JP2004026970A - アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、それを用いた洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高洗浄力を維持しつつ、低泡性に優れ、かつ異臭のないアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物等の提供。
【解決手段】アルキル炭素鎖長が5〜14のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を含むアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物であって、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%以上、及びアルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量%以下含むことを特徴とするアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】アルキル炭素鎖長が5〜14のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を含むアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物であって、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%以上、及びアルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量%以下含むことを特徴とするアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄力が高く、低泡性に優れ、かつ洗剤使用時に臭気の少ない、アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、及びそれを用いた洗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低泡性が要求される界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が多用されていた。例えば家庭用洗剤としては、ドラム式洗濯機用洗剤が特開昭56−167797号公報に、自動食器洗浄機用洗剤が、特開平07−179900号公報、特開平09−263790号公報、特開平11−21592号公報、特開2000−96097号公報、及び特開2001−316700号公報等に開示されている。特に自動食器洗浄機用の洗剤においては、洗浄機の装置上運転中に泡立ちを抑制することが重要であるため、従来より、低泡性発現のため主にEO/PO系非イオン界面活性剤が用いられていた。
しかしながら、非イオン界面活性剤は低泡性である反面、洗浄性が低いため、食器等への再汚染性が問題とされていた。また、特に洗浄使用時の高温下においては、非イオン界面活性剤の含有成分が発する異臭が使用者に不快感を与えるという問題もあった。
【0003】
更に、通常洗濯用洗剤に使用されているような洗浄力の高い、炭素鎖長10〜16のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を自動食洗機用洗剤に配合する方法が特開平02−88700号公報、特開平04−226200号公報に記載されているものの、泡立ちの点で大きな問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い洗浄力を維持しつつ、更に低泡性に優れ、かつ異臭のないアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、及びそれを用いた洗剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記諸問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、従来洗濯用洗剤に使われていたアルキルベンゼンスルホン酸塩よりも炭素鎖長の比較的短い、すなわち炭素鎖長5〜12のアルキルベンゼンスルホン酸塩を主基材として洗剤に配合することにより、前記諸問題を解決するに至った。即ち、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
【0006】
<1> アルキル炭素鎖長が5〜14のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を含むアルキルベンゼンスルホン酸組成物であって、アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%以上、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量%以下含むことを特徴とするアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物である。
<2> 前記<1>に記載のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を含むことを特徴とする洗剤組成物である。
<3> 自動食器洗浄機において用いられる前記<2>に記載の洗剤組成物である。
【0007】
更に、本発明においては、以下の態様も好ましい。
<4> 純水中に1質量%溶解乃至分散させた溶液のpHが6以上となる前記<2>又は<3>に記載の洗剤組成物である。
<5> ドラム式洗濯機において用いられる前記<2>から<4>のいずれかに記載の洗剤組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物)
本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、アルキル炭素鎖長が5〜14のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を含むアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物であって、アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%以上、及びアルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量%以下含み、必要に応じてその他の成分を含む。
【0009】
[アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホン酸塩]
前記アルキル炭素鎖長が6のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ヘキシルベンゼンスルホン酸塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸塩、1−tert−ブチル−3−エチルベンゼンスルホン酸塩、4−tert−ブチル−オルト−キシレンスルホン酸塩、5−tert−ブチル−メタ−キシレンスルホン酸塩、1,3−ジイソプロピルベンゼンスルホン酸塩、1,4−3−ジイソプロピルベンゼンスルホン酸塩、ジイソプロピルベンゼンスルホン酸塩、及び1,3,5−トリエチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0010】
前記アルキル炭素鎖長が7のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ヘプチルベンゼンスルホン酸塩、ヘプチルベンゼンスルホン酸塩、及び3−tert−ブチル−5−エチルトルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が8のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−オクチルベンゼンスルホン酸塩、オクチルベンゼンスルホン酸塩、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼンスルホン酸塩、及び1,4−ジ−tert−ブチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が9のアルキルベンセンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ノニルベンゼンスルホン酸塩、ノニルベンゼンスルホン酸塩、及び1,3,5−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が10のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−デシルベンゼンスルホン酸塩、及びデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が11のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ウンデシルベンゼンスルホン酸塩、及びウンデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
