JP2004026968A - 自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)メタロセン触媒によって重合され、特定の(1)MFR、(2)T80−T20、(3)α−オレフィン含有量、(4)α−オレフィン含有量x(mol%)と融点Tm(℃)の関係、を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体 20〜70重量%と(B)水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム 30〜80重量%からなる自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物、及びそれからなる自消性成形体。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体に関し、特に電線被覆や管等の被覆押出成形体、及び異形押出成形体等の分野に好適な機械特性を有し、かつ難燃特性の点で著しく改良された自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる自消性成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電線ケーブルや管等の被覆押出成形体、及び異形押出成形体等に使用される熱可塑性樹脂あるいはエラストマー等の樹脂材料に対する難燃化の要求は著しく高まっている。
熱可塑性樹脂あるいはエラストマー等の難燃化方法としては、酸化アンチモンとハロゲン化物とを配合する方法があるが、この方法によると熱可塑性樹脂あるいはエラストマーが自消性を有するようになるが、このような自消性組成物は、火炎時に有害ガスが発生する危険性が生じるという問題がある。
このことから、有害ガスの発生が全くなく、かつ添加剤としての毒性も全く問題のない水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムまたはこれらと炭酸マグネシウムとの配合物等の水和金属化合物が着目されている。
【0003】
熱可塑性樹脂あるいはエラストマーにこれら水和金属化合物を配合して難燃性を付与させる方法はすでに公知であり、また、その組成物に炭素微粉末を配合することによりさらに難燃性を向上させ得ることも知られている(特開昭51−46341号公報)。しかしながら、十分な難燃性を付与するためには多量の難燃剤の配合が必要であり、その結果、かかる組成を有する樹脂の機械的強度、例えば、引張強伸度が著しく低下すると言う欠点があり、実用性能上満足のいくものを得るのが極めて困難であるといった欠点があった。
また、熱可塑性樹脂にアルミニウムおよび/またはマグネシウムの水酸化物、炭素微粉末およびシリコン化合物を配合することにより、難燃性がさらに向上することが知られている(特開昭63−159473号公報)。しかしながら、この技術においては、難燃性は向上するが、かかる組成を有する樹脂組成物に外力が加わったときの白化の発生、耐外傷性の低さ、および耐寒性の点で実用上満足のいくものを得るのが困難であった。
さらに、熱可塑性樹脂にアルミニウムおよび/またはマグネシウムの水酸化物、エチレンと不飽和カルボン酸、その誘導体およびビニルエステルから選ばれた少なくとも1種のモノマーとの共重合体とエポキシ基を含有する化合物を配合することにより、樹脂組成物に外力が加わったときの白化の発生、耐外傷性の低さ、および耐寒性の向上が知られている(特開昭62−22012公報)。しかしながら、この技術においても、未だ難燃性の向上は満足するものではなかった。また、ポリプロピレン系樹脂においては、十分な難燃性を付与するために多量の難燃剤を配合しなければならず、機械的特性、特に引張伸度の特性と難燃性特性とを満足させること、すなわち、JIS K7201における酸素指数を21以上にすること、は困難であった。なお、一般的には、酸素指数が21付近未満の場合を可燃性と言い、21付近以上の場合を自己消火性(自消性)と言っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、十分な難燃性を付与するために多量の難燃剤を配合しても、機械的強度、特に、引張伸度が保持され、実用性能上のバランスがとれ、優れた機械的特性を有し、かつその状態で十分な難燃性を有する自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる自消性成形体を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
本発明者は、上記無機難燃剤の配合された重合体組成物の上記欠点を解決すべく詳細に検討を行った結果、ポリプロピレン系樹脂に、多量の難燃剤を配合した樹脂組成物の機械的強度、特に、引張伸度が著しく低下する原因は、多量の難燃剤の分散が均一でないためと考えられ、特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を使用することにより、無機難燃剤の分散性が大幅に改善され、この目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の成分(A)および(B)からなる自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
成分(A):メタロセン触媒によって重合され、下記特性(1)〜(4)を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体 20〜70重量%
成分(B):水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム 30〜80重量%
特性(1):MFRが0.5〜20g/10分
特性(2):T80−T20が10℃以下
特性(3):α−オレフィン含有量が1〜15mol%
特性(4):α−オレフィン含有量x(mol%)と融点Tm(℃)の関係が式(1)を満たす。
Tm<−3.87x+148.07 …(1)
(但し、MFRはJIS−K6921による230℃、21.18Nのメルトフローレ−ト、T80は温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる積分溶出曲線において80重量%が溶出する温度、T20は20重量%が溶出する温度、Tmは示差走査熱量計(DSC)によって得られる融解曲線のピーク温度をそれぞれ示す。)
