JP2002053466A - アポトーシス調整剤 - Google Patents

アポトーシス調整剤

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JP2002053466A
JP2002053466A JP2000239345A JP2000239345A JP2002053466A JP 2002053466 A JP2002053466 A JP 2002053466A JP 2000239345 A JP2000239345 A JP 2000239345A JP 2000239345 A JP2000239345 A JP 2000239345A JP 2002053466 A JP2002053466 A JP 2002053466A
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Hiroto Shiomi
浩人 塩見
Yutaka Tamura
豊 田村
Seiji Sato
誠治 佐藤
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アポトーシス調整作用を奏し得、各種医薬品と
して有用な薬剤を提供する。 【解決手段】例えば5−n−ブチル−7−(3,4,5
−トリメトキシベンゾイルアミノ)ピラゾロ〔1,5−
a〕ピリミジン等の一連のピラゾロ〔1,5−a〕ピリ
ミジン誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を
有効成分として含有するアポトーシス調整剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アポトーシス調整剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、細胞死は2つのタイプのメカ
ニズムにより起こるとされている。その一つは壊死と呼
ばれてきた古典的細胞死である。これは形態学的には、
ミトコンドリアの著しい膨化、細胞質の膨化、核の変性
とそれに続く細胞の崩壊及び自己融解により特徴付けら
れ、受動的及び偶発的に生じる。組織壊死は、細胞に対
する物理的外傷や化学的毒物等により一般に認められ
る。
【0003】もう一つのタイプはアポトーシス(プログ
ラムされた細胞死)と呼ばれる(Kerr,J.F.R. and Wyll
ie,A.H., Br.J.Cancer, 26, 239(1972))。これは生理
学上の種々の条件下に起こるとされている。その形態学
的特徴としては、周囲の細胞との接触の欠乏、細胞質の
濃縮化、エンドヌクレアーゼの活性に関連したクロマチ
ンの凝縮及び核凝縮、核の分節化等を挙げることがで
き、更に細胞表面の微絨毛の消失、細胞表面の平滑化
(細胞表面の水疱形成:membrance blebbing)等も観察
され、またエンドヌクレアーゼ活性により、DNAのヌ
クレオソーム単位が180〜200塩基長のDNAに断
片化する現象も観察され、アポティック体の細胞の最終
断片は隣接する細胞により貧食される機構として論じら
れている(Duvall,E. and Wyllie,A.H., Immunology To
day, 7(4), 115-119(1986) : Science, 245, 301-305(1
989))。上記ウイリーはまたグルココルチコイドにより
誘発される胸腺細胞のアポトーシスが、細胞内のエンド
ヌクレアーゼの活性化を伴うことを報告している(Wyll
ie,A.H., Nature, 284, 555-556(1986))。エンドヌク
レアーゼ活性によりアポトーシスを受ける細胞のDNA
は、オリゴヌクレオチドレベルまで断片化され、これは
アガロースゲル電気泳動を行なうことにより容易に確認
できる。
【0004】上記アポトーシスとは、発生や分化や組織
のターンオーバーの過程でみられる、予めプログラムさ
れた細胞死であると考えられる(Wyllie,A.H., et al.,
Int.Rev. Cytol., 68, 251-306(1980))。
【0005】また、胸腺細胞ではカルシウムイオノファ
でカルシウム濃度を上昇させたり、cAMP濃度を上昇
させたりすると、上記アポトーシスに特徴的なDNAの
断片化が促進される(Wyllie,A.H., et al., J.Patho
l., 142, 67-77(1984))ことから、アポトーシスのメカ
ニズムに、カルシウムイオンやcAMPの関与が推測さ
れている。更にレチノイン酸やカルシウムイオノファに
より分化誘導されるHL−60細胞のアポトーシスが、
上記の例として報告されている(Martin,S.J., et al.,
J.Immunol.,145, 1859-1867(1990) : Martin,S.J., et
al., Clin. Exp.Immunol., 79, 448-453(1990))。
【0006】上記アポトーシスは、胚発生過程や正常の
細胞回転の盛んな細胞(例えば肝、副腎皮質、前立腺
等)にみられる生理的細胞死から、グルココルチコイド
処理、サイトトキシック−T細胞による細胞障害、ホル
モン依存性組織の萎縮、放射線照射、NK細胞、キラー
細胞、腫瘍壊死因子(TNF)、リンホトキシン(L
T)等のサイトカイン類等によっても誘導されると報告
されている(Wyllie,A.H.,et al., Int.Rev.Cytol., 6
8, 251(1980) : Duvall,E. and Wyllie,A.H., Immunolo
gy Today, 7, 115-119(1986) : Sellins,K.S., et al.,
J.Immunol., 139, 3199(1987) : Yamada,T., et al.,
Int.J.Radiat. Biol.,53, 65(1988) : Wyllie,A.H., Na
ture, 284, 555(1980) : Schmid,D.S., et al., Proc.N
atl.Acad.Sci., USA, 83, 1881-1885(1986) : John,C.,
et al., J.Immunol., 129 (4), 1782-1787(1982) : Ho
well,D.M., et al., J.Immunol., 140, 689-692(1988)
: Gillian, B.,et al., Eur.J.Immunol, 17, 689-693
(1987))。その他に、ある種の抗体、例えば抗CD3抗
体、抗APO−I抗体、抗Fas抗体等(Trauth,B.C.,
et al., Science, 245, 301-305(1989) : Smith,C.A.,
et al., Nature, 337, 181-184(1989): Tadakuma,T.,
et al., Eur.J. Immunol., 20, 779(1990))でもアポト
ーシスが誘導され、悪性腫瘍での自然退縮(中村保夫
他、臨床皮膚科, 35(4), 289-295(1981))の所見におい
てもアポトーシスが確認されている。
【0007】一方、上記アポトーシスを抑制するものと
しては、RNA合成阻害剤であるアクチノマイシンD
(Actinomycin D)、蛋白合成阻害剤であるサイクロヘキ
シミド(Cycloheximide)、カルシウムイオン(Ca2+)
キレート剤等が報告されており、その他に免疫抑制剤で
あるサイクロスポリンA、造血系サイトカイン(IL−
3、GM−CSF、G−CSF等)、IL−2、bcl
−2遺伝子産物等もアポトーシスを抑制すると報告され
