JP2946377B2 - TNF−α及びIL−6産生抑制剤 - Google Patents

TNF−α及びIL−6産生抑制剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のカルボスチリル
誘導体を有効成分とするTNF−α産生抑制剤に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】生体の免疫応答、炎症反応、造
血反応等の生体機能の発現を抑制する蛋白因子として数
多くのサイトカインが発見され、その構造や作用が解明
されるにつれて、該サイトカインの作用が免疫系に限ら
ず、生体の様々な機能に影響を及ぼし、生体の発生、分
化、恒常性維持や病態生理とも関連深いことが明らかに
されつつある。
【0003】上記サイトカインの内でTNF(Tumor Ne
crosis Factor:腫瘍壊死因子)は、抗腫瘍性のサイトカ
インとして発見され、抗癌剤として期待されたが、その
後、悪液質誘発因子であるカケクチンと同一であること
が判り、IL−1等の他のサイトカインの産生刺激作用
や、線維芽細胞に対する増殖作用、エンドトキシンショ
ック誘発作用、内皮細胞の白血球付着蛋白であるICA
M−1、ICAM−2(Intercellular adhesion molec
ulas)、ELAM(Endothelial Leukocyte adhesion m
olecule-1 )等を増加させて白血球が内皮細胞に付着す
るのを促進する作用、骨吸収の作用、軟骨破壊作用等の
関節炎の成因作用等が報告されている〔Beutler,B., et
al., Nature, 316, 552-554(1985) : Peetre,C., et a
l., J.Clin.Invest., 78, 1694-1700(1986) : Kurt-Jon
es,E.A., et al., J.Immunol., 139, 2317-2324(1987)
: Bevilacqua,M.P., et al., Science, 241, 1160-116
5(1989) : Akatu,K. & Suda,T., Medical Practice, 8
(9) 1393-1396(1991)〕。
【0004】更に、細菌や寄生虫の感染症では、血液中
や髄液中のTNFの濃度が上昇すると報告されている
〔Mituyama,M.,医学のあゆみ, 159 (8) 467-470(1991)
: Nakao,M., 医学のあゆみ, 159 (8) 471-474(1991)
〕。
【0005】また、慢性関節リウマチ(Rheumatoid Art
hritis; RA)でも、関節液中や血清中にTNF活性が認
められ、この活性はTNF−α活性であると報告されて
いる〔Saxne,T., et al., Arthritis Rheum., 31, 1041
(1988) : Chu,C.Q., et al.,Arthritis Rheum.,34, 112
5-1132(1991) : Macnaul,K.L., et al., J.Immunol., 1
45, 4154-4166(1990) : Brennan,F.M., et al., J.Immu
nol.,22, 1907-1912(1992) : Brennan,F.M., et al., B
ri.J.Rheum., 31, 293-298(1992) 〕。
【0006】また、重篤な呼吸器疾患であるARDS
(Adult Respiratory Distress Syndrom: 成人呼吸窮迫
症候群)患者の喀痰中でもTNF濃度が上昇しているこ
とが報告され〔Millar,A.B., et al., Nature, 324, 73
(1986)〕、ウィルス性肝炎の劇症化にもTNFが関与す
るとされている〔Muto,Y., et al., Lancet, ii, 72-74
(1986)〕。
【0007】一方、IL−6は、B細胞を増殖させずに
その分化を誘導し、抗体の産生を促進させるサイトカイ
ンで、184個のアミノ酸からなる分子量21000の
蛋白質であり〔Hirano,T. et al., Nature, 324, 73(19
86) 〕、これは当初該B細胞の分化因子といわれてい
た。該IL−6は、IL−1やTNF等の刺激により産
生され、B細胞の分化、T細胞の増殖・分化、キラーT
細胞の誘導、急性期蛋白の誘導、多能性幹細胞の増殖、
巨核球の分化に作用することが知られている〔Hirano,
T., et al.,治療学, 24(1), 49-52(1990)〕。
【0008】該IL−6と各種疾患との関連としては、
前記TNF−αと同様に、慢性関節リウマチ患者の関節
液中や滑膜組織の培養上清中に該IL−6が多量に検出
されること〔Hirano,t. et al., Eur.J.Immunol., 18,
1797(1989)〕、高γ−グロブリン血症、急性期蛋白質の
増加を伴う心房内粘液腫やキャストルマン(Castleman)
症候群の培養上清中に高濃度のIL−6活性が認められ
ること〔Yoshizaki,K., et al., Blood,74, 1360(1989)
: Hirano,T., Eur.J.Immunol., 18, 1797(1989)〕等が
報告されている。また、メサンギウム増殖性腎炎(PG
N)患者において、尿中IL−6が健常者や微小変化群
に比して高値を示し、その程度がメサンギウム細胞の増
殖の程度と相関している旨の報告もある〔Yoshida,K. &