【0007】
また、本発明の第2の発明によれば、特性(2):T80−T20が2〜8℃であることを特徴とする第1の発明に記載の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
【0008】
また、本発明の第3の発明によれば、成分(B)が、炭酸マグネシウム30重量%以下を含有する水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムであることを特徴とする第1又は2の発明に記載の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
【0009】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明に記載の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物からなる自消性成形体が提供される。
【0010】
また、本発明の第5の発明によれば、自消性成形体の酸素指数(JIS K7201、3mm厚シート)が21以上であることを特徴とする第4の発明に記載の自消性成形体が提供される。
【0011】
また、本発明の第6の発明によれば、自消性成形体の引張り破断伸びが400%以上であることを特徴とする第4又は5の発明に記載の自消性成形体が提供される。
【0012】
また、本発明の第7の発明によれば、第4〜6のいずれかの発明に記載の自消性成形体が、押出成形により製造されたものであることを特徴とする自消性押出成形体が提供される。
【0013】
また、本発明の第8の発明によれば、押出成形体が被覆押出成形体であることを特徴とする第7の発明に記載の自消性押出成形体が提供される。
【0014】
また、本発明の第9の発明によれば、押出成形体が異形押出成形体であることを特徴とする第7の発明に記載の自消性押出成形体が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分(A)は、メタロセン触媒を使用して重合した共重合体である。メタロセン触媒は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の周期律表第4〜6族遷移金属と、シクロペンタジエニル基あるいはシクロペンタジエニル誘導体基との錯体を使用した触媒である。
【0016】
メタロセン触媒において、シクロペンタジエニル誘導体基としては、ペンタメチルシクロペンタジエニル等のアルキル置換体基、あるいは2以上の置換基が結合して飽和もしくは不飽和の環状置換基を構成した基を使用することができ、代表的にはインデニル基、フルオレニル基、アズレニル基、あるいはこれらの部分水素添加物を挙げることができる。また、複数のシクロペンタジエニル基がアルキレン基、シリレン基、ゲルミレン基等で結合したものも好ましく用いられる。
【0017】
メタロセン錯体として、具体的には、次の化合物を好ましく挙げることができる。
(1)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(2)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(3)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)エチレン1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(11)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(12)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(13)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(14)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリド、
(15)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、
(16)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(17)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(18)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(19)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(20)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(21)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド、
(22)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド、
(23)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
(24)ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(25)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド。
【0018】
また、チタニウム化合物、ハフニウム化合物などの他の第4、5、6族遷移金属化合物についても上記と同様の化合物が挙げられる。本発明の触媒成分および触媒については、これらの化合物を併用してもよい。
【0019】
また、これらの化合物のクロリドの一方あるいは両方が臭素、ヨウ素、水素、メチルフェニル、ベンジル、アルコキシ、ジメチルアミド、ジエチルアミド等に代わった化合物も例示することができる。さらに、上記のジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウム等に代わった化合物も例示することができる。
