JP3008010B2 - Il−8産生抑制剤及びmcaf産生抑制剤 - Google Patents

Il−8産生抑制剤及びmcaf産生抑制剤

Info

Publication number
JP3008010B2
JP3008010B2 JP07154923A JP15492395A JP3008010B2 JP 3008010 B2 JP3008010 B2 JP 3008010B2 JP 07154923 A JP07154923 A JP 07154923A JP 15492395 A JP15492395 A JP 15492395A JP 3008010 B2 JP3008010 B2 JP 3008010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mcaf
production inhibitor
production
compound
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07154923A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH092954A (ja
Inventor
昭 松森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP07154923A priority Critical patent/JP3008010B2/ja
Publication of JPH092954A publication Critical patent/JPH092954A/ja
Priority to PCT/JP1997/001283 priority patent/WO1998046229A1/ja
Priority claimed from PCT/JP1997/001283 external-priority patent/WO1998046229A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3008010B2 publication Critical patent/JP3008010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬上有用な下記一般
式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体及び/又は
その塩を有効成分とするIL−8産生抑制剤及びMCA
F産生抑制剤に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】炎症は種々の刺激(物理・化学
的、微生物など)による組織障害において、生体の恒常
性を保持するために生じる生体防御反応である。該炎症
には、血管透過性の亢進、好中球やマクロファージなど
の炎症細胞浸潤、免疫応答としてのリンパ球浸潤、組織
の修復などの複数のフェーズがある。この炎症には、炎
症の場を構成する種々の細胞や、血管を介して炎症巣に
浸潤してくる白血球など、多彩な細胞が関与している。
【0003】これらの細胞により産生され、複雑な炎症
反応の形成に関与する、ポリペプチド性の活性因子を炎
症性サイトカインと称している。これらのサイトカイン
のうち、白血球走化能を有するサイトカインが近年多数
発見され、それらの構造と機能が解明されてきている。
上記サイトカインは総称してケモカイン(chemok
ines)と呼ばれ、炎症における白血球浸潤に重要な
役割を担っていることが判明されてきた。
【0004】上記ケモカインという名称は、1992年
国際白血球走化因子シンポジウムにおいて白血球に特異
的に走化活性を有するポリペプチド性の因子についてつ
けられたものである。これらの因子はアミノ酸配列の相
同性が高く、構造的に4つのシスティン残基を有してお
り、分子量約1万という共通の特徴を持っている。この
システィン(Cys)の結合様式により、ケモカイン
は、現在Cys−X−Cys及びCys−Cysの二つ
のサブファミリーに分類されており、IL−8(Int
erleukin−8)は前者の、MCAF(Mono
cyte Chemotactic and Acti
vating Factor):別名MCP−1(Mo
nocyte Chemoattractant Pr
otein−1)は後者の代表的なサイトカインであ
る。
【0005】またこれらの両サイトカインはホルモン型
レセプターに結合するとされている。これらのうちIL
−8は分子量8KDaのポリペプチドで、72個のアミ
ノ酸により構成されている。
【0006】IL−8(別名NAP−1:Neutro
phil ActivatingPeptide−1)