これらは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0011】
これらの中でも、より低泡性に優れ、異臭の発生が低い点で、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル炭素鎖長が7〜10のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩がより好ましい。
【0012】
前記アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホル酸塩の、本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物における含有量としては、低泡性及び高洗浄性をより充分に発現し得る点で、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
【0013】
[アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩]
前記アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。また、前記アルキル炭素鎖長が14のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばテトラデシルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
これらは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0014】
前記アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホル酸塩の、本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物における含有量としては、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
前記含有量が5質量%を超えると泡が立ち易くなり、特に自動食器洗浄機において用いる場合には運転に支障が生ずることがある。
【0015】
[その他の成分]
前記その他の成分としては、アルキル炭素鎖長が5のアルキルベンゼンスルホン酸塩、芒硝分、等が好ましい。
前記炭素鎖長が5のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、n−アミルベンゼンスルホン酸塩、tert−アミルベンゼンスルホン酸塩、2−tert−ブチルトルエンスルホン酸塩、3−tert−ブチルトルエンスルホン酸塩、4−tert−ブチルトルエンスルホン酸塩、1,2−ジメチルプロピルベンゼンスルホン酸塩、1−エチルプロピルベンゼンスルホン酸塩、5−イソプロピル−メタ−キシレンスルホン酸塩、3−メチルブチルベンゼンスルホン酸塩、ネオペンチルベンゼンスルホン酸塩、及びペンタメチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。これらは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0016】
<アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の製造法>
本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の製造法としては、特に限定はされないが、例えば、特開2001−240588号公報に記載の方法が挙げられる。
この方法において、被スルホン化原料のアルキルベンゼンとしては、アルキル炭素鎖長が5〜12のアルキルベンゼン中に、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンを5%質量以下含み、且つアルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンを70%質量以上含む組成物であることが好ましい。またスルホン酸の中和に用いるアルカリ剤としては、特に限定はされないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属が好ましい。
【0017】
本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等であるのが好ましい。以上説明した本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、高い洗浄力を維持しつつ、更に低泡性に優れ、かつ異臭もないことから、洗剤組成物に好適に用いられ、特に、自動食器洗浄機用洗剤、ドラム式洗濯機用洗剤等の低泡性が必要とされる洗剤において、極めて高い効果を発揮する。
【0018】
(洗剤組成物)
本発明の洗剤組成物は、本発明の前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を含み、必要に応じてその他の成分を含む。
【0019】
[アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物]
前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、前述した通りである。ここで、特に自動食器洗浄機において用いられる場合、本発明の前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の含有量としては、特に限定はされないが、充分な洗浄性能を付与する目的と自動食器洗浄機での泡立ちの点で、洗剤組成物全量中に0.1〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましい。
前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の含有量が0.1質量%未満であると洗浄性が充分に発揮できないことがあり、一方、前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の含有量を15質量%より高くしても、洗浄性能の向上に変化がなく経済的なメリットがみられないことがある。
【0020】
[その他の成分]
前記その他の成分としては、特に限定はされないが、例えば界面活性剤、アルカリ金属塩、及び補助成分等が挙げられる。これらのその他の成分は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0021】
<界面活性剤>
前記界面活性剤は、前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物により奏される効果を害しない範囲で適宜使用可能である。該界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤等が挙げられる
【0022】
―ノニオン界面活性剤―
前記ノニオン界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えばメチルエステルエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、及びアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0023】
―アニオン界面活性剤―
前記アニオン界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えばアルファオレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、石鹸等が挙げられる。前記アニオン界面活性剤は、ナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0024】
―両性界面活性剤―
前記両性界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えばカルボキシベタイン、スルホベタイン等が挙げられる。
【0025】
<アルカリ金属塩>
本発明の洗剤組成物においては、純水中に該洗剤組成物を1質量%溶解乃至分散させた際のpHが6以上となるようにpHを調整することにより、消泡剤や異臭成分のマスキング剤を必要せず、更に、低泡性、高洗浄力、及び無臭気という大変優れた効果を得ることができる。pHが6以下であると、前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の洗浄効果が充分に発揮できないことがある。