ている(Cohen,J.J. J.Immunol., 132, 38(1984): Wyll
ie,A.H., et al., J.Pathol., 142, 67(1984) :Shi,Y.,
et al., Nature,339, 625(1989) : Williams, G.T., e
t al., Nature, 343, 76(1990) : Nielo,M.A.,J.Immuno
l., 143, 4166(1989) : Vaux,D.L., et al., Nature, 3
35, 440(1988))。但し、上記サイクロヘキシミドは急
性白血病細胞に、アクチノマイシンDは小腸陰窩細胞
に、両者がHL−60細胞にそれぞれアポトーシスを誘
導する報告がある(Martin,S.J., et al., J.Immunol.,
145, 1859-1867(1990))。逆にサイクロヘキシミド
は、X線照射前に存在し、X線照射により増加したリン
パ球系腫瘍細胞のアポトーシスを抑制し、アクチノマイ
シンDが上記アポトーシスを増加させる旨の報告もあ
り、アポトーシスの抑制又は促進には、細胞の種類や条
件、その他の機序の関与も示唆されている(五十嵐忠彦
ら、日本血液学会誌、51(2),144(1988) )。
【0008】いずれにせよ、細胞の分化、増殖、成熟が
アポトーシスと密接な関係にあり、之等細胞の分化、増
殖等に関与する作用を有する物質がアポトーシスにも関
係すると考えられている。
【0009】また最近、アポトーシスに関連する治療法
として、抗Apo−I抗体による癌の治療も試みられて
いる。骨髄異形成症候群(MDS)の内で、汎血球減少
が主体である不応性貧血(RA)及び鉄芽球性貧血(R
ARS)では、造血細胞の分化誘導剤としてのレチノイ
ン酸や活性型ビタミンD3と、血小板産生細胞の過剰ア
ポトーシスを抑制するアポトーシス調節剤としてのGM
−CSFやIL−3の併用が望ましく、また同MDSの
内、芽球の増殖が優勢なRAEBや該RAEBの移行期
(RAEB−t)では、上記レチノイン酸や活性型ビタ
ミンD3が、造血細胞の芽球への分化を誘導する分化誘
導剤として、またエトポジド(etoposide )やアクラル
ビシン(aclarubicin )が芽球の増殖を抑制(アポトー
シス促進)するアポトーシス調節剤として、それぞれ働
くとされている(Shibuya,T., J.Clinical and Experim
ental Medicine, 160 (5),319-323(1992) )。
【0010】また、ムラカミらは抗赤血球自己抗体を発
現しているトランスジェニックマウスの約半数が自己の
トレランスの消失により自己免疫疾患を発症するとし、
正常マウスのような自己抗原と自己抗体産生細胞の反応
によるアポトーシス誘導による自己抗体産生細胞の除去
能の欠如によると報告している(Murakami,M., et al.,
Nature, 357, 77-80(1992) )。
【0011】ワタナベ−フクナガらはMRLlpr/l
prマウスにおいては、アポトーシスに関与するFas
分子に異常があり、胸腺における自己反応性T細胞のネ
ガティブセレクション(アポトーシス)機構がうまく作
動せず、その結果自己免疫疾患が発症すると示唆してい
る(Watanabe-Fukunaga,R., et al., Nature, 356, 314
-317(1992))。
【0012】モンタニエらは、HIV−感染患者からの
Tリンパ球抽出物中には、DNAのアポプテッイックな
バンドが観察され、この現象は無症候群のHIV感染患
者の90%、AIDSとARC患者の100%に観察さ
れ、アポトーシスの誘導がHIV感染患者においても亢
進していると報告している(Montagnier,L., et al.,Si
xieme Colloque des Cent Gardes, 9-17(1991))。
【0013】ニワトリ発生期の細胞死において、ニワト
リ胚にNGF(nerve growth factor :神経細胞の神経
節で細胞の肥大と神経繊維の伸長を促進する蛋白質)を
前投与すると、この発生過程の神経細胞死は完全に抑制
され(Hamburger,V., et al., J.Neurosci., 1, 60(198
1) )、逆にNGFに対する抗体を投与すると、幼若な
交感神経細胞の約90%が失われてしまうと報告されて
いる(Levi-Montalchini,R. and Booker,B., Proc.Nat
l.Acad.Sci., USA, 46, 384(1960))。
【0014】クラークは自然に起こる神経細胞死を3つ
のタイプに区別し、その中のタイプIの形態学的特徴が
アポトーシスと一致し、更に成長因子除去による細胞死
ではタイプIの細胞死が起こり、DNAの断片化も起る
ことから、これをアポトーシスと考えている(Clark,P.
G.H., Anat Embryol., 181, 195(1990): J.Neurosci.,
1, 60(1981): Proc.Natl.Acad.Sci., USA, 46, 384(196
0): Rawson,C. L., etal., J.Cell.Biol., 113, 671(19
91))。
【0015】エドワーズらはNGFにより交感神経細胞
のプログラム死を抑制できると報告しており、アポトー
シスがNGFにより抑制できると考えられる(Edwards,
S.N., et al., J.Neurochemistry, 57(6), 2140-2143(1
991) )。
【0016】フィッシャーらの報告によれば、老化して
学習障害を持ったラットにNGFを投与すると、アルツ
ハイマー病で障害を受けることが知られている前脳基底
野コリン作動性神経細胞に該NGFが作用して、学習障
害の回復がみられる(Fischer,W., et al., Nature, 32
9, 65(1987) : Barde Y-A, Neuron, 2, 1525(1989) :Ha
tanaka, H., Develop Brain Res., 30, 47(1986) : Hat
anaka, H., et al.,Develop Brain Res., 39, 85(198
8))。畠中らは、上記NGFが分化、成熟、生存維持、
老化の防止に有効で、神経細胞の障害に対する保護回復
作用、脳の老化に伴う神経疾患、特にアルツハイマー病
での神経細胞死の防止作用を示す可能性を示唆している
(畠中寛、代謝、28, 891-899(1991))。
【0017】アルツハイマー病の発症機構との因果関係
を考える上で重要なβ−アミロイド蛋白質、神経伝達物
質の一つであるグルタミン酸や、パーキンソン病モデル
として知られる1−メチル−4−フェニルピリジニウム
イオン(MPP+)によるニューロン死、或いはプリオ
ン蛋白質による神経疾患等は、アポトーシスが関与して
いることが示唆されている(榎戸靖,畠中寛、癌と化学
療法、 21(5), 615-620(1994), Gianluigi Forloni et.
al., Neuro Report, 4 (5), 523-526(1993))。更に、筋
萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、アルツ
ハイマー病等の神経変性疾患の一次的原因には多因子が
関与するが、それら変性疾患の二次的原因は神経発育因
子の機能低下によるアポトーシスであるという報告もあ
る(AndrewEisen and Charles Krieger, Can.J.Neurol.
