JP2004025565A - 転写シート及びそれを用いた金属製化粧材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上の一方の面に少なくとも絵柄層、接着層を順に積層してなる転写シートにおいて、絵柄層が架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤よりなることを特徴としている転写シートである。前記転写シートを用いた化粧材の製造方法において、転写シートを接着層面側と折り曲げ加工前の金属製の被転写体とが接するように重ね合わせ熱圧させ、次に折り曲げ加工して、所望の形状とし、その後支持体を金属製の被転写体より剥離し、前記絵柄層、接着層を転写させた後、支持体が剥離された金属製の被転写体を加熱して、絵柄層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤を反応させることを特徴とする化粧材の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅部材等への意匠性を付与する為の転写シート及びそれを用いた金属製化粧材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属製の化粧材を作製する方法としては、転写印刷法が広く用いられている。例えば、平版状の金属製板とフイルム支持体上に、保護層(トップコート層とも呼ばれる)及び絵柄層、接着層を順に設けた転写シートを重ね合わせ、熱圧する。しかる後、支持体を剥離することにより、化粧性を有した金属板を作製し、その後折り曲げ加工を施し、化粧材を作製していた。
【0003】
しかしながら、上記従来の方法によると、表面強度を確保するため、保護層に例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等を架橋材で硬化させたものを使用した場合、保護層が固くなり、折り曲げ加工時にクラックが発生したり、白化する不具合が発生していた。また保護層中に使用している架橋材の影響で支持体と保護層との接着力が高くなり、支持体が剥離できず転写不良を起こすことがあった。
【0004】
また特開平7―329491号には前記折り曲げ加工時のクラックおよび白化する不具合に対して転写層を被転写体に固着させ、支持体を剥離せず転写シートと共に折り曲げ加工し、その後支持体を剥離する化粧材の製造方法が記載されているが、表面強度を高める為に転写層を固くした場合には、完全にクラックおよび白化を防止することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術をもとに、本発明が解決しようとする目的は、表面強度が高く、折り曲げ加工時に発生するクラックおよび白化のない金属製化粧材の製造方法及びそれに用いる転写シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に、第1の発明は、支持体上の一方の面に少なくとも絵柄層、接着層を順に積層してなる転写シートにおいて、絵柄層が架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤よりなることを特徴としている転写シートである。また第2の発明は、第1の発明により得られた転写シートを用いた化粧材の製造方法において、転写シートを接着層面側と折り曲げ加工前の金属製の被転写体とが接するように重ね合わせ熱圧させ、次に折り曲げ加工して、所望の形状とし、その後支持体を金属製の被転写体より剥離し、前記絵柄層、接着層を転写させた後、支持体が剥離された金属製の被転写体を加熱して、絵柄層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤を反応させることを特徴とする化粧材の製造方法である。
また、第3の発明は支持体上の一方の面に少なくとも保護層、絵柄層、接着層を順に積層してなる転写シートにおいて、保護層が架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤よりなることを特徴としている転写シートである。また第4の発明は、第3の発明により得られた転写シートを用いた化粧材の製造方法は、転写シートを接着層面側と折り曲げ加工前の金属製の被転写体とが接するように重ね合わせ熱圧させ、次に折り曲げ加工して、所望の形状とし、その後支持体を金属製の被転写体より剥離し、前記保護層、絵柄層、接着層を転写させた後、支持体が剥離された金属製の被転写体を加熱して、保護層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤を反応させることを特徴とする化粧材の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明する。