【0020】
助触媒としては、アルミニウムオキシ化合物、メタロセン化合物と反応してメタロセン化合物成分をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物もしくはルイス酸、固体酸、あるいは、イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が用いられる。また、必要に応じてこれら化合物と共に有機アルミニウム化合物を添加することができる。
【0021】
アルミニウムオキシ化合物としては、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。また、トリアルキルアルミニウムとアルキルボロン酸との反応物を使用することもできる。例えば、トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応物、トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物などである。
【0022】
イオン交換性層状珪酸塩としては、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族などの珪酸酸塩が用いられる。これらのケイ酸塩は化学処理を施したものであることが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と層状ケイ酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が挙げられる。これらの処理は、表面の不純物を取り除く、層間の陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させ、その結果、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離、固体酸性度等を変えることができる。これらの処理は単独で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよい。
【0023】
また、必要に応じてこれら化合物と共にトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化合物を使用してもよい。
【0024】
本発明においては、上記メタロセン触媒を使用してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を得る。α−オレフィンとしては、プロピレンを除く炭素数2・20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチル−1−ブテン、ヘキセン−1、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは、一種類でも二種類以上併用してもよい。このうちエチレン、ブテン−1が好適であり、特にはエチレンが好ましい。
【0025】
重合法としては、これらの触媒の存在下、不活性溶媒を用いたスラリー法、実質的に溶媒を用いない気相法や溶液法、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。
【0026】
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、前述のメタロセン触媒で重合された共重合体であって、次の特性(1)〜(4)を有している必要がある。以下、各特性について説明する。
【0027】
特性(1):MFR
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のJIS K6921による230℃、21.18Nでのメルトフローレート(MFR)は、0.5〜20g/10分であり、好ましくは0.5〜15g/10分であり、より好ましくは0.5〜10g/10分である。
MFRが0.5g/10分未満の場は合、成形圧力が高くなりすぎ、外観良好な製品が得られない。一方、MFRが20g/10分を超える場合は、押出成形体品の機械的強度の保持が困難となる。また、溶融樹脂の張力が低下し、押出加工時に樹脂たれなどが発生し押出成形が困難となる。
ポリマーのMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量などを適宜調整する方法、あるいは重合終了後に過酸化物の添加により調整する方法がある。
【0028】
特性(2):T80−T20(TREFによる溶出量差温度)
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fraction)によって得られる積分溶出曲線において、80重量%が溶出する温度(T80)と20重量%が溶出する温度(T20)の差、T80−T20が、10℃以下であり、好ましくは2〜9℃であり、より好ましくは2〜8℃である。
T80−T20が上記のように特定の狭い範囲に有ることは、ポリマーの分子量分布がより均一であること、およびポリマーの分子中に含まれるコモノマー(α−オレフィン)の分布(組成分布)が均一であることを表している。すなわち、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体において、結晶成分−非結晶成分の分布が均一(結晶領域の大きさ、非結晶領域の大きさが均一)であることを意味している。
その結果、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体に、成分(B)の水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムの無機難燃剤を配合した場合、これらの難燃剤は、非結晶領域にそのほとんどが存在すると考えられるが、非結晶領域の分布が均一であることから、難燃剤の存在がプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の中に均一に分布することになる。均一に存在することにより、より難燃性が改良され、さらに難燃剤の配合量も低めに抑えることができる。また、難燃添加後のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の機械的強度も維持される。