Sci., 20(4), 286-296(1993))。またパーキンソン病の
黒質ニューロン変性には、ドーパミンにより誘導された
アポトーシスが関与していることが示唆されるという報
告もある(Ilan Ziv et.al., Neuroscience Letters, 1
70, 136-140(1994))。また筋萎縮性側索硬化症(AL
S)においても、酸素ストレスとニューロン障害との関
係が注目されており、酸素によって誘導されるニューロ
ン死が細胞内に備わる自殺メカニズムを介したアポトー
シスと類似の機構によって誘導されることが示唆されて
いる(榎戸靖,畠中寛、癌と化学療法、21(5), 615-620
(1994))。
【0018】更に薬剤耐性ウィルス性肝炎の肝障害にお
いては、薬剤又はウィルス感染により、直接的又は免疫
的機序を介するアポトーシス亢進が、肝障害に関与して
いると考えられている(Bursh,W., et al., TiPS, 13,
245-251(1992))。
【0019】一方、肝臓ではマイトジェンによって肝細
胞が増殖し、過形成状態をもたらすことが知られてお
り、この状態は肝細胞の脱落壊死、即ちアポトーシスに
より正常化される(Kerr,J.F. et al., Br.J.Cancer, 2
6, 239-257 (1972))。該アポトーシスは肝臓におい
て、過形成肝、過形成性結節及び肝癌等で認められてお
り(Columbano,A., et al., Lab.Invest., 52, 670-675
(1985) : Columbano,A. etal., Am.J.Pathol., 116, 44
1-446(1984))、ケラーらはアポトーシスは炎症や線維
増殖を伴わないと述べている(Kerr,J.F., et al., Lan
cet, 2, 827-828(1979))。
【0020】之等のことから、急性及び慢性肝炎に対し
てアポトーシスを抑制することができれば、之等肝炎の
治療が可能と考えられる。また慢性肝炎が肝硬変、肝癌
に移行していく過程では、上記アポトーシスは抑制状態
にあり、これがサイトトキシックT細胞による肝細胞の
炎症に続く線維化、肝硬変へと進展するものと考えら
れ、該アポトーシスを促進させることができれば、肝炎
の抑制及び肝硬変への進展が防止できると考えられる。
【0021】以上のように、アポトーシスは各種の疾患
に関与しており、これを調整(促進乃至抑制)すること
のできる薬剤の開発によれば、上記各種疾患の予防及び
治療が行ない得ることが予想でき、かかる薬剤の研究、
開発が当業界において注目されつつある。
【0022】一方、本発明者らは先に下記一般式(1)
で表わされるピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体
が、強い鎮痛作用を有しており、鎮痛剤として例えば術
後疼痛、偏頭痛、痛風、癌性疼痛、慢性疼痛、神経因性
疼痛等の痛みの症状緩和に有用であり、しかも、従来の
鎮痛剤にありがちな副作用もなく、幻覚や錯乱等をもた
らしたり、耽溺性や習慣性を起こしたりする虞もないこ
とを見出した(WO95/35298号)が、かかる鎮
痛作用は、上記アポトーシス調整作用とは異質のもので
あった。
【0023】
【化2】
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アポ
トーシス調整剤を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
より引き続き鋭意研究を重ねる過程において、上記本発
明者らが先に鎮痛作用を有することを見出したピラゾロ
〔1,5−a〕ピリミジン誘導体が、該鎮痛作用とは無
関係で、しかもこの作用からは予測できないアポトーシ
ス調整作用(抑制乃至促進作用)を有していることを新
たに見い出した。本発明は斯かる知見に基づき完成され
たものである。
【0026】即ち、本発明は、上記一般式(1)で表わ
されるピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体及びそ
の塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有
するアポトーシス調整剤に係る。
【0027】本発明アポトーシス調整剤は、アポトーシ
ス調整能を有しており、この作用に基づいて、前述した
ように各種の疾患の治療及び予防に有用である。より具
体的には、本発明調整剤は、例えば、癌;AIDS、A
RC(AIDS関連疾患)、ATL(成人T細胞白血
病:Adult T-cell leucemia )、毛様細胞性白血病(Ha
iry cell leucemia )、脊髄症(HAM/TSP)、呼
吸器障害(HAB/HABA)、関節症(HAAP)、
ブドウ膜炎(HAU)等のHIV又はHTLV−1関連
疾患やC型肝炎等のレトロウイルス関連疾患;SLE
(全身性エリテマトーデス)や慢性関節リウマチ(R
A)等の膠原病、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、
原発性胆汁性肝硬変、突発性血小板減少性紫斑病(Idio
pathic Thrombocytopenic Purapura: ITP) 、自己免疫
性溶血性貧血、重症筋無力症、橋本病、インスリン依存
型(I型)糖尿病等の自己免疫疾患;骨髄異形成症候群
(MDS)、周期性血小板減少症、再生不良性貧血、突
発性血小板減少症、汎発性血管内凝固症等の血小板減少
を伴う各種疾患;C型、A型、B型、F型等のウイルス
性や薬剤性の肝炎及び肝硬変等の肝疾患;アルツハイマ
ー病及びアルツハイマー型老年痴呆症;パーキンソン
病;ハンチントン病;プリオン疾患;心筋炎;、ARD
S(成人呼吸急迫症候群);筋萎縮性側索硬化症(AL
S);感染症;前立腺肥大症;子宮筋腫;気管支喘息;
動脈硬化症;各種先天性奇形症;腎炎;老人性白内障;
慢性疲労症候群(Chronic Fatigue syndrome: CFS)及び
筋ジストロフィー(Myotonic dystrophy);HIV関連
記憶障害等の記憶障害等の各種疾患に好適に適用でき、
医薬品分野で有効である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明アポトーシス調整剤におい
て有効成分とするピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘
導体は、前記一般式(1)で表わされ、該化合物はいず
れも本発明者らが先にその合成に成功したものである
(例えばWO95/35298号公報参照)。
【0029】本発明アポトーシス調整剤有効成分として
好ましい化合物としては、上記一般式(1)中、Qがカ
ルボニル基で、nが0である化合物;Qがカルボニル基
で、nが1であり且つR1 が低級アルキル基又はフェニ
ル基、R2 が置換基として低級アルコキシ基及びハロゲ
ン置換低級アルキル基から選ばれる基の1〜3個を有す
るフェニル基、R3 、R4 、R5 及びR6 がそれぞれ水
素原子及びAが単結合を示す化合物;並びにQがカルボ
ニル基で、nが0であり且つR1 が低級アルキル基、R
2 がハロゲン原子の1〜3個を有することのあるフェニ
ル基、R3 、R4 、R5 及びR6 がそれぞれ水素原子及
びAが単結合を示す化合物から選ばれる。
【0030】之等の中でも、下記(1)〜(3)の化合物はよ
り好ましい。(1) 一般式(1)中、R1 が置換基として
低級アルキルチオ基を有することのある低級アルキル基
又は置換基としてフェニルチオ基を有することのあるフ
ェニル基で、R2 が置換基として低級アルコキシ基、ハ
ロゲン原子及びハロゲン原子置換低級アルキル基から選
ばれる基の1〜3個を有するフェニル基で、R3 が水素
原子又はフェニル基で、R4 が水素原子、ハロゲン原子
