JP2004026803A - 神経細胞死予防剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】その構造から安全性の高い、プラズマローゲンを用いて神経細胞死の予防に効果をもたらす予防剤を提供する。プラズマローゲンを用いてアルツハイマー症の予防剤を提供する。
【解決方法】プラズマローゲンを用いることを特徴とする神経細胞死予防剤。
さらに、プラズマローゲンを経口摂取することによるアルツハイマー症の予防剤。
【選択図】なし
【解決方法】プラズマローゲンを用いることを特徴とする神経細胞死予防剤。
さらに、プラズマローゲンを経口摂取することによるアルツハイマー症の予防剤。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマローゲンを用いる神経細胞死予防剤に関する。さらに、プラズマローゲンを経口摂取することによるアルツハイマー症の予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマローゲンは、脳神経細胞に特徴的に多く含まれるリン脂質である。その化学構造は、エタノールアミン型のものが多く、グリセロール骨格の1位にビニルエーテル結合を持ち、2位にドコサヘキサエン酸やアラキドン酸などの高度不飽和脂肪酸を有する。この特徴的な構造から、プラズマローゲンは、脳のシグナル伝達への関与や、脳内における抗酸化物質としての機能が予想されてきた。最近、プラズマローゲンの抗酸化作用に関する知見が報告され、老化および酸化障害が関与する疾病でのプラズマローゲンの影響について記載されている(オレオサイエンス、第2巻第1号(2002年)、(非特許文献1)。また、アルツハイマー疾患は正常人に比べてプラズマローゲン量が少なく、膜の臨界温度が低いことが報告されている(J.Neurochem.Res.,70,2533−2538)(非特許文献2)。なお、プラズマローゲンの抗酸化作用については、特開2003−12520号公報、特許文献1に開示されている。
しかし、プラズマローゲンの生体内での機能は未だ不明であり、特に神経細胞死に関するプラズマローゲンの作用についてはこれまで全く報告がなされていない。
【0003】
【非特許文献1】オレオサイエンス、第2巻第1号(2002年)第27頁―36頁)、
【非特許文献2】J.Neurochem.Res.,70,2533−2538)
【特許文献1】特開2003−12520号公報、
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、その構造から安全性の高い、プラズマローゲンを用いて神経細胞死の予防に効果をもたらす予防剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プラズマローゲンが、Neuro−2Aの細胞死を顕著に抑制する作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、プラズマローゲンを用いることを特徴とする神経細胞死予防剤である。
また本発明は、プラズマローゲンを経口摂取することによるアルツハイマー予防剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
プラズマローゲンは、通常下記式(1)
【0007】
【化1】
【0008】
(ここで、X=−CH2CH2NH2、アルキルアシル基、ジアシル基)
の構造式で表されるエーテル結合を有するグリセロリン脂質の一群を表すもので、脳神経細胞に特徴的に多く含まれるリン脂質である。その化学構造は、エタノールアミン型のものが多く、グリセロール骨格の1位にビニルエーテル結合を持ち、2位にはR2−CO−として、ドコサヘキサエン酸やアラキドン酸などの高度不飽和脂肪酸由来の基を有する。Xは、特に、エタノールアミンがより好ましい。
本発明の神経細胞死予防剤は、プラズマローゲンを有効成分として含有する。
本発明で用いるプラズマローゲンは、グリセロリン脂質の中で、グリセロール骨格のsn−2位に、長鎖脂肪酸がエステル結合し、sn−1位に、アルキル鎖がビニルエーテル結合しているものである。sn−2位の長鎖脂肪酸は高度不飽和脂肪酸であり、例えば、ドコサヘキサエン酸やアラキドン酸などである。また、sn−1位のアルキル鎖のR1は炭素数が8以上のものであり、−CH=CH−R1は、例えば、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸などから誘導される残基である。