Hirano,T., 治療学, 24 (1) 49-52(1990)〕。
【0009】上記の他に、皮膚のケラチノサイトの増殖
誘導、骨吸収の促進、破骨細胞の形成の促進や急性心筋
梗塞患者の血清中IL−6濃度が高値を示すとの報告も
ある〔Ikeda,U., et al., 医学のあゆみ, 158 (11), 75
3(1991) 〕。
【0010】しかるに、現在、上記慢性関節リウマチ、
エンドトキシンショックやARDS等の各疾患に対して
満足できる結果を奏する化学療法剤は、尚開発されてお
らず、ステロイド剤や抗炎症剤、血小板凝集抑制剤、抗
生物質等が対症療法的に適用されているに過ぎない。ま
た、上記の通り、之等各疾患と、TNF−α或いはIL
−6の濃度上昇や活性上昇とが、深い関連を持つことが
示唆されるに至り、最近TNF−α抗体等の之等の疾患
治療への適用も試みられつつあるが、之等も尚、満足な
結果を得られるには至っておらず、かかる各疾患の治療
のための、殊にTNF−αやIL−6の過剰産生を抑制
できる新しい作用機序による薬剤の開発が当業界で要望
される現状にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記当
業界の要望に合致するTNF−α及びIL−6の異常産
生を抑制して、前記各種疾患の治療を行ない得る新しい
TNF−α及びIL−6の産生抑制剤を提供する点にあ
る。
【0012】本発明者らは、上記目的より鋭意研究を重
ねた結果、本発明者らが強心剤有効成分として先に開発
した下記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体
及びその塩が、上記目的に合致する新しい作用機序によ
るTNF−α産生抑制剤乃至IL−6産生抑制剤として
有効であるという事実を見出し、ここに本発明を完成す
るに至った。
【0013】即ち、本発明によれば下記一般式(1)で
表わされるカルボスチリル誘導体及び/又はその塩を有
効成分とするTNF−α産生抑制剤及びIL−6産生抑
制剤が提供される。
【0014】
【化2】
【0015】〔式中Rはフェニル環上に低級アルコキシ
基を有することのあるベンゾイル基を示す。カルボスチ
リル骨格の3位と4位との炭素間結合は一重結合又は二
重結合を示す。〕また本発明によれば、特に上記カルボ
スチリル誘導体が6−〔4−(3,4−ジメトキシベン
ゾイル)−1−ピペラジニル〕−3,4−ジヒドロカル
ボスチリル及び/又はその塩である上記TNF−α産生
抑制剤及びIL−6産生抑制剤が提供される。
【0016】本発明抑制剤において、有効成分とする一
般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体及びその塩
並びに之等の製法については、例えば特公平1−437
47号公報に記載されており、該カルボスチリル誘導体
が強心剤として有用であることも公知である。しかる
に、本発明に係わるTNF−α及びIL−6の産生抑制
効果は、上記カルボスチリル誘導体の強心作用とは関連
がなく、勿論、該強心作用からは予測できるものではな
い。
【0017】上記一般式(1)において示される各基
は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0018】即ち、低級アルコキシ基としては、例えば
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコ
キシ基を例示できる。
【0019】フェニル環上に置換基として低級アルコキ
シ基を有することのあるベンゾイル基としては、例えば
ベンゾイル、2−メトキシベンゾイル、3−メトキシベ
ンゾイル、4−メトキシベンゾイル、2−エトキシベン
ゾイル、3−エトキシベンゾイル、4−エトキシベンゾ
イル、3−イソプロポキシベンゾイル、4−ブトキシベ
ンゾイル、2−ペンチルオキシベンゾイル、3−ヘキシ
ルオキシベンゾイル、3,4−ジメトキシベンゾイル、
2,5−ジメトキシベンゾイル、3,4,5−トリメト
キシベンゾイル基等のフェニル環上に置換基として炭素
数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を1〜3個有
することのあるベンゾイル基を例示できる。
【0020】また上記一般式(1)で表されるカルボス
チリル誘導体の塩には、薬理学的に許容される酸付加塩
が包含される。該塩を形成する酸性化合物としては、具
体的には例えば硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸
等の無機酸、蓚酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を例示する
ことができる。
【0021】本発明薬剤の有効成分である一般式(1)
で表わされるカルボスチリル誘導体及び/又はその塩
は、通常、一般的な医薬製剤の形態で用いられる。かか
る製剤は、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付
湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤乃至賦形
剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形
態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとし
ては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、
カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等を例示
できる。
【0022】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボ
キシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、
リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾
燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミ
ナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル
硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプ
ン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバタ
ー、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩
基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリ
ン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、
ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タル
ク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコー
ル等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤は必要に応じ通
常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包
錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重
錠、多層錠とすることができる。
【0023】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知なるものを広く使用でき、例え
ばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、
カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガ
ント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン
カンテン等の崩壊剤等が例示できる。
【0024】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
して従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレ
ングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコ
ールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を
挙げることができる。
【0025】注射剤として調製される場合には、液剤及
び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好まし
く、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形するに際
しては、希釈剤としてこの分野において慣用されている
ものを全て使用でき、例えば水、エチルアルコール、プ
ロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げるこ
とができる。尚、この場合等張性の溶液を調製するに充
分な量の食塩、ブドウ糖、グリセリン等を医薬製剤中に
含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、
保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製
剤中に含有させてもよい。
【0026】本発明薬剤中に有効成分として含まれる一
般式(1)の化合物の量は、特に限定されず広範囲より
適宜選択されるが、通常全組成物中約1〜70重量%、
好ましくは約1〜30重量%程度の範囲とするのが適当
である。
【0027】かくして得られる本発明医薬製剤の投与方
法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性
別、その他の条件、疾患の程度に応じて決定される。例
えば、注射剤形態の医薬製剤は、静脈内、筋肉内、皮
下、皮内、腹腔内投与等により投与され得る、これは必
要に応じてブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合し
て静脈内投与することもできる。錠剤、丸剤、顆粒剤、
カプセル剤等の固剤形態や経口投与用液剤形態の本発明
医薬製剤は、経口又は経腸投与され得る。また坐剤は直
腸内投与できる。
【0028】 本発明薬剤の投与量は、広範囲から適宜
選択でき、特に限定されるものではないが、通常の臨床
利用に際しては、一般式(1)のカルボスチリル誘導体
(及びその塩)が、通常一日当り体重1kg当り約0.