又はフェニル基で、R5が水素原子で、R6 が水素原子
又は置換基としてハロゲン置換低級アルキル基を有する
ベンゾイル基で、Qがカルボニル基で、Aが単結合であ
る化合物、(2) 一般式(1)中、R3 、R4 及びR6
それぞれ水素原子で、nが0であって、R1 がn−ブチ
ル基で且つR2 が低級アルコキシ基の2〜3個を有する
フェニル基又はハロゲン置換低級アルキル基の1個を有
するフェニル基であるか或はR1 がフェニル基で且つR
2 が低級アルコキシ基の3個を有するフェニル基である
化合物、(3) 一般式(1)中、R2 が2,4−ジメトキ
シフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基又
は2−トリフルオロメチルフェニル基である化合物。
【0031】最も好ましい本発明有効成分化合物として
は、5−n−ブチル−7−(3,4,5−トリメトキシ
ベンゾイルアミノ)ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン
及び5−n−ブチル−7−(2−トリフルオロメチルベ
ンゾイルアミノ)ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジンか
ら選ばれるもの、特に、5−n−ブチル−7−(3,
4,5−トリメトキシベンゾイルアミノ)ピラゾロ
〔1,5−a〕ピリミジンを挙げることができる。
【0032】上記一般式(1)で表わされる化合物は、
前記公報に記載の各種方法により製造することができ
る。その具体例の概略を反応工程式を挙げて説明すれ
ば、次の通りである。
【0033】
【化3】
【0034】〔式中、R2 、R3 、R5 、n、Q及びA
は前記に同じ。R1aは水素原子、置換基としてチエニル
基、低級アルコキシ基又は低級アルキルチオ基を有する
ことのある低級アルキル基、シクロアルキル基、チエニ
ル基、フリル基、低級アルケニル基又は置換基として低
級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニルチオ基及び
ハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有することの
あるフェニル基を示し、またR1aはR5 と互いに結合し
て低級アルキレン基を形成してもよく、R4aは水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、フ
ェニル低級アルキル基又は置換基としてフェニルチオ基
を有することのあるフェニル基を、X及びYはそれぞれ
ハロゲン原子を、Zは低級アルキル基を、それぞれ示
す。〕上記反応工程式−1において、化合物(2)と化
合物(3)との縮合反応は、適当な不活性溶媒中、室温
〜溶媒の沸点範囲の温度条件下で実施される。ここで用
いられる不活性溶媒としては、酢酸、エタノール、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(TH
F)等を例示できる。化合物(2)と化合物(3)との
使用割合は、一般にほぼ等モル量程度とするのがよく、
反応は約2〜5時間を要して完了し、かくして所望の化
合物(4)を収得できる。
【0035】上記に引続く化合物(4)のハロゲン化反
応は、適当な脱酸剤、例えばN,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン、トリエチルアミン等の
存在下に、適当なハロゲン化剤、例えばオキシ塩化リ
ン、オキシ臭化リン等を用いて実施される。上記ハロゲ
ン化剤は溶媒をも兼ねるので、該反応には特に溶媒を用
いる必要はないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の他の不活性溶媒を用いることもできる。上記脱酸
剤の使用量は、通常化合物(4)に対して1〜10倍量
程度とするのがよく、反応は室温〜150℃程度の温度
条件下に約0.5〜12時間を要して実施される。
【0036】上記反応により得られるハロゲン化物
(5)は、これをアンモニア水又はヒドラジンで処理す
ることにより化合物(6)に変換できる。この処理は、
特に溶媒を必要とせず、通常化合物(5)を過剰量のア
ンモニア水と共に約100〜150℃で1〜12時間程
度加熱するか、又は、化合物(5)を過剰量のヒドラジ
ンと共に約0℃〜室温下で5〜30時間程度処理するこ
とにより実施できる。
【0037】かくして得られる化合物(6)は、次いで
これを酸ハロゲン化物(7)と反応させることにより、
化合物(1)に変換できる。この反応は、適当な溶媒
中、脱酸剤の存在下に実施できる。ここで溶媒としては
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル等
の芳香族乃至脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、1,
4−ジオキサン等の鎖状乃至環状エーテル類、アセト
ン、エチルメチルケトン、アセトフェノン等のケトン
類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素等を例示で
きる。また脱酸剤としては、トリエチルアミン、N,N
−ジエチルアニリン、N−メチルモルホリン、ピリジ
ン、4−メチルアミノピリジン等の第3級アミン類を好
ましく例示できる。
【0038】上記反応における化合物(6)に対する酸
ハロゲン化物(7)及び脱酸剤の使用量は、特に限定的
ではないが、通常酸ハロゲン化物は等モル量〜過剰モル
量程度、脱酸剤は等モル量〜少過剰モル量程度とするの
がよく、反応は室温〜溶媒の還流温度の条件下に約0.
5〜20時間程度で終了する。
【0039】上記化合物(6)のうち、nが0である化
合物(6′)は、下記反応工程式−1′に記載の方法に
よっても製造することができる。
【0040】
【化4】
【0041】〔式中、R1a、R3 、R4a及びR5 は前記
に同じ。〕 上記において、ニトリル誘導体(2′)と化合物(3)
との縮合反応は、トルエン、キシレン等の不活性溶媒
中、室温〜灌流温度の条件下にて2〜10時間程度を要
して行なわれる。尚、両化合物の使用割合は、ほぼ当モ
ル量程度とするのが一般的である。
【0042】
【化5】
【0043】〔式中、R2 、R3 、R5 、X、Y、A、
Q、Z及びnは前記に同じ。Ψは保護されたオキソ基を
有する低級アルキル基を、Φはオキソ基を有する低級ア
ルキル基を、Σはアシルオキシ基を有する低級アルキル
基を、Ωはトリ低級アルキルシリルオキシ基を有する低
級アルキル基を、R1bはヒドロキシ低級アルキル基を、
4bは水素原子、低級アルキル基、フェニル低級アルキ
ル基又は置換基としてフェニルチオ基を有することのあ
るフェニル基を、それぞれ示す。〕 上記反応工程式−2における化合物(8)と化合物
(9)との縮合反応は、前記反応工程式−1における化
合物(2)と化合物(3)との反応と同様にして実施で
きる。
【0044】尚、化合物(9)において、Ψで定義され
る保護されたオキソ基を有する低級アルキル基として
は、例えばジメチルアセタール、メチルエチルアセター
ル、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、ジブ
チルアセタール、ジペンチルアセタール、ジヘキシルア
セタール等のジ低級アルキルアセタールの残基を、保護
されたオキソ基として有する低級アルキル基や、エチレ
ンアセタール、トリメチレンアセタール、テトラメチレ
ンアセタール等の環状アセタールの残基を、同保護され
たオキソ基として有する低級アルキル基を例示すること
ができる。
【0045】次に、上記反応工程式−2に従う化合物
(10)の加水分解反応は、酢酸、プロピオン酸、p−
トルエンスルホン酸等の有機酸を用いて実施できる。上