本発明に用いるプラズマローゲンを得る方法には、特に制限はなく、任意の公知の抽出方法によることができる。プラズマローゲンは、特に、動物の臓器や、ヒトデ、イソギンチャク、なまこ等の海産動物、嫌気性バクテリアに多く含まれ、これらの原料を用いて抽出することによっても得られる。例えば、原料に、ヘキサン、アセトン、エタノールあるいはそれらの溶媒と水から選択される混合溶媒で抽出し、プラズマローゲン含有抽出物を得ることができる。また、必要に応じて、順相系あるいは逆相系の充填剤のカラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを用いてさらにプラズマローゲンを精製することができる。
【0009】
本発明のプラズマローゲンの神経細胞抑制効果の評価において、現状では、生体を用いないインビトロ(in vitro)の実験系である細胞実験及び、インビボ(in vivo)の動物実験により代替することができる。
細胞実験としては、(1)細胞増殖の試験法であるWST−1法、(2)アポトーシスで緑色に染色されることを特徴とするアポトーシス(細胞死)の検出法である、Annexin V−FITC染色法、さらに、(3)アポトーシスに伴うDNAの断片化を電気泳動で調べるDNAラダー法などが挙げられる。
本発明の神経細胞死予防剤を使用する形態としては、特に制限がなく、例えば、前記プラズマローゲンを配合して、ソフトカプセル、打錠品、飲料や食品などとすることができる。飲料としては、例えば、スポーツ飲料、果汁飲料、乳酸飲料、アルコール飲料、豆乳などを挙げることができる。また、パン、ビスケット、キャンディー、ゼリーなどのパン、菓子類、ヨーグルトなどの乳加工品、ハムなどの肉加工食品、マーガリン、ショートニングなどの油脂加工食品などの食品の形態とすることもできる。通常、摂取量は、特に限定されないが、0.1mg/日・標準体重〜15g/日・標準体重、好ましくは、10mg/日・標準体重〜5g/日・標準体重程度である。
本発明の神経細胞死予防剤は、動物の脳あるいは筋肉、海産動物、微生物から前記有機溶媒あるいは水の混合溶媒による抽出物であるので、また、その構造より毒性や副作用の少ないものと考えられる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、プラズマローゲンを用いる神経細胞死抑制剤であり、神経細胞死抑制の効果を有する。このことから、アルツハイマー病等神経細胞死が関与する脳神経系疾患の予防に有効であることが期待できる。
【0011】
【実施例】
神経芽細胞腫であるNeuro−2Aを無血清培地で培養し、 Neuro−2Aのアポトーシスを伴う細胞死を確認した系にプラズマローゲン、および他のリン脂質を加え、細胞死に対する影響を試験例1〜3の実験法により評価した。尚、各実施例で用いた培地およびサンプルを次に示した。
培地組成;H−MEM(ICN)、10%FBS(ICN)、1%非必須アミノ酸(ICN)、1%L−グルタミン酸(ICN)、1%ペニシリン・ストレプトマイシン(GIBCO)。
プラズマローゲンのサンプルは、Phosphatidylethanolamine(90%、plasmalogen、フナコシ(株)製)を用いた。
テスト培地は、血清培地((+)Serum)、無血清培地((−)Serum)、無血清培地+サンプル(プラズマローゲン1〜50μM)を用いた。
【0012】
試験例1;プラズマローゲンの神経細胞死抑制評価1:WST−1法
本法は細胞増殖の試験法で、細胞数に吸光度が比例することを利用するものである。
WSTは、2−(4−Iodophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−(2,4−disulfophenyl)−2−H−tetrazolium monosodium saltの略である。生細胞中でこの物質は、水溶性ホルマザンに代謝され、その吸光度を測定する。
まず、コンフルエントに増殖したNeuro−2A(ヒューマンサイエンス研究資源パンク)をトリプシンEDTA液(ICN)で処理し、1×105cells/mLに希釈した。希釈液を96穴マイクロプレートに100μL/wellまき、37℃で24時間5%CO2インキュベーションした。次に、各well内の培地を除去しPBSで洗浄後、前記テスト培地に100μL/wellまき、37℃で、0、24、48、72時間5%CO2インキュベーションした。テスト培地を加えてから0、24、48、72時間後にWST−1(DOJINGO)を10μL入れ、37℃で3時間5%CO2インキュベーションした。最終的にマイクロプレートリーダー(日本バイオ・ラッド)で450/655nmの吸光度を測定した。結果を表1および図1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