T80−T20が上記範囲から外れる場合は、コモノマー分布、すなわち非結晶領域の分布が不均一であることを意味し、難燃剤の分布を均一とすることができず、本発明の効果が得られない。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のT80−T20を調整する方法は、2種以上のメタロセン触媒成分の併用した触媒系や2種以上のメタロセン錯体を併用した触媒系を用いて重合することにより、T80−T20を大きく調整することができる。
また、担体にメタロセン触媒成分を担持する際、担持が不均一である触媒を使用して重合した場合、低分子量成分が増え、これに伴いT80−T20が大きくなってしまう。したがってT80−T20を範囲内に調整するためには、メタロセン触媒成分を担体に均一に担持する技術が重要である。
【0029】
ここで、上記温度上昇溶離分別(TREF)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(積分溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測定する方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測定の詳細については、Journal of Applied Polymer Science第26巻 第4217〜4231頁(1981年)に記載されており本発明においても、これに従って行う。
【0030】
なお、具体的には、次の条件で測定する。測定装置はダイヤインスツルメンツ製CFC T−102Lを使用し、まず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、3mg/mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は設定条件にしたがって自動的に行われる。サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入される。次に該サンプルを1℃/分の速度で140℃から0℃の温度まで冷却させる。TREFカラムが0℃で更に30分間保持された後、0℃の温度で溶解している成分2mlが1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工社製AD806MS 3本)へ注入される。SECで分子サイズの分別が行われている間に、TREFカラムでは次の溶出温度(10℃)に昇温され、その温度に約30分保持される。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔で行われる。溶出温度は0℃から40℃まで10℃毎に、40℃から90℃まで5℃毎に、90℃から140℃までは4℃毎に階段的に昇温される。該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は装置付属の赤外線分光光度計で検出され、各溶出温度区分におけるクロマトグラフが得られる。なお、赤外線分光光度計での検出は検出波数3.42μmにおける吸光度を使用して行われ、溶液中のポリマー成分量と吸光度とが比例するものとして以下のデータ処理が行われる。各溶出温度区分におけるクロマトグラムは内蔵のデータ処理ソフトにより処理され、各クロマトグラムの面積を基に、積算が100%となるように規格化された各溶出温度区分の溶出量が計算される。更に、得られた各溶出温度区分の溶出量から、積分溶出曲線が作成される。T20とは積算溶出量が20%となる温度を、T80とは積算溶出量が80%となる温度を示すものである。
【0031】
特性(3):α−オレフィン含有量
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体中のα−オレフィン含有量(コモノマー含有量)は、1〜15mol%に調節することが必要である。コモノマー含有量は、好ましくは1〜12mol%、より好ましくは1〜10mol%である。特に、α−オレフィンがエチレンの場合は、1〜10mol%が好ましい。コモノマー含有量が上記範囲よりも少量であると、押出成形体の機械特性の低下が著しい。一方、多すぎると、融点が低下しすぎてポリプロピレン製品としての耐熱性の特長が損なわれる。また強度や剛性が大きく低下してしまうといった弊害が生じる。ポリマー中のα−オレフィン含有量は、重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御することにより容易に調節することができる。なお、本発明において、α−オレフィン含有量は、フーリエ変換赤外分光光度計により定量されるものである。
【0032】
本発明で用いられるα−オレフィンとしては、好ましくはエチレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる。具体的には、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは、一種類でも二種類以上併用してもよい。このうちエチレン、ブテン−1が好適であり、特にはエチレンが好ましい。
【0033】
特性(4):α−オレフィン含有量(x)と融点(Tm)の関係
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、α−オレフィン含有量x(mol%)と融点Tm(℃)の関係が式(1)を満足することが必要である。
Tm<−3.87x+148.07 …(1)
すなわち、α−オレフィン含有量(x)と融点(Tm)とは密接な関係があり、通常α−オレフィン含有量(x)と融点(Tm)は比例関係にある。しかし、その関係は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の重合触媒・重合方法により大きく異なる。
式(1)の関係は、共重合の均一性に優れることを表しており、式(1)から外れると、結晶と非結晶の均一性が損なわれ、難燃剤の分散不良に繋がり、難燃性と機械物性のバランスが悪くなる。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体におけるα−オレフィン含有量x(mol%)と融点Tm(℃)の関係は、好ましくは式(2)の関係を満たし、さらに好ましく式(3)の関係を満足することにより、難燃性と機械物性のバランスがさらに向上する。