記有機酸の内で、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸は
溶媒をも兼ねるので、之等を用いる場合は特に他の溶媒
を用いる必要はないが、之等を用いる場合でも、他の有
機酸を用いる場合と同様に、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の他の適当な不活性溶媒を用いることが
できる。反応は室温〜溶媒の還流温度付近にて、10〜
80時間程度を要して実施でき、かくして化合物(1
1)を収得できる。
【0046】尚、上記化合物(11)において、Φで定
義されるオキソ基を有する低級アルキル基としては、対
応するΨで定義される「保護されたオキソ基を有する低
級アルキル基」の有する保護基を脱離させたもの、例え
ばホルミル、ホルミルメチル、アセチル、2−ホルミル
エチル、2−オキソプロピル、プロピオニル、3−ホル
ミルプロピル、3−オキソブチル、2−オキソブチル、
ブチリル、4−ホルミルブチル、4−オキソペンチル、
3−オキソペンチル、2−オキソペンチル、バレリル、
5−ホルミルペンチル、5−オキソヘキシル、4−オキ
ソヘキシル、3−オキソヘキシル、2−オキソヘキシ
ル、ヘキサノイル基等を例示することができる。
【0047】上記に引続く化合物(11)の還元反応
は、不活性溶媒中、適当な還元剤を用いて実施できる。
還元剤としては、例えば水素化硼素ナトリウム、水素化
硼素カリウム、水素化硼素リチウム、水素化シアノ硼素
ナトリウム、水素化トリエチル硼素ナトリウム等の水素
化硼素化合物や、水素化アルミニウムリチウム、水素化
トリブトキシアルミノリチウム等のアルミニウムリチウ
ム水素化物等を例示することができる。また、不活性溶
媒としては、還元剤として水素化硼素化合物を用いる場
合は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒や
該アルコール系溶媒とジクロロメタン、ジエチルエーテ
ル等との混合溶媒を使用するのが好ましく、還元剤とし
てアルミニウムリチウム水素化物を用いる場合は、ジエ
チルエーテル、THF等のエーテル類を用いるのが好ま
しい。上記還元剤の使用量は、化合物(11)に対して
少なくとも等モル量程度とするのがよい。反応は、0℃
〜室温付近の温度下に約30分〜3時間程度を要して行
ない得る。
【0048】かくして得られる化合物(12)のアシル
化反応は、無溶媒又はピリジン、ルチジン、DMF、D
MA等の不活性溶媒中、アシル化剤を用いて実施でき
る。アシル化剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピ
オン酸、無水酪酸、無水吉草酸、無水ヘキサン酸、無水
ヘプタン酸等の酸無水物を使用できる。之等は通常化合
物(12)に対して1〜10倍当量で利用できる。反応
条件は、化合物(12)の7位のヒドロキシル基がアシ
ル化されないように、0℃〜室温付近の温度及び約30
分〜2時間程度の時間から適宜選択するのが好ましい。
【0049】上記で得られる化合物(13)のハロゲン
化反応は、反応工程式−1における化合物(4)のハロ
ゲン化反応と同様にして実施することができる。
【0050】また、得られる化合物(14)の化合物
(15)への変換反応も、反応工程式−1における化合
物(5)の化合物(6)への変換反応と同様の条件下に
実施できる。尚、上記反応により、化合物(14)にお
いてΣで定義されるアシルオキシ基を有する低級アルキ
ル基は、加水分解されてヒドロキシ低級アルキル基に変
換される。
【0051】上記で得られる化合物(15)のシリル化
反応は、例えばTHF、ジクロロメタン等の適当な不活
性溶媒中、脱酸剤の存在下に、ハロゲン化トリアルキル
シランを用いて実施できる。脱酸剤としては、例えば炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、N,
N−ジメチルアミノピリジン等を例示できる。またハロ
ゲン化トリアルキルシランとしては、例えば塩化トリメ
チルシラン、塩化トリエチルシラン、塩化トリプロピル
シラン、塩化トリブチルシラン、塩化ブチルジエチルシ
ラン等を例示できる。之等は一般に化合物(15)に対
して約等モル量〜過剰モル量用いることができ、反応は
室温付近の温度条件下に5〜30時間程度で完結する。
【0052】最後に、上記で得られる化合物(16)を
酸ハロゲン化物(7)と反応させることにより、所望の
化合物(1b)を収得できる。該反応も、反応工程式−
1における酸ハロゲン化物(7)を用いた反応と同様に
して行ない得る。尚、化合物(16)の5位の置換基Ω
は、この反応中及びその後の加水分解処理により、対応
するR1b基(ヒドロキシ低級アルキル基)に容易に変換
できる。
【0053】
【化6】
【0054】〔式中、R2 、R3 、R4a、R5 、X、
Y、Z、Q、A、n及びΨは前記に同じ。R1cはオキソ
基を有する低級アルキル基を示す。〕 上記反応工程式−3において、化合物(17)とニトリ
ル誘導体(18)との反応は、DMF、DMA、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)等の不活性溶媒中、水素化
ナトリウム、水素化カリウム等の塩基の存在下に実施で
きる。上記ニトリル誘導体(18)及び塩基の使用量
は、通常それぞれ化合物(17)に対して1〜過剰当量
とされ、反応は0℃〜室温付近の温度条件下に2〜10
時間を要して行なわれる。
【0055】次に、化合物(2”)と化合物(3)との
縮合反応は、反応工程式−1’における反応と同様にし
て実施できる。
【0056】また、化合物(19)の加水分解反応は、
反応工程式−2における加水分解反応と同様にして実施
できる。
【0057】更に、化合物(20)と化合物(7)との
反応は、反応工程式−1における反応と同様にして実施
できる。
【0058】
【化7】
【0059】〔式中、R2 、A、Q及びYは前記に同
じ。〕 上記反応工程式−4に示すように、前記反応工程式−
1、−2及び−3において用いられる酸ハロゲン化物
(7)は、化合物(21)をハロゲン化することにより
得ることができる。該ハロゲン化反応は、通常よく行な
われている方法に従うことができ、その例としては、例
えば化合物(21)を無溶媒又はクロロホルム、ジエチ
ルエーテル等の不活性溶媒中で、塩化チオニル、臭化チ
オニル等のハロゲン化剤と反応させる方法を例示でき
る。この方法において、ハロゲン化剤は過剰量用いられ
るのが一般的であり、反応は通常室温〜150℃程度の
温度下に約0.5〜5時間を要して行ない得る。
【0060】
【化8】
【0061】〔式中、R2 、R3 、R5 、A及びnは前
記に同じ。R1dは、水素原子、置換基として低級アルコ
キシ基又は低級アルキルチオ基を有することのある低級
アルキル基、シクロアルキル基、チエニル基、フリル基
又は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、
フェニルチオ基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜
3個を有することのあるフェニル基を示し、またR1d
5 とは互いに結合して低級アルキレン基を形成しても
よく、R4cはハロゲン原子を示す。〕 反応工程式−5に示す化合物(1d)のハロゲン化反応
は、ベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム等の不活性溶
媒中、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−クロ
ロコハク酸イミド(NCS)等のハロゲン化剤を用いて
実施できる。ハロゲン化剤の使用量は、化合物(1d)
に対して1当量〜少過剰量とするのが一般的であり、反
応は室温〜溶媒の還流温度程度の温度条件下に、約0.