表1は、各培養経過時間(0〜72時間)の場合の、血清培地、無血清培地、およびプラズマローゲンの各濃度における細胞数に相当する吸光度から算出される細胞生存率を示してある。
なお、図1においても、同様に、横軸:経過時間、縦軸:細胞生存率を示す。
表1の値は、平均値±標準偏差(n=6)で示している。
また、図1の値も、平均値±標準偏差(n=6)で示しており、統計処理で次の有意差であった。
a,p<0.05、b,p<0.01、c,p<0.005。
血清培地の系では、細胞増殖が起こり、無血清培地ではアポトーシスが起きていることがわかる。また、1〜50μMでの各プラズマローゲンを添加した系において、時間の経過とともに添加濃度が高くなるとアポトーシスが顕著に抑制されることがわかる。
このことから、プラズマローゲンが神経細胞死を有意に抑制していることがわかった。
【0015】
試験例2;プラズマローゲンの神経細胞死抑制評価2:Annexin V−FITC染色法
本法は、アポトーシス(細胞死)の検出法であり、アポトーシスで緑色に、ネクローシスで赤色に染色される。本実験は、Annxin V Apoptosis Detection Kit(フナコシ(株)製)を用いて行った。
まず、カバーガラスを置いた6穴プレートに1×105cells/mLのNeuro−2Aを3mLまき、37℃で24時間5%CO2インキュベーションする。次に、培地除去し、PBSで洗浄後、前記テスト培地に交換し、37℃で24時間5%CO2インキュベーションする。その後、カバーガラスを取り出し、Annxin V−FITC試薬100μLを添加し、室温で暗所に15分間放置する。洗浄は、Binding Bufferで行い、細胞の染色を倒立型落射蛍光顕微鏡(オリンパス社製、励起496nm/蛍光518nm)で観察した。その結果、プラズマローゲンによるアポトーシスの染色は抑制されることが確認できた。本法により、プラズマローゲンが有意に神経細胞死を抑制してことがわかった。
【0016】
試験例3;プラズマローゲンの神経細胞死抑制評価3:DNAラダー法;
アポトーシス(細胞死)の検出法であり、アポトーシスがおきるとDNAの断片化が起きるので、それを電気泳動で調べる方法である。
まず、1×106/mL以上の細胞をPBS2mLに懸濁させ、これを15mL容のチューブにとり、3000回転/分、5分間遠心分離する。上清を除去し、沈殿に細胞溶解バッファー100μLを加えて1.5mL容のチューブに移す。これを4℃、10分間放置した後、4℃で15000回転/分、15分間遠心分離する。得られた上清を新しい5mL容のチューブにとり、RNaseA溶液を2μL加える。37℃で1時間インキュベートし、ProteinaseK溶液を2μL加え、さらに37℃で1時間インキュベートする。その後、5M NaCl、イソプロパノール120μL(最終濃度;NaCl 0.5M、イソプロパノール50%)を加え、−20℃で一晩放置後、4℃で15000回転/分、15分間遠心分離する。上清除去後、TBEバッファー20μLに溶かし、これを電気泳動サンプルとした。
なお、電気泳動は次のように行った。
試薬は下記の通りに調製する。
TBEバッファーは原液を10倍希釈する。即ち、原液200mLに水を加えて、メスフラスコで2000mLとする。
2%アガロースゲルは粉末アガロース1.6gにTBEバッファー80mLを加えてから、電子レンジで噴きこぼれないように注意しながら煮溶かし、熱いうちにゲル板に流し込ませて調製した。
操作は下記の通りに行った。
ウエルに各試料を流し込み、泳動バッファー(TBEバッファー)を満たした泳動槽にゲルを浮かせる。100Vで泳動を開始し、マーカーが少しゲルに入ったら、ゲルを沈める。
泳動時間は120分間とし、ethidium bromideで20分間染色する。その後、ゲルを洗浄し、UVトランスイルミネーター上でポラロイド写真を撮る。
本法により、アポトーシス由来のDNAの断片化はプラズマローゲンにより明らかに抑制され、プラズマローゲンが有意に神経細胞死を抑制してことがわかった。
【0017】
試験例4;モデルラットによる経口摂取試験