は、1987年にLPS刺激したヒト末梢血単核球培養
上清中より好中球走化性因子(NCF)として単離・精
製され[Yoshimura,T.,et al.,P
roc.Natl.Acad.Sci.,USA,
,9233(1987)]、その後、Tリンパ球の走
化性因子(TCF)も同様に単離・精製され[Lase
n,C.G.,et al.,Science,24
3,1983(1989)]、これらは同一因子である
ことが明らかとなりIL−8と名付けられた。
【0007】該IL−8は好中球の遊走を惹起するとと
もに、好中球を活性化する。IL−8の作用としては好
中球走化能の亢進だけでなく、脱顆粒やスパーオキサイ
ドの産生を促進する作用、ライソゾーム酵素放出亢進作
用、LTB4,5HETE産生亢進作用、接着分子(C
D11abc,CD18)発現亢進作用、CR−1発現
亢進作用、非刺激血管内皮細胞への付着亢進作用、サイ
トカイン刺激血管内皮細胞への付着抑制作用、カンジダ
・アルビカンス増殖抑制作用、T細胞及び好塩基球の走
化能の亢進作用などが報告され、好塩基球からのヒスタ
ミン、ロイコトリエン放出亢進や、更には血管内皮細胞
に対する血管新生作用なども報告されている。
【0008】該IL−8の関与が考えられる疾患として
は皮膚の乾癬、慢性関節リウマチ、気管支喘息、急性心
筋梗塞、成人呼吸切迫症候群(ARDS)、敗血症、血
管炎症、肝炎などが挙げられている[高橋将文、臨床
医,19(9),42−45(1993)]。
【0009】一方、MCAFは単球走化性因子として1
989年に単離・精製された[Yoshimura,
T.,et al,J.Exp.Med.,169,1
449(1989)]、該MCAFはLPSで刺激され
た単球やIL−1、TNFなどの炎症性サイトカインで
刺激された血管内皮細胞、線維芽細胞、血管平潤筋細胞
など種々の細胞で産生され、単球走化性及び活性化作用
を有し、更にはTリンパ球や好塩基球の走化能の亢進作
用を有していると報告されている。その他、MCAFは
スパーオキサイドの産生を促進する作用、ライソゾーム
酵素放出亢進作用、抗腫瘍活性増強作用、サイトカイン
産生亢進作用、接着分子(CD11bc)発現亢進作
用、好塩基球からのヒスタミン放出の亢進作用などが報
告されている。該MCAFが関与している疾患としては
動脈硬化症、リウマチ性関節炎、肺線維症、悪性グリオ
ーマ、メラノーマ、線維肉腫、悪性線維性組織球腫[高
橋将文,臨床医,19(9),42−45(199
3)]などが考えられている。
【0010】上記各疾患とIL−8及びMCAFとの関
連より、上記各疾患の予防及び治療には、IL−8及び
MCAFの生体内での過剰産生を抑制する働きを有する
薬剤が有効であると考えられ、かかる薬剤の開発が当業
界で望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記IL−8
異常産生の抑制及び/又はMCAFの異常産生の抑制、
或はIL−8とMCAFとの異常産生の同時抑制によっ
て、該IL−8及び/又はMCAFの異常産生に起因す
る各種疾患の治療を行ない得る、新しいIL−8産生抑
制剤及びMCAF産生抑制剤を提供する点にある。
【0012】本発明者らは、上記目的により鋭意研究を
重ねた結果、以前に強心剤有効成分として開発した下記
一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体及び/
又はその塩が、上記目的に合致する所望のIL−8産生
抑制作用を有することを見出すと共に、MCAF産生抑
制作用をも有し、上記目的に合致する薬剤として有効で
あるという事実を見出し、ここに本発明を完成するに至
った。
【0013】即ち、本発明は一般式
【0014】
【化3】
【0015】[式中Rはフェニル環上に低級アルコキシ
基を有することのあるベンゾイル基を示す。カルボスチ
リル骨格の3位と4位との炭素間結合は一重結合又は二
重結合を示す。]で表わされるカルボスチリル誘導体及
び/又はその塩を有効成分とするIL−8産生抑制剤及
びMCAF産生抑制剤に係わる。
【0016】本発明の有効成分として用いられるカルボ
スチリル誘導体は、例えば特公平1−43747号公報
及び米国特許番号US4415572号公報に記載され
る通り、強心剤として有用であることが既に公知であ
る。また、該カルボスチリル誘導体及び/又はその塩の
うちの一つはうつ血性心不全の患者において、血行力学
的指標と運動耐用量の改善が証明されている[Inou
e et al.,Heart Vessels,
166−171(1986);Sasaymaet a
l.,Heart Vessels,,23−28
(1986);Feldman et al.,Am.