5〜5時間を要して行ない得る。
【0062】
【化9】
【0063】〔式中、R3 、R4 、R5 及びYは前記に
同じ。R1eは、水素原子、置換基としてチエニル基、低
級アルコキシ基、低級アルキルチオ基又はオキソ基を有
することのある低級アルキル基、シクロアルキル基、チ
エニル基、フリル基、低級アルケニル基又は置換基とし
て低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニルチオ基
及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有するこ
とのあるフェニル基を示し、またR1eとR5 とは互いに
結合して低級アルキレン基を形成してもよく、R 2aはナ
フチル基、シクロアルキル基、フリル基、チエニル基、
ハロゲン原子で置換されることのあるピリジル基、ハロ
ゲン原子で置換されることのあるフェノキシ基又は置換
基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン
原子、ニトロ基、ハロゲン置換低級アルキル基、ハロゲ
ン置換低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル
基、フェニル低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカ
ノイルオキシ基、フェニル基及びジ低級アルコキシホス
ホリル低級アルキル基から選ばれる基の1〜3個を有す
ることのあるフェニル基を、R6aはフェニル低級アルキ
ル基又は置換基として低級アルコキシ基、ハロゲン置換
低級アルキル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜
3個を有するベンゾイル基を示す。〕 反応工程式−6において、化合物(1g)は、化合物
(1f)を不活性溶媒中、塩基の存在下に化合物(2
2)と反応させることにより得ることができる。ここ
で、R6aがフェニル低級アルキル基の場合は、上記不活
性溶媒としては、DMF、DMA、DMSO等を、また
塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム等を
例示できる。一方、R6aが置換基として低級アルコキシ
基、ハロゲン置換低級アルキル基及びハロゲン原子から
選ばれる基の1〜3個を有するベンゾイル基の場合は、
上記不活性溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタ
ン等を、塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジ
メチルアニリン等をそれぞれ例示できる。化合物(2
2)の使用量は、1〜少過剰当量とするのが一般的で、
また塩基の使用量は、1〜過剰当量とするのが好まし
い。反応は0℃〜室温程度の温度条件下に、3〜30時
間を要して行なわれる。
【0064】
【化10】
【0065】〔式中、R1a、R2 、R3 、R4a 、R
5 、X、Y、Q及びAは前記に同じ。R6 bは低級アルキ
ル基又はフェニル低級アルキル基を示す。〕 反応工程式−7における化合物(5)と化合物(23)
との反応は、メタノール、エタノール等の不活性溶媒
中、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の脱酸剤の存在下に、還流温度程度の温度条件で1
〜5時間程度を要して実施される。
【0066】得られる化合物(24)と化合物(7)と
の反応は、反応工程式−1に示した対応する反応と同様
にして行なうことができ、かくして化合物(1h)を収
得できる。
【0067】
【化11】
【0068】〔式中、R1e、R3 、R4a、R5 及びYは
前記に同じ。R2bは置換基として低級アルコキシ基、ハ
ロゲン原子及びハロゲン置換低級アルキル基から選ばれ
る基の1〜3個を有するフェニル基を、R6cは置換基と
して低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アルキル基及
びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有するベン
ゾイル基を示す。〕 反応工程式−8において、化合物(25)と化合物(2
6)との反応は、反応工程式−1に示した化合物(6)
と化合物(7)との反応と同様にして実施できる。この
際、主生成物(1i)と共に、副生成物(1j)が得ら
れる。
【0069】上記の如くして得られる本発明有効成分化
合物は、医薬的に許容される酸付加塩とすることがで
き、之等の塩もまた本発明において有効成分として利用
することができる。上記酸付加塩を形成させ得る酸とし
ては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、シュ
ウ酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸等の有
機酸を例示でき、この酸付加塩の形成反応は常法に従う
ことができる。
【0070】上記それぞれの工程により得られる目的化
合物は、通常の分離、精製手段により容易に単離するこ
とができる。該単離手段としては、一般に慣用される各
種の手段のいずれをも採用することができ、その例とし
ては、例えば、吸着クロマトグラフィー、プレパラティ
ブ薄層クロマトグラフィー、再結晶、溶媒抽出等を例示
できる。
【0071】尚、前記一般式(1)で表わされる化合物
中、Aがアルケニレン基である化合物及びR1 が低級ア
ルケニル基である化合物の一部は、シス、トランス異性
体構造をとることができ、本発明有効成分化合物には当
然に之等の両者が包含される。
【0072】また、一般式(1)で表わされる化合物中
の一部の化合物は、炭素原子を不斉中心とした光学異性
体が存在し、本発明ではかかる光学活性体及びラセミ体
の両者共有効成分化合物として利用することできる。
【0073】上記有効成分化合物は、通常適当な無毒性
製剤担体を用いて一般的な医薬製剤組成物の形態とされ
る。
【0074】本発明医薬製剤に利用される上記製剤担体
としては、製剤の使用形態に応じて、通常使用される充
填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、
滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を例示でき、これらは
得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用され
る。
【0075】上記医薬製剤の投与単位形態としては、各
種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なも
のとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆
粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、
軟膏剤等が挙げられる。
【0076】錠剤の形態に成形するに際しては、上記製
剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブド
ウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結
晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤、
水、エタノール、プロパノール、単シロツプ、ブドウ糖
液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロー
スカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン
末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウ
ム等の崩壊剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノ
グリセリド等の界面活性剤、白糖、ステアリン、カカオ
バター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウ
ム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリ
セリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリ
ン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製
タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリ
コール等の滑沢剤等を使用できる。更に錠剤は必要に応
じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被
包錠、腸溶被錠、フイルムコーテイング錠あるいは二重
錠、多層錠とすることができる。
【0077】丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担
体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、
硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴ
ム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合
剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0078】坐剤の形態に成形するに際しては、製剤担
体として例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高
級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチ
ン、半合成グリセライド等を使用できる。
【0079】カプセル剤は、常法に従い通常本発明の有
効成分化合物を上記で例示した各種の製剤担体と混合し
て硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調
整される。
【0080】液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として調製
される場合、之等は殺菌され且つ血液と等張であるのが
好ましく、之等の形態に成形するに際しては、希釈剤と
して例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロ
ピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコー
ル、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用でき
る。尚、この場合等張性の溶液を調整するに充分な量の
食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを本発明薬剤中に含
有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛
化剤等を添加してもよい。
【0081】更に、本発明薬剤中には、必要に応じて着
色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を
含有させることもできる。
【0082】ペースト、クリーム、ゲル等の軟膏剤の形
態に成形するに際しては、希釈剤として例えば白色ワセ
リン、パラフイン、グリセリン、セルロース誘導体、ポ
リエチレングリコール、シリコン、ベントナイト等を使
用できる。
【0083】本発明薬剤中に含有されるべき一般式
(1)で表わされる有効成分化合物の量は、特に限定さ
れず広範囲より適宜選択されるが、通常医薬製剤中に約
1〜70重量%程度含有されるものとするのがよい。
【0084】上記医薬製剤の投与方法は特に制限がな
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与さ
れ、注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の
補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単独で
筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤は直
腸内投与される。
【0085】上記医薬製剤の投与量は、その用法、患者
の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選
択されるが、通常有効成分である本発明化合物の量が1
日当り体重1kg当り約0.1〜50mg程度とするの
がよく、該製剤は1日に1〜4回に分けて投与すること
ができる。
【0086】本発明アポトーシス調整剤は、その有する
アポトーシス調整能の中に或いはこれに加えて、細胞の
分化誘導作用、癌細胞の増殖抑制作用、制癌作用、抗レ
トロウィルス作用、記憶障害改善作用、サイトカイン産
生抑制作用等を有しており、例えば制癌剤、癌転移抑制
剤、HIV関連記憶障害等の記憶障害改善剤、アルツハ
イマー病の治療及び予防剤、抗レトロウィルス剤、サイ
トカイン産生抑制剤等として、殊に好適に使用すること
ができる。
【0087】本発明アポトーシス調整剤は、例えばこれ
を制癌剤として用いる場合、その投与により、癌細胞を
分化させた後又は分化させることなく直接に、アポトー
シスの誘導を促進又は抑制でき、かくして制癌作用を発
揮する。またこの場合、本発明アポトーシス調整剤は、
その製剤形態及び投与経路にかかわらず、例えばこれを
癌の化学療法剤として知られている他の各種の制癌剤や
放射線療法と併用することができる。かくして、本発明
の有効成分化合物は優れた制癌効果を奏し得るため、併
用する他の制癌剤の効果を一層助長し、相乗効果を発揮
させることができる。従って、併用する制癌剤を通常用
いられる量よりかなり少量とする場合でも、充分な癌治
療効果が得られ、これにより併用制癌剤の副作用の軽減
化をはかることができる。かかる化学療法剤としては、
例えば5−フルオロウラシル(5−FU、協和発酵工業
株式会社製)、マイトマイシン(Mitomycin-C 、同上社
製)、フトラフール(FT−207、大鵬薬品工業株式
会社製)、エンドキサン(Endoxan 、塩野義製薬株式会
社製)、トヨマイシン(Toyomicin 、武田薬品工業株式
会社製)等を例示できる。
【0088】本発明アポトーシス調整剤は、ハンチント
ン病、パーキンソン病、ALSの治療及び予防剤として
も有用である。本発明の調整剤は、アポトーシスの抑制
により、上記治療及び予防効果を発揮する。
【0089】本発明アポトーシス調整剤は、アルツハイ
マー病の治療及び予防剤としても有用である。この場
合、例えば古典的なアルツハイマー病やアルツハイマー
型老年痴呆症患者において、本発明アポトーシス調整剤
はアポトーシスの抑制によりNGF様作用を示し、かく
して上記治療及び予防効果を発揮する。またこの場合、
本発明アポトーシス調整剤は従来公知の脳循環改善剤や
脳代謝改善剤等のアルツハイマー病治療剤と併用するこ
とができ、之等の効果を助長し、之等による副作用を軽
減できる場合がある。
【0090】また本発明アポトーシス調整剤は、抗レト
ロウィルス作用を有しており、前述した各種のHIV又
はHTLV−I関連疾患やC型肝炎等のレトロウィルス
関連疾患に有用な抗レトロウィルス剤として好適に利用
できる。
【0091】更に本発明アポトーシス調整剤は、アポト
ーシスを制御することにより、HIV関連記憶障害等の
記憶障害の治療及び予防剤として利用することができ
る。
【0092】また、本発明アポトーシス調整剤は、サイ
トカインの産生抑制作用を有し、サイトカインの異常産
生を伴う各種疾患、殊に細菌や寄生虫の感染症〔医学の
あゆみ, 159 (8), 467-470, 471-474, 1991参照〕、R
A〔Arthritic Rheum., 31, 1041, 1988; 同34, 1125,
1991; J.Immunol., 145, 4154, 1990; 同22, 1907,199
2; Bri.J.Rheum., 31, 293, 1992; Eur.J.Immunol.,18,
1797, 1989等参照〕、ARDS〔Nature, 324, 73, 19
86 〕、ウィルス性肝炎の劇症化〔Lancet, ii,72, 198
6〕、CSF〔日本臨床, 50 (11), 51-55, 1992; J. In
fectious Diseases, 165, 994-1000, 1992 等参照〕、
高γ−グロブリン血症、急性期蛋白質の増加を伴う心房
内粘液腫やキャストルマン(Castleman )症候群〔Bloo
d, 74, 1360, 1989; Eur. J. Immunol., 18, 1797, 198
9〕、メサンギウム増殖性腎炎(PGN)〔治療学,24
(1), 49, 1990〕及び前述した各種の自己免疫疾患やH
IV又はHTLV−1関連疾患に、サイトカイン産生抑
制剤として、好適に利用される。
【0093】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、製
剤例及び薬理試験例を掲げる。
【0094】
【製剤例1】錠剤の調製 有効成分として5−n−ブチル−7−(3,4,5−ト
リメトキシベンゾイルアミノ)ピラゾロ〔1,5−a〕
ピリミジン(以下「化合物1」という)を用いて、1錠
当りその300mgを含有する錠剤(2000錠)を、
次の処方により調製した。 化合物1 600g 乳糖(日本薬局方品) 67g コーンスターチ(日本薬局方品) 33g カルボキシメチルセルロースカルシウム(日本薬局方品) 25g メチルセルロース(日本薬局方品) 12g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 3g 即ち、上記処方に従い、化合物1、乳糖、コーンスター
チ及びカルボキシメチルセルロースカルシウムを充分混
合し、メチルセルロース水溶液を用いて混合物を顆粒化
し、24メッシュの篩を通し、これをステアリン酸マグ
ネシウムと混合して、錠剤にプレスして、目的の錠剤を
得た。
【0095】
【製剤例2】カプセル剤の調製 有効成分として化合物1を用いて、1カプセル当りその
200mgを含有する硬質ゼラチンカプセル(2000
錠)を、次の処方により調製した。 化合物1 400g 結晶セルロース(日本薬局方品) 60g コーンスターチ(日本薬局方品) 34g タルク(日本薬局方品) 4g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 2g 即ち、上記処方に従い、各成分を細かく粉末にし、均一
な混合物となるように混和した後、所望の寸法を有する
経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的のカプセ
ル剤を得た。
【0096】
【製剤例3】注射剤の調製 化合物1 200mg ブドウ糖 250mg 注射用蒸留水 適 量 全 量 5ml 注射用蒸留水に化合物1及びブドウ糖を溶解させた後、
5mlのアンプルに注入し、窒素置換後121℃で15
分間加圧滅菌を行なって上記組成物の注射剤を得る。
【0097】
【製剤例4】フィルムコーティング錠の調製 化合物1 100g アビセル(商標名、旭化成(株)製) 40g コンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g TC−5(商品名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシプロピルメチルセルロー ス) 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g メタノール 40g 化合物1、アビセル、コンスターチ及びステアリン酸マ
グネシウムを取り混合研磨後、糖衣R10mmのキネで
打錠する。得られた錠剤をTC−5、ポリエチレングリ
コール−6000、ヒマシ油及びメタノールからなるフ
ィルムコーティング剤で被覆を行ない、上記組成のフィ
ルムコーティング錠を製造する。