このように、洗剤組成物におけるpHを調整する目的で、アルカリ金属塩を添加するのが好ましい。該アルカリ金属塩としては、特に限定はされないが、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等が挙げられる。
【0026】
<補助成分>
前記補助成分としては、特に限定はされないが、例えば酸素系漂白剤、漂白活性化剤、ビルダー、キレート剤、汚れ物質に対する分解酵素、香料、香料安定化剤、色素、及び流動性向上剤等が挙げられる。
【0027】
−酸素系漂白剤−
前記酸素系漂白剤としては、特に限定はされないが、例えば過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム1水塩、過硼酸ナトリウム4水塩、硫酸ナトリウム・過酸化水素付加物等が挙げられる。
【0028】
−漂白活性化剤−
前記漂白活性化剤としては、特に限定はされないが、例えばテトラアセチルエチレンジアミン、シアン化合物(Sokalan(R)(BM G、BASF社製)等)、テトラアセチルグリコリルウリル、グルコースペンタアセテート、アセトキシベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0029】
−ビルダー−
前記ビルダーとしては、無機及び有機ビルダーが挙げられる。
【0030】
−−無機ビルダー−−
前記無機ビルダーとしては、特に限定はされないが、例えば洗剤組成物のpHの調整に使用可能な炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウムなどのアルカリ性塩、硫酸ナトリウム等の中性塩、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩、下記式(1)で表される結晶性アルミノ珪酸塩、下記式(2)で表される無定形アルミノ珪酸塩、及び下記式(3)で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
【0031】
x1(M2O)・Al2O3・y1(SiO2)・w1(H2O)…式(1)
但し、式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、x1、y1及びw1は各成分のモル数を表す。
【0032】
式(1)において、Mで表されるアルカリ金属原子としては、特に限定はされないが、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、x1、y1、及びw1で表される各成分のモル数は、x1としては0.7〜1.5の数が、y1としては0.8〜6の数が、w1としては任意の正の数が好ましい。
【0033】
x2(M2O)・Al2O3・y2(SiO2)・w2(H2O)…式(2)
但し、式(2)中、Mはアルカリ金属原子を表し、x2、y2及びw2は各成分のモル数を表す。
【0034】
式(2)において、Mで表されるアルカリ金属原子としては、特に限定はされないが、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、x2、y2、及びw2で表される各成分のモル数は、x2としては0.7〜1.2の数が、y2としては1.6〜2.8の数が、w2としては0又は任意の正の数が好ましい。
【0035】
x3(M2O)・Al2O3・y3(SiO2)・z3(P2O5)・w3(H2O) …式(3)
但し、式(3)中、Mはアルカリ金属原子を表し、x3、y3、z3、及びw3各成分のモル数を表す。
【0036】
式(3)において、Mで表されるアルカリ金属原子としては、特に限定はされないが、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、x3、y3、z3、及びw3で表される各成分のモル数は、x3としては0.2〜1.1の数が、y3としては0.2〜4.0の数が、z3としては0.001〜0.8、w3としては0又は任意の正の数が好ましい。
【0037】
−−有機ビルダー−−
前記有機ビルダーとしては、特に限定はされないが、例えばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸、アクリル酸ーアリルアルコール共重合体、アクリル酸ーマレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類ーアクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体および共重合体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体または共重合体;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドン等の非解離高分子化合物等が挙げられる。
【0038】
−香料−
前記香料としては、特に限定はされないが、例えば脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、脂肪族環状アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、脂肪族環状カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、脂肪族環状ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料、動物、植物からの天然香料、前記天然香料及び合成香料の少なくともいずれかを含む調合香料等が挙げられる。
【0039】
−香料安定化剤−
前記香料安定化剤としては、特に限定はされないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、及びポリフェノール化合物等が挙げられる。
【0040】
−分解酵素−
前記分解酵素としては、特に限定はされないが、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、及びセルラーゼ等が挙げられる。
【0041】
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤としては、特に限定はされないが、粉体流動性向上剤が好ましく、例えば芒硝、無水珪酸、ゼオライト、酸化チタン等が挙げられる。
【0042】
−キレート剤−
前記キレート剤としては、特に限定はされないが、例えばエチレンジアミン四酢酸塩、アルミン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、アクリル酸・マレイン酸共重合体塩等を挙げられる。
【0043】
−色素−
前記色素については、通常洗剤に用いられる化合物を適宜選択して用いることができる。
【0044】
<洗剤組成物の態様等>
前記洗剤組成物の態様としては、特に制限はなく、顆粒状、液状等のいずれの態様でもよい。特に、顆粒状の洗剤組成物については、大きすぎても小さすぎても粉体の流動性が悪くなり、又大きすぎる場合には洗剤自体の溶解性が問題となり得る点から、平均粒径(ふるい上質量平均粒径)で200〜500μmであることが好ましく、また、平均粒径(ふるい上質量平均粒径)で250〜500μmで、且つ粒径が710μm以上と150μm以下の粒子の割合が、洗剤全量の15質量%未満であることがより好ましい。
【0045】
以上説明した本発明の洗剤組成物は、本発明の前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を含むため、高い洗浄力を有しつつ、低泡性に優れ、かつ異臭もないことから、特に、低泡性が要求される自動食器洗浄機用の洗剤を始め、ドラム式洗濯機用洗剤、洗車洗浄装置用洗剤等、低泡性を必要とする全ての洗剤においても前述の効果が発揮される。
【0046】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
スルホン化装置として、ジャケット付き槽型反応器に天板付きホモミキサー(特殊機化工業)を用い、また槽型反応器の下部からアルキルベンゼン及び無水硫酸を供給するための2つのノズルを設置した。予め原料としてアルキル炭素鎖長12以上を1質量%含み、アルキル炭素鎖長6〜11を95質量%含むアルキルベンゼンを張っておき、ホモミキサーを稼働しながら、該アルキルベンゼンと液体の無水硫酸を、モル比(無水硫酸のモル量/アルキルベンゼンのモル量)が1.05、反応温度が45℃となるように制御しながら連続供給しスルホン化した。スルホン化物は槽型反応器上部に設けられた排出口から原料供給量分が連続的に排出された。反応初期に排出されるスルホン化物には予め張っておいたアルキルベンゼンが混入しているから、反応器内のアルキルベンゼンが全てスルホン化物に置き換わったところでスルホン化物を採取した。このスルホン化物を5質量%苛性水で中和し、中和物溶液を乾燥粉体化してアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)における組成を表1に示す。