図1は第1の発明による転写シートの構成を示す図である。使用される支持体としては、ポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフイルム、ポリ塩化ビニル樹脂フイルム、あるいはこれらの他の支持体とのラミネートフイルムなど、従来転写印刷法で使用される公知の支持体が使用可能である。使用される支持体の厚みは、被転写体の表面凹凸の程度や転写条件や使用する支持体の種類の兼ね合いにより選択すればよい。支持体にポリエチレンテレフタレートフイルム(以下、PETと称す。)を用いた場合、通常厚みは5.5〜50μmのフィルムを用いるのが好ましい。
【0008】
第1の発明においては、まず始めに上記転写シートの支持体上に、印刷により架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤よりなる絵柄層を設ける。絵柄層に用いられる架橋性反応基を有するバインダー樹脂としては,水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、シラノール基、チオール基、を末端に有する化合物が挙げられる。中でも耐候性の点からフッ素系樹脂を用いるとよい。架橋性反応基を有するフッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、モノクロロトリフルオロエチレン、エチレン/モノクロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル等のフッ素樹脂に水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シリルオキシカルボニル基等、反応基を有するモノマー単位を共重合、またはグラフト重合したバインダー樹脂が挙げられる。
【0009】
絵柄層に使用される潜在性硬化剤としては、実質的に常温では反応性を有さず、反応開始温度以上の加熱時に活性化し反応する硬化剤であり、バインダー樹脂が有する架橋性反応基に応じて、当業者によって良く知られている種々のものを選択使用できる。例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、脂肪族多価カルボン酸及びその無水物、エポキシ樹脂、カルボジイミド化合物等が挙げられる。これらの中でも安定性の点からブロックイソシアネート化合物を用いるとよい。
【0010】
ブロックイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メシチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、又はこれらのビューレット体、アダクト体、イソシアヌレート体等に含有されている遊離のイソシアネート基を、例えばフェノール、クレゾール等のフェノール系ブロック剤や、メチルエチルケトンオキシム、アセトンオキシム等のオキシム系ブロック剤、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系ブロック剤、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、マロン酸エチル等の活性メチレン系ブロック剤、メタノール、エタノール等のアルコール系ブロック剤、アミン系ブロック剤、イミン系ブロック剤、イミド系ブロック剤、イミダゾール系ブロック剤、メルカプタン系ブロック剤等のブロック剤でブロックしてなる化合物を使用することができる。
【0011】
また絵柄層には化粧性を付与するため着色剤を含有する。着色剤としては従来公知の着色剤を用いることができる。
【0012】
絵柄層の形成方法としては所望の公知印刷方法、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等により形成される。
【0013】
次に、この絵柄層の上に接着層を設けて、転写シートとする。接着層の組成物としては例えば、ウレタン、ポリエステル、ポリメチルメタアクリレート、スチレンアクリル、アクリルポリオール等アクリル樹脂、シリコンアクリル共重合体、シリコンウレタン共重合体等シリコン樹脂、フルオロエチレンアルキルビニルエーテル共重合体、フルオロエチレンアルキルビニルエステル共重合体等フッ素系樹脂などが挙げられる。なかでも架橋性反応基を有するバインダー樹脂と、加熱により前記バインダー樹脂と被転写体に対して各々に反応架橋する潜在性硬化剤より構成するのが好ましい。
【0014】
絵柄層と共に接着層にも、潜在性硬化剤を用いた層とする転写シートを用いることにより、表面強度が高く、折り曲げ加工時に発生するクラックおよび白化のない金属製化粧材の前記品質性能の向上が可能となる。
【0015】
接着層に使用される架橋性反応基を有するバインダーとしては、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、シラノール基、チオール基、を末端に有する化合物が挙げられる。中でも耐候性の点からフッ素系樹脂を用いるとよい。架橋性反応基を有するフッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、モノクロロトリフルオロエチレン、エチレン/モノクロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル等のフッ素樹脂に水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シリルオキシカルボニル基等、反応基を有するモノマー単位を共重合、またはグラフト重合したバインダー樹脂が挙げられる。
【0016】
また、接着層に使用される潜在性硬化剤としては、前記絵柄層で使用する潜在性硬化剤などが挙げられる。
【0017】
更に、接着層は、下地隠蔽性及び意匠性の観点から、着色成分を含んでいても良い。上記着色成分としては特に限定されず、前記絵柄層にて用いられる顔料成分同様、従来から公知の有機、無機顔料が使用できる。上記接着層中の上記着色成分の固形分重量は特に限定されないが、下地隠蔽性、意匠性、膜性能、及び被転写体との接着性を考慮した上で、接着層固形成分中70重量%以下であることが望ましく、更に望ましくは60重量%以下であることが望ましい。
【0018】
接着層の形成方法としては、通常、バーコーター、マイクロコーター、グラビアコーター等を用いて5〜30μmの膜厚になるように塗工するのが好ましい。
【0019】
第2の発明においては、前記手法により作製した転写シートを接着層面側と折り曲げ加工前の金属製の被転写体とが接するように重ね合わせ公知のラミネーターや熱プレス機、サーマルヘッドを有するプリンター、アイロン等で加熱・圧着し、転写シートと被転写体とを接着させる。この時の加熱温度としては50℃〜200℃、好ましくは70℃〜170℃で加熱・圧着することが好ましい。50℃を下回る温度で加熱・圧着した場合、加熱不足による転写不良が発生しやすい。また200℃を超える温度で加熱・圧着した場合、絵柄層に使用している潜在性硬化剤が活性化する可能性があり好ましくない。
【0020】
次に板金折り曲げ加工機等を使用し、折り曲げ加工して、所望の形状とする。折り曲げ加工時には、絵柄層に潜在性硬化剤を含有しているものの、熱硬化層となっていないので、可塑性をおびた物性を持ち、クラックおよび白化の不具合は発生しない。その後支持体を金属製の被転写体より剥離し、前記絵柄層、接着層を転写させた後、支持体が剥離された金属製の被転写体を加熱して、絵柄層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤を反応させ化粧材を製造する。この時の加熱温度は80℃〜250℃として、加熱時間を調整して熱硬化させる。80℃を下回る温度で加熱した場合、絵柄層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤とが反応せず、化粧材表面の硬度を高めることが出来ない。250℃を超えると材料が炭化する可能性が出てくる。バインダー樹脂が熱硬化した絵柄層は、強強度の層となり高い表面硬度を持った化粧材が製造できる。
【0021】
図2は第3の発明による転写シートの構成を示す図である。使用される支持体としては、第1の発明で使用される支持体と同様のものが使用できる。
【0022】
第3の発明においては、まず始めに上記転写シートの支持体上に、架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤よりなる保護層を設ける。
保護層に用いられる架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤としては,前述した第1の発明で絵柄層に使用される架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤が挙げられる。第3の発明の保護層においても、第1の発明の絵柄層の説明で記載した同じ理由で、架橋性反応基を有するバインダーとしては、フッ素系樹脂をもちいるとよい。また、潜在性硬化剤としては、ブロックイソシアネートを用いるとよい。
【0023】
保護層の形成方法としては、通常バーコーター、マイクロコーター、グラビアコーター等を用いて1〜30μmの膜厚になるように塗工するのが好ましい。