5〜30mg程度の範囲から選択される量とされるのが
よく、前記投与単位形態中に有効成分が約1〜1000
mg含有されるのが適当である。また本発明TNF−α
及びIL−6産生抑制剤の投与は、一日1回又は一日3
〜4回に分けることもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(1)で表わさ
れるカルボスチリル誘導体及び/又はその塩を有効成分
とするTNF−α及びIL−6産生抑制剤が提供され
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため製剤
例及び薬理試験例を挙げる。
【0031】
【製剤例1】 6−〔4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル〕−3,4− ジヒドロカルボスチリル 5mg デンプン 132mg マグネシウムステアレート 18mg乳糖 45mg 計 200mg 1錠中、上記組成物の錠剤を製造した。
【0032】
【製剤例2】 6−〔4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル〕−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150g アビセル(商標名,旭化成(株)製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g メタノール 40g 上記有効成分化合物、アビセル、コーンスターチ及びス
テアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油及びメタノールからなるフィルムコーティ
ング剤で被覆を行ない、フィルムコーティング錠を製造
する。
【0033】
【製剤例3】 6−〔4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル〕−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150.0g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール(カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール(カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ラウリル硫酸ナトリウム 3.0g 乾燥スタアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適量 上記有効成分化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二
カルシウム、プルロニックF−68及びラウリル硫酸ナ
トリウムを混合する。
【0034】 上記混合物をNo.60スクリーンにて
篩別し、ポリビニルピロリドン、カルボワックス150
0及びカルボワックス6000を含むアルコール性溶液
で湿式粒状化する。必要に応じてアルコールを添加し、
粉末をペート状塊にする。コーンスターチを添加し、
均一な粒子が形成されるまで混合を続ける。No.10
スクリーンを通過させ、トレイに入れ、100℃のオー
ブンで12〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16
スクリーンで篩別し、乾燥ラウリル硫酸ナトリウム及び
乾燥ステアリン酸マグネシウムを加え、混合し、打錠機
で所望の形状に圧縮成形する。
【0035】上記芯部をワニスで処理し、タルクを散布
して湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を被
覆する。内服用のために充分な回数のワニス被覆を行な
う。錠剤を完全に丸く且つ滑らかにするために、更に下
塗り層及び平滑被覆を適用する。所望の色合が得られる
まで着色被覆を行なう。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一
な光沢の錠剤を調製する。
【0036】
【薬理試験例1】供試化合物として、6−〔4−(3,
4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル〕−
3,4−ジヒドロカルボスチリル(以下「化合物1」と
いう)を用いて、以下の薬理試験を行なった。
【0037】即ち、雄性BALB/cマウス(日本SL
C社より購入)を4群(1群5匹)に分け、各群マウス
に、P. acnes加熱死菌3mg/bodyを静脈内投与し、そ
の7日後にLPS(Salmonella enteritidis由来、シグ
マ社製)5μg/マウスを静脈内投与した。
【0038】上記LPS投与1時間前に、第1群には化
合物1の100mg/kg(0.5%カルボキシメチル
セルロース(CMC、第一工業製薬社製)溶液)を、第
2群(コントロール、溶媒群)には対照化合物として
0.5%CMCを、それぞれ経口投与した。
【0039】血清中のTNF−α濃度は上記LPS投与
1時間目にピーク値を示すので、この時点での血清中T
NF−α濃度を、ファクターテストmTNF−α(FACTO
R TEST mTNF-α)(Genzyme 社製)を用いて測定すると
共に、同時点でのIL−6濃度をミューリンIL−6E
LISAキット(Murine IL-6 ELISA Kit) (Endogen社
製)を用いて測定した。
【0040】得られた結果を、Mean±S.E.にて表1に示
す。
【0041】尚、表1には、何らの供試薬物も投与しな
かったLPS刺激マウスの結果を非投与群として併記す
る。また、表1には、スチューデンツTテストに従う統
計学的検定結果(溶媒群に対する)を、*印(p<0.
05)及び**印(p<0.01)として示す。
【0042】
【表1】
【0043】上記表1より、溶媒群と比較して、本発明
群(第1群、化合物1投与群)では、両サイトカインの
血中濃度の上昇に対する抑制作用が認められ、特に、T
NF−αに対して有意な抑制作用が認められた。
【0044】
【薬理試験例2】供試化合物として化合物1を用いて、
以下の薬理試験を行なった。
【0045】即ち、健常人ボランティアの末梢血200
μlを、化合物1の30μg/ml及びLPSの0.1
μg/mlを含む、10%FBS含有RPMI−164
0培地2ml中で24時間培養した。遠心分離後、上清
を採取し、その中に含まれるTNF−α濃度をEIA法
にて測定した(化合物1添加群)。
【0046】得られた結果を、Mean±S.E.にて表2に示
す。
【0047】尚、表2には、化合物1無添加の結果を無
添加群として示し、この無添加群の結果に対する上記化
合物1添加群の結果を、スチューデンツTテストに従う
統計学的検定を行ない、**印(p<0.01)として
示す。
【0048】
【表2】
【0049】上記表2より、化合物1投与群では、TN
F−αの有意な産生抑制作用が認められた。
【0050】
【薬理試験例3】供試化合物として化合物1を用いて、
以下の通り、慢性関節リウマチ患者(4例)の培養滑膜
細胞のTNF−α産生遊離に対する該化合物の影響を調
べる薬理試験を行なった。
【0051】 即ち、慢性関節リウマチ患者に対する人
工関節置換術及び滑膜切除術の際に摘出された滑膜組織
にコラーナーゼ処理を施して滑膜細胞を得た。以下こ
れを各患者毎に検体No.1〜4とする。之等各細胞を
10%FCS添加MEM培養液にて、1×106個/ウ
ェルに調整して、24ウェルプレート(コーニング社
製)の各ウェルにて培養した。
【0052】一方、化合物1をジメチルスルホキシド
(DMSO)に溶解して3mg/ml、10mg/ml
及び30mg/mlの濃度に調整後、3、10及び30
μg/mlの濃度となるようにそれぞれ3つのウェルに
添加した。尚、対照としてDMSOのみ添加(化合物1
無添加)の3ウェルを設けた。
【0053】また、上記細胞培養は、1μg/mlのL
PSを別途添加して刺激した細胞についても同様に行な
った。
【0054】培養開始約36時間後に培養上清を回収
し、該上清中のTNF−α濃度を、ELISA法(特開
平2−227095号公報参照)に従い測定した。
【0055】得られた結果(Mean±S.E.)を下記表3に
示す、尚、表3の測定値につきダネー(Dunnet)検定に
よる統計学的解析を行なった結果を、*印(p<0.0
5)及び**印(p<0.01)として示す。
【0056】
【表3】
【0057】上記表3より、化合物1は、その10μg
/ml及び30μg/ml濃度での利用によって、リウ
マチ患者の滑膜細胞培養上清中のTNF−α濃度を有意
に抑制できることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 弘之 徳島県徳島市中通町3丁目11番地 (72)発明者 赤松 聖司 徳島県鳴門市大麻町川崎223−1 (72)発明者 齋藤 史郎 群馬県高崎市山名町2294−80 (56)参考文献 特許2628106(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/495 ABG A61K 31/495 ACD C07D 215/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中Rはフェニル環上に低級アルコキシ基を有するこ
    とのあるベンゾイル基を示す。カルボスチリル骨格の3
    位と4位との炭素間結合は一重結合又は二重結合を示
    す。〕で表わされるカルボスチリル誘導体及び/又はそ
    の塩を有効成分とする、アポトーシス調整作用を介さな
    いTNF−α産生抑制作用に基づくTNF−α産生抑制
    剤。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 〔式中Rはフェニル環上に低級アルコキシ基を有するこ
    とのあるベンゾイル基を示す。カルボスチリル骨格の3
    位と4位との炭素間結合は一重結合又は二重結合を示
    す。〕で表わされるカルボスチリル誘導体及び/又はそ
    の塩を有効成分とする、TNF−αの異常産生に起因す
    る疾患におけるTNF−αの異常産生を抑制する製剤。
  3. 【請求項3】 カルボスチリル誘導体が6−〔4−
    (3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニ
    ル〕−3,4−ジヒドロカルボスチリルである請求項1
    又は2に記載の剤。
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