【0048】
<評価>
<<可溶化力の評価>>
得られたアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を試料として0.1質量%水溶液を作製し、50℃におけるSudanII(試薬)の溶解度を求めたところ、3.8ppmであった。溶解濃度が高い値を示すと可溶化力が大きいことを示している。以下に示す評価基準により可溶化性能を評価した。結果を表1に示す。
【0049】
−可溶化性能の評価基準−
◎:溶解度が3ppm以上であり、可溶化力が極めて強い。
○:溶解度が1ppm以上3ppm未満であり、可溶化力が強い。
△:溶解度が0.1ppm以上1ppm未満であり、可溶化力がある。
×:溶解度が0.1ppm未満であり、可溶化力が無い。
【0050】
<<低泡性の評価>>
得られたアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を試料として0.1質量%水溶液をつくり、起泡力試験装置(Ross&Miles法)を使用して起泡力を測定した。具体的には予め張っておいた前記水溶液50ml(50℃)の液面の中心に、該水溶液200ml(50℃)を30秒間で落とし、全量落下した後の泡の高さを測定し、下記評価基準により低泡性を評価した。結果を表1に示す。
【0051】
−低泡性の評価基準−
◎:泡立ちが極めて少ない。
○:泡立ちが少ない。
×:泡立ちが多い。
【0052】
<<色調の評価>>
得られたアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を試料として、目視により下記評価基準に従って色調を評価した。結果を表1に示す。
−色調の評価基準−
◎:色調が極めて良好である。
○:色調が良好である。
×:色調が劣っている。
【0053】
(実施例2)
実施例1において、あらかじめ槽型反応器内に、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を3質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を80質量%含むアルキルベンゼンを張ることにより、原料を代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(2)を得た。この製造方法によると、反応初期に発生するアルキルベンゼンとアルキルベンゼンスルホン酸との混入物がなくなるため、反応初期からスルホン酸を回収できた。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(2)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は2.8ppmであった。
【0054】
(実施例3)
実施例1において、原料を、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を4質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%含み、更に安息香酸をアルキルベンゼンスルホン酸塩に対し、2質量%含む原料に代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(3)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(3)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は2.5ppmであった。
【0055】
(比較例1)
実施例1において、原料を、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を15質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を85質量%含む原料に代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(4)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(4)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は4.0ppmであった。
【0056】
(比較例2)
実施例1において、原料を、アルキル炭素鎖長12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を6質量%含み、アルキル炭素鎖長が5以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩を1質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を93質量%含むアルキルベンゼンに代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(5)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(5)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は3.9ppmであった。
【0057】
【表1】
【0058】
(実施例4〜6、比較例3〜4)
表2に示す組成の自動食器洗浄機用の洗剤組成物を作製した。尚、作製の際には、洗剤組成物を1質量%水に溶解或いは分散したときのpHが6以上となるようにアルカリ金属塩を添加し、更にビルダー、香料安定化剤を混合した。ここに、香料を配合する場合には香料を含む液体原料を混合し、粉体流動性改善剤を混合し、最後に酸素系漂白剤、漂白活性化剤、酵素を任意量添加し、撹拌混合することにより実施例4〜6及び比較例3〜4の洗剤組成物を作製した。各攪拌時間は5分であり、攪拌温度は25〜35℃で行った。
【0059】
<評価>
<<低泡性及び洗浄性の評価>>
全自動食器洗浄機(松下電器産業(株)製、機種NP−810、NP−33S1、NP−33S2、三洋電器(株)製、機種DW−S2000(S))各々に、バター、ラード、牛脂、サラダ油の混合油を3gずつ塗布した直径25cmの陶器皿5枚、レトルトカレーを3gずつ塗布した直径15cmのメラニン皿3枚、箱型タッパー容器(中サイズ)1個と、卵を3gずつ塗布した直径15cmの陶器皿3枚、及び同サイズのメラニン皿3枚と、お粥を5gずつ塗布した陶器茶碗3個及びお碗3個と、牛乳ですすいだ透明ガラスコップ3個、紅茶を入れ一晩放置しておいたコーヒーカップ3個をセットし、2時間放置した。その後、調製した洗剤組成物5gを使用して標準コース洗浄(給水、給湯コース)を行い、各コースでの、運転中の泡立ち、及び仕上がり具合を以下の判定基準に基づいた官能評価により評価した。結果を表2に示す。
【0060】
−低泡性−
○:自動食洗機の運転中、回転アームに全く支障の無い泡立ちである。
△:自動食洗機の運転中、回転アームにやや支障のある泡立ちである。
×:自動食洗機の運転中、回転アームに支障のある泡立ちである。
【0061】
−洗浄性能−
○:汚れは全く残留しておらず、食器を触ってもぬるつき等の違和感は全く感じられない。
△:汚れの残留は目視では認められないが、触ると若干のぬるつき等の違和感が感じられる。
×:汚れが目視で認められる。
【0062】
<<臭気性の評価>>
全自動食器洗浄機での洗浄力の評価中の運転中、乾燥工程中及び運転終了後の洗浄機庫内と湯気の香りを、20人の専門パネラーに嗅いでもらい、下記の判定基準で評価した。結果を表2に示す。
【0063】
−臭気性評価基準−
○:90%以上のパネラーが洗浄機庫内及び湯気に臭気を感じなかった。
△:90%以上のパネラーが洗浄機庫内及び湯気にわずかに不快臭を感じた。
×:50%以上のパネラーがはっきりとした不快臭を指摘した。
【0064】
(比較例5)
実施例4〜6及び比較例3〜4において、アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を、EO/PO系非イオン界面活性剤(BASF社製(C13アルコール、EO2.4、PO4.9))の3質量%に代えたほかは、実施例4〜6及び比較例3〜4と同様にして比較例5の洗剤組成物を作製し、同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、高い洗浄力を維持しつつ、更に低泡性に優れ、かつ異臭のないアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、及びそれを用いた洗剤組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄力が高く、低泡性に優れ、かつ洗剤使用時に臭気の少ない、アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、及びそれを用いた洗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低泡性が要求される界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が多用されていた。例えば家庭用洗剤としては、ドラム式洗濯機用洗剤が特開昭56−167797号公報に、自動食器洗浄機用洗剤が、特開平07−179900号公報、特開平09−263790号公報、特開平11−21592号公報、特開2000−96097号公報、及び特開2001−316700号公報等に開示されている。特に自動食器洗浄機用の洗剤においては、洗浄機の装置上運転中に泡立ちを抑制することが重要であるため、従来より、低泡性発現のため主にEO/PO系非イオン界面活性剤が用いられていた。
しかしながら、非イオン界面活性剤は低泡性である反面、洗浄性が低いため、食器等への再汚染性が問題とされていた。また、特に洗浄使用時の高温下においては、非イオン界面活性剤の含有成分が発する異臭が使用者に不快感を与えるという問題もあった。
【0003】
更に、通常洗濯用洗剤に使用されているような洗浄力の高い、炭素鎖長10〜16のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を自動食洗機用洗剤に配合する方法が特開平02−88700号公報、特開平04−226200号公報に記載されているものの、泡立ちの点で大きな問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い洗浄力を維持しつつ、更に低泡性に優れ、かつ異臭のないアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、及びそれを用いた洗剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記諸問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、従来洗濯用洗剤に使われていたアルキルベンゼンスルホン酸塩よりも炭素鎖長の比較的短い、すなわち炭素鎖長5〜12のアルキルベンゼンスルホン酸塩を主基材として洗剤に配合することにより、前記諸問題を解決するに至った。即ち、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
【0006】
<1> アルキル炭素鎖長が5〜14のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を含むアルキルベンゼンスルホン酸組成物であって、アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%以上、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量%以下含むことを特徴とするアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物である。
<2> 前記<1>に記載のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を含むことを特徴とする洗剤組成物である。
<3> 自動食器洗浄機において用いられる前記<2>に記載の洗剤組成物である。
【0007】
更に、本発明においては、以下の態様も好ましい。
<4> 純水中に1質量%溶解乃至分散させた溶液のpHが6以上となる前記<2>又は<3>に記載の洗剤組成物である。
<5> ドラム式洗濯機において用いられる前記<2>から<4>のいずれかに記載の洗剤組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物)
本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、アルキル炭素鎖長が5〜14のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を含むアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物であって、アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%以上、及びアルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量%以下含み、必要に応じてその他の成分を含む。
【0009】
[アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホン酸塩]
前記アルキル炭素鎖長が6のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ヘキシルベンゼンスルホン酸塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸塩、1−tert−ブチル−3−エチルベンゼンスルホン酸塩、4−tert−ブチル−オルト−キシレンスルホン酸塩、5−tert−ブチル−メタ−キシレンスルホン酸塩、1,3−ジイソプロピルベンゼンスルホン酸塩、1,4−3−ジイソプロピルベンゼンスルホン酸塩、ジイソプロピルベンゼンスルホン酸塩、及び1,3,5−トリエチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0010】
前記アルキル炭素鎖長が7のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ヘプチルベンゼンスルホン酸塩、ヘプチルベンゼンスルホン酸塩、及び3−tert−ブチル−5−エチルトルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が8のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−オクチルベンゼンスルホン酸塩、オクチルベンゼンスルホン酸塩、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼンスルホン酸塩、及び1,4−ジ−tert−ブチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が9のアルキルベンセンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ノニルベンゼンスルホン酸塩、ノニルベンゼンスルホン酸塩、及び1,3,5−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が10のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−デシルベンゼンスルホン酸塩、及びデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
前記アルキル炭素鎖長が11のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ウンデシルベンゼンスルホン酸塩、及びウンデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
これらは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0011】
これらの中でも、より低泡性に優れ、異臭の発生が低い点で、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル炭素鎖長が7〜10のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩がより好ましい。
【0012】
前記アルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンスルホル酸塩の、本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物における含有量としては、低泡性及び高洗浄性をより充分に発現し得る点で、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
【0013】
[アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩]
前記アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばn−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。また、前記アルキル炭素鎖長が14のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定はされないが、例えばテトラデシルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
これらは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0014】
前記アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホル酸塩の、本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物における含有量としては、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
前記含有量が5質量%を超えると泡が立ち易くなり、特に自動食器洗浄機において用いる場合には運転に支障が生ずることがある。
【0015】
[その他の成分]
前記その他の成分としては、アルキル炭素鎖長が5のアルキルベンゼンスルホン酸塩、芒硝分、等が好ましい。
前記炭素鎖長が5のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、n−アミルベンゼンスルホン酸塩、tert−アミルベンゼンスルホン酸塩、2−tert−ブチルトルエンスルホン酸塩、3−tert−ブチルトルエンスルホン酸塩、4−tert−ブチルトルエンスルホン酸塩、1,2−ジメチルプロピルベンゼンスルホン酸塩、1−エチルプロピルベンゼンスルホン酸塩、5−イソプロピル−メタ−キシレンスルホン酸塩、3−メチルブチルベンゼンスルホン酸塩、ネオペンチルベンゼンスルホン酸塩、及びペンタメチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。これらは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0016】
<アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の製造法>
本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の製造法としては、特に限定はされないが、例えば、特開2001−240588号公報に記載の方法が挙げられる。
この方法において、被スルホン化原料のアルキルベンゼンとしては、アルキル炭素鎖長が5〜12のアルキルベンゼン中に、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンを5%質量以下含み、且つアルキル炭素鎖長が6〜11のアルキルベンゼンを70%質量以上含む組成物であることが好ましい。またスルホン酸の中和に用いるアルカリ剤としては、特に限定はされないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属が好ましい。
【0017】
本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等であるのが好ましい。以上説明した本発明のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、高い洗浄力を維持しつつ、更に低泡性に優れ、かつ異臭もないことから、洗剤組成物に好適に用いられ、特に、自動食器洗浄機用洗剤、ドラム式洗濯機用洗剤等の低泡性が必要とされる洗剤において、極めて高い効果を発揮する。
【0018】
(洗剤組成物)
本発明の洗剤組成物は、本発明の前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を含み、必要に応じてその他の成分を含む。
【0019】
[アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物]
前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物は、前述した通りである。ここで、特に自動食器洗浄機において用いられる場合、本発明の前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の含有量としては、特に限定はされないが、充分な洗浄性能を付与する目的と自動食器洗浄機での泡立ちの点で、洗剤組成物全量中に0.1〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましい。
前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の含有量が0.1質量%未満であると洗浄性が充分に発揮できないことがあり、一方、前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の含有量を15質量%より高くしても、洗浄性能の向上に変化がなく経済的なメリットがみられないことがある。
【0020】
[その他の成分]
前記その他の成分としては、特に限定はされないが、例えば界面活性剤、アルカリ金属塩、及び補助成分等が挙げられる。これらのその他の成分は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
【0021】
<界面活性剤>
前記界面活性剤は、前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物により奏される効果を害しない範囲で適宜使用可能である。該界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤等が挙げられる
【0022】
―ノニオン界面活性剤―
前記ノニオン界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えばメチルエステルエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、及びアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0023】
―アニオン界面活性剤―
前記アニオン界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えばアルファオレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、石鹸等が挙げられる。前記アニオン界面活性剤は、ナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0024】
―両性界面活性剤―
前記両性界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えばカルボキシベタイン、スルホベタイン等が挙げられる。
【0025】
<アルカリ金属塩>
本発明の洗剤組成物においては、純水中に該洗剤組成物を1質量%溶解乃至分散させた際のpHが6以上となるようにpHを調整することにより、消泡剤や異臭成分のマスキング剤を必要せず、更に、低泡性、高洗浄力、及び無臭気という大変優れた効果を得ることができる。pHが6以下であると、前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物の洗浄効果が充分に発揮できないことがある。
このように、洗剤組成物におけるpHを調整する目的で、アルカリ金属塩を添加するのが好ましい。該アルカリ金属塩としては、特に限定はされないが、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等が挙げられる。
【0026】
<補助成分>
前記補助成分としては、特に限定はされないが、例えば酸素系漂白剤、漂白活性化剤、ビルダー、キレート剤、汚れ物質に対する分解酵素、香料、香料安定化剤、色素、及び流動性向上剤等が挙げられる。
【0027】
−酸素系漂白剤−
前記酸素系漂白剤としては、特に限定はされないが、例えば過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム1水塩、過硼酸ナトリウム4水塩、硫酸ナトリウム・過酸化水素付加物等が挙げられる。
【0028】
−漂白活性化剤−
前記漂白活性化剤としては、特に限定はされないが、例えばテトラアセチルエチレンジアミン、シアン化合物(Sokalan(R)(BM G、BASF社製)等)、テトラアセチルグリコリルウリル、グルコースペンタアセテート、アセトキシベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0029】
−ビルダー−
前記ビルダーとしては、無機及び有機ビルダーが挙げられる。
【0030】
−−無機ビルダー−−
前記無機ビルダーとしては、特に限定はされないが、例えば洗剤組成物のpHの調整に使用可能な炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウムなどのアルカリ性塩、硫酸ナトリウム等の中性塩、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩、下記式(1)で表される結晶性アルミノ珪酸塩、下記式(2)で表される無定形アルミノ珪酸塩、及び下記式(3)で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
【0031】
x1(M2O)・Al2O3・y1(SiO2)・w1(H2O)…式(1)
但し、式(1)中、Mはアルカリ金属原子を表し、x1、y1及びw1は各成分のモル数を表す。
【0032】
式(1)において、Mで表されるアルカリ金属原子としては、特に限定はされないが、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、x1、y1、及びw1で表される各成分のモル数は、x1としては0.7〜1.5の数が、y1としては0.8〜6の数が、w1としては任意の正の数が好ましい。
【0033】
x2(M2O)・Al2O3・y2(SiO2)・w2(H2O)…式(2)
但し、式(2)中、Mはアルカリ金属原子を表し、x2、y2及びw2は各成分のモル数を表す。
【0034】
式(2)において、Mで表されるアルカリ金属原子としては、特に限定はされないが、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、x2、y2、及びw2で表される各成分のモル数は、x2としては0.7〜1.2の数が、y2としては1.6〜2.8の数が、w2としては0又は任意の正の数が好ましい。
【0035】
x3(M2O)・Al2O3・y3(SiO2)・z3(P2O5)・w3(H2O) …式(3)
但し、式(3)中、Mはアルカリ金属原子を表し、x3、y3、z3、及びw3各成分のモル数を表す。
【0036】
式(3)において、Mで表されるアルカリ金属原子としては、特に限定はされないが、例えばナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、x3、y3、z3、及びw3で表される各成分のモル数は、x3としては0.2〜1.1の数が、y3としては0.2〜4.0の数が、z3としては0.001〜0.8、w3としては0又は任意の正の数が好ましい。
【0037】
−−有機ビルダー−−
前記有機ビルダーとしては、特に限定はされないが、例えばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸、アクリル酸ーアリルアルコール共重合体、アクリル酸ーマレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類ーアクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体および共重合体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体または共重合体;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドン等の非解離高分子化合物等が挙げられる。
【0038】
−香料−
前記香料としては、特に限定はされないが、例えば脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、脂肪族環状アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、脂肪族環状カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、脂肪族環状ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料、動物、植物からの天然香料、前記天然香料及び合成香料の少なくともいずれかを含む調合香料等が挙げられる。
【0039】
−香料安定化剤−
前記香料安定化剤としては、特に限定はされないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、及びポリフェノール化合物等が挙げられる。
【0040】
−分解酵素−
前記分解酵素としては、特に限定はされないが、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、及びセルラーゼ等が挙げられる。
【0041】
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤としては、特に限定はされないが、粉体流動性向上剤が好ましく、例えば芒硝、無水珪酸、ゼオライト、酸化チタン等が挙げられる。
【0042】
−キレート剤−
前記キレート剤としては、特に限定はされないが、例えばエチレンジアミン四酢酸塩、アルミン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、アクリル酸・マレイン酸共重合体塩等を挙げられる。
【0043】
−色素−
前記色素については、通常洗剤に用いられる化合物を適宜選択して用いることができる。
【0044】
<洗剤組成物の態様等>
前記洗剤組成物の態様としては、特に制限はなく、顆粒状、液状等のいずれの態様でもよい。特に、顆粒状の洗剤組成物については、大きすぎても小さすぎても粉体の流動性が悪くなり、又大きすぎる場合には洗剤自体の溶解性が問題となり得る点から、平均粒径(ふるい上質量平均粒径)で200〜500μmであることが好ましく、また、平均粒径(ふるい上質量平均粒径)で250〜500μmで、且つ粒径が710μm以上と150μm以下の粒子の割合が、洗剤全量の15質量%未満であることがより好ましい。
【0045】
以上説明した本発明の洗剤組成物は、本発明の前記アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を含むため、高い洗浄力を有しつつ、低泡性に優れ、かつ異臭もないことから、特に、低泡性が要求される自動食器洗浄機用の洗剤を始め、ドラム式洗濯機用洗剤、洗車洗浄装置用洗剤等、低泡性を必要とする全ての洗剤においても前述の効果が発揮される。
【0046】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
スルホン化装置として、ジャケット付き槽型反応器に天板付きホモミキサー(特殊機化工業)を用い、また槽型反応器の下部からアルキルベンゼン及び無水硫酸を供給するための2つのノズルを設置した。予め原料としてアルキル炭素鎖長12以上を1質量%含み、アルキル炭素鎖長6〜11を95質量%含むアルキルベンゼンを張っておき、ホモミキサーを稼働しながら、該アルキルベンゼンと液体の無水硫酸を、モル比(無水硫酸のモル量/アルキルベンゼンのモル量)が1.05、反応温度が45℃となるように制御しながら連続供給しスルホン化した。スルホン化物は槽型反応器上部に設けられた排出口から原料供給量分が連続的に排出された。反応初期に排出されるスルホン化物には予め張っておいたアルキルベンゼンが混入しているから、反応器内のアルキルベンゼンが全てスルホン化物に置き換わったところでスルホン化物を採取した。このスルホン化物を5質量%苛性水で中和し、中和物溶液を乾燥粉体化してアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)における組成を表1に示す。
【0048】
<評価>
<<可溶化力の評価>>
得られたアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を試料として0.1質量%水溶液を作製し、50℃におけるSudanII(試薬)の溶解度を求めたところ、3.8ppmであった。溶解濃度が高い値を示すと可溶化力が大きいことを示している。以下に示す評価基準により可溶化性能を評価した。結果を表1に示す。
【0049】
−可溶化性能の評価基準−
◎:溶解度が3ppm以上であり、可溶化力が極めて強い。
○:溶解度が1ppm以上3ppm未満であり、可溶化力が強い。
△:溶解度が0.1ppm以上1ppm未満であり、可溶化力がある。
×:溶解度が0.1ppm未満であり、可溶化力が無い。
【0050】
<<低泡性の評価>>
得られたアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を試料として0.1質量%水溶液をつくり、起泡力試験装置(Ross&Miles法)を使用して起泡力を測定した。具体的には予め張っておいた前記水溶液50ml(50℃)の液面の中心に、該水溶液200ml(50℃)を30秒間で落とし、全量落下した後の泡の高さを測定し、下記評価基準により低泡性を評価した。結果を表1に示す。
【0051】
−低泡性の評価基準−
◎:泡立ちが極めて少ない。
○:泡立ちが少ない。
×:泡立ちが多い。
【0052】
<<色調の評価>>
得られたアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(1)を試料として、目視により下記評価基準に従って色調を評価した。結果を表1に示す。
−色調の評価基準−
◎:色調が極めて良好である。
○:色調が良好である。
×:色調が劣っている。
【0053】
(実施例2)