【0024】
次に、この保護層の上に公知の印刷方法、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等により所望の絵柄を印刷し絵柄層とする。
【0025】
この絵柄層の組成物としては、例えば、ポリエステル、ウレタン、ポリメチルメタアクリレート、スチレンアクリル、アクリルポリオール等アクリル樹脂、シリコンアクリル共重合体、シリコンウレタン共重合体等シリコン樹脂、フルオロエチレンアルキルビニルエーテル共重合体、フルオロエチレンアルキルビニルエステル共重合体等フッ素系樹脂などが挙げられる。なかでも架橋性反応基を有するバインダー樹脂と、加熱により前記バインダー樹脂と被転写体に対して各々に反応架橋する潜在性硬化剤より構成するのが好ましい。
【0026】
またこの絵柄層には化粧性を付与するため着色剤を含有する。着色剤としては従来公知の着色剤を用いることができる。
【0027】
次に、この絵柄層上に接着層を設けて、転写シートとする。この接着層の組成物としては、第1の発明で使用される接着層の組成物と同様の組成物が挙げられる。
【0028】
保護層と共に絵柄層、接着層にも、潜在性硬化剤を用いた層とする転写シートを用いることにより、表面強度が高く、折り曲げ加工時に発生するクラックおよび白化のない金属製化粧材の前記品質性能の向上が可能となる。
【0029】
第4の発明においては、第3の発明により作製した転写シートを使用し、第2の発明と同様に転写シートを接着層面側と折り曲げ加工前の金属製の被転写体とが接するように重ね合わせ熱圧させ、次に折り曲げ加工して、所望の形状とし、その後支持体を金属製の被転写体より剥離し、前記保護層、絵柄層、接着層を転写させた後、支持体が剥離された金属製の被転写体を加熱して、保護層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤を反応させ化粧材を製造する方法とする。このように製造された化粧材は、第2の発明の製造方法の説明で記載した理由と同じ理由で、表面にクラックおよび白化等がなく高い表面強度を持った化粧材となる。
【0030】
第1の発明、第3の発明の転写シートにおいて、基材と絵柄層の間、および基材と保護層の間に、シリコーン系樹脂等の剥離層を設けてもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものでは無い。
【0032】
【実施例1】厚み12μmのPET上に、フルオロエチレン/アルキルビニルエーテル共重合体(水酸基価:50mgKOH/g)100重量部、ブロックイソシアネート(IPDI、NCO%:10%、解離温度:110〜130℃)を17.0重量部、トルエン117.0重量部、酢酸エチル117.0重量部からなる保護層塗液をマイクロコーター又はグラビアコーターを用いて5μmの厚みに塗工する。塗工後、これを100℃の温度条件下で5分間乾燥させ、保護層を形成させた。
【0033】
次いで、前記保護層の上に前記保護層塗液と同組成の塗液100重量部に対し、黒顔料(PBk−7)、藍顔料(PB−15:3)、赤顔料(PR−122)、黄色顔料(PY−173)を各々117.0重量部添加した黒、藍、赤、黄色印刷インクを用い、グラビア印刷機にて所望の絵柄を印刷した後、100℃温度条件下で5分間乾燥させ、絵柄層を形成した。
更に、前記絵柄層の上にアクリルポリオール(水酸基価:17.5mgKOH/g)100重量部に対し、ブロックイソシアネート(TMXDI、NCO%:10.5、解離温度:140〜160℃)53.5重量部、酸化チタンを100重量部、トルエン253.5重量部からなる接着層塗液をマイクロコーター又はグラビアコーターを用いて15μmの厚みに塗工することで転写シートを得た。
【0034】
【実施例2】厚み12μmのPET上に、保護層を設けずに絵柄層、接着層を積層した以外は、実施例1と同様にして、転写シートを得た。
【0035】
【比較例1】保護層にフルオロエチレン/アルキルビニルエーテル共重合体(水酸基価:50mgKOH/g)100重量部に対し、イソシアネート(HDI、NCO%:10.5)53.5重量部からなる保護層塗液を5μmの厚みに塗工した後、100℃の温度条件下で10分間温乾養生させ、硬化した被膜の保護層とする以外は、実施例1と同様にして転写シートを得た。
【0036】
【比較例2】保護層にフルオロエチレン/アルキルビニルエーテル共重合体(水酸基価:50mgKOH/g)のみを使用した保護層塗液を用いる以外は、実施例1と同様にして転写シートを得た。
【0037】