Tm<−3.87x+146.07 …(2)
Tm<−3.87x+144.07 …(3)
【0034】
なお、融点(Tm)の測定は、パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル量10mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃/分の昇温速度で融解させたときに描かれる曲線のピーク位置を、融解ピーク温度をTm(℃)とする。
【0035】
本発明で用いる(B)成分は、無機系難燃剤である水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムであり、さらに、炭酸マグネシウムを、好ましくは30重量%以下、より好ましくは5〜25重量%添加した配合物である。これらは、分散性の観点から、平均粒径は0.2〜2μmが好ましく、より好ましくは0.5〜1μmである。さらに、所望により表面処理を行ってもよい。
これらの中でも、特に水酸化マグネシウムが実用性能の点で最適である。
【0036】
また、成分(B)には、必要に応じて、赤燐、ポリ燐酸塩、尿素化合物、シリコーンオイル、シリコーン粉末などを難燃助剤として配合してもよい。
【0037】
本発明の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物における成分(A)と成分(B)の配合比率は、成分(A)が20〜70重量%、成分(B)が30〜80重量%、好ましくは成分(A)が30〜60重量%、成分(B)が40〜70重量%である。成分(A)が70重量%を超える(成分(B)が30重量%未満)であると、適切な難燃性が得られず、成分(A)が20重量%未満(成分(B)が80重量%を超える)であると、目的の伸び−強度バランスが得られない。
【0038】
また、本発明の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、エラストマー、石油樹脂などを配合することができる。
【0039】
本発明の自消性成形体用プロピレン系樹脂組成物は、上記成分(A)及び成分(B)の必須成分および所望により付加的成分を配合し、2軸押出機、ロール、バンバリーミキサー等によって、ドライブレンドあるいは加熱溶融混練し、粒状に裁断されたペレット化して用いる。各成分の配合順序は、任意である。中でも、全成分をドライブレンドで混合した後に混練する方法が好適である。
【0040】
本発明の自消性成形体は、上記で得られた自消性成形体用プロピレン系樹脂組成物をペレットとしたものを用いるのが一般的であるが、マスターバッチ法や、ドライブレンド法では、ペレットブレンドの状態で成形する、または、重量式フィーダなどを用いて、連続計量し秤量しつつ成形することもできる。
【0041】
本発明の自消性成形体は、上記自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物を被覆押出成形および/または異形押出成形により製造することができる。
被覆押出成形体としては、電線被覆、鋼管被覆、鋼線被覆、ケーブル被覆などを挙げることができる。
また、異形押出成形体としては、パイプ、角パイプ、ホース、ロッド、チャンネル、Iビーム、サッシ、雨樋等の様々の断面形状を有する、建築・土木産業資材、家電製品の部品、および自動車部品などの異形押出成形体が挙げられる。
【0042】
本発明の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物から得られる自消性成形体は、上記のように多量の無機難燃剤を含有する組成物から成形されるので、酸素指数(JIS K7201、3mm厚シート)は、好ましくは21以上、より好ましくは23以上、さらに好ましくは25以上であり、優れた自己消火性(自消性)を有している。酸素指数を21以上とすることにより、自消性の押出成形体を得ることができる。
また、本発明の自消性成形体の引張り破断伸びは、好ましくは300%以上、より好ましくは350%以上、さらに好ましくは400%以上である。引張り破断伸びを400%以上とすることにより、折り曲げた時に亀裂のない成形体、特に自消性押出成形体を得ることができる。
【0043】
ここで、引張り破断伸びは、下記の方法にて評価される値である。
(i)電線被覆押出成形体の引張り破断伸びの評価においては、長さ150mmの被覆線を用い、芯線を抜いて試料とし、つかみ具間距離100mm、引張速度50mm/分にて行う。引張り破断伸びは、破断点におけるつかみ具間距離の変化率に基づき、次式により算出する。
破断点伸度=(破断点のつかみ具間距離−100)/100×100[%]
(ii)異形押出成形体の引張り破断伸びの評価においては、JIS K7113に基づき評価を行う。異形押出成形体の平坦部分からJIS K7113の2(1/2)号形に基づく小形試験片を打ち抜いて、つかみ具間距離40mm、引張り速度50mm/分、標線間距離12.5mmの条件にて測定する。
【0044】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例に限定されるものではない。物性等の測定は下記の通りである。また、実施例、比較例で用いたポリプロピレン系樹脂の製造法を重合例に示し、使用した無機難燃剤を示す。
【0045】
1.物性測定法
(1)MFR:JIS K6921―2附属書に準拠し測定した。(条件:温度/230℃、荷重21.18N)
(2)T80−T20:前述した方法により測定した。
(3)融点(Tm):前述した方法により測定した。
(4)破断点引張強度および同伸び:下記の方法にて測定した。
(i)電線被覆押出成形体の破断点引張強度および同伸びの評価においては、長さ150mmの被覆線を用い、芯線を抜いて試料とし、つかみ具間距離 100mm、引張速度 50mm/分にて行った。破断点引張強度は、破断点の力と、被覆線の直径と芯線の直径より求めた断面積から算出し、破断点伸度は、破断点におけるつかみ具間距離の変化率に基づき、次式により算出した。
破断点伸度=(破断点のつかみ具間距離−100)/100×100[%]
(ii)異形押出成形体の破断点引張強度および同伸びの評価においては、平坦部分からJIS K7113の2(1/2)号形の小形試験片を打ち抜いて、つかみ具間距離 40mm、引張り速度50mm/分、標線間距離12.5mmにて測定した。
(5)酸素指数:JIS K7201に準拠して測定した。試験片の形状IV(熱プレス品;3mm厚シート)の試料を作成し測定した。
(6)電線被覆成形性:得られた成形体の外観を目視にて観察し、次の基準で評価した。
○:押出外観良好
△:押出外観やや不良
×:押出外観 不良
(7)異形押出成形性:得られた成形体の外観を目視にて観察し、次の基準で評価した。
○:押出外観良好
△:押出外観やや不良
×:押出外観 不良
【0046】
2.ポリプロピレン系重合体
重合例1
(1)触媒の調整
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm、粒度分布=10〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を、洗浄液(ろ液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。得られたイオン交換性層状ケイ酸塩をの組成(モル)比は、Al/Si=0.129、Mg/Si=0.018、Fe/Si=0.0125であった。さらに200℃で2時間減圧乾燥することにより、化学処理スメクタイトを得た。
上記の化学処理スメクタイト200gを内容積3Lの攪拌翼のついたガラス製反応器に導入し、ノルマルヘプタン750ml、さらにトリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(500mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ノルマルヘプタンにて洗浄(残液率1%未満)し、スラリーを2000mLに調製した。これを仕込みスラリー1とした。
また別のフラスコ(容積200mL)中に、トルエンを3wt%含有するヘプタン90mL、〔(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム〕0.3mmol、トリイソブチルアルミニウム1.5mmolを仕込みスラリー2とした。スラリー2を、上記スラリー1に加えて、室温で60分攪拌した。その後ヘプタンを210mL追加し、このスラリーを1Lオートクレーブに導入した。オートクレーブの内部温度を40℃にしたのち、プロピレンを10g/時の速度でフィードし、2時間、40℃を保ちつつ予備重合を行い予備重合触媒73gを得た。
【0047】
(2)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造
内容積400Lの反応器に液状プロピレン、エチレン、水素、およびトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を60℃に保持した。プロピレンの供給量は、109kg/hrであり、エチレンの供給量は3.4kg/hrであり、水素の供給量は0.06g/hrであり、TIBAの供給量は64g/hrであった。前記予備重合触媒を流動パラフィンによりスラリー状とし、固体として3.0g/hrでフィードした。
その結果、19kg/hrのプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体I)を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体I)は、MFR=2g/10分、エチレン含量=5.1mol%、T80−T20=6.3℃、Tm=124℃であった。
【0048】
重合例2
重合例1で調整した固体触媒を用い、水素の供給量を0.35g/hrに変更した以外は、ポリプロピレンの重合例1と同様にして重合を行った。
その結果、21kg/hrのプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体II)を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体II)は、MFR=7g/10分、エチレン含量=5.0mol%、T80−T20=6.7℃、Tm=125℃であった。
【0049】
重合例3
重合例1で調整した固体触媒を用い、エチレンの供給量を3.1kg/hr、水素の供給量を0.3g/hrに変更した以外は、重合例1と同様にして重合を行った。
その結果、14kg/hrのプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体III)を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体III)は、MFR=7g/10分、エチレン含量=4.4mol%、T80−T20=7.5℃、Tm=128℃であった。
【0050】
重合例4
内容積200リットルの攪拌式オートクレーブをプロピレンで十分に置換した後、脱水・脱酸素処理したn―ヘプタン60Lを導入し、ジエチルアルミニウムクロリド16g、三塩化チタン触媒(エム・アンド・エム社製)4.1gを50℃でプロピレン雰囲気下で導入した。更に気相水素濃度を6.0容量%に保ちながら、50℃の温度で、プロピレン5.7kg/時及びエチレン0.28kg/時の速度で4時間フィードした後、更に1時間重合を継続した。
その結果、12kgのプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体IV)を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体IV)は、MFR=8g/10分、エチレン含量=6.4wt%、T80−T20=34.5℃、Tm=132℃であった。
【0051】
重合例5
重合例4でエチレンの供給量を0.35kg/時とした以外は重合例4と同様にして重合を行い、その結果、11kgのプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体V)を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体V)は、MFR=7g/10分、エチレン含量=10.1wt%、T80−T20=26.5℃、Tm=138℃であった。
【0052】
重合例6