本試験は、痴呆(アルツハイマー)モデルラットを用い、プラズマローゲンを経口摂取させることでアルツハイマー病に対する影響を検討した。すなわち、ウィスター系雄ラット(25週齢,体重300g,12匹)を二群(4匹と8匹)に分け、一方には5%アラビアゴム溶液に可溶化させたプラズマローゲン(純度60%,牛脳由来;フナコシ(株)製)を100 mg/kg/dayで経口投与(n=4匹)し、他方には同量の5%アラビアゴム溶液を投与(n=8匹)して、12週間飼育した。その後、ラットをペントバルビタールで麻酔(50 mg/kg、腹腔内注射)し、頭部の毛を刈り、脳定位固定装置でラットを固定した。頭皮を手術用メスで切開し、精密技巧用マイクロドリルを用いて頭蓋骨に小穴を開け、脳図譜に従ってカニューレ(ブレグマよりA,−0.8mm;L,1.4mm;V,−3.5mm)を介してAlCl3水溶液(0.1μg/1μL)を5μl投与した。AlCl3の注入速度は1μL/minとした。反対側の側脳室内には、ミニ浸透圧ポンプ(0.56mL/h,300pmol/day,14days; alzet 2002, Durect Co., Cupertino, CA, USA)を用いてアミロイド溶液 [βアミロイドペプチド(1−40; Peptide Inst., Osaka)を35%アセトニトリル水溶液(0.1%トリフルオロ酢酸pH2.0を含む)に可溶化させた物] をカニューレを介して挿入し、セメントで固定した。浸透圧ポンプは背部皮下に埋めこんだ。なお、アラビアゴムを摂取させたラットで、アミロイドの代わりにこれを可溶化させた溶剤(アセトニトリル水溶液)を注入した群をコントロール群(n=4匹)とした。手術2日後から、プラズマローゲンとアラビアゴムの経口投与を再開し、12日間摂取させつづけた。摂取後にシャトルアボイダンス法により回避学習能を調べた。ラットの処理スキームを図2に、結果を表2及び図3に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
表2はコントロール群に対するアルツハイマー群及びアルツハイマー+プラズマローゲン群の無回避率(%)を示しており、値は平均値±標準偏差(n=4)で示している。
図3よりアミロイドを注入した人工的なアルツハイマー群は、アミロイドを処理しなかったコントロール群に比べて無回避率が有意に上昇、つまり学習能が低下していた。一方、プラズマローゲンを摂取させた後、同様にアミロイドを注入しつつプラズマローゲンを投与しつづけた群(アルツハイマー+プラズマローゲン群)はアルツハイマー群より有意に低い無回避率を示した。したがって、アミロイド蓄積による脳の学習機能の低下を、プラズマローゲンの摂取により緩和予防できることが分かる。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、血清添加培地および0、1、2.5、5、12.5、25、50μMのそれぞれのプラズマローゲン濃度となるように添加した血清無添加培地における神経芽細胞腫Neuro−2Aの増殖に与えるプラズマローゲンの影響を示した図である。
【図2】図2は、ラットの処理スキームをを示す図である。
【図3】図3は、試験例4のモデルラットを用いた場合の結果を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマローゲンを用いる神経細胞死予防剤に関する。さらに、プラズマローゲンを経口摂取することによるアルツハイマー症の予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマローゲンは、脳神経細胞に特徴的に多く含まれるリン脂質である。その化学構造は、エタノールアミン型のものが多く、グリセロール骨格の1位にビニルエーテル結合を持ち、2位にドコサヘキサエン酸やアラキドン酸などの高度不飽和脂肪酸を有する。この特徴的な構造から、プラズマローゲンは、脳のシグナル伝達への関与や、脳内における抗酸化物質としての機能が予想されてきた。最近、プラズマローゲンの抗酸化作用に関する知見が報告され、老化および酸化障害が関与する疾病でのプラズマローゲンの影響について記載されている(オレオサイエンス、第2巻第1号(2002年)、(非特許文献1)。また、アルツハイマー疾患は正常人に比べてプラズマローゲン量が少なく、膜の臨界温度が低いことが報告されている(J.Neurochem.Res.,70,2533−2538)(非特許文献2)。なお、プラズマローゲンの抗酸化作用については、特開2003−12520号公報、特許文献1に開示されている。
しかし、プラズマローゲンの生体内での機能は未だ不明であり、特に神経細胞死に関するプラズマローゲンの作用についてはこれまで全く報告がなされていない。
【0003】
【非特許文献1】オレオサイエンス、第2巻第1号(2002年)第27頁―36頁)、
【非特許文献2】J.Neurochem.Res.,70,2533−2538)
【特許文献1】特開2003−12520号公報、
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、その構造から安全性の高い、プラズマローゲンを用いて神経細胞死の予防に効果をもたらす予防剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プラズマローゲンが、Neuro−2Aの細胞死を顕著に抑制する作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、プラズマローゲンを用いることを特徴とする神経細胞死予防剤である。
また本発明は、プラズマローゲンを経口摂取することによるアルツハイマー予防剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
プラズマローゲンは、通常下記式(1)
【0007】
【化1】
【0008】
(ここで、X=−CH2CH2NH2、アルキルアシル基、ジアシル基)
の構造式で表されるエーテル結合を有するグリセロリン脂質の一群を表すもので、脳神経細胞に特徴的に多く含まれるリン脂質である。その化学構造は、エタノールアミン型のものが多く、グリセロール骨格の1位にビニルエーテル結合を持ち、2位にはR2−CO−として、ドコサヘキサエン酸やアラキドン酸などの高度不飽和脂肪酸由来の基を有する。Xは、特に、エタノールアミンがより好ましい。
本発明の神経細胞死予防剤は、プラズマローゲンを有効成分として含有する。
本発明で用いるプラズマローゲンは、グリセロリン脂質の中で、グリセロール骨格のsn−2位に、長鎖脂肪酸がエステル結合し、sn−1位に、アルキル鎖がビニルエーテル結合しているものである。sn−2位の長鎖脂肪酸は高度不飽和脂肪酸であり、例えば、ドコサヘキサエン酸やアラキドン酸などである。また、sn−1位のアルキル鎖のR1は炭素数が8以上のものであり、−CH=CH−R1は、例えば、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸などから誘導される残基である。
本発明に用いるプラズマローゲンを得る方法には、特に制限はなく、任意の公知の抽出方法によることができる。プラズマローゲンは、特に、動物の臓器や、ヒトデ、イソギンチャク、なまこ等の海産動物、嫌気性バクテリアに多く含まれ、これらの原料を用いて抽出することによっても得られる。例えば、原料に、ヘキサン、アセトン、エタノールあるいはそれらの溶媒と水から選択される混合溶媒で抽出し、プラズマローゲン含有抽出物を得ることができる。また、必要に応じて、順相系あるいは逆相系の充填剤のカラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを用いてさらにプラズマローゲンを精製することができる。
【0009】
本発明のプラズマローゲンの神経細胞抑制効果の評価において、現状では、生体を用いないインビトロ(in vitro)の実験系である細胞実験及び、インビボ(in vivo)の動物実験により代替することができる。
細胞実験としては、(1)細胞増殖の試験法であるWST−1法、(2)アポトーシスで緑色に染色されることを特徴とするアポトーシス(細胞死)の検出法である、Annexin V−FITC染色法、さらに、(3)アポトーシスに伴うDNAの断片化を電気泳動で調べるDNAラダー法などが挙げられる。
本発明の神経細胞死予防剤を使用する形態としては、特に制限がなく、例えば、前記プラズマローゲンを配合して、ソフトカプセル、打錠品、飲料や食品などとすることができる。飲料としては、例えば、スポーツ飲料、果汁飲料、乳酸飲料、アルコール飲料、豆乳などを挙げることができる。また、パン、ビスケット、キャンディー、ゼリーなどのパン、菓子類、ヨーグルトなどの乳加工品、ハムなどの肉加工食品、マーガリン、ショートニングなどの油脂加工食品などの食品の形態とすることもできる。通常、摂取量は、特に限定されないが、0.1mg/日・標準体重〜15g/日・標準体重、好ましくは、10mg/日・標準体重〜5g/日・標準体重程度である。
本発明の神経細胞死予防剤は、動物の脳あるいは筋肉、海産動物、微生物から前記有機溶媒あるいは水の混合溶媒による抽出物であるので、また、その構造より毒性や副作用の少ないものと考えられる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、プラズマローゲンを用いる神経細胞死抑制剤であり、神経細胞死抑制の効果を有する。このことから、アルツハイマー病等神経細胞死が関与する脳神経系疾患の予防に有効であることが期待できる。
【0011】
【実施例】
神経芽細胞腫であるNeuro−2Aを無血清培地で培養し、 Neuro−2Aのアポトーシスを伴う細胞死を確認した系にプラズマローゲン、および他のリン脂質を加え、細胞死に対する影響を試験例1〜3の実験法により評価した。尚、各実施例で用いた培地およびサンプルを次に示した。
培地組成;H−MEM(ICN)、10%FBS(ICN)、1%非必須アミノ酸(ICN)、1%L−グルタミン酸(ICN)、1%ペニシリン・ストレプトマイシン(GIBCO)。
プラズマローゲンのサンプルは、Phosphatidylethanolamine(90%、plasmalogen、フナコシ(株)製)を用いた。
テスト培地は、血清培地((+)Serum)、無血清培地((−)Serum)、無血清培地+サンプル(プラズマローゲン1〜50μM)を用いた。
【0012】
試験例1;プラズマローゲンの神経細胞死抑制評価1:WST−1法
本法は細胞増殖の試験法で、細胞数に吸光度が比例することを利用するものである。
WSTは、2−(4−Iodophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−(2,4−disulfophenyl)−2−H−tetrazolium monosodium saltの略である。生細胞中でこの物質は、水溶性ホルマザンに代謝され、その吸光度を測定する。
まず、コンフルエントに増殖したNeuro−2A(ヒューマンサイエンス研究資源パンク)をトリプシンEDTA液(ICN)で処理し、1×105cells/mLに希釈した。希釈液を96穴マイクロプレートに100μL/wellまき、37℃で24時間5%CO2インキュベーションした。次に、各well内の培地を除去しPBSで洗浄後、前記テスト培地に100μL/wellまき、37℃で、0、24、48、72時間5%CO2インキュベーションした。テスト培地を加えてから0、24、48、72時間後にWST−1(DOJINGO)を10μL入れ、37℃で3時間5%CO2インキュベーションした。最終的にマイクロプレートリーダー(日本バイオ・ラッド)で450/655nmの吸光度を測定した。結果を表1および図1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
表1は、各培養経過時間(0〜72時間)の場合の、血清培地、無血清培地、およびプラズマローゲンの各濃度における細胞数に相当する吸光度から算出される細胞生存率を示してある。
なお、図1においても、同様に、横軸:経過時間、縦軸:細胞生存率を示す。
表1の値は、平均値±標準偏差(n=6)で示している。
また、図1の値も、平均値±標準偏差(n=6)で示しており、統計処理で次の有意差であった。
a,p<0.05、b,p<0.01、c,p<0.005。
血清培地の系では、細胞増殖が起こり、無血清培地ではアポトーシスが起きていることがわかる。また、1〜50μMでの各プラズマローゲンを添加した系において、時間の経過とともに添加濃度が高くなるとアポトーシスが顕著に抑制されることがわかる。
このことから、プラズマローゲンが神経細胞死を有意に抑制していることがわかった。
【0015】
試験例2;プラズマローゲンの神経細胞死抑制評価2:Annexin V−FITC染色法
本法は、アポトーシス(細胞死)の検出法であり、アポトーシスで緑色に、ネクローシスで赤色に染色される。本実験は、Annxin V Apoptosis Detection Kit(フナコシ(株)製)を用いて行った。
まず、カバーガラスを置いた6穴プレートに1×105cells/mLのNeuro−2Aを3mLまき、37℃で24時間5%CO2インキュベーションする。次に、培地除去し、PBSで洗浄後、前記テスト培地に交換し、37℃で24時間5%CO2インキュベーションする。その後、カバーガラスを取り出し、Annxin V−FITC試薬100μLを添加し、室温で暗所に15分間放置する。洗浄は、Binding Bufferで行い、細胞の染色を倒立型落射蛍光顕微鏡(オリンパス社製、励起496nm/蛍光518nm)で観察した。その結果、プラズマローゲンによるアポトーシスの染色は抑制されることが確認できた。本法により、プラズマローゲンが有意に神経細胞死を抑制してことがわかった。
【0016】
試験例3;プラズマローゲンの神経細胞死抑制評価3:DNAラダー法;
アポトーシス(細胞死)の検出法であり、アポトーシスがおきるとDNAの断片化が起きるので、それを電気泳動で調べる方法である。
まず、1×106/mL以上の細胞をPBS2mLに懸濁させ、これを15mL容のチューブにとり、3000回転/分、5分間遠心分離する。上清を除去し、沈殿に細胞溶解バッファー100μLを加えて1.5mL容のチューブに移す。これを4℃、10分間放置した後、4℃で15000回転/分、15分間遠心分離する。得られた上清を新しい5mL容のチューブにとり、RNaseA溶液を2μL加える。37℃で1時間インキュベートし、ProteinaseK溶液を2μL加え、さらに37℃で1時間インキュベートする。その後、5M NaCl、イソプロパノール120μL(最終濃度;NaCl 0.5M、イソプロパノール50%)を加え、−20℃で一晩放置後、4℃で15000回転/分、15分間遠心分離する。上清除去後、TBEバッファー20μLに溶かし、これを電気泳動サンプルとした。
