な物理量を測定する測定ステップと、
前記測定された物理量に基づいて前記各記録パワー毎の再生信号の品位を算出する再生品位算出ステップと、
求められた各記録パワー毎の再生信号の品位に基づいて最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定ステップと、
決定された最適記録パワーで前記光ディスクへの本記録を行う本記録ステップと
を備え、
前記OPC記録ステップは、前記状態検出ステップで前記記録する領域の物理的状態として光ディスク記録面の傷及び指紋の少なくとも1つが検出された場合、それが検出された位置で、記録パワーの段階的な変化による記録パワーの振り分け方を変化させるステップである
ことを特徴とする光ディスク記録方法。 - データが記録可能な光ディスクへの記録に先立って、記録する領域又はその近傍領域に対し、予め定められた固定パワーで少なくとも所定角度分の試し記録を行う試し記録ステップと、
前記試し記録された領域を再生する試し記録領域再生ステップと、得られた再生信号から前記試し記録された領域の各位置における再生信号の品位を測定し、この測定された再生信号の品位から前記記録する領域の物理的状態を検出する状態検出ステップと、
前記記録する領域に対し前記検出された記録する領域の物理的状態に基づいて記録パワーを段階的に変化させてOPC( Optimum Power Control )記録を行うOPC記録ステップと、
OPC記録された領域を再生して得られた再生信号から各記録パワー毎の再生信号の品位を算出するのに必要な物理量を測定する測定ステップと、
前記測定された物理量に基づいて前記各記録パワー毎の再生信号の品位を算出する再生品位算出ステップと、
求められた各記録パワー毎の再生信号の品位に基づいて最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定ステップと、
決定された最適記録パワーで前記光ディスクへの本記録を行う本記録ステップと
を備え、
前記OPC記録ステップは、前記状態検出ステップで前記記録する領域の物理的状態として光ディスク記録面の傷及び指紋の少なくとも1つが検出された場合、それが検出された位置で、記録パワーの段階的な変化による記録パワーの振り分け方を変化させるステップである
ことを特徴とする光ディスク記録方法。 - 前記状態検出ステップは、前記光ディスクの記録面の傷、指紋、反り、面振れ及び色素ムラの少なくとも1つを前記物理的状態として検出するステップであることを特徴とする請求項1又は2記載の光ディスク記録方法。
- 前記状態検出ステップは、光ピックアップから出力されるHF信号、平均反射率、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の少なくとも1つを再生信号とし、この再生信号に基づいて前記記録する領域の物理的状態を検出するステップであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録方法。
- 前記状態検出ステップは、前記再生信号の平均レベル、ピークレベル、ボトムレベル及び振幅を測定し、その絶対値又は変化量から前記記録する領域の物理的状態を検出するステップであることを特徴とする請求項4記載の光ディスク記録方法。
- 前記状態検出ステップは、前記再生信号のβ(アシンメトリ)、ジッター、C1エラー、SYNCEQ、デビエーション、反射率、HF振幅の少なくとも1つを再生信号の品位として測定するステップであることを特徴とする請求項2記載の光ディスク記録方法。
- 前記状態検出ステップは、前記再生信号の品位の絶対値又は変化量から前記記録領域の各位置における物理的状態を検出するステップであることを特徴とする請求項6記載の光ディスク記録方法。
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