【比較例3】厚み12μmのPET上に、フルオロエチレン/アルキルビニルエーテル共重合体(水酸基価:50mgKOH/g)100重量部、イソシアネート(TDI、NCO%:10%)を17.0重量部、トルエン117.0重量部、酢酸エチル117.0重量部からなる塗液100重量部に対し、黒顔料(PBk−7)、藍顔料(PB−15:3)、赤顔料(PR−122)、黄色顔料(PY−173)を各々117.0重量部添加した黒、藍、赤、黄色印刷インクを用い、グラビア印刷機にて所望の絵柄を印刷した後、100℃温度条件下で10分間乾燥させ、硬化した絵柄層を形成した。
更に、前記絵柄層の上にアクリルポリオール(水酸基価:17.5mgKOH/g)100重量部に対し、ブロックイソシアネート(TMXDI、NCO%:10.5、解離温度:140〜160℃)53.5重量部、酸化チタンを100重量部、トルエン253.5重量部からなる接着層塗液をマイクロコーター又はグラビアコーターを用いて15μmの厚みに塗工することで転写シートを得た。
【0038】
【比較例4】絵柄層にフルオロエチレン/アルキルビニルエーテル共重合体(水酸基価:50mgKOH/g)100重量部、トルエン117.0重量部、酢酸エチル117.0重量部からなる塗液100重量部に対し、黒顔料(PBk−7)、藍顔料(PB−15:3)、赤顔料(PR−122)、黄色顔料(PY−173)を各々117.0重量部添加した黒、藍、赤、黄色印刷インクを用いる以外は、比較例3と同様にして転写シートを得た。
【0039】
前記の方法で得られた実施例1,2と比較例1,2,3,4の転写シートを、市販の0.5mm厚アルミ板(表面がアクリル樹脂でコーティングされたもの、アクリル樹脂の酸価:15.0mgKOH/g)に対し、接着層側をアルミ板に重ね合わせた状態で、ゴム硬度80°の2対のロールからなるゴムロールを有するラミネーター機を用い、上側ロール温度を130℃、下側のロール温度130℃、ロール圧4.0kg/cm2、ライン速度5m/minの条件で転写した。転写されたアルミ板が室温まで冷却された後、支持体の剥離をおこない、ギアオーブンを用い150℃にて30分焼き付けをおこない、化粧材サンプルを得た。
【0040】
【評価結果】実施例1、2及び比較例1、2、3、4にて得られた化粧材サンプルについて、JIS H−8602に準ずる評価方法で、碁盤目評価、鉛筆硬度を、JIS K−5400に準ずる評価方法で、耐屈曲性の評価をおこなったところ、実施例1、2の方が比較例1、2、3,4よりも明らかに優れた性能を示した。表1に評価結果を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、住宅部材等への意匠性を付与する為の転写シート及びそれを用いた金属製化粧材の製造方法に関し、表面強度が高く、折り曲げ加工時に発生するクラックおよび白化のない金属製化粧材の製造を可能とするものである。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1発明の転写シートの一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の第3発明の転写シートの一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…支持体
2…絵柄層
3…接着層
4…保護層
Claims (4)
- 支持体上の一方の面に少なくとも絵柄層、接着層を順に積層してなる転写シートにおいて、絵柄層が架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤よりなることを特徴とする転写シート。
- 請求項1記載の転写シートを接着層面側と折り曲げ加工前の金属製の被転写体とが接するように重ね合わせ熱圧させ、次に折り曲げ加工して、所望の形状とし、その後支持体を金属製の被転写体より剥離し、前記絵柄層、接着層を転写させた後、支持体が剥離された金属製の被転写体を加熱して、絵柄層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤を反応させることを特徴とする化粧材の製造方法。
- 支持体上の一方の面に少なくとも保護層、絵柄層、接着層を順に積層してなる転写シートにおいて、保護層が架橋性反応基を有するバインダー樹脂と潜在性硬化剤よりなることを特徴とする転写シート。
- 請求項3記載の転写シートを接着層面側と折り曲げ加工前の金属製の被転写体とが接するように重ね合わせ熱圧させ、次に折り曲げ加工して、所望の形状とし、その後支持体を金属製の被転写体より剥離し、前記保護層、絵柄層、接着層を転写させた後、支持体が剥離された金属製の被転写体を加熱して、保護層中の架橋性バインダー樹脂と潜在性硬化剤を反応させることを特徴とする化粧材の製造方法。
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