Heart J.,116,771−777(198
8)]。
【0017】上記カルボスチリル誘導体の変力作用に関
連したメカニズムはカリウム電流の低下[Iijima
et al.,J.Pharmacol.Exp.T
her.,240,657−662(1987)]、フ
ォスフォジエステラーゼの軽度の抑制とカルシウム電流
の内向きの流れの上昇を含んでいる[Yataniet
al.,J.Cardiovasc.Pharmac
ol.,13,812−819(1989);Tair
a et al.,Arzneimittelfors
hung,34,347−355(1984)]。
【0018】上記カルボスチリル誘導体は更にリポポリ
サッカライド(LPS)刺激した末梢血単核球の細胞
(PBMC)によるTNF−α、IL−6、IL−1
β、IL−2及びIFN−γを含む種々のサイトカイン
の産生を抑制することが報告されている[Busch,
F.et al.,Eur.J.Clin.Pharm
acol.,42,629−634(1992);Ma
ruyama et al.,Biochem.Bio
phys.Res.Commu.,195,1264−
1271(1993);Shioi,T.et a
l.,Life Sciences,54(1),PL
11−16(1994);Matsumori,A.e
t al.,Circulation,89(3),9
55−958(1994)〕。
【0019】更に上記カルボスチリル誘導体はウイルス
誘導された心筋傷害の改善と該心筋傷害の改善時におけ
るナチュラル・キラー細胞(NK Cell)の抑制作
用を有することも報告されている[Matsui
S.,et al.,J.Clin.Invest.,
94,1212−1217(1994)〕。
【0020】上記作用に加えて、該カルボスチリル誘導
体はアポトーシス調整作用を有することが報告され、該
作用に基づく、癌の治療及び癌転移の抑制、自己免疫疾
患、ウイルス疾患等への有用性も報告されている[ヨー
ロッパ特許公開EP0552373;Nakai et
al.,Jpn.J.Cancer Res.,ab
struct,and Proc.Jpn.Cance
r Assoc.,581(1993);Maruya
ma et al.,Biochem.Biophy
s.Res.Commun.,195,1264−12
71(1993)]。
【0021】しかして、上記一般式(1)で表わされる
カルボスチリル誘導体及び/又はその塩が、前記したよ
うにIL−8産生抑制作用及びMCAF産生抑制作用を
有する報告は未だない。
【0022】本発明のIL−8産生抑制剤及びMCAF
産生抑制剤において、殊に好ましい有効成分化合物とし
ての上記カルボスチリル誘導体としては、6−[4−
(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニ
ル]−3,4−ジヒドロカルボスチリルを例示できる。
【0023】本発明薬剤の有効成分とするカルボスチリ
ル誘導体を表わす上記一般式(1)において示される各
基としては、より具体的にはそれぞれ次の各基を例示で
きる。
【0024】即ち、低級アルコキシ基としては、例えば
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコ
キシ基を例示できる。
【0025】フェニル環上に置換基として低級アルコキ
シ基を有することのあるベンゾイル基としては、例えば
ベンゾイル、2−メトキシベンゾイル、3−メトキシベ
ンゾイル、4−メトキシベンゾイル、2−エトキシベン
ゾイル、3−エトキシベンゾイル、4−エトキシベンゾ
イル、3−イソプロポキシベンゾイル、4−ブトキシベ
ンゾイル、2−ペンチルオキシベンゾイル、3−ヘキシ
ルオキシベンゾイル、3,4−ジメトキシベンゾイル、
2,5−ジメトキシベンゾイル、3,4,5−トリメト
キシベンゾイル基等の、フェニル環上に置換基として炭
素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基の1〜3個
を有することのあるベンゾイル基を例示できる。
【0026】また上記一般式(1)で表されるカルボス
チリル誘導体の塩には、薬理学的に許容される酸付加塩
が包含される。該塩を形成する酸性化合物としては、具
体的には例えば硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸
等の無機酸、蓚酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を例示する
ことができる。
【0027】本発明薬剤の有効成分である一般式(1)
で表わされるカルボスチリル誘導体及び/又はその塩
は、通常、一般的な医薬製剤の形態で用いられる。かか
る製剤は、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付
湿剤、崩壊剤、表面活性剤、潤沢剤等の希釈剤乃至賦形
剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形
態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとし
ては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、
カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、点眼剤
等を例示できる。
【0028】錠剤の形態に形成するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボ
キシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、
リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾
燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミ
ナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル
硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプ
ン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバタ
ー、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩
基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリ
ン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、
ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タル
ク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコー
ル等の滑沢剤等を例示できる。更に錠剤は必要に応じて
通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包
錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重
錠、多層錠とすることもできる。
【0029】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カ
オリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガン
ト末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカ
ンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0030】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
して従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレ
ングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコ
ールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を
使用できる。
【0031】注射剤として調製される場合には、液剤、
乳剤、懸濁剤などは殺菌され且つ血液と等張であるのが
好ましく、これらの液剤、乳剤、懸濁剤などの形態に成
形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用
されているものを全て使用できる。その例としては例え
ば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エト
キシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソス
テアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル類等を挙げることができる。尚、この場合
等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖、
グリセリン等を医薬製剤中に含有させてもよく、また通
常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよ
い。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、
甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有させてもよ
い。
【0032】本発明薬剤中に有効成分として含まれる一
般式(1)の化合物の量は、特に限定されず広範囲より
適宜選択されるが、通常全組成物中約1〜70重量%、
好ましくは約1〜30重量%程度の範囲とするのが適当
である。
【0033】かくして得られる本発明医薬製剤の投与方
法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性
別、その他の条件、疾患の程度に応じて決定される。例
えば、注射剤形態の医薬製剤は、静脈内、筋肉内、皮
下、皮内、腹膣内投与などにより投与され得る、これは
必要に応じてブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合
して静脈内投与することもできる。錠剤、丸剤、顆粒
剤、カプセル剤などの固剤形態や経口投与用液剤形態の
本発明医薬製剤は、経口投与又は経腸投与され得る。坐
剤は直腸内投与できる。また点眼剤は目に適用できる。
【0034】本発明薬剤の投与量は、広範囲から適宜選
択でき、特に限定されるものではないが、通常の臨床利
用に際しては、一般式(1)のカルボスチリル誘導体
(及びその塩)が、通常一日当り体重1kg当り約0.
5〜30mg程度の範囲から選択される量とされるのが
よく、前記投与単位形態中には有効成分が約1〜100
0mg含有されるのが適当である。また本発明薬剤の投
与は、一日1回又は一日3〜4回に分けることもでき
る。
【0035】
【発明の効果】本発明のIL−8産生抑制剤及びMCA
F産生抑制剤は、IL−8及びMCAFの異常産生を抑
制し、これらの異常産生に起因する疾患、例えば皮膚の
乾癬、血管炎、肺線維症等の予防及び治療に有効であ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため製剤