なお、電気泳動は次のように行った。
試薬は下記の通りに調製する。
TBEバッファーは原液を10倍希釈する。即ち、原液200mLに水を加えて、メスフラスコで2000mLとする。
2%アガロースゲルは粉末アガロース1.6gにTBEバッファー80mLを加えてから、電子レンジで噴きこぼれないように注意しながら煮溶かし、熱いうちにゲル板に流し込ませて調製した。
操作は下記の通りに行った。
ウエルに各試料を流し込み、泳動バッファー(TBEバッファー)を満たした泳動槽にゲルを浮かせる。100Vで泳動を開始し、マーカーが少しゲルに入ったら、ゲルを沈める。
泳動時間は120分間とし、ethidium bromideで20分間染色する。その後、ゲルを洗浄し、UVトランスイルミネーター上でポラロイド写真を撮る。
本法により、アポトーシス由来のDNAの断片化はプラズマローゲンにより明らかに抑制され、プラズマローゲンが有意に神経細胞死を抑制してことがわかった。
【0017】
試験例4;モデルラットによる経口摂取試験
本試験は、痴呆(アルツハイマー)モデルラットを用い、プラズマローゲンを経口摂取させることでアルツハイマー病に対する影響を検討した。すなわち、ウィスター系雄ラット(25週齢,体重300g,12匹)を二群(4匹と8匹)に分け、一方には5%アラビアゴム溶液に可溶化させたプラズマローゲン(純度60%,牛脳由来;フナコシ(株)製)を100 mg/kg/dayで経口投与(n=4匹)し、他方には同量の5%アラビアゴム溶液を投与(n=8匹)して、12週間飼育した。その後、ラットをペントバルビタールで麻酔(50 mg/kg、腹腔内注射)し、頭部の毛を刈り、脳定位固定装置でラットを固定した。頭皮を手術用メスで切開し、精密技巧用マイクロドリルを用いて頭蓋骨に小穴を開け、脳図譜に従ってカニューレ(ブレグマよりA,−0.8mm;L,1.4mm;V,−3.5mm)を介してAlCl3水溶液(0.1μg/1μL)を5μl投与した。AlCl3の注入速度は1μL/minとした。反対側の側脳室内には、ミニ浸透圧ポンプ(0.56mL/h,300pmol/day,14days; alzet 2002, Durect Co., Cupertino, CA, USA)を用いてアミロイド溶液 [βアミロイドペプチド(1−40; Peptide Inst., Osaka)を35%アセトニトリル水溶液(0.1%トリフルオロ酢酸pH2.0を含む)に可溶化させた物] をカニューレを介して挿入し、セメントで固定した。浸透圧ポンプは背部皮下に埋めこんだ。なお、アラビアゴムを摂取させたラットで、アミロイドの代わりにこれを可溶化させた溶剤(アセトニトリル水溶液)を注入した群をコントロール群(n=4匹)とした。手術2日後から、プラズマローゲンとアラビアゴムの経口投与を再開し、12日間摂取させつづけた。摂取後にシャトルアボイダンス法により回避学習能を調べた。ラットの処理スキームを図2に、結果を表2及び図3に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
表2はコントロール群に対するアルツハイマー群及びアルツハイマー+プラズマローゲン群の無回避率(%)を示しており、値は平均値±標準偏差(n=4)で示している。
図3よりアミロイドを注入した人工的なアルツハイマー群は、アミロイドを処理しなかったコントロール群に比べて無回避率が有意に上昇、つまり学習能が低下していた。一方、プラズマローゲンを摂取させた後、同様にアミロイドを注入しつつプラズマローゲンを投与しつづけた群(アルツハイマー+プラズマローゲン群)はアルツハイマー群より有意に低い無回避率を示した。したがって、アミロイド蓄積による脳の学習機能の低下を、プラズマローゲンの摂取により緩和予防できることが分かる。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、血清添加培地および0、1、2.5、5、12.5、25、50μMのそれぞれのプラズマローゲン濃度となるように添加した血清無添加培地における神経芽細胞腫Neuro−2Aの増殖に与えるプラズマローゲンの影響を示した図である。
【図2】図2は、ラットの処理スキームをを示す図である。
【図3】図3は、試験例4のモデルラットを用いた場合の結果を示す図である。
Claims (2)
- プラズマローゲンを用いることを特徴とする神経細胞死予防剤。
- プラズマローゲンを経口摂取することによるアルツハイマー症の予防剤。
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