(1)触媒の調整
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm、粒度分布=10〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を、洗浄液(ろ液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。
回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。得られたイオン交換性層状ケイ酸塩をの組成(モル)比は、Al/Si=0.129、Mg/Si=0.018、Fe/Si=0.0125であった。さらに200℃で2時間減圧乾燥することにより、化学処理スメクタイトを得た。
上記の化学処理スメクタイト200gを内容積3Lの攪拌翼のついたガラス製反応器に導入し、ノルマルヘプタン750ml、さらにトリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(500mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ノルマルヘプタンにて洗浄(残液率1%未満)し、スラリーを2000mLに調製した。これを仕込みスラリー1とした。
また別のフラスコ(容積200mL)中に、トルエンを3wt%含有するヘプタン90mL、〔(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム〕0.3mmol、トリイソブチルアルミニウム1.5mmolを仕込みスラリー2とした。スラリー2を、上記スラリー1に加えて、室温で60分攪拌した。その後ヘプタンを210mL追加し、このスラリーを1Lオートクレーブに導入した。
オートクレーブの内部温度を40℃にしたのちプロピレンを10g/時の速度でフィードし2時間40℃を保ちつつ予備重合を行い予備重合触媒69gを得た。
この予備重合触媒を使用し、でエチレンの供給量を0kg/hr、水素の供給量を0.2g/hrとした以外は重合例1と同様にして重合を行い、その結果、11kgのプロピレン単独重合体(重合体VI)を得た。得られたプロピレン単独重合体(重合体VI)は、MFR=1.8g/10分、T80−T20=6.0℃、Tm=153℃であった。
【0053】
重合例7
重合例6で調整した固体触媒を用い、エチレンの供給量は3.3kg/hrに、水素の供給量を0.5g/hrに変更した以外は、ポリプロピレンの重合例1と同様にして重合を行った。その結果、プロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体VII)を得た。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体(重合体VII)は、MFR=25g/10分、エチレン含量=4.6mol%、T80−T20=7.2℃、Tm=132℃であった。
【0054】
上記の重合例1〜7で製造したポリプロピレン系重合体I〜VIIの各物性を表1に示した。表1から明らかな通り、重合体I〜IIIは、特性(1)〜(4)を有する本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体であり、重合体IV〜VIIは、本発明外のポリプロピレン系重合体である。
【0055】
【表1】
【0056】
3.成分(B)
(B−1):水酸化マグネシウム(協和化学社製)
(B−2):水酸化アルミニウム(試薬1級)
(B−3):水酸化マグネシウム(75重量%)/炭酸マグネシウム(25重量%)(試薬1級)
【0057】
実施例1〜7
表2に示す成分(A)としての重合体I〜IIIと成分(B)としての(B−1)〜(B−3)との混合物100重量部に対し、分散剤として、ステアリン酸ナトリウム(試薬1級)0.5重量部、ステアリン酸マグネシウム(試薬1級)0.3重量部、酸化防止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルズケミカル社製、イルガノックス1010)0.1重量部、ジミリスチルチオジプロピオネート(住友化学社製、スミライザーTPD)0.2重量部を配合し、ドライブレンド後2軸混練機を使用して、下記標準条件にてポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
【0058】
2軸混練機標準条件
機器:神戸製鋼社製 NCM60
チャンバー温度:220℃
ローター回転数:500rpm
樹脂温度:220℃
押出機のスクリュー回転数:25rpm
【0059】
次に、得られたポリプロピレン系樹脂組成物を用い下記条件にて電線被覆成形を行い、被覆層のみをとりだし、破断点引張強度、引張り破断伸びを評価した。さらに、難燃性の指標である酸素指数については、3mmプレスシートを用いて評価した。結果を表2に示した。
【0060】
電線被覆成形条件
機器:日本製鋼所社製:電線被覆成形機
シリンダー設定温度:230℃
芯線:0.9mmφ軟銅線
被覆厚み:0.15mm
成型速度:100m/min
芯線予熱:120℃
【0061】
比較例1〜6
表2に示す成分(A)及び成分(B)を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系樹脂組成物及び成形体を得、その物性を測定した。その結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
表2より明らかなように、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いた電線被覆(実施例1〜7)は、電線被覆性、破断点強度、引張り破断伸びに優れ、酸素指数が21以上で自消性に優れ、機械的強度と難燃性のバランスがとれた材料であった。
一方、T80−T20が大き過ぎ、α−オレフィン含量とTmの関係が式(1)を満足しないプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いると、引張り破断伸びが劣る結果となった(比較例1、比較例2、比較例4)。
メタロセン触媒によって重合されたポリプロピレン系樹脂であっても、ポリプロピレン単独重合体を用いると、電線被覆成形性、引張り破断伸びが著しく劣る結果となった(比較例3、比較例5)。また、MFRが高すぎるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いると、電線被覆成形時の押出外観やや不良となり、破断点強度と引張り破断伸びのバランスが劣る結果となった(比較例6)。
【0064】
実施例8〜14
表4に示す成分(A)としての重合体I〜IIIと成分(B)としての(B−1)〜(B−3)の混合物100重量部に対し、分散剤として、ステアリン酸ナトリウム(試薬1級)0.5重量部、ステアリン酸マグネシウム(試薬1級)0.3重量部、酸化防止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルズケミカル社製、イルガノックス1010)0.1重量部、ジミリスチルチオジプロピオネート(住友化学社製、スミライザーTPD)0.2重量部を配合し、ドライブレンド後2軸混練機を使用して、実施例1と同じ条件にてポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
次に、得られた組成物を表3に示す異形押出成形条件の異形押出し成形方法により、成形温度を140〜200℃の範囲で変更し、評価した。その結果を表4に示す。
【0065】
比較例7〜12
表4に示す成分(A)及び成分(B)を用いる以外は、実施例8と同様にしてポリプロピレン系樹脂組成物及び成形体を得、その物性を測定した。その結果を表4に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
表4より明らかなように、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を用いた異形押出品(実施例8〜14)は、異形押出成形性、破断点強度、引張り破断伸びに優れ、酸素指数が21以上で自消性に優れていた。
一方、T80−T20が大き過ぎ、α−オレフィン含量とTmの関係が式(1)を満足しないプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いると、引張り破断伸びが劣る結果となった(比較例7、比較例8、比較例10)。
メタロセン触媒によって重合されたポリプロピレン系樹脂であっても、ポリプロピレン単独重合体を用いると、電線被覆成形性、引張り破断伸びが著しく劣る結果となった(比較例9、比較例11)。また、MFRが高すぎるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いると、異型押出成形時の樹脂たれが発生し押出成形により、評価用試料を得ることができなかった。(比較例12)。
【0069】
【発明の効果】
本発明によると、メタロセン触媒により重合された特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用いることにより、水酸化アルミニウムおよび/又は水酸化マグネシウムを多量に配合しても、機械的強度と難燃性のバランスに優れた自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。また、該自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物から得られる押出成形体は、引張り破断伸び等の性能が著しく改善された自消性押出成形体であり、これにより、電線被覆、鋼管被覆、鋼線被覆、ケーブル被覆などの被覆押出成形体の分野、建築・土木産業資材、家電製品の部品、および自動車部品などの異形押出成形体の分野において、実用性能が一段と向上されるといった著しい効果が奏される。
Claims (9)
- 下記の成分(A)および(B)からなる自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物。
成分(A):メタロセン触媒によって重合され、下記特性(1)〜(4)を有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体 20〜70重量%
成分(B):水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム 30〜80重量%
特性(1):MFRが0.5〜20g/10分
特性(2):T80−T20が10℃以下
特性(3):α−オレフィン含有量が1〜15mol%
特性(4):α−オレフィン含有量x(mol%)と融点Tm(℃)の関係が式(1)を満たす。
Tm<−3.87x+148.07 …(1)
(但し、MFRはJIS−K6921による230℃、21.18Nのメルトフローレ−ト、T80は温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる積分溶出曲線において80重量%が溶出する温度、T20は20重量%が溶出する温度、Tmは示差走査熱量計(DSC)によって得られる融解曲線のピーク温度をそれぞれ示す。) - 特性(2):T80−T20が2〜8℃であることを特徴とする請求項1に記載の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 成分(B)が、炭酸マグネシウム30重量%以下を含有する水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自消性成形体用ポリプロピレン系樹脂組成物からなる自消性成形体。
- 自消性成形体の酸素指数(JIS K7201、3mm厚シート)が21以上であることを特徴とする請求項4に記載の自消性成形体。
- 自消性成形体の引張り破断伸びが400%以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の自消性成形体。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の自消性成形体が、押出成形により製造されたものであることを特徴とする自消性押出成形体。
- 押出成形体が被覆押出成形体であることを特徴とする請求項7に記載の自消性押出成形体。
- 押出成形体が異形押出成形体であることを特徴とする請求項7に記載の自消性押出成形体。
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