例及び薬理試験例を挙げる。
【0037】
【製剤例1】 6−〔4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル〕−3,4− ジヒドロカルボスチリル 5mg デンプン 132mg マグネシウムステアレート 18mg乳糖 45mg 計 200mg 1錠中、上記組成物の錠剤を製造した。
【0038】
【製剤例2】 6−〔4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル〕−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150g アビセル(商標名,旭化成(株)製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g メタノール 40g 上記有効成分化合物、アビセル、コーンスターチ及びス
テアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油及びメタノールからなるフィルムコーティ
ング剤で被覆を行ない、フィルムコーティング錠を製造
する。
【0039】
【製剤例3】 6−〔4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル〕−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150.0g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸ニカルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール(カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール(カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ラウリル硫酸ナトリウム 3.0g 乾燥スタアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適 量 上記有効成分化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二
カルシウム、プルロニックF−68及びラウリル硫酸ナ
トリウムを混合する。
【0040】上記混合物をNo.60スクリーンにて篩
別し、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500
及びカルボワックス6000を含むアルコール性溶液で
湿式粒状化する。必要に応じてアルコールを添加し、粉
末をペースト状塊にする。コーンスターチを添加し、均
一な粒子が形成されるまで混合を続ける。No.10ス
クリーンを通過させ、トレイに入れ、100℃のオーブ
ンで12〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16ス
クリーンで篩別し乾燥ラウリル硫酸ナトリウム及び乾燥
ステアリン酸マグネシウムを加え、混合し、打錠機で所
望の形状に圧縮成形する。
【0041】上記芯部をワニスで処理し、タルクを散布
して湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を被
覆する。内服用のために充分な回数のワニス被覆を行な
う。錠剤を完全に丸く且つ滑らかにするために、更に下
塗り層及び平滑被覆を適用する。所望の色合いが得られ
るまで着色被覆を行なう。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均
一な光沢の錠剤を調製する。
【0042】
【薬理試験例1】供試化合物として6−[4−(3,4
−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]−3,
4−ジヒドロカルボスチリル(以下、「化合物1」とい
う)を用いて、以下の通りIL−8産生及びMCAF産
生に対する該供試化合物の産生抑制作用を試験した。
【0043】(1)ヒト末梢血単核球(PBMC)を健
常成人者からショ糖密度勾配遠心分離法により分離器
(ファルマシア社製)を用いて単離し、得られた細胞を
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄した後、最
終的に、10%加熱不活性胎児牛血清(FBS:ギブコ
社製)、100単位/mlペニシリン、100μg/m
lストレプトマイシン(ギブコ社製)及び50μM2−
メルカプトエタノールを含むRPMI−1640培地
(ギブコ社製)に再懸濁させ、5%CO2下、37℃で
培養した。
【0044】化合物1を1N塩酸に溶解し、FBSで1
mg/mlの濃度に希釈して、−20℃で保存した。
【0045】貯蔵液を更に培地で希釈し、1N NaO
HでpHを7.0に調製した。
【0046】リポポリサッカライド(LPS:ディフコ
社製)をPBS中に3mg/ml貯蔵液として調整し
た。
【0047】PMA(Phorbol 12−myri
state 13−acetate:シグマ社製)をジ
メチルスルホキシド中に1mg/ml貯蔵液として調整
した。
【0048】(2)サイトカインの産生及び測定 PBMC(2x106細胞/ml)を10μg/mlの
LPSと10ng/mlのPMAで刺激した。試験にお
いて化合物1の5μM及び15μM濃度をLPS刺激と
同時に加えた。24時間インキュベーション後上清を得
て−20℃でサイトカインの測定まで保存した。培養を
2回行ない、合計10サンプルを測定した。また化合物
1無添加で刺激したウェルをコントロールとした。
【0049】次に刺激により産生されたIL−8及びM