実施例1において、あらかじめ槽型反応器内に、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を3質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を80質量%含むアルキルベンゼンを張ることにより、原料を代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(2)を得た。この製造方法によると、反応初期に発生するアルキルベンゼンとアルキルベンゼンスルホン酸との混入物がなくなるため、反応初期からスルホン酸を回収できた。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(2)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は2.8ppmであった。
【0054】
(実施例3)
実施例1において、原料を、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を4質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%含み、更に安息香酸をアルキルベンゼンスルホン酸塩に対し、2質量%含む原料に代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(3)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(3)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は2.5ppmであった。
【0055】
(比較例1)
実施例1において、原料を、アルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を15質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を85質量%含む原料に代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(4)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(4)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は4.0ppmであった。
【0056】
(比較例2)
実施例1において、原料を、アルキル炭素鎖長12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を6質量%含み、アルキル炭素鎖長が5以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩を1質量%含み、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を93質量%含むアルキルベンゼンに代えたほかは、実施例1と同様にしてアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(5)を得た。アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物(5)における組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして可溶化力、低泡性、色調を評価した。結果を表1に示す。尚、可溶化力の評価において、SudanIIの溶解度は3.9ppmであった。
【0057】
【表1】
【0058】
(実施例4〜6、比較例3〜4)
表2に示す組成の自動食器洗浄機用の洗剤組成物を作製した。尚、作製の際には、洗剤組成物を1質量%水に溶解或いは分散したときのpHが6以上となるようにアルカリ金属塩を添加し、更にビルダー、香料安定化剤を混合した。ここに、香料を配合する場合には香料を含む液体原料を混合し、粉体流動性改善剤を混合し、最後に酸素系漂白剤、漂白活性化剤、酵素を任意量添加し、撹拌混合することにより実施例4〜6及び比較例3〜4の洗剤組成物を作製した。各攪拌時間は5分であり、攪拌温度は25〜35℃で行った。
【0059】
<評価>
<<低泡性及び洗浄性の評価>>
全自動食器洗浄機(松下電器産業(株)製、機種NP−810、NP−33S1、NP−33S2、三洋電器(株)製、機種DW−S2000(S))各々に、バター、ラード、牛脂、サラダ油の混合油を3gずつ塗布した直径25cmの陶器皿5枚、レトルトカレーを3gずつ塗布した直径15cmのメラニン皿3枚、箱型タッパー容器(中サイズ)1個と、卵を3gずつ塗布した直径15cmの陶器皿3枚、及び同サイズのメラニン皿3枚と、お粥を5gずつ塗布した陶器茶碗3個及びお碗3個と、牛乳ですすいだ透明ガラスコップ3個、紅茶を入れ一晩放置しておいたコーヒーカップ3個をセットし、2時間放置した。その後、調製した洗剤組成物5gを使用して標準コース洗浄(給水、給湯コース)を行い、各コースでの、運転中の泡立ち、及び仕上がり具合を以下の判定基準に基づいた官能評価により評価した。結果を表2に示す。
【0060】
−低泡性−
○:自動食洗機の運転中、回転アームに全く支障の無い泡立ちである。
△:自動食洗機の運転中、回転アームにやや支障のある泡立ちである。
×:自動食洗機の運転中、回転アームに支障のある泡立ちである。
【0061】
−洗浄性能−
○:汚れは全く残留しておらず、食器を触ってもぬるつき等の違和感は全く感じられない。
△:汚れの残留は目視では認められないが、触ると若干のぬるつき等の違和感が感じられる。
×:汚れが目視で認められる。
【0062】
<<臭気性の評価>>
全自動食器洗浄機での洗浄力の評価中の運転中、乾燥工程中及び運転終了後の洗浄機庫内と湯気の香りを、20人の専門パネラーに嗅いでもらい、下記の判定基準で評価した。結果を表2に示す。
【0063】
−臭気性評価基準−
○:90%以上のパネラーが洗浄機庫内及び湯気に臭気を感じなかった。
△:90%以上のパネラーが洗浄機庫内及び湯気にわずかに不快臭を感じた。
×:50%以上のパネラーがはっきりとした不快臭を指摘した。
【0064】
(比較例5)
実施例4〜6及び比較例3〜4において、アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を、EO/PO系非イオン界面活性剤(BASF社製(C13アルコール、EO2.4、PO4.9))の3質量%に代えたほかは、実施例4〜6及び比較例3〜4と同様にして比較例5の洗剤組成物を作製し、同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、高い洗浄力を維持しつつ、更に低泡性に優れ、かつ異臭のないアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、及びそれを用いた洗剤組成物を提供することができる。
Claims (3)
- アルキル炭素鎖長が5〜14のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を含むアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物であって、アルキル炭素鎖長が6〜11のいずれかのアルキルベンゼンスルホン酸塩を70質量%以上、及びアルキル炭素鎖長が12以上のアルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量%以下含むことを特徴とするアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物。
- 請求項1に記載のアルキルベンゼンスルホン酸塩組成物を含むことを特徴とする洗剤組成物。
- 自動食器洗浄機において用いられる請求項2に記載の洗剤組成物。
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JP2002184000A JP2004026970A (ja) | 2002-06-25 | 2002-06-25 | アルキルベンゼンスルホン酸塩組成物、それを用いた洗剤組成物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005017081A1 (ja) * | 2003-08-15 | 2005-02-24 | Lion Corporation | 界面活性剤組成物及び洗浄剤組成物 |
JP2007224194A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Kao Corp | 粉末洗剤組成物 |
-
2002
- 2002-06-25 JP JP2002184000A patent/JP2004026970A/ja active Pending
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