【0098】
【薬理試験例1】神経細胞保護作用 (1)試験方法 19日齢のラット胎仔より大脳皮質を摘出、単離し、イ
ーグルMEM培地で初代培養を行なった。培養の1〜7
日目は10%ウシ胎仔血清を、8日目以降は10%ウマ
血清を培地に添加した。培養6日目から2日間、アラビ
ノシルシトシン10μMを培地に添加することによりグ
リア細胞などの非神経細胞の増殖を抑制した。培地は週
3回交換した。
【0099】培養12日目の培地交換を最後に、以降培
地交換を中止した。この12日目以降を「エージング(a
ging)処理」といい、この12日目をエージング処理1
日目とする。エージング処理については、文献(Ishitan
i et al., Journal of Neurochemistry, 66, 928-935
(1996))が参照される。
【0100】エージング処理4日目及び6日目に供試薬
物として化合物1の1.0μM(本発明群)又はNGF
(神経成長因子、シグマ社製)の100ng/ml(比
較群)を培地に添加し、5,6,7及び8日目にトリパ
ンブルー排斥法を用いて、細胞の生存率を判定した。供
試薬物無添加の対照群1を設けた。また、対照群2とし
て、上記エージング処理を行なうことなく、週3回の培
地交換を続ける群を設け、同様にして、生存率を判定し
た。 (2)結果 上記試験の結果(同一試験を5回繰り返した平均値)を
図1〜図4(縦軸:生存率(%)、横軸:各群)に示
す。
【0101】図1はエージング処理5日目(培養16日
目)の結果であり、図2はエージング処理6日目、図3
は7日目及び図4は8日目の結果である。
【0102】上記試験の結果より、本発明の有効成分化
合物は、ラット大脳皮質(神経細胞)に対してアポトー
シス抑制作用を発現することが明らかである。
【0103】このことから、本発明薬剤は、アポトーシ
スが関与する神経変性疾患、例えばアルツハイマー型痴
呆、老年性痴呆、虚血後の脳機能障害、ハンチントン
病、パーキンソン病等の治療、予防剤として有効である
と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬理試験例1に従う神経細胞保護作用試験のエ
ージング処理5日目の細胞の生存率を判定した結果を示
すグラフである。
【図2】薬理試験例1に従う神経細胞保護作用試験のエ
ージング処理6日目の細胞の生存率を判定した結果を示
すグラフである。
【図3】薬理試験例1に従う神経細胞保護作用試験のエ
ージング処理7日目の細胞の生存率を判定した結果を示
すグラフである。
【図4】薬理試験例1に従う神経細胞保護作用試験のエ
ージング処理8日目の細胞の生存率を判定した結果を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/00 A61P 11/00 11/06 11/06 13/12 13/12 15/00 15/00 21/00 21/00 25/16 25/16 25/28 25/28 27/12 27/12 29/00 101 29/00 101 31/12 31/12 31/18 31/18 35/00 35/00 35/02 35/02 37/02 37/02 43/00 43/00 // C07D 487/04 142 C07D 487/04 142 Fターム(参考) 4C050 AA01 BB05 CC08 EE03 FF01 GG04 HH01 HH02 HH03 4C086 AA01 AA02 CB06 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 ZA33 ZA45 ZA51 ZA53 ZA59 ZA75 ZA81 ZA94 ZB07 ZB21 ZB26 ZB27 ZB33 ZC35 ZC55

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1 は水素原子、置換基としてチエニル基、低
    級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、オキソ基又はヒ
    ドロキシル基を有することのある低級アルキル基、シク
    ロアルキル基、チエニル基、フリル基、低級アルケニル
    基又は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ
    基、フェニルチオ基及びハロゲン原子から選ばれる基の
    1〜3個を有することのあるフェニル基を、R2 はナフ
    チル基、シクロアルキル基、フリル基、チエニル基、ハ
    ロゲン原子で置換されることのあるピリジル基、ハロゲ
    ン原子で置換されることのあるフェノキシ基又は置換基
    として低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
    子、ニトロ基、ハロゲン置換低級アルキル基、ハロゲン
    置換低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、
    ヒドロキシル基、フェニル低級アルコキシ基、アミノ
    基、シアノ基、低級アルカノイルオキシ基、フェニル基
    及びジ低級アルコキシホスホリル低級アルキル基から選
    ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基を、
    3 は水素原子、フェニル基又は低級アルキル基を、R
    4 は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシカルボ
    ニル基、フェニル低級アルキル基、置換基としてフェニ
    ルチオ基を有することのあるフェニル基又はハロゲン原
    子を、R5 は水素原子又は低級アルキル基を、R6 は水
    素原子、低級アルキル基、フェニル低級アルキル基又は
    置換基として低級アルコキシ基、ハロゲン置換低級アル
    キル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有
    するベンゾイル基を示し、またR1 及びR5 は互いに結
    合して低級アルキレン基を形成してもよく、Qはカルボ
    ニル基又はスルホニル基を、Aは単結合、低級アルキレ
    ン基又は低級アルケニレン基をそれぞれ示し、nは0又
    は1を示す。〕で表わされるピラゾロ〔1,5−a〕ピ
    リミジン誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種
    を有効成分として含有するアポトーシス調整剤。
  2. 【請求項2】 有効成分が、請求項1に記載の一般式
    中、Qがカルボニル基で、nが0である化合物;Qがカ
    ルボニル基で、nが1であり且つR1 が低級アルキル基
    又はフェニル基、R2 が置換基として低級アルコキシ基
    及びハロゲン置換低級アルキル基から選ばれる基の1〜
    3個を有するフェニル基、R3 、R4 、R5 及びR6
    それぞれ水素原子及びAが単結合を示す化合物;並びに
    Qがカルボニル基で、nが0であり且つR1 が低級アル
    キル基、R2 がハロゲン原子の1〜3個を有することの
    あるフェニル基、R3 、R4 、R5 及びR6 がそれぞれ
    水素原子及びAが単結合を示す化合物から選ばれるピラ
    ゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体である請求項1に
    記載のアポトーシス調整剤。
  3. 【請求項3】 有効成分が、請求項2に記載のピラゾロ
    〔1,5−a〕ピリミジン誘導体中、R1 が置換基とし
    て低級アルキルチオ基を有することのある低級アルキル
    基又は置換基としてフェニルチオ基を有することのある
    フェニル基で、R2 が置換基として低級アルコキシ基、
    ハロゲン原子及びハロゲン原子置換低級アルキル基から
    選ばれる基の1〜3個を有するフェニル基で、R3 が水
    素原子又はフェニル基で、R4 が水素原子、ハロゲン原
    子又はフェニル基で、R5 が水素原子で、R6 が水素原
    子又は置換基としてハロゲン置換低級アルキル基を有す
    るベンゾイル基で、Qがカルボニル基で、Aが単結合で
    ある化合物から選ばれるものである請求項1に記載のア
    ポトーシス調整剤。
  4. 【請求項4】 有効成分が、請求項3に記載のピラゾロ
    〔1,5−a〕ピリミジン誘導体中、R3 、R4 及びR
    6 がそれぞれ水素原子で、nが0で、R1 がn−ブチル
    基で且つR2 が低級アルコキシ基の2〜3個を有するフ
    ェニル基又はハロゲン置換低級アルキル基の1個を有す
    るフェニル基であるか或はR1 がフェニル基で且つR2
    が低級アルコキシ基の3個を有するフェニル基である化
    合物から選ばれるものである請求項1に記載のアポトー
    シス調整剤。
  5. 【請求項5】 有効成分が、請求項4に記載のピラゾロ
    〔1,5−a〕ピリミジン誘導体中、R2 が2,4−ジ
    メトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニ
    ル基又は2−トリフルオロメチルフェニル基である化合
    物から選ばれるものである請求項1に記載のアポトーシ
    ス調整剤。
  6. 【請求項6】 有効成分が、5−n−ブチル−7−
    (3,4,5−トリメトキシベンゾイルアミノ)ピラゾ
    ロ〔1,5−a〕ピリミジン及び5−n−ブチル−7−
    (2−トリフルオロメチルベンゾイルアミノ)ピラゾロ
    〔1,5−a〕ピリミジンから選ばれるものである請求
    項1に記載のアポトーシス調整剤。
  7. 【請求項7】 有効成分が、5−n−ブチル−7−
    (3,4,5−トリメトキシベンゾイルアミノ)ピラゾ
    ロ〔1,5−a〕ピリミジンである請求項1に記載のア
    ポトーシス調整剤。
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