CAF量の測定を市販のIL−8及びMCAF測定キッ
ト(どちらも東レ株式会社製)を用いて行なった。
【0050】IL−8及びMCAF測定はキットに添付
の測定手順に従って行ない、450nmの吸光度で測定
し、両標準液の測定値から得られた検量線を作成し、各
サンプル中のヒトIL−8及びMCAFの濃度を読み取
った。
【0051】上記の結果を図1及び図2に示す。
【0052】図1中、縦軸はコントロール(LPS刺激
のみ、LPSとして示す)、化合物1の5μM添加時
(Ves−5として示す)及び15μM添加時(Ves
−3×5として示す)のそれぞれのMCAFの産生量
(pg/ml)を示す。
【0053】図2中、縦軸はコントロール(LPS刺激
のみ、LPSとして示す)、化合物1の5μM添加時
(Ves−5として示す)及び15μM添加時(Ves
−3×5として示す)のそれぞれのヒトIL−8の産生
量(pg/ml)を示す。
【0054】上記の結果から、化合物1は、PBMCの
LPS刺激によって産生されるMCAF及びIL−8の
産生を抑制することが明らかである。
【0055】
【薬理試験例2】 (1)ヒト内皮細胞の培養 ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)をGimbrone
らの方法[Gimbrone M.A.et al.,
J.Cell Biol.,60,673−684(1
974)]を修飾した方法を用いて単離し、20%胎児
牛血清(FCS)、30μg/mlの内皮細胞成長促進
剤(ECGS;シグマ社製)及び90μg/mlのヘパ
リンを含む199培地(シグマ社製)の培地を用いて以
下の通り培養した。
【0056】即ち、臍静脈を抽出し、0.05%のコラ
ーゲナーゼ溶液(ワシントン・バイオケミカル・コーポ
レーション:Worthington Biochem
ical Corporation,USA社製)で満
たし、37℃で20分間インキュベートした。内容物を
培地を含んでいる円錐形のチューブの中に注ぎ込み、遠
心分離した。ペレット細胞をゼラチンでプレコートして
ある組織培養プラスチックプレート上に播いて培養し、
5%CO2下において、37℃で組織培養インキュベー
ター中に維持培養した。この試験に用いられたHUVE
Cは3から5段階レベルのものが含まれていた。
【0057】化合物1を塩酸に溶解し、FBSで1mg
/mlの濃度に希釈して、−20℃で保存した。貯蔵液
を更に培地で希釈し、1N NaOHでpHを7.0に
調整した。IL−1(Genzyme社製)及びTNF
−α(R&D Systems社製)を上記培養液で希
釈し、それぞれ10ng/mlの濃度になるように調整
した。
【0058】(2)サイトカインの産生及び測定 24ウェルのプレートに上記培地にて調整したHUVE
C(2x105細胞/ml)を10ng/mlのIL−
1と10ng/mlのTNF−αでそれぞれ刺激した。
試験において化合物1の2.6μM及び26μM濃度を
加えた後、上記刺激剤を加えた。37℃で24時間イン
キュベーション後上清を得て−20℃でサイトカインの
測定まで保存した。
【0059】各群3サンプルを測定した。また化合物
1無添加で刺激したウェルをコントロールとした。
【0060】次に刺激により産生されたIL−8及びM
CAF量の測定を上記薬理試験例1と同様の方法にて測
定した。
【0061】上記の結果を図3及び図4に示す。
【0062】図3中、縦軸はコントロール(無刺激、−
として示す)、化合物1のみ添加(V26として示
す)、IL−1刺激のみ(IL−1として示す)、TN
F−α刺激のみ(TNFとして示す)、各刺激剤プラス
化合物1の2.6μM添加時(それぞれ+V2.6とし
て示す)及び26μM添加時(それぞれ+V26として
示す)のそれぞれのIL−8の産生量(100pg/m
l)を示す。
【0063】図4中、縦軸はコントロール(無刺激、−
として示す)、化合物1のみ添加(V26として示
す)、IL−1刺激のみ(IL−1として示す)、TN
F−α刺激のみ(TNFとして示す)、各刺激剤プラス
化合物1の2.6μM添加時(それぞれ+V2.6とし
て示す)及び26μM添加時(それぞれ+V26として
示す)のそれぞれのMCAFの産生量(100pg/m
l)を示す。
【0064】上記の結果から、化合物1は、HUVEC
においてIL−1及びTNF刺激によって産生されるI
L−8の産生を抑制することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬理試験例1に従う試験の結果を示すグラフで
ある。
【図2】薬理試験例1に従う試験の結果を示すグラフで
ある。
【図3】薬理試験例2に従う試験の結果を示すグラフで
ある。
【図4】薬理試験例2に従う試験の結果を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 17/06 A61K 31/00 617E 29/00 629A 43/00 643D // C07D 215/38 C07D 215/38 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/495 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中Rはフェニル環上に低級アルコキシ基を有するこ
    とのあるベンゾイル基を示す。カルボスチリル骨格の3
    位と4位との炭素間結合は一重結合又は二重結合を示
    す。]で表わされるカルボスチリル誘導体及び/又はそ
    の塩を有効成分とするIL−8産生抑制剤。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 [式中Rはフェニル環上に低級アルコキシ基を有するこ
    とのあるベンゾイル基を示す。カルボスチリル骨格の3
    位と4位との炭素間結合は一重結合又は二重結合を示
    す。]で表わされるカルボスチリル誘導体及び/又はそ
    の塩を有効成分とするMCAF産生抑制剤。
JP07154923A 1995-06-21 1995-06-21 Il−8産生抑制剤及びmcaf産生抑制剤 Expired - Fee Related JP3008010B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07154923A JP3008010B2 (ja) 1995-06-21 1995-06-21 Il−8産生抑制剤及びmcaf産生抑制剤
PCT/JP1997/001283 WO1998046229A1 (fr) 1995-06-21 1997-04-14 Inhibiteurs de la production d'il-8 et du mcaf

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07154923A JP3008010B2 (ja) 1995-06-21 1995-06-21 Il−8産生抑制剤及びmcaf産生抑制剤
PCT/JP1997/001283 WO1998046229A1 (fr) 1995-06-21 1997-04-14 Inhibiteurs de la production d'il-8 et du mcaf

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH092954A JPH092954A (ja) 1997-01-07
JP3008010B2 true JP3008010B2 (ja) 2000-02-14

Family

ID=15594911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07154923A Expired - Fee Related JP3008010B2 (ja) 1995-06-21 1995-06-21 Il−8産生抑制剤及びmcaf産生抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3008010B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2312843A (en) * 1996-05-07 1997-11-12 Merck & Co Inc Method of treating rheumatoid arthritis

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
医学のあゆみ,174(14),1195(1995)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH092954A (ja) 1997-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5096906A (en) Method of inhibiting the activity of leukocyte derived cytokines
EP1248604B2 (en) Combinations comprising dipeptidylpeptidase-iv inhibitors and antidiabetic agents
KR20000010676A (ko) 섬유성병소의치료및예방
US5672603A (en) Apoptosis regulating composition
JP2011148806A (ja) 重症心不全の治療方法およびその薬剤
JP2001322933A (ja) Cd40シグナル遮断剤
JP2012140444A (ja) 抗炎症剤
EP1181935B1 (en) Use of Olanzapine for the treatment of mental disorders resulting from cerebrovascular disorders
JPH0575729B2 (ja)
JP2008509974A (ja) 抗炎症剤
JPH0812578A (ja) インターロイキン−8産生抑制剤
US6710046B1 (en) Pharmaceutical composition for modulating immunity
JP3008010B2 (ja) Il−8産生抑制剤及びmcaf産生抑制剤
US6034100A (en) Method for inhibiting cytokine secretion
JP2005529927A (ja) 新規な組み合わせ
JPH10511978A (ja) アルツハイマー病の治療用薬剤
EP1016408B1 (en) Novel paharmaceutical use of c-c chemokine production inhibitors
KR102377420B1 (ko) 피리메타민을 유효성분으로 포함하는 류마티스 관절염의 치료 또는 예방용 약학 조성물
JPH05148143A (ja) 抗糖尿病薬
JP4096122B2 (ja) 心臓線維芽細胞の増殖および心線維症を抑制する方法
JP2946377B2 (ja) TNF−α及びIL−6産生抑制剤
WO1998046229A1 (fr) Inhibiteurs de la production d'il-8 et du mcaf
JP3054743B2 (ja) 移植組織の拒絶反応抑制剤
JP3944257B2 (ja) 肝実質細胞増殖因子産生増加剤
JP4426654B2 (ja) 免疫調節用医薬組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees